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新春メリーサンバチョコ盆踊花見カーニバル月見謝肉収穫祭

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●なんなのだこれは、どうすれば良いのだ!
 電子楽園系リゾート『ネオアキバ・カイ』新年の祝いの準備に湧いているはずのその街は、混沌に支配されようとしていた。
「あけましておめでとう。さぁ踊ろう、サンバを!」
「お兄ちゃん、一緒に盆踊り、しよ?」
「ええ機会ですし、花見でもしませんえ?」
「ボクのチョコ、もらってほしいな……って」
「早くツリーを飾って、サンタさん待とうよ!」
「もー、文化祭一緒に回るって約束したじゃない」
「ふふふ、契約者よ、サバトを始めよう……」
「夜は焼肉でしょう! 月を見ながら!」
「かぁにばるだよ! すっごーい!」
 もうわけがわからなかった。
「さぁ、これが俺たちの現実だ!」
 怪人たちが何かを言っている。
「新年? 俺たちの恋人が誘っているんだ、いつ何時だろうと好きなイベントに参加すればいいじゃないか!!」
 キマイラたちが歓声をあげる。いま、キマイラフューチャーの新年は、なんかとんでもないことになろうとしていた。

●予知納めは混沌の夜明け
「お雑煮って、決して何でもかんでも雑に煮てるわけじゃないん……これじゃあただの闇鍋じゃ……」
 グリモアベースで頭を抱えているウルフシャ・オーゲツ(ヤドリガミのフードファイター・f00046)は、大晦日だろうと変わらなかった。
「ああ、その、新年って、何する日じゃったっけ……うちもう、なんかなんでもいい気がしてきたんじゃ……」
 混乱しているウルフシャによると、キマイラフューチャーの都市『ネオアキバ・カイ』で、色々拗らせてる怪人たちがキマイラたちを扇動し、盆と正月どころではないお祭りが同時に開催されてしまっているらしい。
「原因というか、なんというかは、その、恋愛シミュレーションゲーム、らしいんじゃが」
 その手のゲームにヒロインと仲良くなるイベントはつきものだ。ファンタジー世界や西洋世界だと普段馴染みのないお祭りやその世界特有のイベントなどもあるだろう。
「新年って事で新春のお祭りしようと準備してたキマイラたちが、怪人たちの持ち込んだゲームに影響されて、仮想の恋人と参加したいイベントの準備を好き勝手に始めてしもたみたいなんじゃ」
 もうここまで準備されてしまったら、今更元の新春イベントに戻すのは困難だ。
「かといって放置するわけにもいかん。そこで、新年……って言っていいかすでにわからんのじゃが、お祭りをキマイラたちと楽しみながら現実に連れ帰ってほしいんじゃ」
 とりあえず全力でそのキマイラの望むお祭りを、そのヒロインとしてある程度楽しめば満足して正気に戻る、らしい。
 もちろん、怪人たちがそのまま大人しく引き下がるとは限らない。諦めずその状況を写真に撮って人気を得ようとしたり、逆にこんなの新年の祭りじゃないと暴れ出す怪人が出てくる可能性もある。
「色々な可能性はあるんじゃが、まずは現実に連れ戻さんとな。キマイラは男性も女性もいてるから、まぁその、頼めるじゃろか?」
 騒がしい新年になりそうであった。


しべりあ
 新年用のシナリオ何かないかな、と思っていたらこんな予知が飛んできました。
 シナリオ的にあけましておめでとうから始まる予定です。執筆も日が変わってから一気にできればいいなと思うんですけどね。
 どうも、お世話になっております。しょしんしゃのしべりあです。
 キマイラさんたちを救うためには満足させたり、現実って、よくね? と思わせてあげれば大丈夫でしょう。
 恋愛シミュレーションゲームにおけるイベント時のヒーロー、ヒロインムーブって、こんなの現実にあるかよっていうのばかりですよね。どんなお祭りでもプレイングに記載頂ければ極力頑張ります。
 アドリブましましになる可能性が高いと思いますのであらかじめご了承頂けますと幸いです。
 それでは、もしお付き合い頂けましたら、何卒よろしくお願いします。
 あ、良いお年を、です!
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第1章 冒険 『トキメキマイラ・ラブロマンス』

POW   :    幼馴染や妹系キャラ(弟とかでも可)に扮し、押し掛ける。バブみを強調してオタクをオギャらせてもいい。

SPD   :    さじ加減が難しいツンデレキャラになりきり、突き放しては惹きつけオタクを悶えさせる

WIZ   :    かつて一世を風靡したダウナー系キャラを演じる。歴代の人気ヒロインは決まって軍艦の名前なのは何故だろう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●あけましておめでとうございます
「ハッピーニューイヤー!」
「レッツサンバカーニバル!」
「ハッピーハロウィン!」
「メリークリスマス!」
 街のあちこちから慌ただしい騒ぎ声が聞こえてくる。やっぱり、間違っているというか季節感が色々おかしい。さぁ、とりあえず、楽しみながらも怪人たちの企みを阻止しよう。
 ちょっと浮ついた気持ちになりながらも、猟兵たちは街へと繰り出した。
アルテミス・カリスト
「キマイラの皆さんがピンチなのですね!
ここは正義の騎士アルテミスが……え?げーむ?」

げーむというのがよくわからなかったので、知り合いの執事さんに相談したところ、
私はドジっ娘ヒロインに向いてるらしいです。よくわかりませんが。

とりあえず、言われたとおりに行動してみましょう。

「遅刻遅刻ー」

トーストをかじりながら、曲がり角に突進します。そしてキマイラさんにぶつかりそうになります。

ここで【不幸な事故】が発動。

キマイラさんを怪我させないように避けようとしたら、バランスを崩して転んでしまい、下着が丸見えに……

「きゃっ、きゃあっ!
み、見ないでくださいーっ!」

恥ずかしさから涙目で逃げ出してしまうのでした。



●一目見たその時から
「遅刻遅刻ー!」
 新年早々トーストをかじりながら街を駆けるのは正義の女騎士アルテミス。何もないところでもあらゆるイベントを呼び寄せるある意味魔法に近い奇跡の持ち主の14歳の女の子だ。
「キマイラの皆さんがピンチなのですね! ここは正義の騎士アルテミスが……え?げーむ?」
 若干戸惑いながらも、彼女は知り合いからのアドバイスを忠実に守る。
 今日は学校の入学式、急がないと間にあわない。なんだかそんな設定な気がした。しかし、曲がり角に突進していくと、なんとそこには1人のキマイラが!
 躱そうとしたアルテミスだったが、足元の小石に躓き、【不幸な事故】が起こってしまう。そのまま転んだ彼女は、なんと下着を盛大に見せつけてしまったのだ。
「きゃっ、きゃあっ! み、見ないでくださいーっ!」
 そのまま、涙目になってスカートを抑えながら駆け出した彼女を見送り、キマイラは呆然と立ち尽くしていた。
「あ、ご、ごめ、待って! これが……本当の、恋……」
 以来、彼は現実を見るようになったが、アルテミスの姿をずっと追い続けることとなるのはまた別のお話。

成功 🔵​🔵​🔴​

カスミ・アナスタシア
ふん、この最強無敵のカスミ様に不可能なんて無いわ!
ついて来なさい、ましろ!

【SPD】

柊木ましろと同行。
押し掛け現場に少し遅れて登場。
妹系ましろ(?)がイベント(なんでもいいです)に誘っているところに
鉢合せたという設定。

「ん、アンタたちこんな所で何してんのよ?」
「い、一緒にって……そう、まあアンタみたいなロリコンにはピッタリなんじゃない?」
「うっさいわね、っさっさと行きなさいよ!」

「一緒に行くって約束したくせに……バカ……」

大体こんな感じのノリ。
アドリブは大歓迎です。寧ろもっと広げて。

【目立たない1】【情報収集7】
一応事前にUCを発動、周囲を警戒し、以上があった場合すぐに反応出来る様にしておく。


柊木・ましろ
お兄ちゃん…兄さん…にぃに…お兄様…うぅん……。
12種類も呼び方を思いついたあの人はきっと天才なんじゃ……。
ねえねえカスミちゃん、どれがいいかな?

