エンパイアウォー㉛~サルベージ
●グリモアベース
「先日は、村上怨霊水軍と巨大鉄甲船への対応、ありがとうございました」
太宰・寿(パステルペインター・f18704)は、やって来た猟兵たちを笑顔で迎えた。
「重ねてのお願いで恐縮ですが、巨大鉄甲船の絡みでお願いしたいことがあるんです」
そう言って、寿は苦笑いになる。
「実は、沈めて頂いた巨大鉄甲船を引き揚げて頂きたいんです」
日野富子の巨万の私財によって建造された巨大鉄甲船を再利用できれば、戦後のサムライエンパイアにとって大きな利益となる、というのが理由とのことだった。
「海底に沈んだ鉄甲船を引き上げることが出来れば、商船や軍船としても再利用できますし、外洋船に改修して冒険の旅に出る事が出来るかもしれないそうなんです。少しわくわくしませんか?」
創作活動が好きな寿は、冒険という単語にどこか楽しそうだ。
「引き上げ船の修復や使い道は、引き上げる事が出来た隻数に応じて幕府などが協議して決定するそうです。ここで引き上げができなかった場合は、海に沈んだままになって再利用は不可能になります」
だから、今しなければならないのだと言う寿。
「ユーベルコードが使える皆さんならば、海底の巨大鉄甲船を引き上げることもできます。エンパイアウォーが終わってからのサムライエンパイアの復興や発展のためにも、皆さんの力を貸してください」
ぺこりと頭を下げて、寿はいつものようにグリモアに光を灯した。
「あっ、転送は船の沈んでいる場所から近い小島に。小舟も用意しておきますから、移動は心配しないでくださいね」
たまにでるうっかりを発揮して、寿は転送を開始した。
105
●ご案内
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
一隻の巨大鉄甲船を引き上げる冒険シナリオです。
●ご挨拶
105と申します。
よろしくお願いいたします。
●プレイング
オープニング公開から、受け付けます。
執筆ペースは1〜2名/日(目標)で、一括返却できればと考えています。
ご参加、お待ちしております!
第1章 冒険
『巨大鉄甲船引き上げ作戦』
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POW : 重量のある船体部分などを中心に、力任せで引き上げる
SPD : 海底を探索し、飛び散った価値のある破片などを探し出して引き上げる
WIZ : 海底の状況や海流なども計算し、最適な引き上げ計画を立てて実行する
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グラディス・ドラモンド
【サメ子と犬】で連携
お、ババアの船引き揚げんのか。いっちょやるかサメ子!オメェなら海底でもスイスイ動けんだろ!ガハハハハ!!
俺様も共に潜るでも良いが……んにゃここは援護に回るか!!
大号令によってサメ子の海中での速度、力を底上げしてやろうじゃねぇか、重てぇもん持ち上げるっつーなら身体能力上げて損はねぇだろ?
その後は俺様も潜って引き揚げを手伝っちゃるわ!
サメ子と両端持って海上まで一直線だ!
気合い入れていくぞオラァ!!
フーカ・シャークライト
【サメ子と犬】で連携
フカカカカ! 海だ! オレだぜ! フーカちゃんだ!!
なるほど、沈没船を引っ張りあげりゃあいいんだな。
海中での仕事ってんならオレの十八番だぜ!
おっと、今回はワン公もいるんだったな。頼りにしてるぜ!!
へへっ、ワン公がいれば百人力……いや、百鮫力だな!
いくぜワン公!! フカカカカカカ!!
