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エンパイアウォー㉗~そして特訓へ……

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「猟兵諸君、関ヶ原での戦いは見事であった!」
 ポッカリ穴の空いた頭で棒・人間(真の勇者・f18805)が褒め称える。
「徳川軍の侍たちも大切な戦力だ。今後も彼ら無しにこの戦争を勝つことはできないだろう」
 関ヶ原の戦いを越えて幕府軍は失われていた侍の力や自信を取り戻しつつある。彼らにはここから先の戦いも充分に働いてもらわなければならない。
「しかし、エンパイア・ウォーはここからが正念場である。この自信と力を確固たるものにするべく緊急で訓練を実施することにした!」
 猟兵たちまでとはいかずともまだまだ伸び代のある侍たち。鍛えてやればその分だけ活躍が見込めるだろう。
「そうさな……ここにいる侍は大きな槍を持つ槍兵で構成されている。悪くはないがまだ甘い。技の基礎を叩き込んでやってもいいだろう」
 技に自信がある者は槍の使い方、敵の得物の避け方、そういったものを実践してやれば効果が期待できそうだ。
「それとここの兵隊は幕府軍の中でもガタイの良い連中を集めているらしいな」
 己の力に自信があるのであれば、基礎体力、忍耐力を鍛えるために相撲のようなぶつかり稽古を取るのもいい方法かもしれない。
「あまり時間もない。やり方は任せるから鬼軍曹の如く死人が出ない程度にビシバシ鍛えてやってくれ! 頼んだぞ!」
 人間はグリモアを放り投げ、手元の剣を使って両断する。断裂した空間の裂け目から大勢の武士が手を振って歓迎する姿が覗いていた。


ぷっさん
 遅れて戦争シナリオ参加のぷっさんです。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 戦争の間の箸休め感覚で侍たちを鍛えてやってくれればと思います。全員槍を持っていますが特に槍に関係ない訓練でも構いません。一般人が物理的に出来ないものや死人が出るようなものはやめてください。
 スピード執筆を心がけます。プレイングの量によっては採用しきれない場合があります。ご了承ください。
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第1章 冒険 『幕府軍の大特訓』

POW   :    腕立てや腹筋、走り込みなど、基礎体力を向上させる訓練を施します

SPD   :    危険を察知する技術や、強敵からの逃走方法などを伝授します

WIZ   :    戦場の状況を把握して、自分がやるべきことを見失わない知力を養います

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コトト・スターチス
【WIZ】
こんなこともあろうかと最近のアニメで筋肉のことを【情報収集】したので、皆さんに教えます!
ただしい知識と筋肉があればさいきょうです!!

ねこへんしんして、動きやすい格好になりますにゃー!
(黒猫耳尻尾と天使の翼が生え、体操着姿になる)
正確な筋肉の知識、効率的なトレーニング方法、槍を振るうフォーム、食事法を紹介します
その次は実践、やや強引ですが短期間に高負荷の筋トレと模擬戦を何度も繰り返し行いますにゃ!
「ナイス筋肉っ!貴方こそ真のエンパイア無双ですにゃー!」
などと【優しさ】でモチベーションを高めつつ、メイスの癒しの波動で皆さんの体力を回復させ、限界を越えて一緒にトレーニングを行いますにゃー!




