エンパイアウォー㉗~呪詛に耐え抜く特訓
「皆さん、関ヶ原での戦い、お疲れさまでした。
結果は上々とか……皆さんのおかげです、本当にありがとうございました。」
深々と頭を下げながら言う八咫。
八咫にとっては故郷であるサムライエンパイア……それを救う手助けをしてくれている猟兵達への深い感謝だ。
そして、いつもの笑顔で現在の状況を話し始めた。
「現在、関ヶ原の戦いに参加した幕府の兵士たちの士気が、いい具合に向上しています。
実際のところ、まともな合戦は久しくなかったので、このように戦う機会がなかったのですよね。
それも勝ち戦とくれば、気分が上がるのも当然というもので……ふふふ、今なら彼らのさらなる強化が見込めるかなと。」
八咫の笑みが深くなる。
悪戯を思いついたような、楽し気な笑みが。
「というわけで、彼らには呪詛に耐え抜く特訓をしてもらおうと思います。」
そういうと懐から、禍々しくお札の張られた藁人形を取り出す八咫。
「この藁人形ですが、込められる限りの呪いを詰めてあります。
ふふふ……そう身を引かないでください。
ありったけのものを詰めましたが、効果はごくごく弱いものでして……呪われたところで寒気を感じる程度ですから。
耐性がないひとなら……近づけば近づくほど、寒気が強くなるでしょう。
もちろん、離れれば寒気も消えますから、安心してください。」
……本当か? という疑いの目を向ける猟兵達。
しかし、八咫は気にせず話を続ける。
「ファランクス……でしたか、あの陣形を作っていた農民たちのように魅了されたりしては、困りますからね。
それに耐え抜く訓練です。
この藁人形を前にして、寒気を感じなくなるまで立っていられたら合格、という簡単なものですね。
……とはいえ、普通の人ではまず方法が解らないでしょう。
そこで皆さんの出番です。
皆さんならどうするか……その方法を兵士たちに教えてあげてください。
気合の入れ方でもいいですし、自身へ向く呪いを他へ逸らす方法……例えば、何か別のものに集中させる、なども有効ですね。
皆さんの好きなように、教えてあげてください。」
それではよろしくお願いします……と、幕府軍が待つ広場へ藁人形を置いて、八咫は笑顔で去っていった。
ヨグ
ヨグです、エンパイアウォー戦争シナリオ第9弾となります。
皆さんのやり方で、彼らに教えてあげてください。
なお、この訓練により、幕府軍の被害を減少させる事が出来ます。
幕府軍に被害が出た時に、『㉗幕府軍の大特訓』で成功判定の出ていたシナリオ%だけ被害が減少し、幕府軍が生き延びる事が出来るでしょう。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険
『幕府軍の大特訓』
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POW : 腕立てや腹筋、走り込みなど、基礎体力を向上させる訓練を施します
SPD : 危険を察知する技術や、強敵からの逃走方法などを伝授します
WIZ : 戦場の状況を把握して、自分がやるべきことを見失わない知力を養います
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
小烏・安芸
呪詛の話やて聞いたから来てみたんやけど、訓練なぁ。かける方も耐える方も慣れとるけど、ウチのは体質というか性質みたいなもんやから参考にはならんし……呪詛に効き目がありそうな道具を用意する、にしても数が足りんな。
となれば後は個々の対応力か。この前関ヶ原の戦場で見かけた洗脳じみた操られ方を参考に助言するなら、行動するときに「目的」と「理由」を強く意識することやな。
自分がやるべきことは何か、何のためにそれをするのか、芯となるものを定めることや。太平の世のためでもええし、手柄を挙げたいでもええ。家に家族を残しとるもんもおるやろうし、美味い飯食いたいいうんでも立派な理由やろ。そういうものを定めとくことや。
鈴木・志乃
※人格名『昨夜』で参加
本当はこういうの、志乃の得意分野なんだけどね
やっぱりもう身がもたないみたい
……さて、彼女ならなんて言うかな
たとえば、だけど
呪いは祈りで緩和も出来るものです
呪いの本質は強い想いですから、呪いに負けないぐらいの強い想いを持つと良い、と思います
誰かから貰ったお守り
忘れられない想い出
大切な約束、誓い
そういったものも有効ですよ
絶対に生きて帰るんだ、という生存意欲も効果的ですね
大事なのはとにかく意志を強く持つこと
どんな時でも希望を持つことです
自分にとって大切な何かを思い浮かべて下さい
怖い、苦しい、痛い、辛い、そういう時は必ず来ます
それ以上に……大切なもの
譲れないものは、何ですか?
