エンパイアウォー㉞~虎と魔王の二重奏
●グリモアベースにて
「皆様、遂にこの時がやってまいりました」
グリモアベースで猟兵たちを迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。いつものすました表情もどこか上気しているように見えた。
「首塚の一族の方々の手により魔空安土城は地へと堕ちました。これにより織田信長本人と直接対決をすることが可能になりました。魔空安土城には信長軍の本隊も存在しましたが、幸いなことにそれらは万全の状態で島原に辿り着いた幕府軍が相手をしてくれるので、猟兵達は信長との戦いにだけ集中できる状態です。つまり皆様は信長打倒に全力を注いでくださいませ」
だが織田信長は今までのオブリビオンたちとは違い得意な能力を有しているらしい。
「織田信長の固有の能力かはわかりませんが織田信長は秘術【魔軍転生】によって、配下の魔軍将を背後霊のように憑装させて戦うようです。今回当機が予知した織田信長は甲斐の虎、武田信玄を憑装させるようです」
つまり織田信長は纏う魔軍将によりその能力を変化させることができるようだ。しかし織田信長であるということは変わりなく繰り返し倒し続ければ今までのオブリビオン・フォーミュラ同様に倒しきることが可能らしい。
「さぁ、皆様。長かったこの戦争も終わりが見えてまいりました。最後の敵、織田信長を打倒しこの世界に平和をもたらしましょう。皆様ならそれができると当機は信じております。どうかご武運を」
最後の言葉とカーテシーと共に猟兵たちは転移を開始した。
灰色幽霊
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
どうも、灰色幽霊です。
ついにやってきました織田信長戦。この織田信長は武田信玄をOSしているらしいです。シャーマンですね。
織田信長という強敵との戦い。どう技能を使い、どう動くのか。それを存分に見せてくださいませ。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』信玄装』
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POW : 風林火山
【渦巻く炎の刀】【黒曜石の全身甲冑】【嵐を呼ぶ樹木の翼】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 甲斐の虎
自身の身長の2倍の【白虎状態に変身した武田信玄】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : 武田騎馬軍団
レベル×5本の【武田軍】属性の【騎馬武者】を放つ。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ビッグ・サン
【クロウ助手と共闘】
「さて、今日は助手の実力を見るとしますかね」
A&Wで活動するビッグは信長と言われてもピンとこないが、アマータさんの予知では騎馬隊が攻めてくるらしい
ビッグはいつもの少女の人形を使い、フェアリーの体で、ぬいぐるみに入って通りがかりの子供のふりをする
武田の騎馬隊が子供を襲うようなら、サクッとやられて本体はぬいぐるみのふりでごまかす
そして、助手の仕事を見る
ちょっとゾンビを出したりするくらいかなと思ったら、ドラゴンゾンビとか出すので
「お、おお、やるじゃないですか」
と内心驚きつつ、組織の幹部として威厳を見せようと、もったいないけど賢者の石で魔力をブーストさせた魔法で信長を攻撃します
クロウ・ファンタズマ
※ビッグ・サン(f06449)と共闘
オブリビオン・フォーミュラ、そのサンプルは実に研究に使えそうだ。意地でも手に入れないとな。さあいこうぜビック!
武田軍が放たれ次第、指定UCを使用。【高速詠唱】で発動を限界まで早めるぜ。召喚できたなら、ドラゴンゾンビを盾にしつつ一緒に騎馬武者を派手に暴れて蹴散らすぜ。だが私は囮だ。本命はビックの攻撃。死んだと思った奴から攻撃が飛んでくれば驚きくらいするよな?
