5
エンパイアウォー㊴~今ぞ、今ぞ。

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #オブリビオン・フォーミュラ #織田信長 #魔軍転生

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#戦争
🔒
#エンパイアウォー
🔒
#オブリビオン・フォーミュラ
🔒
#織田信長
🔒
#魔軍転生


0




●魔空安土城にて
「のうサルや、のうサルよ。貴様は儂と……いや、無粋というものか」
 野望は潰えた。この先僅かな光明が、蛍火より淡く仄かなそれがありはしない泡沫と気づかぬほど愚かではない。
 されど胡坐を解き、ゆったりと立ち上がる。その瞳は終末の先を見据えていた。
「――死中に活路あり。往こうとも。第六天魔王の名、伊達ではないと思い知らせてやろう!」

●いざ討たん総大将
「目標標的条件一つ!どうにかして織田信長を地獄に送り返してやれ!」
 これは終焉、これは結末、これはそのうちの一つ。
 煙瀧・たむけ(ツートンスピリット・f00271)と呼ばれる彼女は明るく猟兵たちに向き直る。
「御大層な前置きはは要らねぇよな?ってわけで早速作戦説明するぜ」
 最終決戦。取りこぼしはあってはならない、一つのミスが命を奪うかもしれないから。
「敵さん大将の織田信長――あいつは秀吉の力を憑装している。ただでさえ半端じゃないバケモンだけど、プラスアルファで秀吉の力も乗ってるから要注意だ」
 例えば、信長の鎧。それは無数の槍を内包する攻守一体の城壁。
 例えば、秀吉の力。それは全身を覆う一つの戦装束。
 例えば、秀吉その人。無数、自在の彼は魔王の軍隊。
「オブリビオン・フォーミュラ、何もかもが規格外の相手だけど、俺ちゃんたちだってやってやれねぇことはねぇ。気を抜かず、手を抜かず、ジャイアントキリングを着実に成すだけだ。キュウソネコカミじゃねぇけど追い詰められた相手が一番怖いのはわかるよな?」
 世界をどうにかしてしまえるほどの力を持つ相手が、『どうにか』なってしまったときのことを考えれば寒気がする。なんて、なんて重い戦いなのかと。
「だぁいじょうぶだ負けやしねぇ!目標討伐、達成勝利だ!ヤベェやつだからこそイキっていこうぜ!敵さんも立場逆なだけでやるこた一緒だ、『死中の中にこそ活路あり』ってよ!」
 屈託のない笑みで猟兵たちの背中をバシバシと叩く。決戦、おわりの終り、はじまりの始まり――。


紫芋
 紫芋と申します。エンパイアウォー最終局面、頑張っていきましょう。

 第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 生半可は通用しない、どこまでも執拗に、徹底的に。
 プレイングお待ちしております。
42




第1章 ボス戦 『第六天魔王『織田信長』秀吉装』

POW   :    黒槍殲撃
【秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    黒粘剣戟術
【秀吉の黒粘液で全身から刀まで全てを覆い】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    シャドウクローニング
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:UMEn人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

七草・華癒
いやあ首塚の呪詛、堪能させてもらったよ。
悪口暴言呪詛の神のボクとしては素晴らしすぎる大戦だった。
その意味では信長さんにも感謝だけど、そろそろ幕引きと行こうじゃないか。


まず先制攻撃だけど、基本的には【オーラ防御】で対抗するよ。
【第六感】と【見切り】で秀吉が多く攻撃してくる位置をできるだけ読んで、
その部分の防御を高める形で防ぐ感じかな。


防げればUCを発動するわけだけど、
相手に当てるのではなく地面に叩きつける形で発動、
怨霊の手を召喚して信長や秀吉を拘束、
動きを止めた上で呪符や真言の符を叩きつけるよ。
ただほかに一緒に戦ってくれる人がいれば動きを止めることに集中して味方に攻撃を任せるよ。今だよ!ってね。



