エンパイアウォー㉚~正直コルテス腹立つし企み阻止ろうぜ
「どうも諸世界の歴史を学んではみたが、侵略者やコンキスタドールという類は好きになれぬゆえにな」
仙堂・十来はそう切り出して肩を竦めた。傍らのテーブルにはUDCアースで仕入れた歴史の概説書とヒーローズアースの『まんがでまなぼうせかいのれきし』、さらにサムライエンパイアの史書も含めたさまざまな歴史本が置かれている。エンパイアウォーで忙しく予知が現れ戦況分析が行われるグリモアベースに詰めている間、暇さえあれば読み進めていたらしい。
というわけで。
「まぁいけ好かないついでに、あのコルテスとやらがオブリビオンを召喚している仕掛けを山陽の方で見つけてな。どうも奴の持つ財宝の中に『骸の海からの召喚』を行えるものがあるらしく、オブリビオンを呼んではその財宝の護衛をさせつつ、数が揃えば魔空安土城へと送り出しているらしい」
なのでおそらくは様々な文化よりコルテスが略奪してきた『血塗れの財宝』をぶち壊し、召喚によって信長軍に加わるであろうオブリビオンを減らしておこう、という作戦である。
財宝の周囲には常に最低10体、最大20体のオブリビオンが存在している。用心深いことに『召喚されたオブリビオンが20体になった地点で、10体が魔空安土城に移動する』というルーチンを繰り返しているようなのだ。
つまり財宝を破壊するためには最低でも10体のオブリビオンと戦わなければいけない。逆に言えばここでなるべく多めにオブリビオンを撃破しておけば、敵の戦力を多めに削ることが出来る。
とはいえ。
「まず第一目標は、あくまで『財宝による召喚儀式の破壊』だと考えてもらえると助かるぞ。今のままでは信長軍が手間を掛けずとも、定期的に戦力が増えてしまう。今こそがコルテスの企みを打ち砕き、未来の信長軍を増やさないようにできるちょうど好機、どうかよろしく頼みたい」
集まった猟兵達を見渡すと、十来は深く頭を下げた。
炉端侠庵
●今回は戦争です
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
というわけでこんにちは、炉端侠庵です。
今回は「最初にリプレイに登場した人が戦う敵の人数を決められる」という特別ルールがあります。
つまり「ちょうど〇〇人になったところで襲いかかる」ということですね!
オープニングにもありますが、敵の人数は10~20体です。
基本的にはプレイングの到達順によって判断しますが「他の人に任せる」とあった場合は、人数を最初に指定したプレイングを頂いた地点で決定します。
ただしお任せのプレイングのみが集まった状態でプレイング失効日を迎えそうになった場合は、私の12面ダイス(1D12+9体、12は振り直し)が火を噴きますのでよろしくお願いします!
戦うオブリビオンの数によってシナリオ難易度は変動し、また財宝の破壊のためにはシナリオ成功が必須となります。
というわけでなんか腹立つコンキスタドールの作戦を台無しにしてやりましょう!
よろしくお願いします!
第1章 集団戦
『異国の少女剣士』
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POW : 跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD : 縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ : 憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:ちーと
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
コトト・スターチス
ゲームで歴史をまなんだコトトですっ
わるい人のたくらみはしっかり解決しましょう!
はやく攻略するため『10人』の時にとつげきします!
【ねこへんしん】でパワーアップして挑みますにゃー!
(黒猫耳尻尾と天使の翼が生える)
上空から最高速で突っ込み奇襲して、メイスをがつんと叩き付けて確実に一人は倒す、最低でも【気絶攻撃】で無力化しますにゃー!
その後も弱った敵から確実に狙って倒したいですにゃー!
敵の攻撃に当たるとまずそうなので、ユーベルコードではなく僕の技能でしっかり動きを【見切り】、【残像】をつけて回避しますにゃっ
ここぞと言う時は【空中戦】で一撃離脱戦法をしますっ
「お天道さまに代わっておしおきですにゃー!」
サムライエンパイアの山陽地方、とある小さな山中の祠。
霊験あらたかとは言われてはいるがその割に地元の人たちにも若干存在を忘れられがちなその敷地に――コトト・スターチスがあらわれた!
