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エンパイアウォー㉛~鉄の船に新たな名を

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #鉄甲船

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●沈んだ船を追って
「先の村上怨霊水軍戦では、南海道の進路を守るために、数多の巨大鉄甲船へ乗り込んで敵を退治してくれて、みんな本当にありがとう!」
 掻巻・褥(家庭内女神様・f16422)が、集まった猟兵たちへまずは労いの言葉をかける。
「それで、更なるお願いで恐縮なんだけど、海底へ沈んだ巨大鉄甲船を再利用できるように、みんなで引き上げてもらえないかしら?」
 と、両手を合わせて頼み込む褥。
 何せ、日野富子の巨万の私財によって建造された巨大鉄甲船である。
 もし再利用できれば、戦後のサムライエンパイアにとって、大きな利益をもたらすだろう。
「みんなのユーベルコードを利用して、海に沈んだ巨大鉄甲船を引き上げられたら、商船や軍船としての再利用はもちろん、もしかしたら、外洋船に改修して冒険の旅へ出ることも、夢じゃないかもしれないの」
 うっとりと褥は呟いてから、慌てて咳払いして続ける。
「はっ……そうだわ、せっかくだから引き上げた巨大鉄甲船に、新しく何々号って名前をつけてあげるのはどうかしら?」
 わたしたちが鉄甲船の一隻を勝手に好きな名前で呼ぶのは自由だし、と朗らかに笑う褥。
「わたしが転送する先で沈んでいる巨大鉄甲船はね、エンパイアらしい和風な見た目の船でありながら、どこか不思議な趣の船首像があるのよ」
 船首像は船体の色と同じ黒い鯨の形をしており、さながら親子鯨が折り重なったような威圧感溢れる雰囲気だという。
「ではでは、巨大鉄甲船の引き上げ作業、どうかよろしくお願いしますね」
 戦後のサムライエンパイアの発展へ寄与するためにも、巨大鉄甲船の引き上げ、頑張ってほしい。


雨都瑣枝
 ご覧くださりありがとうございます、雨都です。
 このシナリオは、『戦争シナリオ』です。
 1フラグメントで完結し、『エンパイアウォー』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●リプレイについて
 効率的な引き上げ計画を練って皆を指揮するも良し、力任せに重量のある船体を引き上げるも良し。
 また、沈没時に辺りへ飛び散った船体の破片や高価な調度品などの金目のものを中心に探してかき集めるのもおススメです。
(参加人数によっては、全員は描写できない可能性があります。ご容赦くださいませ)。

●船の名づけについて
 面白さ優先で選びますので、ひらにひらにご容赦くださいね。

 素敵なプレイング、楽しみにお待ちいたしております。
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第1章 冒険 『巨大鉄甲船引き上げ作戦』

POW   :    重量のある船体部分などを中心に、力任せで引き上げる

SPD   :    海底を探索し、飛び散った価値のある破片などを探し出して引き上げる

WIZ   :    海底の状況や海流なども計算し、最適な引き上げ計画を立てて実行する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

小烏・安芸
なるほど、まだ使えるんなら沈めたままにするんは勿体無いわな。
とはいえ優雅に海中散歩……はちょっと遠慮したいわ。器物が錆びたら一大事やし。

てなわけで船の上から引き上げのお手伝いに回るで。なぁに、一応秘策は用意してあるんよ。
沈んだもんを引っ張り上げるんは簡単やないけど、少しでも海底から浮かせることができたら移動や引き上げが大分楽になるやろう。てなわけでウチの鎖で下から押し上げつつ、引っ張り上げる準備が整うまで水中で動きを止められるかやってみるわ。なぁに、呪いでできた鎖やから大きさや重さはそんなに関係無いやろ。
……錆びまみれで縁起悪い? なんか呪われそう? そこ、気にしたらアカン! 



●姿勢制御
 巨大鉄甲船が沈んでいる現場の海上にて。
「なるほど、まだ使えるんなら沈めたままにするんは勿体無いわな」
 小烏・安芸(迷子の迷子のくろいとり・f03050)は、木製の小舟で気軽に漕ぎ出してきながら、海へ飛び込むのには躊躇いをみせていた。
「とはいえ優雅に海中散歩……はちょっと遠慮したいわ。器物が錆びたら一大事やし」
 そう。ヤドリガミ特有の悩みとでもいうべきか、安芸の本体である小烏丸の刀身が海水で錆びてしまわないかを気にしているのだ。
「てなわけで船の上から引き上げのお手伝いに回るで。なぁに、一応秘策は用意してあるんよ」
 誰にともなく宣言しつつ、模造呪鎖・落魂を発動させるべく精神を集中する安芸。
 当人曰く、
「沈んだもんを引っ張り上げるんは簡単やないけど、少しでも海底から浮かせることができたら、移動や引き上げが大分楽になるやろう」
 と見越しての策だ。
 遥か海底の巨大鉄甲船の船底から錆びまみれの鎖を引き摺り出して、下から船体を押し上げるようにギチギチと鎖を絡めていく。
 そして、これ以上戦いの爪痕色濃い外板や破片が水中分解しないよう、呪詛で全体の動きを封じた。
「なぁに、呪いでできた鎖やから大きさや重さはそんなに関係無いやろ」
 鎖の両端を海面までズルズルと引っ張り上げながら、安芸が胡散臭い丸眼鏡をかけて笑う。
「……錆びまみれで縁起悪い? なんか呪われそう? そこ、気にしたらアカン!」
 同時に、鎖の禍々しい見た目を気にしているのか、他の仲間が何か言う前にビシッと自虐混じりのノリツッコミをしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
【WIZ】大胆且つ柔軟に

