エンパイアウォー㊴~第六天魔王、いざ
●第六天魔王『織田信長』
「サルよ、儂に憑装せよ……!」
第六天魔王『織田信長』は秘術『魔軍転生』により、配下の魔軍将・豊臣秀吉を憑依させた。
「もはや儂に万にひとつの勝ち目も無かろうが……、億にひとつでもあるのならば、賭けてみるのも一興よ」
豊臣秀吉を憑依させたその力は、強大。
無数の黒槍や秀吉の黒粘液、さらに小型の戦闘用豊臣秀吉の召喚など、多数の技を有した第六天魔王。彼は武器を構え口元を引き締める。
そうして、猟兵たちを待ち構えていた。
●第六天魔王、いざ
「遂に、幕府軍が織田信長の『魔空安土城』に到達したんだよ」
ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)はこぶしを握り締め、猟兵たちへ伝えた。
「首塚の一族が城を引き摺り降ろしたんだ。そして、万全な状態の幕府軍は、信長軍の主力部隊と激突しているんだよ」
魔空安土城には「信長軍の本隊」も存在したのだが、それらは万全の状態で島原に辿り着いた幕府軍が相手をするという。
そのおかげで、猟兵は第六天魔王『織田信長』との戦いだけに集中することができるのだ。
「信長はね、秘術『魔軍転生』によって、配下の魔軍将を背後霊のように「憑装」させて戦うんだ。今回皆に戦ってもらうのは、秀吉を憑依させた信長だよ」
敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるという。
この先制攻撃にどう対処するか。どう防いで反撃につなげるかが勝負のカギとなるだろう。
信長は、黒槍殲撃や黒粘剣戟術、シャドウクローニングなど、どれをとっても強力な技を使うようだ。
「かなりの強敵だよ。厳しい戦いになるとは思うんだ。でも、皆になら任せられる! どうか無事に帰ってきて!」
ルビナはそう言って話を締めくくった。
陵かなめ
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
いよいよ㊴織田信長秀吉装との決戦シナリオです。
第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
オープニングが公開された時点からプレイングを受け付けますので、よろしくお願いします。
それでは、プレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』秀吉装』
|
POW : 黒槍殲撃
【秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 黒粘剣戟術
【秀吉の黒粘液で全身から刀まで全てを覆い】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ : シャドウクローニング
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レナータ・バルダーヌ
ちょっと待ってください!
日も高いですし、先にお昼にしませんか?
この国ではゴボウ食も一般的と聞いて、お料理もリサーチ済みです。
今日は『射込みごぼう』を作ってきたので、一緒に【愉快なゴボウさんディナー!】です!
教えてくださった方が言っていた、キョウフウのショウジン料理という言葉はよくわかりませんけど、“薄味で上品”なお料理です。
もちろん信長さんにも差し上げますよ。
もし向こうから攻撃されたら、サイキック【オーラで防御】しつつ【痛みに耐え】て凌ぎます。
待ってくださいって言ったじゃないですか、もー!
あ、ユーベルコードのせいで滑って掴めないですか?