「こんなこともあろうかと最近のアニメで筋肉のことを調べました! ただしい知識と筋肉があればさいきょうです!」
 夏の太陽にも負けない笑顔を咲かせたコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)が元気いっぱいに幕府軍へ声を掛ける。
 男達は口々に感嘆の声を漏らす。見た目は可愛らしい幼女といえど彼女は猟兵、オブリビオンという怪物を退けている。
 きっと自分たちよりも苛烈な戦いを越えたのだろうという思いが侍達に信頼感と安心感を与えていた。
「それじゃさっそく……へんしんっ! にゃにゃーん! 聖天使猫モードですにゃー!」
 ぴょんと跳び上がって一回転。にゃんでぱらりと着地すると服は体操服へと着替えられ、コトトの身体から黒猫をモチーフにした可愛らしい耳と尻尾、更には天使の翼が生えていた。
「それじゃまずは正しい筋肉の知識やトレーニング方法から紹介するにゃー!」
「指導のほど、願い申す!」
 幼女を中心に夏の暑さに照らされた筋肉の塊が輪になって集まる。槍を突いた時に使用する筋肉の部位、フォームの説明を始めるコトト。
「二の腕だけに頼ってちゃダメです。背中の筋肉まで一体にしてバネのように扱うのですにゃ」
「なるほど、こうすると威力が増すのか」
「食事も高タンパク低カロリー……具体的には鳥の胸肉とかオススメにゃ」
 侍達はコトトの教えに素直に耳を傾けて新しい知識を入れる度におお、とかなるほど、など感嘆の声を漏らす。
「それじゃ、次はいよいよメニュー実戦にゃ!」
「おぉー!」
 こうして幼女と筋肉の暑(苦し)い夏が始まった。


「まずは筋トレ! 腕立て伏せからにゃ!」
「いーち、にーぃ、さぁーん……」
 半裸状態の男たちが一斉に腕立て伏せを始める。分厚い筋肉が縮んで、伸びて、縮んで、伸びて……伸縮を繰り返すたびに額や腕を伝う汗が弾けて熱気と共に真夏の日差しを浴びて輝いていた。
「続いて模擬実戦です!」
「うおおおぉーッ!」
 ガツンと激しく鎧同士がぶつかる音。木の棒を使った模擬実戦は侍達一人一人が身体の使い方、踏み込み方を見直してお互いが思わず小さな呻きを漏らすほど打撃力、打ち込む速さを増していた。
「はぁ、はぁ……だが中々厳しいな。もう身体が動かんぞ」
「俺たちこの先付いて来られるのかな……」
 特訓をしてしばらくすると何人かの侍が疲れを見せて手を休める。
 身体能力も十人十色、中には重い腰を地面に落として疲れ果てリタイアしかける者もいた。
「そんなことないにゃ! ナイス筋肉っ! 貴方こそ真のエンパイア無双ですにゃー!」
 コトトが大きな声で激励しながら癒しの波動を纏ったメイスを振るう。淡い光が侍達を包み込み、疲れを癒していく。
「おお……なんだかまだやれる気がしてきたぞ!」
「ありがとうコトトちゃん! そうだ、俺が、俺たちが真の侍だぁーッ!」
 動きの鈍った兵士の疲労がたちまち吹き飛び、再び激しいトレーニングに打ち込みだす。
 この永久機関ともいえる施術のおかげで休憩を挟むことなく限界を超えてコトトのトレーニングメニューを進めることが出来たのである。

 きんりょくが2あがった。
 すばやさが1あがった。
 かしこさが2あがった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

加藤・光廣
面白そーじゃん?
見た目だけの木偶の坊じゃないとこ、見せてもらうぜ?

そーだなー……俺は槍なんて重くて長くて取り回しの悪い武器は使わねーから、軽装兵の練習相手になってやるよ

印地打ちだっけ?
投石専門の兵がいるだろーから俺がその役やってやる
躱すなり槍で叩き落とすなりやってみろよ
俺が本気で投げると殺しちまうから手加減はしてやる

いくぞ!
そらそら、目の前から飛んでくるとは限らねーぜ(横や後ろへ回り込みつつ投石)
上からも飛んでくるぞ!
俺の動きをよく見てねーと実戦じゃ通用しねーぜ?

さて、こっからが本番
懐に入り込まれたらどうする?(両手に短い木刀を手に切り込む)
振り回すか振り下ろしてぶっ叩くかしろよ

UCは使わねー




「へぇ、面白そうじゃん。見た目だけの木偶の坊じゃないとこ、見せてもらうぜ?」
 加藤・光廣(人狼のグールドライバー・f06416)が侍達を値踏みするようにに見回すと試すかのように言葉を投げかける。
「これでも拙者達は打撃力、防御力には自信がありますぞ。木偶の坊とは些か過小評価ではないだろうか」
 武士の一人が光廣の言葉に噛み付くように反応する。
 多少自信がついて天狗になっている者もいるのだろう。売り言葉に買い言葉で一瞬だけ剣呑な空気が流れる。
「だったら回避はどうだ? 相手に投石専門の兵だっているだろう。俺がその役になってやるから躱すなり槍ではたき落とすなりやってみろよ」
「望む所だ。拙者たちもやれる所をご覧に入れてしんぜよう」
 こうして対印地打ち対策の訓練が幕を開けるのであった。


 訓練が始まってから数刻の時が経った。陽射しも南に昇り始めた頃である。
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
「な、なんて速さだグハァッ!?」
「そらそら! 前から飛んでくるとは限らねーぜ!?」
 鎧に石がぶつかり、カツンカツンと音を立てる。侍たちは躱すことも槍で弾くことも出来ずに石を食らい続けている。
 石の大きさ一つ一つは大したものではない。あくまで手で掴んで投げられる程度の大きさだ。
 しかし、速い。とにかく速い。しかし全力で投げれば死に至らしめてしまうので彼なりに手を抜いてのスピードである。
「俺の動きをよく見てねーと実戦じゃ通用しねーぜ?」
「ふっ! ぬっ! おおおぉぉぉぉぉ!」
 それでも中には猛攻を躱し、石をはたき落とす根性がある者もいた。
「へぇ、やるじゃん。ならこう来たらどうする?」
 光廣がニヤリと笑うと、石を投げるのをやめて短めの木刀を両手に持ち、侍の懐までダッシュで近づく。
「我々は! 侍なのだぁ!」
 カァン!と小気味いい空気の振動が木霊する。槍の柄と木刀がぶつかり、ビリビリと衝撃が両者の手を伝い全身に響き渡る。
「いい調子じゃねえか。一般人にしては上出来だ」
「まさか猟兵殿は力を引き出すためにわざと……」
 武士の問いに対して光廣は鼻で笑うだけだった。それがどういった意味なのかは本人にしか知る故もないが、少なくとも侍達の中で光廣の印象が少し変わったのは間違いなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・クロセ
【WIZ】
 訓練!アタシもどんどん強くなっていきたい!だから皆さんと一緒にがんばりましょう!

 まずは、アタシも槍を手にして。
 「見ての通り、槍は長いです。だからリーチがあります。しかし!だからといって遠距離からの攻撃がメインだと思うのは大きな間違いです!」
 
 (槍を脇に抱えて)
 戦場の状況を把握したら、自分がやるべきことを思い出しましょう!それは突撃です!
 勝利は前にしかありません。後ろにはないのです。

 (そのまま目標の藁人形に突撃)
 母が教えてくれました、刀は敵とキスできる距離まで近づいて斬れと。
 なので、槍は敵の足を踏める距離まで近づいて突き入れましょう!

※色々アドリブ歓迎




「アタシも強くなりたい! なので皆さんと一緒に頑張ります!」
 槍を手にしたステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)はおーっ!と元気よく声かけをする。その元気な姿に侍達も呼応して早くも一体感が生まれつつあった。
「見ての通り、槍は長いです。だからリーチがあります」
「刀の届かない距離から突けるのが槍の利点でありますな」
 ステラの言葉に侍達が言葉を返す。彼らもここまで槍を手に生き抜いた者。超人的でこそあらずとも基本的な使い方は理解しているつもりでいた。
「しかし! だからといって遠距離からの攻撃がメインだと思うのは大きな間違いです!」
 槍を脇に抱えるときっぱりと言い放つ。ステラにとって槍とは近づけばより威力の増すものであると教えられていた。
 そしてその教えに倣い、侍達にもまた踏み込むことの勇気や大切さを説くことにしたのだ。
「確かに……我々は得物のリーチのみを考えていて倒せるであろう相手に手間取ることも多々あった」
「それでは実際にやってみましょう!」
 納得した侍達と共にせっせと準備を始める。ステラの心意気は武士達にも伝搬し、実施前からその期待に胸を膨らませていた。


「いいですか? 戦場の状況を把握したら、自分がやるべきことを思い出しましょう!それは突撃です!」
「おお、突撃! 浪漫溢れる響きですな!」
 既に感化されているきらいがあるのか突撃という単語に子供のようにはしゃぐ侍達。そのムンムンとした熱気は夏の暑さにも負けない凄まじいオーラと化していた。
「勝利は前にしかないのです。後ろにはないのです!」
 掛け声と共に踏み込む足、突き出す腕、渾身の一撃は設置したワラ人形の胸に深々と突き刺さる。実演をして見せた後に槍を引っこ抜くと侍達へ向き直る。
 年端もいかない少女が見せる気迫に思わず気圧される侍。
「母が教えてくれました、刀は敵とキスできる距離まで近づいて斬れと。なので、槍は敵の足を踏める距離まで近づいて突き入れましょう!」
「押忍!」
 青空の下、侍達も負けじとステラの真似をして槍を構える。獣の咆哮にも似た男達の声が空へ響くと同時に風を切る音が鳴る。
「勝利を胸に!」
「まだまだですよ!」
「勝利へ踏み込め!」
「その意気込みです!」
「背中の傷は武士の恥!」
「もう一回です!」
 ステラに続いて侍の掛け声。士気の高まっている侍にとって勝利、突撃という言葉は全身を駆け巡り力となって次々と藁人形へと刺していく。
 近接での槍の使い方と心構えをを改めて学んだ侍達はまた一つ練度を高めていくのだった。中でも一番気合が入っていたのはステラ自身であったが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋月・信子
・Wiz
そうですね…私の銃とこちらの火縄銃は使い勝手がまったく違いますし、軍事的な教練…も私よりもお侍さん達の方が詳しいですし…
そうだ、肝試しなんてどうでしょう
暗闇で真っ暗な【影の迷宮】にこのお札を正しい道順ごとに貼りますので、提灯の灯りを頼りにそれを辿ってゴールしてください
軽くお化け屋敷な事も説明しますが全くの嘘です
何時何が出るか分からない緊張感を出す為の方便で…
あ、お帰りなさいです
どうでしたか…え、大変良く出来た火の玉やキツネのお面を被った子供達にどこからともなく聞こえる笑い声に空飛ぶ髑髏…ですか?
いえ、私はそんな物を作り出しては…
迷宮を消せば何もありません
あれは一体何だったのでしょうか…




「秋月殿はどのような指南をしてくださるのですか?」
「そうですね……私の得意な銃とこちらの火縄銃は使い勝手がまったく違いますし、軍事的な教練……も私よりもお侍さん達の方が詳しいですし……」
 侍に問われて秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は悩んでいた。彼女の持ちうる技術は侍達にはやや噛み合わず、かといって専門的な話であれば彼女より侍達の方が経験が豊富だろうと考えていたからだ。
 しばらく黒い髪を揺らしながらうんうん唸っていたが、ふと頭の中で一つの案が閃いた。
「そうだ、肝試しなんてどうでしょう?」
「肝試し……と言いますと?」
 信子はユーベルコード【影の迷宮】を発動する。すると広大な土地はみるみるうちに墨を塗ったような黒い闇に包まれ、一つの大きな迷路を生み出した。
「中に道順を示したお札を貼りますので皆さんは提灯の灯りを頼りに出口まで進んでください」
「成る程、たしかにこれだけ暗ければ度胸試しにはもってこいですな」
 敵を前にしても動じない心をこれで身につけてもらえればそれは特訓として意味がある。そこに信子は補足を入れる。
「私のいた所ではお化けが出る迷路なんてのがありましたよ。それを少し真似てみました。さぁどうぞ。進んでください」
「そ、それはもしやこれも……」
 信子がたじろぐ侍の背中をふふふと意味深に笑って押す。
 しかしそれはあくまで外見上の話である。中こそ暗いが本場のようにお化けのセットなどは流石に用意することが出来なかったので方便として口に出しただけなのだった。


 程なくして侍が一人ずつ感覚を空けて迷路の出口から出てくる。その表情は三者三様であった。
「あ、お帰りなさいです。どうでした?」
「す、すごかったぞ! 拙者巨大な火の玉に追いかけられたぞ!」
「えっ」
 火の玉と聞いて思わず素っ頓狂な声が出る。
「ひえぇ! 狐の面を被った子供に囲まれた時は腰が抜けそうになりました!」
「秋月殿! あの笑いながら宙を浮いている髑髏は如何様にして作られたので? マホウとかいう妖術ですかな?」
 次々と出てくる侍の感想に信子は信じられないという面持ちで侍を見やる。
 自分が創り出したのはあくまで迷路そのものでその中身はただの暗闇のはずなのだから。
「いや、そんなものを作り出しては……」
 不思議に思った信子はユーベルコードの発動を中断する。闇の迷宮は一瞬にしてフッと消え去った、が。



そこには何も無い広い平原が果てしなく続いているだけだった……。



 その事実にその場にいた全員の表情が凍る。
 侍の見たものは何だったのだろうか。答えも無く、呆然とする彼らの間を一陣の生暖かい風が嘲笑うように吹き抜けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セイス・アルファルサ
それじゃ鬼ごっこしようか。場所はそこの森の中。
あの森に配置してある沢山の人形たちが鬼。
君たちは武装したままその鬼たちから逃れないといけない。
君たちは鬼たちから逃げてもいいし隠れてもいい。もちろん立ち向かってもいい。ただし鬼も攻撃してくるから気をつけるように。
制限時間は3時間。スタートの合図から5分後に鬼が動き出すよ。
あ、そうそう捕まった人はみんなの前で恥ずかしい秘密暴露してもらうから頑張ってね

それじゃみんな森に入って。全員入ったのを確認したらスタートの合図鳴らすよ。




「それじゃ、僕と鬼ごっこをしようか。場所はそこの森の中」
 赤いクロークを纏った青年、セイス・アルファルサ(瓦落芥弄りの操り人形・f01744)が少し離れた森を指差して提案をする。
「拙者達が逃げるのでありますな?」
「その通り。ただし君たちは武装したまま鬼から逃げないといけないよ」
 そう口にするとユーベルコード【数無し傀儡の大賑わい】を発動して自身の持つからくり人形を次々と複製していく。
 あっという間にセイスの周りには約40体程の即席鬼が取り囲むように生み出されたのであった。
「勿論逃げて隠れるのもいい。立ち向かってもいい。ただし鬼も攻撃してくるから気をつけるように」
「あいわかった。例え鎧を身に纏っていようとも隠れるのは得意ですぞ」
 侍達も口々に逃げ切るだ、返り討ちにするだと言った声が上がる。しかしあくまで訓練、ただの鬼ごっこではなかった。
「ちなみに時間は三時間。捕まった人はみんなの前で恥ずかしい秘密を暴露してもらうからよろしくね」
「三時間!? かなりの長時間かと思われますぞ!?」
「そうしないと訓練にならないからね。全員が森に入ったら合図を出すよ」
 そう言って侍達を次々と森へ送り出す。戦々恐々とした様子で侍達が森の奥へと入っていく。
 全員が森の奥へと入るのを確認してからスタートの合図を鳴らすとセイスは時計を取り出して時間を測り始めた。


