エンパイアウォー㊳~葉月だけど信長決戦with弥助!
「ときはいま、あめがしたしるさつきかな……であったか、さつきとは5月、今は8月ではあるが」
軽快な音を立てて、仙堂・十来が学習漫画のページを閉じた。UDCアースの日本で出版された、戦国時代を取り扱ったものだ。
戦国時代の終焉まではほぼ、『日本のある他の世界』の日本に似た歴史を辿ってきたサムライエンパイアは、三代将軍家光の御世にて思いっきり驚天動地の乱世へと舞い戻ってしまったが――ここに来てその黒幕、オブリビオンフォーミュラである第六天魔王『織田信長』との直接決戦まで持ち込んだのだ。
「皐月ならぬ葉月の決戦と相成ったな。ここまで幕府軍に襲いかかる危機を完全に乗り切り、盤石の状態で魔空安土城へと辿り着いたがゆえに、最も良い状態で織田信長と戦うことができる」
魔空安土城は既に地へとひきずり下ろされた。
信長軍を相手取って戦うのは、万全の幕府軍が受け持ってくれる。
ならばあとは猟兵達は、信長と直接戦うのみだ!
「織田信長は秘術『魔軍転生』で魔軍将を己に憑装させ、我々を迎え撃つであろう。弥助アレキサンダーを憑装させていれば、その力たるメガリスを駆使した戦いとなるはずだ」
さらには強力なオブリビオンである信長は、猟兵よりも必ず先んじて攻撃を繰り出してくる。それを防いでから反撃へと転じることができなければ、さっくりと高威力の一撃に粉砕されるのみとなるだろう。
弥助アレキサンダーの力を宿した信長のユーベルコードを防ぎ、さらに信長に打撃を与えられるだけの攻撃をぶち込む。それが、今回の戦いの要となる。
「サムライエンパイアの未来を掴むための、ここが正念場ゆえ――どうか、頼む」
集まった猟兵達を見回して一礼し、その目を見つめて十来は再び深く頷いた。
炉端侠庵
●今回は戦争です!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
というわけで決戦ですね!
オブリビオンフォーミュラ第六天魔王『織田信長』は、秘術「魔軍転生」によって、配下の魔軍将を「憑装」させています。
このシナリオではメガリスガン積み渡来人『弥助アレキサンダー』が従っており、その力を引っ張り出して戦います!
●織田信長戦について
第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
それでは、よろしくお願いします!
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』弥助装』
|
POW : 闘神の独鈷杵による決闘状態
【炎の闘気】が命中した対象を爆破し、更に互いを【炎の鎖】で繋ぐ。
SPD : 逆賊の十字架による肉体変異
自身の身体部位ひとつを【おぞましく肥大化した不気味な鳥】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 大帝の剣の粉砕によるメガリス破壊効果
自身の装備武器を無数の【大帝の剣型】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
峰谷・恵
「明智の家紋を入れた旗でも持ってくるべきだったかな?」
一撃受けたら外れるくらいにダークミストシールド発振器の装着を緩めておく。
血統覚醒が発動できるようになるまでひたすら後退しながら回避(装備と合わせて距離を詰められたくないと印象づける)、避けられない炎の闘気はダークミストシールドで防御(盾受け+オーラ防御)して爆破で盾だけが吹っ飛ばされて炎の鎖で繋がれるように仕向ける。
血統覚醒を発動次第、それまでと逆に一気に踏み込んで(空間戦闘用ベルトの小型ブースターも使って加速)遅すぎた収穫期で突き刺し(怪力+串刺し+鎧無視攻撃)、至近距離から全射撃武器の一斉射撃(一斉発射+2回攻撃+鎧無視攻撃)を叩き込む
「明智の家紋を入れた旗でも持ってくるべきだったかな?」
ダークミストシールドの発振器を取り付けた手袋を調節しつつ、峰谷・恵は立ちはだかるオブリビオンフォーミュラ――第六天魔王・織田信長の姿を目に映す。炎を纏うかのような圧倒的なオーラと存在感、さらにそこにはその炎と一体化するかのように、弥助アレキサンダーが控えている。
