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エンパイアウォ-㉞~魔王、虎宿し咆哮す~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #オブリビオン・フォーミュラ #織田信長 #魔軍転生

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●魔空安土城・天守閣
「来るか、猟兵達よ」
 幕府軍の首塚の一族の力により、空高く君臨していた魔空安土城は地に引きずり降ろされ、さらに城の防衛能力も無力化された。そして無傷の幕府軍の奮戦により、配下の織田軍も釘づけにされ、大将であり、オブリビオンフォーミュラである織田信長は単身で天守閣から地上を見下ろす。江戸幕府など叩き潰すだけの作業と思っていた彼にとって、もはや五分どころか、追い詰められた状況でもある。
「だが、是非もなしよ。必勝の戦などなし。ならば賭けてみるも一興よ」
 そう、織田信長という男の本質は土壇場の強さにある。桶狭間、長篠、織田包囲網、数々のピンチを、危機を乗り越えてきたからこそ、彼は第六天魔王とまで呼ばれる存在になったのだ。その本質が彼の表情を笑みへと変える。
「ならば信玄よ。復活はならなかったが、その力、今こそ儂の為に役立って貰おうぞ!」
 そして信長は自身の秘術を発動させる。「魔軍転生」、それは魔将を憑依させる力である。『甲斐の虎』武田信玄は復活はならなかったが、存在は知覚できる。それを織田信長は力のみを引っ張り上げ、それを自身に憑依させる。
 そこには力漲る織田信長と、虎が甲冑を身に着けたような男の姿が陽炎のように揺らめく。それはまさしく、魔王に武田最強の男の力が宿った瞬間でもあった。

●グリモアベース・ブリーディングルーム
「ついに魔空安土城に到達できたのー。じゃけど、これからが本番じゃけーのー」
 そう電脳ウィンドウを開き、いつもより真剣味が増した表情を浮かべるは、グリモア猟兵・メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)。そこにはオブリビオン・フォーミュラである第六天魔王『織田信長』の姿が表示されている。
「奴は秘術『魔軍転生』と呼ばれる力で、配下の魔軍将を背後霊のように憑装させて戦うようじゃのー。今回、奴が宿しておるのは復活を阻止したはずの甲斐の虎『武田信玄』のようじゃのー」
 織田信長の虎の獣人が甲冑を着込んだような男が揺らめている。憑依といっても、武田信玄は復活していない。力のみ強引に引っ張りだしてきた状態なので、会話することはない。だがその戦闘能力はまさしく、武田信玄そのもの、といってもいいだろう。
「そして織田信長は必ずこちらの先手を取ってくるけー、対策はしっかりとしてのー。まさしくエンパイアウォー、ラスボスに相応しい実力じゃけー、絶対に油断はせんことじゃのー」
 逆境に強い織田信長。ここで逃せば必ず状況を逆転させてくる。最後の力を振り絞るように、とメイスンは激励して転移を開始する。ついに第六天魔王を滅する時、来たる。その機会を逃すまいと猟兵は決意を秘めるのであった。


ライラ.hack
 イケオジ、魔王に相応しい風格の皆大好き信長様です。
 どうも皆様こんばんわ。ライラ.hackです。

 このたびはオブリビオン・フォーミュラである第六天魔王『織田信長』、その秘術「魔軍転生」の憑依が一つ、信玄装が相手です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 オープニングでも表記しましたが、武田信玄は会話できません。唸り声のみ上げる存在なのでご注意下さい。

●特殊ルール
 第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 以上です。エンパイアウォー最後の試練ですが、最後の力を振り絞って頑張って下さい!
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『第六天魔王『織田信長』信玄装』

POW   :    風林火山
【渦巻く炎の刀】【黒曜石の全身甲冑】【嵐を呼ぶ樹木の翼】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    甲斐の虎
自身の身長の2倍の【白虎状態に変身した武田信玄】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    武田騎馬軍団
レベル×5本の【武田軍】属性の【騎馬武者】を放つ。

イラスト:UMEn人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シーザー・ゴールドマン
【POW】
ハハハ、第六天魔王に甲斐の虎の力が宿るか。
恐ろしい事だね。
君がオブリビオンでなければ語らってみたかったが……是非もなしだ。
倒させてもらう。

先制対策
衝撃波(×属性攻撃:炎×範囲攻撃)を床に放って戦場を火の海に。
同時に魔力で質量を持たせた複数の分身(残像)を流水の如き動きで展開。
炎と分身で信長を惑わし、彼の攻撃を直感と経験(第六感×見切り×戦闘知識)で見極めて回避あるいは受け流してUC発動までの時間を稼ぐ。

準備が整えば、一撃必殺の威力を込めた『アララトの流星』で撃ち砕きます。
(先制攻撃×鎧砕き×串刺し×全力魔法×『アララトの流星』)