●先陣、一番槍
 目前に居るは憎き猟兵、しかしその少女はやけに愉しげに笑っている。
「童よ、何がおかしい。貴様ら猟兵とて儂をそう易々と殺せるなどと思うなよ」
「いやなぁに、ボクは『そういうの』の神でね、まさかこんな規模の呪詛を見るとは。ついつい堪能してしまったよ」
 カランコロンと下駄を鳴らし、七草・華癒(いまはおさなきのろいのことば・f19055)は信長に微笑みかける。
「いいものを見せてもらったのは信長さんのおかげでもあるし、感謝したいところだけど――幕引きと行こうじゃないか」
「ほう、儂相手と知ってなお神が挑みよるか。第六天魔王、伊達ではないぞ?」
 信長の影が膨れ上がる。歪な肉塊のようなそれは爆発とともに無数の小さな秀吉となる。
『フェンフェンフェーン!』
「フェン、フェフェン(忠節見せてみよ秀吉)!」
 掛け声で彼らは一斉に飛び掛かる。油断なく、死角から首を、真上から頭を、防御に回す腕を、容赦なく引き裂く。
「――クッ、でも、さぁ、効かな、い、よぉ……!」
 全身にオーラを纏い、そして流動させ、致命の一撃を紙一重で回避する。薄皮が切り刻まれようとも、骨が砕けようとも、決して倒れることはなく。無数の攻勢を、神は捌き切った。
「さぁて次はこっちの番。掬われるのは心か足か、好きな方を選びなよ!」
 オーラを弾けさせ、一瞬の空白の間に地面に札を叩きつける。湧き出すは怨霊の執念、地獄の鬼の首取る掌。――お前も、お前も、お前も一緒に!
「……童、儂の動きを封じたとて、それで勝ったとはいえぬぞ?」
「まさか、ここからが始まりだろうよ!」
 杖を地面で打ち鳴らし、腕を振るえば溢れんばかりの呪符が飛び出す!
「さぁさぁ耐えてみせてくれ、悪口暴言呪詛の神の権能祟りフルコースと行こうじゃないか!」

成功 🔵​🔵​🔴​

月舘・夜彦
【花簪】

織田信長の存在は今回の戦にて聞いていましたが
よもや豊臣秀吉が憑くとは……

信長の先制攻撃は私が引き受け、隙を見て狼殿を向かわせます
無数の槍を躱す方が困難、ならば正面から挑むのみ
貴殿、天下に名を轟かせた織田信長とお見受けする
――いざ、尋常に勝負!

視力・見切りにて放つ槍の数と方向を確認
自分達の方へ来る槍に早業併せ抜刀術『八重辻』
2回攻撃にて手数を増やし、刀で槍を武器受け・落としにて捌く
鎧から作られた槍ならば鎧砕きも少なからずは通用するはず
負傷は端から承知
激痛耐性と覚悟にて耐え抜いてみせましょう

槍を捌き終え、カウンターの斬り返しと見せかけ
フェイントにて狼殿に繋ぎます
狼殿、後は任せます!


ジョン・フラワー
【花簪】
わんわんわん! キミがアリスたちをいじめる悪いやつだね!
空飛ぶお城だなんてサイコーにかっこいいじゃないか!
僕の腕も絶好調だよ! さあ楽しく打ちあうとしよう! いくよいくよ!

なんてね! キミの手が僕よりも早いことは知ってるのさ!
これはフェイント! カウンター状態の簪のアリスの後ろに滑り込んで攻撃を肩代わりしてもらうよ!
黒槍もこれで回避! もし簪のアリスの背後から来るようなことがあっても僕が叩き落とすからね!

槍が止んだら反撃だ!
足元にフェンフェン君がいたら木槌のなぎ払いでちょっとどいてもらうよ
つるつるの素敵な鎧でも強く叩いたら割れちゃうよね!
どこで受けても痛いよ! さあ覚悟するんだ!