此度の戦で第六天魔王を取り囲むのは明智の桔梗紋ではなく、武器も衣装も様々な猟兵達。その多彩と数に織田信長は臆す様子もなく笑い、咄嗟に地を蹴った恵のいた地面は深く衝撃波で割れていた。
「ふぅむ、なかなかに身軽よの」
顔にしては高めの声色でけらりと笑う信長に、冗談じゃないとばかりに恵が再び距離を離しつつ今度は横薙ぎの衝撃波をくぐり抜けた。
「しかし埒が明かぬな。弥助、借りるぞ」
扇子か懐紙でも受け取るのか、とばかりの口ぶりに、背後の男はそれとは対象的な真剣な表情で頷く。コルテスと同じ渡来人でありつつも、そこには揺らぐことなき織田信長への忠義の心が伺えた。
「勿論だ、『全ては信長様のために』。存分に信長様の力にしてくれ」
「ふ、では存分に使うとしようかの!」
背後の弥助が闘神の独鈷杵を握り、信長の振るう手と共に炎の闘気を撃つ。恵が黒霧の如きエネルギーを手袋の甲の発振器から噴き出させ、それを盾として受け止める。けれど一度当たれば、炎は鎖となって――、
「何ぃ!?」
鎖が繋いだのはダークミストシールドのみ、衝撃に抗わずするりと脱げた手袋が後方へ放られるままに捨て置いて、ぎらりと恵の瞳は真紅へと輝いた。かつて実験体として生まれた際に宿されたヴァンパイアの力は、彼女自身の生命力を喰らいつつ戦闘能力を桁違いまで引き上げる。同時に空間戦闘のためのブースターすら用いた強烈な加速と共に、鈍く光る剣型兵装を禍々しき意匠の甲冑の隙間から背まで通れとばかりに突き刺す。さらにはゼロ距離へと照準合わせたアームドフォートにブラスターが一斉に火を噴いた。
「ぐぉっ、ふ、は、はははっ……!」
己のオーラとは異質なる最新鋭火器の炎に包まれ、けれど愉しげに笑う瞳と、ヴァンパイアの力を強く宿した紅色の視線が交錯する。
「成程、先までの動きもその砲台も、この信長に一撃喰らわせんとしてのことか、見事よの!」
至近距離からはっきりと傷を負わせた恵の一撃に、だからこそ楽しいというように、織田信長は高らかな哄笑を上げるのであった。
成功
🔵🔵🔴
フィロメーラ・アステール
「仲間の力で戦うとか、熱いヤツだな!」
あたしも仲間の力から【勇気】を貰おう!
絆が決め手!
三次元機動の【空中戦】で敵の技を迎え撃つぞ!
空中【ダッシュ】で【残像】が出るほどに加速!
その【迷彩】効果で敵の狙いをそらす!
肥大化した部位はバランスが悪くなると思うので、速い動きには対応しにくいんじゃないかな!?
いざ攻撃されても、噛みつきは口を閉じる動作で行うもの!
つまり身体が小さいほどすり抜けやすい!
【スライディング】なら更に狭い隙間を抜けられる!
【第六感】が最適な脱出角度を読み取ると信じる!
切り抜けたら【君が見た閃光の流星雨】だ!
絆をカタチにする【全力魔法】発動!
怒涛の【踏みつけ】流星キックで総攻撃だ!
弥助アレキサンダーの力を宿し、その力を利用して戦う織田信長の姿に、フィロメーラ・アステールはキッと鋭い視線を向けた。
「仲間の力で戦うとか……」
びしっと指を立て、第六天魔王へと突きつける。
「熱いヤツだな!」
全力肯定。輝く瞳。ちなみに立てていた指は親指つまりはサムズアップ!
「ふ、これぞまさに我が将器の顕れよ」
しかも割とまんざらでもなさそうだぞこの織田信長。
「よし、あたしも仲間の力から勇気をもらおう!」
きらりとその軌跡を輝かせ、フィロメーラは羽根をはためかせる。完全武装の織田信長に、身の丈7寸そこそこの妖精(しかもSSRとのことだ!)が舞うかのように立ち向かう!
肥大化させ不気味な鳥の頭部へと左手を変え素早く踏み込む信長に、やや斜め上に角度をつけつつフィロメーラは突っ込んだ。もはや残像が見えるほどの速度、鳥のくちばしが狙いを定めたかと思えば、すっとその軌道を軽やかに変える。残像に惑わされ、さらに肉体に対して極度の大きさとなった左腕は僅かにバランスを崩し、ぬぅと信長は呻き声を上げた。
「小さいからこそ狙いづらい……あの一向一揆を思い出すのう!」
「信長様、右だ!」
「応よ弥助!」
今度はしかと加速を付けた先を狙い、左腕の鳥がくわとその口を開く。が――そう、開いたならば閉じなければ!
噛みつきにはならないのだ!