●魔空安土城、炎の決戦
 魔空安土城。その天守閣にて第六天魔王『織田信長』は王座にて鎮座する。待つはこのエンパイアウォーの戦局を悉く覆してくれた存在、猟兵である。かの者達がいなければ、幕府軍などすでに滅し、サムライエンパイアも崩壊していただろう。そして渡来人共の「グリードオーシャン」にまで侵略していただろう。
 だがそれももはや夢幻の如く、自身は敗軍の将となるが運命であろう。だがそれをただ座して待つわけではない。猟兵達を返り討ちにし、その勢いでサムライエンパイアを滅ぼす力を手に入れる。その為に、秘術「魔軍転生」まで使っているのだ。
 傍にいる甲斐の虎『武田信玄』の幻を侍らしつつ、闘気を昂らせていると、待ち人は来たる。ダンピールのシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)である。彼は織田信長を視界に収めると、端正な顔を笑顔にする。
「ハハハ、第六天魔王に甲斐の虎の力が宿るか。恐ろしい事だね」
 傍にいる武田信玄の幻影を見て、そしてその力が織田信長に宿っていることを確認しても、シーザーは優雅さを崩さない。これが猟兵か、と織田信長も笑う。
「さすがはこの魔空安土城まで乗り込んできた強者。儂を恐れぬとは見事よ」
 そして織田信長は秘めた信玄装を解放し、戦闘態勢に入る。王座を立ち上がり、自身の愛刀「圧切長谷部」を抜く。それを見てシーザーも身体はいつでも対応できるように整えている。
「君がオブリビオンでなければ語らってみたかったが……是非もなしだ」
「うむ、是非もなし。これより先は刀にて語らおう。滅ぶがよい、猟兵!」
 そして信玄装を完全解放した織田信長は、圧切長谷部に渦巻く炎を宿し、自身の鎧の上にさらに黒曜石の全身甲冑を纏い、嵐を呼ぶ樹木の翼を背中から生やす。これぞ武田信玄の「風林火山」を第六天魔王に宿した姿であった。そして翼を羽ばたかせ風を巻き起こし、そこから炎を乗せて焼き尽くす風となってシーザーを滅さんと迫る。
 それに対し、シーザーはオドを解放しその魔力を持って、自身の分身を作りだす。それは質量の持った高性能の残像であり、それを複数に展開して織田信長の目を惑わす狙いもある。そして炎の風が分身を巻き込んで蹴散らした隙に、さらにシーザーは自身の炎の衝撃波で城の床に着火させ、火の海を作りだす。 
「ほう、ここで本能寺の再現でもするつもりか!」
 愉快そうに笑う織田信長はそれはさせじと大火事になる前に樹木の翼で嵐を巻き起こし、シーザーの火を消し飛ばす。すでに手遅れになる部分は粉々に粉砕して火を消す徹底ぶりだ。だがこの火と煙はシーザーの残像をより目くらましに使わせる結果となり、結果として織田信長はシーザー本体を捉えられずにいた。
「倒させてもらう」
 そう言ったシーザー本体はすでに織田信長の距離を詰めていた。破壊の風と灼熱の炎を巻き起こす織田信長もまさかここまで接近してくるとは、と意識的な不意を突かれた形となった。
「ほう、敢えて接近してくるとは。だが圧切長谷部の錆とするのみぞ!」
 そうして炎をまき散らしながら、圧切長谷部を振う織田信長。軌道上すべてを焼き尽くさんとする炎を巻き上げながらの斬撃。赤い服は焦げ、肉が焼ける痛みに耐えながらも、シーザーはその斬撃を回避する。そして放つは渾身の力を込めた光速の魔力弾、「アララトの流星(デウス・ルークス)」だ。
「砕けたまえ!」
 珍しく声を昂らせたシーザーから放たれた光弾は織田信長の腹部に着弾する。山の如き硬度でその身を守る黒曜石の全身甲冑、ダメージを与えることはおろか、傷を付けるのも容易ではない。だがシーザーの「アララトの流星(デウス・ルークス)」は地形をも変える破壊力を持っている。光と共に黒曜石を砕く音が炸裂し、鉄壁の護りと思われた風林火山の甲冑は破られる。そして織田信長の甲冑も破壊し、内部の肉体に衝撃を与える。
 あまりの破壊に織田信長は着弾した場所からかなり離れた場所まで吹き飛ばされており、全身甲冑のフェイスガードが外れ、見えたその口からは血が零れ落ちている。そしてその血を拭うと、愉快に豪快に笑い始める。
「クッハハハハハッ!山を砕くとは、やるのう!」
 そう言って再び嵐を巻き起こす織田信長。手傷を負った者の力とは思えない破壊を繰り広げる姿にシーザーも驚きを隠せないが、その嵐を凌ぐ頃にはすでに織田信長の姿はなかった。形勢が不利と判断すれば一時的撤退も辞さない。それこそが彼を戦国の覇者と押し上げたものなのだろう。
「まあ、いいでしょう。猟兵は私一人ではありませんし」
 そういってようやくオドを収めた時にはどっと疲労感に襲われるシーザー。やはり容易ではない相手、と内心感心しつつ、それを五分に渡り合えたことに強さを噛みしめるシーザーであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・コーエン
第六天魔王「信長」か、その名に違わぬ威厳だな。
このような強敵と戦えて嬉しい。
一礼して「シン・コーエン、信長殿の御首貰い受ける!」と挑む。