【POW】
【誘惑11 催眠術11】

カスミ・アナスタシアと同行。
妹キャラになりきって押し掛ける。
途中でちょっと煽りながらも、最終的な役目はカスミの引き立て役。

「ましろ、お兄ちゃんと一緒にお出掛けするの、楽しみにしてたのになぁ……」
「ねぇ、一緒に……行こ?」

「えへへぇ、ましろ、今からお兄ちゃんと一緒にお出掛けなんだぁ」
「そんなこと言ってぇ、ほんとはましろのことが羨ましいんでしょ?」

こんな感じのノリ。
何か起こったらすぐ動けるよう、警戒だけはしておく。



●現実と虚構の狭間で掴むもの
「お兄ちゃん♪ ……どうしたの、不思議そうな顔して?」
 祭りとイベントに沸いていたキマイラの青年の前に、突然かわいらしい妹……柊木・ましろ(真白の奇跡・f03701)が現れたら、どうするか。
「え、お兄、ちゃん……僕が……?」
 ここは現実なのか、それとも虚構なのか、彼は現実逃避しすぎたのかと困惑する。
「お兄ちゃんは、ましろのお兄ちゃんなの! 忘れちゃったの? 今日の約束……」
 自分を見上げるその視線に、うっ、と詰まる。
 こんなにかわいい妹が僕の妹なわけがない……いや、そうか? 妹、僕の妹はましろじゃないか……。
「あ、ああ、ごめんね、……一緒に行こう」
 今日はお祭りだ。そうだ、そんな約束をしていた。彼がましろを受け入れようとしたその時だった。
「……アンタたちこんな所で何してんのよ?」
 通りがかったカスミ・アナスタシア(碧き魔女の系譜・f01691)が二人を見つけてしまったのだ。
「え、えっと」
 ましろとカスミを交互に見る青年。突然現れたさらなる美少女に、彼は戸惑いを隠せない。
「えへへぇ、ましろ、今からお兄ちゃんと一緒にお出掛けなんだぁ」
 彼の腕に身を寄せ、見せつけるように抱き着くましろ。その積極的な態度に、腕から感じる体温に、彼は顔が赤くなるのを感じる。
「い、一緒にって……そう、まあアンタみたいなロリコンにはピッタリなんじゃない?」
「ち、違う、僕はロリコンじゃ……」
 そこまで言って、このつっけんどんな態度、まさか、ツンデレ……!? 衝撃に固まる。よく見るとカスミの顔は赤く、少し目を潤ませているではないか。
「そんなこと言ってぇ、ほんとはましろのことが羨ましいんでしょ?」
 さらに体を寄せてくるましろ、しかし、目の前のカスミからも目を離せない。
「うっさいわね、っさっさと行きなさいよ!」
 もう知らない、と背中を見せる。ああ、待ってくれ、違うんだ。違わないけど違うんだ! 彼は手を伸ばそうとする。
「一緒に行くって約束したくせに……バカ……」
 しかし、その手は届かない。去り行くカスミの目には、一筋の涙が見えた気がした。
「あ、ま、待って!」
「お兄ちゃん!? ましろと一緒じゃ……嫌、なの?」
 追いかけようとする青年を、ましろが引き留める。
「で、でも、あの子泣いて……」
「っ! そんなに気になるんなら、追いかければいいじゃない、もう知らないっ」
 悲しみをたたえた瞳を見せながら、ましろは彼の腕を放し、駆け出す。
「ましろっ!」
「……楽しみにしてたのにな……」
 一度だけ立ち止まり、最後に一言だけ残し、去って行く。
 伸ばしかけた手を止める、そうだ、追いかけないと……ましろにはあとで謝る、まずは、彼女に!
 彼は駆け出した。今なら、まだ追いつける。
「今更何しに来たのよ、ましろと一緒に遊んでればよかったのに」
 そう離れていないところで、カスミを見つける。待っていて、くれたのだろうか。
「ごめん、でも、放っておけなくて……今更だけどさ、一緒に、行こう」
 再度手を伸ばす。今度は、ちゃんと掴む。
「ふん……いいわ、どうしてもっていうなら、付き合ってあげる」
 そういって微笑んだカスミの顔は、とても輝いて見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

東雲・ゆい
【POW】【誘惑】【恥ずかしさ耐性】
来てしまったか…わたしのステージが…
キマフューロリコンチャート1位のわたしが…最高に輝く瞬間が…

てゆーわけで♪
わたしみたいなちっちゃい女の子がだぁ~いすきな人に
いっぱいいっぱいい~っぱいイチャイチャしちゃうの♪
あ、ちなみに、わたしはどんなヲタクでも本気で大好きだから!
望んでやってるのね、演技もなし、ガチ恋なんで(ガチ勢)

誰かを愛するってとっても幸せ♪
愛してくれたらもっと幸せ♪
どんなおねがいも聞いちゃうし~いっぱいラブラブおねだりしちゃうの~♪
ほんとだよ?
だって、好きなんだもん…♪

あ、わたしその人と一緒に帰りますんで、あとはよろしく(ガチ勢)



●ガチキマイラ
「来てしまったか……わたしのステージが……」
 そう呟き、混沌とした会場に降り立った一人の少女。あどけない表情を浮かべる幼き彼女は東雲・ゆい(それ以外の何か with グリモア・f06429)。その澄んだ瞳の中には、狂気じみた『愛』を宿していた。
 少女は、その瞳で人々を見極めていく。そして、端末で幼い少女を表示しながら祭りを歩く青年に狙いを定め、突撃していった。
「ねぇねぇ、わたし、いっしょにたべさせあいっこしたいの、つきあってほしいな!」
「ひざまくら? いいよぉ、なでなでしてあげるね?」
「かわいい? うれしーい! もっといってもっていって!」
 理想を体現したかのような少女の登場に彼は涙した。
「かなしいの? わたしがいーっぱいよしよししてあげるね!」
 それは心の底からの言葉、演技を一切含まない行為。彼は彼女に恋をして、彼女も彼に恋をした。
「ほんとだよ? だって、好きなんだもん……♪」
 二人は、甘い恋人のように、いや、恋人そのものとなり手を握り、肩を寄せ合いながら現実へ、そう、彼の家へと帰って行ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レインシア・ユーズリーズ
【SPD】
◆キャラ
疑似恋愛用のミレナリィドールで、素の反応がツンデレ仕様

◆心情
仕方ないから疑似恋愛してあげても良いわ。
って、……あれ、この人、素敵かも……。

◆行動
先ずは相手を怪人のイベントから強引にでも連れ出すわ
無茶振りしつつ引っ張って、時々少しだけデレる。
そして、相手がフラストレーションを溜めきる直前で大きくデレるのよ
「そこの貴方、案内しなさい」
「満足にエスコートも出来ないの。ま、頑張っているのは伝わるけれど」