「ゲームで歴史をまなんだコトトですっ!」
そう、なんと彼女は幼い頃からゲームプレイ動画をキマイラフューチャーでアップしてたし、MMORPGで辻ヒーラーをしていたら猟兵に覚醒したというという若きハイパーゲーマーなのだ!
「わるい人のたくらみはしっかり解決しましょう!」
というわけでスピード攻略目指して突撃だ!
ちょうど今、コトトが狙いを定めた通りオブリビオンが『10体』となったところ。確実な攻略が大事という局面でのゲーマー、それもパーティの安定性を司るヒーラーらしい選択と言えよう。
「へんしんっ! 聖天使猫モードですにゃー!」
手の中に現れたメイスを掲げてきらきら可愛いユーベルコード『ねこへんしん』!
真の姿たる神聖かわいい聖天使猫(ホーリーエンジェリックキャットフォーム)モードに変身だ!!
「あっあれは……!?」
異国の少女剣士オブリビオンが空を見上げるその時には――もう遅い。
黒猫の耳と尻尾、それに天使の羽根で完全にセイントでキュートなコトトがメイス構えて――降ってくる!!
――ごすんっ☆
すっごくいい音を立てて、オブリビオンが1人一瞬で星になった。
さらにくるっと身を反転。もう一度素晴らしいヒット音と共に倒れる少女剣士。
今度は気絶させただけだが、それでもナイス威力で後頭部に入った。聖職者の武器という印象が(特にゲームでは)強いメイスだが、遠心力でぶん回したときの威力は実際凄まじいのだ。
「お、落ち着いて狙えっ!」
まだ幼さ残した少女に見えてもオブリビオン、そして剣士の名に違わず繰り出す鋭い剣撃を、コトトがすっと地を蹴ってかわす。さらにもう1人が突き出した剣が貫いたのは残像――気絶から起き上がったオブリビオンにもう一発メイスを叩きつけてから、即座にコトトはまた空へと舞い上がった。
空中を使った一撃離脱戦法ならば、対応は限られる。再び舞い上がって、そのまま即座に急降下突撃!
「お天道さまに代わっておしおきですにゃー!」
ごしゅんっ☆
今回は何とか気絶せずにコトトを迎撃しようと構えていた剣ごと、超高速で叩きつけられたメイスが再びオブリビオンを葬り去ったのであった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
※人格名『昨夜』で参加
お任せで
もし万が一誰も指定しなかった場合は12体
多勢に無勢で立ち回ることになろうとも、ここで確実に宝を破壊したい……
まさか宝が一つ二つなんて、そんな訳ないでしょうしね
UC発動
瞬間移動の使い手ですか……正直不得手ですね
それでも、やらなければ
オーラ防御常時発動
基本は光の鎖を念動力、ロープワークで操り早業武器受けと
縛り上げで攻撃します
あまり遠距離になるなら呪殺弾で威嚇
第六感で移動のタイミングを見切り、それと同時に強力な念動力の衝撃波を放ちなぎ払います
上手く嵌れば吹っ飛んでくれるはずですが……
余裕あれば呪殺弾でこっそり魔法陣でも描いて全力魔法で全員ぶっ飛ばすのも良いかもしれません
さらりと長く流れる白髪を後ろに払うと、瞳に夕べの色を宿した女性はすらりと光の鎖を展開する。その扱いを極限まで高めるユーベルコード『Ms.Yesterday』、それは『在りし日』の『彼女』を現すかのように。
――端的に言うと。
エンパイアウォーに全力で参戦していた無理と疲労が心身ともに祟って倒れた鈴木・志乃の代わりに、本来は霊魂として宿っている『昨夜』が憑依して戦っているのだ。
「多勢に無勢で立ち回ることになろうとも、ここで確実に宝を破壊したい……まさか宝が一つ二つなんて、そんな訳ないでしょうしね」
その身に鎧の如くオーラを纏い、くるりと光の鎖を回しつつ昨夜は戦場へと飛び込んだ。先に戦う猟兵に気を取られたオブリビオンを、背後から輝きの鎖が襲う――!
