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エンパイアウォー㉛~ラフテレーンクレーン

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #鉄甲船


「おう、村上水軍の撃破、ご苦労さんだったな。立て続けで悪いが、ちょいと頼みたいことがある。」

 青い竜人――セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は猟兵たちをねぎらいつつも、次の仕事を持ちかけた。

「なに、大した話じゃない。猟兵たちが沈めた船を引き揚げる手伝いするだけの簡単な仕事だ。」

 セゲルは簡単だと言うが、それなりの財力をつぎ込んで作られた巨大な鉄甲船だ。そんなものを海底から引き上げようものなら、当然、長い時間を要することとなる。しかし、戦争の最中でそれだけの人員を割くほどの余裕は幕府にはない。そこで猟兵たちに白羽の矢が立ったというわけだ。

「お前さんたちのユーベルコードを駆使すれば、、海に沈んだ巨大鉄甲船を引き揚げる程度のことは難しくなかろう。折角の船だ、このまま海の藻屑にしちまうのは惜しいだろう?」

 日野富子の巨万の私財によって建造された巨大鉄甲船を、再利用できれば、戦後のサムライエンパイアにとって、大きな利益となる。引き上げた船は商船や軍船、あるいは外洋船に改修して冒険の旅に出る事が出来るかもしれない。しかし、セゲルの表情は何やら不満げだ。どうやら、引き上げ船の修復や使い道などは、幕府などが協議して決定するらしい。

 「一隻ぐらいよこしてくれてもいいとは思うが……まぁ仕方あるまい。船の引き上げは時間との勝負だ。無論、焦る必要はないが使い物にならなくなる前に引き上げんとな。では、よろしく頼むぞ。」


弐呉崎
 どうも、弍呉崎です。
 村上水軍に引き続き、海上でのお仕事です。思い思いの方法で、沈んだ船を引き揚げられるよう頑張ってください。

 ※このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 なお、スケジュール等のお知らせがある場合は、マスターページにてお知らせいたしますので、一度ご覧いただければ幸いです。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『巨大鉄甲船引き上げ作戦』

POW   :    重量のある船体部分などを中心に、力任せで引き上げる

SPD   :    海底を探索し、飛び散った価値のある破片などを探し出して引き上げる

WIZ   :    海底の状況や海流なども計算し、最適な引き上げ計画を立てて実行する

👑11
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ウィルバー・グリーズマン
戦闘ばかりで疲れましたし、少し寛いでから引き上げましょう

自身の周囲に『ブラスト』で風のバリアを作成
これは常に空気を発生している、水の跳ね返す空間です
更に『エアウォーク』で浮遊。海底まで移動して一杯やります

本日は赤ワインの『溶けた紅玉』
『スペースポケット』で簡易机を取り出し、ツマミはカルパス
物珍しさに[誘惑]されたのか、珍しい魚も寄って来て……楽しいですねぇ! 酒も美味い!

ん、仕事?
はは、忘れてませんって

【オーバーリミット】[全力魔法]でエアウォーク
鉄甲船の他に、周囲の良さ気な破片もついでに浮かせましょう
魔力は僕が地上に戻る分を残し、全使用で良いでしょう

紅玉パワーで気分は上々、一気に行きますよ!



  瀬戸内の海は外海よりも水深が浅いとは言ったものの、そこは幾何かの光のみが届く仄暗い海底。青一面に染まった世界には赤という色が姿を見せるはない。しかし、画一的ともいえる水底の空間には一点だけ、まるでルビーの如く輝く何かがあった。本来であれば海底にあるはずのない不自然な水泡。どうやら、赤い光はそこから漏れ出しているらしい。
「いやぁ、深海も悪くないですねぇ!珍しい魚に美味い肴……実に楽しいですねぇ!酒も美味い!」
 ウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)は、僅かな光に寄せられて来た、浅瀬にはいない珍妙な生物を眺めながら、海底に鎮座する鉄甲船の傍で寛いでいた。そこは彼の魔本の一ページに記載される魔術――ブラストによって生み出された空気の個室。同じく、記載された魔術の一つであるエアウォークによって、ウィルバーはその空間ごと沈没船のそばへとやってきたのだ。
「少々湿っぽい場所ですが、邪魔するものは何もない。こうして寛ぐには十分でしょう。」
 海底に作られたわずかな空間に置かれた簡素な机と椅子。その上には赤い光の正体である『溶けた紅玉』と酒の肴であるカルパス。一見すると船を引き上げに来たようには見えない状況ではあるが、どうやらお楽しみの時間もそろそろ終わりを迎えるようだ。
「さて……十分楽しませてもらったことですし、そろそろ船を海上に持ち上げるとしましょうか。もちろん、全力でね。」
 ウィルバーが不意に立ち上がり魔本を開く。すると、彼のいる空間よりもさらに大きな水泡が沈船を包み込み始めた。エアウォークは自分だけでなく、他の物体を浮かせることもできる。浮力を巨大な鉄甲船とその破片が、見る見るうちに上昇していく。『オーバーリミット】により、自身が戻るための魔力以外を注ぎ込んだことともあってか、その速度は凄まじいものだ。
「紅玉パワーで気分は上々、魔力も高揚!さぁ、一気に行きますよ!」
 急速に海上へと迫る沈船は、やがて大きな水しぶきを上げながら、閉ざされた空気の部屋から解放された。その後を追いかけるかのように、ウィルバーは再び海中浮遊を楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナギツ・イツマイ
 副装備に【双皿秤の詩宴】を起動、起重機船鯨丸、発進するよ。