「ねぇ、あれは何? わかりやすく説明しなさいよ。」
「へぇ、詳しいのね」

「その、今日は急にごめんなさい。一緒に回りたかったの。でも、私、不器用だから……。改めて、一緒にいて欲しいの……」



●作られた天然
「そこの貴方、案内しなさい」
 混沌とした祭りの場からそのキマイラの少年を連れ出したのは、気の強そうな女の子、レインシア・ユーズリーズ(ツンデレじゃ無いんだからね!・f11001)だった。
「なんなのよあの騒ぎ、ただでさえ訳がわからないのに!」
「えっと、一ヶ所でやってるからそう見えるけどさ、例えば新年でサンバってないわけじゃないんだよ、ほら、これ見てみて」
「あら、本当に? ……詳しいのね」
 最初はその強引な態度に戸惑っていたが、だんだんと慣れてきた少年。強気なようでいて、時折垣間見える素直なところが魅力的なことに気がつき、彼女にといることが楽しくなってきていた。
「手、離さないで、ね……!」
 人混みに紛れそうになる彼女が逸れないようにしっかりと手を握る。それは、もっと一緒にいたいと感じていた、少年の意思の表れだったのかもしれない。
「もう、なんであんな人の多いところ通るのよ、満足にエスコートもできないの?」
 そう言って顔を赤らめるレインシアは、さっきまで少年に握られていた手を戸惑いながら見つめている。
「あはは、ごめんね?」
「……ま、まぁ、頑張っているのは伝わっているわ」
 ありがとう、と顔を背け小さくつぶやく。それを聞いた少年の、くすりと笑う顔を見ながら、あれ、この子、いいかも……と思い始めてきたレインシア。自分でも演技なのかそうでないのか、わからなくなってきていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

神月・瑞姫
げぇむ…なの?
みぃよく分かんないけど
おにーちゃんと遊べばいいのかな?
みぃ
ちょっと男の人にがてだけど
おにーちゃん優しそうだから平気
せってー?通りがんばるの
(ロリ&狐娘【属性攻撃】で【誘惑】
キラキラした魅力的な瞳で上目遣い

はじめまして
みぃなの
おにーちゃんにしょーかん?された妖狐さんなの
術でおにーちゃんのお願い叶えるの
透明になりたい?
それならみぃできるの
【無明新月の法】(自分とお兄ちゃんを透明化
これでみぃ達は見えないの
あまり悪いことはめっだけど
どこに忍び込んで遊ぶ?
おにーちゃん(にこっ

はぁはぁ…術で疲れちゃった
あのお団子屋さんで休もっ
おにーちゃんお膝のらせて
えへへ
お耳なでて欲しいの
おにーちゃん大好き



●これがわたしのおにーちゃん
「はじめまして、みぃなの。おにーちゃんにしょーかん? された妖狐さんなの」
 突然目の前に現れた天使……いや、妖狐に、尻餅をつき驚愕するキマイラの青年。
「しょ、召喚、俺が、キミを……?」
「みぃ、よく分かんないけど、術でおにーちゃんの願い叶えるの」
 俺にもとうとう運命が……と呟きながら、青年は立ち上がる。
 きらきらと輝く神月・瑞姫(神月の狐巫女・f06739)の瞳が彼を射抜く。いや、すでに、声を聞いた時点で彼は魅了されていた。何のアプローチをしなかったとしても、彼は喜んで声をかけていた可能性すらある。それだけ全般的にストライクだったのだ。
「願い、願い……なんかもう色々叶っちゃってる気がするな……あ、じゃあ、みんなから見えなくなったりできる?」
 空想の中にいた理想の存在が目の前にいるのだ、それ以上何を望むというのか。そう思った青年だったが、ふと周りの嫉妬の視線を感じ、提案する。
「それならみぃできるの」
 幻の様に消えた彼女に驚き見渡す。辺りも困惑しているが、よく見ると自分も見えなくなっていた。なにか、温かいものが手を握る感覚でハッとする。
「これでみぃたちは見えないの。あまり悪いことはめっだけど……どこに忍び込んで遊ぶ?おにーちゃん」
 姿は見えなかったが、彼は笑いかけてくる瑞姫が見えた気がした。
 しばらく楽しんだ後、二人は団子屋で休憩をしていた。
「術で疲れちゃった……おにーちゃんお膝のらせてもらって、いい?」
 青年はもちろん、と優しく答える。内心悶えていた。
「えへへ、お耳なでて欲しいの……」
 おにーちゃん大好き、撫でられながら発した瑞姫のその言葉は、彼を現実の、しかし犯罪の香りがする恋へと引き込んでいったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御手洗・そそぎ
ダウナー系とな?
知っておるぞい

あの匂いが強烈でディスカウントショップによくある洗濯用洗剤っぽいのじゃろう

これでも、俗世のことにも通じて居るのじゃ(えっへん)

ヒロインぽくセーラー服着て芳香剤(キンモクセイの香り)をしっかり利かせて、ダウナー系を演じてしんぜよう
(ダ○ニーと誤解してるようです)

何じゃ?
わしはダウナー系のお仕事で忙しいのじゃ
歩きながらでよいなら、話を聞いてやるぞ

こういうお仕事なら、風が強そうな高台に向かうのがよかろう
うむ、お誂え向きにリゾート地に風が吹き下ろす立地じゃな

これで我が大業は成ったも同然(風でスカートが捲れて尻丸出しなのに気付かないでドヤ顔)

年玉はないが、今年もよろしゅうの



●金木犀はトイレの香り
 穏やかな風が吹く新年に、高台に向かい歩む一人の少女、御手洗・そそぎ(ラバーカップのヤドリガミ様・f03566)は混沌な雰囲気を気にしない。
 彼女から感じる、甘い香り、この世界の住人たちは皆一様に、あ、トイレとかでよく感じるあの匂い、と思い振く。
「何じゃ……?」
 なんだか妙な視線を感じながらも、そそぎは足を止めることはなかった。
「あ、あの……」
 そんな彼女に、あまりにも匂いが気になったのかキマイラの一人が呼び止めようとしてくる。
「わしはダウナー系のお仕事で忙しいのじゃ、歩きながらでよいなら、話を聞いてやるぞ」
「……だうなー、系?」
 何かを勘違いしていそうな彼女は、その悪いわけではないが強烈な香りで人目をひき、冷静になったキマイラたちを図らずとも正気に戻していた。
「えっと、それ何の匂いなのかなって……」
 言われるままに後ろを歩きながら声をかけていた彼は、階段を上っている彼女を見上げて、驚愕し、後の言葉を紡げなかった。
 彼女は惜しげも無く自らの尻を観衆に見せつけながら、誇る。
「ふ、皆が気になっておる様じゃな。これで我が大業はなったも同然!」
 彼女の言葉通り、その姿を皆が見上げ、写真を撮る者すらいたという。

成功 🔵​🔵​🔴​

神薙・焔
ふうむ、そういうのはあんまりピンとこないわねえ…(資料に買った ギャルゲーぽちぽち)

あたしが魅力を感じるのは…お、これだ、母性、胃袋をつかむ?

ジャパニーズエプロン、割烹着スタイルで、キマイラの住処で待ち伏せて

「あらお帰りなさい、ご飯できてるわよ…どうしたの、学校(キマイラ フューチャーにあるのかしら?)で辛いコトあったの?」

えーと、ここで頭を抱く?(気せず胸の谷間に頭を)

「一緒にご飯食べましょう?」

問題は、あたしも食事は食べる専門だから、食事はガジェットで出してて何が出るかわからないコトだけど…肉じゃががいい? まあ、なんとかなるでしょ。

…あたしも両親に会いたいな、新年だし。



●母性に沈め
「あらお帰りなさい、ご飯できてるわよ……どうしたの、何か辛いコトあったの?」
 お祭り騒ぎから戻り、さて、画面の向こうの世界に行こうか、と思っていた一人暮らしの少年は、突然の出迎えの声に家を間違えたかと不安な顔を浮かべていた。
「え、あ、えっと」
 けど、おかえりなさいって言ってるし……と戸惑ううちに出迎えてくれた彼女、神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)が近づき、その豊かな胸に少年を埋める。
 少年は何が起こったかわからない。ここが楽園か、楽園なのか。僕はいつのまにか割烹着にエプロン姿のお姉さんが出迎えてくれる楽園に迷い込んでいたのか。
 感動のあまり胸の中でむせび泣く彼を、焔は優しく撫でる。
「もう、甘えん坊ね、さ、一緒にご飯を食べましょ、何か欲しい物はある?」
 何か箱のような形になり、あちこちを飛び回る彼女のガジェット。それは、目の前の敵である少年を倒すために最適な物を手に入れるために近辺を飛び回る。そう、トドメをさすための料理を手に入れるために。ちなみに彼女自身はガジェットが何をしているかはいまいちわかっていなかったが、今回のガジェットは理解せずとも勝手に動き始めていた。
 そんな全力を出したガジェットの力もあり、彼は食事をした後、彼女の母性に埋もれ、沈んでいった。
「あたしも両親に会いたいな、新年だし」
 眠る少年を見守る焔の姿は、どこか寂しそうだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