「新手!?」
「くっまずいな、このままだと『宝』がやられる!」
慌てて昨夜の前に立ち塞がった少女剣士達の剣を、すかさず鎖で絡め取ったかと思えばそのまま念動力で補助して身体まで巻きつけ、手元にぐっと引き寄せる。輝きを纏った鎖に締め上げられて、オブリビオン達が低く声を漏らした。
さらに加勢しようというのか向かってくる少女の足元に、威嚇するように呪殺弾を叩きつける。
振り解かれる動きには抗わず、鎖をすっと手繰り寄せる。リーチの長い武装を警戒してか、近づきかねたオブリビオンの――けれどその目配せが目に留まる。左右に分かれ駆け出したかと思わせて、瞬間移動で昨夜を前後から挟み撃ちにしようとする、ならば。
「っ!」
彼女自身を中心とした衝撃波に吹き飛ばされる2人に、追撃とばかり呪殺弾を解き放つ。流石に下がり、あるいはかわして再び立ち上がり、また剣を構えて突撃しようとするその瞬間。
その『範囲』には、猟兵は誰もおらず。
そしてオブリビオンはほとんどがその『範囲』にいた。
好機。牽制代わりに放っていた呪殺弾は、けれどそれだけを狙ったものでもなかったのだ。
発動に魔力を込める。簡易ながらもそれは、呪力を込めて大地に穿った点で描かれた魔法陣。
瞬間移動で死角に入った少女の剣は、オーラ防御だけに任せて発動に集中する。流石に灼くような痛みが背後に走るも――魔法陣から全力で発動した術が、オブリビオン達を一気に吹き飛ばした。
さらに振り向きざまに叩きつけた鎖が、剣を振るったばかりのオブリビオンへと真っ向からぶち当たり、消し去る。骸の海へ還ろう、と呟いた意識は、昨夜のものだったのか――それとも。
まだ戦いは佳境。ふ、と息を吐くと、昨夜は再び魔術と鎖の狙いを未だ無事なオブリビオン達へと向け直した。
成功
🔵🔵🔴
村崎・ゆかり
侵略者も面倒な置き土産を。いいでしょ、壊してあげる。
どうせなら敵が20人いるところを襲いたい。
巫覡載霊の舞と執金剛神降臨で相手をするわ。
「衝撃波」を伴う「なぎ払い」と「串刺し」を中心に、執金剛神の金剛杵で叩き潰す。
瞬間移動をしてきたら「先制攻撃」で即応し、「高速詠唱」「破魔」の不動明王火界咒で反撃する。
複数同時からの攻撃に対しては「なぎ払い」の相殺狙いと、「全力魔法」の「オーラ防御」で防ぐわ。
ねえ、あなたたち。どうしてこんなところへやって来たの? 今なら元いた世界に帰れるんじゃない? それなら見逃してあげる。
聞く耳無しか。オブリビオンだものね。仕方ない。一人残らず討滅して、骸の海へと追い返す。
オブリビオン達が守る『宝』は、まだ新手を呼ぶ様子はない。しかし既にコルテスは倒されたといえど、この財宝自体はオブリビオンを召喚し続けるのだ。
小さく肩を竦め、村崎・ゆかりは溜息混じりに呟いた。
「侵略者も面倒な置き土産を」
ほんっとな。
信長軍にしてみればありがたい遺産だろうが、サムライエンパイアとそれに与する猟兵達には大変厄介な代物が残されたものである。
――だからこそ、その厄介事を片付けに来た。
「いいでしょ、壊してあげる。オン ウーン ソワカ、四方の諸仏に請い願い奉る……」
呼吸を整え、真言を唱える。相手が異国の民を呼ぶならば、こちらは世界こそ違うえども同じ日本古来の陰陽道で応えるまでだ。
「其の御慈悲大慈悲を以ちて、此の時此の場に御身の救いの御手を遣わしめ給え!」
請い願うは執金剛神の降臨、同時に己は神霊体と化して壮麗なる薙刀を握る。その刃に衝撃波を纏わせて振るえば同じ動きを執金剛神がなぞり、二重の波動となってオブリビオン達を叩きのめす。
「っ、こっちからも!」
「ああもう、財宝の場所がバレてるなんて……!」
口々に言い合いながら、まだ残った少女剣士達が衝撃から起き上がると次々に大地を蹴る。右から駆ける姿には右手だけで振るう薙刀に乗せた衝撃波をぶつけ、左手には盾の如く集めたオーラで剣を防ぐ。すっと一歩下がって再び気を込め薙刀を横に振るうと、真っ直ぐに彼女らを見つめてゆかりは問いを口へと乗せた。