仕方ないですね、わたしが食べさせてあげます。
はい、あーん。
●愉快なゴボウさんディナー
「来たか、猟兵」
第六天魔王『織田信長』は待ち構えていたように猟兵たちを見た。
その姿は堂々としており、彼の強さを十分に感じ取ることができるものだった。
その敵の前に真っ先に躍り出たのはレナータ・バルダーヌ(復讐の輪廻・f13031)だ。
「ちょっと待ってください!」
そう言って、手元の包みから弁当箱を取り出そうとする。
「日も高いですし、先にお昼にしませんか?」
「ほう」
信長が目を細め、黒粘剣戟術を発動させた。レナータの言い分などまるで聞いていないかのように、秀吉の黒粘液で全身を覆い大きく刀を振るう。
その勢いはすさまじく、黒粘液の恩恵を受けていかにも切れ味抜群だ。目にも止まらぬほどの素早い降り抜きと純粋な敵の攻撃の力がレナータに襲い掛かる。
敵の痛烈な一撃を、レナータはオーラで防御した。
「待ってくださいって言ったじゃないですか、もー!」
それでも敵の力は強く、レナータの身体に切り傷がつく。斬られた個所が燃えるように熱い。だが、オーラで守ったおかげで、致命傷ではなかった。
傷の痛みをぐっとこらえながら、レナータは弁当箱の蓋開く。
本日用意した料理は『射込みごぼう』。極太の牛蒡の中をくりぬき、ひき肉を詰めた上品な一品である。
「キョウフウのショウジン料理という言葉はよくわかりませんけど、“薄味で上品”なお料理です」
なるほど牛蒡に詰め込まれた肉も旨そうだ。
「ゴボウはポリフェノールと食物繊維がたっぷりです♪」
レナータはユーベルコード・愉快なゴボウさんディナー! を発動させた。
愉快なゴボウさんたちが、ここぞとばかりに射込みごぼうを振舞おうと信長へ料理を差し出す。
「あ、ユーベルコードのせいで滑って掴めないですか?」
確かに。敵の纏っている秀吉の黒粘液は摩擦抵抗を極限まで減らすはず。ではこの美味しそうな射込みごぼうを掴むことすらできまい。
「仕方ないですね、わたしが食べさせてあげます。はい、あーん」
レナータが差し出した射込みごぼうを無視し、信長は弁当箱に手を伸ばした。
「たわけが」
そう言ってゆっくりと指を動かし、射込みごぼうを口に運ぶ。
あっと思ったのもつかの間、次の瞬間レナータは信長に弾かれ戦場の外へ転がった。
「儂の身体に傷をつける術もないのか」
確かに、反撃の手は今は無い。起き上がったレナータは、信長の言葉を聞きひとまずその場を退いた。
成功
🔵🔵🔴
ヨナルデ・パズトーリ
雁之助とコンビ
事前に短い言葉で意思疎通出来る様話し合い
妾、テスカトリポカのコルテスへの怒り
八つ当たりじゃがぶつけさせて貰うぞ!
『野生の勘』と『第六感』を総動員
全ての秀吉の位置を『見切り』雁之助に伝達
指示に従い『なぎ払い』や『高速詠唱』の『範囲攻撃』『全力魔法』で
秀吉を他の秀吉の動きを阻害し盾になる様誘導し凌ぐ
隙を『野生の勘』で『見切り』UC発動
援護を受けつつ『空中戦』で信長に肉薄
『呪詛』を込めた『怪力』の『鎧無視攻撃』を放ち出来た『傷口をえぐる』
様に『零距離射撃』の『全力魔法』を『高速詠唱』で叩き込む『二回攻撃』
攻撃は『野生の勘』で『見切り』『残像』で回避
当たれば『オーラ防御』と『激痛耐性』
水貝・雁之助
まあ、サムライエンパイアには其れなりに思い入れはあるし全力で行くよ!
ヨナルデとコンビ
事前に短い言葉で敵の位置、数を伝えれる様話し合い
『地形を利用』出来る様に先ず城内把握
敵の数が多いという事を活かしヨナルデからの伝達を元に他の秀吉からの
攻撃の射線を遮る等邪魔する位置に誘導したり動きを阻害したりする様に仕向ける
つまり『敵を盾にする』為にヨナルデに指示
ヨナルデと分担し攻撃等で体躯を傾けさせる等し誘導
城内の柱や調度品も敵の動きを阻害したり攻撃を防ぐ等し『地形を利用』し
『敵を盾にする』事で凌ぐ
その後はUCでヨナルデが信長に迫れるようUCでヨナルデの前を遮る相手を
攻撃しつつ有利な地形を増やしながら援護
●共演
次に信長の前へ躍り出たのはヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)と水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)だった。
