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エンパイアウォー㉑~BLADE OF KING

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #弥助アレキサンダー

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 関門海峡。本州は山陽道・長門国、そして九州は西海道・豊前国の間を隔てる海峡。
 かつて源平の決戦が行われた壇ノ浦もこの水域に存在する。謂わば海上の古戦場。
「フェンフェン、フェフェン」
「ああ、そうだな。『全ては信長様の為に』――!」
 九州に入る為には避けられないこの海峡にて、彼らは待ち受ける。
 大帝剣『弥助アレキサンダー』。そして隠し将『豊臣秀吉』。
 海上を埋め尽くすように浮かぶ船には毛利水軍が陣を張り、二人の将への道を阻む。
 その二将は、信長への紛う無き忠誠の為、戦いに望む。


「エンパイアの歴史と、俺の生まれたUDCアースとでは多少歴史の詳細が違う部分、あるさよね……面白いと言うか、何と言うか」
 早乙女・翼(彼岸の柘榴・f15830)は軽く首を傾げ、苦笑い浮かべながらグリモアベースに集う猟兵達を前に説明を開始した。
 アース世界の歴史では弥助はイタリア人宣教師によって連れて来られたアフリカ人奴隷であり、信長に献上された後に侍となった男。エンパイアの歴史では少なくとも信長に仕える忠実な部下である点は共通しているらしい。
 彼はメガリスと称される渡来人の至宝――『大帝の剣』『逆賊の十字架』『闘神の独鈷杵』――を所持し、戦いに用いる。
「そして豊臣秀吉……なんだけど」
 何か人の形状していないんだけど。黒くてもふもふで意味は解るけど人語で喋ってないんだけど。オブリビオンとして蘇ったせいなのか、逆賊の十字架による異形強化のせいでそうなったのかは良く解らないけど。まぁ、細かいことは気にするな。
「秀吉は文字通りその身を盾にして弥助への攻撃を受け止める。つまり彼を倒さない限り、弥助を攻撃することは敵わない」
 しかも、と前置きした上で。
 彼らの先鋒として、大帝の剣によって操られた毛利水軍が猟兵達を敵と認識して襲いかかってくる。勿論彼らは一般人――とは言え長州藩毛利家と言えば関ヶ原で西軍の将を務めた程であり、その藩士ともなれば屈強な武士であるのは間違い無い。
「戦である以上、命を落とし奪うと言う事はあるだろうけど……出来るならば殺さずに済む方法を取って欲しいと願うのは、俺の我が儘ではないさよね?」
 それに――と翼は告げる。ここで毛利の者を皆殺しにでもしようものならば、江戸幕府の未来に禍根を残す可能性がある、と。アースにおける幕府の歴史を知る者であれば、察することかも知れないが。

「最後に……今回の戦場は、最初から最後まで『海上』だ」
 飛ぶなり泳ぐなり。または乗り物や騎乗。かの源義経よろしく船から船へ、海に浮かぶ破片をも利用し飛び回るのも有りだろう。
 俺なら飛んでいくかな、と笑むと。その名の如き赤い翼を広げ、彼は転送を開始した。


天宮朱那
 天宮です。関門海峡の一番狭い辺りを壇ノ浦と呼ぶようです。関ヶ原と言い、旧き戦いの行われた地での戦いとか、何と胸熱。
 プレイング採用にあたって幾つか注意点がございます。以下を一度お目通し頂けますと幸いです。

 オープニング公開直後よりプレイング受付開始とします。
 二章・三章は導入部分を挟んでの受付開始とします(なるべく前の章終了直後に入れるように尽力します)。
 決着が付く人数が集まった段階でマスターページやTwitterより〆切告知しますので随時ご確認下さい。

 今回のシナリオは戦争シナリオの中でも特殊で、三章構成となっております。
 一章 冒 険『毛利水軍を突破せよ』
 二章 ボス戦『隠し将『豊臣秀吉』』
 三章 ボス戦『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

 それぞれ必要な🔵の数は少なくなっておりますので、苦戦や失敗が重なるとシナリオ自体の失敗に繋がります。
 全章継続参加の必要はありません。二章・三章からの参加も大丈夫です。
 プレイング次第では前の章の参加者が確実に採用されるとも限りません。
 書ける範囲で出来るだけ成功するように採用し、なるべく早期完結を目指します。

 攻撃や防御の行動はある程度具体的に書く事を推奨します。
 技能名を羅列しただけでは技能は活かせません。どう使うかを文章に組み込んで頂く方が活きた行動となるでしょう。技能名は【】や『』等カッコ不要です。

※ 注 意 ※
 大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
※ ※ ※ ※

 どうぞご武運を。熱いプレイングお待ちしております。
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第1章 冒険 『毛利水軍を突破せよ』

POW   :    邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。

SPD   :    毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。

WIZ   :    毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

上崎・真鶴
うーん、あたしは飛べるわけでもないし海の上を走れるわけでもないからなぁ
ここは一つ、ひいおじいちゃんにお願いしよう!

UC【夢】で、ひいおじいちゃんを想像するよ!
あたしが父さんやお爺ちゃんから耳に胼胝ができるほど聞かされた話の通りをイメージするなら、ひいおじいちゃんの全盛期は30代半ばのはず!
きっと海の上だって走れるし、八艘飛びだって行けるに違いない
無敵なんだから手加減して戦うことも出来るよね、多分
敵の水兵を海に蹴落としたり、峰打ちで済ませたりしつつ、あちこち移動して相手を混乱させようと思う

あたしは……付いて行けそうなら、ひいおじいちゃんの後を追って一緒に戦うけど、無理そうなら船の上から観戦するよ


喜羽・紗羅
アドリブ連携歓迎
WIZ

地多爾得無で潮の流れ、天候の情報収集
海が荒れる時間を想定して、その時に仕掛けるわ
そうなればきっと、彼等は何も出来ないから
海の人ってそういうの警戒するでしょ?

合わせて囮を――余り人を乗せたりしないで
相手の動きをけん制する船団を正面に展開するわ
そうして動きを止めたら、天気を見て作戦開始よ

簡単に旋回出来ないタイミングで小舟に乗り移って移動
多少荒天でも自由に動かせる漁船がいいわね
白波に紛れて敵に近づかせて――後は勇気よ!
大丈夫、これでも猟兵
波のタイミングを見て聞いて計り
走って跳んでバンドを撒いた太刀を投げて
甲板に引っかけて飛び移るわ

……うん、頑張る。水着も着てるし濡れても平気!



 関門海峡。左右に陸地が見える、さほど広くもなければ狭くもない水域にひしめくは毛利水軍が誇る戦船。
 それに対抗して駆り出された船はさほどの装備を備えている訳でも無く。
 しかし、喜羽・紗羅(伐折羅の鬼・f17665)はそんな状況下だからと言ってむやみに突っ込むことはしない。
 彼女が首にかけた鎖――地多爾得無は大地と空間の記憶を探る。そして、この海原さえも。潮の流れ、この季節の天候を読み取ると、海の荒れる時間は想定がつく。
「流石だな嬢ちゃん。幕府から寄越されただけある」
 そう呟くのは近隣藩より集められた船に乗る侍と、それに従う地元の漁師。この辺りの海を良く知る漁師の経験と、紗羅が告げた時刻は誤差の範疇で。
 海が荒れてきたその頃を見計らって、少人数の漁船による船団を水軍の真正面に展開させる。潮の流れは此方から彼方に。流れに逆らう形となれば、何も出来ない筈。
「海の人ってそういうの警戒するでしょ?」
「ちげぇねぇな」
 波が荒くなる。紗羅はそこから白波に紛れ、敵が近付くのを待ちながら――飛び移る機を待つ。
 その近く。上崎・真鶴(人間の剣豪・f00449)の乗る船もまた、敵陣に少しづつ近付いているものの。
「うーん、あたしは飛べるわけでもないし、海の上を走れるわけでもないからなぁ」
 ゆらゆら波に揺れる船の上で、真鶴は少し考えて。そしてぽんっと手を打った。
「ここは一つ、ひいおじいちゃんにお願いしよう!」
 そして真鶴が念じると――朱色の甲冑に身を包んだ若武者が其処に見参する。
 凜々しい表情に逞しい身体。只者ではない気配を見に纏うその漢こそ――戦国時代に赤備えの一員として活躍した、真鶴の曾祖父『上崎・甚右衛門』その人であった。
「うちのひいおじいちゃんね、すっごい強かったんだって」
 無邪気な程の笑みを浮かべ、ユーベルコードで想像より創造した曾祖父について語って胸を張る真鶴。父や祖父より耳タコで聞かされた話をイメージしたらしい。
『……いざ参る』
 甚右衛門は刀を手に駆け出した。その爪先は海面を踏み、全力で敵船に向かう!
「え、え? なんか海の上走ってない?」
 紗羅はあっけに取られた表情でその様子を見つめ、問う。それに対し、真鶴はニコニコしながら、さも当然のように答える。
「ひいおじいちゃんは無敵だもの。海の上だって走れるし、八艘飛びだってお手の物だし、刀の一振りで船を真っ二つにだって出来るんだよ!」
 三十代半ばの全盛期の曾祖父ならなんだって出来る。そう信じて疑わない真鶴。
「な、なんだなんだ!?」
『――御免』
 船から船へ、次から次へと毛利水軍の兵を蹴落としたり峰打ちで気絶させたりする甚右衛門の無双状態。無敵だから手加減だってお手の物!(と真鶴は信じてる)。
「――はっ!? そうだ、真鶴さんの曾祖父さんに全部任せる訳にはいかないわね」
 物凄いのを見てしまったので自分が攻めるタイミングを逃しそうになりつつ、紗羅は波を見て聞いて……そして敵の船が近付いたところに向けて、飛ぶ!
「また新手だ!!」
 敵軍の兵が叫ぶ。甚右衛門が最初に混乱させてくれたお陰で矢も射かけられず。バンドを巻いた太刀を甲板に引っかけ、船の側面にしがみついた上で飛び乗った。
 敵を前に、紗羅は太刀をすらりと抜いた。海面の如く波打つ刃紋が妖しく輝く。
 勇気を胸に敵陣に踏み込んだ。大丈夫、私はこれでも猟兵だもの――!
「喜羽、紗羅……参る!!」
 離れた船で真鶴が応援する中、彼女の曾祖父に負けじと紗羅は刀を舞い振るう。
 果たして海に落ちても、水着だから濡れても平気だしね! ぽろりはしないよ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤星・緋色
ふぇんふぇん!
何かどこかで聞いたことあるけど、どこのモンキーさんなんだろうね

この時代の船の弱点はね、動力に自然の風を利用したものと人力で動かすしかないってところ
つまり、水上移動に文明の利器を使えば簡単には妨害できないのだ
帆船でジェットスキーを追い回すとかは初速が違いすぎて無理だしね

というわけで。
ひっさつ、ノリモノ!
加速と最大側の違いに小ささを活かした速度で突破するよ
道を塞がれたらフェイントや切り返しをつかって切り抜けていこうか
あとは砲撃とか射撃が来るかもだけど、この時代の飛び道具なんて遠方への命中率なんてたかが知れてるし
そこは射線を上手く見切って抜けていこ

まってろアレキサンダーとモンキーな奴!