さて、沈んだ船の再利用、か
もったいない精神は悪くないけれど、沈んだ船って再利用出来るものなのかな?
まあ、その辺はお偉い方が決めることだろうし、下っ端は黙って仕事有るのみ、だよ

衣装は水着にチェンジ
ヤドリガミの仮初の身は呼吸も要らないから、そのまま沈没地を目指そうか
発見に至ればやる事は単純明快、【翠夢想】に【緑の夢】で回収、陸地に搬送しよう
下手に力任せに搬送すると船体を破損しちゃうからね

さて、陸に戻ったら何処に船体を放出するか、よく考えないとね
陸に揚げたら難破船になっちゃうし…
とりあえず、程々の水深がある浅瀬にリリース…と

……あ、放出の向き指定してなかった(逆さに沈む船体)



●漲る吸引力
 続いて。
「さて、沈んだ船の再利用、か」
 ファン・ティンタン(天津華・f07547)は、いそいそと紺色のスクール水着に着替えて潜る準備をしていた。
 『ふぁん』と書かれたゼッケンが可愛らしい。
「もったいない精神は悪くないけれど、沈んだ船って再利用出来るものなのかな?」
 ふとそんな疑問が頭をよぎるも、傾奇者らしく割り切った考えに努めて首を振るファン。
「まあ、その辺はお偉い方が決めることだろうし、下っ端は黙って仕事有るのみ、だよ」
 ヤドリガミの仮初の身は呼吸も要らないだろうと、気楽に海へ飛び込んだ。
 しばらく気ままに潜水していると、次第に黒く大きな鉄の塊が見えてくる。
 猟兵たちに乗り込まれた挙句、戦いに敗れて沈没せしめられた巨大鉄甲船だ。
 無残にも船体は戦いの余波を受けてか、魚の三枚おろしの如く分断されている。それを水中分解してしまわないように安芸の鎖で支えているのが現状だ。
 これはこれで船全体を引き上げるよりは多少動かしやすそうである。その分修復の手間はかかるが。
「其処は安息の地、私の主の夢の最果て」
 早速ファンは鳥の羽みたいな形をした翡翠輝石の欠片、翠夢想を船体へそっと触れ合わせる。
 すると緑の夢が発動し、巨大鉄甲船の3分の1ほどを一気に吸い込んだ。
(「下手に力任せに搬送すると、せっかくの船体を破損しちゃうからね」)
 緑の夢のおかげで、重さを感じることなく悠々と浮上していくファン。
「さて、何処に船体を放出するか……陸に揚げたら難破船になっちゃうし……」
 陸に辿りつけば、どこに巨大船を置いておこうかと辺りを見渡した。
「とりあえず、程々の水深がある浅瀬にリリース……と」
 どぱん、と高波を立てて浅瀬へ着水する巨大鉄甲船の下半身。
「……あ、放出の向き指定してなかった」
 ファンが気づいた時にはもう遅く、いかにも難破船といった趣にひっくり返って、ずぶずぶ浸水していく巨大船であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
ヤドリガミとして、やっぱりこう
ただ朽ちていくのを、放っておくのはと、思うので
助けに……

浅瀬で、ひっくり返って沈んでく?

