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エンパイアウォー㉛~罪を憎んで船を憎まず

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #鉄甲船

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●グリモアベース
「あいてててて……。情けねぇ~」

 頭や脚、尻尾に包帯、顔や腕のあちこちに絆創膏(ばんそうこう)と、正に満身創痍(そうい)を絵に描いたような姿の、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)は、やって来た猟兵たちをバツ悪そうな表情で迎えた。

「いやー、エンパイヤウォーの依頼で作戦しくじってこんなザマだ。見苦しい姿さらして申し訳ない」

 というわけで。本当ならオレが行きたいぐらいなんだが、諦めなくちゃいけない、と前置きして。

「沈没した巨大鉄甲船の引き揚げを、お願いしたい」

 元はと言えば、日野富子の膨大な資金によって建造された、巨大鉄甲船。

「そいつを引き揚げて、鹵獲(ろかく)して、再利用して、戦後のサムライエンパイアの復興と発展に使ってもらおう、というわけなんだ」

 外板の鉄をひっぺがして、鍛冶職人達に売却して、小遣い稼ぎをしようと思ったんだけどな……という言葉は、何とか飲み込む圓太郞。

「商船として、物流に役立てるも良し、外洋船に改修して、どこか遠洋の島を目指して、サムライエンパイヤの民のまだ見ぬ産物を手に入れる、というのも悪くは無さそうだ」

 その後の修復や使い道は、引き上げた隻数に応じて幕府などが協議して決定する。そして引き上げができなかった鉄甲戦は、海に沈んだままになってそのまま海の藻屑(もくず)となる運命が待っている。

 そして、沈んでいる地点と、港の位置を地図持ち出して、説明する圓太郞。
「この港に転送するぜ。船の準備は問題ないはずだ。せっかくだし有効利用させてもらおうぜ! 幸い、オレ達猟兵は、ユーベルコードが使えることだし、それ使って海底の巨大鉄甲船を引き上げてしまおう。サムライエンパイアの復興や発展は、徳川幕府の安定にも繫がって、平和と安定をもたらすに違いないぜ! ……これはオレの師匠の受け売りだけれどな」

 ぺこりと頭を下げて、転送ゲートを作りにかかる、圓太郞であった。


ザムザム
●御案内
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 一隻の巨大鉄甲船を引き上げる冒険シナリオです。

 ザムザムです。
 サルベージと財宝はロマン!

 この依頼で引き上げられる船は一隻です。船の引き上げを試みる場合、プレイングとしては、「他の猟兵と協力する」は必要になるかと思います。
「一人で全部引き上げる!」は、難しいです。
 他、「引き上げる他の猟兵の為に、サルベージ計画を立てる」とか「船本体ではなく周囲の部品とか貴重品を集める」は、大丈夫です。

 平和なプレイングになるかなーと思っております。
 なにとぞよろしくお願いします。

●プレイング
 プレイングが来たらとりあえずリプレイを書きます。
 なお、私の執筆力不足、また可能な限りの早期リプレイ返却の為、プレイング不採用が発生するかも知れませんが、ご了承ください。
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第1章 冒険 『巨大鉄甲船引き上げ作戦』

POW   :    重量のある船体部分などを中心に、力任せで引き上げる

SPD   :    海底を探索し、飛び散った価値のある破片などを探し出して引き上げる

WIZ   :    海底の状況や海流なども計算し、最適な引き上げ計画を立てて実行する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紫谷・康行
使えるものなら使った方がいい
それがどういう意図で生まれたものだとしても
使うものに委ねられている
人を不幸にするのも
幸せにするのも

【曇りなきニルサムの水】を使い
海中から引き上げるときの摩擦や、道具や機材にかかる摩擦を限りなくゼロにする

重力は消せないからそこはがんばってもらわないといけないけど
それでもある程度は楽になるだろうからね

力は効率的に使おうか
それが善意であるなら尚更
無駄な軋轢や摩擦はない方がいい
その方が疲れないし
気分もいいだろうからね

船にかかる水の抵抗もついでになくしておけば航行もスムーズになるかな

後は力自慢や頭脳労働担当がなんとかしてくれたら言うこと無いね
全体で上手く機能するのが一番だから


夜羽々矢・琉漣
(アドリブ、連携歓迎)