ビック復帰後は、新米だが助手らしくサポートするぜ。【怪力】で【肉断ち包丁】を【なぎ 払い】、ドラゴンゾンビと一緒に攻め上がる。ビックに攻撃しようとするなら【カウンター】で、攻撃の出始めを潰すぜ。
●死霊術師と新米助手
「ここが今回の本能寺か……」
魔空安土城の一角、そこには猟兵たちを待ちうける織田信長の姿があった。その背後には先の戦いで猟兵たちの手によりオブリビオン化が事前に防がれた武田信玄の姿が。とはいえ意識があるわけではなく力だけを信長に譲渡し信玄自身は時折虎の様に唸るだけで人語を発することはなかった。
「童の姿をした所で油断は誘えんぞ、猟兵よ」
「私はよく知りませんが流石は織田信長、と言ったところでしょうか?」
そこに現れたのは少女の姿をしたビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)、しかしなんの対策もとらず第六天魔王織田信長の前に現れればどうなるかは自明だった。
「そんな言葉は言われ飽きたわ」
瞬きすらせず信長から視線を逸らすことはなかったビッグの視界から信長の姿が消えた。
次に少女の視界が信長を捉えたのは床に転がり下から見上げる視界の中だった。ゴロリとなにかが転がる音の後、少女の身体は安土城の床へと倒れ落ちた。
「そこに隠れている者も出てきたらどうだ? これが策というのなら稚拙すぎると言わざるをえんな」
渦巻く炎の刀を鞘へと戻し信長は柱の陰に隠れるもう一人の猟兵へと語りかける。
「バレてるなら仕方ない」
両手をあげて柱の陰から出てきたのはクロウ・ファンタズマ(黒焔のネクロマンサー・f21283)だった。仕掛けていた策が潰え為すすべなく投降、という訳でもなくその顔は未だ何かを企んでいる顔だった。
「……ん? なるほど。この少女は死体だったか」
倒れ伏す少女の身体から流れ出る血の少なさに違和感を覚えた信長が一瞥すると明らかにその肉体は生命活動を行っていた形跡が見受けられない。つまり目の前の女が陽動として操っていたと考えるのが妥当だろう。
「なにが仕掛けてあるかわからん。返すぞ」
信長の背に現れた樹木の翼から放たれる突風が少女の身体を壁まで吹き飛ばす。その手に握られていたぬいぐるみはそのままに。
「貴様らの様な術師には近づかないに限る。故にこうさせてもらおう」
信長が手を振ると現れる赤備えの騎馬隊。それは憑装により信長の力となった信玄の指揮した騎馬隊。かつて信長自身に蹂躙された戦国最強と名高い騎馬。それが今ここに復活し、ただ目の前の相手を蹂躙するだけの存在となりクロウを狙う。
安土城内に蹄の音が鳴り響く中、クロウの方もようやく詠唱が終わる。
「そっちが馬ならこっちは竜だ! 来な、骸の海を乗り越えて、我が手の中に!!」
クロウの呼び声に応え安土城の一角の天井を突き破り現れる全長60mを超える巨大な漆黒の骸の竜。それが迫りくる騎馬隊を蹂躙し返し爪と牙で薙ぎ払う。
「もう用はないとは言え儂の城をこうも見晴らしを良くしてくれるとはな」
再度、刀を抜き未だ突撃を続ける騎馬隊と共にドラゴンゾンビと対峙しようとする信長の足もとから聞こえる筈のない声が響き渡る。
「お、おお、やるじゃないですか」
「……そういうカラクリか」
「そういうカラクリです。ここはもったいないですが私も威厳を見せましょう」
声の発信源は少女の持っていたぬいぐるみ。それこそがビッグの本体が隠れていた本命。ぬいぐるみの内部で何かが砕ける音が響き渡り燃え盛る火炎が信長の身体へと迫る。
「だがその程度では儂には届かん」
しかしその炎は信長の身に纏う黒曜石の鎧に阻まれダメージを与えることはできない。
「驚きこそはしたが一手足りなかったな」
ビッグの助太刀に入ろうとしてもクロウは未だ騎馬隊を倒し切れてはいない。故に振り被られる刀を防げるのはビッグ自身しかいない。その身体の小ささを活かしなんとか攻撃を躱すビッグだがそれもそう長くは続かない。
「これはダメそうですね。逃げましょう助手」
「―――ッ!!!」
クロウ自身もこの状況を打開する一手を作り出すことの難しさを痛感した。ビッグの言葉と同時にドラゴンゾンビが大きく息を吸い騎馬隊を一掃すると同時に視界を潰す。
信長が部屋に満ちる煙を吹き飛ばした時には既に部屋に猟兵の影はなかった。
「厄介な相手だ」
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
○【酔兵団】総勢3名で連携
○先制対応
ぶっつけ本番じゃが、2人と連携決めてみるかのぅ。
【焼き尽くし刺し貫く剣〝劫火〟】を手に、信長の【渦巻く炎の刀】の攻撃に加藤を【かばう】ようにオーラ防御を展開。
怨嗟の炎の効果で耐え、【カウンター】で【黒曜石の全身甲冑】に加藤と共に【鎧無視攻撃】を叩き込む。
攻撃が通れば、剣の持つ蒼炎の【属性攻撃】を勢いよく吹き出させ、
信長ごと【嵐を呼ぶ樹木の翼】をも燃やし尽くす!
○攻撃
ちったぁ応えたか?信長さんよ。
正直、億分の一の可能性にもBetするお前さんはかっこええ。
が、今回は出直してくれや。
先制対応後間髪入れず【選択したUC】で土手っ腹ぶち抜いてやるわ。
シル・ウィンディア
【酔兵団】で参加
ついにここまで来た…
みんながいるから怖くないっ!
さぁ、やろっかっ!!
・対敵UC
ビームシールドと【オーラ防御】に
水属性を【属性攻撃】で付与するよ
回避・戦闘機動時は【空中戦】で三次元機動を行い【残像】と【フェイント】を駆使して撹乱
炎の太刀は
自分に来るものは【第六感】を信じて【見切り】で回避
味方が被弾時
他の人が間に合わないなら
盾の出力全開で展開してカバーに入ります
ヒット&アウェイで二刀流の光刃剣で撹乱攻撃
【フェイント】を織り交ぜて
味方の攻撃フォローを行うよ
隙を見せたら
【高速詠唱】で隙を減らして【全力魔法】の限界突破で
UCを行使っ!