行動
UCを発動し、水中での活動能力を上昇。
海底まで移動し、グラディスと協力して船を引き揚げる。
●
沈んだ巨大鉄甲船を引き揚げるべく小舟に乗るのは、グラディス・ドラモンド(30の軍団を統べる■■の公爵(自称)・f16416)とフーカ・シャークライト(ウォーマシンの鎧装騎兵・f21308)だ。二人(?)は、
「お、ババアの船引き揚げんのか。いっちょやるかサメ子!」
「なるほど、沈没船を引っ張りあげりゃあいいんだな。海中での仕事ってんならオレの十八番だぜ!」
というノリの良さで来てくれた。富子が聞いたら、
「誰がババアだ!!」
とキレそうなものだが、もう彼女はいない。
残されたのは、海に沈む彼女の遺産たる巨大鉄甲船のみ。
フーカは小舟の縁に足をかけて、海を眺める。
「フカカカカ! 海だ! オレだぜ! フーカちゃんだ!!」
「オメェなら海底でもスイスイ動けんだろ!ガハハハハ!!」
ご機嫌なフーカの様子に、グラディスも鋭い目を細めて豪快に笑う。
「おっと、今回はワン公もいるんだったな。頼りにしてるぜ!!」
今気付いたとでも言うように、フーカがグラディスを振り返るが、おっちょこちょいな一面を知っているグラディスは、気にするでもない。
「俺様も共に潜るでも良いが……んにゃここは援護に回るか!!」
ばしりとフーカの肩を叩き、にかっと笑う。結構迫力があるのだが、フーカは怯むでもなく、つられたように楽しげに笑う。
「へへっ、ワン公がいれば百人力……いや、百鮫力だな!いくぜワン公!! フカカカカカカ!!」
ざぶん!と、フーカが海へと飛び込む。
「っしゃ!サメ子イケェ!!ケツは持ってやらぁ!!」
飛び込んだフーカの背に向かい、グラディスが吼える。力強い鼓舞は、フーカの身体能力を底上げする。
「(フカカカカカ!いいアシストだワン公!!鮫の泳ぎを見せてやるぜ!)」
そしてフーカ自身、泳ぎを得意としている。自らも泳ぎの能力を底上げし、海底へと向かうフーカ。もはや泳ぎと言うより、魚雷の如く。あっという間に海底へ辿り着く。
「(コイツが例の沈没船だな!!帆柱が折れてるが、まぁコッチは他に任せるぜ。オレは本体を揚げてやるぜ!)」
そこに追って来たグラディスが現れ、海上に向かい親指を立てる。巨大鉄甲船の側面両端にお互いが向かい、一気に海上に引き揚げようと力を合わせる。
「(気合い入れていくぞオラァ!!)」
グラディスの上に立つ者の誇りは、凄まじい力を発揮する。最初は、水圧もありビクともしないように思われた巨大鉄甲船は、ズズ……ッと砂を巻き上げて、少しずつ動き始める!一度ジワリと動けば、後は勢いに任せて引き揚げられる。
海面を割り、巨大鉄甲船が顔を出すまであと僅か。
大成功
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巨大鉄甲船が海上に顔を出す。帆柱が失われ、板が剥がれたり窓も一部失われたり破損している。
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帆柱や板、窓などが喪失・破損していることが分かりました。可能な限り海底から回収しましょう。
また、引き揚げた巨大鉄甲船は底などに穴が空いています。これを修復すれば、移送がより楽に行えるようになるでしょう。
シェーラ・ミレディ
未知というのは浪漫だ。外洋は手付かずらしいし、海を遊覧するのも楽しそうだなぁ。
……さて、遊ぶためにも戦争の事後処理を済ませねばな。
船自体は引き揚げられたものの、パーツが海底に散乱しているのだったか?
そちらを回収してしまおうか。
小舟で近くまで寄り、海に潜って破片を探すぞ。
見付けたら『艶言浮詞』。精霊に変換してしまえば、大きなものでも勝手に動くので楽だ。簡単に元に戻せるしな。
僕の移動や呼吸の補助も精霊に頼ってしまえるので、一度精霊にしてしまえば後は指示するだけで良い。いやぁ楽な仕事だ!