●後詰、二種
「お初に御目掛かる。貴殿、天下に名を轟かせた織田信長とお見受けする」
 雪駄の音に目を配れば、佩いた刀に手を掛けこちらを見据える侍一人。月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)と名乗るその丈夫は既に戦の構えに入っている。
「如何にも、儂が信長である。貴様の所望は果し合いか?」
「左様。では――いざ、尋常に勝負!」
 深く構えに入る夜彦に、素早く踏み込んだ信長の刀が大上段より迫り来る!僅かに半身をずらし避けるその瞬間、甲冑が弾けるように黒槍と化し周囲すべてを巻き込んで貫き砕かんと猛進する!
「――全て、返そう」
 煌くは八つの剣閃。その剣筋は不可視の叛逆。八重を二重に、九死を越えなお尊き命を救うため。胸を貫くそれを刀の腹で受け流す。別たれなおも狙いくれば渾身の一刀にて叩き切る。折れた槍が蠢けば打ち払い遠くへと。その間にも加速度的に攻めは激しくなっている。気づけば全身を覆う粘液によりなおも技は冴えてゆく。さりとて命繋ぎ留めるには一瞬の油断も許されない。一度渾身の力を崩せば秒をまたぐ間もなく自らの首が弾け飛ぶだろう。
 無数の黒槍は無限の抜刀に弾かれる。まるで永久にも思えるこの拮抗、須臾すら、いいや刹那さえまだ過ぎ去っていないというこの無常。どれほど鍛えられた超常のものだろうとも命の摩耗を感じずにはいられない。何か、何か詰みへと突き進む千日手に、拮抗を崩す一手を――!
「わんわんわん!すごいねすごいね!いやぁこんなカッコいい弾き合いなんてきっとこれから先もう見れないよ!あれ、見れる?アリスも僕がこういうこと出来たら楽しんでくれるかなぁ?でもでもきっとこういう僕の方がアリスも好きさ!」
 突如、鉄が弾ける音だけが響く空間に異様なまでに明るい声が響いた。それはまるで春の底抜けに晴れた花畑のような、どこまでも楽しげな。
 声の主は夜彦の背後から跳ねるように飛び出す。痩躯と評しても憚りのないその双腕が信長の身体を強かに打ち付けた!続く追撃は滑る鎧に流されるも甲冑にはヒビが入り、僅かながらも魔王の口から血が零れる。
「――犬、貴様どこに……そうか、二人羽織か」
「ちょっと違うね僕はオオカミ、可愛いアリスと楽しむんだ!そしてただ後ろにいただけさ!実は簪のアリスよりも僕のほうが背が高いんだけどね!ついでにこの木槌も僕よりおっきいんだけどね!でもほら世界って結構不思議一杯じゃない?隠れるぐらいよくあるよ!夜は眠いしね!」
 彼の名はジョン・フラワー(まごころ・f19496)、とりとめもなく掴みどころのない、終わりのない光明。土壇場に狂い咲く蛮勇である。
「狼殿、再度参りましょう」
「おーけーアリス!次はもっと楽しくしよう!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

尾崎・ナオ
●防御
黒く覆われるのを防御? いやこの多分攻撃してくるんだろうなぁ。
そいじゃ回避回避!ボス級の一撃なんて食らったら死んじゃう☆
「フェンの内容が判る…下等生物の言葉が判るなんて、ナオちゃんやっぱ天才!」
相手を下等生物と罵り挑発11、馬鹿にする事で【指定UC】を発動、爆発的にスピードと反応速度を増大させ、回避する事に専念する。
持ち前の視力10で動きを確認し、次の行動を第六感41で予測し回避。

●反撃
摩擦抵抗を減らす、だと中途半端なナイフ攻撃は通らないだろうな。
それなら、ナオちゃんの代名詞。二丁拳銃の超高速早打ち!
UC発動のまま、クイックドロウ157で早打ち接近して、
早業40で【零距離射撃36】!



●横矢、突撃
「今フェンフェンって言った?言った内容判る……理解できちゃうナオちゃんやっぱ天才!かとーせーぶつの言語だってナオちゃんにかかれば算数よりも簡単さぁ!」
 ケラケラと嫌味な笑い声をあげて信長の顔を覗き込むのは尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)。長い黒髪をたなびかせ、いつの間にか闇より近づく。
 それを見据える信長の顔は明るくはなく。
「儂が言うべきことではないが、まったく猟兵というものに礼儀はなしか」
「死骸に贈る言葉なんてないなぁ」
 あくまでも嘲るナオ。一触即発、すべては初動で決まると彼女は予想していた。笑顔の裏では冷や汗が出る、態度と表情と真逆の緊張が包んでいた。
 水滴が落ちる、正確には落ちたような音が「気」がした。瞬きはしていないのに、気づかなかったわけじゃないのに、既に漆黒が魔王を包んでいた。
 ――ノーモーションで神速の突き。ナノ秒のタイミングだろうか、れともピコ秒のタイミングだったろうか。とにかくその刹那に全身を前に捩り切っ先を避けていなければこう考えている脳味噌は無残なものになっていただろう。だがまだ攻勢は終わらない、そのまま刀が振り下ろされる。足の指先の力だけで大地を蹴り出し回るように刃の通り道を潜り抜けた。そのまま滑るように懐に――。
「さっすがナオちゃん紙一重!天才的でしょ!」
 闇よりなお黒い漆黒の拳銃。どこからか取り出したそれを片や胴に、片や顎に向け、弾倉の中身をすべて吐き出した。
 すぐさま突き出される高速の正拳、両足で受け、衝撃を逃すように跳ねる。その仕草はまるでしなやかな猫のようで。
「いやぁ危ない危ない。んでまぁ、やっぱり簡単には倒れてくれないかぁ」
 鉛の暴風を至近距離で喰らったにも関わらず信長は生存していた。だがしかし、着実にダメージの蓄積は確認できている。薄氷の上を渡り歩く戦闘も、確実に終焉が見えてきているのだ。
「娘よ、同じ手は二度喰らわぬぞ?」
「異物が吠えるねぇ、ナオちゃんの前ではボスだってもう終わりだよ☆」

