エンパイアウォー㉚~コンキスタドールの置き土産
「みんな、お疲れ様。エンパイア・ウォーに関する新しい情報が入ったので、作戦に参加してくれないか?」
ここは、猟兵達の拠点グリモアベース。グリモア猟兵・ガーネットの召集を受けて、猟兵達が広場に集まってきた。
「ここに集まった人の中には、魔軍将の一人、侵略渡来人『コルテス』と戦った者もいるだろう。奴の勢力に打撃を与えたことで、奴が配下の渡来人オブリビオンを呼び寄せる仕組みが判明したんだ」
調査の結果、コルテスは骸の海から渡来人を無限に呼び寄せる、幾つかの『財宝』を所持していた事が判明した。財宝とは、かつてコルテスらコンキスタドールが世界各地の文明から略奪した、いわば『血塗れの財宝』。
「神社仏閣などのパワースポットと呼ばれる場所に、その『財宝』を設置する。それだけで財宝は一定時間ごとに骸の海からオブリビオンを召喚する、というわけさ」
「……自分では一切働かずに、自動で戦力を補充し続けるってわけか。あいつらしい仕掛けだぜ」
毒づく猟兵の一人に、ガーネットはこくりと頷いて言葉を続ける。
「さて、この召喚されたオブリビオン達は一定数に達したら魔空安土城を目指して旅立つわけだが、財宝の周囲には常に10体から20体のオブリビオンが財宝の護衛の為に居残ることになっている。例えば、20体のオブリビオンが召喚されると半数の10体が出撃し、残りの10体が居残り組になるわけだ」
「その居残り組を蹴散らして財宝を破壊すれば、渡来人が出現しなくなるってワケですね」
「そういうことだ。ただ破壊するだけなら敵が少ない時を狙うのが楽だが、敵が多い時を狙えば、それだけ敵の戦力を削ることができる。こちらの戦力に余裕があれば、挑戦してみるといいだろう」
そう言ってガーネットは手の中で輝くキューブ状のグリモアを操作し、中に入っているデータを抽出する。
「戦場は安芸国、北部にある山寺だ。既に寺の僧侶は逃げ出しており、周辺に人の気配はない。遠慮せず、存分に力を振るって戦ってくれ。――では、頼んだぞ」
弥句
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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こんにちは、弥句です。エンパイア・ウォーの戦争シナリオ、二発目いきます。野蛮な渡来人たちをブチのめしてください。
本シナリオは、【集団戦】一章のみの構成となっております。この㉚のシナリオは、成功本数2本ごとに、魔空安土城の一部の戦場の制圧に必要な成功数を1減少させることができます。
尚このシナリオでは、最初にリプレイに登場するキャラクターは『敵が何体の時に攻撃を仕掛ける』かを決める事が出来ます(だいたい10~20体ぐらいが目安)。敵の数によってその後の戦闘の難易度が変わってきますので、最初の人のプレイングが重要となります。派手に暴れて無双したい方は、多めの人数を指定するといいかもしれません。それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『異国の少女剣士』
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POW : 跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD : 縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ : 憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:ちーと
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニレッド・アロウン
つまり……オブリビオンを狩り放題ってことなんですね!ヒャッハー!
敵の数は、当然たくさんいる時、確か20人くらいはいるんでしたっけ?そん時に殴り掛かります!
転移したのなら、自身の戦闘欲を掻き立てるよう【全力魔法】で大量の魔力を放出し魔力障壁で【オーラ防御】を展開、そのまま音速を超えるスピードで敵に突貫し、【衝撃波】で敵を吹き飛ばしていきます!
相手も跳躍で空に飛ぶです?上等です!空中戦と行きましょうか!
暴走する速度を無理くり制御しながら敵を追尾、鋏を構え突き刺すように突撃です!相手からの攻撃なんざ、知ったことかです。刺さる剣の痛みは歯を食い縛り根性で耐え、動揺する敵を地面に叩き付けてやりましょう!