霧島・絶奈
◆心情
教導の経験はありませんが、私なりのやり方で尽力しましょう
◆行動
[WIZ]
視覚に訴えるべく【オーラ防御】を展開
此の様に自身を護るイメージで気持ちを強く持ちます
芯にするものは忠誠でも愛する者への想いでも、不屈の闘志でも構いません
ではやってみて下さい
理想を言えば即時対応が望ましい
ですが、一度安全圏まで引き、気を落ち着けてから相対し直すのも手です
損耗を抑えられるなら、其は逃走ではなく戦術です
最後に一つだけ…
藻掻き抗い続けるのはとても辛く苦しいもの…ですが、其は生きている証です
諦めが人を殺し、生きていれば路は拓ける
故に一つ言葉を贈りましょう
「生きる事から逃げるな」
其は生きている者の特権なのですから
「呪詛の話やて聞いたから来てみたんやけど、訓練なぁ……。」
ちらりとすぐ横の禍々しい藁人形を見て呟く、小烏・安芸(迷子の迷子のくろいとり・f03050)。
寒気も全く感じず、自然体でいる小鳥だったが、
「かける方も耐える方も慣れとるけど、ウチのは体質というか性質みたいなもんやから参考にはならんし……。」
「私も、です。ちょっと詳しくなくって。」
隣に立っている鈴木・志乃(ブラック・f12101)も同じ意見だった。
もっとも、あまりの連戦に疲れ切ったメインの人格が奥に沈み、今は鈴木の中の『昨夜』という人格が表に出ている。
「志乃なら得意なはず……。」
「ふふ、ですが二人とも、この呪いを受けてはいないようですね。」
困ったように顔を見合わせていた二人を見ながら笑みを浮かべているのは、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)
「であれば、何かしらのやり方があるのでしょう? 私も教導の経験はありませんが、私なりのやり方で尽力しますよ。」
不敵な笑みを浮かべる霧島の言葉に、少し勇気付けられた二人。
「そう、ですね。」
「やな、何とかやってみるで。」
「うおお……お、おい、今夏だよな……?」
「あ、ああ……冷や汗が出てきたぜ……。」
藁人形に近づくにつれ、ガタガタと震える幕府軍の兵士たち。
「ええ、そうです。そしてこれが、この藁人形に込められた呪詛の効果ですよ。」
霧島の声に、兵士たちの視線が集まる。
「呪いという物は、このように体を蝕みます。これを耐える精神力を鍛えましょう。」
「ど、どうやるんだ……?」
「それに……な、何の役に?」
その言葉に少し小鳥は考え、
「そうやな……この前関ヶ原の戦場で、完全に操られた農民たちを見たやろ?」
「あ、ああ……。」
「あれも呪いの一種や。せやからな、キミらも操られたりせんように鍛えようってわけや。」
「な、なるほど……。」
そうして、腑に落ちた様子で震えている兵士たちを前に、実際のやり方を教えることになった。
「たとえば、だけど……呪いは祈りで、緩和も出来るものです。」
ゆっくりと考えながら、説明をしていく鈴木。
「呪いの本質は強い想いですから、呪いに負けないぐらいの強い想いを持つと良い……と、思います。」
「強い、想い?」
「せやで。解りやすいのはな、行動するときに「目的」と「理由」を強く意識することやな。」
補うように、小鳥も言葉を挟む。
「自分がやるべきことは何か、何のためにそれをするのか、芯となるものを定めることや。」
