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誰も笑ってはならぬ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「よく来たな。ここが今日からお前らが通うことになったダーワー黒光り魔法学園や」
 どこからともなく、フロア外から通信魔法を介して呼びかける声が聞こえる。
 黒騎士の立派な像が飾られた広いフロアに到達した学生たちは、涙目でこれから自分たちに襲い来る災難を恐れていた。
 面白おかしいダンジョンと油断してかかった学生たちに浴びせられた洗礼は、この区画における特殊ルールだ。
 尻を強打され、ビンタを喰らい、感電トラップを受けてもなおギャグを披露し続けなければならない緊張で、学生たちの心はやがて折れていった。


「絶対に笑ってはいけない地下迷宮24時! です」
 グリモア猟兵の池葉・雉乃(音楽の裏方さん・f05834)が、グリモアベースに集まった猟兵たちへと説明を始める。
「このたびおかしな区画が発見されたのですが、このままでは面白半分に訪れた学生達が犠牲になってしまいます。先に攻略してボスを倒すことで、被害を抑えて頂くのが今回の任務です。その区画には特殊な仕掛けが施されています」

 各部屋を進むにはギャグを披露して、面白いと判定されなければいけない。
 しかし他の参加者は笑ってはならない。
 笑うとトラップが発動する。
 その他理不尽な理由でもトラップは発動する。

 つまり、先へ進むには面白いと判定されるだけのギャグを披露する必要があり、他人のギャグで笑ってしまった場合はトラップを受けなければならないということだ。
 ただし学生達と違って猟兵はタフでなかなか死なないので、思いっきり笑ってしまってもトラップを耐えるだけで問題ないだろう。

「ベースとして使えるフロア内には机やロッカーが多数設置されており、たくさんの引き出しがあります。ギャグが思いつかない場合は一旦引き返し、その辺りを調べてネタや小道具を調達してみるのもいいかもしれません」
 持ち込まなくても現地調達できるという謎の親切設計ではあるが、何かを見つけて思わず笑ってしまった場合もトラップを受けることになる。

「笑ってはいけないフロアを突破すると、次はお約束の地雷原です」
 お約束とは何だ、という質問をスルーして雉乃は続ける。
「ゴールまでは一本道ですが、部屋に入ると時限式の地雷が作動を始めるので、全力で脱出してください」
 あまりに単純だが、そういうお約束があるらしい。

「そしてボスフロアに待ち受けるのは、災魔として蘇った『騎士の怨鎧』です」
 黒ずくめの騎士のようにも見えるが中に誰もおらず、持ち主の過去を真似るように迷宮を守護する鎧そのものだ。
 トラップ発動の際に現れる謎の黒い軍勢はこのボスの配下でもある。いや待て持ち主昔何やってたんだ。
「替え歌で締めくくるのかと思ったら違うようですね。戦闘力も高く侮れないので、くれぐれも油断なさらないでください」
 そう言うと、雉乃は魔法学園服を用意して猟兵たちを仮設の更衣室へ案内するのであった。


みづかぜ
 みなさんこんにちは、みづかぜです。初めましての方は初めまして。オープニングをご覧いただき、ありがとうございます。
 微力ではありますが全力で猟兵の皆様の冒険をお手伝いする所存でございますので、宜しくお願い致します。

 今回は、フラグメントを読んでオープニング一行目を書いた時点で出オチが完成してしまったのですが大丈夫なんでしょうか。
 つまりそういうシナリオです。

 余談ですがみづかぜは紅白を見ながらこのオープニングを書いているので最新の内容を全く知りません。ネタ振りに反応できないかもしれませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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第1章 冒険 『笑ってはいけない地下迷宮』

POW   :    身体を張った芸を披露して面白判定を得る。表情筋を引き締めて笑うのを我慢する。

SPD   :    小技の効いた芸を披露して面白判定を得る。ポーカーフェイスで笑うのを我慢する。

WIZ   :    気の利いたジョークを言って面白判定を得る。精神力で笑うのを我慢する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

花宵・稀星
扉を面白がらせるためにギャグをやって、仲間が笑えばトラップ。
笑わなければギャグをやった人に精神ダメージです?
はっ、これはそういう高度な離間計?

……なわけないですね。
ぜったい何も深いこと考えてないです、この迷宮の主。

というわけで、ギャグを披露するです。
ここは所謂モノボケで……三角コーンを頭に被って、グランド整備用のトンボにまたがって一言。

「魔女」

あ、仲間が言ったギャグにはあえて笑うのを我慢しないです。
誰も笑わなかったら仲間がかわいそう……ではなく、トラップで酷い目にあうことで扉を面白がらせるです。こういうの、ぜったい人の不幸好きですから。
小麦粉まみれだろーが、びしょぬれだろーが、どんとこいです。


戒道・蔵乃祐
成る程。

未だ若輩者。我が故郷サムエンの窮地を救う猛者に能わず力不足を痛感していましたが…
この様な初心者向けダンジョンを発見できたのは僥倖と言えるのでは無いでしょうか。ええ!
鍛えに鍛えたこの肉体が通用するかは甚だ疑問ですが粉骨砕身!!出たとこ勝負と参りましょうかオープンッッ!!
これは…カスタネット!!モノボケですね!(忍び足技能でステップ)
カモンミュージック!!ふんふんふふんふんふんタンタンタンタンタンタンタンタンオ~~~~レイッ!(キメ顔)

どうですか?ボッチでも同道者ありでも僕は一向に構いませんがッ!!
規準が分かりませんが仲間若しくは敵のボケが笑かせに来たら全力で抵抗させていただく!!