そして大きな動作は身体が小さいほどにすり抜けやすい!
「たあぁっ!!」
そこにフィロメーラの空中スライディング! 一歩間違えば丸呑みという微妙な角度をくちばしの横合いから!
抜けたー!!
「ふれあいの心に導かれ、あらわせ幸せの軌道!」
そのままびしっと指先を上げてユーベルコード『君が見た閃光の流星雨』――!
「フォロワーみんなの心の中にフィロメーラはいるんだ!」
そう!
絆をカタチに魔法に変えて、フォロワーと同じ数のフィロメーラを召喚、超高速の総攻撃を開始する!
「ははははは、まさしく一揆の様相か、こんなに小さくはなかったがのう!」
戦いの昂揚と歓喜の中、たっくさんのフィロメーラが怒涛の流星キックで襲いかかる!
まさしくその様はきらめく輝きを纏った流星雨――!
「いやぁ雨粒とて岩を穿ち、蟻の穴とて堰を崩す。それを思わせる戦いぶりだったのう……ところで弥助よ、『ふぉろわー』とは渡来人の言葉か?」
「いや信長様、俺は知らない」
そんな会話が戦いの合間に繰り広げられたかどうか――きっとそれは第六天魔王と側近、そして妖精のみぞ知る。たぶん!
成功
🔵🔵🔴
ラザロ・マリーノ
ノブナガの初撃は「生命の螺旋」で受けるぜ。
鎖で繋がれるだけなら五分…とまでは言えねえが、この先に必ず奴がいるって事だから悪くねえ。
鎖の炎には耐えるしかねえんだが、そこは仕方ねえか(オーラ防御/激痛耐性)。
タワーシールドで攻撃を受けつつ一気に距離を詰める(ダッシュ/盾受け)。
至近距離まで来たらハルバードで攻撃すると見せかけて、ダッシュの勢いのままに盾ごと体当たりを喰らわせるぜ(フェイント/怪力/シールドバッシュ/吹き飛ばし)。
サムライエンパイアじゃこの手の盾は使わねえから、あしらい方も知らねえだろう。
盾の使い方を教えてやるぜ!
※アドリブ・連携・ギャグ・負傷描写歓迎
「っがあぁぁぁっ!!」
喉から溢れ出るかのような咆哮が戦場となった広間に響き渡る。宇宙船の外殻を再利用したタワーシールド越しであっても闘神の独鈷杵より放たれる闘気の炎、そしてその炸裂は重い――それでも元より荒事、サムライエンパイア風に言うなら槍働きを本業とするラザロ・マリーノが、さらに全身を超再生状態とするユーベルコード『生命の螺旋』を全霊かけて解き放ったとあれば。
「そう簡単には死なねぇよぉっ……!」
爆ぜ燃え上がる炎までは、ほとんど無傷で受け止めてユーベルコードを解除する。守りの静から攻めの動へ、超再生状態を解いた鱗の肌を炎の鎖が舐めるも、ぎりと歯を食いしばって耐え抜きそのまま走り出す。燃えるこの鎖の先に必ず狙う相手がいるというなら――悪くはない。
繰り出される炎を、斬撃が生む衝撃波を、全てその盾で受け止める。逆の手にはハルバード、全てはその一撃に向けて、と思いきや――!
「待て信長様、盾だ!」
「何とぉ!?」
弥助アレキサンダーが警告するも反応する暇はない。
そう、タワーシールドとは!
それ自体がもはや!
1つの武器となる存在!
何せそのデカい鉄板の後ろには猛ダッシュしてきたラザロの全体重と全加速が乗っかっているのだから!
「サムライエンパイアじゃこの手の盾は使わねえから、あしらい方も知らねえだろ?」
「誠にそれよな! ああ、けれど弥助が使っておったか、農兵に持たせてのう!」
「その通りだが話す前に戦ってくれ信長様!」
なんかもう三者入り乱れての大混戦の様相である。主に会話が。音声的な方が。
「盾の使い方を教えてやるぜ!」
「ははは、弥助から習っておくべきだったのう!」
炎の鎖を散らしつつひとしきりタワーシールドと刀でドカスカ殴り合い続けるラザロと信長。
そしてどうせツッコミを入れればややこしくなるだけだと察したらしく、弥助アレキサンダーは単なる弥助装に徹することにしたのであった。
成功
🔵🔵🔴
リック・シックハント
『アドリブ&連携歓迎』
キミにはキミの戦う理由があるように、ボクにも戦う理由があるんだよ
仲間の意志を宿す者どうし、決着をつけよう!