瓜生・コウ
乙女ゲーならダチが一時期ハマってたな、確かこうやって(ナチュラルに男役をやる。今は寒い季節なので上にフライトジャケットを羽織って、身体の線が出ない、痩身の男性にも見える)…。

壁ドンとか言うんだっけか、手を壁について、台詞は…。

「お嬢さん」

そうだ、お嬢さんって声をかけるんだ、現実で誰がそんなコト言うんだよ…。

「人を探してるのかな? キミのような可愛い子をほっておくなんてとんでもないヤツもいるものだね?」

ベタベタのナンパだよなー…おっと、優し気な笑みは崩さず、ここで歯を光らせられるのが猟兵の猟兵たる理由だな。

うん、なんかちょっと楽しくなってきた、そっちのシュミじゃねえけど、このまま茶でも行くか。



●開け、禁断の扉
 街の路地裏、祭りの喧騒はそこにも漏れ聞こえてはいたが、人気はない。
 そんな場所に二人の影、恋に焦がれるキマイラの少女と、男性の様にも見えなくもない一人の猟兵、瓜生・コウ(森の魔女・f07693)である。
「お嬢さん」
 少女は壁を背においつめられ、正直興奮していた。彼女の左右を防ぐように壁に手をつかれ、逃さないというように近づく目の前の人物が男性か女性かなどと、すでに関係なかった。
「は、はい」
 憧れた壁ドンが今ここにあった、それだけで十分だった。
「おっと、ごめんな、あまりにも好みだったんで近づきすぎた」
 そう言って離れていくのを、残念そうにしながら、答える。
「あ、い、いえ、そんなこと言われたの初めてで」
 彼女はモテたことなど、異性から声をかけられたことなどゲームの世界でしかなかったのだ。
「本当のことさ、それに、アンタは磨けばもっと輝く原石だ。……けど、俺は今のままが一番だな」
「えっ、えっ」
 それゆえ少女に耐性はなかった、なんかもう全力で口説かれてご馳走さまとなっていた。
「磨いたら他の奴にも良さがバレちまうだろ、それに、原石には原石の良さがある」
 コウは少女の顎に手を当て、顔を撫でる。
「あ、あの……ありがとう、ございます」
 顔が赤くなるのがわかる、熱が出てきているのだろうか、少女は夢か現かも分からなくなりつつあった。
「はは、お礼なら、一緒にお茶でも付き合ってくれるか?」
 もうどうとでもして欲しい、とふらふらしながら、少女はコウに連れられ街の人混みに消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『それめっちゃフォトジェニック!』

POW   :    怪人に負けないくらい盛れてるフォトジェニックな写真を撮ってキマイラ達の人気をかっさらう

SPD   :    とにかく沢山写真をアップロードしまくって知名度で怪人と勝負!

WIZ   :    写真なんかにムキになっちゃってどうするの? と言った感じで冷静に指摘する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●思い出を切り取って
 猟兵たちの活躍により、キマイラたちは籠絡され、怪人の野望の一つは消えつつあった。
 しかし、ただ引き下がる怪人ではない。お祭りによって混沌となっている状況を利用し、色々盛られまくって大変になっている写真を撮りまくりはじめた。そう、それを使用して人気を集めようと画策しているのだ。
 猟兵たちも負けてはいられない。先程一緒になったキマイラたちや、街ゆく人たちと一緒に、混沌としたお祭りを、自分たちを写真に収め、正面から叩き潰そう。
 もちろん、怪人たちに冷静に指摘をし、なじってあげてもいい。それはそれで人気が出る気がする。
カスミ・アナスタシア
そもそもアタシを抜きにしてフォトジェニックなんてあり得ないわ。
さあましろ、行くわよ。

【WiZ】
自分のスマホをすいすいしながら、いろんなSNSを覗く。

「アタシあんまりこういうのやらないんだけど、フォトジェニックって人に使う言葉よね?なんで景色とか食べ物ばっかりなのかしら」
「くだらないわね。脚色した現実という名の虚構にしか生きられないなんて」
「ましろ、アンタは黙ってなさい。この豚共は甘やかしたって何も変わらないわ」
「居るじゃない目の前に。アンタたち以外に、何処に豚がいるのかしら」
「くだらない写真ばかり撮ってないで、少しは自分でも磨いたらどう?本当にどうしようもない豚ね」

こんな感じのノリでどうぞ。


柊木・ましろ
すごいことになってきたねー。
ましろしーらない。

【WiZ】
【催眠術11】【誘惑11】
先にユーベルコードを使用して、SNSを炎上させておく。

「カスミちゃん、日本ではフォトジェニックって人には使わないんだよ」
「もう、言い過ぎだよ?この人たちだって―――」

少しの間黙り、カスミが去った後についていこうとしてもう一度戻ってくる。

「よしよし、カスミちゃんもあんなこと言ったけど、悪気があった訳じゃないんだよ」
「写真を飾っても、自分が何か変わる訳じゃないの。きっと本当のあなたは素敵だと思うよ?」

頭をなでなでしながら、

「これからはもっと違うことに、一生懸命取り組むんだよ?」

去り際にトドメ。

「しゃあね、ぶーた♪」



●訓練されたスタッフにとってはご褒美かもしれない
「アタシあんまりこういうのやらないんだけど、フォトジェニックって人に使う言葉よね?なんで景色とか食べ物ばっかりなのかしら」
「カスミちゃん、日本ではフォトジェニックって人には使わないんだよ」
 写真を撮っている怪人の前に現れたカスミとましろ。フォトジェニックという言葉には写真映えする人を褒める意味もあるのだが、なかなかその意味で使われることは少ない。
「俺の写真なんてとっても人気取れるわけないじゃねぇか!」
 怪人は、写真を撮るのを止め、二人の方を見て、固まる。え、なんでこんな美少女たちが俺に声を……。
「くだらないわね。脚色した現実という名の虚構にしか生きられないなんて」
 カスミの言葉に、ピシっ、と何かにヒビが入ったような感覚を覚える怪人。
「もう、言い過ぎだよ?この人だって――」
「ましろ、アンタは黙ってなさい。この豚は甘やかしたって何も変わらないわ」
「ぶひぃイイイイ!? なんだとぉ!?」
 このままではいいように言われてしまう。声を上げて抗議をする。しかし、心の傷の影響か、かけられていた言葉の言霊によるものか、若干豚のような声となっていた。
「居るじゃない目の前に。アンタ以外に、何処に豚がいるのかしら」
「人を豚呼ばわりするとはなんという……」
「鏡を見たらどうかしら、私には醜い豚にしか見えないわよ? くだらない写真ばかり撮ってないで、少しは自分でも磨いたらいかが?」
「ぶひぃ!?」
 精神的ダメージの蓄積により地面に転がる怪人は、しばらく起き上がることができなさそうだった。
「ほんと、声まで豚みたい。本当にどうしようもないわね?」
 カスミは彼をなじったまま去って行った。ましろは彼女を追いかけようとして、足を止める。
 少し迷った後、引き返し倒れ伏す怪人の傍にしゃがみ、手を伸ばす。
「よしよし、カスミちゃんもあんなこと言ったけど、悪気があった訳じゃないんだよ」
 なんと、ましろは怪人の頭をなで、やさしい声をかけ始めた。彼の砕けた心にはその声が隅々までしみ込んでいく。
「写真をいかに綺麗に飾っても、自分が変わる訳じゃないの。本当に大切なのは、伝えたい相手にあなた自身の素敵なところを分かってもらうことなんだよ」
「そんなこと、いわれても」
「きっと本当のあなたは素敵だと思うよ?」
「本当の……自分……」
 怪人の頭をなでなでしながら、ましろは笑顔を向ける。
「これからはもっと違うことに、一生懸命取り組むんだよ?」
 天使を見たような顔で、怪人はましろを見上げる。
「しゃあね、ぶーた♪」
 天使から賜った最後の言葉と蔑む視線に、彼の心は砕け散った。なんだかもう真っ白になった、しばらくもういいかな、となった。
 そして、衝撃のあまり若干新しい扉を開きそうになっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レインシア・ユーズリーズ
【WIZ】
怪人を冷たくなじってあげるわ
冷たい視線を浴びせつつ毒を吐いてやるわ

