エンパイアウォー㉞~虎の威を借るは魔王
●狐じゃなくって魔王が威を借りた場合
「おーし、遂に最終局面だ。信長のいる魔空安土城に突撃すんぞ」
霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)は拳をぱしっと鳴らしながら猟兵達と向き合う。
「お前らの八面六臂の活躍で幕府軍は完全生存……どころか最初の時より増えてやがる。つまりだ、俺らは気兼ねなく信長との戦いに集中出来るって訳だ」
「それで、まず1つ先に断っておくぜ。信長のスタイルは秘術「魔軍転生」によって、配下の魔軍将を背後霊のように「憑装」させる事だ。つまり、憑いてる配下によってバトルスタイルが変わってるんだ。よーく見極めて、得意な信長――っつーと変だけどさ、ま。そういうこった。攻めて行ってくれよ」
クロトが言うには、信長が憑装している配下は『弥助アレキサンダー』、『豊臣秀吉』そして――
「俺が見つけたのは、復活すら許されなかった甲斐の虎。……俺もちっと関わった案件だな。『武田信玄』を憑装してる信長だ」
実力が未知数のままエンパイアウォーも終盤となった信玄だが、それを纏う信長も、彼に縁のある力を用いて戦ってくるらしい。
「ま、狐だったんなら良かったけど借りてるのが『魔王』だからな? 当然生半可な対策じゃ一方的にのされて沈むと思っとけ。……例外なく先を取られるからな」
やはりというべきか、そう簡単に先手は取らせて貰えないのか、風林火山や武田軍の力に圧倒されぬように、然りと対策を練って挑んで欲しい、とクロトも告げる。
最後に、猟兵達全員を見据え、クロトは転送準備を開始する。
「よし、此処まで来たなら俺はお前らを信じるだけだ。……上様も、幕府軍の連中もここまで耐えきったんだ。俺らが応えないで、どうするって感じだよ――頼むぜ!!」
逢坂灰斗
ついに最終局面っていうか……信長様、解像度高くて安心しました。
逢坂灰斗です。
今回は『武田信玄』を「憑装」した『織田信長』を討伐して頂きます。
【MSより】
・このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
・第六天魔王『織田信長』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を必ずご記述ください。
では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。……御武運を。
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』信玄装』
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POW : 風林火山
【渦巻く炎の刀】【黒曜石の全身甲冑】【嵐を呼ぶ樹木の翼】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 甲斐の虎
自身の身長の2倍の【白虎状態に変身した武田信玄】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : 武田騎馬軍団
レベル×5本の【武田軍】属性の【騎馬武者】を放つ。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ウィルバー・グリーズマン
本当に厄介でしたよ。信長軍
全員残ってたらどんな事になっていたのでしょう……
騎馬武者は分かりますが、武田軍属性?
よく分かりませんが、とりあえず防ぎましょう
周囲の地面を[全力魔法]の『マッドネスソーン』で粘着化。これで馬の動きを止めてしまいましょう
飛び越えようとしても、『タイムクリエイト』で僕の周囲の空中を低速化してあります。遠距離攻撃も楽に避けられますし、動きが鈍った騎馬武者に、高速化した『ブラスト』の水魔弾で撃ち落としましょう
水魔弾も粘着化してあります。地面に張り付いてなさい
防御したら【ダブルカウンター】です
渾身の[カウンター]、ハイブラストの水レーザー連続射出
その甲冑、破壊して差し上げます
死之宮・謡
アドリブ歓迎
そうか…お前が信玄か…会えなかったが、きっと強かったのだろうな…
嗚呼、残念だ…是非、戦いたかったよ…
まぁ良いか?折角此処まで来たんだ…愉しませて貰おう
WIZ
騎馬武者の突撃は途絶の「呪詛」で身を隠し「属性攻撃:幻・全力魔法」で幻影を作り出し「生命力吸収」のストックを消費して生命力を誤魔化して躱し
【銀灰】で一掃…「生命力吸収」で潰した連中から命を奪い、自身を強化
「全力魔法」で身体強化を掛け、崩壊の「呪詛」を籠めたレ・フィドラを「怪力」で振るい「2回攻撃」