【野生の勘】で不意打ちに警戒しつつ【戦闘知識】から動きを予測し噛まれる寸前に【カウンター】で信長との間に{神秘の宝珠}で壁を作り一瞬でも動きを止めたところでダイラタント流体の性質を持った{思案する泥}で拘束してUCを発動
いくよ、信長さん…
これがボクたちの全てだよ!
反動を喰い縛りながら身に宿った全ての力を注いだ【誘導弾】の【捨て身の一撃】をまだ泥に埋もれていない場所に撃ち込もう!
……最後まで仲間と共に戦うキミはスゴくカッコよかったよ
キマイラであるリック・シックハントには、二つの異なる由来が存在する。
1つは戦士。1つは怪物。それはリックにとって、どちらも大事なルーツに他ならない。
そして、その二者の戦いの中に生まれてどちらの息吹も継いでいると感じる彼の目には、配下の武将を纏って戦う姿は――近しいものと、映ったのだ。
「キミにはキミの戦う理由があるように、ボクにも戦う理由があるんだよ」
「ふ、戦う気もなく巻き込まれた者は、この儂の所まで来るまいよ」
柔らかな色の、けれど確かに闘志を宿した瞳に炎色を写し返して、ニィと織田信長は笑んだ。リックの対峙するかの第六天魔王の背後、控えるのはメガリスを纏った弥助アレキサンダー。
はっきりと、毛並みを揺らしてリックは頷いた。
「仲間の意志を宿す者どうし、決着をつけよう!」
素早い斬撃が生む衝撃波をかわすたび、リックの毛が揺れる。それだけギリギリで見切ってかわしていた。そう、斬撃が本命ではない――リックはそれを知っている。
「っ!」
幾分大きく斜め前に跳んだ瞬間、信長の左腕が怪鳥の頭部へと変じた。歪なほどに肥大化した腕、けれど確実にリックへ向かってそれを振るい喰らってやらんとばかりに向けて、床を蹴った信長は凄まじい速度で詰め寄る。
けれどその大きく開いたくちばしは、リックに当たる前にギィンと鋭い音を立てて食い止められた。
足場とできるほどに丈夫な魔法陣を生む宝珠、ならば確かに盾ともできよう。砕かれるまでは一瞬であっても、次の瞬間にはもう1つの宝珠『思案する泥』が拘束具を産み纏わりついていた。
ダイラタント流体――適度に水を含んだ泥土は、かける力を緩めれば柔らかく、けれど力を込めれば硬くなる。攻撃のために付けた加速が、そのまま信長自身を拘束する枷となるのだ。
すかさずリックは己の身に宿る戦士の血に呼びかける。己の身に代償を負いながら彼らの力を身に宿すユーベルコード『超過憑依』。
「血よ、血よ、血よ、我が身に宿りし盟友の血よ、数多の苦痛を対価とし、理を超えて我が身に降りよ」
肉体の限界を超えるような力に、手足の血管が破れ血が滴り落ちる。けれどまたその手足に満ちるのは、己のルーツたる力だ。
「いくよ、信長さん……これがボクたちの全てだよ!」
代償たる痛みに耐えながら、それでも意志を込めてリックは叫ぶ。己の意識すら薄れるほどの力を注ぎ、泥の拘束の間から信長をエネルギー弾が狙い――その泥ごと、爆ぜ割れる。
ダン、と床に刃の突き刺さる音。
信長が、刀を杖代わりに何とかその肉体を支えたのだ。猟兵達の戦いは、確実に織田信長の存在を削ぎつつある。
それでも。
「弥助、まだまだその力を借りるぞ!」
「ああ、全ては信長様のために――それが、俺達だ」
さらに飛び出していく猟兵達に最前線を委ねつつ、弥助を従え戦う信長へとリックは視線を送る。
……仲間と共に戦うキミはスゴくカッコいいよ。きっと、――その最期の時まで、カッコいいんだろう、な。
成功
🔵🔵🔴
水元・芙実
剣の弾幕を抜けないと攻撃に転じられないのね
ならまずはなんとかしないと…
周りにあって使えそうなのは…畳!
これなら!
後ろに下がりながら畳を立てて壁にしながら、刃から逃れるわ
植物繊維の塊なら勢いにもよるけどある程度は防げるはず
即席の防刃ジャケットね、着てないけど
無傷とは行けないでしょうけど、これである程度防げるはず
そのまま隠れた状態から幻炎転換術で作った火種を信長の近くにばら撒くわ
当たっても当たらなくてもいい、当たれば大ダメージだし、当たらなくても熱量で相手を炙れるわ
私はこの世界にまだ用があるの
あなたなんかにこの世界を取らせたりするわけには行かないわ!