ユースティティア・ルザライト
……絶対に笑ってはいけないの?私自身、よく笑っている方ではないけれど……。
まあ、出来る限りのことはするわ。頑張る。

ユーベルコード【生まれながらの光】を使って、後光が差しているように見せて……じゃじゃーん。サムライエンパイアによくある謎の巨像。
私にはわからないのだけれど、たぶん偶像崇拝とか、だと思うの。あんまり、真似しちゃダメよ?私も罰当たりかもって思ってるから。

他のひとの面白いことは、頑張って精神力でなんとかするわ。心頭滅却すれば笑いもまた涼し、よ。たぶんね。



●8:30 a.m.
「成る程。……未だ若輩者。我が故郷サムライエンパイアの窮地を救う猛者に能わず力不足を痛感していましたが……この様な初心者向けダンジョンを発見できたのは僥倖と言えるのでは無いでしょうか。ええ!」
 強面の破戒僧、戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)が謙虚な気持ちを依頼の概要へとぶつける。
 猟兵は皆生命の埒外にある強力な存在であるがゆえに、常人から見ればおしなべて途方もない強さに違いないのだが、理想を高みに持つ蔵乃祐にとっては少々の経験差がどうしても気にかかるらしい。
 確かに猟兵の特性を活かせばイージーな依頼ではあるが、よりによって何もこんな所に来てしまわなくても良かったのではなかろうか。

「扉を面白がらせるためにギャグをやって、仲間が笑えばトラップ。笑わなければギャグをやった人に精神ダメージです? はっ、これはそういう高度な離間計?」
 とても重要な何かに気付いてしまったようだが、そんなわけないですね、と軽く流すのは花宵・稀星(置き去り人形・f07013)。
 小道具や配下を用意する手間暇とコストで侵入者を退治するほうが遥かに効率的であり、彼女の言う通り『何も深いことは考えていない』という説が濃厚だが、真相はトラップを企画した者のみぞ知ることだ。
 一体何者なんだ企画者は――!

「……絶対に笑ってはいけないの? 私自身、よく笑っている方ではないけれど……。まあ、出来る限りのことはするわ。頑張る」
 任務の概要に対して『笑わなければ貢献できるのかもしれない』と素直に受け取り参加してしまったのはユースティティア・ルザライト(ミレナリィドールの聖者・f07011)。
 知識欲が強く色々なことに興味津々のユースティティアではあるが、その美しいミレナリィドールの身でイロモノ枠に参加してしまったのは、ひょっとしたら不運かもしれない。
 事務所NGのラインを探る闘いが水面下ではすでに始まっていた。

●9:00 a.m.
「ここがあのネタのあるルームですね」
 猟兵一行がたどり着いた部屋は魔法学園の小教室を模していて、銅のやかんや白磁のティーポット、紅茶の瓶、クッキーやスコーンといった軽食まで用意されていた。
 稀星が近くにあった適当なロッカーを開けると、そこには人の流れを統制するのに使う三角形の保安器具がまとめて重ねて置かれている。
 その数およそ――50!
「多くない?」
 思わずツッコむ稀星だが、笑っていないのでセーフだ。
「やっぱそう思います? あっ僕は三角コーンの妖精です」
 山ほど積まれた三角コーンの隙間から、桃色の球体にリアルめな顔があってそこから直接手足が生えたような、奇怪な生物がにゅっと現れた。
「……っ」
「んんっ」
 蔵乃祐とユースティティアが表情筋と精神力で不意打ちの笑いを堪える。セーフ。
「どうせ無くなっても色んな人から贈られてくるので、お好きなだけ差し上げますよ」
 心底疲れたという顔をした妖精がとびきり新品のつやつやした三角コーンを手渡すと、再びロッカーの中へと帰ってゆく。
「こんな調子で罠が続くのね」
 大変なところに来てしまったことをユースティティアが実感する。
 肉体的なダメージよりも、精神の摩耗が激しいかもしれない。

「鍛えに鍛えたこの肉体が通用するかは甚だ疑問ですが粉骨砕身! 出たとこ勝負と参りましょうかオープンッッ!!」
 蔵乃祐が勢いよく机の引き出しを開ける。
 広めの引き出しのなかに小ぢんまりと鎮座していたのは、赤と青の二色の打楽器だ。
「これは……カスタネット!! モノボケですね!」
 僧でありながらも俗世の文化を良く知り、ときに染まる彼は、即座に自分の忍び足の技能でステップを踏む。
「カモンミュージック! ふんふんふふんふんふん、タンタンタンタンタンタンタンタン、オ~~~~レイッ!」
 カモンミュージックの掛け声に合わせて仕掛けが反応したのか、ハイテンポのロックが流れ出すと、即興で筋骨隆々の大男がカスタネットで器用に舞い踊る(しかも忍び足)というなかなかお目にかかれない光景が繰り広げられる。
 最後にキメ顔で華麗にターンを決めると、控室の扉が一つ、ひとりでに開いた。
「ん……」
「ふ……ふふっ」
 ユースティティアは何とか耐えたが、稀星が思わず笑みをこぼす。いかつい破戒僧の意外なソウルダンス、これはポイントが高い。
『花宵、アウトー』
 やる気のなさげな声――おそらくは通信魔法でフロア外から呼びかける者の声がどこからともなく響くと、デデーン!という不吉な和音が鳴らされた。
 猟兵たちが入ってきた扉からぞろぞろと黒い鎧に迷彩服を重ね着した軍隊が現れると、手に持つバット状の得物で稀星の臀部を引っ叩く。
 一体が一撃だけ入れると、なぜかそのままぞろぞろと軍隊は引き返していった。
「だ、大丈夫? 今治療するわ」
 ユースティティアが生まれながらの光で治療を試みるついでに、ギャグを重ねる。
「じゃじゃーん。サムライエンパイアによくある謎の巨像」
 聖なる光を光背代わりに、手を何となくそれっぽい形にして大仏像をイメージしてみました。
「……ふぇっ!?」
「ぬふっ」
 治療されると思ったらギャグに襲われた稀星は思わず笑い、その道に詳しい蔵乃祐は実物との乖離を不意打ちで受けて笑う。
『花宵、戒道、アウトー』
 デデーン!
 先程退場した軍隊が再び集結すると、稀星と蔵乃祐の臀部に一撃入れて去っていった。
「痛い……けど、痛いだけですね」
 常人でも耐えられる程度のゆるい罰ゲーム。学生達がなぜ舐めプしてしまうのかも理解できた。
「ならば私もとっておきを」
 稀星が妖精から貰った三角コーンを頭にかぶり、壁に立てかけてあったグラウンド整備用のトンボにまたがって一言。
「魔女」
 ――反応はない。
 だが、三角コーンの中から先程の妖精にアフロヘアーを乗せ、エプロンを着用したような存在がにゅっと現れ扉の向こうを叱る。
「ちょっと! こんな可愛い子が渾身のギャグを放ってるっていうのにね!? 遠くから監視してるだけで何もしてやらないなんてアンタ酷いんじゃないの? 親御さんの顔が見てみたいね!」
 ババァンという効果音を背負い現れた妖精(母)の勢いに負けたのか、とても謙虚にこっそりと、隣の部屋の扉も開いたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メルノ・ネッケル
・心情
めっちゃ面白そ……やなくて、学生さんの危機や!真剣にやったらなあかんな!(キリッ)