腰部の精霊電磁砲の【一斉攻撃】と【誘導弾】も一緒にだね
加藤・光廣
【酔兵団】で参加、アドリブ歓迎
お前が信長か
この威圧感、伊達じゃねーってことだな
最初から本気出させてもらうぜ
(汚れた牙とマンゴーシュを構える)
・先制対策
悪ィゲンさん、俺の分も受けてもらっちまって
それでもノッブの攻撃が俺に届くようなら野生の勘で察知して、マンゴーシュで受け止めようとする
そして、できるだけ懐へ踏み込つつ、マンゴーシュで刀を絡め取って素早く盗む
上手く言ったらお慰みってとこか?
ノッブの攻撃を耐えられたら、目いっぱいの力で汚れた牙をノッブへ突き立てUC
ありったけの血をくれてやる、思いっきり食い破れよ!
他の二人へ攻撃が向けられたら、スローイングダガーを投げたり一九式ぶっ放して気を逸らす
●酔いは熱さを超えて喉元へ至る
「お前が信長か。この威圧感、伊達じゃねーってことだな。最初から本気出させてもらうぜ」
「ついにここまで来た…。みんながいるから怖くないっ! さぁ、やろっかっ!!」
天井も無くなり壁が所々腐食した安土城。そこへ新たに転移してきたのは3人の猟兵。諸刃の短剣『汚れた牙』と『マンゴーシ』を握りしめた加藤・光廣(人狼のグールドライバー・f06416)と短い銀のロッドから伸びる二振りの光刃剣『エレメンティア』を構えるシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)。そしてその二人と共に現れたのは全身を鎧で包んだゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)。その手には炎のルーンが刻まれたスティレット『焼き尽くし刺し貫く剣〝劫火〟』が握られていた。三者三様に得物を持ち猟兵は奥で待つ織田信長と相対する。
「……次は貴様らか」
椅子から立ち上がり腰に携えた刀を抜く。渦巻く炎を纏うその刀、その身を護る黒曜石の全身甲冑、背には嵐を呼ぶ樹木の翼。此度の戦争の首魁、第六天魔王織田信長が出陣する。
「んじゃ手筈通りに頼む!」
「うん!」
「おうよ!」
突貫するゲンジロウの背に隠れる光廣、そして『精霊布のマント』を広げ『白翼衣『オデット』』へ魔力を通し空を駆けるシル。迎え撃つ信長は微動だにせずただ待ちかまえるのみ。
「装甲に長ける者が前に出て、機動力のある者がかく乱する……背後に隠れた者は隠し玉の一つでも持っているか。よかろう、その策見せてみよ」
先手は信長の振るう刀から伸びる炎の渦。燃え盛るその炎は迫る3人の猟兵を纏めて燃やし尽くさんとその手を伸ばす。しかしその鈍重な炎は空を駆けるシルを捉えることはできず軽やかに回避されてしまう。だが地を走る者にとっては自らの足よりも早いその速度。最短距離を走る二人に避けるという選択肢はなく炎の渦に身体ごと突っ込んだ。
「こちとら炎には慣れてるんでのう!」
「悪ィゲンさん、俺の分も受けてもらっちまって」
「気にすんな!」
身体を燃やさんと迫る炎がゲンジロウの身体から溢れだす紫苑の炎に打ち消されていく。目には目を、炎には炎を。戦いの終焉を許さない炎がゲンジロウの進む道を切り開く。
「そこ!」
シルの振るう光刃剣は信長の黒曜石の篭手に弾かれるがその刃は遂に信長まで届いた。ここから猟兵たちの猛攻が口火を切る。
振るわれる炎と呼びだされる嵐はゲンジロウがその身体を張って止める。
刀による直接攻撃は光廣がマンゴーシュで受け止め弾く。
大技の前の溜めにはシルがすかさず一撃を加え行動を許さない。
一対三。単純な手数の差が徐々に浮き彫りになっていく。
そんな攻防が幾度繰り広げられただろう。信長の纏う黒曜石の甲冑に小さくない傷が目立ち始めた時、それはやってきた。
「吻ッ!」
「―――ッ!」
突如として行動のパターンを変えた信長の刀が迫るシルを叩き落とそうと振るわれる。マンゴーシュで防ぐことも叶わないと即座に判断した光廣は咄嗟に『スローイングダガー』を抜き放ち信長の目を狙う。それは寸前の所で躱され部屋の壁へと突き刺さるがシルを狙う刀もなにかを断ちきることなく空を切る。
「今じゃ!」
その隙を見逃すゲンジロウではなかった。