貴方、そんな写真をとってどうするの?
いえ、貴方が心から楽しめているのなら良いのよ
でも、本当にそう?
知ってるのよ。さっき最初の目的が失敗したから仕方なく次善の策として、こんな事をやっているのでしょう。
それってどうなのかしら。
とっても虚しいと思わないの?

【しかし順調だった彼女に悲劇が!彼女は疑似恋愛用ドールとして安いツンデレをインプットされた存在。ツンしすぎるとデレたくなるのだ!】

(っ、まずい。我慢できないっ!?とにかく写真だけは止めないと!)
だから、そんな写真じゃなくって、私とお祭りを楽しみなさいよ
他の人には秘密でね?



●なじりきれないデレ事情
「貴方、そんな写真をとってどうするの?」
 飲食店にて、出された食事を必死に写真に収めようとしている怪人の前に、彼女、レインシアは現れた。
「そ、そりゃあ、アップして自慢するんだ……よ」
 彼女の瞳は氷点下だった、見られているだけで、怪人は何かとても良く無い事をしている気がしてきた。
「自慢ね……いえ、貴方が心から楽しめているのなら良いのよ。でも、本当にそう?」
「当たり前じゃ無いか!」
「貴方写真を撮るよりも食べる方が好きなんでしょ、さっきからずっとお腹が鳴ってるわよ?」
「ぐっ……そりゃ……後から食うから大丈夫だ」
「でも出来立ての一番美味しい時にずっと写真を撮ってるの、とっても虚しいと思わない?」
「ううっ……」
 心なしか彼女の瞳が食事すらも冷やしている気がしてきた。しかし、次の瞬間、彼女の表情が緩み、ふわっと微笑んだではないか。
「さっき失敗したからってムキなるんじゃ無いわ」
「そう、なのかな……」
 急な落差で戸惑いながら、怪人は悩み始める。彼女がツンな態度をとればとるほどデレてしまうなどということは想像の範疇外だった。
「そうよ、そんなことするぐらいなら、私と一緒にお祭りを楽しみなさいよ」
 レインシアが顔を赤らめながら、目をそらす。
「え、えと、俺で、いいのか?」
「……他の人には内緒なんだから、わかってるわよね?」
 照れながら差し出された手を、怪人は恐る恐る握る。その時の彼女の笑顔を、彼は忘れることはないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

御手洗・そそぎ
何じゃこの写真は?
ゴチャゴチャし過ぎておって、何を主軸に据えて、何を訴えたいかがピンぼけじゃなあ……

写真を撮るにも、他人に何かを訴えるのであればバランスが重要じゃ
何でもてんこ盛りにすればよいなどとは……安直もよいところじゃよ

美しい花の写真でも、対比になる青空や緑の葉などがあると引き立つと言えるが、電飾まで盛ったら何が何やら分からんようになるじゃろ?

主役を食い合うようでは、思いは伝わらぬというものじゃ

それにしても……さっきネットで見つけたが
高台で格好付けて、己のパンツが丸見えになっとるのに気付いておらん娘の写真があったの

どんな面をしとるか拝んでやりたいものじゃ……って、わしのひよこさんパンツ!?



●燦然と輝く幼鳥
「なんじゃこの写真は?」
 怪人をとことんダメにしていく者がいる中、そそぎは理詰めで怪人の心を折っていた。
「ゴチャゴチャし過ぎておって、何を主軸に据えて、何を訴えたいかがピンぼけじゃなあ……」
「お、俺の写真が……ピンボケ、だと……」
 へこんでいる怪人だろうと容赦はせず、畳み掛ける。
「なんでもてんこ盛りにすればいいというものではない。全く、安直もよいところじゃな」
 いや、もしかすると彼女はアドバイスをしているぐらいの気持ちなのかもしれない。ダメ出しされてああしろこうしろと言われ続け、沈む気持ちの上にズンズン重石を乗せられていく感覚に、怪人はグロッキーな状態になっていた。
「まず他人に何かを訴える場合にはバランスが重要じゃ。美しい花の写真でも、対比になるような……」
 そして気がつくと怪人は燃え尽きたように動かなくなっていくのだった。
 一仕事を終え、次に向かう場所の指針をにしてみようかと、ネット上にアップされている写真をざっと眺める。今この街で行われているのは相当混沌としたお祭りだ。その中で、無駄に盛って凝った写真を撮っているもの、と限定していけば結構怪人は見つかっていた。
 そんな中、一枚の写真が彼女の目に止まる。
「高台で格好付けながら己のパンツを丸見えにしておる、けしからん娘の写真じゃな……全く親の面を見てみたいもんじゃ」
 少女の顔こそ見えなかったが、あまりの光景に嘆かわしさすら感じてきた時、ふと気がついた。あれ、この写真に写っているのは……。
「……って、わしのひよこさんパンツ!?」
 閲覧数はすでにかなりのものとなっているという事実に、そそぎは頭を抱えることになった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神薙・焔
写真ねえ…新春イベントを取り戻すって目的もあったわね、なら…

おしるこ、お雑煮、そして色とりどりのおせち料理、なぜか旅団で作った鮭のちゃんちゃん焼き、とどめにお餅を食べるあたしの自撮り、晴れ着で、うにょーんと伸ばして「美味しそうに食事をする」表情には自信があるのよね…そこ、「メシの顔」とか言わない。

コレを深夜の小腹の減る時間帯に投下すれば…飯テロの威力は甚大、そして皆は正月料理を食べたくなるってスンポーよ。

あたしが調べ上げた正月料理食べ歩きコンコンMAPも追加よ。

スキル:撮影1、大食い3、料理2、パフォーマンス2、情報収集4



●おもちうにょーんは強い
 猟兵たちが全力で怪人の心を折りにかかったこともあり、新しく写真がアップされる事は大分少なくなった。ならばあとは、新しい話題の写真を上げていくだけだ。
 焔が注目したのは食事であった。
 御飯時を狙い、おしるこ、お雑煮、色とりどりのおせち料理や鮭のちゃんちゃん焼きなどの正月料理の写真をアップする。狙い通り、かなりの住人から、おのれーだとか、お腹すいたーといった叫びが聞こえてきたようだった。
 また、同時にアップした、美味しそうにお餅を伸ばして食べる晴れ着の焔の写真。この写真の閲覧数は正月料理のものをゆうに越えていた。
 美味しそうにご飯を食べることが得意分野だったのが功をそうしたのだろうか。『これはいいメシの顔』『美味しそうに食ってるの見ると食いたくなるよな』などというコメントを眺めながら飯テロの成功に彼女はほくそ笑む……。
「……て、こら、誰がメシの顔よ!」
 特製の『正月料理食べ歩きコンコンMAP』をアップしながら、思わずツッコミをいれてしまう焔であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