毒は効くか解らないが一応神経毒を塗っておく…
嗚呼、遂に親玉だ…とても、とても、ボスらしいよ…
●騎馬の知らぬ『波』
「そうか……お前が信玄か……会えなかったが、きっと強かったのだろうな……」
残念がる死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)だが、そうでもしなければ、今回の戦争で余計な障害や厄災が存在していたことは想像に難く無いのだ。
現に――後ろに存在している憑依体は、言語を発さず。まるで虎の如き唸り声を上げるばかりである。復活を阻止された以上、『オブリビオン』では無いのだ。
「どうやら本当に『力』を借りているだけのようですね」
傍らのウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)は興奮を隠しきれぬ彼女とは正反対に、冷静に努めて分析と対処を練り上げていた。
「まぁ良いか?折角此処まで来たんだ……愉しませて貰おう」
「ふふふ、そうか。儂と『愉しむ』というか」
くつくつと信長は愉快そうに笑う。けれど、其処には微塵の油断も介在していない。
「だが、魔王を。甲斐の虎を超えるならば――」
同時。背後に座す信玄の憑依体が咆哮する。
「――超えてみせよ、甲斐の騎馬隊をも、な」
「超える? いえ、まぁ武田軍属性という時点でなんとやらとは思いますが」
顎に手を当てて思案するようにウィルバーは対峙するが、彼に焦りなどは無い。
「取り敢えず――防がせていただきますよ」
騎馬隊が殺到する……よりも前に、馬が泥に脚を取られたかのように暴れ始める。
「へぇ、足止めの粘着床の魔術か……」
横で感心するかのような謡の横で、書の術士はぺらぺらと次の頁へ移る。
「そうです、ですが……これだけではありませんよ」
騎馬隊がもがきながらも前進していく中にダメ押しとばかりに水榴弾が放たれる。叩き落される兵士もまた、水と床で藻掻き、2人に到達する所では無い。
「そのまま地面に這い蹲って居て下さい。……さて、どちらにせよ彼らは邪魔な訳ですけど」
このまま放置しても言い訳だが、如何せん途中で脱出して交戦中に背後を取られても困るのは2人の方だ。だが、そんな掃除ならば――と謡が声を上げる。
「掃除なら任せると良い……なに、一瞬で済むさ」
その言葉通り、先へ進もうとする騎馬隊は――
見たこともないであろう恐ろしい『津波』を目の当たりにする。
地を焼き、同胞を焼き、そして自らを飲み込まんとする銀色の波は。全てを押し流していく。
「……これはこれは。手間が省けましたね」
張り付かせて放置するつもりであったウィルバーはこれ幸い、とばかりに笑う。
「成る程、確かに如何に甲斐の虎の精鋭と言えども――『焼けた鉄の津波』など、知りようもあるまい」
信長自身は波をまるで掻き分けるかのように進む。確かに彼自身も焼かれては居るが――
「このような熱、既に儂は『知っておる』からな」
その道行きこそが我が覇道、とばかりに歩みは止めない。
「嗚呼、遂に親玉だ……とても、とても、ボスらしいよ……」
謡の紅潮は、抑えきれなかった。眼前に立つ男は、自らとは異なるが、正しく『同じ』存在であり。
「こんな強者に昂ぶらずに――いられないだろう?」
その言葉と同時に振るわれるのは呪い孕む神槍。激突する暴力と暴力が墜ちた城の中に響き渡る。
「――当然であろう、儂も奴らを屠りし『猟兵』の強さ。昂ぶらずにはおられん」
崩壊の呪すらも意に介さぬような激突。一人だけを捌いているのではない。後方から魔術を展開するウィルバーも『含めて』相手取っているのだ。
……強者と言わずして、何と言おうか。
「やはりそう名乗るのは伊達では無い――ですか」
「儂の名乗りは飾りではない。……術士よ、お主もアレが全てでは無いのだろう?」
即座に斬り捨てんとばかりに向けられた刃に、焦ることなく冷静に受けるものの。それでも被害は最小限ともいかない。
「ええ、……その甲冑、破壊して差し上げます」
だが、耐えきれば『返す』ことは出来る。刹那。水榴弾の絶え間ない驟雨が信長を襲う。
狙いまで――とはいかなかったものの。それは確実に傷を負わせていて。
「……中々に、やりおるではないか。敵で無ければ配下に招き入れたいと思う程に、な」
魔王の称賛の如き言葉が、彼らの戦果を物語っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
天御鏡・百々
●神鏡のヤドリガミ
●連携、アドリブ歓迎
●本体の神鏡へのダメージ描写NG
アレが甲斐の虎、武田信玄か
三方ヶ原にて復活阻止をしたものと
憑依としても戦うことになろうとはな
信玄も信長も討ち果たし、この世に真なる泰平をもたらそうぞ!