二人は短くアイコンタクトをして、作戦を確認し合う。
「妾、テスカトリポカのコルテスへの怒り、八つ当たりじゃがぶつけさせて貰うぞ!」
ヨナルデが言うと、信長が口の端を持ち上げ片腕を上げた。
「ならば儂も気を引き締めるとしよう。サルよ」
そう言って、二人の目の前でシャドウクローニングを発動させる。
「「「「フェンフェンフェン」」」」
すると、数多の豊臣秀吉が現れ戦場の至る所へと飛び出した。
「なるほど、確かに数は多いね」
雁之助は自分たちを取り囲むように飛び回る秀吉を見る。だが、サムライエンパイアには其れなりに思い入れはある。
「さあ、全力で行くよ!」
「フェンフェーン」
その時、秀吉たちが一斉に襲い掛かってきた。
全方向からヨナルデと雁之助を囲み、所狭しと飛び掛かって来る。
「柱、天井、廊下にも見えるぞ」
ヨナルデは敵の動きを見切りながら、雁之助に状況を伝えた。
城内部の構造を考え、すぐに雁之助が返す。
「右に避けて、なぎ払うなら斜め後ろからだ!」
「よし、やるぞ」
ヨナルデは右にステップして最初の一撃を躱し、向かってくる秀吉たちへ斜め後ろからなぎ払いをかけた。数体の秀吉が吹き飛んで消滅する。
「フェンフェンフェン!」
それを見ていた次の秀吉は進路を変えて飛び退いた。どうやら、吹き飛ばされた秀吉が邪魔になって攻撃の軸をとれなかった模様。
「フェンフェーン」
それでも、まだまだ秀吉の数は多い。
自分に向かって来た秀吉の攻撃を見て、雁之助は素早く柱に滑り込んだ。柱を迂回しようとして秀吉の行動が一歩遅れる。続けて横から攻めてきた秀吉に対しては、間近にいる秀吉の背に回り込んでこれを盾にした。
「フェ……ン!?」
一瞬攻撃をためらう秀吉。
「ヨナルデ、このタイミングだ」
「了解じゃ」
ヨナルデが全力で周囲の敵に魔法を撃ち込んだ。
「フェンフェンフェーン」
魔法で射抜かれ、次々と姿を消す秀吉。位置の共有と的確な指示で、気づけば二人を取り囲んでいた秀吉の数がぐんと減っていた。
そろそろ信長への道筋が見える。
「見えたのじゃ。飛ぶぞ」
「了解だよ」
ヨナルデが信長を見据え駆け出した。
「我ジャガーにして煙吐く鏡、テスカトリポカにしてケツァルペトラトルたる者! 民と共に在った嘗ての妾の猛き力、目に焼き付けるが良い!」
ユーベルコード・第一之太陽再臨を発動させ、嘗て自らに捧げられた血と骨で構成された翼による飛翔能力で一気に信長との距離を詰める。
「サルよ!」
「フェンフェン!」
信長の一声で、残っていた秀吉が進路を阻もうと駆け寄ってきた。
「させないよ!」
秀吉たちに向かってペイントブキから塗料を繰り出す雁之助。
ユーベルコード・グラフィティスプラッシュを発動させ、床や壁を塗りつぶしていく。
ヨナルデの進路の邪魔になる秀吉を排除しながら、自分の有利な地形も増やした。
塗料で塗りつぶした床に降り立つと、雁之助の戦闘力が高まっていく。ヨナルデの前を遮る相手見つけ、更に攻撃を重ねた。
「道は開いただろう、行けるよね?」
秀吉を次々と撃ち落としながら雁之助が声をかける。
ヨナルデは頷いて前を向いた。援護を受けて飛び、信長の懐までついに飛び込んだ。
「よくぞ、ここまでたどり着いた」
信長は刀を抜いて一振り、振り下ろしてくる。
その攻撃をギリギリのところで見切って、ヨナルデは威力を増強させた黒曜石の斧を振り上げた。
「届いたぞ」
斧に呪詛を込め、敵の鎧を無視するような、痛烈な一撃を放つ。
大きく振り下ろした斧が、敵の身体を抉った。
「ふ……」
傷をかばうように退こうとする信長。それに気づき、雁之助が塗料を放ち援護した援護した。敵が逃げ場を失う。
「さあ、おとなしく沈むが良い!」
ヨナルデは更に敵との距離を詰め、全力で魔法を叩き込んだ。高速で詠唱し、もう一つ追撃を重ねる。
「が……はっ。みごとなり、猟兵」
傷を負った信長は、その場でよろいよろめいた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雨咲・ケイ
かつての信長公が天下を取っていたら、
どのような世を築いていたのか……?