瓜生・コウ
写真で勝負かー、おう、そういえばあの子に撮ってもらった写真があったな、えーとコレを使って…ちょっと加工しよう、星がきらきらーっと…メッセージは、

 「彼氏とデートなう。に使っていいぜ」

こうだったかな、こいつがバズって後追いが出れば、次の弾は、正月だし晴れ着で勝負だな、なんか楽しくなって忘れてたが当初の予定通りの新春イベントだ、ロケーションは初詣の神社で…

 「彼女とデートなう。に使っていいぜ」

っと、怪人の思惑通りにはさせないぜ。



●猟兵さんはキマイラさんたちから大人気です
 怪人の写していた祭りや食事の写真が話題になっていたのは、かなりの勢いで過去となりつつあった。
『イケメンの人が例の写真アップしてくれてるよ!? 眼福!』
 先程のキマイラの少女とコウが遊んだ際に撮影した写真。それを加工し、
「彼氏とデートなう。に使っていいぜ」
 とコメントを入れてアップしたのだ。結果、かなりの勢いで閲覧されていた。それでも負けてなるものかと怪人は抵抗を続けていた。
『おいまってくれ、同じ投稿者から彼女とデートなうもでてるぞ、どういうことだ……あ、でも晴れ着かわいいわ、どっちでもいいわ……』
 そこで追い討ちとばかりに晴れ着姿となり神社で撮影した一枚を投稿したのである。閲覧数はうなぎ登りだった。ほとんどの怪人は挫折を味合わされた。
 数多のキマイラにガチ恋されつつある本人は素知らぬ顔で、
「怪人の思い通りにはさせないぜ」
 とほくそ笑んでいた。
 彼女がキマイラたちから全力で追いかけられるようになるまで、あとわずかであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神月・瑞姫
んぅ…気持ちよくて
おにーちゃんのお膝で寝ちゃってたの
ごめんなさいなの

う?お写真?
それってなぁに?おにーちゃん
(寝顔の写真を渡され

わっ
すごいの
この絵…本物のみぃみたい
…魂…吸い取られたりしない…よね?
(怖がるみぃに苦笑しながら教えてくれるおにーちゃん
思い出にもっと写真が欲しいと言われ
みぃは快諾する

うん、みぃはおにーちゃんのしょーかんじゅー?だもんね
色んなみぃのお写真つくってなの
みぃの術でもこんなことできないの!

言われるがまま
そのままで魅力的な巫女服姿、狐火操るパフォーマンスを添えて
子狐に変身、愛らしく甘えるアニマルフォト
マニアックなスク水姿
ランドセル装備の小学生
甘ロリ
黒ゴス様々な衣装で写真撮影



●幼き愛しの召喚獣
「んぅ……おはようございます……なの……」
 瑞姫が目を覚ましたのは先程までいた団子屋、さっきまで一緒に遊んでいた青年の膝の上だった。
「大丈夫、いいもの撮らせてもらったから」
 青年は笑顔で端末をひらひらとさせる。
「ごめんなさいなの……ええっと、いいもの? とる? おにーちゃん、みぃから何かとっちゃったの?」
「違う違う、写真だよ、写真」
「う? お写真? おにーちゃん、それってなぁに?」
「知らないかぁ、そうだね……これ、見てみて」
 少し考えたのち、青年は端末に写った写真を見せる。それは、青年の膝の上で穏やかな寝顔をみせる瑞姫の姿。
「わっ、すごいの! この絵…本物のみぃみたい」
「これが、写真だよ」
「……えっと……魂……吸い取られたりしない……よね?」
 本気で怖がる瑞姫に、青年は変わらない優しい笑顔のまま声をかける。
「大丈夫だよ、俺だって何度もとってるし……それよりさ、出会った記念に、もっと写真、撮らせてもらっていい、かな?」
「うん、みぃはおにーちゃんのしょーかんじゅー? だもんね。みぃの術でもお写真は撮れないの! だから、いろんなお写真つくってなの!」
 そこから始まったのはみぃの撮影会であった。そしてそれは、青年が一人で楽しむだけではなく、みんなに瑞姫の可愛い姿を見てもらおうねという話となったところで、大きな波がキマイラフューチャーに襲いかかろうとしていた。
『うおおおおちみっこ巫女さんキタアア! 炎どうやってんのこれ!? 本物の巫女さん!?』
『もふもふ小狐かわいいいい! なにあれ! なにあれ!』
『スク水に、ランドセル、だと……この世の楽園はここにあったのか』
 『ゴスもロリも……民族衣装、セーラー服、軍服系も!? まだだ、まだ来るぞ……どこだ、どこに行けばこの天使に会えるんだああああ!?』
 キマイラたちは幸せそうに阿鼻叫喚に陥るという器用なことになっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『餅巾着侍』

POW   :    御澱流・田楽刺し
【長巻を用いた鋭い刺突攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【煮え滾る味噌だれ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    御澱流・チカラモチ
自身の肉体を【つきたての餅めいた形質】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ちくわと鉄アレイ
【伝説的なニンジャマスター】の霊を召喚する。これは【食べると体力を回復出来るちくわ】や【当たるとダメージを受ける鉄アレイ】で攻撃する能力を持つ。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハヤト・ヘミングです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●正月を取り戻せ!
「許さぬ……許さぬ許さぬ許さぬ、ゆるさあああああぬ!」
 『ネオ・アキバ・カイ』に程近い神社『ネオ・カンダミョウジン・カイ』で、激昂する一人の怪人の姿があった。
「神聖な一年の始まりの日に神社に来ず、その上、あのようなどこの祭りなのかもわからない騒ぎに浮かれおって!」
 怒りのあまり怪人の餅巾着は爆発寸前であった。その怒りの矛先は、仲間の怪人にも向かい、あたりには数多の怪人が倒れ伏していた。
「ええい! 貴様ら神社に寄れ! 寄らぬならば、切る!」
 そして、彼はとうとう神社を飛び出し、道行くキマイラたちに襲いかかろうとしていた。
 街の混沌は落ち着きつつある。あとは、かの怪人を倒せばこの騒ぎは収束を見せるだろう。
 祭りを共に楽しんだキマイラたちを守るためにも、最後の仕上げに取り掛かるとしよう。
東雲・ゆい
出たな~黒幕!
バシッとやっつけてお正月を返してもらうんだからね!

一章で一緒になった彼に、彼専用の生放送をしながら戦うの~!
おにいちゃんのために、ゆい頑張っちゃうよ♪
【誘惑】【挑発】で敵を煽って攻撃を引きつけるよ~!
【かばう】も使って仲間を守っちゃう♪
それで~敵の攻撃はわざと受けて★ヒロイックフォースと★ギリギリフォースを発動させたら
★バトルキャラクターズで美少女キャラをいっぱい出して、苦戦してたら合体させながら包囲攻撃するよ~!
わたしも一緒に殴ったり蹴ったりして戦うからね!

あ、もっちろん放送を見てくれる彼に~いっぱいアピールしながら戦うの~♪
応援してくれる人がいるとさ! 負けられないじゃん!



●あなたの為に放送開始
 神社から飛び出し、キマイラたちに襲いかかろうとした怪人の前に一人の少女、ゆいが立ち塞がる。
「出たな〜黒幕! バシッとやっつけてお正月を返してもらうんだからね!」
「それはこっちのセリフだ! こんなものがお正月であるものか!」
 周りでサンバを踊りながら逃げるキマイラたちを指差し、怪人が何かを叫んでいるが、そんなことは彼女にとってはどうでもいいことだ。
「おにいちゃん見てる? お兄ちゃんのために、ゆい頑張っちゃうよ♪」
 よく見ると彼女の周りには撮影用の端末やらドローンが浮かんでいる。そう、彼女はこのお祭りで一緒になったキマイラの彼に向けてアピールをしているだけだったのだ。怪人などただの倒すべき相手以外の何者でもなく、主張などどうでもいいことだったのだ。
「そうか、そういうことか、貴様もこの祭りのぉおおお!」
 何に怒っていいかわからなくなってきていた怪人は、手に持った長巻を振り回し、自分を完全に無視したゆいを追いかけ始めた。
「きゃあっ!?」
 なりふり構わず凶器を振り回し始めた相手に、彼女は少しずつ追い詰められていく。しかし、その状況こそが狙いだった。
「何、俺の攻撃を受け止めたっ!?」
 追い詰められることで発揮される彼女の二つの力【ヒロイックフォース】【ギリギリフォース】が発動したのだ。強化された体に、怪人の凶刃は届かない。
「さぁみんな、悪い人を懲らしめちゃおう!」
 さらに追い討ちをかけるように、発動する【バトルキャラクターズ】。現れたのは、彼女に負けじ劣らずな美少女キャラクターたち。
「な、や、やめろ、俺は美少女なんか、それより正月を……!?」
 突然現れた美少女軍団にたじろぐ隙に、彼女たちは容赦なく襲いかかっていった。
「ふふっ、これは応援してくれるあの人の為の専用放送だもの。手は抜かないから覚悟してね!」
 カメラにあからさまな目線を向けながら、ゆいは華麗に怪人を蹴り飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御手洗・そそぎ
わしは個人的には神社の方が好みではあるが……今は、あのひよこさんパンツをアップした者を探し出し、画像を消して貰うのが先決じゃ!

それにしても、こやつ……名を貫蔵殿と申したりせぬじゃろうか?

おっと、これいじょうは、いけない

とにかく、ここでこやつを食い止めるぞい!
わしは後方から、生まれながらの光で傷ついた仲間を癒やしつつ、ニンジャマスターがばらまくちくわを横取りして仲間に与え、鉄アレイは拾って投げ返そうかの

さあ、思い切って振りかぶって……セーラー服のスカートが捲れそうで集中できんのう
何やらカメラの気配もするが、さすがに気のせいじゃろうか?

こんなところを撮られたら、黒ストが伝線したり破れてて大変じゃ!



●それいじょういけない
 美少女軍団から転がり出し体制を整える怪人を眺めつつ、そそぎはどうしたものかと溜息をつく。
「わしは個人的には神社の方が好みではあるが……」
「ほう、わかっておるではないか」
 お前見どころあるなという表情を向け、端末を弄りだす怪人。
「あのような混沌とした祭りなどもっての外よ。写真なども試しては見たが、神社の写真よりもたまたま映した、高台の少女の写真が一番の閲覧数になるなどとと……」
「犯人はおぬしかああああ!?」
 そそぎは恐ろしい瞬発力を発揮し、怪人の端末を即座に奪い去ると、画像を消す作業を開始する。
「な、人の端末を奪うとはやはり不届きものか!」
「人のひよこさんパンツを世に知らしめるおぬしに言われとうないわ!」
「訳の分からぬことを……出でよ伝説のニンジャマスター! 奴から端末を取り戻すのだ!」
 痺れを切らして仲間を召喚する怪人。現れたニンジャマスターは容赦なくちくわと鉄アレイの雨を降らせる。
「くぅ、忙しい時に……って、こやつ、もしや名は貫ぞ……」
「それ以上は言わせんぞ、あと、どちらかというと陣ぞ……」
 そそぎの言葉を遮った怪人に対し、降ってきた鉄アレイを投げつけ、怪人の言葉を遮るそそぎ。
「おっと、これいじょうは、いけない」
 鉄アレイが怪人の顔面に突き刺さっている隙にそそぎは距離を取る。
 彼女の本来の役目は仲間の回復、援護である。端末を奪い、鉄アレイを投げたのはついでのようなものであった。かなり本気での行動ではあったが。
 後日、鉄アレイ投げの姿がスカートの中までバッチリ撮影され、大人気動画となってしまうことになるのだが、今のそそぎはそれを知る由もなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神月・瑞姫
おにーちゃん危ないっ!
【手をつなぐ】
そのまま怪人の攻撃から安全な場所へ逃がす【救助活動】

ここなら安全なの
終わるまで隠れてて
…みぃはどうするか…なの?

…戦うよ
みぃは、おにーちゃんの召喚獣だもん
守らないとだめなの

大丈夫
戦うのは怖いけど
みぃには神様がついてるから
(【勇気】と【優しさ】を胸に狐面を被る
するとおどおどした雰囲気が消え
口調が変化する

【巫覡載霊の舞】
お主はその神社の神か?巫女か?神主か?
そのどれでもないじゃろう
過去の残滓に何をいうても無為ではあるが
己が理想に神を利用する愚か者が
我が社の神に代わって裁いてくれよう

【鎧無視攻撃】の衝撃波を伴う薙刀の乱舞
チクワも鉄アレイも巾着も細切れにしてくれるわ



●てんしがかみさまになったひ
 ニンジャマスターの放った鉄アレイは逃げ惑うキマイラたちにも襲い掛かろうとしていた。
「おにーちゃん危ないっ!」
 それは、平和に過ごしていた瑞姫たちも例外ではなかったのだ。
 とっさに手を引き、降り注ぐ鉄アレイを掻い潜りながらも二人は物陰に屈み、隠れる。
「新年早々何だってんだ……ありがとな。危なかったよ……みぃ?」
 先程までと様子が変わった瑞姫に、青年が疑問の声をかける。
「ここなら安全なの、終わるまで隠れてて」
 瑞月の瞳には、決意と覚悟が浮かぶ。
「……みぃは、どうするんだ?」
 何となく、この時が来るような気がした。それでも聞かずにはいられなかった。
「……戦うよ、みぃはおにーちゃんの召喚獣だもん。だから、守らないとだめなの」
 真っ直ぐに瑞姫を見る青年に、心配しないでと笑いかける。
「大丈夫、戦うのは怖いけど、おにーちゃんが見ててくれるし……それにね、みぃには神様がついてるから」
 瑞姫は立ち上がり、怪人へと一歩踏み出す。
「応援、してるから。……帰って来いよな」
 青年からの優しさと、自らの勇気を胸に、手に持った仮面を被る。
 刹那、空気が変わった。辺りは浄化されたかのように澄み渡り、静寂が支配する。
「お主はその神社の神か? 巫女か? 神主か?そのどれでもないじゃろう」
 瑞姫の口から発せられる、かわいらしくも凛々しい声。先程直撃した鉄アレイを投げ捨てながら復帰した怪人は、たじろぎながらも言葉を返す。
「ああ、違うとも! だが神に誓って断言する。こんなものが正月であっていいはずがない!」
「過去の残滓に何をいうても無為ではあるが、己が理想に神を利用する愚か者が」
「いや、神社の神様がどれだけ寛容っていっても限度があるんじゃ……」
「己が思い込みで神を語るでない。我が社の神に代わって直々に裁いてくれよう」
「畜生! ああ分かった! 最早、神は死んだ! この世界の間違いが正せるというなら、俺が貴様を倒し神になってやる!」
 かみ合っているようでかみ合っていない会話の末、再度鉄アレイとちくわの雨を降らせながら、怪人自体も自暴自棄気味に瑞姫へと突撃する。
「チクワも鉄アレイも巾着も……このまま細切れにしてくれるわ!」
 しかし、彼女の薙刀から放たれる衝撃波は、彼らを近づかせることなく薙ぎ払い、吹き飛ばした。
「お……のれ……」
 衝撃波により弾き飛ばされ、同じく弾き飛ばされた鉄アレイを顔面で受け止め、満身創痍となった怪人。そのまま倒れそうになりながらも、己が新年の為、もとい信念のため、また立ち上がろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秦田・麻弓
遅くなりましたけど、まだ一緒に遊べる人、余っ…じゃなくてじゃなくて、お祭りはお祭り、どんなのでも安心してみんなで楽しめなきゃですからね、危ない人は退場してもらわなきゃ、ですよっ