かつての時のように、燃えて朽ちなさい!
「剣の弾幕を抜けないと攻撃に転じられないのね、ならまずは何とかしないと……」
襖の陰から様子を伺っていた水元・芙実は、ちらと織田信長の布陣する広間の入り口に使えそうなものがないかと目を走らせる。
「――これなら!」
ぱっと目を輝かせた芙実は、次の瞬間べりっとでも言いそうな勢いで思いっきり『畳』を引っ剥がした。
一般的に畳とは、イグサを編んだござを畳床と呼ばれる藁を圧縮した板に巻きつけたものである。
つまり究極的には植物繊維の塊で!
ということは刺突に強いのだ!!
でもって大帝の剣型の花びらが襲ってくるのは、ざっくり言うと刺突系攻撃である!
「即席の防刃ジャケットね、着てないけど」
実際構造的には割といいとこである。
というわけで畳を設置型タワーシールド代わりに片手で支えつつ、芙実はもう片手で軽く180ほどのの火種を解き放つ。
「ううむ弥助、実はお主の技は盾と相性が悪かったりせんか?」
「わからないが信長様とりあえず左だ!」
「おっと……お、おおおお!?」
着弾しかけた火種をひらりと避けた信長は、けれど次の瞬間畳の『代わりに』現れた炎の大きさに目を剥いた。
ユーベルコード『幻炎転換術』――質量とエネルギーの境を曖昧にする火種は、接触することでその質量を熱へと変換する。
ちなみに物理学的に真面目に考えると割と結構それなりにヤバい能力だ!
でもってその火種が180個である。
そりゃ数発は当たるってもんだし当たらなかった分もそこらで燃えて本能寺の再現来たりってもんである!!
「私はこの世界にまだ用があるの、あなたなんかにこの世界を取らせたりするわけには行かないわ!」
炎と熱風が支配する戦場に、けれどその中心に立つオブリビオン――第六天魔王に届けとばかりに叫ぶ。
「かつての時のように、燃えて朽ちなさい!」
答えとして返ってきたのは、哄笑。
「ふ、所詮は夢幻の如き世界――けれど守りたいならば阻んでみよ、この第六天魔王を!!」
己の背負う炎の闘気と芙実の放った火がもはや混じり合う中、それは織田信長というもはや終焉近づいた男の、けれど一度ならず天下統一に手をかけた男の矜持であったのかもしれない――。
成功
🔵🔵🔴
レパル・リオン
猟兵のみんなが、戦い続きで疲れてる…!
だったら、あたしがその分戦うしかない!
まずは先制攻撃への対策…うわっ、その鳥キモっ!
ダッシュで素早く離れれば噛みつき攻撃を避けるのは難しくなさそうだけど、普通に殴られても痛そうね…!
勇気出して攻めるしかない!ノブナガが腕を振り回す勢いを利用して、攻撃に合わせて魔法のステッキ(鉄球部分)でぶん殴って、壁や地面にめり込ませるわ!
そして隙ができたらあたしの反撃よ!変化した部位としてない部位の境目を狙って、怪力全開の【竜咆拳】!そのキモイ鳥、殴って引きちぎってやるわ!
ステラ・クロセ
この決戦、負けられないよ。
エンパイアの滅亡なんてさせないから。
信長が自分の部位を鳥に変化させている間に、アタシはUC【バトル・インテリジェンス】でドローンを呼び出す。
噛みつきのタイミングをドローンにサポートしてもらいながら【スライディング】で前に向かって避けていく。
噛まれるくらいの距離なら、アタシの得意な近距離ってこと。
うまく脇か後ろを取れるよう移動してから反撃に移る。
炎のサイキックエナジーを二刀に込めて、【属性攻撃】。
脇腹か背中を狙って【なぎ払い】でざっくり斬りつける。
「第六天魔王、アタシの炎で焼き尽くす!」
※アドリブ・連携など歓迎です!
アトシュ・スカーレット
どうあがいても攻撃されるんだけど、被弾した場所を予知できればいいかな?
突入直後に【希望への軌跡】を発動するよ!
10秒後に攻撃される場所が分かれば【残像】が見える速度で回避出来るからね
初撃を凌いだら、次の攻撃を警戒しながら攻撃に移るよ!