……精霊を酷使しすぎだろうか。後で労わねばならんなぁ。
※アドリブ&絡み歓迎
●
アメジストの瞳を愉快気に細めてシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は凪いだ海原を見遣る。
「未知というのは浪漫だ。外洋は手付かずらしいし、海を遊覧するのも楽しそうだなぁ」
馳せる先は、引き揚げられた巨大鉄工船が見るかもしれない未来の景色。まだ見ぬ世界は、如何様に彼を楽しませてくれるだろうか。
「……さて、遊ぶためにも戦争の事後処理を済ませねばな」
しばし小舟を漕ぎ進めれば、目の前には傷だらけの巨大鉄工船が現れる。
「これが引き揚げられた船だな。パーツが海底に散乱しているのだったか?そちらを回収してしまおうか」
小舟を巨大鉄工船に寄せて、足先からとぷりと海へ入る。穏やかな波を潜って、緩やかに海底を目指す。エキゾチックな水着が波に揺れる様は、優雅に泳ぐ魚の鰭のよう。
「(あぁ、これだな。帆柱に板、窓も沈んでいるな)」
海底には、巨大鉄工船の残骸と思しき部品が散り散りに沈んでいた。それを見て、シェーラはつい、と水中で指を振るう。
「(おいで、僕に手を貸してくれ)」
ぽう、と光が舞う様は、まるでマリンスノウ。小さな光が収束して、すいと泳ぐように船の残骸に宿る。その姿を精霊に変じると、ひらりひらりとシェーラの回りを泳ぎ始めた。そんな精霊に、海上に向かうように指示を出してシェーラは水中を揺蕩う。精霊を呼び出せば、移動も呼吸の補助も彼らに頼れる。あとは指示するだけ。
「(いやぁ楽な仕事だ!)」
穏やかな海底は冷たいが、これもまた精霊の力で緩和されて、本当に魚になったよう。くるりと円を描く様に泳いでみると、存外に楽しい。
「(……精霊を酷使しすぎだろうか。後で労わねばならんなぁ)」
作業ついでの水中散歩を楽しんで、シェーラも海上へ上がる。精霊たちの憑依を甲板の上で解除して、鉄工船の部品を元の姿に戻した。後は、陸地まで移送を残すのみだ。
大成功
🔵🔵🔵
勘解由小路・津雲
※アドリブ等歓迎
ふむ、あいにく鉄の塊を持ち上げるようなパワーのあるUCは持ち合わせていないので、しばし手をこまねいていたのだが、穴を埋める程度ならいけるかもしれんな。
【作戦】
【符術・鳥葬】を使用。無数の鳥型式神を召喚し、一度水にぬらせ、穴に張り付かせる。そしてそこに「属性攻撃」を応用、「範囲攻撃」も併用して、濡れた式神を凍らせ、穴を防ぐ。
あとは氷が解けないよう冷気を送り続ける。
「いささか強度に不安はあるが、まあ移送の間ぐらいはもってくれるだろうさ」
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目の前にそびえ立つ巨大鉄工船を見上げて、勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)は顎を撫でる。
「ふむ、あいにく鉄の塊を持ち上げるようなパワーのあるUCは持ち合わせていないので、しばし手をこまねいていたのだが」
津雲は落ち着いた風合いの銀色の瞳を左右にゆっくり動かして、船の状態を観察する。側面にも大小様々な穴が空き、痛みが激しい。一度海底に着いたなら、もしかしたら船底も穴が空いているかもしれない。見上げれば、甲板から盛大に折れた帆柱が飛び出していた。
「……穴を埋める程度ならいけるかもしれんな」
す、と右手を眼前に翳し、しなやかな指先が描くのは五芒星。指先が空をなぞれば、光が筋となって走る。
「バン・ウン・タラク・キリク・アク!」
描かれた五芒星から現れるのは、数えきれない程の紙。それは鳥の形をした式神だった。海風を受けて、羽の部分が揺れる。
召喚した式神を、津雲は一度海に潜らせた。そして、半分を海上にある船体の側面の穴へ隙間なく張り付かせる。
「ここまでは順調だな」
次いで、その貼り付けた式神へ氷の魔力を注ぎ込む。海水で濡れた式神は、見る見る凍り付いていく。触れた船体もうっすら霜がつく程に、強い冷気は式神をより強く船体に固定する。同じ要領で、船体に入り込ませた式神と視覚を共有して船底の穴を確認し、可能な限り埋めていく。
「後は、氷が解けないように冷気を送り続ければ……」
体力を消耗し続ける形になる津雲の額には、暑さも相まって汗が滲む。そこに冷気を乗せた海風が、ひんやりと気持ちいい。うっすら目を細めながら、津雲は改めて巨大鉄工船を見上げる。
「いささか強度に不安はあるが、まあ移送の間ぐらいはもってくれるだろうさ。しっかり進んでくれよ」
小さく笑い、巨大鉄工船に告げた。
二人の猟兵が船体を動かし、一人の猟兵と精霊が散らばった部品を回収。そして津雲により塞がれた穴は、浸水を許さず無事に港へと運ばれて行った。この戦争の後、またこの船が活躍する日がやってくるだろう。その日は、きっと遠くないはずだ。
大成功
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