・行動
《POW》でいこか!
正直笑いを我慢出来る性質やない、努力はするけどな!
お尻叩かれたら「お嫁に行けへん……」て言っとこ、予定あらへんけど。


そしてネタや。
ここは妖狐らしく行くで!
「エントリーナンバー9番、妖狐のメルノいいます。今年の干支やります」
宣言したら一旦部屋の外へ出て……。デフォルメ効いた狐に変化して再入場。
注目のタイミングを【見切り】……
開口一番「にゃーん」
さらに5秒位待って、鬼の様な形相になり「見せもんやないぞごらぁぁぁぁぁっ!!!!!」
出し切った、スベッても悔いはないで……!服着て元に戻ろか。


伊兵・ミカ
だ、だめだ、笑わない自信がまるでない…
ガムテープで頬の両側を下方向に貼り付けてこうかな(無駄なあがき)

芸?げい????
えっと、あの……

き、気づきました!?俺のメガネ逆さなんだ!!!!
(ばっと素早くメガネをかけ直す)
……わ、わー!地震だー!!(メガネを揺らす)

他の人のは笑わない自信がまるでない
だめだ…ケツバットだ…

(NGなし)


水瀬・和奏
UDCアースでも大晦日になるとやってますね、こういうテレビ番組…
まさかこんな所で巻き込まれるとは思いませんでしたけど…!

…とはいえそんなギャグなんて…え?私でないとできないネタが?
えーと、左腕の内蔵武器を展開して…
(突然現れたカンペに従い、何故か流れ始めるカッコいいBGMに合わせてポーズを決める)
…これそのための武器じゃないんですけど!?
っていうかそれはいいんですか色々と!?
(とりあえずやってから全力でノリツッコミ)

他の人のギャグは表情筋をどうにかして凌ぎます

※アドリブ・絡みOKです


グウェンドリン・グレンジャー
笑わせないと……笑わせないと……
私、喋るのが、下手。
なので、リアクション、が、最良と、判断する。
笑うの、我慢、ポーカーフェイス、と、表情筋の、合わせ技。

(自己暗示……今の、私、は……とっても、怖がりな、おじさん……身長……同じくらいの……)

他の人、の、芸や、その辺の物音、にも、怯える。
とにかく、怯える。

(あと、今年から、ダーワー黒光り魔法学園、じゃなくて……ルワダーお豆魔法学園……に、なってた……)



●11:00 a.m.
「めっちゃ面白そ……やなくて、学生さんの危機や! 真剣にやったらなあかんな!」
 キリッという効果音まで添えそうな勢いでメルノ・ネッケル(火器狐・f09332)が魔法学園服に袖を通して姿見を確認する。
 くるりと一回りして、狐尻尾がスカートを跳ね上げないように調整するのも忘れない。
 やる気も十分。生まれ育った街の影響を受けた温かい雰囲気の訛りは、この任務にうってつけだ。

(……今の、私、は……とっても、怖がりな、おじさん……身長……同じくらいの……)
 喋るのが苦手なグウェンドリン・グレンジャー(NEVERMORE・f00712)は、そう自己暗示をかけながら、笑わない方面での貢献を試みる。
 笑うというリアクションに対してトラップが発動するならば、怯えれば良い。
 だがしかし、やや小柄で細身のグウェンドリンがそういうキャラクター性を獲得してしまうと、それは『やたら怖がるおじさん』という美味しいポジションになってしまい、王道の笑いへとつながってしまうことに本人はまだ気づいていないのであった。

「UDCアースでも大晦日になるとやってますね、こういうテレビ番組。……まさかこんな所で巻き込まれるとは思いませんでしたけど……!」
 多量の銃火器を装備したサイボーグの水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)が故郷でおなじみの年末特番に思いを馳せる。
 ひょっとしたらグリモア猟兵のような存在がどちらか他方の世界から持ち込んだ文化なのかもしれないと浪漫を感じながらも、わが身に降りかかるかもしれない災難にその身を震わせるのだった。

「だ、だめだ、笑わない自信がまるでない……ガムテープで頬の両側を下方向に貼り付けてこうかな」
「「やめてください」」
 伊兵・ミカ(PigeonBlood・f05475)の作戦に総員から嘆願めいたツッコミが入る。
 文字通り透き通る美しいクリスタリアンにべったりガムテープとか本人は良くても絵面が残念過ぎて存在だけで笑ってしまうのでやめてくださいお願いします。
 開始前から天然ギャグで笑わせにかかる伏兵を抑えつつ第二チームが休憩室を後にすると、後を追うように迷彩服の軍隊も廊下を移動するのだった。

●12:00 p.m.
 ぜんまい仕掛けの鳩時計が鐘を打ち、うるさいぐらいに鳩も鳴く。常人であればそろそろ休憩を挟みたいところだが、猟兵たちは先へと進む。
「ここは妖狐らしく行くで!」
 メルノが元気よく宣言し、『笑わせないと雷属性ショック部屋』の扉に挑む。
「エントリーナンバー9番、妖狐のメルノいいます。今年の干支やります」
 仕込みのために一旦部屋の外へ出ている間に仲間たちも期待と緊張を胸に待機を行う。今座っている椅子に雷が走るかどうかがメルノにかかっている。
 種族の能力を活かして可愛らしい狐に変化して、部屋に再び入ってきたメルノが皆の注目を浴びたタイミングを見計らって一言。
「にゃーん」
 これは――『猪【狐「にゃーん」】』というネタを瞬間的に判断させる高度な頭脳戦――!
 字幕でもあればまだ親切だが、それはオンエア(って何でしょうね一体?)の時に付くもの。
 和奏は表情筋を引き締め、ミカは精神力で平静を保つ。グウェンドリンは……ハラハラしている。
 反応の遅れた審判がジャッジを出来ないまま五秒が経過すると、恥ずかしさに耐えかねたのかメルノが居ても立っても居られずに叫ぶ。
「見せもんやないぞごらぁぁぁぁぁっ!!!!!」
「ふえぇぇ怖いよぉ……」
 メルノの剣幕に押されてグウェンドリンのビビリが発動!
 怯えているだけなので勿論電流は流れないし、ジャッジ側もネタを理解しきれなかったのを誤魔化す様に、扉が開いた。
「助かった……?」
 ミカがぺたぺたと椅子を触り状況を確認すると、和奏、グウェンドリンを含む椅子組はほっと胸を撫でおろす。しかし、それは若干の笑みを含んだ安堵であった。
――デデーン!
 声はなく、不吉な和音と同時に椅子越しに電撃が放たれる。ゼロタイムラグビリビリメイキングシステムだった。
「あ痛っ」
「ひっ」
「はううう電撃痛いよぉ怖いよぉ……」
 グウェンドリンも自己暗示によるビビリキャラがすっかり定着してしまっている。だが不意打ちの衝撃を喰らっていてさらに笑う余力のある猟兵はいなかった。
 余談だが、その間にメルノはちゃっかり着替えて元に戻っていた。