詩宴:ラッパーモード

 ラフテレーンにリフレーン響くミンククジラのエコー
 沈むアイアンシップをリフレーム燃えるロマンのフレイム

 海流をドリフト考えろdoリフト?
 …やっぱ一人じゃ無理だ!でかすぎる!

 仲間を呼ぶ!シロナガスになって声を流す
 来たシロナガスの噴気に奮起するbrave!

 沢山のイヤーを繋ぐ絆のワイヤー結んで
 宇宙まで飛んでけYAMATO!

概要:重力航行起重機鯨に変身、潜航しながら【水の気流】を発生させ海流に干渉して緩衝、反響定位にて沈没鉄甲船付近の地形を把握、鯨の歌に乗せて共有、宇宙までつり上げるぜYAMATO!



 海原を行く一隻の起重機船。しかし、クレーンを携えたその船の上には人の気配がない。しかし、その声はどこからともなく聞こえてきた。
「ラフテレーンにリフレーン響くミンククジラのエコー!沈むアイアンシップをリフレーム燃えるロマンのフレイム!」
 そのラップは間違えなく船から聞こえていた。いや、その姿は船というよりも、むしろ鯨に近い。まるで鯨が歌を歌うかのようにラップを刻む。起重機船鯨丸――それは、ナギツ・イツマイ(オンミョー・シャーマン・ヒーロー・ウィズ・ラッパー・f19292)が変身した姿だった。
「海流をドリフト考えろdoリフト?」
 水を纏った船がふと水底に向けて潜行を始める。海流を味方につけて……というよりは、むしろ強引に干渉しているのだが、【双皿秤の詩演】によって海流を鑑賞しながら潜り続ける。その間も口ずさみ続けられるナギツのラップ。彼はただラップを口ずさんでいるだけではない。それはクジラが行うエコーロケーションの如く、ラップによって海底の地形を把握しているのだ。やがて、ナギツは一隻の沈船を捉えると、すぐさまクレーンからワイヤーを伸ばし、引き上げを開始した。
「……やっぱ一人じゃ無理だ!でかすぎる!」
 しかし、引き上げようとする船は全長200m程の巨大鉄甲船。たとえ、クレーンを備えていたとしても単独で、なおかつ不安定な海中での引き上げ作業は容易ではない。だが、一人で無理ならば、助けを請えばいいだけの話だ。
「仲間を呼ぶ!シロナガスになって声を流す!」
 そんなナギツの声に仲間の危機を感じ取ったのか、沈船の周りに現れたのは数頭のナガスクジラの仲間。瀬戸内のような内海に大型の鯨が現れることは非常に稀だ。だが、ナギツのラップが、そのソウルが鯨たちを呼び寄せたのだ。
「来たシロナガスの噴気に奮起するbrave!」
 先程まで動く気配のなかったはずの鉄甲船が一気に上昇を始める。その様子はさながら、宇宙へと打ち上げられるロケットの如し。
「沢山のイヤーを繋ぐ絆のワイヤー結んで 宇宙まで飛んでけYAMATO!」
 勢いは衰えぬまま、沈没船と鯨たちは海上へと飛び出した。その様子は渦潮よりも激しく、あたりの水面を大きく揺らす。やがて荒れた海が静まると、そこに浮かんでいたのは二隻の船と鯨たち。
「Hey!Bra!助かったぜ!俺たちは最高のcrewだ!」
海上へと浮上した鉄甲船とナギツを確認すると。役目を果たした鯨たちが再び沈み、大海へと帰っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラズ・ヴェルーリヤ
クリスタリアンに、呼吸は必要ない、ですから。
水圧に堪えれる所まで、潜りましょう。

私の炎の絵の具は、油絵具のような性質ですから、きっと水の中でも燃えてくれるでしょう
特殊変形絵筆を展開して、ふわり絵筆を、振るいましょう

作業しやすい、ように
灯りにでも
色を変えれますので、目印にでも
魚を描き操って、誘導にでも
文字も書けますので、指示伝達でも

力仕事は、不得手ですので
私の絵を描く能力で、皆様の手助けができますと、うれしいです、ね。


コルチェ・ウーパニャン
鉄甲船さん!助けてあげたい!!
でも大きなお船が通れるような海路なら、けっこう深いんだろうな……
ゆ、勇気を出して、コルチェいきまーす!どぼーん!!

