エンパイアウォー㉗~エンパイア・トレーニング
●鍛錬の時間
「いいわ、いいわよ、とってもいいわよ」
マリア・ルート(黒き面影に囚われし根源姫・f15057)がうんうん、とうなずいてその青い目を輝かせる。
「あんたらのおかげでエンパイア・ウォーはいい感じに進んでる。幕府軍、被害ほぼ皆無よ。すごいわよ」
ただこれからの戦いはさらに激しさを増してくる。一度に多くの幕府軍を蹴散らされることもあるかもしれない。
「というわけで――訓練をつけてあげましょう」
絶好調なこのときになぜ訓練? という猟兵たちの声がする中。
「絶好調だからこそ訓練するのよ。今が一番自信ついているとき! そしてだらけやすい時! 調子に乗りやすい時! だからこそ気を引き締めさせるのよ」
なるほど、と一部から声が上がった。
「どういう訓練にするかはみんなに任せるわ。肉体でもいいし精神面でもいいかも。何してくるかわかんない以上ね、色々な方面から訓練するのは効果はなくはないと思うわよ」
「対象はまだ兵の経験の薄い若者たち。ざっと30もいかないくらいで兵の経験も5年も行かないくらいかしら。農民上りも多いころね。体系は色々。ガタイのいいのからヒョロいのまで色々よ。武器も様々なのがあるわね、鉄砲に槍、薙刀に刀――男女も混合ね」
そのあたりは猟兵たちに任せるという。指定すればその絞りだけの武士に訓練も可能だ。ただあまり時間をかけすぎると。
『いつまで訓練しているんだ?』
となりかねない可能性があるので、そこは注意といったところか。
「もちろん短期間の訓練ではあまり得られるものはないのはわかっているわ。けど、ゼロと何かやっているでは大違い、だと思う。少しでも生存率を上げるために、お願いね」
そういうとマリアは転送準備に入る。はてさて、どんなトレーニングが出るのだろうか。
結衣謙太郎
真面目に? あるいは面白く? トレーニング……をつけてあげよう。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
第1章 冒険
『幕府軍の大特訓』
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POW : 腕立てや腹筋、走り込みなど、基礎体力を向上させる訓練を施します
SPD : 危険を察知する技術や、強敵からの逃走方法などを伝授します
WIZ : 戦場の状況を把握して、自分がやるべきことを見失わない知力を養います
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
唐草・魅華音
任務、兵士訓練。任務了解だよ。
チームを作って模擬戦を積んでチームの連携を鍛え、協力しての攻撃防御を上げていきます。
三人ずつのチームを作ってもらった後、木刀と水鉄砲を持ってまずは腕自慢のチームを倒して教官としての実力を見せ、あとは『チームの仲間と連携すること』『武器の扱い方』『他のチームの戦いも見て、話し合いどう戦うか考える力をつけること』を叩き込んでいきます。
「年は子供ですが、何年も戦場にいましたので、戦いの経験は遥かに上なのです。」
「武器はどこにでも攻撃に使える部分があります。柄で殴る、
槍の下側で足を払う、などなど色々な使い方があるのを意識して使ってみてください。」
アドリブ、他の人絡みOK
●唐草・魅華音による講習
「皆さん、3人ずつのチームを作ってください。これから模擬戦をします」
唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)のその言葉に、もう何度も『模擬戦は』経験したであろう兵たちがチームを組み始める。そしてあらかた全部できたあたりで、唐草は言い放った。
「この中で、一番腕に自信があるチームはどこですか」
少し場がざわめいたが、何人かの手が上がる。唐草はそれを見て言い放った。
「ちょっとここに来てください」
『え?』
唐草は木刀と水鉄砲を持ち、呼んだチームに向かい合った。
「私がお相手します。3人でかかってきてください」
なめたことを、と感じる兵も多かったが――所詮は猟兵と実戦経験のあまりない兵。結果は、唐草の圧勝である。
「年は子供ですが、何年も戦場にいましたので、戦いの経験は遥かに上なのです」
これには兵たちも彼女に教えてもらうことにぐうの音も出なくなった。
その後唐草は模擬戦をさせながら兵たちに教えていった。自分を、あるいは模擬戦の相手を複数人連携で倒させて『チームの仲間と連携すること』の大切さを。そしてその連携をより密にするために、『他のチームの戦いも見て、話し合いどう戦うか考える力をつけること』を教えていく。
しかし彼女が教えるのはそういう連携プレイとかだけではなかった。
「武器はどこにでも攻撃に使える部分があります。例えば槍一つとっても柄で殴る、槍の下側で足を払う、などなど色々な使い方があります。これを意識して使ってみてください」
そう、こういう武器の使い方も教えていった。模擬戦を見る中で唐草にはこの兵たちはやはり武器の使い方にどこか難があるように感じられた。なので自分の戦闘知識からのものではあるが、ここで使い方を教えておかないと生存率は下がると思ってのことだ。もちろん教えた後に模擬戦で実際にそれを実践させるのも忘れない。
これだけやっておけば最低限『生きる』ために全力を尽くし、武器を、仲間を頼っていくようなこともできるだろう。そう感じた唐草だった。
大成功
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カーバンクル・スカルン
人間相手だけでなく「オブリビオン相手」の訓練もやらないとね。
ということで、【クリスタライズ】を使って身を隠した私を見つけ出していただきまーす。
一応、クリスタライズは姿は隠せるけど、手を伸ばしたら触れられるし呼吸音は聞こえるし熱も感じられるからね。全神経を集中させて私を探してみなさい!