「この時代の船の弱点はね――」
 赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)はえっさほいさと船を漕ぐ水夫を尻目に解析結果を告げる。
「動力に、自然の風を利用したものと、人力で動かすしかないってところ」
「それ以外に何かあるってのかい、ボウズ――って、そいつぁなんだ」
 荒くれ水夫が櫂を力一杯動かしながら緋色に向けて問う。いや、男達の目は彼の下にある何かに向けられている。興味津々と言った具合に。
「これ? ふふ――ひっさつ、ノリモノ!」
 彼のガジェットがユーベルコードで騎乗形態になったものらしい。どんな変形を果たしたのかは良く解らないが、とにかく凄くて早そう。
 緋色の策とは。水上移動に文明の利器を用いる事で、簡単に妨害などさせないこと。果たして帆船でジェットスキーを追い回すなど、出来ようものか。いや、初速違いすぎて無理無理無駄。
「というわけで、行ってくるね!」
 そう言って緋色は全開フルスロットルな感じで水軍に向かって駆り出した。
「な、なんだアイツは!?」
「早っ……!!」
 迎撃しようと弓を番えて放つ敵水軍。だがそんな飛び道具なんて命中率だってたかが知れている。駆ける風圧が次々と矢をも蹴散らし、道を塞ごうと動いてきた船もフェイントしかけ、ハンドル切ってすり抜けていく。
「ヒャッハー!! 待ってろアレキサンダーとモンキーな奴!!」
 その速度は最初からクライマックス。緋色はこの向こうにいる将達への戦いに思いを傾けながら海の上を駆け抜けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

花盛・乙女
大帝の剣…!
なんという強い響きだ。
エンパイアの危機とはわかっているが、一剣士として。
花盛乙女、推して参る!

いまだ精強との誉れ高き水軍を相手に出来るとは心が躍る。
操られているというのは残念なところだが。

刀は使わない。
「怪力」「ジャンプ」を駆使して船から船への八艘渡りで船員を手刀、或いは「グラップル」で昏倒させていこう。

どのような距離であれ、私の【火喰鳥】の前に距離は意味を成さん。
刀を使われれば当身にて折ろう。
矢を使われればかわし、或いは「見切り」飛んでくる矢を掴んでやる。

確か貴様らの一族の逸話にあるな。三本の矢。
まぁ、私なら何百本あろうがへし折れるがな、と折って見せて心も砕いてやるか。



 海風を頬に感じながら、彼女――花盛・乙女(羅刹女・f00399)は荒れつつある海の向こう、船団の遥か先に感じる氣のようなものをビリビリ感じていた。
「大帝の、剣……!」
 何と言う強い響きだろう。聞く所によれば、大帝の剣を相手にしたところで大抵の剣は打ち負けて折られてしまうとも言うではないか。
 ああ、武人の血が騒ぐ。故郷たるエンパイアの危機とは解ってはいるが、一剣士として彼女はこの戦場に降り立ったのだ。
「――花盛乙女、推して参る!」
 そして彼女は船底を蹴り、まるで焔を纏った鳥の如く――敵の船に向けて飛んだ。
「なにっ……!? ぐがっ」
 数町分であれ半里の距離であれ、目視出来れば……乙女の火喰鳥の餌食。鋭い手刀は鳳凰の嘴のように水軍兵を昏倒させる。
「おのれ、次から次へと!!」
 刀を手に襲いかかってくる武士達をひらりとかわすと当て身にて打刀の側面より打撃を与える事で叩き折る。
「未だ精強との誉れ高き毛利水軍を相手に出来るとは、心が躍る!」
 操られているのでなければ、もっと素晴らしく仕合えるだろうか。その事を残念に思いつつも彼女は船から船へと八艘渡りの妙技を見せつつ、次々と船の上に乗る敵に手刀食らわせ、時には投げ飛ばしながら昏倒させていく。
 ふと風鳴りの音を感じる。振り返りながら身を捩れば、足下に数本の矢が突き刺さった。
「嗚呼、そう言えば――」
 乙女は足下に刺さる数本の矢を手に取った。矢と毛利……と言えば、有名な逸話があった事を思い出さない訳がない。
「三本の矢――確か貴様等の一族の逸話にあるな」
 その手に掴んだ矢は十本を越えているだろう。乙女は纏めて両手で掴むと口の端を上げて笑ってみせた。そして言った。
「まぁ、私なら何百本あろうが――」
 べき、めきっ。
「へし折れるがな!」
 ばききぃっ!!
 束となった矢が纏めて彼女の手元で真っ二つに折れた。
 それを目の前にした毛利の侍達は所詮一般人か……戦いに向けた心まで折られたかのように、心まで砕けたかのように、戦いの意思を失いつつあったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『隠し将『豊臣秀吉』』

POW   :    墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:フジキチ

👑4
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 毛利水軍の陣を抜け、その先に征けば。
 大きな渦の流れが海面に描かれているのを猟兵達は気がついた。
 その中心に――大渦の中心海面に浮遊し、何やら集中している大男が見えてくる。
『来たな、猟兵』
 弥助アレキサンダーはこちらに顔を向ける。その瞳には強い意志が窺えた。
 船やその残骸を足場に進もうとしたその矢先。
『フェン、フェフェーン!!』
 どこからともなく、大きな黒い毛玉のようなものが飛来してきた。
『秀吉殿!!』
『フェフェン、フェンフェン!!』
 弥助の描く大渦への道を塞ぐように、隠し将・豊臣秀吉が猟兵達の前に立ち塞がる。
 こう言っているのだ――自分を倒さずして、弥助の元には行かせぬ――と。
 彼を倒さぬ限り、弥助への攻撃は全て受け止める。その覚悟がひしと感じられるのだ。
 まるでゴム鞠のように――四方八方飛び跳ねながら、秀吉は猛スピードで襲い来る!
赤星・緋色
ふぇんふぇん、ふぇんふぇんふぇんふぇん!
(出てきたね秀吉。終戦まで残り少ないしここはサクッと突破させてもらうよ)

なるほどー肉体に伸縮性と弾力性を与える攻撃なんだね
でも、能力で慣性は消せないし操作もできないと

それなら反撃の機会が来るまで距離を保ちながら回避に専念する感じかな
相手の攻撃は大体が、振り被る、振り下ろす、伸びるの順になるはずだから
攻撃モーションの予備動作を見切って上手く回避していく感じ
あとは戻すときの攻撃もありそうだから、振り回し系の攻撃の時は対角線上に入らないように気を付けよ

反撃はガトリング!
属性弾は雷をセット
海はイオンで溢れてるし、多少外しても電機は近くに流れるからね
手数で押すよ



「ふぇんふぇん、ふぇんふぇんふぇんふぇん!」
(※訳:出てきたね秀吉。終戦まで残り少ないしここはサクッと突破させてもらうよ)
『フェフェ!? フェンフェンフェーン……』
(※訳(推定):何!? 同じ言語を操るとは……)

 赤星・緋色(f03675)と対峙した秀吉は海に浮かぶ板の欠片に足を乗せると訝しげに鳴いた。果たしてこの会話が成り立っているのかは極めて謎ではあるのだが。
『ッフェェーーン!!!』
 黒い毛玉が咆えた。間髪入れず、その身体が浮かぶ板を蹴る。ゴム鞠よりも更に強い瞬発力と弾力性をその身に宿し、海に浮かぶものを足がかりに緋色に向かって飛びかかってきた!
「……!」
 最初は体当たり。ふわふわしてそうな見た目によらず、勢いによるそれは相当の重みを感じさせ、緋色は船の上から落下を免れるのがやっと。
「なるほど、ね――」
 肉体に伸縮性と弾力性を与える攻撃と見た。だがその動きを見るや、ある程度のコントロールは出来たとしても、慣性までは消せていない。それを素早く察した緋色は秀吉が次に仕掛けてくるのを視界から外さない。
『フェフェーーン!』
 回転しながらその長い腕を振り被り――。
「そこだね!」
 振り下ろす。緋色が飛び退いた船の底板をバキッと割り、弾みで伸縮しながら別の方向に飛ぶ。着地してからの次に向かう方向がいまいち予測が難しいが、攻撃に向かう瞬間はその四肢の動きで察することは不可能ではない。
 そしてその為にも秀吉の間合いから離れ、距離を保って回避に専念する。待つべきは反撃の機――!
『フェンッフェーン!!』
「食らえ、ひっさーつ!!」
 緋色が向けたのはガトリングガン。魔導蒸気によって駆動するそれの銃口は此方に向かってくる秀吉に向け、真っ直ぐ向けられていた。
 海原に連続して響き渡る銃声。その弾に籠められるは雷。
『フェフェフェッ!?』
 間一髪で回避しようと試みる秀吉だったが、慣性で跳ねて飛んだ軌道をそう簡単に変化出来る筈もなく。しかもここは海上。塩分を含んだ水は大いに電気を通す上、高い湿度は即ち水蒸気――!
『フェン!? フェンフェーーン!?』
 その身に受ける弾丸、そして迸る電撃に黒き猿は悲鳴を上げた。
 動きはゴム鞠でも本人は電気遮断などする訳もなく。もふもふな黒い毛玉は蓄えられた静電気でチリチリになりながら、尚も必死で立ち向かう。
「手数で押すよ――!」
 緋色は更に銃口から弾を吐き出させ、海上には電流がプラズマの如く走り光った。

成功 🔵​🔵​🔴​

上崎・真鶴
わざと海に落ちるのはどうかな
秀吉は弥助を守る為に居るんだし、彼を放置してまで追ってこないと思う
墨俣城ロボも秀吉の動きをトレースするんだから多分追ってこないよね
後は海中でひいおじいちゃんを呼んで、二手に分かれて海面に上がり、二方向から秀吉を攻撃するよ
ひいおじいちゃんは弓の達人だって聞いてるから船や残骸を足場にして射撃
あたしは金剛灼杵の光刃をレーザーみたいに伸ばして狙い撃つ
これなら一方が秀吉たちに攻撃されても、もう一方の攻撃は入るはず
むしろ秀吉がどちらかに攻撃する瞬間をもう一方が狙えば、動きを予測し易いかも

一緒に動けそうな人がいたら、邪魔にならない範囲で合わせよう
あと泳ぎに邪魔なら鎧は脱いでおくよ


喜羽・紗羅
アドリブ連携歓迎

空を飛びまわるってか。何だあの黒い奴――秀吉公?
こっちの歴史と随分形が違うようだが、まあいい。行くぞ!

何だあの城みてえなデカい絡繰りはッ!?
しかも飛んでる……だが図体がデカいなら、これでどうだ!
偽装バッグの機関銃で対空援護、味方の攻撃が当たる様
海上の地形を利用しつつ、跳び回って牽制するぜ
回避に専念して、更に事前に仕入れた潮の流れの情報から
大波でこちらの姿を隠せるタイミングを見計らう
それで攻撃を乗り切るんだ
こんなにデカけりゃ狙いにくいだろうよ!

そして波に飲み込まれたと見せかけるんだ
敵が油断した隙を伺い
一気に間合いを詰めて飛び込んで一閃!
更に反動で蹴り飛ばして態勢を整える準備をする


花盛・乙女
豊臣秀吉公…猿と揶揄されていたとは知っていたが、よもや化生の類だったとは…
とはいえ油断は出来ん。花盛乙女、推して参る。

巨大なからくりを扱う技への対策は簡単だ。
私の「怪力」を持ってして、「ジャンプ」を駆使して二刀にて受ける。
体が大きいということは即ち速度ではこちらが勝るということ。
斬れるのならば厄介そうな腕から切り落としてくれる。

しかして本丸はやはり本体の秀吉だ。
からくりの攻撃はかわし、いなし続け隙を待つ。
隙を見出せば【火喰鳥】にて接近して放つ【剣刃一閃】、神速の居合い【雨燕】にてその首を獲る。

死してなお衰えぬ信長公への忠心、見事。
なれば力を持ってこの羅刹女、押し通る!
……む。く、首はどこだ!?



『フェンフェーン!!』
 何とか一人海に沈めてきた様子の秀吉が鳴き声を上げて此方に向かって飛んでくるのを見、喜羽・紗羅の中に宿る『鬼婆娑羅』は舌打ち一つ。
「空を飛びまわるってか。何だあの黒い奴――秀吉公?」
 首を傾げるのも仕方が無い。何せUDCアースの世界で見た秀吉の肖像画とは似ても似つかないどころか、獣の様な姿をしているのだから。
「豊臣秀吉公……猿と揶揄されていたとは知っていたが。よもや化生の類だったとは」
 エンパイア出身の花盛・乙女もまた困惑の表情を隠しきれない。見た目は黒い毛玉でさほど強そうどころか、愛らしい風貌にも見えるが、油断してはならないことは重々承知の上――。
「あ、あれは――!?」
 上崎・真鶴は秀吉の不穏な動きに気がつき、指を示し叫ぶ。飛び上がったかと思いきや、空中の一点にとどまって何やら不気味なオーラに身を包み念を集中させている。
『フェフェフェーーーン!!!!』
 雄叫びが響く。それに呼応する様に海面がせり上がり、大きな城が姿を現した!
「城……だと……!?」
 驚愕する三人を更に驚愕させたのは。城と思われたそれは、その壁面から腕を足を突出させ、天守閣がぐるんと回転したと思ったら顔のようなものが姿を現したのだ。
「何だあの城みてえなデカい絡繰りはッ!?」
『フェンフェンフェーーン!!』
 紗羅の驚きと共の問いかけに対し、四肢と顔を得た城の上に飛び乗った秀吉は恐らくドヤ顔をして此方に叫ぶ。
「何だって、墨俣城型ロボ……!?」
「それがあの絡繰りの名か! だが、ロボとは何だ!!?」
「今はそれどころではないよね!?」
 突如現れた巨大ロボ相手に一瞬同様を隠せないものの。そこは猟兵にして剣豪たる三人の女傑達。
「まあいい。行くぞ!」
「花盛乙女、推して参る!」
「負けないんだから!」

 墨俣城ロボは上に乗る秀吉の動きに合わせ、パンチやキックを次々に猟兵達に放つ!
「きゃあ!?」
 鎧を脱ぎ捨てた真鶴が拳を避けると同時に足下の船を砕かれ、海に転落する! 秀吉も落ちた彼女を追う事はしない。彼は弥助を守護するのが目的で有り、猟兵を退ければそれで良いのだから。
「しかしまぁ、飛んでるだと……? だが図体がデカいなら、これでどうだ!!」
 スクールバッグに仕込まれた機関銃を放ちながら紗羅は飛ぶ。幸いこの海上という地の利を得るため、潮の流れや波のパターンは把握済みだ。
 ざばっと大きな波が来たタイミングでその小さな身体を紛れ込ませるように身を隠し、秀吉の視界から見失うよう仕向けた。
『フェフェン!?』
 何処に行ったろ叫んでいるようにも見えるそこに、乙女が大声で叫び対峙する。
「痴れ者が! その身は大きいだけで付いている目は節穴か!!」
 挑発の叫びに流石の秀吉もアタマに来たのか、ロボを操り彼女に向けて巨大な拳を浴びせかけたが。
「はあっっ!!」
 乙女は飛び上がり、自らその拳に向かって二刀を交差し宙で受け止めた! 彼女の怪力を持ってすれば、陳腐な絡繰りなどどうってことない。
 身体が大きいと言う事は、攻撃も大雑把な上に動きも遅く、読みやすいとも言える。その見解は乙女も紗羅も同じだった。そして細かい動きや機敏な動きは此方が有利――。
「その腕落としてやろうか!」
 乙女が放った刀の一閃。だが落とすには少し足りない。しかし。
「隙だらけだ!!」
 波間から飛び出すように紗羅が現れた。一気に詰めた間合い。飛び込みざまの一撃はロボの片腕を斬り付け、腕の先を落とすに至る。
 壁を蹴ってその反動で下がった所に、弓矢の攻撃が墨俣城ロボの城壁に次々と刺さっていった。飛んで来た方向を見やると、そこには真鶴の祖父――上崎・甚右衛門が矢を番える姿。
「ひいおじいちゃんは弓の達人でもあったんだから!」
 海中で再び曾祖父を呼び出した彼女は少し離れた小舟に何とか這い上がったらしく、ずぶ濡れのまま自慢げに微笑んだ。
『フェンフェンフェンッ!!』
「させないよ!」
 秀吉はロボの残された腕で甚右衛門目がけて拳を放つ。だが、それを阻害したのは真鶴が撃ち出したレーザーの如き光刃。着弾した先から小さな爆発が発生する。
(「絡繰りの対処は出来ているが……しかし、本丸はやはり秀吉本体か」)
 乙女は尚も攻撃をかわし、いなし続けながらも隙を待つ。このロボを倒したところで、また召喚されてしまえば終わりだ。
「そこか!」
 ロボの頭上の秀吉が見えた。そして仲間に目配せする。それに応じるように、彼女と秀吉の直進路にあたる腕や攻撃を紗羅と真鶴で牽制する。
 その一瞬――乙女は秀吉への道を見出す――!
「はああぁぁっっ!!」
 上昇気流に乗る燕のように、真っ直ぐ乙女は飛んだ。
『フェッ!?』
 視認さえしていれば一気に距離を詰める。それが彼女のユーベルコード。
「死してなお衰えぬ信長公への忠心、見事――」
 超至近距離から一歩の踏み込みを経て、手にした刀が一閃を放つ!!
「その首、貰い受ける!!」
 強力な一撃が秀吉の身を裂き、同時に巨大な絡繰りが音を立てて崩壊する。
 落下した乙女の元に真鶴と紗羅が駈け寄った。
「乙女さん、無事……だよね!?」
「ああ、心配無用――く、首は、首はどこだ!?」
「あれのどこからどこまでが首なのか、さっぱり解らないんだが……」
 海面の船の上に立ち上がり、辺りを見回すと最早秀吉の姿はなく。
 残るは――大帝剣の男のみ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