……(ためらう)

……は、暗いしコワいし、海底まで上手に沈めない気もする!
ココちゃんに、海底の様子を見てもらおう!
引き上げに使えそうなとっかかりがあったらフック付ワイヤーをかけてきて!
ルルちゃんはピカリブラスターを貸したげるから、照明弾で明るくしてあげてね。
フックさえひっかけてもらったら、後は陸上から、えーと、シールトリックの光の竜巻?とかで巻き上げたらいいよね!
難しそうなら、回りの人にも助けてもらって……
コルチェもピカピカ応援します!(ピカー)



「クリスタリアンに、呼吸は必要ない、ですから。水圧に堪えれる所まで、潜りましょう。」
 ラズ・ヴェルーリヤ(星降る蒼穹・f03042)は躊躇うことなく、その身を海へと投げ出した。そんな様子を眺めていた、コルチェ・ウーパニャン(マネキンドールのピカリガンナー・f00698)もわずかながらも勇気を振り絞り、意を決して飛び込んだ――というわけにはいかなかったようだ。
「やっぱり……暗いしコワい。」
 鉄甲船を助けてあげたいという気持ちはあるものの、かの存在は遠い海の底。外海よりは浅い瀬戸の海であっても、相応の深さがあるのは間違いない。水圧、空気、浮力、温度、光度――地上とは異なるあらゆる要素を攻略して海底にたどり着くことは容易ではない。
「こんな時には二人にお任せ!ココちゃん、ルルちゃん、よろしくね!」
 そんな彼女の前に現れた二体のドール。それぞれビーズと神のドレスを着た人形は、彼女の指示を受けて大海原へと飛び出した。ココはフック付きワイヤー、ルルはピカリブラスターをそれぞれの手に携え、先行したラズを追いかけた。
「……そろそろ限界でしょうか。」
 沈船まで残り十数メートルという深さで、ラズの身体がわずかに軋む。いかに丈夫なクリスタリアンであっても、ラピスラズリという石は傷つきやすい。例え近づけたとしても無理は禁物だ。しかし、このままでは引き上げることはままならない。だが彼女はそのことも織り込み済みだ。彼女が船から沈んできたそのルートに輝いていたのは、水中にあってもなお燃え続ける極彩色の炎。彼女の手元にある筆から生み出された光の道が、二体の影を彼女の元へと導いた。
「私、力仕事は、不得手ですので、あの船の引き上げはお願いできますでしょうか?」
 ココとルルが承諾の意としてラズに頷くと、ピカリブラスターから照明弾が放たれる。先ほどまでは把握することが困難であった船の全貌。200m近い巨体がその姿を露にする。ルルの後押しを受けて、ココはとある一転にあたりをつける。それは船を係留ための留め具だった。手に持ったワイヤーを取り付けるため、船への再接近を試みる。そんな二体の補助をするかのように、海上へと続く道と同じ極彩色の光が船を包み込む。仄暗い海中がラズの走らせる筆によって、再び本来の色を取り戻す。それに合わせるように魚たちがその姿を晒されると、蜘蛛の子を散らしたかのように去っていく。
「今はこのぐらいのことしかできませんが、やはり私の絵を描く能力で、皆様の手助けができますと、うれしいです、ね。」
 程なくして、ワイヤーの取り付けは完了した。あとは引き上げるのみなのだが……海上にそれほどの馬力を持つものはない。すると、作業を終えた二体の人形は水泡と帰して、その場を後にした。それと同時に、先ほどまではそこに漂っていただけの極彩色の炎が、一定の方向へと動き始める。やがてそれは大きな渦となり、巨大な鉄甲船をも巻き上げ始めた。
「コルチェのピカピカ応援タイムもおしまい!一気にお船を引き上げちゃうよ!」
 コルチェの取り付けたワイヤーは直接船を引き上げるためのものではなく、荒れ狂う光の竜巻から船をはじき飛ばさないためのものだった。極彩色の炎を巻き込み海中に発生した竜巻は、まるで光で彩られた海中トンネルのように鉄甲船を導いていく。やがて、七色のトンネルは白く明るい光へと飲み込まれていく。極彩色の嵐が収まると、青く広がる海上には一隻の船が浮揚していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月27日


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト