エンパイアウォー㉙~十月十日後の禍
●孕みしは禍の種
「うふふふふふ……」
小さな小屋の中、その女性は自らの腹を撫でながら、妖しげな笑みを浮かべていた。その腹に宿るのは愛すべき子供……ではなく、邪悪なる神。十月十日後にそれが生まれ出でることを見て、そのオブリビオンはほくそ笑むのであった。
●偽神降臨の邪法
「皆、大変だ。奥羽地方にて、清明の拠点と思われる研究施設が発見されたのだ!」
慌てた様子の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、招集した猟兵たちに説明を続ける。
「そこでは、『偽神降臨の邪法』という、人為的にオブリビオンフォーミュラを産みだすための、恐るべき実験が行われていたようだ」
偽神降臨の邪法とは『有力なオブリビオンの胎内に、自身も含む魔軍将の力やコルテスが持ち込んだ神の力を宿らせ、その胎内で神を育て出産させる』という恐るべき邪法である。
「生まれ出でるまでには十月十日の日数がかかるとのことだ。また、もし生まれたとしても、それがオブリビオンフォーミュラとなる可能性は高くない。それでも、徳川の世を転覆させるような大事件を引き起こす、強力なオブリビオンとなるのは間違いなかろう」
「そして、この施設から逃走したオブリビオンに『偽神降臨の邪法』を施されている事が判明した。貴殿らには、このオブリビオンの撃破を頼みたい」
『偽神降臨の邪法』を施されてたオブリビオンは複数いる。百々が予知したのはその中の一体だ。
「我が予知によれば、奥羽地方の森の中、小さな小屋に偽神降臨の邪法を施されている『『三姫』織姫』が隠れているようだ」
この織姫の撃破が、この依頼の目的となる。
「敵は『胎内に宿った神の子』を至上の存在だと認識させられている。無事に『神の子を産む』ために、戦闘中でも隙あらば逃げだそうとしてくるため、逃走させぬように気をつけてくれ」
織姫は遠距離攻撃を得意とし、攻撃と同時に絶望を与えてくる。また、願望を糧に、巨大な鷲も召喚するという。
「強大なオブリビオンが生み出されることは、なんとしてでも阻止せねばならぬ。どうか貴殿らの力で、将来の禍根を断ってくれ」
百々の懇願を受け、猟兵たちは戦場へと向かうのであった。
夢幻
マスターの夢幻です。安倍晴明が転生の邪法を施したオブリビオンを撃破して下さい。今後出現するであろう⑪~⑮の脅威を優先することになる可能性が高いため、その場合は再送をお願いするかもしれません。再送を依頼する場合は別途告知、またはお手紙をする予定です。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦
『『三姫』織姫』
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POW : 【状態異常付与型UC】地上のミルキーウェイ
【絶望(回避成功率低下)の効果を与える光弾】が命中した対象に対し、高威力高命中の【流星の様な無数の光弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 【状態異常付与型UC】ウルトゥル・カデンス
自身の【中身に溜め込んでいた、膨大な人々の願望】を代償に、【召喚した、空を覆い尽くす様な巨大な鷲】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【絶望の効果を与える暴風と、その巨大な体躯】で戦う。
WIZ : 【状態異常付与型UC】破れた短冊
【絶望の効果を与える無数の短冊を放つ事】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
イラスト:もりのえるこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ティエル・ティエリエル
WIZで判定
「むむむっ!邪神なんて絶対に増やさせないぞ!悪いコウノトリさんがやってくる前に退治だ!」
戦闘が始まったら、背中の翅を羽ばたいて「空中浮遊」、「空中戦」で空中から襲い掛かるね♪
風を纏わせたレイピアによる「属性攻撃」のヒット&アウェイで攻撃してまわるぞ!
敵の【破れた短冊】で飛んでくる短冊はきっと命中率か攻撃回数を重視しているよね?
「見切り」を使って回避しつつ、避けきれない短冊は「オーラ防御」で張り付かれないように注意するね♪
逃亡阻止には【妖精姫と子狼の鬼ごっこ】を使って狼くんを召喚して見張っていてもらうよ!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
「むむむっ! 邪神なんて絶対に増やさせないぞ! 悪いコウノトリさんがやってくる前に退治だ!」
オブリビオンフォーミュラが生み出されると聞いて、それを阻止するため、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は気合い十分と言った様子だ。彼女はグリモア猟兵の予知にあったオブリビオンが隠れているという森の小屋に辿り着くと、『妖精姫と子狼の鬼ごっこ』で漆黒の子狼を召喚する。
「オオカミくん、この小屋から出てくるやつが逃げたら追跡だよ!」
ティエルは付近に潜ませ、自身は近くの木の上に待機して、敵が出てくるのを待ち受ける。そうしてしばらく待つと、小屋の中から着物を着た女性、『『三姫』織姫』が現れた。
「ボクがやっつけてやるぞ!」
「猟兵! どうしてここがわかったのですか!?」
ティエルは半透明の妖精の翅を羽ばたかせ、空中から織姫を急襲する。ティエルの素早い動きに翻弄され、織姫はなすすべもないといった様子だ。そんな織姫をティエルはレイピアによるヒット&アウェイで幾度も突き刺していく。小さいからと言って侮るなかれ。風を纏わせたレイピアは十分な威力で敵を切り裂いていく。
「調子に、乗らないで下さい!」
幾度もの攻撃を受けた後、ようやく体勢を立て直した織姫は、ティエルに向かって無数の短冊を放って来る。命中率を強化されたそれは、いくらティエルが空中戦が得意と言っても、全て躱しきれるものではない。命中する短冊をティエルがオーラ防御で防いでいる間に、織姫は一目散に森の中を逃走していった。
「絶対に、逃がさないよ♪」
そう、逃げた織姫はティエルが最初に召喚した子狼が追跡している。狼と五感を共有しているティエルは、織姫の逃走経路を仲間の猟兵たちに伝えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アルトリウス・セレスタイト
逃さず討てと
まあ、やるしかあるまい
遭遇時及び交戦中の逃走は回廊による転移で先回りし阻む
尚も逃げるなら『励起』『解放』で最大限高めた個体能力で追撃
破天で掃討
高速詠唱と2回攻撃で限りなく間隔を無とし、全力魔法と鎧無視攻撃で損害を最大化
爆ぜる魔弾の嵐で蹂躙する面制圧飽和攻撃
2回攻撃の一回は常時射出し、残る一回は全て統合した巨大な魔弾として放ち確実に
周囲一帯を纏めて吹き飛ばし回避の余地を与えず、攻撃の密度速度で反撃の機を与えず
無理矢理反撃しても此方の攻撃で飲み込む
『再帰』で一連の手順を循環させ一切の中断無しに攻撃を継続
必要な魔力は『超克』にて“外”から汲み上げ供給
攻撃の物量で全て圧殺する
「……逃さず討てと。まあ、やるしかあるまい」
アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は、ティエルからの情報を元に、織姫の逃走経路に回り込み、彼女の前に立ち塞がった。
「くっ、また猟兵ですか」
「残念だがここは行き止まりだ」
アルトリウスは高速の詠唱でもって『破天』を発動。青く輝く魔弾の嵐が織姫へと降り注ぐ。織姫も攻撃回数を強化した短冊を放つものの、全力で強化されたアルトリウスの魔弾はそれをも凌ぐ。相殺仕切れなかった魔弾が、織姫を貫いていく。
「この子だけは、なんとしても守らねばならないのです!」
母の愛のような高潔なものでは無く、ただ妄執によりて織姫は腹をかばい攻撃を受ける。だが、アルトリウスの攻撃はまだ終わらない。面制圧飽和攻撃の次は、最強の一撃だ。
「これで終わりだ」
無数の魔弾を全て統合した巨大な魔弾が、織姫へ向けて放たれる。超威力のその魔弾、当たればひとたまりもないだろうが、織姫は諦めなかった。攻撃力を強化した短冊をぶつけてかろうじて巨大な魔弾を逸らすと、アルトリウスには敵わぬとみて別方向へと逃走していった。
「まだ逃げるか……だが、それも予想の内だ」
織姫の逃走した先には、また別の猟兵が待ち受けている。十分に織姫へと傷は与えたのだから、次の猟兵に任せて問題は無いだろう。
成功
🔵🔵🔴
非在・究子
な、何とも、趣味の悪いフレーバーの、依頼だ、な。
……しょ、将来の、禍根を、残すわけには、いかない、から、な。
こ、ここで、サクッと、片付けさせて、貰うと、しよう。
は、【ハッキング】で、自分の、存在感を、0にして、身を潜めて、敵が、逃げに入った、ところで、UCで、ダンジョンに、引きずり込む、ぞ。
こ、この、サムライエンパイアの、世界に合わせた、大迷宮……『風雲Q子城』、だ。毒矢、槍衾の落とし穴、釣り天井、概念、強化された、トラップ満載のアトラクション、だ。
……せ、制限時間、以内に、脱出できないと、城ごと、自爆、するから、せいぜい、頑張って、くれ。
「な、何とも、趣味の悪いフレーバーの、依頼だ、な」