「ねえ、あなたたち。どうしてこんなところへやって来たの?」
「野蛮な地の民などに聞かせることではないわ!」
「今なら元いた世界に帰れるんじゃない? それなら見逃してあげる」
「笑わせるわね、オブリビオンたる私達は、貴様らの慈悲など受けると思わないで!」
一切の妥協を寄せ付けず、口を開く気もないとばかりの少女達に、聞く耳無しか、と小さく、どこか切なげにゆかりは息をつく。
(オブリビオンだものね。仕方ない)
無論、対話できないとわかってしまえば、その覚悟に躊躇などない。
1人残らず討滅して、骸の海へと追い返す。一呼吸で意識を切り替えると、間近に迫っていたオブリビオンの1人へと剣が振るわれるより先に白紙のトランプを叩きつけた。見た目の平凡さとは裏腹に強力な呪を込めた符、既にそこに不動明王の力を借り受け乗せる真言は唱えてある。
強い破魔の力を宿した符が炎となってオブリビオンを絡め取り、さらに両手で突き出した薙刀、執金剛神が共に振るう一撃で消し去る。
召喚された元の世界どころではなく、骸の海までオブリビオンを追い尽くす、このサムライエンパイアを守るための戦い。その趨勢は、猟兵達の側へと手繰られつつある――!
大成功
🔵🔵🔵
鞍馬・景正
既に到着されている方は多い様子。
決定に従い突入いたしましょう。
もし決めかねているなら【20体】時に斬り込み。
撃滅の機を逃さずに参りましょう。
◆戦闘
天高く飛ぶとて、得物が剣であれば切り結ぶ瞬間がある筈。
その好機を逃さぬだけよ。
二刀を構え、前後の頭上に警戒しながら動きを【視力】で追い、飛び込んで来る瞬間を【見切り】、間合に入った瞬間に【鞍切】で断たせて頂く。
複数から襲われれば【2回攻撃】で対処し、斬り込まれれば刀で【武器受け】。
【怪力】で押し返した隙に、斬撃の【衝撃波】で返り討ちにさせて頂く。
もし味方猟兵が危うい状況なら我が身で【かばう】事も辞さず。
素早く殲滅し、財宝とやらを破壊しましょう。
鞍馬・景正――代々の武名を謳われ、今は徳川家の旗本たる鞍馬家の嫡男である彼にとっては、こたびの戦は故郷を守る戦いに他ならない。
そして普段は生真面目にして節義を重んじ、戦となれば羅刹の血が昂ぶるままに剣を振るう。景正はそういう男であり、そういう武人であった。
「天高く飛ぶとて、得物が剣であれば切り結ぶ瞬間がある筈」
片の手には無骨な漆黒拵えに反して絢爛の波濤に似た波紋の刀、逆の手には銘はなく、けれど確かな切れと圧を持つ脇差。二刀を構えたその姿は動かず、静にして動を待ち受ける。
すなわち、オブリビオン自らが飛び込んでくる瞬間を!
「っ!」
二人同時に挟むように、飛び上がった正面上から、身を低くして背後は下から。少女剣士達の攻撃を、すっと二刀が遮った。背後の刃を脇差で受けたまま、正面の少女と鍔迫り合いに持ち込む。線の細さに見合わぬ怪力は羅刹の真骨頂とも言えようか、押し崩した瞬間を鋭き斬り下ろしに衝撃波を乗せて両断。
その間に後ろのオブリビオンが距離を取る、だがそれがわからぬはずがあろうものか。
刀にかかる圧がなくなれば当然予測はつくもの、そして――斜め後ろ、上からだ。視界の端に捉えている。
「――鞍馬の名にかけて、貴様を斬る」
半歩、半身を取ってかわし、ただ斬る。
真っ向からの『鞍切』。
それが、この場に集まった猟兵達がオブリビオンを圧倒し、その最後の1体までを葬った瞬間であった。
血塗れの財宝は砕け散り、コルテスの遺した布石もまた1つ消え去った。
そして魔空安土城もまた、大地へと堕ちた。猟兵達の、手の届く場所に。
この作戦の成功は何よりの朗報であり、凱歌となるだろう。そう、織田信長との最終決戦に向けて――!
大成功
🔵🔵🔵