鎧の傷ついた一点。そこを狙いスティレットの一刺しが信長の肩を穿つ。
「ぐっ―――だがこれしき!」
肩を抉る痛みに堪え剣を握るゲンジロウの腕を切り落とそうと再度空を切った刀を振るう信長だが振り下ろしたその手には刀の重みが存在していなかった。
「これぞお慰みってとこか?」
信長の刀は完璧なタイミングで光廣のマンゴーシュに絡め取られ弾き飛ばされていた。
つまり今信長を護るのは黒曜石の甲冑と嵐を呼ぶ樹木の翼の二つだけ。
「うおぉぉぉぉぉおおお!!!」
その翼も肩に突き刺さるスティレットから噴き出す蒼炎が信長ごと燃やし尽くさんと燃え広がる。
「撃つなら今!」
それと同時にシルの腰に位置する精霊電磁砲の砲身が眩く光り輝く。放たれようとするそれは火・水・風・土・光・闇の複合属性の魔力砲【ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト】。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ…。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
放たれた魔力砲は燃える樹木の翼を打ち抜き跡形も残さず消滅させる。
残るはその身に纏う黒曜石の甲冑のみ。
「ちったぁ応えたか?信長さんよ。正直、億分の一の可能性にもBetするお前さんはかっこええ。が、今回は出直してくれや」
「俺達も負けてらんねぇからなぁ!!!」
よろめく信長の身体に突き立てられる光廣の汚れた牙。主の血を吸い封印が解かれたその牙は新たな血に飢えその時を待ちわびる。
光廣の力だけでは黒曜石の甲冑は貫けない。
「てめぇの強さ、認めた上で越えてやろうじゃねえか!」
甲冑に突き立てられたその短剣をゲンジロウの太い腕から放たれた拳が甲冑を超えさらに奥へと突き進める。
「まだ終わらんぞぉぉぉおおお!!!」
「それはこっちのセリフだよ!」
肩に突き刺さるスティレットを引き抜き反撃を試みる信長の動きをシルは許さない。魔力砲の誘導弾が信長の右手を弾き飛ばす。
「「「食い破れ!!!」」」
信長の腹部、その奥深くへと抉り込まれた短剣の刀身が新鮮な血肉を求め分裂し、強固な黒曜石の甲冑の内側からその身体を蹂躙する。
「―――見事也」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
シズホ・トヒソズマ
※連携アドリブ可
・SPD
事前に◆武器改造でデザイアキメラの防御盾に無味無臭の神経◆マヒ毒を仕込み、自身は◆毒耐性で対策
デザイアキメラに◆騎乗し、脚部の高速車輪◆ダッシュ、虎信玄の噛みつき等をキメラの◆オーラ防御込の仕込み盾で
信長の攻撃を自分に巻きつけたリキッドメタルの◆盾受けで防御
噛み付き防御時に口内へ、気化した毒を発達した嗅覚から服毒させ、虎信玄がマヒで鈍った所で
信長をリキッドメタルの鞭で牽制、同時に◆早業◆操縦したユングフラウで頭部を挟み込み◆串刺しで仕留めます
凌いだらUCで白騎士の未来予測の力を宿し、騎乗キメラで高速接近
◆見切った信長の予測未来位置へユングウラウを突っ込ませ、◆鎧無視攻撃
遠呂智・景明
戦の作法だ、銘を名乗らせてもらおうか
大蛇切 遠呂智・景明
信長公のその首、狩らせてもらう
まずはそのでけぇ虎からだ。
遠距離からの攻撃は見切り、近接攻撃は片方の刀でいなした上でもう片方の刀で反撃の一撃を加える。
こちらから攻め込むのではなく、狙うのはあくまで敵の攻撃へのかうんたぁ。
狙うのは虎の手足、そして弱点の鼻。
騎乗している信長公からも意識は外さない。上に乗ってるだけでご満悦ってたまじゃあねぇだろう。狙えるのなら反撃を狙う。
勿論無傷でいようなんて思っちゃいねぇ。
多少の損耗は織り込み済みよ。
敵に傷、疲弊の色が濃くなったならここからは俺の番。
風林火陰山雷 火の如く!
纏った焔で息をつかせぬ連撃を。
死ねぇ!
塩崎・曲人
成程、甲斐の虎
「そのまんまじゃねーかオイ」
・先制攻撃対策
…ん?先制扱いなのは召喚して騎乗するとこまでじゃねコレ?