「そう……誰かから貰ったお守り、忘れられない想い出、大切な約束、誓い……そういったものも、有効ですよ。」
「太平の世のためでもええし、手柄を挙げたいでもええ。家に家族を残しとるもんもおるやろうし、美味い飯食いたいいうんでも立派な理由やろ?」
「絶対に生きて帰るんだ、という生存意欲も効果的ですね。大事なのは、とにかく意志を強く持つこと。」
「そして……。」
霧島が自身の周囲にオーラのバリアを張って見せる。
「此の様に、自身を護るイメージで気持ちを強く持ちます」
「おお……。」
「お、俺たちにもできるのか?」
ずっと震えていた兵士たちにも、明るい表情が戻ってきた。
「ええ、もちろん。それではやってみてください。」
と、兵士たちが手を合わせて集中すると……3割ほどの兵士たちは、体の震えが止まったようだ。
「……なるほど、これでいいのか。」
「おおお……う、上手くいかねえ……。」
だが、ほかの者は変わる様子がなかった。
すかさず鈴木が語り掛ける。
「自分にとって大切な何かを思い浮かべて下さい。怖い、苦しい、痛い、辛い、そういう時は必ず来ます。それ以上に……大切なもの。」
「た、大切な……。」
「……譲れないものは、何ですか?」
その言葉が呼び水となり……1人、また1人と元気になる兵士たち。
だが、それでもうまくいかない者たちも、半数ほどいる。
「さて、これ以上は体に毒でしょう。……一度安全圏まで引き、気を落ち着けてから相対し直すのも手です。」
え、それは逃げでは……と、霧島の言葉に疑問を差し込む声が上がるが、
「損耗を抑えられるなら、其は逃走ではなく戦術です。即時対応できないことも、多々ありますからね。」
そう言って背を向けて歩き出す霧島に、おとなしく兵士たちはついていく。
そして、呪いから身を護ることができずに、藁人形から離れることで少し元気になった兵士たちへ、霧島は諭すように言い聞かせる。
「藻掻き抗い続けるのは、とても辛く苦しいもの……先ほどの呪いに、身をもって感じたでしょう。ですが、其は生きている証です。」
失敗を咎める意図は全くなく、
「諦めが人を殺し、生きていれば路は拓ける。故に一つ言葉を贈りましょう……。」
それは彼らを勇気付ける言葉。
「『生きる事から逃げるな。』……其は、生きている者の特権なのですから。」
大成功
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四王天・燦
一応SPD。
符術士な巫女(そしてペテン好きな盗賊)なアタシに呪詛も祈りも任せな
「必要なのは頑強・根性、そして信仰心!」
ミニ賽銭箱を出し、「御狐様を信仰しなさい」と催促。
文句を言う奴には符を貼って呪詛(微弱)を浴びせる。
「寄付は最も手短に神様との接点を作る手法だぜ」
実際はプラセボ効果だが心を守るには有効さ。
寄付には祈りを込めた御守や符を返すよ
次は肉体面。
符で陣を作り範囲攻撃×呪詛で頭痛に襲われる呪詛空間を作る。
中に放り込んで読経させ本格的に呪詛に慣らすぜ。
痛みに屈しそうな奴には「呪詛に負けると黒歴史を自白する術を仕込んだので気合を入れろ」と目を見て催眠術を施す
こうして呪詛耐性と激痛耐性を授けるぜ
メンカル・プルモーサ
ふむ…確かに精神攻撃してくるオブリビオンとかいるし…抵抗できるならそれに越したことはないね…
…一般的には丹田に力を入れる方法、これは聞いたことある人も居るんじゃ無いかな?
