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エンパイアウォー㉛~さるべぇじ! いぇーがー!

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #鉄甲船

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●瀬戸の一幕
 穏やかに波打つ、瀬戸内の海。
 戦争がもたらしていた騒々しさなど今はとうにない。
 そこにあるのは、本来あるべき内海の風景である。
 どこぞの水軍のおかげで海に出られなかった分を取り戻そうと、漁師たちは木舟を曳いていざ漕ぎ出そうとしているところだった。
 だが、話題は今日の天候でも、魚群の動向予想でもない。
「そういや、海の下にはでっけえ船が沈んでるらしいな」
「ああ。そうみたいだなあ」
 網を舟に放りこみながら、漁師たちが海を見やる。
 海面は凪いでいる。
 その下に、巨大な船が沈没しているとは俄かには信じがたい。
 火のないところに煙は立たぬとは言うが、果たして――。
「ま、俺らには関係ねえ話だな」
「まったくだな」
 そう言って笑いあうと、漁師たちは久方ぶりの海へと出てゆくのだった。

●グリモアベースの一幕
「海に沈んだ船……それを引き上げてきてくれませんか?」
 垂らしたロープを手繰りながら、プルミエール・ラヴィンスは猟兵たちをちらりと見やった。尋ねているようで実のところ選択肢を奪っている、そんな視線にも何となく見えた。
「村上水軍と戦ったあの海域には、おっきい鉄甲船が何隻も沈没しているらしいんです」
 チラ見するプルミエール。
「これを再利用できれば、サムライエンパイアにとって大きな利益となることは間違いないんですけど……」
 チラ見するプルミエール。
「例えば商船、軍船、あるいは外洋に新大陸を探しに冒険とか……」
 チラ見するプルミエール。
「でも船はすっごくおっきいですし……とても幕府軍には引きあげられなさそうです……」
 チラ見した上にため息までつきはじめるプルミエール。
 わかったよ! 手ずから引きあげてくりゃいいんだろうが!
 猟兵たちはその旨をやんわりと伝えてやった。
「ありがとうございます、皆さん! では善は急げ、今すぐサムライエンパイアに皆さんを転移させますね!」
 え、今すぐ?
 まだ海に潜るための準備とか、水着とかビーチサンダルとか、ビーチチェアとか――。
「そういうのは現地で買いましょう!」
 プルミエールのグリモアが半強制的に猟兵たちを送りだす。
 現地で買えねえよ、とツッコむ暇もなかった。


星垣えん
 はい! 海です!
 遊ぼう! じゃなくて巨大鉄甲船をさるべじろう!
 日野富子さんが私財を投じて作った鉄甲船をかっぱらって有効活用しよう!
 これ、知られたら間違いなくキレるんじゃないだろーか……。

 とゆーわけでユーベルコードなどなど使ってサルベージだぜ!
 引き上げ船の修復や使い道などは、引き上げる事が出来た隻数に応じて、あとで幕府とかが協議して決定するらしーぜ! ちくしょう口を挟む隙もねえのかよ!
 まあその分サムライエンパイアが発展するので、よしとしましょう。

 では、皆様からのさるべぇじぷれいんぐ、お待ちしております。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険 『巨大鉄甲船引き上げ作戦』

POW   :    重量のある船体部分などを中心に、力任せで引き上げる

SPD   :    海底を探索し、飛び散った価値のある破片などを探し出して引き上げる

WIZ   :    海底の状況や海流なども計算し、最適な引き上げ計画を立てて実行する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミスト・ペルメオス
【SPD】
海底からのフネの引き上げ、ですか…。
…完全に専門外ですが、これも任務です。この世界の人々のため、何とかしてみましょう。

まずは【サモン・アドオンアームズ】。
愛機たる機械鎧への適切な装備の要請、および換装を実施。
(どこからそんなものが寄越される? UCならなんやかんやで何とかなる…はず。はず)
通常装備の可変速ビームキャノン2基の代わりに、
工作用大型アームド・ユニット(サイキッカー対応型)と大型探査ユニットを装備。
その後、探査ユニットや(専用デバイスを介して)念動力を活用しつつ、海底を探査。
発見した沈没船や有用な物品などを、片っ端から工作ユニットの作業用アームやアンカーなどで回収していく


藏重・力子
これが海か!川よりも広大とは真であった!
沈んだ船を引き上げるのだな?合点承知!【気合い】を入れて参ろう!