とはいえ、こっちのUCの準備も在る
できるだけ妨害しよう
信長が虎に乗り込もうとする際に手持ちの鉄パイプ…と、その影にナイフを投擲
所謂影手裏剣の応用で【フェイント】をかけるぜ
「まぁ、普通に対処してくるわな。ちょいと驚きゃ儲けもんか」
これでこっちは完全無手
敵の攻撃は刀か爪牙か…
・反撃
敵の接近に合わせ
こっちも虎に殴りかかる
「動物の弱点は鼻っ柱殴られる事だオラァ!」
―というのまで全部フカシ
本命はわざと自分の手を虎に食わせ(【激痛耐性】で耐える)
口の中で【最後の手札】の爆炎魔法を発動することだぜ
●騎虎の勢い下ることを得ず
「億に一つ……これほどか」
口元から零れる血を拭いながら信長は己の椅子へともたれかかる。外見と武具だけはかろうじて取り繕うことはできた。だがこれまで程の威力は出せない。刀は幸い無傷だが背の翼はほとんど見掛け倒しに近いしかしそれでも信長はまだ戦う。可能性が零出ない限り。
「息もつかせず次の相手……戦力の逐次投入は悪手なのだがな」
「こっちにもこっちの都合ってもんがあるんだぜ」
傷も癒えぬ信長の前に現れた3人の猟兵。信長の言葉に反応したのはその中の一人、塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)。もちろん逐次投入には様々な理由がある。連携の取れる者同士だったり、目的を同じくする者同士だったり、その理由は様々だが今回の場合は後者だった。
「先程は数で負けた。故に今回はこちらも魔軍将を呼ばせてもらう。来い、信玄」
信長の呼び声に応え、背後につき従っていた武田信玄がその身を白虎へと変身させ背に信長を乗せようと前へ出る。
「そのまんまじゃねーかオイ」
まさしくそれは甲斐の虎。戦国最強の騎馬隊を有した為に畏怖の念を込めて 呼ばれたその異名だったが今は信玄自身が虎になっていた。しかしそんなことはどうでもいい。狙うべきはただ一つ。
「戦の作法だ、銘を名乗らせてもらおうか。大蛇切 遠呂智・景明……信長公のその首、狩らせてもらう」
遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)は自身の本体たる『大蛇切 景明』と『黒鉄』を両手に携え信長と相対する。
「申し訳ないですが少し仕込みに時間がかかります」
「あいよ、それくらいは稼いでやる」
「首を取れなくても文句は言うなよ」
同時に転移したシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)だが生憎と策の仕込みが未だ終わらずそれまで2人時間を稼いでもらうしかない。
「なにやら仕込みをしているようだが……この速度について来れるか!」
信玄の背に跨ろうとする信長。
「っと、させねーよ!」
そこへすかさず『鉄パイプ』を投擲する曲人。しかしその程度のただの投擲では信長の刀で斬り払われ傷一つつけることなく防がれる。
―――だが、それこそが曲人の仕込みの一つ。
鉄パイプの影には同時に投げられた『ギャングスタ・ナイフ』が巧妙に隠されていた。影手裏剣の様に鉄パイプを防いだ信長の眼前にナイフが迫る。
「小賢しい……だが良い手だ」
ナイフも刀を握らぬ手で振り払われ信長の身体に傷をつけることはない。
「まぁ、普通に対処してくるわな。ちょいと驚きゃ儲けもんか」
「己の得物を捨ててまで注意を引く……つまり―――」
「チッ!」
信長の後方、死角から放たれた景明の一刀は信長を背に乗せ駆けだした信玄により空を斬る。
「それもまた陽動ということか」
「ありがとうございます。仕込み、終わりました」
「そして儂は時間を稼がれたわけだな」
こうしてここに策を練り、万全の状態で目的を果たすべくやってきた猟兵とそれを迎え撃つ白虎と魔王の戦いの火蓋が切って落とされた。
「オラァ!」
「シィ!」
振るわれる白虎の爪を殴り飛ばす曲人と信長の刀を斬り払う景明。
「隙あり!」
そこへすかさず『デザイア・キメラ(三欲の獣)』に騎乗したシズホが脚部の車輪を高速回転させ迫る。振るわれる流体金属リキッドメタルの鞭が信長を巻き取り引き摺り下ろさんと伸びる。
だがその攻撃も飛び退く信玄により信長に届く事はない。
「なるほど、いい連携だ」
都合何度目かの仕切り直し。否、疲労が蓄積し浅くない傷が増えていく3人にとっては最悪のリスタート。
「仕込んだ策の内容はわからぬが……出された所で超えればよいだけのこと」
信玄に騎乗した信長が猟兵たちの首を狙い所狭しと部屋を駆け抜ける。
「タイミングはつかめてきたぜ……動物の弱点は鼻っ柱殴られる事だオラァ!」
曲人が信玄の接近に合わせ拳を振るう。狙うは動物の弱点である鼻。
「くっ、止まれ!信玄!―――などというと思ったか?」
明確な弱点は対処して然るべきもの。信玄は己の鼻を狙うその拳を呑み込まんと大きく口を開く。
「塩崎さん!」
それを見たシズホがデザイア・キメラの仕込み盾を大きく開いた信玄の口へと放り込む。それは噛み砕かれるであろう曲人の拳を護るため―――ではなかった。
「ぐああ!!!―――なんて言うと思ったか?」
曲人の拳とデザイア・キメラの盾を口へ含んだ信玄の動きが止まる。
「なに!?」
それは盾に仕込まれた神経毒による作用。完全に動きを止めることは叶わぬがこの一瞬だけ信玄の動きは静止する。