足の裏から【衝撃波】を放ちつつ【ダッシュ】して加速。
その勢いで【ジャンプ、空中浮遊・空中戦】で空中を舞い、【残像】で幻惑し、【第六感・見切り】で信長と信玄の攻撃を躱す。
躱せないなら【自身への念動力】で急加速・急制動で躱し、最後には【武器受け・オーラ防御】で受ける。

UCが発動可能になれば、前述の技能フルに使って分身を生み出しつつ間合いに入り、【2回攻撃・衝撃波・炎の属性攻撃】と併せて「灼星赫奕」を放ち、信長と信玄を纏めて貫く!

「星の炎も貴殿の炎に引けは取らぬ!」



●魔王VS灼閃
 嵐と共に織田信長は魔空安土城の廊下へと出現する。破壊された木片がそこら辺に飛び散るが、自身の城なので気にする必要もない。だが身体から受けた傷からは血が滴っており、口内にも鉄の味が広がる。これが猟兵の力か、と感心するがそんな余韻に浸る暇もない。
「第六天魔王『信長』か、その名に違わぬ威厳だな」
 織田信長の前に現れた猟兵、スペースノイドのシン・コーエン(灼閃の・f13886)。日常では快活である彼も、戦場に出れば果敢となる。その端正な表情は自身の全力をぶつけられる強敵と戦える喜びに武者震いすらしていた。
「いかにも、織田信長である。そなたも儂を狙う猟兵か?」
 その覇気はまさしく戦国の覇者、織田信長。そして第六天魔王としての風格は恐怖をまき散らす。だがシンは決して怯まない。そして戦士としての礼節も忘れない。織田信長に対して一礼し、サイキックエナジーで形成された愛剣「灼星剣」を出現させる。
「俺はシン・コーエン、信長殿の御首貰い受ける!」
「その意気やよし、だが若造に獲られるほど安くはないぞ!」
 そう織田信長が吼えると隣に佇んでいた武田信玄の幻影がみるみる内に巨大な白虎へと変化していく。まさしく甲斐の虎、を表現された白虎に跨り織田信長がシンの元へと疾駆していく。巨獣の咆哮が響き渡り、腹にまで轟く衝撃は織田信長と白虎信玄の迫力を予想させる。
 巨大なる圧力と巨獣が疾駆しているとは思えないスピードを誇る織田信長に対し、シンは足の裏に念動力(フォース)による衝撃波を放ち、その勢いを得てさらに筋力を駆使して地面を蹴って加速する。そして空中へと舞うシン、地上で白虎と挑んでも勝ち目はないと踏んでの空中戦を挑む。
 空中に華麗に舞うシンに対し、白虎信玄は巨体を立たせ、その巨腕を振るいシンを叩き潰す。だがそれは実体を持たぬ残像、白虎信玄の攻撃は空中に虚しく空振る。そして空中に現れるは、シンの残像達。この中に本物がいるか、という疑問は愚問。織田信長はそう判断し、白虎信玄に幻影をすべて叩き潰すように命令し、自身も圧切長谷部を振う。
「ハッハッハッ!逃げているだけでは芸はないぞ!」
 織田信長の斬撃と白虎信玄の轟撃。圧倒的な連携攻撃にシンの残像はあっという間に数を減らし、あと数体まで減る。このままではまずいと判断したシンは賭けに出る。念動力を利用し自身を操作して急加速して織田信長へと迫る。だがそれを読んでいない織田信長ではない。すぐさまその加速に合わせたように白虎信玄の爪撃が襲い掛かる。
 シンの身体がその爪に引き裂かれる、と思った瞬間、シンは再び念動力を駆使して急制動を仕掛ける。これによって白虎の爪は空中を引き裂くのみであった。だが無理な制動は身体への負担は大きい。だがこれで隙はできた。シンは灼星剣を構え、能力「灼星赫奕」を発動させる。
「我が剣よ、炎を生み出したる理により、この世界を再び照らせ!」
 その剣から深紅の灼光が溢れ出し、破壊の力が増幅されていくのを織田信長も感じ取る。それを振る前に圧切長谷部でシンを切り裂こうとする。だがフォースで作りだした防御でその刀を受け流し、渾身の一擲を放つ。
「星の炎も貴殿の炎に引けは取らぬ!」
 深紅の灼光の一閃は白虎信玄の肩を貫き、織田信長の脇腹をも抉る。まさしく星の炎は煌めき、魔王の炎をも凌駕した瞬間でもあった。だが大部分の力は白虎信玄が引き受け、織田信長のダメージは最小限まで抑え込んだのは僥倖であろう。そして白虎信玄が星の炎に灼かれ、消滅する前にその巨腕を振り下ろし、シンの足元破壊する。
「クッ……、足場が!」
「素晴らしい炎であったぞ。だが儂もまだやられるわけにはいかぬ!」
 さすがに咄嗟のことでシンも崩壊していく床と共に落下。念動力で身体を浮遊させる頃には織田信長は姿を消していた。どうやら魔空安土城内で再び態勢を整えるつもりなのだろう。だがシンはダメージを与えたとはいえ、決して侮れる相手ではないと確信していた。そして二度同じことは通じない、次はうまくいくとは限らないことも。
 しかし次に会う時はその首を貰い受ける、と決意を新たに、シンは戦闘で痛めた身体を休めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンノット・リアルハート
敵は鎧で全身を固めてくる……なら、あの技がいける?
【メタルハート】を【操縦】して、【ダッシュ】で信長に接近
翼から放たれる嵐は【空中戦】の要領で上手く乗りこなしていきましょう