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鬱蒼と生い茂る木々が、晩夏の陽光を遮る山奥の登山道。草を刈り、地面を踏み固めただけの簡素な坂道を登った先に、その古寺はぽつんと建っていた。ここでは数名の僧侶が共に生活し修行に励んでいるのだが、今やその姿は見えず。代わりに境内にたむろしているのは、異国の軍服を着こんだ長い白髪の女達だった。まだあどけなさを顔に残す彼女らは、渡来人オブリビオンの女剣士の一団である。その数、二〇名。彼女らは魔軍将の一人、コルテスの『血塗れの財宝』の守護を任された居残り組。他のメンバーは、既に魔空安土城に向けて旅立った後だ。
「止まれ、何者だ!」
歩哨を務める女剣士が誰何の声を上げる。こつこつと靴音を立てて階段を上ってきたのは、豊かな金髪を揺らす眼帯の女。サムライエンパイアの者ではないと、一目で分かる出で立ちだ。女は歩哨の制止を無視して、無言で近づいてくる。口元に静かな笑みを湛えて。
「貴様……猟兵か! 一人でノコノコやって来るとは、甘く見られたものだ!」
「おおかた、コルテス様の『財宝』の情報を聞きつけて奪いに来たんだろう。取り囲んで嬲り殺しにしてやるっ!」
殺気を漲らせ、少女剣士達が一斉に抜刀する。
「ええ、その通り。戦争に来ましたよ! そしてここに来た猟兵はまだ私一人……つまり……オブリビオンを狩り放題ってことなんですね!ヒャッハー!」
全方位から浴びせられる射貫くような殺気に、ニレッド・アロウン(水晶鋏の似非天使・f09465)は歓喜の叫びを上げ、彼女の戦闘狂としての一面が露わになる。味方と連携を取るのも良いが、自分のことだけに専念して存分に力を振るうのも、また良い。
「空すら超える強靭な翼を!」
ニレッドが、自慢の翼を大きく拡げる。すると、彼女の闘争心に呼応するように、全身に強靭な魔力の障壁が張り巡らされた。
「さぁ……力比べといきましょうかねぇ!」
ニレッドは、愛用する水晶の大鋏を分割、二本一組の小剣として左右の手に持って構える。純白の美しい翼で空気を叩き、空中から敵陣目掛けて鋭く切り込んだ。青く輝く魔力障壁が美しく尾を引き、その姿はまるで彗星のよう。加速することで引き起こす猛烈な衝撃波で、挨拶代わりの先制攻撃だ。
「がッ……!」
ニレッドのぶちかましにまるで反応できず、衝撃波に吹き飛ばされる剣士団。ニレッドは上昇するジェットコースターのごとき軌道でそのまま高く舞い上がり、素早く反転して今度は急降下する。
「跳躍飛翔! 四人一組で空中戦を仕掛けろ!」
指揮官の号令の元、オブリビオンは空中を跳躍しグループ単位で攻撃を仕掛けてくる。小ぶりの片手剣は取り回しに優れており、軽装の防具は空中でも動きを妨げることはない。
「猟兵風情が、思いあがるな!!」
「はー? 別に思いあがってなんかいませんよ? 客観的に見ても負けませんけど!」
翼を激しく羽ばたかせ、ニレッドは空中を目まぐるしく飛び回って20人もの少女剣士団と真っ向から切り結ぶ。空中の主導権争いは熾烈を極め、ニレッドは美しい衣服を血で染めながら激しく戦った。