「これでも、アルダワの魔法科コースは履修済みでね」
その一瞬を狙い、信玄の口の中で曲人の【最後の手札】が炸裂する。それは自身へのダメージも厭わない全力の爆炎魔法。
「ぶっ飛びやがれ!」
劫炎が爆ぜ、白虎と化した信玄が口から煙を漏らしその場に倒れ伏す。振り落とされた信長は転がり受身をとるがその隙を無逃す筈がない者がそこへ迫る。
「死ねぇ!」
【風林火陰山雷 火の如く】により火焔を纏った景明の振るう二刀が信長の首へと迫る。
「―――」
絶好の好機。信長は己の再びの死を悟る。しかしその未来は訪れない。
倒れていた筈の信玄が最後の力を振り絞り、信長の首を飛ばす筈だった刃をその身で受ける。信長の首こそ守れはしたが燃え盛る連撃を総てその身で受け止めた白虎たる信玄はもうこの戦場を駆けることはないだろう。その身を仕留めたのは奇しくも自身の旗に書かれた物と同じ名前の技だった。
「信玄! 良くやった!」
絶好の好機に最高の大技を放った直後。そこには必ず隙が生まれる。信玄という犠牲を払い防がれる筈のない攻撃を防いだ信長の次なる一刀が刀を振り切った景明の元へと迫る。
「―――この未来。私には既に視えていました」
かつて死闘を繰り広げたモノの力を宿すシズホの【幻想装身】。此度その身に宿すのは銀河を制した帝国の白き騎士の未来予測。信玄の最後の足掻きだけは予測外だったが信長の反撃は完璧に予測していた。
「ユンちゃん!」
だからこそできたあらかじめ攻撃をしておくという戦術。完全に死角となった信長の頭上から『ユングフラウ』と名付けられた鉄の乙女が門を開き数多の棘を伸ばし魔王を串刺そうと落下する。
「まんまと策に嵌められたという訳か」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
メンカル・プルモーサ
…ついに追い詰めたけど…ここで詰めを誤る訳にはいかないね…
…武田の騎馬武者には…屋内では騎馬の優位を十全に生かせない気がするけど…
まずは…煙幕を張って騎馬の視界を塞ぐ…
…さらに煙に紛れて遅発連動術式【クロノス】により『踏んだら氷の槍が突き出る術式』をそこらに仕込んで馬の転倒や巻き込みを狙って時間稼ぎ…
…混乱しているところに【尽きる事なき暴食の大火】を発動…騎馬軍団を白の炎で飲み込むよ…
…そして騎馬軍団を飲み込んて勢いを増した白い炎を操り信長へと放つ…真っ正面から……だけでなくの床からの延焼による不意打ち…を見せて、直後に天井からも降り注ぐ三段構え…燃え尽きろ…
●燃ゆる安土城
「……もう随分とボロボロ…ここで詰めを誤る訳にはいかないね…」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)が信長の待つ安土城の一室に足を踏み入れた頃には既に信長は数え切れないほどの傷をその身につけていた。
「次は一人……ふむ、その出で立ち……妖術師か」
「…魔女だよ」
今回先手をとったのはメンカル。身の丈ほどもある銀の杖『シルバームーン』を振るい唱えるのは視覚を奪う簡易術式。着色された煙は瞬く間に部屋を覆い隠し信長の視覚からメンカルの姿を消す。
「では魔女、と呼ばせてもらおうか。儂の視界を奪ってすることと言えば奇襲。妖術は儂もわからん故こう対処させてもらう」
信玄はもう戦えない。しかし信玄と共にあった騎馬隊は未だ健在であり彼らならば視界を気にすることはなく数の暴力で圧倒することができる。たった一人の魔女を蹂躙するには十分な数の蹄の音が鳴り響く。
「行け」
信長の号令と共に突撃する騎馬隊だがその足音が煙の中で突如として消える。視えぬ信長には自体を把握することはできないが煙の中へと入って行った騎馬たちは遅延術式により仕込まれた接触を感知することで氷槍を即座に形成する術式により馬を貫かれ転倒を至る所で巻き起こしていた。
「やはり妖術は油断ならんな!」
「…だから妖術じゃなくて魔術。貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ。汝は焦熱、汝は劫火。魔女が望むは灼熱をも焼く終なる焔」
混乱の最中にある騎馬隊へメンカルは次なる術式【尽きる事なき暴食の大火】。如何なる存在も燃料に燃え上がるその白色の炎は煙の中の騎馬隊を呑み込みさらに大きな炎となる。
「儂はつくづく炎と縁があるらしいな」
「…知らないよ」
勢いを増した白い炎は煙に続き信長の視界を埋め尽くすように広がる。
それは正面から魔王を呑み込まんとする。
「甘いわ!」
それは手にした刀で振り払われる。
しかし燃え盛る炎は床すら燃やし地を這う炎は魔王を狙う。
「くっ!」
それは飛び退くことで躱される。
しかし本命たる炎は既に魔王の頭上から迫っていた。
これが魔女の仕掛けた三段構え。
「…燃え尽きろ」
炎は総てを呑み込みさらに大きく燃え上がる。
成功
🔵🔵🔴
フランチェスカ・ヴァレンタイン
ここに至ってはもはや刃を交わすのみ、と
翼を広げ、バーニアを噴かし。樹木の翼で巻き起こる嵐にも”乗って”みせましょう
嵐の乱気流を逆用しての空中戦、砲撃と斧槍でのヒット&アウェイによる不規則攻撃を
炎の刀に対しては、属性攻撃で各武装に絶対零度の概念を纏わせることで対抗します
それでも黒曜石の甲冑が厄介ですわね… 砲撃と刃、弾かれてません…?