接近できたら三又に変形させた【ノイギーア】の【カウンター】【早業】で炎の刀を持つ腕を【串刺し】にして【武器受け】をしつつ、石突きを地面に突き刺して逃げられないように【時間稼ぎ】
相手の動きを止めることができたら【スナイパー】で関節や繋目など鎧の隙間に【継承のリボン】を入り込ませてユーベルコードを発動
どれだけ防御を固めても、その内側から斬られれば一溜りもないでしょう


遠呂智・景明
へし切長谷部、かの名刀と切り結べるなんざ、嬉しい限りだ。
どっちが刀として優れてるか、比べようぜ。

腰から二刀を抜き放ち、敵が動き出すと同時に駆け出す。
一番警戒が必要なのはあの羽根だろう。
敵が起こした嵐に対し気流を見切り、弱い部分を斬り裂き道を作る。嵐に炎を纏わせるだろうが足は止めん。
炎を纏ったへし切長谷部は、ただ打ちあうのみ。熱いのは刀の頃から慣れっこなんでな。黒鉄と大蛇切で交互に受けつつ隙があればかうんたぁで羽根をぶった斬る。
はっはっは!やっぱり斬り合いは楽しいなぁ!

さて、残りはてめぇの鎧だけだな。
黒鉄でへし切長谷部をかち上げ、大蛇切を振るう。
一瞬でぶっ壊してやるよ。
風林火陰山雷 風の如く!!