四人に同時に斬りかかられる。二人の斬撃は両手の鋏で受けたが、残る二人の攻撃は避けきれない。背中と腹を抉られるが、それもオーラ防御で懸命に耐える。それから、怒りの反撃で数倍にして返すのだ。
「負けないって、言ってんでしょォーッ!」
ニレッドは、空中で斬撃を弾くと同時に宮廷舞踊のように体をひらりと回転させる。直後、鋏の刃に刻まれたルーンが輝きを放ち、刀身から凄まじい冷気が噴き出した。すると、ニレッドを包囲していた4人が、まとめてその冷気に巻かれた。
「これは……凍結術式!? くっ!」
「――そら、堕ちろ!」
ニレッドは傷つきながらも、冷気を帯びた双刃で4人の敵を纏めて斬り払った。そしてすかさず小粒の氷弾を生成して射撃し、それを盾にして鋏を構えて次々と突撃し、地面へと叩きつけていった。受け身も取れず、グシャリと音を立てて物言わぬ骸に変わる。ダイヤモンドダストを撒き散らしながら空中を華麗に駆け、ニレッドは次の標的に刃を向けて不敵に笑った。
「さぁ、次はどいつです!?」
大成功
🔵🔵🔵
大豪傑・麗刃
この大豪傑麗刃は…いわゆる変態のレッテルをはられている…
思い当たるフシはないではない、が、曲がりなりにもサムライエンパイアの出身。今回ばかりはネタ一切抜きのシリアスでいくのだ。
最初の人がある程度削ったとはいえ、敵はまだ多数。多数相手に無策で突っ込むのは愚策、策を考えないといけないのだ。
んで結論。
全員斬ればいいのだ。
ということで。
はあああああああああ(それっぽい気合い)
(スーパー変態人2発動!!)
右手に刀2本!左手に脇差2本(にしては大きすぎるバスタード・ヒーロー剣)!で思い切り突っ込んで敵を斬りまくるのだ!
敵は飛ぶらしいが空中戦ならわたしの方が上なのだたぶん!
ある程度削って疲れたら後は頼むのだ
フォーネリアス・スカーレット
【希望数:20】
「何体だろうが関係ない、オブリビオンは皆殺しだ」
確かに一度に20人を相手取るのは難しい。だが、分散させてしまえばただの連続戦闘だ。両手で印を組み、囁く。
「……サップーケイ!」
迷宮で敵集団を遮断する。近頃頼り過ぎている気はするが、どうにも便利だ。後は迷宮に潜み、不意を打って背後から電磁居合斬りで両断、油を撒いた場所に炎剣を投げ込んで纏めて地獄焼き、至近距離に詰めて両手両足の楔撃ちで仕留める。やり様などいくらでもある。それに、
「こいつ等を全滅させたらさっさと増援に向かった奴らも殲滅せねばならん」
ただの一体も逃がしはしない。皆殺しだ。
鈴木・志乃
※人格名『昨夜』で戦闘
……これ以上の戦闘は体へのダメージが強すぎる
それでも志乃の望みだから、やらなきゃ
それが彼女の願いなら
空へ逃げようというのなら、容赦はしない
UC発動
どれだけ遠くに逃げようとも
空を足場にしようとも
全て、全て殺し切る
オーラ防御常時発動
敵の攻撃は第六感で見切り、光の鎖で武器受けからのカウンターなぎ払い
必要に応じて念動力ロープワークで縛り上げる
敵に囲まれたらこれ幸いとばかりに全力魔法の衝撃波でぶっ飛ばす
エンパイアウォー80戦越え
既に限界なんて振り切れている
それでも戦うのは、この戦争が一刻も早く終結して欲しいから
その為に私達は戦っているんだ!!