POW   :    大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:みやこなぎ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『秀吉殿を退けたか……なかなかやるじゃねぇか?』
 まるで好敵手を前にでもするように、彼は笑った。
 弥助の手にした『闘神の独鈷杵』は輝きを増し、それに呼応するようにその足元で渦巻く大渦の回転が強まっているようにも見える。
 同時に――彼の所持する3つのメガリスが力を徐々に高めているようにも。
 弥助はその力を用いている故か、海の上を浮遊したまま、まるで地に足を付けているかのように剣を抜き構えた。
 轟々と響く渦の音――壊れた船やその木片がぐるぐると巻き込まれ、飲み込まれていく様が見えるが、もし地の利を生かすとすれば、あれを利用するのも一つの手か。
『さぁ、決着を付けよう。信長様の為にも――この弥助、逃げも隠れもしねぇぜ!!』
 いざ、決戦の時。
赤星・緋色
ふぇんふぇん!ふぇーん
(逃げも隠れもしない?意義あり!さっきまで秀吉の背後に隠れてたよ)

へいへーい、決着の時だよ
コイツはモンキーと違って浮いてるだけで飛ばないっぽいのかな

相手の攻撃は触れたらやばいっぽいし
反撃のタイミングがくるまでダッシュ、ジャンプ、逃げ足の技能を駆使して壊れた船やその木片を逃げ回るよ
ロープワークと見切りを使えば空中でも回避軌道を変えたりできそうかな
あとは木片なんかを盾や目くらましに使ったり

そして再び登場ガトリング
属性弾は風
効くかわからないけど相手を近づけない様に風で押し戻し、距離を取りながらダメージで削っていこう

まあ海に落ちてもスカイステッパーとノリモノで戻ってこれそう
たぶん



「ふぇんふぇん! ふぇーん」
『――ああっ!? すまねぇ、波の音で聞き取れないんだが!!』
「逃げも隠れもしないって異議有り! さっきまで秀吉の背後に隠れていたよ!」
 赤星・緋色による言いがかりの様なツッコミに弥助は苦笑を禁じ得ない。
『細かいこった気にするとハゲるぜ?』
「ぶーぶー、アフロに言われたくないな! へいへーい!!」
 挑発でしか無い台詞だが、弥助はそれくらいで激高する程度の男ではなく。見た目からして子供の言う事とでも思っているのだろう。
『行くぞ!!』
 弥助は緋色に向けて波の上を文字通り駆け抜ける。その太い二の腕からは複数の目が浮き上がった肉塊――『視肉』が姿を見せ、視線を緋色に向けて蠢く!
(「あれに触れたらやばい――!」)
 闘志を奪う力を持つという視肉を視界に入れ、緋色は海上に浮かぶ壊れた船や木片を足場に猛ダッシュで弥助から逃げる。
『さっきの威勢はどうしたんだよ、ボウズ!!』
 足場から足場へとジグザグに逃げる緋色に対し、弥助は海面を一直線に向かえば今にも追いつきそうで。少年の目と鼻の先まで近付いた不気味な肉塊。だが。
「えーいっ!!」
 足場にしていた板の端っこを思い切り踏みつけるとその反対側がシーソーのように持ち上がり、畳返しのように盾になって彼と弥助の二人の間を隔てた。
 板にぶつかる鈍い音。ぶよぶよの肉は丈夫な板を叩き割るには不向きであったか。弥助の舌打ちする音が聞こえた気がした。
 その間にも緋色はバク転しながら手にしたのは先程秀吉を撃ち抜いたのと同じガトリングガン。がちゃ、と小さな金属音の後に響くは連続した銃声。
「さぁ、秀吉も味わったこの弾、受けてみてよね!」
 その属性は風。駆け抜ける風刃を伴って、吹き抜ける空圧を纏って、弾数よりも命中に重きを置いたその魔弾が海鳴りの上を駆け抜ける!
 板を貫通し、撥ね除けたその先から視肉に、そして弥助にぶち込まれる風弾。
『ぐはあっっ!?』
 一弾一弾当たる毎に弥助の身は風に押し戻され、距離を強制的に離される。
 だが、それだけで倒れるような魔軍将ではない。
 弾が一瞬途切れた。ガトリングとは言え、無限に撃ち続けられるものではない。
『鉄砲の三段撃ちより凄ぇぜ、見直したよボウズ』
 渦の動きが変化していた。離れたと思った筈が、近くに引き寄せられていた。
 そして間近に駆けてきた弥助の右腕が唸りを上げ、ラリアットの如く視肉の塊が緋色の身に衝撃を与える。
「あ……」
 一気に手足の力が抜けるのを感じるのは、闘志が根刮ぎ奪われたせいか。
 ノリモノを――そう思う間もなく緋色は海に落ち、そのまま転移の光に包まれた。
『達者なのは口だけじゃあなかったぜ』
 筋肉の鎧を流れる血を指で拭い、弥助は口の端を釣り上げてそう呟いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