森の中でオブリビオンを待ち伏せしながら、非在・究子(非実在少女Q・f14901)はジト目で呟く。しかし、だからといって依頼を放棄するわけにもいかない。
「……しょ、将来の、禍根を、残すわけには、いかない、から、な。こ、ここで、サクッと、片付けさせて、貰うと、しよう」
そして究子は逃げてきた織姫を視界に捉えると、ユーベルコードを発動。『風雲Q子城』に敵を引きずり込んだ。
「??? ここは一体どこですか? 私は山の中にいたはずですのに……」
森の中を逃げていたはずなのに、いきなりダンジョンに放り込まれて、織姫の頭は大混乱だ。そんな織姫を迷宮の様々な罠が襲う。
「ぐ、ぐひひっ。強化した、で、デストラップで、骸の海へ、帰るんだ、な」
毒矢を避けたと思えば、足下に槍衾の落とし穴が開く。なんとかそれも躱して壁によりかかると、どんでん返しで隣の部屋にご招待。そして落ちてくるのは釣り天井! 連鎖する罠は、どれも究子がハッキングで強化した特別製だ。織姫は罠に対処するだけで精一杯。迷宮の出口を探すことすら来ていない。
「……じ、時間、切れ……ゲーム、オーバーで、城ごと、自爆、だ」
そうしている間に時間切れ、城が自爆したことで織姫は迷路から解放されたが、全身ズタボロだ。それでも邪神の宿る胎だけは守り通している様子は、正に執念。しかし、蓄積したダメージは甚大であり、決着の時はもう間もなくだ。
大成功
🔵🔵🔵
アララギ・イチイ
本来ならもうちょっと静観する予定だったのだけどぉ
お腹に珍しい物を持っているんだもの、研究者としては1個くらいサンプルが欲しいのよねぇ
安心なさいな、その大切な物と一緒に因子の一辺に至るまで解析してあげるわぁ♪
【選択UC】発動ぉ
通常攻撃に上記因子を付与して攻撃よぉ
【念動力】で周囲の障害物を浮かせて、敵のUCの初撃の光弾の弾道を【見切り】、【早業】で障害物で【盾受け】、明後日の方向に【投擲】して追撃の弾道を逸らして、回避するわぁ
退路上には戦闘人形フギン・ムニンを配置、武装を駆使して遅滞戦闘の【時間稼ぎ】よぉ
私自身は【ダッシュ】で接近、バトルアックスを両手に持ち、【2回攻撃】の【なぎ払い】攻撃するわぁ
「この子は神の子……何れはこの世界を支配すべき子ですのに……」
猟兵たちの度重なる襲撃に、最早満身創痍の織姫であるが、それでも諦めるという気持ちは微塵も無い。全ては宿す神の子を生み出すため、清明に植え付けられた認識に従って、彼女は逃げ続ける。しかし、そんな織姫の元に滅びの運命がもたらされる。
「本来ならもうちょっと静観する予定だったのだけどぉ。お腹に珍しい物を持っているんだもの、研究者としては1個くらいサンプルが欲しいのよねぇ」
「あ、貴女は……まさか! そんな……!?」
楽しそうに笑いながら織姫の前に現れたのは、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)だ。そう、彼女こそは織姫と因果で結ばれし者。何度でも骸の海より蘇るオブリビオンであるが、たった一人、因果の繋がれた猟兵だけが、完全なる滅びを与えることが出来るのだ。着物に白衣といった様相の彼女は、研究対象として、清明の術を受けた織姫を欲してこの任務を受けたのだ。
「しかし、貴女を倒してしまえばいいだけです!」
「無駄よぉ。あなたのことは、よく知っているからねぇ」
織姫の放った光弾の軌道を見切ったアララギは、念動力で浮かせた周囲の石や木で光弾を受ける。織姫の『地上のミルキーウェイ』の効果により、強力な流星が追撃で放たれるも、既にその時にはアララギは防御に使った障害物を投擲済み。流星は明後日の方向へ逸れていった。
「それじゃあ、今度は私の番ねぇ」
「……い、嫌っ、来ないで下さい!」
『Q.E.D・骸還し』を発動したアララギは、両手にバトルアックスを持ち、織姫へと歩み寄る。織姫はなんとか逃げだそうと周囲を見渡すが、いつの間に配置してしたのか、アララギの使役する戦闘人形の『フギン』と『ムニン』が織姫の逃走経路を塞いでいた。
「うふふふふ♪ ご苦労様ぁ」
「きゃああああ!!」
アララギの振るった右手のバトルアックスは、防御した織姫の腕を切り裂いて弾き飛ばす。そして続く左手のバトルアックスが織姫の胎へと命中し、宿る邪神ごと織姫
を切り裂いた!
「私の、神の子が……!!」
胎の傷を押さえる織姫だが、先ほどのアララギの攻撃の際に流し込まれた自壊の因子によって、その身は崩壊していく。程なくして彼女は完全に絶命し、動かなくなった。
「安心なさいな、その大切な物と一緒に因子の一辺に至るまで解析してあげるわぁ♪」
攻撃の際に織姫の記憶を回収したアララギは、満足げに滅び去る宿敵を眺めるのであった。
ここに『偽神降臨の邪法』を受けたオブリビオンは討伐された。猟兵たちは、後顧の憂いを断つことに成功したのだ!
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年08月24日
宿敵
『『三姫』織姫』
を撃破!
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