●1:00 p.m.
『指示に従ってサイボーグ兵装起動』
 謎の良く分からないカンペが置かれた部屋だ。
「え? 私でないとできないネタが?」
 怪訝な顔をしながらも唯一のサイボーグである和奏が兵器化した左腕の内蔵武器を展開すると、急にどこからかノスタルジックで勇ましい劇伴系のイントロが流れ出す。
――タタータターン、タッターン!
 今にもブリキのマシンが発進しそうな音楽に合わせ、和奏が拳を打ち込むように左腕の武器を前へ突き出すと、なぜかそれに合わせるように備え付けの蒸気機械が作動して和奏の装備を追加改造してゆく。
 鉄球が放たれそのままボウリングのごとく回収され、回転ノコギリが左右からオプションのように扉を威嚇する。
「……これそのための武器じゃないんですけど!?」
 あとなんかよく分からないお手玉のような小袋がちらほら射出されている。果物的な甘い匂いもするような……。
「それはいいんですか色々と!?」
 とりあえずポーズを決めてみたもののパニック気味にツッコミが止まらない和奏。
「何やろな……?」
 メルノも思わず興味を惹かれる。
「かっこいい」
 ミカも男子、何だか無性にときめく。
「鉄球とカッター怖いよぉ……」
 グウェンドリン、やっぱり出来上がってる。
『全員、アウトー』
 デデーン!
 ストップした劇伴曲を遮るように不吉な和音が鳴り追加装備が瞬時に撤収すると、黒い軍隊がやってくる。
 全員の臀部にバットで一撃入れて、軍隊は去っていった。
 和奏は故郷の懐かしい番組を思い出しながら一言。
「……っていうか、局が違いますよね」
 しまった、そうだった。
 扉は開いた。

●2:00 p.m.
 フラスコ派と蜜ぷに派のスライム抗争部屋に通された一行は、じれったい展開に笑えずにいた。
 ガンくれあいから距離を詰めて『ちゅっ』とくっ付かれても絵的にスライムだし、熱湯に入ると両者溶けてしまうあたりが更にぐだぐだに拍車をかける。
 そんな折、ミカが自分に仕掛けをしていたことを不意に思い出す。
「えっと、あの……き、気づきました!? 俺のメガネ逆さなんだ!!!!」
「う、嘘やろ? かれこれ何時間アンダーリムだったんや」
「私もそういう眼鏡なんだと思ってました」
「よく見たら角度が怖い……」
 切り出す機会を伺っている間に死蔵していたネタの暴発により、扉が開かれる。
 しかし部屋の防衛を一応は任されていたスライムたちは大掛かりな蒸気機械を持ち出し、猟兵の道行きを遮る。
「行かせないぷに! これでもくらえ~」
「……わ、わー! 地震だー!!」
「怖いよぉ~揺れるのやだよぉ~」
 地響きを立てて、大型のクレーンで鉄球を振り回そうとするスライムたち。
 揺られながらメガネを落とすミカと、地震の恐ろしさに震えるグウェンドリンでキャラ被りが起こった。
「とにかく扉の先へ行きましょう!」
 和奏の先導で小部屋に逃げ込むと、半ば混乱状態のスライムが操作した大型蒸気機械が、振り回した鉄球の重みを制御しきれずに倒れてゆく。
 逃げ込んだ小部屋はまったくの無傷だが、先ほどの部屋はそう広くなかったはずだ。
「もしかして、部屋に穴開いたんと違う?」
「ありえますね」
 メルノが咄嗟に覗き込むと、やはり蒸気機械が倒れた先に土だけのシンプルな空間が広がっている。
「軍隊がいなくなって天の声も届かなくなりましたし、ひょっとしてイレギュラーな事態?」
 メガネをかけなおしたミカが冷静に分析する。
 どこまでが仕込みなのかは結局分からずじまいだが、目的地にたどり着けるのなら僥倖だ。
 そしてグウェンドリンがこっそりと一言。
「あと、今年から、ダーワー黒光り魔法学園、じゃなくて……ルワダーお豆魔法学園……に、なってた……」
 情報提供ありがとう、それはきっと次の機会に誰かがやってくれる!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『地雷原』

POW   :    爆発物を処理しながら進む

SPD   :    爆発する前に移動し終える

WIZ   :    飛んで回避する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

花宵・稀星
くっ、まさか私が探しにいったアイテムの在り処にあんな伏兵が潜んでいるとは……。

そして今度は地雷原です?
地雷原といえば、走った後から後から、踏んだ地点が爆発を起こしていくのがお約束なのです。
スピード勝負は私の最も苦手とする分野ですが、苦戦してでもやるです。
やるしかないときはあるのです。

こんなことのために真の姿を解放するのもどうかと思うですが、やらなきゃ吹っ飛ぶ恐れも高いので、真の姿の力を借りるです。
もとのミレナリィドールの球体関節人形の姿から、人間の少女の思念体のような真の姿に近付くです。

※アドリブ、コメディ描写歓迎です


メルノ・ネッケル
※ギャグ展開歓迎

・心情
地雷原 お約束なら 仕方ない。つい五七五になるくらいには自明の理やな。
……踏んでもダメ、もたついてもダメ。出鱈目に見えるけど、案外迷宮らしいトラップかもしれへんな!

・行動
という訳で《SPD》で行くで!走ってとっとと脱出や!爆発を背にしながら走らんでええよう願うで!

念の為、一本道の上に地雷が無いかどうか【見切り】、確認したら爆発を怖がらんと【勇気】を持って迷い無くダッシュ!
「焼き狐にはなりとうないわー!」

まずないと思うけど……万が一、一本道の上に敵の邪魔が入ったら、同名技能も乗っけた『クイックドロウ』を撃ち込むで!足止めされると命の危険が危ないでな!


戒道・蔵乃祐
問題は、無い!何も問題は無い!…この距離ならば!!!!
妖剣解放!!我に力を!
オン!!!!――カカカビ・サンマエイ・ソワカ!!信管が作動する寸前に走り抜けてしまえば、地雷を爆発させる事無く前へ進むことができる!

勇気1で気合いを込めてその場で柔軟体操からのウォーミングアップ。健脚にストレッチパワーが貯まってくるんですね

身体が暖まってきた頃を見計らって、地雷原からすこし離れた場所から五分の力で助走を付けて突進します。ランナーズハイになってくる
忍び足1で足が接地する時の衝撃も殺しておきましょう

最高速度に達した際には残像1で何だか増えて見えますよ

でも拙者思うに質量を持った残像って当たり判定が有るのかも?



「くっ、まさか私が探しにいったアイテムの在り処にあんな伏兵が潜んでいるとは……」
 稀星が開けたロッカーには妖精が棲んでいた。歴史ある魔法学園、そういうこともあるらしい。存在だけで笑ってしまうタイプの猟兵なら危なかった。
「地雷原 お約束なら 仕方ない。つい五七五になるくらいには自明の理やな。……踏んでもダメ、もたついてもダメ。出鱈目に見えるけど、案外迷宮らしいトラップかもしれへんな!」
 メルノの目前に広がる土のフロアはグリモア猟兵の予知情報なしでもお約束っぷりを発揮していた。火花を噴くための装置がぽつんぽつんと置かれていて、何となく行けば良いコースがわかる。地雷の意味は……とか誰も言わないのは、このダンジョンの謎の気遣いがそれほどに愛されているということに違いない。
「問題は、無い! 何も問題は無い! ……この距離ならば!! 妖剣解放!! 我に力を!」
 蔵乃祐が呪われし刀に秘められた怨念を解放する。
「オン!!! ――カカカビ・サンマエイ・ソワカ!!」
 妖刀の怨念は術者に高速移動の力を齎すが、その反動で寿命が削れる。
 ファッ!? 命削っちゃうの!? この企画で??
 紡がれる真言はその身を呪念から護るためのものだ。
 如来様も菩薩様もおそらくは『そこまでせんでええんやで』と護ってくださるに違いない。今はそれを信じよう。
 気合いを込めてその場で柔軟体操からのウォーミングアップ。健脚にストレッチパワーを貯め、蔵乃祐は身体を暖める。
「スピード勝負は私の最も苦手とする分野ですが、苦戦してでもやるです。やるしかないときはあるのです」
 稀星も真の姿を解放する。こんなことのために真の姿を解放するのもどうかと思いつつも、目的の為には手段を選ばない。こうして何事にも真摯に取り組むのは彼女の良い所だろう。
 球体関節人形であった稀星の体が、人間のものに近づいている。人間離れした壮麗さはそのままに、うつくしい少女が降臨した。

「行くで! 走ってとっとと脱出や! 爆発を背にしながら走らんでええよう願うで!」
 最もスピードに長けたメルノを先頭に猟兵たちは駆け出す。
 一本道の上にもそれらしい痕跡は見えたが、それ以上に脇道に埋められている火薬のほうが沢山見受けられる。
 ならば勇気を出して中央突破で行くのが最も被害が少ないコースだ。
「焼き狐にはなりとうないわー!」
 こんがりキツネ色になったら食べ頃です。そんな料理番組の定番の台詞を聞くたびに焼かれる恐怖と戦ってきたかかもしれない程に、メルノの敏捷さは地雷が爆発する前に移動し終えるのに十分だった。
「熱っ、あつつつ!」
 地雷とは別に設置された吹き上げ花火の噴射で少しだけ焦げながらも、石畳の上に転がり込んで火を消すメルノだった。
 メルノは妨害を受けた時のためにブラスターも用意していたが、妨害に入ろうとした敵軍は揃いも揃って爆破に巻き込まれていた。つくづく実益よりも笑いを取りに来るダンジョンである。
「ぬおおおおお!」
 助走をつけて突進し、残像を伴って高速移動する蔵乃祐も無事に石畳に到達する。質量を持った残像が爆破に巻き込まれたようだが、本体と体力を共有していないので蔵乃祐自体にダメージはない。
「到着、です!」
 意外にも一番ギリギリだったのは稀星だ。背中越しに爆薬の熱さを感じる程に、真の姿を解放しなければ危なかった。
 もっとも、駆け足という分野においてギリギリになってしまっただけで、最初から得意分野の精霊の力を借りるなどして飛んで回避すれば余裕はあったと思われる。
 しかし今は、敢えて苦手分野で挑んだ勇気を称えるべきだろう。
 こういうのは面白い方が良いのだ――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グウェンドリン・グレンジャー
お約束……地雷原……まさか、そろそろ年明けが……近い……?
驚いては、いけない、タイム?

モード・モリガンと空中戦技能、で、飛んで回避……

WIZの低い、私が、飛んで回避できるかは……怪しい……
でも、落ちた方が、絵的に、美味しい……

アドリブ歓迎。落ちた先に、熱湯が、ありませんように……



「お約束……、地雷原……。まさか、そろそろ年明けが……近い……? 驚いては、いけない、タイム?」
 自己暗示からゆっくりと目覚めたグウェンドリンがある法則に気付く。
 驚いてはいけないタイムは実はオミットしてしまっていたのだが、それに相当する時間が今だ。
 そして年明けといえば、過ごし方の一つは『何物にも囚われなかったタイム』でもある。
 グウェンドリンは刻印に封じられた武装を展開し、モード・モリガンで飛翔を試みる。黒の凶鳥となって空を行く作戦だ。
 高く跳び上がって、爆風すら足場にするように駆ける。
 熱をものともせず、爆ぜる土も濡羽色の翼で軽く叩き、天井すれすれを縫うように飛ぶ。
 あと凡そ二十歩あれば届くだろう。向こう岸は見えている。――最後にあと数歩、何とかなれば。

『セッション タノシカッタ アリガト アリガト』
 眼下に広がる炎の海を、地雷の在る位置を知っているかのごとく器用に走り抜ける簡素な車があった。
 ピカピカと無人の操縦席を光らせて走る、見た目から音声まですべてが安物の玩具みたいなそれは、回転のこぎりを両腕のように使って『手を振って』いた。
「確か、さっき少しだけ出てきてた……」
 カッコいい音楽とともに登場したときは怖いパーツだけだったが、組み合わせてみればなるほど、一台の車型マシンになるのかもしれない。
 だが、グウェンドリンに対応の余裕はない。空中ジャンプであと数歩足りない距離を何とかしなければ。
「あのっ」
 振り返って、グウェンドリンも手を振る。飛翔のバランスを崩さないよう、それだけで精いっぱいだ。
 落下の危機に怯むグウェンドリンの様子を見たマシンが走行を止めると、手は振ったまま前部から鉄球が放たれる。
『バイバーイ』
「えっ? ――あっ」
 明るい声を受けて反射的に捕球しようとして、パスコースが少々下気味なことに気付く。
 いける。
 瞬時に判断したグウェンドリンが鉄球を思いっきり蹴ると、空中ジャンプのカウントが再開できた。
「ありがとうー!」
 後ろを見やれる余裕をもって翼を広げ直すと、そこには爆発に巻き込まれて四散する玩具みたいなマシンの姿があった。
『イェーガー マイ フレンド』
 確かに、最後に、そう言っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『騎士の怨鎧』