とても気になるのですが、今となっては
詮無い事ですね。
【POW】で行動します。
では、お相手願います。
先制攻撃の黒槍に対しては、ルミナスから
サイキックエナジーを放ち相殺します。
処理仕切れない黒槍は、身を伏せて【盾受け】と
【オーラ防御】を併用しダメージ面積を最小限に
抑え凌ぎます。
敵に対しては【スナイパー】で盾を【投擲】すると同時に
接近してサイキックエナジーを放ち【2回攻撃】を行いましょう。
更にアリエルの盾を輝かせる【目潰し】で隙を作り、
【魔斬りの刃】で攻撃します。
アドリブ歓迎です。
フレイ・ブラッドセイバー
流石の先制攻撃ですね
撃ち返してやりましょう
ユーベルコードの「我は戦神、叛逆の魔神なり」で、
槍が飛んでくる直前に早業で分身とすり替えて囮にできるようにしましょう
強いオブリビオンですしその為のスケープゴート、です
一応前衛ですので、また黒槍が飛んできても巻き込まれないように立ち位置を調整しておきましょうか
そしてこちらの反撃です
再度分身と協力して攻撃します
カタナで弾かれても
こちらの剣は11本×2、使い捨てても狙うは心の蔵です!
戦闘中はクールなメイドさん
戦闘時、真剣な時の口調はステータスの通り
鼻歌
めーでー
この世を滅ぼす愛でめーばえたふんふんふんふんふんふーん
●斬り裂いて
更に猟兵たちの攻撃は続く。
かつての信長公が天下を取っていたら、どのような世を築いていたのだろう。
雨咲・ケイ(人間のクレリック・f00882)は先の猟兵たちに続き、信長の目の前に立った。
とても気になるのだけれど、今となっては詮無い事。
「では、お相手願います」
「うむ。かかって来るが良い」
信長は秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍を出現させ、ケイに向かって放ってきた。
対するケイは、サイキックエナジーを強化するブレスレット型の増幅器・ルミナスからサイキックエナジーを放つ。
黒槍とサイキックエナジーがぶつかり合い、それぞれが打たれ消えていった。
「もう一つ二つ、凌げるのか?」
戦場に敵の声が響く。
信長は、待機させていた黒槍を更に放って攻撃してきた。
その槍の数は数え切れないほど。
ケイはとっさに身を伏せ、盾で受け流しながら何とか槍の直撃を免れる。
それでもいくつかの槍が腕を斬った。オーラで防御していたので致命傷ではないのだが、それでも傷が痛みを訴えて来る。
「どうした猟兵よ。そこで朽ちるか?」
信長が最後に残った槍を撃ってきた。
「いえ、ここまで来て、何もしないわけにもいかないでしょうから」
槍の着弾と角度を見計らい、ケイは盾を思い切り投擲する。
狙いは十分。
盾は勢いよく飛び、空中に舞う槍を弾いていく。と、同時に、ケイも盾を追って走った。
「狙いは良い。だが――」
飛んできた槍を、信長が腕で弾く。大きく軌道を変え、盾は城の壁にめり込んだ。飛来した盾の勢いが思った以上に重かったのか、信長が腕を下げて一呼吸する。
そのわずかな時間に、ケイは信長に肉薄した。
「なんと!」
驚きに目を見開く信長。
ケイは敵の間近でサイキックエナジーを放つ。
見事に信長がバランスを崩した。
「邪妖を斬り裂く刃……。その身で受けてみますか?」
発動するのは、魔斬りの刃。
氣をのせた光輝く手刀が敵の横腹を斬った。鎧だけではない。体も斬りつけたと感触が伝わってくる。
「ぐ、こうも易々とこの身を斬ろうとは……」
信長は痛みに顔をゆがめ、息を吐き出した。
●戦神の舞い
「めーでー、この世を滅ぼす愛でめーばえたふんふんふんふんふんふーん」