そうだよ、船を操っていたのはオブリビオンだけど、船自体は実際に存在してるものじゃん。放っておくと海流に異常が出るかも。大きかったし。

召喚するのは敵mob・水竜タイプ。でもって、俺自身に【ハッキング】を行なって水中呼吸と耐水圧に関して問題ないようにちょっといじる。
そのあとは召喚した水竜と一緒に潜って、海底にバラけてる部品のうち、民間人に拾われるとマズそうなものを優先的に回収する。回収した部品は…、水竜に袋でも着けておいてその中に入れとこっか。
水竜に水を操らせれば、船本体の引き上げも手伝えると思うよ。



 サムライエンパイヤの海の漢たちに、港から船を出していただいて、鉄甲船が沈んだ海域までたどり着いた猟兵が2人

 腕組みしながら、鉄甲船の沈んでいる海底を見やる、紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)
「使えるものなら使った方がいい。それがどういう意図で生まれたものだとしても」
 と、独白すると、口が悪いのは勘弁、と前置きして
「そうだよ、船を操っていたのはオブリビオンだけど、船自体は実際に存在してるものじゃん」
 と、返答する夜羽々矢・琉漣(コードキャスター・f21260)
「放っておくと海流に異常が出るかも」
 確かに港からの距離は余り無い。
 今は凪(な)いでいるが、もしこれで海が荒れていたとしたら? 海流が悪さすることになる、かもしれない。
 将来、他の猟兵が引き揚げた改造鉄甲船が、ここに入港するようなことがあったら? 藻屑(もくず)となった鉄甲船が邪魔になるかもしれない。
「船に限らず、得物も道具も、使うものに委ねられている。人を不幸にするのも、幸せにするのも」

 そう言って紫谷は、自らのユーベルコードで生成した、「曇りなきニルサムの水」を、海に入れる。
 驚く夜羽々矢や船乗りに、
「これは海水と鉄甲船の摩擦を減らすもので、海を汚すものでは無いよ」
 と、説明する紫谷。

 そういうことなら、と、夜羽々矢はユーベルコードを発動させる。
「おいで、俺の英雄」
 敵mob・水竜タイプのキャラクターを呼び出すと、あらかじめ持って来ていた大きな袋を、水竜に投げ渡す。
「俺も潜るよ!」
 と船上の紫谷に言い残して、夜羽々矢は海へと飛び込む。自分自身に、水中呼吸と耐水圧に関して問題ないように、自らに電脳魔術を施し済み。

「海底にバラけている部品を、まずは回収しよう」
 民間人に拾われると悪用されかねない、銃器類を優先的に回収にかかっている。銃、大砲、火薬つぼ等々、結構かさばってしまった回収物を、水竜に渡していた袋の中に放り込む。しかし大砲(おおづつ)までは運ぶのに、水竜でも難儀だ。
 と、一旦波間に顔を出して、紫谷に大砲(おおづつ)やその弾薬を、港まで曳航するよう話す。。
「後ろに大きくて重い荷物があるから、さっきの水を船尾へ巻いてくれないか?」
 と、ホログラフのウィンドウを示しながらお願いする。
 そのウインドウには、さながら干し大根のようにくくり付けられた、大砲の砲身が映っていた。
「なるほど。これでは抵抗を減らした方が、いいようだね」
 再び船尾に向け、「曇りなきニルサムの水」を用意する。
 果たして。水の抵抗は大幅に減らすことに成功し、無事船は、鉄甲船の大砲など武器類を回収することも、無事成功したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
戦の為。それも、オブリビオンに利用される形で生まれ
そのまま終わる……それも人生、かもしれませんが
まだ死んでいないなら
たすけましょう。なんて
ヤドリガミとして、こういう物は、あんまり放っておきたくないのです