これほどの数の騎馬武者、まともに相手をしてはいられぬ
神通力(武器)による障壁(オーラ防御74)と
真朱神楽(武器:薙刀)による武器受け5で敵の先陣の攻撃を防御した後
即座に『惑いの封魔鏡』を発動するぞ
迷路の出口は我が背後だ
迷路の中では、騎馬武者の利点は消える
迷路が破壊される前に騎馬武者をなぎ払い31で倒し
信長に近接戦闘を挑むとしよう
我が破魔の刃を受けよ!(破魔74、鎧無視攻撃5)
●封魔鏡の迷い路
「アレが甲斐の虎、武田信玄か……三方ヶ原にて復活阻止をしたものと、憑依としても戦うことになろうとはな」
天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は信長の後背に座す憑依体たる信玄をすっと見据える。
彼女自身も、三方ヶ原の戦いには携わったものの、因果は途切れていなかった、とでも言うのか。
「だが、我の成すべき事は変わらぬ――信玄も信長も討ち果たし、この世に真なる泰平をもたらそうぞ!」
その言葉を聞いても尚、魔王は揺るがない。寧ろ興味を掻き立てられるとばかりの表情さえしていた。
「そうか……儂をも討ち果たそうと言うか、娘よ」
「ならば、貴様も知っているであろう――武田の精鋭の力に、抗ってみせよ」
再び、城内を騎兵が駆け抜けてゆく。一人にけしかける数ですらけしてないその物量は、全てをマトモに相手取れば時間が惜しい……!
(これほどの数の騎馬武者、まともに相手をしてはいられぬ――)
先走りの兵をいなし、受け、一瞬だけ退けた瞬間、彼女は仕掛けた。
「――鏡よ鏡、邪なる者を惑わし、封じ込めよ」
百々『自身』の鏡より、光が漏れ出づる。それと共に形成されるのは――鏡の世界。
「此処は我が生み出し惑いの迷宮――出たくば我が後ろまで来るがよい」
最も、出させるつもりなど彼女には毛頭無いのだが。
主たる彼女は、迷わず、真っ直ぐに道を進む。
道中の騎馬隊達は脱出しようとする者、鏡にぶつかり続ける者――様々に存在していたが、鏡の迷宮の強度を乗り越えられる筈もなく。
「迷い果ててそのまま散るが良い。――我が用があるのはただ一人」
迷宮の中でも異様な静寂さを放っている箇所――
「……信長、ただ一人!!」
魔王を視界に収めた瞬間、破魔の神鏡は更に輝きを増す。
眼前に座す存在がなによりの『魔』であるならば。滅ぼさぬ道理など無いのだから――!
「どうやら儂とお主とでは、相反するようじゃな」
強烈な破魔の力を宿した薙刀を真正面から受けつつも、確かに魔王はその身を後退させる。
「世を滅ぼし覇道を征く汝と、人を助け導く我とでは……求むる世界が違うからな」
一撃に確かな手応えを覚えながらも、百々は油断なく向き合い続ける。
……真なる泰平が為に、予断は許されぬのだから。
成功
🔵🔵🔴
月舘・夜彦
【華禱】
あの時に復活は阻止出来たからこそ、憑くだけで済んだとも言えましょう
織田に加え武田……どちらも今目の前に居るとは
私とて武人、過去の武将と知って挑まずには居られないのが性
……勝負!