まずは『司鬼番来・流』。海上に鯉幟を放ち、足場にして海を渡るぞ
「波音、飛沫、風。どれもが新鮮であるな」
【第六感】を働かせて船が沈んでいる場所を【見切り】、『司鬼番来・元』!
「此処からが本番だ。ぐどう殿、手を借りるのである!」
召喚した巨腕、ぐどう殿に海中の鉄甲船を掴んでもらい、
彼の腕力で一気に持ち上げる!
必要ならば、海上で我も我自身の【怪力】を活用し手伝うぞ!
「おおい、船は何処に置くのだ?」

水遊びは……我はまたの機会にするのである
泳ぎは不得手でな。初めての海の眺めを目に焼き付け、潮風を楽しもう


ニィナ・アンエノン
サルベージだ!
にぃなちゃんこーゆーの大好き!
何だったら船にミサイルもつけるよ、ミサイル!

まぁまずは引き上げないとね。
困った時のガジェットショータイム!
にぃなちゃんプランはこう!
ガジェット動かしてホースかなんかみたいなので沈没船の穴からめっちゃ空気を送り込む!
運が良ければそれだけで浮くし、他に穴が開いてたら空気が漏れて場所が分かるからそこを塞げば浮く、はず!
ホースの設置や穴の場所探しや修理もにぃなちゃんが【水泳】や【情報収集】、【メカニック】技術を駆使して何とかしよう!
まぁ船大きいから誰かに手伝って欲しい感はあるけど。
海辺でバイクが錆びるとやだから【早業】で終わらせるぞ!
そんで後で水着で遊ぼう☆


明石・真多子
海底ならお任せあれ!海の底で生活するタコの独壇場だよ!
この服は濡れても大丈夫!

まずは手掛かりを探そう!元から深海で生活してるから[暗視]なんて当たり前!意外と目がいいタコの本領発揮だね!
吸盤を駆使して海底を[ダッシュ]しながら破片を見つけて、近くの海流を読みながら流れ着いそうな所にアタリを付けるよ。

上手く見つけられたら引き上げだね!
引きずると船が壊れそうだし、一度水面に浮上させた方が良さそうかな?
それなら柔らかい身体を活かして船底に潜りこんで…【軟体忍法旋風大タコ巻きの術】で人力スクリューになって沈没船を動かすよ!
吸盤で船にくっ付けた2本を除いた6本分のスクリュー回転ならかなりのパワーなはず!