●第六天魔王の鉄壁を穿つは……?
 織田信長は撃ち抜かれた脇腹を止血しながら、猟兵達の実力を思う。なるほど、確かに配下の魔軍将達を倒し、オブリビオン・フォーミュラの元に辿り着いただけのことはある。そしてまさしく第六天魔王を滅ぼすに相応しい力を宿していると言えるだろう。
「ククッ、地獄の鬼すら逃げ出す儂相手にのう。お主等も第六天魔王を恐れぬか?」
 そう織田信長が疑問を投げかける。その方向には二人の猟兵が第六天魔王に挑もうとしていた。一人はバーチャルキャラクターであり亡き王女の複製体でもあるアンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)。もう一人は妖刀『大蛇切 景明』のヤドリガミである遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)である。第六天魔王の烈気は二人の緊張の度合いを高める。
「へし切長谷部、かの名刀と切り結べるなんざ、嬉しい限りだ」
 そう切り出したのは景明だ。自身も零落した神である大蛇を斬った逸話を持つ妖刀。織田信長の愛刀にて、数多の戦国武将の手に渡った名刀「圧切長谷部」には多いに興味があった。どちらが優れているか、その根源にして単純なる興味が。
「ほう、そなたもいい業物を持っておる。では試してみるか?」
「ああ、どっちが刀として優れてるか、比べようぜ」
 そう言い景明は自分自身とも言える「大蛇切 景明」、そして黒刀「黒鉄」を抜く。そして織田信長は「圧切長谷部」を抜き、信玄装「風林火山」を解放する。炎が刃に、身体に無双の甲冑が、背中に暴風を呼ぶ樹の翼が降臨する。まさしく暴虐の化身、その威容に景明も身震いする。だがアンノットは極めて冷静であった。
「あの鎧……全身を固めてくる……なら、あの技がいける?」
「へえ、対策があるのかい?なら、そっちは任せたぜ!」
 アンノットの策のある顔を見て、景明は何の躊躇もなく織田信長へと突撃する。自身は刃、なればこそ近づくことでしか戦いの術など持たないのだから。景明が猪突猛進していくのをアンノットは驚愕の表情で見送ってしまう。
「ああっ、ちょっと!もう、こうなったらやるしかない!」
 そう言って決意の表情で、かの王国に伝わる空飛ぶ箒「メタルハート・ベーゼン」に乗り、アンノットは飛翔する。地を駆る獣と空を飛ぶ鳥を見て、織田信長は快活に笑う。
「ハハハハッ!どちらも活き活きとしておるわ!だが地も天も我が領域ぞ!」
 そして織田信長は樹木の翼を羽ばたかせ、魔空安土城すら破壊しかねない大嵐を巻き起こし、二人もろとも葬り去ろうとする。それに対し、地の景明はその嵐の気流を見切り、強い流れを避け、弱い流れの気流をその二刀を持って豪快に引き裂く。その亀裂はすぐに閉じるが、構わずに突っ込む。織田信長はそれを見越して嵐に火炎を巻き込み、火嵐とするが景明は怯まない。例え肉が焦げようとも勢いは緩めない。
 一方のアンノットは器用に箒を操り、うまく気流を読み、暴風に逆らわらずに安全なルートを選択し、織田信長に着実に迫ってくる。炎を追加したりもするが、その気流を避けたり、メタルハート・ベーゼンの推進力で何とか凌いでいく。
「熱いのは刀の頃から慣れっこなんでな」
 そして炎の嵐を一足早く突っ切ってきたのは、景明だ。大蛇切を振りかぶり、織田信長の圧切長谷部と打ち合いになる。炎を纏いし織田信長の圧倒的な剣戟に、景明も大蛇切と黒鉄を交互に使い分け、巧みに捌いていく。そして黒鉄で圧切長谷部をかち上げ、その隙に大蛇切の一閃で織田信長の樹木の翼の一翼を両断する。
「何だと……!」
「はっはっは!やっぱり斬り合いは楽しいなぁ!」
 あとは圧切長谷部と黒曜石の全身甲冑。それに狙いを定め、景明は大蛇切にすべての力を込める。これぞ、景明が誇る絶技―――
「一瞬でぶっ壊してやるよ。風林火陰山雷 風の如く!」
 そして振るわれる超高速かつ大威力の一閃。まさしく一撃必殺の剣撃である。それに対し織田信長も全力で圧切長谷部を振い、両刀は激突する。そして結果は、圧切長谷部は刀身を真っ二つにされ、織田信長の腕に大蛇切が食い込む。両断とまではいかなかったが、鉄壁の黒曜石の甲冑に守られた織田信長の腕を半分まで食い込んでいた。
「圧切長谷部を砕くとは見事よ……だがまだ骨は断てておらんわ!」
 景明が力を込めて織田信長の腕を断ち切る前に、強烈な殴打が景明を襲い、距離を無理矢理取らされた瞬間、片翼の樹木の翼の暴風によって吹き飛ばされる。これで何とか腕は守られた、と思われた。
「ならその骨、私が断ち切るよ!」
 そうして空から現れたのはアンノット。ついに嵐を抜けて空中から織田信長を強襲する。折れた圧切長谷部を振い迎撃するものの、王国の守護竜ノイギーアを三又に変えて、これを受けきる。そしてそのままの勢いで地面へと突き刺し、織田信長の体勢を崩す。その一瞬の隙を逃さず、景明が半分に断った腕の傷に継承のリボンを入り込ませる。ただの布が巻き付いただけでは何の効果もない。だがアンノットの場合は違った。
「どれだけ防御を固めても、その内側から斬られれば一溜りもないでしょう」
 そう言って能力「王国騎士近衛流『布剣』(ナイトアーツ・シュヴァリエリボン)」を発動させる。そのリボンは剣よりも鋭く鋼を裂く一撃となり、回転するように織田信長の肉を、骨を、甲冑の傷を寸断し、ついに織田信長の右腕を斬り落とす。
「ぐぅおおおおおおおおお!」
「布の一閃、如何でしたか!」
 断たれた腕から夥しい出血が飛び散る。織田信長の咆哮が木霊する。だが己が血を、斬りおとされた右腕を燃やすように炎と化し、それを樹木の翼で嵐を巻き起こすことにより、周辺を巻き込む大爆発を起こす。
 これにはアンノットも景明も驚くばかりで、致命傷を負わないように防御する他なかった。吹き荒れる熱波と爆発の衝撃が二人とそのエリアを襲う。焦げる臭いと衝撃だけが二人が感じる感覚であった。そして嵐が過ぎた後……
「……けほけほっ!なんという執念でしょうか」
「これが第六天魔王の力かもな」
 アンノットは爆発でせき込みながら、景明も覆いかぶさってきた木片をどけながら無事を確認する。爆心地となったその地にすでに織田信長の姿はなかった。だが消し炭となったその右腕の残骸と、折れた圧切長谷部はその場に残っていた。つまりは織田信長を追い詰めている証拠でもある。
 だが二人にはもう追撃の余力はなかった。爆発にも巻き込まれて疲労が身体を襲う。だが後は他の猟兵が何とかしてくれるだろうと、その力を信じ、まずはひとまず休憩を取ることにしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ラヴ・フェイタリティ
【アドリブ歓迎】
でっけぇキャッツを侍らせやがって、いいご身分だなァノブスケ!ついにラスボス相手だ、ラブ様のIQ高い作戦でぶっ倒すぜ!