「はい、じゃあ五分経ったね。それじゃあ始めようか」
 セイスが目配せをするとからくり人形が一斉に動き出す。機械が入力に従うように散策、探知すれば真っ直ぐその方向に向かって進んでいく。
「う、うわぁ! どうしてここがわかったんだ!?」
「おのれ! なら力付くで……なんだこの速さはグハァ!」
「助けてくれぇ!」
 侍の驚いた声や悲鳴があちこちで聞こえる。時間にしてまだ一時間も経過していないにも関わらず、早くも鬼に捕まり連れて来られる者が現れた。
 森の中は逃げ惑う侍によって喧騒に包まれる。そして鬼はそれを意にも介さず静かに粛々と侍を狙って追いかけ続ける。
「うーん、ちょっと厳しかったかな」
 セイスは森の外から人形を介して観察をしている。結構な数の人形をばらばらに操作しているため細かい制御は難しい筈なのだが思いのほか人形の手の中に侍が収まっていく。
 結果として三時間最後まで逃げ切った者はいなかった。単純に追いつかれた者、抵抗したものの抑え込まれた者、様々だった。
「これは長い暴露大会が始まりそうだ」
 ぞろぞろと侍がからくり人形に連れられて森を出てくる姿を見てセイスは苦笑いをするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真田・さな
【Wiz】を使用します
*アドリブ大歓迎です

私は、ここに集まった侍たちを短時間で強くするために連携の大切さを学んでもらおうかしら?
1足す1は時には1にしかならないけど・・・上手く全員が力を合わせられれば10にも20にもなるように...連携の訓練を行いましょう。

*まずは兵士達の中から、左利きと右利きの人にわけて、それぞれ部隊を構成しますね。
利き手によって槍の振り方とか、弓の振り方にも違いが出てくるので、それぞれの利き手にあった武器の使い方を実践を兼ねながら指導していくわ。
こうすることで、部隊の中で戦いの時に動きにぶれが出ないような、連携の取れた部隊を育成します!




「それではまず右利きの人と左利きの人で分かれて部隊を構成してください」
 真田・さな(捨てられ王女・f05145)が大勢といる侍の集団を利き手を基準に振り分け編成する。両利きの侍については普段使うグループに入ってもらい、二つの部隊となって新たに組まれていく。
 さなは短期間で成果を出すために連携の大切さを学んでもらうことを第一に考えていた。一人一人の力は足しても一にしかならないこともあるが、全員で合わせれば十や二十になることを経験しているからである。
「さな殿。この振り分け方にはどの様な意味が?」
「はい、これは槍の振り方や弓のつがい方というのは利き手によって構え方に差異があります」
 利き手が同じ者が組む事で戦闘時の足並みを一定にさせ、弱点となる部分は反対の利き手の部隊がカバーをし合えばいい。という寸法である。
「おお、あのファランクス部隊とやらも全員が同じ手で武器を持っていましたな」
「確かに歩調は合わせやすい。攻める時も退く時もスムーズに移動できるな」
「それでは実践を兼ねて指導しますね」
 こうして統一された人員による統一された攻撃実践の訓練が始まった。


「少し遅れが出てます。もう少し早めに!」
「いち! にぃ!」
 さなは右利きと左利き部隊の両方が見える位置に立ち、双方の動きを確認する。少しでもズレが生じたならば指摘をして微調整を繰り返す。
 初めのうちは部隊内での侍の個人差というものがあったが、次第に動きにブレが無くなっていく。
「槍を振る時は隣との位置関係に気をつけてください。近過ぎると仲間を傷つけますよ!」
「さぁん、しぃ!」
 槍兵は互いが干渉しないような距離感を維持する。全員の動きが統一されてくると、次第に攻撃から攻撃までのロスも減っていく。
「弓の振り方は号令に合わせてください! 槍以上にタイミングを合わせなければ敵の脅威となりませんよ!」
 弓兵もまた号令に合わせて矢を放つ練習をする。弾くタイミングを何度も何度も繰り返し、実戦では厚く広い弾幕が展開できる様に調整をかけていった。
 さなの育成によって個であったものが一つの大きな塊と変化した。一糸乱れぬ動きはこの先よ戦いを大いに助けてくれるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月25日


挿絵イラスト