●
「おのれ、猟兵め……!」
猟兵の奇襲を受けた渡来人オブリビオンの軍団。四体の兵を失ったが、すぐさま態勢を立て直し、残る16人で反撃に転じるべく陣形を整える。
「何体だろうが関係ない、オブリビオンは皆殺しだ」
オブリビオンへの敵意を露わにし、強い殺気を迸らせるのはドラゴニアンの女戦士、フォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)。アーメットヘルムの奥で赤い眼を爛々と光らせ、敵を鏖殺すべくユーベルコードを発動させる。
「……サップーケイ!」
フォーネリアスが殺意を込めながら印を組むと、戦場一帯に異変が生じた。小さな寺の境内だった筈が、墨絵の描かれた鋼鉄の襖と祝儀敷の畳で構成された奇妙な風景に切り替わる。突然発生した怪現象に、戸惑いを隠せない女剣士達。
「な、何が起きた!?」
「空間に作用する術か! 味な真似を……!」
フォーネリアスが生み出した『殺風景』は複雑な構造となっており、しかも出口が一カ所しか無い。そのうえ、簡単には破壊できない強度で出来ている。多人数の敵を相手取るにはうってつけの技と言える。敵を分散させてしまえば、あとはただの連続戦闘に過ぎない。迷宮の中に潜伏し、死角から襲って始末していくのだ。フォーネリアスは足元の畳をひっくり返すと、素早く床下へと潜り込んだ。
「ど、どこに隠れた……!?」
豪華な武家屋敷を模した迷宮の中は、フォーネリアスの独壇場だ。ある者は茶室の
中に誘い込み、掛け軸の裏から現れて電磁居合刀『焔繁』で斬って捨てる。またある者は狭い廊下に油を流し、炎剣を投げて火あぶりに。追い詰めたところへ、手足に仕込んだ楔を撃ち込んでトドメを刺した。
「クソッ! こんな罠があるなんて、聞いてないぞ!」
「脱出ルートはないのか!?」
戦意を失い、迷宮の中を逃げ惑う渡来人たち。しかし、フォーネリアスはどこまでも冷酷に敵を追い詰めていく。
「お前達はもうどこにも行けはしない、ここで死ね!」
復讐の刃が振るわれるたび、オブリビオンは儚い命を散らして骸の海へと消えていった。フォーネリアスがこの戦いで葬り去ったオブリビオンは、六体を数えた。
「こいつ等を全滅させたら、さっさと増援に向かった奴らも殲滅せねばならん」
ただの一体も逃がしはしない。皆殺しだと、フォーネリアスの憎しみの炎は激しく燃え盛っていた。
「この大豪傑麗刃は……いわゆる変態のレッテルをはられている……。思い当たるフシはないではない、が、曲がりなりにもサムライエンパイアの出身。今回ばかりはネタ一切抜きのシリアスでいくのだ」
そんな独り言を呟きながら『殺風景』の中に現れたのは、着流しにジャージを羽織ったサムライの青年。大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は、サムライエンパイアのさる武家の生まれである。奇人変人揃いで知られる大豪傑一族に生まれた麗刃といえど、国の命運を左右する一大決戦の最中とあっては、さすがにシリアスに行かざるを得ない。
「こっちが出口か!」
神妙な面持ちで迷宮を進む麗刃の前に、剣を携えた異国の敵兵がやって来た。いきなりの鉢合わせに面食らったが、あくまでも動揺した素振りは見せない。今日はクールに行こうと決めているのだ。
「猟兵がいたぞ、斬れ!」
「最初の人がある程度削ったとはいえ、敵はまだ多数。多数相手に無策で突っ込むのは愚策、策を考えないといけないのだ」
――思案した結果、麗刃が導き出した結論とは。
「全員斬ればいいのだ!」
……策とは一体。
「はあああああああああ!!」
ぐっと深く腰を落とし、両足を力強く踏ん張って拳を握り、気を練り始める麗刃。少年漫画の主人公を真似して遊んでいたら、ある日出現したユーベルコードを発動させる。「んんん、わたしは超怒ったのだーーー!!!!!」