まずは後ろに向けて全速ダッシュ!逃亡じゃねぇよ戦略的撤退だ!まぁどうせ見逃すような奴らじゃねぇだろうから騎馬を十分引き寄せた辺りでラヴポミ(煙幕&閃光爆音仕様)を思い切り起爆!タイミングは勘!そのまま煙に隠れて変身!
そして音叉槍をギターに変形させて安土城ゲリラライヴといこうか!ラヴ様の爆音ラヴソングで、馬も野郎も鼓膜ぶち抜いてクラクラさせてやる!

動かざること山の如しだぁ?いいや違うね!今のラブ様の歌なら!山だってぶっ飛ばして見せるさぁ!!


レイ・アイオライト
織田信長ね……ここまで追い詰められてるのに、全然諦めてないなんて。

【先制対策】
騎馬隊が襲いかかってくるにしても屋敷の中よね。突進してくる方向はある程度決まってるはず。極細の『目立たない』鋼糸を屋敷に張り巡らせてその行動を阻害、誰かが引っかかればそのまま後ろは自滅よ。(『罠使い』)

【反撃】
【黒死幻蝶】を騎馬武者たちに放つわ。幻覚に陥った残りの騎馬武者たちは信長をあたしだと思って突撃する。
その隙に『闇ノ足音』に纏わせた影をブースターにして超高速で接近、『目立たない』ように『暗殺』『だまし討ち』『鎧無視攻撃』よ。

その執念、文字通り打ち砕いてやるわ。


チトセ・シロガネ
騎兵の強みは機動力ダケド、それは平地でのお話ネ。
【念動力・罠使い・地形の利用】で床を穴だらけにして足を奪っていくネ。
その機動力と数の多さ故に一度躓けば、複数を【範囲攻撃】で巻き込む寸法ヨ。

それでも元気な騎馬武者がいるなら当たりそうな攻撃を【第六感】で【見切り】、【衝撃波】や【残像】、【怪力・オーラ防御】の体当りで対応。

騎馬の機動力を奪えたら、UC【六爪抜刀】を発動!
イッツ、ショータイムヨ!
【脚部バーニア】で【空中浮遊】して上から強襲、
信長の懐へ【早業】で一気にダイブ、【空中戦】を挑むヨ。
【属性攻撃・鎧無視攻撃・2回攻撃】で切り込むネ!
ボクの【ダンス】は敦盛よりも激しいからついてきてネ!


中村・裕美
「……魔王と甲斐の虎がタッグとか……IFモードを楽しむゲームじゃあるまいし」
とか言いつつも、頑張るは頑張る

邪竜降臨を使用する隙を作るためにも、空間に【ハッキング】して【罠使い】で床に複数罠生成。白虎+信長の重量は結構あると思うし重量や圧力感知の指定をすれば向こうだけがかかるトラップの作成も可能。トラバサミとか拘束系のトラップをば
「……まさにお誂え向きでしょ?」

UCの代償は毒、呪詛、激痛の【耐性】で耐え、破壊力、機動力、タフネス全開、偽翼で飛んで【空中戦】を仕掛け、ドラゴンランスで【串刺し】
「……越後の龍ほどでなくとも……異世界の竜は……どうかしら?」
白虎VS黒竜
怪我なんて帰れば癒せる



●全ては夢幻のごとく、天魔滅却せし者
 腕を失い、全力を持って戦略的撤退を成功させた織田信長。だが愛刀を喪失し、右腕は切断。さらに身体にも損傷を抱え、これ以上のダメージは逃げることすら困難になるだろう。だが危機こそ第六天魔王は笑う。
「ククッ、ここまでの窮地は金ヶ崎以来かのう。だがまだまだ……」
 しかしこれ以上織田信長を逃がさんと猟兵達は四方から現れる。強化人間のラヴ・フェイタリティ(怪奇!地下世界の落ちものメインヒロイン!・f17338)、暗殺者レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)、バーチャルキャラクターのチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)、二重人格者の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)である。
「今度は逃がさぬ、ということか」
「織田信長ね……ここまで追い詰められてるのに、全然諦めてないなんて」
「でっけぇキャッツを侍らせやがって、いいご身分だなァノブスケ!ついにラスボス相手だ、ラブ様のIQ高い作戦でぶっ倒すぜ!」
 レイがその織田信長の冷静にこちらを観察する様子にある意味感心し、ラブはある意味嫉妬も混じりながらも気炎を上げる。一方のチトセと裕美は信長が逃げないようにと配慮している。だがその様子をあざ笑うかのように織田信長は笑い飛ばす。
「ハッハッハッ!ここに至って逃げるものか。儂は力にて世に地獄を敷く第六天魔王!いざ、その本領を見せようぞ!」
 そして一瞬で武田信玄の幻影が白虎に変化、そしてその周囲には精強なる武田騎馬軍団が出現する。これこそ信玄装の真骨頂、複数人でも対応は可能なのだ。そして四方を囲む猟兵達に襲い掛かる織田信長と武田騎馬軍団。織田信長と白虎は正面に陣取った裕美に、武田騎馬軍団は三方に分かれ、ラブ・レイ・チトセに襲い掛かる。