成功 🔵​🔵​🔴​

花邨・八千代
つえーやつがいると聞いて首突っ込まない訳がねーよなァ!
いーじゃんいーじゃん!つえー奴は大好きだ!
そーゆー奴をボコスカにすんのはもっと好きだぜ!

◆行動
南天を太刀に変じてぶっ飛んできた槍に「カウンター」!
捌き切れない分は「第六感」で回避すんぞ。
力にはちっとばかし自信があんだよ、俺ァ。
「怪力」乗っけた【ブラッド・ガイスト】で「なぎ払い」だ!
返す刀で「2回攻撃」、「鎧砕き」で更に「傷口をえぐる」ぜ。
あっはっはっ!楽しいなァ第六天!
今のご気分はいかがァ?

ところでその後ろに背負ってるっぽい秀吉暑苦しくねーの?
つーかアンタ自身燃えてっけどアレなの、俺が本能寺だ!みたいな感じ?
体張ってんなァ、嫌いじゃねーぜ。



●般若の面々稼ぎ
「さァ、一方的なケンカしようぜ?」
 花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)は粗暴である。美姫の如き見た目に反し、その性質は修羅である。西に諍いあれば飛んで交わり制圧し、東に喧嘩あれば誰より早く勝利した。ナチュラルボーンバーサーカー、生まれついての暴れん坊は常にジャイアントキリングに飢えている。
「次から次へと続け様に……底なしよな、貴様らは」
「おいおいあんまり浮気すんなよ。過去の奴らなんて忘れて、俺と楽しむのが今のお前の役目だぜ」
 言うが早いか彼女の印籠は大太刀へと変貌し、零れた吐息は血の滾りを感じさせる熱を放っていた。
「傾奇者の集まりか。つくづく奇妙な組織よ」
 空気が爆ぜる。怒涛の黒槍は狙いを違えることもなく彼女の矮躯に殺到した。
 アハァ、と衝迫の声を漏らし力任せに腕をしならせ強引に槍の束をへし切る!続く追撃も体の勢いに任せて跳ね避け、速度を載せた太刀でもう一閃。眼前に迫る刀を腕力だけで掴み取り、刃が食い込むのも気にせずへし折らんばかりの力で握り固める。
「これほどの蛮勇とは、見上げた度胸の娘よ」
「あんまり褒めんなよ。嬉しくて愉しくて、こっからが本番っての忘れちまうだろォ?!」
 滴る血は大太刀に集い秘めたる力を解き放つ。まるで持ち主の気質を写し取ったかのような、凶悪な様相へと――。
 迫る黒槍、薙ぎ払う南天。先程までと違うのは快刀乱麻、暴虐の渦と化すそれが夥しい数の槍を一つ残さず打ち砕いているということ。返す刀に渾身の破砕を載せ、正面から打ち破り大口開けてがらがら笑う。
「楽しいなァ愉しいなァ第六天!今のご気分はいかがァ?俺はサイッコーだぜ!」
「死中の活路ならぬ、死中にのみぞ生きるか……死にたがりめ。傾奇者など的外れよ、貴様はケダモノだ」
「あっはっはぁ!――上ッ等さ、俺は俺の旅程(みち)を往く!」

成功 🔵​🔵​🔴​

リグ・アシュリーズ
リンタロウさん(f00854)と共闘

明らかな格上にゴクリと息を飲む。
でも笑顔は崩さず。負ける訳にはいかないもの。
――私に、強い力を。

無自覚にUC【染み渡る黒】を発動。
限界まで高めた反応速度と動体『視力』で攻撃を『見切り』、
さらにまとめて斬りたくなるよう立ち位置を調整。
予測できる形に太刀筋を誘って回避するわ!

接近後はステップを踏みつつ、気流の刃で裂傷を与えて戦うわ。
固形の刃が通じにくいなら、通る刃でこじ開けるまで。
「鎧、暑いでしょ? 風の通り、よくしてあげる!」
単体じゃ軽くとも、粘液に裂け目ができれば隙はできるはず。
特にリンタロウさんが全力で踏み込む時は、狙いを合わせて全力の刃を。
今よ、お願い!