鼻歌を歌いながらフレイ・ブラッドセイバー(瀟洒な血濡れのメイド・f00013)も信長へと向かった。
「流石の先制攻撃ですね」
仲間が傷を負わせたとは言え、敵の攻撃はなかなかのものだ。
フレイは敵を見据えてユーベルコードを発動させた。
「攻撃対象確認。これより攻撃行動に移り、敵を殲滅します。曲芸――『我は戦神、叛逆の魔神なり』!」
その攻撃、撃ち返してやりましょうと敵に向かって走り出す。
自身と同等の戦闘能力を持つ分身と重なって走ると、信長はすぐさま黒槍殲撃を放ってきた。
「だが、まだ、儂はここに立っておるぞ!」
秀吉を融合させた鋼鎧から放たれる無数の黒槍がフレイに襲い掛かる。
仲間の戦いを見ていたから、その数は理解しているつもりだ。
だが、実際に目の前で見る黒槍の嵐は、より凄まじかった。
「全て食らうわけにはいきませんので」
黒槍が自分を串刺しにする直前、フレイはするりとわが身を分身とすり替えた。分身に数本の黒槍が突き刺さる。
「その程度、物の数にも入るまい」
信長が顎で黒槍に指示を出した。
すると、空中に待機していた多くの黒槍が、再びフレイに降り注ぐ。
一撃二撃は分身と立ち位置を交換することで凌げたが、それが無数の黒槍ともなると全てを躱すことは難しかった。
鋭い槍の切っ先は、フレイの服を貫き、足に傷を負わせ、腕を抉る。分身を見ると、幾本もの槍で貫かれ地面に張り付けられていた。
それでもフレイは諦めない。
持つ剣は11本。
何とか信長まで走り、攻撃を仕掛けた。
「反撃です」
「してみるが良い」
最初の一撃は刀で弾かれた。
弾き飛ばされた剣を捨て、フレイは次の剣で斬りかかる。何度弾かれようとも、剣のある限り斬りつけて敵を攻めた。刃と刃が交わる音が響き、火花が幾度も散った。
「しぶといですね、ですが、狙います」
残り1本になった剣を思い切り敵の心臓に突き立てるフレイ。
信長が刀で弾いたが、勢いは殺しきれない。ついにフレイの剣が敵の腕を抉った。
「――っ」
苦痛にゆがむ敵の顔を見ながら、フレイはその場を退いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フィロメーラ・アステール
「鎧から槍が出てくるのか!」
武器なのか防具なのか。
……この性質を利用できないかな?
【空中浮遊】して【空中戦】開始!
【第六感】を頼りに敵攻撃の軌道を読み、回避を試みる!
さらに【オーラ防御】バリア!
【武器改造】の性質を付与し、触れる黒槍をねじ曲げ、受け流す!
被弾しても多少は平気!
でも、このままじゃ逃げ回ることしかできない……!
と【演技】しておいて反撃開始!
いい感じの黒槍を【念動力】により【グラップル】してキャッチ!
そこに【防具改造】パワーを注入し、元の鎧へと帰還させる!
コイツにくっついて一気に接近し、不意をつくぞ!
【聖星辰・飛龍段波】発動だ!
【気合い】を込めた【全力魔法】の【衝撃波】を食らわせる!
真宮・奏
織田信長・・・発するオーラだけで魔王に相応しい強者だとお見受けしました。
最大の敬意を持って相対します。いざ、参ります!!
黒槍の攻撃は【見切り】【第六感】で回避を試みます。回避出来なかったら【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で被害を防ぎます。
もし受けきれないと判断したら、【衝撃波】【範囲攻撃】で槍を吹き飛ばす事を考えます。槍を凌ぎきったら、【衝撃波】を牽制に撃って接近、【シールドバッシュ】で体勢を崩してから、追撃として【属性攻撃】で雷を纏わせた上で【二回攻撃】を併せた全身全霊の信念の拳で思いっきり殴ります!!