 屈強なる武田騎馬軍の騎馬武者。それだけでオブビリオン級の実力を誇る。それが軍団として襲い掛かってくる悪夢。だがラヴは狼狽せずに、後ろに向けて全力ダッシュを敢行する。逃げるか、と武田騎馬軍の馬脚は速くなる。
「逃亡じゃねぇよ、戦略的撤退だ!」
 だが簡単に逃がしてくれる相手でもない。それはわかっているラヴはギリギリまで武田騎馬軍をを引き付ける。そして十分と感じた瞬間、ラヴポミという煙幕と閃光爆音仕様の爆弾を炸裂させる。光と音、そして煙幕に包まれラヴの姿を見失う武田騎馬軍。そしてその隙にラヴは「ミンストレルバラッドオブラヴ」を発動させて、真の姿を解放する。

 一方のレイは武田騎馬軍に対し、すでに対策を練っていた。城内ということで突撃の進路は限られている。ならば、罠を仕掛けるのは容易い。突撃した武田騎馬隊の馬脚が何かに引っかかって転倒する。それはレイが設置した極細の『目立たない』鋼糸であった。かなりの速度に突っ込んでくるが故にその目には見えにくい上に、そこに突撃すれば速度も合わさり切断の危険性も増す。これによって武田騎馬隊自慢の突進は一時封じられてしまう。ならばと武田騎馬隊は突撃を止めて槍や刀で糸を斬りだす。
「黒い蝶たちは不死の予兆……そして死の予兆よ」
 鋼糸は解除されてしまえば終わり、だが時を稼ぐことこそレイの思惑。すでにレイの傍には黒き蝶が羽ばたいていた。

 そして最後の武田騎馬軍の軍勢はチトセへと突進をしていた。万人が目撃すれば畏怖で固まってしまう武田の騎馬隊ではあるが、チトセにとっては恐怖の対象ではない。
「騎兵の強みは機動力ダケド、それは平地でのお話ネ」
 そういうと念動力によって強引に地形を変形させ、時には力づくで穴を開けて、突撃ルートを騎馬突撃の生かせないフィールドへと変える。それによって突撃が鈍ったり、穴に落ちたりする騎馬武者も出始める。躊躇する敵をチトセが逃がすはずもなく、容赦なくフォースセイバーで馬の脚や首を刈り取っていく。もちろん、間隙を縫って来た敵の対応も忘れてはいない。敵の攻撃の軌道を呼んだ回避、バーチャルホログラムによる残像、そして強引な力による防御で騎馬突撃をいなす。そして突撃を凌いだら自分の番、と言わんばかりに能力「六爪抜刀(ロクソウモード)」を解除し、全武装が唸りを上げ始める。