種族柄かなじみやすい感じはあるし、神社は好きですけど…正直楽しければ祀られてるものが何とかは別に…ていうか楽しければ怪人でもなんでも良いですし、普通に楽しく遊びません?ダメですかそうですか
…的な感じで誘惑やらおびき寄せやら主眼に会話を持ちかけつつ、相手の攻撃の手が止まる気配があるようならそのまま気を引いて他の人の攻撃を待ちつつ、効かなそうなら隙を見て手早く攻撃を
乗ってくれたらむしろぐいぐい誘惑します。ダメですかどうですか



●柔をもって柔を制す
 度重なる鉄アレイの顔面直撃により、餅つきが如く頭をぺったんぺったんされ、ぐにゃぐにゃの体になりつつあった怪人。そんな彼を別の意味でぐにゃぐにゃにしようとする刺客が近づいていた。
「楽しければいいじゃないですか、ほら、一緒に遊びません?」
 踏んだり蹴ったりされている中でかけられた、秦田・麻弓(びびりびりびり・f00217)のやさしい声。それは地獄にたらされた一本の蜘蛛の糸のような救いにも似ていた。
「う、し、しかし、俺は、正さねば……この間違った世界を……」
「私も神社は好きですよ。でもほら、神社に何が祀られているかなんて、そこまで見ている人って少ないじゃないですか。今回はたまたまいろんなところが祀られちゃっただけなんですよ」
 それでも固い意志で乗り越えようとする怪人を、ふんわりとした理論で包む。
「そんな……たまたま……」
「そうですよ、そんな難しいことばかり考えてないで、一緒に楽しんだ方がいいじゃないですか」
 密着するほどに近寄る。柔らかくなった怪人の体と、麻弓の柔らかいところがぶつかり合い、もちもちでぷにぷにな戦いが密かに繰り広げられる。
「いや、しかし、うう、俺は、俺は……っ!」
「だめですか? どうですか?」
 ある意味積極的に攻めていく麻弓に、怪人の守りは今にも砕けようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カスミ・アナスタシア
さあ、仕上げよ。全員まとめてアタシに平伏すといいわ!

【全力魔法17】【高速詠唱16】
「おでんって煮込むものだったかしら?まあいいわ、焼いてもきっと美味しいわよ。たぶん」

UC使用。術式に術式を重ねることで、大技の詠唱時間を大幅に短縮させる技術。
初撃は炎の槍を射出するフレイムランス。
次撃は魔法陣から発生する爆炎砲撃エクスプロージョンバスター。
最後は対象物だけを捉える疑似太陽風ディザスターフレア。

「ふん、他愛ないわ」

「ってこれ、まだ続けるのかしら」
「まあいいけど。ましろ、さっきのアイツら、まだその辺に居るんでしょ?」
「うっさいわね。たまにはサービスよ、サービス」
一章と二章のやつらを誘いに帰っていく。


柊木・ましろ
ちゃっちゃと終わらせて、お祭りを楽しもう♪

【歌唱23】【楽器演奏11】【鼓舞13】【パフォーマンス10】
「みんなー!いっくよー♪」

UC、スペシャルメドレーを披露。メドレータイトルは「POPIN☆CUTE」。
キュートでポップな曲をチョイス。
武器はエレクトリックキュートとソールオブシンフォニア。大型スピーカーと、仲間の精霊を召喚して演奏。
演奏中に一章のキマイラと二章の怪人に向けてウィンク。

「さすがカスミちゃん。カッコいいねー」

「ささ、お祭りに戻ろ?」
「折角だから、楽しまなきゃ損だよ♪」
「ふふ、さっきの気にしてたんだ♪カスミちゃんかわいーなー」
「はいはい、サービスだね、サービス」
カスミに従い帰る。



●近頃流行りの新商品焼きおでん
 完全に骨抜きにされつつあった怪人に最後の仕上げの時が近づいていた。
 いつの間にか周りで始まっていたましろのリサイタル。
 怪人はいまだに正気に戻らず、先程まで逃げ惑っていたはずのキマイラたちは、何食わぬ顔で降りそそいだちくわを振りながら盛り上がりをみせていた。
「みんなからもらった気持ちを、今度はましろが届ける番だよ! 聞いて、ましろの歌を! いっくよー『POPIN☆CUTE』♪」
 『エレクトリックキュート』と『ソールオブシンフォニア』を構えた彼女は、いつの間にかスタンバイしていた精霊たちと共にキュートでポップな楽曲を奏で、歌い始める。
 倒れていた二次元好きや写真怪人たちも巻き込んで、神社の前は完全にましろのステージと化していた。
「みんなありがとー! よーし、カスミちゃん、ちゃっちゃと終わらせて、お祭りの続きを楽しもう♪」
 そう、この歌こそがましろのユーベルコード【ましろちゃんスペシャルメドレー】。その歌声は全ての観客を、そして何よりカスミの力を高めていく。
「ええ、そうしましょう。さぁ、仕上げよ。全員まとめてアタシに平伏すといいわ!」
 ましろの呼びかけに頷きながら、術式に術式を重ねていく。すでに辺りは冬にあるまじき熱気が渦巻いていた。
「貫け、フレイムランス!猛る火精の導き――燃えろ!エクスプロージョンバスター!――絶望の福音、彼の地より来たれ!ディザスターフレア!!」
 術式に術式を重ね合わせ、瞬時に発動する三つの魔術。
「これが私の【トライスペル・イグニア】、ありがたく味わいなさい!」
 激しく燃え盛る炎は瞬く間におでん怪人を包み込んでいく、彼は動く事すら許されなかった。
「最後には、焼きおでん、だと、みと、めぬ。み……とめ……」
 やがて炎は消える。その跡に残されていたのは、美味しそうな匂いでこんがりと焼き上がったおでんだけであった。
「おでんって煮込むものだったかしら? まあいいわ、焼いてもきっと美味しいわよ。たぶん」
 バターで炒めても胡椒で炒めてもいけます。
「さすがカスミちゃん。カッコいいねー」
 最後の障害が骸の海へと帰ったことを見届け、ましろはカスミに声をかける。
「ささ、お祭りに戻ろ?」
「ってこれ、まだ続けるのかしら」
 周りを見渡せばましろのライブの余韻から抜け出せず、さらにカスミの魔術も演出の一つと思っているのか、物凄くキラキラした瞳で見ているキマイラたち(一部怪人)
「折角だから、楽しまなきゃ損だよ♪」
「まあいいけど。……ましろ、さっきのアイツら、まだその辺に居るんでしょ?」
「その辺に見えてるんじゃない? ふふ、さっきの気にしてたんだ♪ カスミちゃんかわいーなー」
「うっさいわね。たまにはサービスよ、サービス」
「はいはい、サービスだね、サービス」
 二人は群衆をかき分け見覚えのあるものたちの元へと足を向ける。
 ここからはちょっとしたおまけみたいなものだ。お年玉とかご褒美とかそういうやつなのだ。
 だから、少しぐらいはいい目を見せてあげてもいいわよね、と、誰かが呟いたその声は、まだ続く祭りの熱気に溶けていった。

●祭は終わらない
 ここはキマイラフーチャー。年がら年中がお祭り騒ぎのような世界。
 一つの事件が終わり、一つの祭りが終わろうとも、またすぐに次のお祭りがやってくるだろう。
 しかしそれでも、全ての祭りは一度きり。ここでの出会いも一期一会。ならば、もう少し楽しんでもいいだろう。
 恋人のように過ごすのも、兄妹のように甘えるのも、素直じゃない態度で困らせるのも、徹底的に甘やかすのも、迂闊なことをしてしまって動画にされるのも、ナンパをしてちょっとしたロマンスを感じるのも、ちょっとしたファンサービスをするのも。
 それは、この年の、この日の、この時間の、このお祭りだけの思い出になるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月07日


挿絵イラスト