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エンパイアウォー㉑~関門海峡の決戦!~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #弥助アレキサンダー


●復活の毛利水軍
「毛利水軍のお出ましってわけだ」

 グリモワベースに集まった猟兵たちに、堂崎・獣明(整備係・f15021)が告げた。
 グリモワから投影される予兆の映像には、数多くの安宅船が関門海峡に集結している様子が映し出された。

「率いるのは、弥助アレキサンダーっていう魔将軍だな。記録じゃ、信長に差し出された黒人で護衛だったそうだが」

 続いて、屈強な弥助の姿が映し出される。
 巨大な剣を背に背負っている。

「毛利水軍の兵は、あの大帝の剣によってこっちを敵だと思わされた一般人のようだ。なるべく巻き込みたくねえもんだぜ。お――?」

 映像に映し出された弥助アレキサンダーが海上に浮遊する。
 その直下には、関門海峡にできあがった大渦があった。

●待ち受けるもの
「これぞ渡来人の至宝メガリスのうち、闘神の独鈷杵の力――」

 大渦の中心に浮かび上がる弥助アレキサンダーは、精悍な表情で言った。
 浮かぶものを巻き込み、引き込もうとするこの大渦は超常の力によるものだ。
 渡来人の至宝メガリスは、この関門海峡に三つある。
 一つは、人々を毛利水軍の兵に洗脳した大帝の剣。弥助アレキサンダーが持つ。
 一つは、関門海峡の大渦を生み出した闘神の独鈷杵。大渦を起こした。
 そして、もう一つは――。

「フェンフェン、フェン!」
「おお、秀吉殿も気合十分のようだな」

 フェンフェンとしかしゃべらない異様な生き物は、そのもう一つのメガリス、逆賊の十字架によって異形となって強化された織田側の隠し将、豊臣秀吉である。
 大渦の上を、ボンボン跳ね回って弥助に言葉をかけている。
 それだけで、十分に伝わるようだ。

「すべては信長様のために!」
「フェンフェンフェン、フェンフェン!」

 関門海峡で待ち受ける戦いはいかに?


丹藤武敏
 どうも、丹藤武敏です。
 サムライエンパイアの戦争ということでオープニングを仕上げました。
 大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
 また、戦いは関門海峡の海上です。秀吉も弥助アレキサンダーも、海の上で戦えます。猟兵の皆様も海での戦いをどうするかのプレイングがあればボーナスがあるものと思ってください。
 それでは、どーんといらっしゃってください。
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第1章 冒険 『毛利水軍を突破せよ』

POW   :    邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。

SPD   :    毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。

WIZ   :    毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
塩崎・曲人
まあ、洗脳されたお味方を死なせちまう訳にはいかんわな
「じゃー平和的に行こうかね。オレなりにだがな!」

まずは一人でも動かせそうな毛利水軍の舟に目星をつけて、泳いで接近
なるべく気付かれないよう素潜りでな
で、接近したら船に乗り込んで船員を端から海に捨てていく
大帝の剣の効果からして、敵認定の判断がすり替わるだけだから
海に落ちた味方を見捨てやしないだろ

で、舟をゲットしたら敵が救助に手を取られてる隙に
全力で漕いで、毛利水軍を突破した他の猟兵に追いつこう
(【切り込み隊長】)

「じゃーな、こいつは貰っていくぜ!ハッハァー!」

【アドリブ歓迎】



「じゃー平和的に行こうかね。オレなりにだがな!」

 言い放ったのち、関門海峡に飛び込んだのは、塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)である。
 毛利水軍と称している船団を動かしている兵士たちは、事前情報で洗脳されているというのは判明している。
 味方になるかもしれない者たちを死なすわけにはいかない。そういう判断なのだ。
 しかし、渦を巻く海に飛び込むという無謀も、曲人なればこそであった。
 素潜りで軍船の中でも小型の千早船に泳いで近づいていく。