 潮風に吹かれながら、藏重・力子(里の箱入りお狐さん・f05257)は海を歩いていた。
 正確には海面を歩いている。
 もっと正確に言うならば、ユーベルコードで海面に渡した『鯉幟』の上を歩いている。
「これが海か! 川よりも広大とは真であった!」
 人づての情報でしか知らなかった光景を前に、妖狐の色違いの双眸が大きくひらいた。
 見渡す限りの青。
 それだけで心が躍る。
「波音、飛沫、風。どれもが新鮮であるな」
「おやおや力子ちゃんは海は初めてかな? なら目いっぱい楽しまないとね!」
 身をかがめて海を覗きこむ力子の肩に、ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)が図々しくも腕を回した。
 が、そうかと思えば今度は離れてくるくると回る。
「まあ、今はそれよりサルベージだね! にぃなちゃんこーゆーの大好き! 何だったら船にミサイルもつけるよ、ミサイル!」
「それは止しておいたほうがいいのでは……」
 無茶苦茶言いよるニィナを控えめに止めたのは、重厚な黒い機械鎧。
 ――に身を包んだミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)である。
「えー。ミサイルいいと思うけどな!」
「そういう問題ではないと思うのですが……」
「ちぇー。あ、そういえば鉄甲船は見つかったー?」
 不満げに唇を尖らせたニィナが、ころりと笑顔に転じてミストに尋ねてきた。
 猟兵たちは絶賛、巨大鉄甲船の探索中だった。
 だが深い海底に沈んだ船の位置を海上から把握するのは困難。それでミストはユーベルコードで召喚した探査ユニットを潜らせ、海底を探っているところなのだ。
「船の部品らしき物はいくつか回収しましたが本体は今のところ……真多子さんが見つけてくれていればいいのですが……」
 装着したアイデバイスから海底の映像を確認したミストがかぶりを振り、海を見下ろす。
 すると――ぷくぷくと泡が昇ってきた。
「みんなー!」
 ざばあっ、と舞い上がる飛沫。
 同時に海面から明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)が飛び出てくる。
『海底ならタコの独壇場!』
 と言って潜ったきり海底ウォーキングしていたタコのキマイラは、超笑顔だった。
「見つけた! 見つけたよ鉄甲船! こっちこっち!」
「おお、見つかったか!」
「やったーさすが真多子ちゃん!」
「よかった。では次は引きあげ作業ですね」
 二本の腕と四本の触手をばたつかせて「ついてきてー」とばかりに泳ぎ出した真多子を追い、鯉幟の上をてくてくと駆けてゆく力子たち。
 そうして沈没船の直上らしき場所まで、猟兵たちはたどり着くことができた。
 瀬戸内の浅い海を透かし見ると、確かに巨大な船の影が見える。
「よし、それでは掴み上げて海から出してやるとしよう! ぐどう殿――」
「力子ちゃん! ちょーっと待ったー!」
「ニィナ殿? どうしたのだ?」
 宙に何かを描くように指先を踊らせた力子が、ニィナのストップにきょとんとする。
 ニィナは、ぱちんと深緑の瞳をウインクさせた。
「船はあの大きさだし、力任せに引きあげるのはきっと大変だよ。だからまずはにぃなちゃんプランで下地作りをしよう☆」
「下地作り……であるか」
 それも一理、と指を引っこめる力子。
 確かに巨大鉄甲船のサルベージは大変な仕事だろう。力勝負でもいけないことはないだろうが、もっと効率的な方法があるのならば乗っかりたいのも事実だった。
 ミストも準備していた工作用大型アームド・ユニットをいったん下ろす。
「ニィナさん、そのプランとは何なんですか?」
「ふっふっふ……名付けてぷかぷかオペレーション!」
 気の抜ける作戦名を告げたニィナが、後ろに回していた手を前にかざした。
 その手が持っていた物は――機械式のポンプみたいなのにホースが繋がれた、謎のガジェットだった。ぱっと見、自転車の空気入れなんかに見えなくもない。
 が、それは紛れもなくユーベルコードで召喚したガジェットである。
 つまりよくわかんなくとも有効なはずである。
「これで沈没船にめっちゃ空気を送りこむんだよ! そしたら浮くから引きあげやすくなるよね!」
「なるほど! ニィナちゃん頭いい!!」
「それじゃあ作戦開始だー! 船体の穴とか塞ぐ必要があるから、真多子ちゃん手伝ってー!」
「もっちろん!!」
 ガジェット抱えてドポーンと海に飛びこんだニィナに続いて、真多子も再び海中に潜りこみ、八本の手足で器用にすいすい深度を下げてゆく。
 やがて沈没船のもとに到達すると、ニィナはホースを突っこんだ。
「レッツ空気注入☆」
 ドゥルン、と機械式ポンプが駆動。
 ホースを伝った空気がみるみる鉄甲船の内部に行き渡ってゆく。
 しかし『穴があるかも』というニィナの懸念は的中し、そのうち大きな気泡が船のそこかしこから昇りはじめた。
「これを塞げばいいんだね! ニィナちゃん!」
「うん! がんがん塞いでっちゃおう!」
 ハンドサインで意思疎通した真多子とニィナが、船体の周囲を泳いで確認。鉄板を貼るなり武器で塞ぐなり海藻つめこむなりして目立った穴をあらかた修理することに成功した。
 巨大な鉄の塊が、ゆっくりと浮上する。
 真多子は船体の下側に潜りこむと、二本の触手でぺたっと貼りついた。
 そして――。
「軟体忍法、旋風大タコ巻きの術!」
 ぐるぐるぐる、と残る六本の手や触手をひらいて高速回転!
 その体をスクリュー代わりにして鉄甲船に推進力を与え、空気の浮力と合わせてぐんぐん海面との距離を縮めてゆく!
 それは、海上から見守っていた力子とミストも確認できていた。
「浮いてきているな! いよいよ我らの出番か!」
「そうですね。一気に海面から引きあげてしまいましょう」
 顔を見合わせて頷いた二人が、再び海中に視線を落とした。
 力子の指が再び中空をなぞる。
 すると見えない印に反応し、その空間を引き裂くかのように巨大な碧色の腕が現れた。
「ぐどう殿、手を借りるのである!」
 宙に浮く一対の巨腕が、力子の声に応じて海に突き入れられる。船体をがっしりと掴んだ腕――ぐどう殿はぐんぐんと鉄甲船を引っ張りあげてゆく。
「ではぼくもお手伝いを」
 海面間近まで迫ってきた船体めがけ、ミストが念動力でアームド・ユニットを放つ。
 ユニットは海中を魚のように動いて船体に張りつくと、アームを突き入れて固定。そのままミストのサイキックの力で海面へ引き寄せられる。
 船体の下から、ニィナの空気と真多子の人力スクリュー。
 船体の上から、力子の巨腕とミストの工作用アームド・ユニット。
 合わさった四つの力は鉄甲船をまるで水中玩具のように海中を動かして――。
 十数秒も経つ頃には、巨大鯨のように海面から浮き上がって、久方ぶりの潮風に当てられていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月24日


挿絵イラスト