剣と刀に腐敗の【呪詛】を付与させてから、それぞれの【2回攻撃】で手数を稼ぐよ!
【鎧無視攻撃】は出来るから、ちゃんと防がないと攻撃は通ると思え!
「猟兵のみんなが、戦い続きで疲れてる……!」
この魔空安土城を前に、戦いの趨勢を仲間に託した者もいる。
信長を相手に戦った末、その最期を味方の手に預けた者もいる。
それほどにこの『エンパイアウォー』は力を尽くした戦いであった。そしてその最終局面が、ここに、ある。
「だったら、あたしがその分戦うしかない!」
ぎゅっと強く魔法のステッキを掴むと、レパル・リオンは燃え上がる戦場へと飛び出した。
「ふむ、これが猿であれば、もそっと疲れさせてから調略で云々とか言っておったか……まぁ良い、事ここに至れば全てが戯言よ、儂自ら相手をしてやろう!」
どこか懐かしむように呟いてから、信長はその左手をまた怪鳥の頭へと変異させ、くわりとそのくちばしを開き――!
「うわっ、その鳥キモっ!」
年頃の女の子って容赦ない!
「素早く離れれば避けるのは難しくなさそうだけど、普通に殴られても痛そうね……!」
さらに猟兵としての冷静な分析も容赦ないっ!
「どうあがいても攻撃されるなら、被弾する場所を予知できればいいかな?」
ふむ、と小さく呟いて、アトシュ・スカーレットがユーベルコード『希望への軌跡』を起動。さらにステラ・クロセがAI搭載型の戦術ドローンを起動、ユーベルコード『バトル・インテリジェンス』の補助によって信長の懐に入る算段を立てようとする。
が、無論それを阻もうと織田信長の腕が怪鳥となって襲いかかってくるわけで!
「よし、勇気出して攻めるしかない!」
先陣切って飛び込んだレパルが、腕を振り下ろす勢いを利用して怪鳥の後頭部を魔法のステッキでぶっ叩く!
ちなみに実際に使っているのは魔法のステッキの下端からぶら下がったモーニングスター的な鉄球である!
赤いハートのついたステッキの可愛らしさを少々オミットしてはいるが、明らかにそれを補うだけの威力向上!
体勢を立て直した信長が次の攻撃に移る前に、アトシュが剣と刀に呪詛を宿して飛び出した。
「その絶望を塗り替える!」
次の攻撃の場所を予知でかわすと素早く鎧の間を抜くように斬撃を繰り出す。
「エンパイアの滅亡なんてさせないから……この決戦、負けられないよ!」
さらにはドローンのサポートを受けて怪鳥の一撃を読み切ったステラが、スライディングでそれを避けてさらにそのまま股下を抜けて背後へ立った。
クロセ――黒瀬の家の蔵から見つけて改造した刀。
『Now or Never』、二度はないとの銘をもつサイキックエナジーの刀。
両手に構えた二刀にサイキックエナジーの炎を乗せて。
「第六天魔王、アタシの炎で焼き尽くす!」
「ぐぁっ……!」
背後に付き従うかの如く憑装した弥助ごと、二刀の炎が斬り裂き、燃え上がる第六天魔王の姿にさらに焔を重ねゆく。主従の呻きが響きながらも、振り向きざまに怪鳥と化した腕で喰らいつかんとした――その瞬間。
「たぁーっ!」
再び踏み込んだレパルが横から思い切りステッキを振るい、遠心力つけた鉄球を叩き込んでそのくちばしを床の間へと突っ込ませる!
「そのキモイ鳥、殴って引きちぎってやるわ! はぁー……でりゃああああぁ――!」
そのまま渾身のユーベルコード『竜咆拳』、衝撃波すら生むほどに強烈で、けれど基本の正拳突き――!
変異の境目となっていた部分に亀裂が入る。そして、それすらも炎に呑まれていく。
「……これまでか。悪いのう猿、それに弥助」
「信長様っ……!」
「そして見事なり、家康の孫よ、そして猟兵達……」
一足先に憑装が解かれかき消えていく弥助の姿を見送り、ニィと信長は猟兵達へと向き直る。
「うむ、良き戦いであったぞ! 一度生を得て滅せぬ者のあるべきか、その通りと相成った――か」
炎が一際大きく燃え上がり――その火が落ち着いた時、そこにはもはやサムライエンパイアを脅かした第六天魔王の姿はなく。
外から、城内から、次々に上がる勝どきが、長きに渡った戦の勝利を告げたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