文字通り、虎穴に入らずんば――ですかね
覚悟を決めて高機動のマニューバで一気にクロスレンジへと
迎撃は軌道を見切り、命中直前の推力偏向噴射で外殻装甲でどうにか受け流しつつ
UCの擦れ違いざまの一撃で黒曜石の鎧を砕き、その内部へと防御無視の零距離爆裂をお届け致しましょう…!
●戦淑女は魔王を超えて
「息もつかせず次々と……次は天使というやつか」
燃える部屋の中で織田信長は次なる猟兵を迎えていた。
「フランチェスカ・ヴァレンタイン、相手を仕りましょう」
純白の翼を広げ、鎧装に身を包む戦淑女フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)。相対する信長はすでに数多のダメージを受け満身創痍。それでもまだその瞳の奥に宿る炎は消えていなかった。
「其方が翼を使うのならば儂も使うとしよう」
先の戦いで失われた嵐を呼ぶ樹木の片翼。それでもまだ残りし片翼は嵐を呼べる。部屋に満ちる炎と共に荒れ狂う突風がフランチェスカへと迫る。
「ここに至ってはもはや刃を交わすのみ、と」
巻き起こる突風を躱すのではなくフランチェスカはバーニアを噴かしその風を利用し、もう天井すらない部屋を大きく飛び越え空へと舞い上がる。
嵐を読み、風に乗り、戦淑女は空を舞う。
「ハァッ!」
その速度を利用し振り下ろされる大型機殻斧槍『ヴァルフレイア・ハルバード』の一撃。炎を纏う刀に対抗するため極限まで冷却されたその刃は炎を物ともせずに斬り付ける。
「いい一撃だ。だが儂には届かん」
しかしその刃は黒曜石の甲冑に弾かれる。
「それなら!」
距離をとりながらのテールバインダー型重流体加速砲『アウトレイジ・ブラスター』による砲撃。しかしその砲弾も信長の身を包む鎧を貫くことはできない。
再び開いた信長との距離を利用しフランチェスカは思案する。
「これは文字通り、虎穴に入らずんば―――ですかね」
覚悟は決めた。それを為すだけの技術も自身にはある筈。ならばあとは実行するのみ。
バーニアを最大出力で噴射し戦淑女は嵐を切り裂き魔王へ迫る。
「甘いッ!」
信長による迎撃の一刀はスラスターを噴かし姿勢を変えて外殻装甲で受け流す。衝撃とダメージは殺しきれないが今は速度が落ちなければ問題ない。
「セーフティ、解除―― 対反動スラスター、噴射待機―― 術式炸薬、フルチャージ…!」
すれ違いざまに振るわれる斧槍の戦槌。それは奇しくも先の戦いで甲冑が損傷した箇所。叩き込まれた戦槌の一打がその損傷をさらに広げる。
「痛撃、爆砕っ…!!」
甲冑が砕ける音の直後。巨大な爆発が炸裂する。
成功
🔵🔵🔴
ヴィサラ・ヴァイン
ついにエンパイアウォーも佳境だね
リム(f08099)と一緒に信長を打倒するよ
まずは先制攻撃の【風林火山】の対処
[第六感]で攻撃の軌道と予兆を感じ取り、リムに伝えて回避を補助
《魔眼『コラリオ』》で翼を石化させ機動力を削ぎ援護
初動を防いだら[毒使い]で代償を大きくした【ゴルゴンに選ばれし者】でリムを超強化
【武田騎馬軍団】は魔眼『コラリオ』の[恐怖を与える]事で牽制し騎馬の足を石化させて足止め
更にまだ発動中UCの[範囲攻撃]で騎馬軍団をまとめて眷属化し信長と戦わせて隙を作るよ
…まあ彼らは猛毒には耐えらず短時間で壊滅するだろうけど
第六天魔王? 最強の武田騎馬軍団?