POW   :    戦鎧の妙技
【縦横無尽の剣閃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    闘鎧の秘技
【自身に刻まれた戦闘経験から的確に】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    魔鎧の禁忌
【魔核の稼働制限を解除。超過駆動状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

戒道・蔵乃祐
その声は…謎の声の主!貴方がこのダンジョンのボスですか!
しかし見た目といい得物といい笑ってはいけないというかこれガチなやつでは?笑えないのでは!?
ええいままよ!

忍び足。目立たない。フェイント。残像を交えた眩惑歩法で音も無く間合いに飛び込みます。ミスディレクション!
喰らいなさい我が全力の拳。灰燼拳・穿!
鎧無視攻撃+マヒ攻撃を胴に叩き込みましょう。

硬直が入ったら即座に2回攻撃で顔面をグラップル。そのままなぎ払いで遠心力を込めて振り回します
双腕圧倒大旋斧。ダブルウリアットハリケーーーーン!!!!!!
ゴール下がフリー!すかさず格好いいジャンプのSEを放ちながらスラムダンク!!

皆の衆!今こそ速攻ですぞ!


メルノ・ネッケル
※ギャグ歓迎

・心情
もうすぐダーワー黒光り魔法学園ともお別れ。
盛大にスベったり、お尻叩かれたり、地雷原を駆け抜けて花火にやられたり。これまでの事が走馬灯のように……ってあかんこれうち死ぬやつや!
面白おかしい危険ダンジョンで命散らす訳には行かへん、真面目に勝負して円満卒業するで!

・行動
ここは『クイックドロウ』の出番!
コード使われる前に先制で重いのを一発入れる!
【クイックドロウ】、R&Bの早撃ち行くでっ!

その後は回避先を【見切り】、【2回攻撃】で手数を増やし銃撃!
コードを使われたら避けられやすなるけど、牽制でも十分や。
うちは一人やない……激しい学園生活を駆け抜けてきた、猟兵仲間達がおるんやからな!


花宵・稀星
このような迷宮を守護するオブリビオンに、もはや失うような理性が残っているかどうか甚だ疑問ですが、<魔鎧の禁忌>のパワーアップはやっかいですね。

速く動く物を無差別攻撃するようですから、か弱い私は攻撃対象にならないよう、大きな動きはせずに、静かな動きから放たれる魔法攻撃に徹するです。

装備した宝石<ダイヤモンド>を高く掲げ、杖の先をビシッと敵に突きつけ、<月光>を発動するです。

光線が命中しても、特に爆発する効果とかないですので、念のため。
爆発オチなんてありきたりすぎるですからね。
まあ、敵自体に自爆装置でも仕込まれてれば別ですが。

※アドリブ台詞など歓迎です。



「何や。ここは勝手口で正規のコースとちゃうで」
 石畳の床から繋がる重たい金色の扉を開き、重厚なベルベットのカーテンをくぐると、優美な内装の部屋で黒い鎧が寛いでいた。
 思わず『鎧脱いだ方が良いのでは?』とツッコんでしまいそうだが、否、これは鎧が本体である存在だ。
「その声は……謎の声の主! 貴方がこのダンジョンのボスですか!」
 蔵乃祐はこれまでの迷宮において聞きなれた声を聞き、そう判断する。
 しかし見た目といい得物といい事前の情報通りガチ系の強敵であり、とてもではないが笑っている場合ではない。
「ええい、ままよ!」
 返事は待たない。相手が未だ臨戦態勢でないのなら、速攻こそ王道。
 巨躯から繰り出される意外なまでに繊細な残像を交えた眩惑歩法で黒鎧の視線を入口に釘づけたまま灰燼拳の間合いに入り、そのがら空きの胴部分へ拳の打撃を繰り出す。
「喰らいなさい我が全力の拳。灰燼拳・穿!」
 反撃もなく、なすがままに黒い鎧は宙へと浮き上がる。
 その硬直の間に蔵乃祐が掴んだ黒兜を浮かばせて、胴体へ更に追撃のラリアットをぶちかます――!
「若造めが」
 しかし双腕から繰り出されるはずの大旋斧は、黒い篭手によってがっちりとホールドされた。そのまま双方床へ倒れ込むように転がり、蔵乃祐の肘関節を極めるべく黒鎧は鋼鉄の自重をかけて脇固めに入る。
「抜けなあかん!」
 すかさずメルノからの援護射撃。R&Bの早撃ちによって放たれた熱線が黒鎧の表面を焼く。
 熱線のダメージは伺い知れないが、まるで紳士的にルールに従うように黒鎧は極技を中断し、蔵乃祐を解放すると猟兵たちへと向き直った。
「まともに戦える奴か。ならば良い」
 言うや否や、上質な蓄音機でもあるのか、重厚な部屋に似つかわしいアカペラが響く。鎮魂歌のような短調はすぐに、曲調はそのままにけたましいシンフォニックメタルに上書きされる。パイプオルガンが奏でるべき和音をアルペジオするように激しく打ち鳴らす。
「このような迷宮を守護するオブリビオンに、もはや失うような理性が残っているかどうか甚だ疑問ですが……意外と理性的でした。どうなってるのです」
 稀星は攻撃対象にならないよう、静かな動きで間合いを取って戦況を伺う。魔法の発動の為に宙へと浮かべた宝石は、強い煌めきをもつダイヤモンドだ。
「さあな」
 鎧の主ではなく道具そのものである騎士の怨鎧は、理性的な行動を真似ているに過ぎないのだが、『それらしく振舞う』という点においては人間並みの能力があるのだろう。
 そして黒鎧による縦横無尽の剣閃が豪奢な内装を傷つけてゆく。メルノも間を縫うようにして銃撃で応戦してゆく。
 もうすぐダーワー黒光り魔法学園ともお別れ。
 盛大にスベったり、お尻叩かれたり、地雷原を駆け抜けて花火にやられたり。これまでの事が走馬灯のように……
「ってあかんこれうち死ぬやつや!」
 うっかりあかんやつのフラグを立てるところだった。
「面白おかしい危険ダンジョンで命散らす訳には行かへん、真面目に勝負して円満卒業するで!」
 メルノは剣の軌道を次第に見切り、白く煌めく刃を掻い潜って赤い光線で黒鎧を焦がしてゆく。じわじわとだが、赤熱させ損傷させているのは確かだ。
「狂わしき月の光よ、影を打ち消せっ!」
 稀星が穏やかに杖の先を指し示すと、ダイヤモンドから放たれる月光が剣閃よりも明るい白で黒鎧を照らした。鎧の表面に変化はないが、中身に何かあったかのように所作に歪みができる。
「皆の衆! 今こそ速攻ですぞ!」
 自力で腕の調子を取り戻した蔵乃祐がすかさず黒鎧の足元を掬うと、剣閃が止んだ。
 先程のお返しとばかりに片足を固めに入るが、黒鎧は関節など無いように受け身を取ってするりと抜ける。だが、その動作で出来た隙にふたたび熱線と月光が降り注ぐ。
「GODAAAAAAAAMN!!」
 魔の鎧は魔核の稼働制限を解除し超過駆動状態に入る。猟兵のなかで最も速く動くメルノ目掛けてわき目も振らず放たれた居合は、金剛石から放たれた稀星の白光によってはたき落とされた。
「キャラが何人も重なっているのです。やはり本物ではないということなのですね」
「うちは一人やない……激しい学園生活を駆け抜けてきた、猟兵仲間達がおるんやからな!」
 攻撃対象となった恐怖を乗り越え、連携して鎧の体力を削ってゆく。
 未だ健在の騎士の怨鎧だが、このまま戦い続ければ、勝てない相手ではない――!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