まぁ、ただ隠れるだけじゃつまらないからこっそり後ろに近寄って耳に息を吹きかけたり足をワイヤーに引っ掛けて転ばせたりしますか。ヒントがわりにねー。
●カーバンクル・スカルンによる講習
「人間相手だけでなく『オブリビオン相手』の訓練もやらないとね――ということで、クリスタライズと呼ばれるユーベルコードを使って身を隠した私を見つけ出していただきまーす」
兵たちの前に立ったカーバンクル・スカルン(クリスタリアンの咎人殺し・f12355)はいきなりそう宣言した。なるほど確かに相手はオブリビオン、ユーベルコードを使う相手ともなればそのユーベルコードの対応法としてワクチンになれるのは猟兵しかあるまい。
「じゃあ、スタートー」
といきなり言うとカーバンクルは透明になる。えっ、と度肝を抜かれた兵たちがいる中でカーバンクルの声が残る。
「実戦ではいつ何が飛んでくるかわからないし、待ってくれないからねー。一応、透明になっただけだから手を伸ばしたら触れられるし呼吸音は聞こえるし熱も感じられるからね。全神経を集中させて私を探してみなさい!」
その言葉に兵たちは神経を集中させてカーバンクルを探し始める。しかし大多数の兵は明後日の方向を探している。視覚に頼る、ということがこれほどのものだとは。それにカーバンクル自身もどちらかといえば楽しみたいようで。
「ただ苦戦してるだけだとつまんないし、ヒントでもあげようかな」
『おい、いたか?』
『いや、全然……ひあっ!?』
『おい、どうした?』
『い、今、耳に息を吹きかけられた気が……ねえ、やった!?』
『お、俺はそんなんしてねえよ!』
カーバンクルが女兵に息を吹きかけると男とけんかになり。
『ぐあっ!』
『ねえ、派手に転んだけど?』
『情けない……なんか紐みたいなものに引っかかった……』
『忍者とかいたらそれで死ぬかもしれないんだからしっかりしてよ』
別の男がカーバンクルのこっそりはったワイヤーにつまずけば別の女がしっかりしろと言い。
当然これらはカーバンクルによるもののためヒントになりうるはずなのだが、兵たちがそれに気づくのは、およそ数刻たってからのことだった。これでこの類のオブリビオンとか、あとついでに忍者とかの対策ができたのではないだろうか……多分。
大成功
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イネス・オルティス
ここに至ってあまり肉体的に追い込んでもしかたない気がするわね
だからここは座禅? 的な奴でいきましょうか
私を中心とする扇状に座ってもらって私の放つオーラに耐えてもらいましょう
私も座禅というか胡坐で座らせてもらって【薄衣甲冑覚醒 弐】のオーラを纏う
オーラに乗せて”存在感”を発揮し兵たちを”恫喝”し無言で”覚悟”を問う
何か不可思議な力を使う敵も多いでしょう、これはそれに怯まない心を養う訓練よ
ビキニアーマーで胡坐をかいて座るというサムライエンパイアでは
あまり見られない格好のイネスは無意識に周りを”誘惑”しているかもしれないが
”恥ずかしさ耐性”のあるイネスは気づいていません
●イネス・オルティスによる講習……?
(ここに至ってあまり肉体的に追い込んでもしかたない気がするわね。だからここは座禅? 的な奴でいきましょうか)
そう考えたイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)によるトレーニングは、座禅。胡坐で座りなんかビキニアーマーの神らしきオーラを放ちながら覚悟を問うような恫喝をしていく。
「これくらいに耐えられないで敵に勝てると思ってるの!? 妖孤とかいたらどうすんの!?」
「相手に気押されるな! 気押されたらそこで負けよ!」
など、恫喝しているイネスを中心に扇状に座る兵たちに覚悟が問われていく。事前に何か不可思議な力を使う敵も多いでしょう、これはそれに怯まない心を養う訓練よ、とは伝えておいたが、予想以上に兵たちはひるまない。よくできた兵ね、とイネスは思った。
――でもその実態は実を言えば……
(あんな格好で戦えるのか!?)