●黒い槍の雨を抜け
「鎧から槍が出てくるのか!」
フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は敵の攻撃を見て考える。これは武器なのだろうか、それとも防具か。
(「……この性質を利用できないかな?」)
そう思いながら、ひらり敵の前に飛んで出た。
「織田信長……発するオーラだけで魔王に相応しい強者だとお見受けしました」
続いて真宮・奏(絢爛の星・f03210)も前に出る。
その攻撃の凄まじさを目の前で見せつけられ、身の引き締まる思いだ。
だが、ここで止まるわけにはいかない。敵は傷を負っており、倒すには絶好のチャンスだ。
「最大の敬意を持って相対します。いざ、参ります!!」
奏はそう言って、敵の真正面から走っていった。
「儂も最後まで、可能性のある限り、賭けてみるか」
信長は自分に向かって来た二人を見て、再び秀吉を融合させた鋼鎧から無数の黒槍を放つ。
その数は数多。
城の天井を黒槍が覆い尽くし、二人を貫かんと待機する。
「さあ、この槍を受けてみるがいい」
信長が号令を出した。
待機していた黒槍が、豪雨のように降る。
フィロメーラは空中を飛び回り、第六感を頼りに槍の雨から逃げた。
小さい体が幸いし、槍と槍の間をひらひら飛んで躱していく。
「なるほど、ではこれはどうか」
信長が顎をしゃくる。すると、数本の槍が真横からフィロメーラを串刺しに来た。上から、横から突き出される槍を、全て躱すのは難しい。
右斜め上から飛来した槍を見て、フィロメーラは武器改造の性質を付加し、ぐにゃりと黒槍を捻じ曲げてみせた。
一方、奏も次々に襲い来る槍を、何とか見切って回避している。
もちろん、全ての槍を躱すことはできないが、槍が自分を斬ろうとする個所はオーラで防御し守った。そして、武器も盾も利用し、次々に来る黒槍を弾いて流す。
「なかなか頑張るではないか」
信長が奏に向けて、更に黒槍の攻撃を重ねた。
「簡単にはやられません!」
激しい黒槍の雨から逃れられないと瞬時に悟り、奏はその場で広範囲に衝撃波を発生させる。
波に押し流されるように、槍の勢いが衰えた。
奏は更に自分に向かってくる槍を叩き落しながらフィロメーラを見上げる。
「そちらは大丈夫ですか?」
「でも、このままじゃ逃げ回ることしかできない……!」
悲鳴に近い叫び。
フィロメーラは逃げ惑っていた。
いや――。
逃げ惑うふりをしながら、虎視眈々と反撃の機会を狙っていた。
一本の槍が接近してくる。
それを念動力で抑え込み、見事キャッチした。
「ここからだ」
フィロメーラは捕まえた槍を防具に改造し、信長の鎧へ投げつける。このまま鎧の一部として帰還してくれたのなら一番良い。
だが、一度放たれた槍が、鎧となって融合することはなかった。
それでも、投げつけた槍にくっついていたフィロメーラは、信長の間近まで接近できた。
「さあ、行くぞ!」
奏に声をかけ、聖星辰・飛龍段波を発動させる。
オーラを纏い、気合を込めて繰り出す全力魔法。
「くっ、接近を許すなど!」
その衝撃波を喰らい、信長の身体が傾いだ。
「はい、行きます!」
続けて奏も踏み込む。シールドバッシュで追撃すると、信長は完全によろめいて隙を見せた。
ここだ、と。奏はユーベルコード・信念の拳を発動させる。
「これは私の意志です!! 喰らえ~!!」
雷を拳に纏わせ、全力を込め殴りつけた。
全身全霊の強大な一撃。
奏の拳は信長の鎧を砕き、更に腹に大きな穴を開け吹き飛ばす。
「なん……と……」
体の半分以上を失い信長が絶句した。
「ふう」
奏は拳を敵の身体から引き抜き顔を上げる。フィロメーラがひらひらと舞い降りてきて信長の最後を眺めた。
「……見事……猟……兵……」
もはや言葉にもならない小さな息遣い。口から洩れる呼吸音が徐々に小さくなり、やがて消えた。
信長の身体も欠片を残さず消滅する。
「これで、終わったな」
フィロメーラが言うと、奏がコクリと頷いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