戒道・蔵乃祐
認めたくない物ですね
若さ故の過ち!!
ンンンンンどうやら侮っていた気持ちは否定し難く!
笑ってはいけない部屋も地雷原も探索者を油断させるための罠だったのでしょうか?
でも常人なら即死も有り得ましたし最初から殺意MAXでしたね!!気合いを入れ直して参りましょう!

理解した事実も勿論あります
単純な力比べは圧倒的に不利
機械のように精密な反応動作
正確且つ強力な太刀筋
其所に付け入る隙は有る

クラウチングスタートからの急速接近、鎧の妙技の有効範囲に飛び込む寸前に殺気だけを飛ばすフェイント。急ブレーキを掛けて剣閃の初撃をやりすごします

斬撃を切り返す瞬間に腕をグラップルして達人の智慧発動
柔よく剛を制す。
降三世支釣込足!



「ンンンンン、どうやら侮っていた気持ちは否定し難く!」
 蔵乃祐とて敵を甘く見積もっていたわけではなかったが、いかんせんこれまでの迷宮の内容がふざけすぎていた。
 探索者を油断させるための遠回りな罠と考える蔵乃祐の推測も、もしかしたら近いのかもしれない。この迷宮においてその真偽を確かめる術はないが、常人なら即死級の罠も紛れていたことを考えると概ね正しいと言ってよいだろう。
「気合いを入れ直して参りましょう!」
 先程までの戦闘経験を活かし、蔵乃祐は対策をしていた。
 単純な力のぶつかり合いでは此方に不利があり、尚且つ相手はカウンター能力に秀でている。
 ならば、と――低い姿勢から急速接近しつつそれに反応する戦鎧の妙技の動作へ向け、殺気のみを飛ばす。
「URAAA!!」
 蔵乃祐の読み通り、殺気にすら正確に向けられる剣閃を急制止でやり過ごす。際で躱しきった斬撃が剃刀のように肌を撫でるのも構わず二撃目に入る前の腕を取り、全方位へ向ける剣技の隙をつく。
「付け入る隙は此処に!」
 敵が受け技に特化していることによる弱点を蔵乃祐が指摘し、実証してみせたことで燃え盛る炎とともに守護明神である降三世明王が現れた。
「何ッ」
 達人の智慧はその炎でもって怨鎧の剣を封じ、縦横無尽の剣閃を振れぬように加護を与える。
「柔よく剛を制す――!」
 古式ゆかしきサムライエンパイアの武道の要領で大きく踏み込み、取った腕をそのまま引くようにして重心を崩すとともに鎧の具足の先を掬う。
 鎧は転がらずに持ちこたえ、蔵乃祐と怨鎧の掴み合いとなったが、一対多のうち多である猟兵は今が好機。
 しかし剣閃を封じていられるのは百八十秒程度だ。
 この隙に、果たして如何程の攻撃を叩き込めるかが、分かれ目となる。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコリネ・ユーリカ
許された180秒。
そのうち数十秒をお預かりする責任、
聢と果たします!

と言っても私のシャッター棒で何とか出来そうな相手でもないし、
ここは【特種用途車輌出動】でマグネットクレーンを召喚!
アタッチメント部の強力磁石を殴りつけると同時、
くっ付けたまま吊り上げて、壁に叩き付けましょう。
スロットル全開! ガガガガガーッて優美な内装ごと壊しちゃえ!
黒鎧には鉄、少なくとも磁性のある金属が含まれてると思うから、
グラップル技能のない私でも大丈夫!
貴方と相性が悪くても、磁石が離さないでくれるわ。

戦闘経験から攻撃を予測できるみたいだけど、
貴方が今まで戦った相手に重機はなかったでしょう?
ね、ブームって結構早く動くのよ?


戒道・蔵乃祐
(この戦局は…僕が邪魔ですねっ!)

試合では本来悪質な反則ですが…、
此度は実戦故。御無礼仕る!!

掴み合っていても埒が明きません
敵の腕をグラップルで掴んだままの状態から行動
払い足とは逆の足を逆上がりの要領で踏み切り、胴体へ抱き付く様に膝蹴りを叩き込みます。

鎧の体勢が崩れたら2回攻撃、バックステップで後方にジャンプしつつ空気の壁を蹴って三角飛び。
怨鎧の兜を視覚外から、鎧無視攻撃の後ろ回し蹴りで蹴り飛ばします。
ヴァンダム!!!!!!

この技は未だ戦闘中に見せてはいませんが…、秘技の対抗判定で回避されるならそれはそれで構いません。一先ずは距離を取って間合いから離脱する事を優先しましょう。

さて、、如何かな?