上崎・真鶴
単純で重い一撃かぁ
あたしは弥助みたいに空も飛べないし、逃げずに受け止める方が良さそう
ただし板切れとかすぐに沈みそうな小舟や残骸を足場にしておいて、攻撃された時にそのまま沈んで衝撃を軽減しよう

後は泳いでこっそりとその辺の小舟や残骸にでも移動するよ
もし船の上に身を隠す場所があればそこに、無ければ船の縁に掴まって船体の陰に隠れて
そのままわざと流されて大渦に入っていく
弥助が無人の残骸だと思ってくれたら、注意が逸れた所を秀吉の時みたいに狙い撃つ

もし弥助が近付いてきたら金剛灼杵を構えた状態で待ち受けて攻撃される前に鉄壁で防御しよう
あたしは動けなくなるけど、その時に金剛灼杵の光刃を出せばカウンターになるはず


喜羽・紗羅
コイツはヤバい相手だな……
(あのアフロ、海に立ってる!)

既に海域の状態はこれまでの戦いで粗方把握している筈
アイツの近くの異常な状態、それを見極めなければ
足場は何とか目視で把握しつつ、舟板や船そのものに
飛び移りながら戦うぜ

無機物が渦潮になるってんなら、砕けた舟板とかで防ぐしかねえ
それに海自体が天然の盾になるだろう。潮目を読んで上手く躱す!

それに電撃なら海水で拡散する筈
巫覡載霊で薙刀を手に、衝撃波で波を起こして奴に近づくぜ!

渦潮に飲まれそうになったら飛び掛かる
斬ると見せかけて偽装バッグから散弾をお見舞いだ!
それから――貫く!

可能な限り仲間と一緒に、衝撃波で援護を続ける
テメェを倒せば後は信長だけだ!



「コイツはヤバい相手だな……」
 喜羽・紗羅――鬼婆娑羅は弥助のただならぬ気配に舌打ち一つし息を飲んだ。
(「あのアフロ、海に立ってる!」)
 その中では本来の人格たる紗羅が見当違いの驚愕をみせているが、見た目的にインパクトの強い絵面だからまぁ仕方ない。
 既に海域の状態はここまでの戦いの中で粗方把握していた……筈だった。
 だが、弥助の周りは文字通り海面が渦巻き、はっきり言って異常な状態。それを見極める必要を感じながら、紗羅は流れる舟板や壊れかけた船を足がかりに飛び移りつつ敵に接近した。
『おっと、無闇に近付くと痛い目遭うぜ!!』
 弥助は左手に握りしめた独鈷杵を掲げた。解き放たれる雷が渦の勢いを増しながら迸り、紗羅を襲う!
「ちぃっ!!」
 砕けた板を咄嗟に跳ね上げる。木の板は有機物。渦潮に変換される心配もなく、盾として雷槌を受け止めるるも、その役を果たすと同時に木っ端微塵に破壊された。
 電撃はその性質故、一瞬で海上を駆け抜ける。紗羅も直撃は免れたとは言え、その身に駆け抜けた雷槌がピリピリと手足の感覚を奪っていた。その間にも紗羅の乗る船板はグルグルと渦の中心に向かっていく。
 そこに、上崎・真鶴はその雷撃の範囲の外より弥助に向かって駆ける。
「単純で重い一撃かぁ……」
 自分は彼みたいに空は飛べない。ならば逃げずに受け止めるしかない――。
 そう決意を固めたところで。
『次も来たか猟兵! 俺のこの一撃を見事受けてみやがれ!!』
 弥助は手にした大帝の剣を振り被った。鈍色の剣は斬るよりも叩き付けることによる鈍器のようなもの――!
「!!」
 真鶴は愛刀である信濃国清真を持ってその一撃を受けた。切れ味が並程度だが恐ろしく頑丈なのは敵の剣と似たようなもの。
 だが真鶴は強力なその一撃の負荷を自分の小さな身体だけで受け止めるようなことはしない。何せ足下は板一つ挟んで水。彼女の身は杭を打たれたかのように海の中に沈められ、周囲の渦すら大きく歪んだ。
『まともに受けやがったか……どこまで沈んだ……?』
 海の中に力ずくで叩き込んだところで、真鶴の姿を一瞬見失い、目で追う弥助。
 その彼の背に突然衝撃が走る。
『――!!』
「よそ見してる場合か?」
 そこには異形の鎧を見に纏った紗羅の姿。神霊体の身を得た彼女は、渦の中心から駆け上がるように跳躍しつつ薙刀を振るい、衝撃波を次々に弥助に向けて飛ばす。
『さっきのでくたばるタマじゃねぇとは思ったが――!』
 弥助は再び独鈷杵を手にし、雷槌を放とうとするも。
「させないよ!!」
 その真下。真鶴が五鈷杵より光刃を放ち食らわせた。
『なにぃっ!?』
 沈んだと思われた彼女は壊れた船の残骸に身を隠し、わざと渦の流れに身を任せることにより、弥助の注意を逸らしつつ間近に接近を果たしていた。
 近距離からの真鶴の攻撃を受けつつ、やや離れた位置より紗羅の攻撃が来る。
『一対二じゃあ、分が悪ぃな……!』
 そう口にした弥助は独鈷杵を渦に向けた。その回転が速まり、二人が足場にしていた板が更に思わぬ方向へと流れ出す。
「飲み込まれる前に――!!」
 紗羅は板を蹴って弥助に飛びかかる。薙刀から繰り出される一撃を受け止めようと剣を構えた弥助だったが。
 聞こえたのは銃声。
『ぐ、があっ!!?』
「ははっ、引っかかったな!」
 バッグから見える銃口を横に紗羅は口の端を釣り上げ、そのまま手にした薙刀ですれ違いざまに貫く!
 弥助の脇腹を抉りながら紗羅は海に落下。そのまま渦の中央に飲み込まれ消える。
『は、ただじゃあ帰らないか。そっちの嬢ちゃんは黙って帰ってくれねぇのか?』
 残る真鶴の姿を認めた弥助は一気に接近し、帰り際の一撃を受ける前にと大帝の剣を振り下ろす!
「耐えて……見せる!!」
 光刃を現出させた金剛灼杵を構えたまま彼女は攻撃を待ち受けていた。来る、と思った瞬間。真鶴はその身を鋼に変え、同時に光刃を繰り出していた。
『――!!』
 大帝の剣は少女を海の底に叩き付けるも、最後に繰り出された刃は男の左腕を刺し貫いた。
 今度こそ木片ごと渦に飲み込まれ、その先で転移の光に包まれた少女。それを見届けた弥助は身に走る痛みに顔を歪め、なんとか体勢を整えようとしていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花盛・乙女
待たせたな弥助何某、大帝の剣とやらの力を見せてもらおうか!