先制攻撃は視力・見切りにて攻撃方向を確認
刀から放つ炎の範囲、刀身より残像で躱せるか躱せないかを判断
躱せなければ2攻撃にて武器受けから刀の軌道を逸らし、なぎ払いにて弾く
相手は強者、全てを凌げるとは思っていません
ですが必ず隙はある
傷を負おうとも激痛耐性にて耐え、倫太郎殿が私を庇おうとも
勇気と覚悟を以て相手を見据える
一瞬の隙から早業・鎧砕きを併せた抜刀術『静風』によるカウンター
何度蘇ろうとも、滅するのが我等の使命
篝・倫太郎
【華禱】
前哨戦で阻止した相手が此処で来るとは思わねぇってな
んでもよ……ここまで来たんだ、きっちり片ァ付けようぜ
先制攻撃は見切りからのフェイントと残像で回避
回避出来ない場合はオーラ防御で凌ぎカウンター
凌ぎ切れないようなら左手の犠牲は覚悟で対処
拘束術使用
鎖での攻撃に合わせて華焔刀でのなぎ払い
攻撃には衝撃波と鎧無視攻撃を常時乗せてく
フェイントと残像も使用して攻撃パターンを読ませないよう立ち回り
敵の攻撃に対しては先制攻撃凌いだ方法で対応
また、夜彦への攻撃に関してはかばうことで
可能な限りダメージを通させねぇ
夜彦への死角からの攻撃は拘束術で妨害してフォロー
何度だって倒すぜ
蘇らなくなるまで、何度だってよ
●何度でも打ち倒す事
「前哨戦で阻止した相手が此処で来るとは思わねぇってな」
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)もまた、三方ヶ原に携わり、復活を阻止した猟兵の一人であり。……その時も共にいた彼と共に、安土城に来ていた。
そんな月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は信長の姿を見据えながらも、その言葉に応じる。
「しかし、あの時に復活は阻止出来たからこそ、『憑く』だけで済んだとも言えましょう」
後ろに座す信玄が言語を放つ事はなく、まさしく憑いたのみとしか言えない。けれども、彼らにも確かにその『因縁』は残されていて。
「んでもよ……ここまで来たんだ、きっちり片ァ付けようぜ」
倫太郎の言葉に緩やかに頷く夜彦の眼差しは――武人の物で。
「織田に加え武田……どちらも今目の前に居るとは。私とて武人、過去の武将と知って挑まずには居られないのが性――」
刀に手を掛けるも。まだ、その身は抜かず。その機を得るまでは。
魔王のその身に――風林火山を体現するかのような力が宿された時、覚悟は決まった。
「……勝負!」
「風林火山――甲斐の虎が攻めも天変地異が如き怒涛さであったことよ」
信長がそう語ると同時。刃の焔が渦巻き、嵐と寄り添うように、災禍を撒き散らして2人へと迫る。
「手始めに炎の竜巻ってか――」
「ですが、これは本命ではありません、倫太郎殿。私達は『試されて』いるのです」
この程度、捌ききれなければ相対する資格すら無いのだと、言わんばかりの炎の嵐に2人は残像すら残す速さで駆け抜け、その災禍をいなす。
「さて、試されてばかりじゃ終わらねぇよ」
間合いを詰め、薙刀を振るうに合わせて見えぬ鎖を倫太郎は放つ……が、焔の刃でその一振りを受け流そうとした信長はその異変につぶさに気付いた。
「――ふふふ、儂が抜けれるか試そうと言うか」
背に生えし樹木の翼が再び嵐を起こさんと羽撃くのを見て、咄嗟に2人は構える。
混ざり合いし『風林火山』の力が、拘束すら意に介さぬとばかりに何度も降りかかる。
(元より相手は強者――全てを凌げるとは思っていません)
倫太郎が身を呈して庇い、それでも夜彦にも災禍は届く。
だが、2人が目を逸らすことはけして無かった。
「こんだけ激しいんなら渡り合うのも精一杯かもしれねぇ。だけどよ……」
此処まで、耐え忍んできた夜彦の刀身が遂に抜かれ――
「隙は――ある!!」
返しの一刀が、黒曜の鎧すらも斬り裂き。信長に痛烈な一撃を与えた。
「ふふ、中々にやりおる」
鎧を砕かれながらも、魔王は強き者に心踊るかのような顔で2人を見ていた。
「確かにアンタは強い。けれど、何度だって倒すぜ。……蘇らなくなるまで、何度だってよ」
「そう――何度蘇ろうとも、滅するのが我等の使命」
2人の真っ直ぐな誓いにも、魔王はその覇を揺るがせることは無い。
「ならば、我が身が滅びるまで。幾度とも儂と刃を交えようではないか。猟兵よ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
三千院・操
魔王信長! 死んだ配下を憑依させて戦う、なるほど面白いね!
色々と学べることは多そう! きひ、それじゃあ戦おっか!
魂まで貪ってあげる!
信長の騎乗攻撃には生命喰らいの呪詛障壁で対応するよ! 高速詠唱でたくさん重ねて強固にするんだ!