月夜・玲
援軍さんじょー!……あれ、面白い所もう終わった?
割と真面目な所?
ま、いーや。さあやりあおうじゃないか
こーいうバトル、楽しみにしてるんだからさ

●戦闘
『Key of Chaos』『Blue Bird』を抜刀、2刀流で近接攻撃を仕掛ける
即【I.S.T.起動】を発動して素早い一撃をおみまい!
抜刀した剣以外の装備をパージ、更に加速して連続攻撃
2回攻撃で手数を確保し生命力吸収で小さなダメージは回復
敵の予測を上回る手数の暴力で、敵を攻撃しよう

いくら戦闘経験が豊富でも、これだけの手数予測して回避出来るかな?

相手の攻撃は第六感と戦闘知識を活用して回避
痛い一撃は嫌だからね、当たらないようにしないと

●アドリブ等歓迎



「援軍さんじょー!」
 膠着するかにみえた戦場に、多種多様な剣をアームドフォートのごとくその身体に装備した猟兵、月夜・玲(頂の探究者・f01605)が現れた。
「……あれ、面白い所もう終わった? 割と真面目な所? ま、いーや。さあ、やりあおうじゃないか!」
 状況をすぐに察すると二振りを選び両の手に持ち、豪快にそれ以外の武装をパージする。そうすることで身軽になり、加速できるからだ。
「試合では本来悪質な反則ですが……、此度は実戦故。御無礼仕る!!」
 援軍の玲に呼応するように怨鎧の腕を掴んでいる蔵乃祐が至近距離からの膝蹴りをかけ、そのまま蹴りの勢いで宙を一回転した。
「Imitation sacred treasure……今こそその力を此処に!」
 体勢を崩した怨鎧に玲が素早く斬りかかる。
「説破!!」
 空中の壁を蹴って三角飛びで即復帰した蔵乃祐が怨鎧の後頭部目掛けて回し蹴りで兜ごと蹴り飛ばす。
「こっちも終わらないよ」
 剣を封じられた騎士の鎧を、二刀の剣豪が削ぎ切り、擦り減らしてゆく。
「グ……ア……」
 戦闘経験から攻撃を予測し回避出来る能力を持つ怨鎧だが、剣を封じられたうえで格闘と剣技の同時戦闘というレアケースにはあまり遭遇していないのだろう。
 蔵乃祐の蹴り、玲の剣戟のいずれかに対応すれば、もう片方の多段攻撃が浴びせられる。
 指揮を執る隊長の鎧が武器を奪われ囲んで殴られるという経験は、おそらく敗戦の時、それも降伏の許されぬ一度きりでしかないだろう。
「フゥッ」
 連撃の合間を縫うように、剣を握る玲の手に怨鎧の篭手が伸ばされる。
「させない!」
 怨鎧の主はかつて無刀取りの妙技まで習得していたというのか。的確に剣筋の出処を狙う動きを直感で理解した玲は、柄を当てて回避し、距離を取った。
「いけませんね。そろそろ時間が来ます」
「時間? ああ、あの剣か」
 蔵乃祐が呼び寄せた降三世明王の炎が、床へ縫い付けるようにして黒い柄の大剣を封じ続けている。
 髑髏のような装飾部分の瞳から漏れ出る赤い光は兜や腰飾りのものと同じで、封印が解ければすぐに主である怨鎧の元へと戻ってしまうだろう。

「許された180秒。そのうち数十秒をお預かりする責任、聢と果たします!」
 突如現れた、エプロン姿の柔和にほほ笑む女性はニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)だ。移動販売車のシャッターを引き下げるための金属製の棒を持っていて、ポケットにはメモ帳とボールペンが入っていて、エプロンをよく見れば店名の刺繍が……どう見ても花屋さんだ。しかしこんな戦場に単独で来られるということはうっかり迷い込んだ魔法学園の出入り業者ではなく、紛れもなく猟兵である。
「今日も一日、ご安全に!」
 完全に始業時のご挨拶じゃんこれ。
 そんな空気の中召喚されたのは――マグネットクレーン!
 鉄製のスクラップとかかき集めるのに超便利な装置だ。アルミには効果がないので分別も簡単。ただし塵の多い環境ではすぐ鉄粉まみれになってしまうのでグラップル(油圧ショベルのアタッチメントにそういう挟めるやつがあって格闘の意味じゃない)の方が有利だぞ。
 そう、これはニコリネのれっきとしたユーベルコード、『特種用途車輌出動!(ノリモノアツマレ)』なのである。使い方を理解できれば強い!
「えーいっ」
 ニコリネの号令とともに1トンはありそうな強力磁石が怨鎧へと迫る。
「なになに、磁石?」
 咄嗟に玲がパージしたデバイスや剣を磁石へと引き付けられないように回収を考えたが――どうやらユーベルコードによる効果で味方には不利な効果を及ぼさないようだ。
「ワッツ……?」
 全身と篭手でブーム部分の打撃力を押し殺し受け止めた怨鎧であったが、そのまま強力な磁力で剥がせなくなったことに混乱している。
「スロットル全開!」
 重機が、いい感じのゴシック部屋の壁に黒い鎧を叩きつけてそのまま解体作業のごとく何度も打ち付け、破壊してゆく。
 振動で割れ落ちたシャンデリアと窓硝子の粉が雪風のように煌めいて、猟兵たちの周囲を吹き抜けた。
「戦闘経験から攻撃を予測できるみたいだけど、貴方が今まで戦った相手に重機はなかったでしょう? ね、ブームって結構早く動くのよ?」
 軽く調べた感じだと戦車道にハマってたことはあれど重機と直接対決した経験はなさそうだ。
 無茶苦茶な作戦ではあったが、敵が武器を一時的に失いさらに弱っていたこのタイミングでは絶大な効果を持っていた。
「鎧が、バラバラに……」
 カーテンも壁も崩れてすっかり明るくなった部屋で見えた光景。
 蔵乃祐が組み技を仕掛けたときにすら全く見える気配のなかった関節部分の漆黒が無くなり、超強力磁石にくっついていたのはパーツごとに分かたれ、もはや動かなくなった黒い鎧の一式と、折れ曲がった剣だった。


 謎に包まれた鎧は、謎のまま消えた。
 訳の分からないフロアから手下モンスターも姿を消し、面白げなアイテムが出現することも無くなり、ただの立入禁止空間となったのだが、ここはアルダワ魔法学園。
 いつの日にか、第二第三の笑ってはいけない地下迷宮が現れる日も近い――のかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月20日


挿絵イラスト