それならこっちは神話の『ゴルゴン』だよ
リミティア・スカイクラッド
とうとうここまで辿り着きました
甲斐の虎の力を纏った織田信長とは、とんだドリームタッグですが
リムとヴィサラ(f00702)の絆の力で凌駕してみせましょう
魔女の刻印と風神の靴の「封印を解く」とヴィサラを抱えて「空中戦」を挑みます
信長の攻撃や騎馬武者を避けるよう飛び回りながら「高速詠唱」「全力魔法」で封印解放した魔力による「オーラ防御」
反撃の機会まで耐え凌ぎましょう
敵の先制攻撃を凌いだらヴィサラの撒いた毒を取り込んでUC発動
騎馬軍団の統率が乱れている隙を突いて一気に信長に接近を試みます
そして暴走する魔力の全てを宝石剣に収束し、今のリムに繰り出せる渾身の一撃を
あなたの野望はここで終焉です、第六天魔王
●魔王と魔女と魔眼
「鎧も無くなり、信玄もおらん。翼はすでに片翼のみ。残るは騎馬隊とこの刀のみ。しかし儂は未だ天下布武を諦めん。儂一人おればまだ戦える」
共に居た物もその身を守る物ももはやなく、あるのはその身と受け継がれし赤備えの騎馬隊のみ。
「故に貴様ら猟兵に負けるわけにはいかんのだ」
「そうですか。ですがたった独りの貴方にリムとヴィサラは負けません」
「うん、いこうリム」
ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)とリミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)の二人が足を踏み入れた部屋はもう当初の面影はなく、炎こそ消えてはいるがもう何も残ってはいなかった。
「頂に立つのは常に独り。それでいいのだ!」
信長の号令に従い現れるこれまでよりも多くの騎馬隊たち。部屋を気にすることがなくなった今、制限するものも無くなり残る力の総てを騎馬隊へと注ぐ。
「往け!」
その言葉と共に突撃を仕掛ける騎馬隊と背に残る片翼になり果てた樹木の翼を翻す信長。
「ヴィサラ」
「わたしの全部預けるよ!」
ヴィサラがリミティアの首へと抱きつきリミティアはその身体を横抱きにする。それと同時に自身の身に刻まれた『魔女の刻印』を開放し魔力の枷を外す。解放された魔力を『風神の靴『風に乗りて歩むもの』』へと注ぎヴィサラを抱えリミティアは空を駆ける。
「右から来るよ!」
迫る攻撃の予兆をヴィサラが感じ取りそれをリミティアに伝えることで回避する。一人では届かなくても二人なら届く。騎馬隊の放つ矢もリミティアが唱えて纏う風のヴェールにより二人には届かない。
「風を操り空を駆けるか! ならば!」
リミティアの操る風を嵐でかき乱そうと信長は樹木の翼を大きく広げる。
「わたしとリムの邪魔はさせない」
ヴィサラがその翼を一瞥すると樹木は石化し崩れ落ちる。それはヴィサラが生来持つ見たものを石化させる『魔眼『コラリオ』』の力。
「そろそろ……でしょうか?」
「そうだね、リム。やっちゃって」
初動は防いだ。騎馬隊は健在だがその程度は障害になりえない。であれば次はこちらが反撃に移る番。リミティアの髪に宿る蛇たちがその口から毒をばら撒き周囲に蔓延させる。それは他者の身も心も虜にし、ゴルゴンの眷属と化す甘美な毒【ゴルゴンに選ばれし者】。それは神話の怪物が愛した誰かを放さぬための毒。
「私の毒(アイ)は重いよ。受け取って?」
「あなたの毒(アイ)をください。この身を狂わせる呪い(アイ)を」
リミティアへは散布した毒ではなくヴィサラの口から直接投与される。抱えられたままリミティアの首筋へとヴィサラは噛みつき毒がリミティアの身体をめぐっていく。その愛が魔女の魂の枷を外しその魔力は新たな位階へと昇る。
散布された毒により騎馬隊の支配権は信長からヴィサラへと移る。反旗を翻した騎馬隊はかつての主信長へと謀反を行う。
「儂の最後はやはり謀反か」
しかしその騎馬隊も信長が相手取る必要はなくその身を侵す猛毒で一人、また一人と倒れ消えていく。
「いえ、あなたの最後はこの一撃です」
ヴィサラの毒という名の愛により魂の限界を超えて暴走するリミティアの魔力。増強された身体能力を遺憾なく発揮しリミティアは信長の眼前へと迫る。大事な彼女は傷つかぬようそっと地上へと降ろす。
「第六天魔王たる儂の最後の相手は小娘二人か。最強の武田騎馬軍団も操られては意味がない」
「第六天魔王? 最強の武田騎馬軍団? それならこっちは神話のゴルゴンだよ」
「そしてリムはゴルゴンに選ばれた魔女です」
諦めにも似た信長のつぶやき。
そんなことは知ったことではないと一蹴するヴィサラ。
「フハハハハ! では儂も怪物退治と洒落こもうではないか!」
最後に残ったのはこの手にある刀だけ。
配下たる甲斐の虎は切り刻まれ
嵐を呼ぶ樹木の翼は撃ち抜かれ石化され
黒曜石の全身甲冑は撃ち砕かれ
武田の騎馬隊も毒に侵され
もういない。
「そんなことはリムがさせません」
暴走する魔力を制御するには時間が足りないがそれを『宝石剣エリクシル』に籠めるだけの時間はあった。溢れんばかりの魔力を注がれ宝石剣は七色を超え白く発光する。
「あなたの野望はここで終焉です、第六天魔王」
「いいや! 儂の野望はまだ終わらん!」
同時に振り下ろされる燃ゆる刀と光の剣。
極光が魔空安土城を包み込み後に残ったのは二つの人影。そこに織田信長の姿はなかった。
猟兵たちの活躍により黄泉還りし第六天魔王織田信長は再び躯の海へと送還されその野望はここに潰える。
こうしてこの戦場での戦いは終わった。この戦争の終わりももう間近。
大成功
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