そのあとは【指定UC】を使って反撃! そっちが甲斐の虎ならこっちは蒼の狼だよ!
さぁおいで、老若男女有象無象を蹂躙しつくそう!
テムジンに騎乗したらそのまま槍状態にした『レディ・リリス』で刺し穿つ!
道を阻むもの、己に歯向かうもの、あらゆるすべてを撃滅するおれの"ともだち"の力を見せてあげるよ! きひひ!
※アドリブ、連携歓迎です
アテナ・アイリス
さあ、信長。全力で戦うわよ。勝負しなさい。
「ブーツ」の力で俊敏に動き回りながら、【武器受け・見切り・第六感・カウンター】を使って攻撃を躱し、
どうしても受けざるを得ない攻撃は、【オーラ防御】と「アキレウスの鎧」のダメージ半減効果で攻撃を耐えきる。
耐えた後は、反撃よ。
UC『サモン・ユニコーン』をつかって、騎馬戦を挑むわ。
「クラウ・ソラス」と「フレースヴェルグ・ブラスター」を使って、剣とブラスターで戦うわ。
剣で信長を、虎をブラスターで攻撃するわ。ほら、武田は銃に嫌な思い出があるでしょ。再現するわよ。
最後は、【武器受け・見切り・第六感・カウンター】を使って、信長の攻撃をかわして強烈な一撃を与えるわ。
●城内騎馬合戦
「魔王信長! 死んだ配下を憑依させて戦う、なるほど面白いね! 色々と学べることは多そう!」
三千院・操(ヨルムンガンド・f12510)の発想は、この場においても好奇心が優先されていた。
強そう、でなく『面白そう』が先な辺りが、彼が彼たる所以なのだが。
「きひ、それじゃあ戦おっか! 魂まで貪ってあげる!」
そんな彼の傍らに立っても、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)の覚悟は揺るがない。
「ええ……さあ、信長。全力で戦うわよ。勝負しなさい」
2人の言葉に、信長は背後の信玄を一瞥して、応じる。
「良かろう――ならば、甲斐の虎の『虎』たる所以を、見せてやろうではないか」
刹那。背後に座していた信玄の憑依体が『実体化』し、本物の白虎の如き姿となって突撃してきたではないか!!
「ふぅ、鎧が無かったら危なかったかもしれないわ――えっ!?」
捌き切り、受け流し切ったアテナを通り過ぎるかのように、虎信玄は『もう一人の獲物』へと、吶喊する。
「――操さん、大丈夫!?」
真正面から激しい衝突を受けた操を案じるように、アテナは振り向くも、肝心の彼はケロリとしていた。
「きひひ! おれの呪詛を舐めないでよね!!」
真正面から、虎信玄の激突を制する操の障壁は、数瞬の隙に幾重にも編まれた――『生命喰らい』。
「ぬ、……貴様からは晴明のような気配すら覚える」
馬鹿正直に激突し続ければ、此方がジリ貧になる――と判断した信長はさっと信玄を引かせ、再び両者と睨み合うような間合いに戻る。
「えへへ、けれどおれの『ともだち』は、あんな風に『弱く』はないよ!!」
その瞬間、操が騎乗したのは双頭の狼。虎信玄とも劣らぬ体躯のそれを見て、アテナもまた相棒を呼び招く。
「――どうやら騎馬合戦、という感じみたいね。トゥインクル。おいで!」
先程まで騎馬隊が駆け抜けていた、というのに。
今度は猟兵達と信長が自ら騎馬を繰るように、合戦を繰り広げていた。
実際は、長篠の戦いの戦いの頃には信玄は没して居るわけなのだが――何故かは知らないが、この虎信玄は非常に銃を『嫌がって』いた。
「――儂らの銃がそんなに嫌だったか信玄よ。……今知りたくは無かったがな」
「うふふ、けれど嫌がってばかりは『隙』になるわ――」
「そう、道を阻むもの、己に歯向かうもの、あらゆるすべてを撃滅するおれの『ともだち』の力を見せてあげるよ――きひひ!」
激しい『返し』の一撃が交差する。虎ごと吹き飛ばされた信長は、瓦礫の中より立ち上がるも――
……少し肩で息をし始めたようだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レイラ・エインズワース
鳴宮サン(f01612)と
いよいよカナ
そダネ、これ以上この世界はやらせナイ
……わかれバ、よろしい
なんてネ!