単純で重いと称されるその一撃、正面から受けよう。
見れば大帝の剣は切れ味よりも鈍器に近い。
ならば「怪力」で四肢の筋肉を固め「グラップル」の柔を駆使し、白刃取りだ。

足場の不安定な船の上で、と思ったか?
その激烈な威力であれば、海の底まで割ることも出来よう。
両の腕が折れても、大抵の剣を折れても、私の心は折れない。
痛みは「激痛耐性」で消す。
海の底で黒椿を咥え、満身の力を込めて「ジャンプ」
【雨燕】、秀吉公と同じ技にて骸の海へと送ってやろう。

弥助何某。貴様の信長殿への忠心も見事。
されど私にも譲れぬ義、そして誇りがある。
故にその首、とらせてもらうぞ。



 尚も渦巻く海を前に、力強く船板を踏みしめる女武者が叫ぶ。
「待たせたな弥助何某! 貴様の大帝の剣とやらの力を見せてもらおうか!」
 花盛・乙女はこれから戦う強者を前に気持ちが昂ぶるの感じずにはいられない。何せ相手は魔王信長の腹心とも言える漢だ。
『なら見せてやるぜ! その目ン玉よぉくカッ開いて見てろよ!!』
 手負いながらも口は減らず。弥助はその厚い唇の端を釣り上げると大帝の剣の柄を両手で握り構えると、振り上げながら乙女に向かって迫る!
「さぁ、来るが良い!! その一撃、受け止めてみせる!!」
 乙女は真正面より振り下ろされる剣の一撃を待ち構えた。大帝の剣は切れ味重視の刀と違い鈍器に匹敵する異国式の諸刃剣。怪力で成らした四肢の筋肉を駆使し、剛を柔にて制す――そして彼女の両掌は剣の側面を挟み、白刃を――止めた。
『なにぃっ!?』
 片や空中すら己の足場にしているに対し、片や不安定な船の上。まさか読んで字の如く、素手で受け止めるとは。
 刃は彼女自身には届かない。だが渾身の力をもって叩き込まれた激烈なほどの威力は衝撃を海の底まで届かせる。
 ――海が裂けた。
 足場の下の水が失われ、乙女の身体は重力に任せてそのまま落下する。
 両腕の感覚は失った。恐らく折れているだろう。だが大抵の剣が折れようとも、彼女の心は決して折れない――!!
 身を捩り、佩刀の柄を口に咥える。悪刀にして愛刀・黒椿は彼女に呼応するように抜き放たれると黒光りする鋼の刀身を見せた。
 渦と共に割れた海が再び元に戻る。完全に海の裂け目が塞がる前に、彼女は敵の男――宙に浮かぶ弥助をその視界に収めた。
「弥助何某……貴様の信長殿への忠心、見事」
 されど――と一言告げながら、乙女は跳んだ。
 ――譲れぬ義が、そして誇りが私にもあるのだ――と。
『――なっ!!?』
 まるで鳳凰が海の底から舞い上がるかのように。または燕が空高く舞い上がるかの如く。高速跳躍した乙女の咥えた刃は弥助の喉元を捉えていた。
 既にここまで攻撃を受け続けていた負傷の蓄積が弥助に回避の行動を遅らせる。
 飛び散る鮮血。取り落とされる法具と剣は男の断末魔と消滅に伴って消える。
「雨燕――先程、秀吉公を討ったと同じ技だ」
 消えゆく渦を、落ち着いていく海面を、板片の上に着地した上で乙女は見送る。
 その首は貰い受けた。さぁ征くが良い……骸の海へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月31日


挿絵イラスト