シュゴゴゴゴゴッ! という激しい効果音と共に、麗刃の全身が青白いスパークを伴う金色のオーラに覆われる。これが、麗刃の戦闘力を超強化する秘技・スーパー変態人2(スーパーレイクン2)。名前はアレだが、迸る闘気のプレッシャーたるや尋常ではない。
「くっ……なんというプレッシャーだ!」
「怯むな、総員突撃っ!!」
チームリーダーの号令下、剣を構えて5人の剣士が斬りかかってくる。麗刃は左右の手に愛刀を二本ずつ握り、四刀流を以て彼女らを迎え撃つ。女剣士達は全方位から麗刃に襲いかかったが、斬りつけた瞬間に麗刃の姿は霞のごとく消失する。高速で回避して生み出した残像だ。
「なっ……」
「これで、さらばなのだ!」
左右の刃が振るわれ、剣閃が走る。瞬く間に二体の敵を斬った麗刃は、シュインシュインと金色のオーラを噴き出しながら空中に浮き上がる。
「こいつ……ふざけているが強いぞ!」
「ふざけてなどいない! この力を出すと疲れるのだ。シリアスはさっさと終わらせて、麗ちゃんはお笑いに戻るのだ」
地を蹴って素早く空中へ跳躍した3人へと、麗刃が愛刀を閃かせて躍りかかった。
「……これ以上の戦闘は、体へのダメージが強すぎる」
鈴木・志乃(ブラック・f12101)の肉体には、彼女の亡き親友『昨夜』の霊が宿っている。志乃が疲弊して意識を途切れさせた時、志乃の代わりに『昨夜』が目覚めて活動することができるのだ。既にエンパイア・ウォーの作戦を80以上こなしている志乃は、心身共に限界を迎えている。
「それでも志乃の望みだから、やらなきゃ。それが彼女の願いなら」
志乃は舞台役者であり、ネット配信者だ。沢山の人をパフォーマンスで楽しませ、幸福にするのが志乃の願いである。命を失った自分に出来ることは、彼女の願いを叶える力になることだ。
「――いたぞ、猟兵だ! 一人でいるぞ!」
だから、こんな戦争は一刻も早く終わらせなければならない。昨夜は戦争そのものに対する怒りを燃やし、ユーベルコードの力を解き放つ。
「くっ……何だ、この光は!?」
昨夜の左の腿に刻まれた『聖痕』が、淡い光を放った。その光は全身に広がり、彼女の意志に応じて絶大な力をもたらす。襲い来る敵の数は五体。少し多いが、やるしかない。
「そんなハッタリが、通用すると思うなっ!」
白刃をきらめかせ、少女剣士達が昨夜に一斉に斬りかかる。洗練されたコンビネーションだが、昨夜は第六感を頼りに斬撃を見切り、聖者の光を吸い込んだ鎖を振るって攻撃をはたき落とす。
「遅い……攻撃の軌道が見え見えだ!」
頬を刃に裂かれながらも光鎖を薙ぎ払って反撃し、オブリビオンを次々と打ち据えていく。打撃と同時に邪なる者を焼く聖光をぶつけ、溢れる光で敵を内部から破壊していく。
「くっ……後退する!」
「どれだけ遠くに逃げようとも。空を足場にしようとも。全て、全て殺し切る」
空を蹴って距離を置こうとする者には、念動力で鎖を長く伸ばして拘束。ロープワークで雁字搦めに縛り上げたところへ、容赦なく衝撃波を叩き込んでトドメを刺した。
4人の猟兵によって、20体のオブリビオンはすべて駆逐された。猟兵が寺の本堂に踏み入ると、そこには一振りの剣が安置されていた。黄金と銀による豪奢な装飾が施された、長い曲刀だ。
「……これが、コルテスの『血塗れの財宝』か」
アーミットヘルムの奥から、フォーネリアスがくぐもった声で呟く。
「勇者の象徴か? それにしても、美しい剣だ。持ち帰って、部屋に飾ってみたいのだが……ダメか?」
「あなたの部屋にオブリビオンが湧いても知りませんよ」
昨夜からの鋭いツッコミに、ぶんぶんと首を振る麗刃。結局、剣はその場で破壊されて処分された。コンキスタドールによる凄惨な歴史の象徴は、遠く故郷を離れた異国の地で最期を迎えたのである。とにかく、これによって織田信長との最終決戦は猟兵たちに有利に働くはずだ。
大成功
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