サテ、敵は多数だケド突進は細かい制御は厳しいハズ
【高速詠唱】で呼び出すノハ、【全力魔法】の魔力を籠めた【呪詛】
足を絡めとって動きを鈍らせ
進路を狭めて衝突を狙う
突破されたラ、【オーラ防御】
ケド、本命はこっちじゃないんダ
本体カラ呼ぶのはユーベルコードの焔
拡散さセテ、騎馬と信長を巻き込むヨウニ
どんな高名な武士でも罪なきモノはナイ
武者は馬の動きを縛って落馬を狙うヨ
サテ
この腕は罪に応じて数を増す
第六天魔王とマデ呼ばれた貴方を地獄に連れ戻したいヒトは果たしてどれだけいるのカナ
今ダヨ、鳴宮サン
鳴宮・匡
◆レイラ(f00284)と
正念場だな
切り抜けて、生きて帰ろう
大丈夫、レイラのことは俺が守るし
……もう自分の身を犠牲にもしないさ
敵最前列の騎馬の脚を狙って掃射
転倒から足並みを崩すよう仕向けるよ
足を取られないやつらは鼻先を鉛玉で叩いて
兵の混乱を招き、統率を乱す
大将まで波及すれば易いが、うまくいくかな
まあ、最低限レイラの術が仕上がるまで稼げればいい
レイラが敵の足を緩めてくれたなら
こちらは残った弾薬を全て信長へ撃ち込む
狙うのは虎のほうだ
――生命を共有してるんだろ?
わざわざ的をでかくしてくれるなんて、親切なもんだ
騎乗が解除されたら本人を狙うけどな
……随分殺したんだろ
いい加減、お仲間の待ってる処へ還りなよ
●
「正念場だな。切り抜けて、生きて帰ろう」
鳴宮・匡(凪の海・f01612)は、傍らのレイラ・エインズワース(幻燈リアニメイター・f00284)を見ながらも、『いつもどおり』に言う。
「いよいよカナ――そダネ、これ以上この世界はやらせナイ」
「大丈夫、レイラのことは俺が守るし……もう自分の身を犠牲にもしないさ」
「……わかれバ、よろしい。なんてネ!」
騎馬隊を率いるように、信長は進撃を開始する。
「魔王が、いや『武田』が軍勢を前に、犠牲無く生き延びてみよ!!」
本来ならば圧倒的な蹂躙。だが、迎撃の準備は整っていた。
元より鼻先を崩すことならば何度か『している』匡だから、集団の勢いを失速させることは術士にとって、多いなる隙を産み出す。
「サテ――この腕は罪に応じて数を増す」
騎馬隊を、信長を。巻き込むように、死の門より生え出るように、『彼ら』が伸びゆく。
「第六天魔王とマデ呼ばれた貴方を地獄に連れ戻したいヒトは果たしてどれだけいるのカナ」
一部の物好きならば連れ戻さない事はあり得るのかも知れないが、大半は『連れ戻す』つもりだろう。ただでさえ此度の戦までに撒き散らした災禍は。あまりにもこの国に少なくない爪痕を残していて――
それは、我らが意思で連れ戻さんとする、黄泉の群衆の腕。
罪罰を与えるのは地獄だけではない。それに至らせるまでには『葬送』も必要だ。
「――――生命を共有してるんだろ? わざわざ的をでかくしてくれるなんて、親切なもんだ」
今迄は温存してきた、とばかりの大盤振る舞いが注がれる。その先は虎と乗り手、どちらをも削りうる。
元々正射ならば問題なく行える彼が重厚な弾幕をけしかけても問題ないくらいに、『大きい的』ならば――
「だが、この程度では儂は止まらぬ――魔王の道行きはまだ途切れては居らぬぞ!!」
そう叫び、半ば振り切るようにしてその脚で地を踏んだ信長を、乾いた音が待っていた。
「……随分殺したんだろ。いい加減、お仲間の待ってる処へ還りなよ」
信長の額にぽつりと刻まれた、赤黒いシミだけが、その事実を物語る。
「――は、ははは。此処で終わりか。舞う事も出来ぬ最後とは」
武士としては本望だろうが、強者に討ち取られたことの喜びが、驚愕に混ざりあったような表情の上を、つつつと赤が流れていく。
そのまま、虎が消えた時――
魔も地へ落ちた。そこに最初から存在しなかったように、綺麗に消え失せながら。
大成功
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