宇宙服で呼吸を確保
潜ってまずは、鉄甲船の状態を確認します
地縛鎖と船と電脳ゴーグルに繋げ、情報吸い上げ解析して(地形の利用+ハッキング+情報収集)

穴があいていて、引き揚げてもまたすぐ沈むなど、困りますからね
『レプリカクラフト』で代用パーツ作り、ちょっと不格好でも、本格的修理までの応急処置などして
あとは引き揚げてさえしまえば港まで楽に、という状態に

引き揚げは……仲間に任せるか、少し休憩してからかにゃ



 鉄甲船の沈む海底をながめる猟兵が、一人。ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)だ。
「戦の為。それも、オブリビオンに利用される形で生まれ、そのまま終わる……それも人生、かもしれませんが、まだ死んでいないなら、たすけましょう」
 作られた物は、何らかの使命あって生み出される。それが不本意な形で朽ちてゆくのは、どうにも耐え難い、という考えに至るのは、自らがヤドリガミゆえか。

 着込んでいるパイロットスーツ(宇宙服)で、呼吸を確保すると、海中へと身を投じた。
 引き揚げるに当たっての、その計画を作成すべく、周辺環境から魔力と情報を得られる、という不思議な鎖、地縛鎖を、船と電脳ゴーグルに繫げる。
 
「海底の岩との接触は、引き揚げ方向さえ間違えなければ、船体を破壊することは、なさそうですね。竜骨(キール)は無事。少し船尾の板が弱っているのが気になりますね」
 地縛鎖から伝えられる情報が、電脳ゴーグルに次々と現れる。
「引き揚げる方向は仲間に連絡するとして……」
 引き揚げに耐えられなさそうな、船体の補修にとりかかる、ナイ。

「レプリカクラフト」で、替えのパーツを作る。少し不格好だ、と謙遜はするがそれでも、応急処置としては、問題ない出来。
 修繕部品を組み込んで、引き揚げて港まで引いて、それから船体の本格的修理を行える、という状態にまで補修は完了した。

 ナイは海上に上がって、一息入れる。本格的引き揚げは、仲間に任せるか、少し休憩してから

大成功 🔵​🔵​🔵​

二條・心春
もとはこの国を滅ぼすための兵器を、今度は国の平和のために使う……素敵なことだと思います。私も協力させていただきますね。

海での作業なら、クラーケンさんの出番です!【召喚:大烏賊】で呼んだクラーケンさんに海底まで行ってもらって、触手で船を引き揚げてもらいましょう。滑らないように、しっかり掴んでおいてね(「救助活動」)。私は港から出してもらった船の上で、引き揚げる方向とか、船を調べてくれた皆さんからの指示を、タブレットを使ってクラーケンさんに伝えます。港に向かう時も、船が沈まないように船底を支えてもらいましょうか。
(港に向かう船を見送って)……この世界の皆さんのために、頑張ってね。



「もとはこの国を滅ぼすための兵器を、今度は国の平和のために使う」
 それは、……素敵なことだ。
 ここまで集められた、船や海底の状況を仲間から一通り聴いておいた、二條・心春(弱さを強さに・f11004)は、タブレット端末の準備をすすめる。

「海での作業なら……クラーケンさんの出番です!」
 召喚:大烏賊(サモニング・クラーケン)で、クラーケンを召喚!
 タブレットは、クラーケンとのコミュニケーションのために、用意したものだった。

「海底へお願いしますね。引き揚げる方向は、先に教わった方向で。間違えないように」
 クラーケンと、タブレット端末で指示を送る。いや、お願いする。
 触手で船をしっかりと、しかし丁寧に、滑らないように船体を摑む。
 鉄甲船は海底から浮きあげられ、マストの部分が海上に現れる。
「船底を支えてくださいね。沈まないように」 
 マストから甲板、喫水線と姿を見せた船は、クラーケンの腕(かいな)に抱かれるように、港へ向かう。
 それを見送りながら、
「この世界の皆さんのために、頑張ってね」
 と、願わずにいられない、二條。

 そしてそれは、この船の引き揚げに関わった、全ての猟兵達の総意でもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月26日


挿絵イラスト