 武田騎馬隊が3人に突撃している間に織田信長は白虎信玄に跨り、裕美へと襲い掛かっていた。その威容にさすがの裕美も呆れる。
「……魔王と甲斐の虎がタッグとか……IFモードを楽しむゲームじゃあるまいし」
 愚痴をこぼしつつも、それでも全力で頑張るのが彼女である。反撃の隙を作るためにもここは踏ん張らなければならない。そう決心し、予め仕込んでいた電脳プログラムを起動させ、空間ハッキングを試行。それによって床に電撃や槍衾などのトラップが出現する。さらに重量が多い織田信長と白虎信玄を想定し、圧力や重量感知で作動するトラバサミなどの罠も仕掛けておく。
「その程度の罠、突破できぬとでも思ったか!」
 織田信長の気勢に白虎信玄が反応し、設置された罠を正面から食い破る。罠に掛かってもお構いなし、身体で食らい、腕力で強引に破壊し、食い破る。そして白虎信玄の爪が裕美を引き裂く。だがそれは肉の感触ではない。まるで霞のよう―――
「……まさにお誂え向きでしょ?」
 そう突破されることも想定し、ゴール地点の裕美は電脳ホログラムの幻影であった。それこそトラップの一種とも言えよう。二度は通じない手ではあるが、能力「邪竜降臨(ウロボロスインストール)」を発動させるには十分であった。裕美の身体に邪竜が入り込み、その邪気は毒となり、身体を駆け巡る。だが毒が廻ろうと、呪詛が蝕もうと、激痛がその身を駆け巡ろうと、裕美は身体を止めない。特性ドリンク・ドラゴンエナジーを一気飲みして耐える。
「ほう、竜の力か。面白い!」
「……越後の龍ほどでなくとも……異世界の竜は……どうかしら?」
 邪竜のデメリットを背負い込んで得る物。それは圧倒的な破壊力、俊敏な機動力、ドラゴンの如きタフネス、そして竜の偽翼が裕美の背中から生え、飛翔する。そして飛び掛かってくる白虎信玄と激突、裕美のドラゴンランスがその喉元に突き刺さる。白虎信玄もその両腕を振り回し裕美を振り解こうとするが、打撃に耐え裕美はドラゴンランスで白虎の喉を抉り続ける。その命が尽きるまで離さないと言った様相である。
「まさか、白虎と化した信玄と互角とはのう。しかし、儂もおることを忘れておらんであろうな!」
 そう言って残りの片腕で、織田信長もう一つの愛刀「宗三左文字」を抜く。そしてかつて今川義元を討ち取った刃が白虎信玄と組み合っている裕美へと迫る。
「動かざること山の如しだぁ?いいや違うね!今のラブ様の歌なら!山だってぶっ飛ばして見せるさぁ!」
 織田信長の宗三左文字が裕美の首元を斬りつけようかという瞬間、武田騎馬軍に対しラヴの魔空安土城ゲリラライヴが開始される。音叉槍をギターに変形させて爆音ラヴソングを炸裂させる。ラヴの音を操る能力と音叉槍ギターから発せられる超振動・超音波により、至近距離の武田騎馬軍の鼓膜はおろか脳漿まで破壊され、遠くの織田信長も鼓膜をやられるほどであった。
「ラヴ様のソウル込めた一曲だ、全身で堪能しやがれ!」
「お、おのれ……!」
 耳を抑え脳を揺さぶれたことでめまいを起こす織田信長。その隙を狙うは、超高速で接近を果たしたレイである。レイと対峙していた武田騎馬軍は黒き蝶に惑わされ、夢幻の彼方を彷徨っているかの表情で呆然としている。これはレイの能力「影ノ傷跡・散:黒死幻蝶(イモータル・サイン)」。戦闘能力はないが、幻覚を騎馬武者に見せて惑わせ、さらに集合してブースターと化し、レイをアシストしているのだ。
「その執念、文字通り打ち砕いてやるわ」
 まさしく影から現れたと言わんばかりに織田信長の死角に回り込み、切断された右腕を狙う。その傷口は守られていない箇所。そこを静かに貫通させて胴体へと刺し貫く刃と化す。腕から肩に入った刃はそのまま突き抜けて喉付近まで到達する。まさしく暗殺者らしいレイの手口であった。
「ゴホッ……!小細工、をおおお!」
 だが織田信長は足掻く。宗三左文字を振いレイを斬りつけ距離を取る。まさか致命傷にも関わらず手痛い反撃があるとは思わず、負った傷口を抑えるレイ。
「イッツ、ショータイムヨ!」
 その織田信長を空中から襲い掛かるのが、6本の光刃を従えたチトセである。「六爪抜刀」により「ライデンユニット」が強化され、さらに「脚部バーニア」によるブースターにより、武田騎馬軍を飛び越えて織田信長の頭上へと強襲したのだった。
 そして繰り広げられるチトセの六刀光刃と織田信長の宗三左文字の打ち合い。隻腕・手負いと思えない織田信長の連撃、だが手数の多さ故にチトセは徐々に押していく。
「ボクのダンスは敦盛よりも激しいネ!」
 織田信長の妄執の一撃を、2本の光刃で絡め取り、残りの4本の光刃で必殺の斬撃を繰り出すチトセ。それは、頸動脈を切り裂き、脚を刈り取り、腹と肩を貫く。まさしく致命傷、織田信長は一際大きく吐血する。
「……ここまで、か。だが、地獄の供を、せい!」
 最後の力を振り絞り光刃を弾き飛ばし、チトセの喉に目掛けて宗三左文字の刃が狙う。他の光刃を届かせるにも間に合わない距離。
 危ない、と思った瞬間、轟音が響き渡る。それは織田信長の鎧を突き抜け、壁に突き刺さったドラゴンランスが発した音であった。突き刺さった槍の発射元――裕美は白虎信玄のせめぎ合いに勝利し、首を掻っ切った後、傷と能力の後遺症に苦しみながらも、最後の力を振り絞り織田信長にドラゴンランスを投擲。胴体を貫く一撃は見事、織田信長の心臓を破壊していた。
「なるほど……、儂が、滅びるは必定で、あったか……」
 最後の足掻きすら無駄と言わんばかりの猟兵達の力、それにより宗三左文字も手から落ち、織田信長は最後を悟る。第六天魔王最後の刻であった。だがその表情には後悔はない。そして野望の果てに、織田信長は可能性に対して言葉を発する。
「もし、この戦い、勝利したならば……、お前達が、グリードオーシャンに……」
 そう言い残し、炎が織田信長を包む。それが燃え尽きる頃には灰すら残らず、織田信長はこの世から消えて行った。彼が目指した地「グリードオーシャン」。そこに何があるのかわからない。だが追い詰められても覇道を目指した彼は、まさしくオブリビオン・フォーミュラであったのだろう。
 重要な一戦に勝利し、四人は安堵する。まだ各地で激戦は繰り広げられているのだろう。だが猟兵達の勝利はもうまもなくまで迫っているのを手ごたえとして感じらずにはいられなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月26日


挿絵イラスト