…気合い、気を整えるという物は馬鹿に出来ないからね…呪いじゃなくても精神が乱れた時には有効だよ…
…あとは呪いであるなら人形(ヒトガタ)を作ってそれを身替わりとする方法…作り方は教えるから試してみると良い…
…これは適正もあるから実際作ってみて試すのが良い…安全に呪われる機会なんてそんなに無いから…
最後に、どうしてもダメなら私がお守り渡すからそれを頼りにすると良いよ…
(効果はないよりまし、程度。でも気の持ちようで耐えれるかも)
一方、特訓の主旨を聞いていたメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。
「ふむ……確かに、精神攻撃してくるオブリビオンとかいるし……抵抗できるなら、それに越したことはないね……。」
「ふっふっふ。符術士で巫女なアタシに、呪詛も祈りも任せな。」
そして、ペテン好きな盗賊でもあるけど……と心の中でつぶやきながら胸を叩く、四王天・燦(月夜の翼・f04448)。
魔術師と巫女……扱う術の違いはあれど、二人は体系的に魔法を学んだ者たちであった。
もちろん、呪いもその中に含まれている。
……というわけで、先ほどの特訓で耐性を着けられなかった者たちの前に立つ二人。
「必要なのは頑強・根性、そして信仰心!」
そう言って四王天が取り出したのは、小さな賽銭箱だった。
「御狐様を信仰しなさい、信じる物は救われるから!」
……ぽかーんと見つめ返す兵士たち。
「おい! そんなことであがががが!」
「ふ、ちゃんと効果があるから言ってるんだぜ?」
文句を言った兵士へ、微弱な呪力を込めた霊符を張り付けて言い放つ。
「寄付は、最も手短に神様との接点を作る手法だぜ。……もちろん、見返りもあるってもんさ。」
そう言って取り出すのは、お守りやお札。
「……そう、霊験あらたかなお守りは……効果があるから。」
メンカルも同調する……表向きは。
(もちろん、四王天さんの祈りは効果がある……けど、一番は『効果があると思うこと。』)
そんなことをぼーっと考えながら、懐から紙の人形(ヒトガタ)を取り出し、
「……あとは、呪いであるなら人形(ヒトガタ)を作って、それを身替わりとする方法……も、ある。……作り方は教えるから、試してみると良い……。」
そう言って一通り教えて、
「……これは適正もあるから、実際作ってみて試すのが良い……この藁人形みたいに、安全に呪われる機会なんて、そんなに無いから。」
「そういう事! さー、お守りやお札を試してみたくならないかい?」
こうして、賽銭箱にはお金が貯まり、兵士たちの手元には霊具が行き渡った。
「……丹田って、解る?……大体、おへその下の事で、そこに力を入れて気を整える……。」
次は肉体的な鍛錬。
メンカルの説明に、兵士たちは少しづつ集中し、気合いの入れ方がわかってきた。
「……気合い、気を整えるという物は馬鹿に出来ないからね……。呪いじゃなくても、精神が乱れた時には有効だよ……。」
「そういう事。大体わかったね……それじゃあ実戦だ!」
と、四王天が仕掛けた霊符が、兵士たちを呪詛の結界に包み込む。
「ぐああああ、いってえええ!」
「そうさ、これも弱いが頭痛が起きる呪いだよ! さぁ、さっき言われた通り集中しな!」
「……お腹に集中。……深呼吸。」
最初に聞こえた兵士たちの悲鳴もすぐに止み、大半の兵士たちが無事に意識を集中して呪詛を受けずにいた。
だが、脂汗を浮かべて苦しんでいるのもいる。
「おい、お前。」
「は、はい……?」
その兵士の目の前に立ち、瞳を覗き込むように四王天が顔を覗き込み、
「呪詛に負けるたら、黒歴史を自白する術を仕込んである。」
「な……!?」
「だから気合を入れろ!」
叱咤する四王天の声が響く。
「……大丈夫、気を静めて集中して……。」
それを追いかけるように、ゆっくりと言い聞かせるようにかけられる、メンカルの声。
……あまり長い時間ではなかったが、兵士たちには相当長い修行の時間となった。
改めて広場に戻ってきた兵士たち。
「おお……本当だ、大丈夫だ!」
「ありがとう! これで信長軍とも戦える!」
見渡せば、1人も寒気に震える様子は見えない。
こうして、すべての兵士が藁人形の呪いを耐える精神力を得ることができたのだった。
「よーし、よくやった!」
「……うん、これで安心。」
猟兵達もその様子に安堵し、その場を後にする。
幕府軍の兵士たちと猟兵達……考えることは同じ。
最終決戦で必ず、織田信長を倒す……そう心に決めて。
大成功
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