リンタロウ・ホネハミ
リグ(f10093)と共闘

豹の骨を食って【〇八三番之韋駄天】を発動!
このスピードと傭兵稼業で培った『戦闘知識』『見切り』で信長の攻撃を凌ぐっす!

しかし敵も名だたるオブリビオン、しかも得体の知れない黒粘液を纏ってるときてるっす
リグと連携して位置取りを調整して、敵がオレっちらを纏めてぶった斬りたくなるような隙をあえて作り
予測できる攻撃を誘発させることで回避の精度を上げるっす!

そうして戦ってる内に信長にも隙が生まれるはずっす
そしたらリグが刻み込んだ裂傷に
オレっちの斬撃をすばやく重ねてブチ込むっす!(『2回攻撃』『早業』)
「良い攻撃っす、リグ。オレっちもそれ相応の攻撃をブチ込まなきゃっすね!」





●旅人傭兵、戦陣訓に拠れば
 度重なる戦闘、信長の射殺すような気魄にも衰えが出る。視界も霞み、口の中には鉄味が溢れる。
「進退窮まる、というものか。まさかここまで追い込まれるとはな。これも計算の内か?鼠よ。出てこないのであればそのまま切り伏せようぞ」
 柱に隠れた影を睨む。僅かな静寂の後、二つの影法師が姿を現す。
 ――バキリ。食んだ骨を噛み砕き、リンタロウ・ホネハミ(Bones Circus・f00854)は緊張を含め軽薄に笑う。
「バレバレみたいっすね、リグ。手負いの獣は恐ろしいってよくわかるっす」
「ッ、――ええ。でも、負けるわけにはいかないもの」
 リグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)は息を呑む。わかってはいた、知ってはいた、気づいてはいた。でも、ここまで凶悪な威圧感だなんて。
 でも、笑う。怖気づいて負けるなんて、きっとダメ。勝つためには笑わなきゃ!
「……惜しいな。窮地にこそ笑う。壁を前にして諦めぬとは、配下に欲しい資質だ」
「……そりゃどーも。もし雇う機会があったら安くしとくっすよ」
 正面にリンタロウ、背面にリグが位置取る。オブリビオンフォーミュラ、第六天魔王とはいえ元は人。如何に異形とて、完全な死角を同時に相手取るのは難しいはず。
 抜かれた刀が漆黒に染まる。黒子のような総大将は一切の容赦なくリンタロウに切り掛かった。首を刎ねる一撃は引き締められたワイヤーに滑らされる。僅かにでも予測がずれれば致死の太刀筋、背筋にうすら寒いものを感じざるを得ない。
 気づけば疾風の速度でリグが迫る。振り被った拳は信長の裏拳で弾かれた。勢いそのまま胴を薙ぐ刃、残された手と膝で白刃を受け止め流れるように射程の外へ。
 リンタロウも同じく背後の隙を突きに走る。骨剣を貫くように突き出し、背後から心臓を――!
「温い。先程から死角より急所ばかり――見えぬとも読めるわ。なまじ優秀が仇となったな」
 いない、どこへ。二人が周囲を警戒する。見当たらない!
 ――影が落ちる。生物絶対の対応範囲外、真上。気づいて天井に向いた時にはもう既に、
「知ってるのよ、それ。風の通り良くしてあげるわ!」
 上空から高速の抜刀を仕掛けたはずの信長の身体が切り刻まれる。何故、どうやって――。
「今よ、お願い!」
「任されたっす!」
 一瞬の動揺、そして裂傷。そこに付け込む抉るような追斬撃。抜ける力と遠のく意識の中で彼は理解した。
 リグと呼ばれる女性、彼女は風を支配していた。無形、有形、不定形、すべてのそれは彼女の支配下。動けば動くほど、読まれてしまう。追い風となれば、彼のように。向かい風となれば、儂のように……。
「良い攻撃っす、リグ!続けてトドメブチ込むっすよ!」
「了解、全力で行くよ!」
 豹爪の如き刃が、乱気流よりも荒れ狂う黒風が、自らの命を奪いに襲い来る。落ち着いた様子で信長は目を閉じた。
「人間五十年、下天の内をくらぶれば、か。二度目というのも、悪くはなかった」
 ――静寂が場を支配した。解けた緊張、僅かに足が震えるが、皆笑って帰ることができるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月24日


挿絵イラスト