(我々の世界ではあまり見ないぞ……しかし、こう、あれだ)
(いや、眼福眼福)
(神様仏様ありがとう)
みたいな感じでどっちかというとイネスとそのビキニアーマーのボディに誘惑されている兵たちだった。中には悟っている奴や鼻血出してるやつもいた。しかしもう慣れたうえに恥ずかしさに耐性を持っているイネスはそれに全然気づかなかった。自分がどっちかといえば誘惑していることも。なんということでしょう。ま、まあ、妖孤とかの魅了とかの対策、というかワクチンにはなった……のかな? うん、そう信じたい!
大成功
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主・役
SPD危険を察知する技術や、強敵からの逃走方法などを伝授します
というわけでめそっどなちゅれもといパルクールを伝授するよ。屋根の上を走ったことはあるかい?
パルクールは効率的な身体運用により地形の利用による障害物すら足場とする移動術。極めれば敵すら足場に出来るが、まぁ、今回の訓練期間だとそこまではいかんか。
ま、最低限障害物をパスする技術があれば逃走にも奇襲にも応用できるさ。
最後に『安全な場所を安全な方法で移動しろ』パルクールはその幅を広げるに過ぎない。必要もないシーンで行うのは自滅を招くので避けるように。ま、覚えたての技術を使いたくなる気持ちは分からないでもないけどさ。
●主・役の講習(まとも)
「はーい、えにっちゃんだよー」
ま、まさか主・役(エクストリームアーティスト・f05138)が来るとは。きっとなんか、アバター使って――
「というわけでー、みんなにはめそっどなちゅれ――もとい、パルクールを伝授するよ。屋根の上を走ったことはあるかい?」
あ、あれ? 意外とまともだ。兵たちは、
『ぱるくーる? どこの遊びだ?』
なんて反応が多い。そりゃそうだ。
「パルクールってのはねー、よっ、ほっ、とりゃっ」
言いながら主役は壁の上に乗り、そのままジャンプで民家の屋根に乗るとそこから別の民家の家へとジャンプしていく。まるで怪盗のようだ。否、現地住民に言わせれば――
「な、なんだあれは。まるで忍者か」
そう、忍者だった。
「パルクールは効率的な身体運用により地形の利用による障害物すら足場とする移動術。極めれば敵すら足場に出来るが、まぁ、今回の訓練期間だとそこまではいかんか。
ま、最低限障害物をパスする技術があれば逃走にも奇襲にも応用できるさ」
まあ、忍者の移動術的なものかな? と誤解する兵たちも多い中、訓練は始まった。すごくまともに。本当にすごくまともに。ちなみに当の主役は極めればこんなこともできると言わんばかりに訓練中の兵の頭や肩を足場にして移動したり無駄に縦回転したりバック転しながら見せつけていた。そんなワンピースでそんなに派手に動き回って大丈夫なのかって? パルクールを極めればそれすらも問題なくなるのさ。きっとね。
数刻後、一通り訓練を終えると主役は最後に皆の前で真面目に胸を張って言った。
「まあ、短期間だけどある程度はできるようになったでしょ。でも、最後にひとつ――あくまで、『安全な場所を安全な方法で移動しろ』。パルクールはその幅を広げるに過ぎない。必要もないシーンで行うのは自滅を招くので避けるように。ま、覚えたての技術を使いたくなる気持ちは分からないでもないけどさ」
これはあくまで危険を察知する技術や、強敵からの逃走方法の1つに過ぎない。そしてCanとWantも別だ。必要ないのに危険を冒していくのは無謀だ、それを彼女は伝える。エクストリームなことを次々にやる彼女だからこそ、含蓄のある言葉だった。
「じゃあね、頑張って。ちゃおー」
そして再びパルクールで屋根から屋根へと跳び颯爽と去る主役だった。意外にまともだったよ。そしてパルクールというかなり実践的に役立つの教えてくれたよ。割と見直したよ。
●訓練終了
こうして兵たちはある程度の様々な訓練を終え、様々な技術を身に着け(一部なんか変な成果も出たけど)、戦意が高まったままに決戦の地へと向かう。
その足は、決戦の地、島原――織田信長の潜む、魔空安土城へと。今、決戦への足音が、たしかに、近づいていた。
大成功
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