……んん?
まぁ、こんなことも、ありますか

さてまずは……ボロボロですし、回復しましょうか
引き揚げはその後ということで……

宇宙服で呼吸確保。私の仮初の肉体は……たぶん、再生する以外はだいたい普通の人体と同じなので。きっと
呼吸できないと、辛いのです



潜って鉄甲船に近づき
『生まれながらの光』で照らして、修理する

完全機械なウォーマシンや、木製品な愉快な仲間を癒す時のように
欠けてどこかにいってしまった部分まで元通り
鉄甲船を丈夫な姿になおす聖者の奇跡

疲労したので、後は仲間か、休憩後に

すやぁ



●奇跡の修理
 さて。
「ヤドリガミとして、やっぱりこう……ただ朽ちていくのを、放っておくのは」
 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は、ヤドリガミである自身の本体と鉄甲船を重ね合わせているのか、鉄甲船に同情とも憐憫ともつかぬ感情を向けていた。
「と、思うので助けに……」
 いそいそ宇宙服に着替えて海へ飛び込もうと駆け出すも、途中、妙な物を目にして足を停めるナイ。
 浅瀬にて、鉄甲船の一部が何故かひっくり返って、半分くらい沈んでいたのだ。
「……んん? まぁ、こんなことも、ありますか」
 ナイは首を傾げたが、そこは元より大人びている性格の彼である、さらっと流して海に潜った。
(「私の仮初の肉体は……たぶん、再生する以外はだいたい普通の人体と同じなので。きっと呼吸できないと、辛いのです」)
 宇宙服によって気密が確保され、楽に呼吸できるのへ安心しながら、ナイは海の底で待つ鉄甲船の元へ辿り着く。
「さてまずは……ボロボロですし、回復しましょうか。引き揚げはその後ということで……」
 そう呟くと、おもむろに精神を集中させるナイ。
 身の内から湧き出る聖なる光で鉄甲船を照らして、修理を試みたのだ。
 完全な機械の身体を持つウォーマシンや、木製品にしか思えない風体の愉快な仲間を癒せるのだから、鉄甲船も治療できる筈だと信じて。
 そんなナイの願いが通じて、欠けて周りに散らばっていた部品や破片まで綺麗に修復され、鉄甲船は元通りの威容を誇る姿を取り戻した。
 だが、これだけ大きな鉄甲船をなおすともなれば、聖者の奇跡たる生まれながらの光とはいえ、強い反動も来るわけで。
「ふぅ……」
 少なくない疲れを覚えたナイは、後は仲間に任せるか休憩を摂って出直してこようと海面を目指す。
「すやぁ」
 そして、陸地に上がった後は、心地良い疲労感と共にお昼寝を始めたようである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
「あとはひっくり返った船体を起こせばいいだけっすかね? ……かなりの難関っすけど」
とりあえず、出来ることは【怪力】による力ずくくらいなので、宇宙バイクを【ゴッドスピードライド】で出力向上させ、バイクと船体を鎖分銅(伸長可能)を繋いで引っ張らせる
「アルタイルの、パワー重視のカスタマイズは、伊達じゃないっすよ!」

船の名前…船首の子鯨が船全体であるあや鯨を導いてくれるから、「孝行丸」とかどうっすか?『孝行』と『航行』もかけてみる感じで。あ、でもこれだと船首部分だけが孝行丸っぽいっすかね?だったら上様の乳母のお名前「福」をお借りして、永く幸運にということで「永福丸」とか。
まあ、後は任せるっす



●船VS宇宙バイク
「あとは浅瀬でひっくり返った船の一部を起こすのと、海底の船体を引っ張り上げればいいだけっすかね? ……かなりの難関っすけど」
 リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は、改めて残りの作業を確認して、思わず青ざめた。
「とりあえず、出来ることは怪力頼りの力ずくくらいっすね」
 ともあれ、気を取り直して宇宙バイク『アルタイル』を変形させた上で騎乗するリカルド——もっとも彼はヒーローマスクなので、シートよりフロント周りに乗っかる事も多かったりする。
「アルタイルの、パワー重視のカスタマイズは、伊達じゃないっすよ!」
 バイクと船体を伸縮自在な鎖分銅で繋ぎ合わせ、向上した出力を信じて懸命に海面を目指し引っ張った。
 安芸の呪いでできた鎖による姿勢制御やナイの修復、加えてファンが一度は船全体を吸い込もうとしてくれたお陰で、大分持ち上げやすくなっていたのだろう。
 巨大鉄甲船は海底の砂地を離れて、ゆっくりと鎖に導かれるまま、上へ上へと昇っていく。
 ザパーーーン!!
 陸へ上がれば地面との摩擦で更に走り易くなった事もあり、リカルドはついに巨大鉄甲船を海底から引き上げるのへ成功した。
「ひー……流石に疲れたっす……」
 流石に疲労困憊といった様子でへばりながらも、律儀に船の名前を考えるリカルド。
「船の名前……船首の子鯨が船全体であるあや鯨を導いてくれるから、『孝行丸』とかどうっすか?」
 『孝行』と『航行』をかけている上手いネーミングである。
「あ、でもこれだと船首部分だけが孝行丸っぽいっすかね? だったら上様の乳母のお名前『福』をお借りして、永く幸運にということで『永福丸』とか」
 更には釣り船らしく縁起の良い名前も思いついていた。
 とはいえ、先の孝行丸の方が船の特徴をよく表しているため、名前は『孝行丸』に相成ったようである。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月22日


挿絵イラスト