「……っぶわっはっ!!」

 なんとか船舷に張り付いて這い上がる。
 息はどうにか持ったようだ。
 しかし、そう簡単にはいかない。

「曲者じゃ! 斬れい、海に落とせ!」

 さっそく船に乗る兵たちがやってくる。

「オラァ、落ちるのはそっちだ!」

 船上とはいえ喧嘩のやり方というのは変わらない。
 船員たちを曲人ひとりで海に叩き落としていく。

「じゃーな、こいつは貰っていくぜ! ハッハァー!」

 盗んだバイク……ではなく、奪った舟で漕ぎ出した。
 ユーベルコード【切り込み隊長(トツゲキバカ)】の効果だ。
 これで、毛利水軍を突破した猟兵たちに追いつこうというのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

天御鏡・百々
●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ連携歓迎

海は少々苦手だが、そうも言ってはおられぬな
(本体の神鏡が錆びないよう密封出来る袋に入れて懐にしまう)

洗脳されている武士達を巻き込みたくはない
水軍は避けて進むとするか

先ずは情報収集15で潮の流れを読み
敵船が薄くなるタイミングと場所を進むとしよう

海上の移動手段だが……
『鏡渡り』を使うとするか

なるべく小さい鏡を幾つも持ち込み
念動力10で操作して鏡渡りで移動出来る限界地点に浮遊させる

その鏡まで鏡渡りで移動したら(我自身も念動力で海上に浮遊)
再度鏡を念動力で操り……この繰り返しで進んでいこう

水軍から見つかったら
神通力(武器)の障壁(オーラ防御64)で我も鏡も守るぞ


レクス・マグヌス
【心情】
メガリス、か
その正体は知らないが、さぞや名のある魔剣と見た
その力を持って信長を守るというのなら、僕もサムライエンパイアの人々を守るために戦おう

「聞くがいい! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」

【行動】
「空中戦」「ジャンプ」で上空に移動することで、海上の動きを観察して攻撃に活かす
「情報収集」で事前に地形や機構を把握
「地形を利用」で相手が攻撃しづらい場所を探し、「残像」「オーラ防御」で直接の被弾を避けるようにする

いかに強力な船団と言えども、自然の猛威には敵わない
『災厄を呼べ! その名は争い!』
嵐の騎士を召喚して立ち向かう

その危険なメガリス、破壊させてもらうぞ



「海は少々苦手だが、そうも言ってはおられぬな」

 天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は破魔の神鏡のヤドリガミである。海水を浴びるわけにはいかないので、まずは本体を袋に入れて懐にしまった。

「メガリス、か。その正体は知らないが、さぞや名のある魔剣と見た――」

 渡来人たちが所有する至宝レガリアのうちのひとつ、大帝の剣。レクス・マグヌス(嵐をもたらすもの・f07818)にとって、それは刃を交えるに値する武器であるかもしれない。

「では、海を行こう。鏡渡りを使うとするか」
「鏡渡り、とは?」
「うむ。こうするのだ」

 潮の流れを読んだ百々は、海の上に念動力で小さな鏡をいくつも浮かべる。
 その上を、ひょいひょいと渡っていった。
 渡った後の鏡は、また前に移動していく。
 百々のユーベルコード【鏡渡り】の技で鏡面世界に移動しながら進むのだ。

「なるほど、それが鏡渡りですか」
「レクス殿も渡ってくるとよいぞ」
「では、失礼して――」

 レクスも鏡を踏み台にして飛び上がり、毛利水軍の突破を目指す。
 しかし、その進路には無数の関船がひしめき合っていた。

「聞くがいい! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」

 レクスは名乗りを上げ、ユーベルコード【剣の軍勢(インベル・アウクシリア)】を発動させた。

「いかに強力な船団と言えども、自然の猛威には敵わない。――『災厄を呼べ! その名は争い!』」

 レクスの掛け声とともに、嵐の騎士と妖精の下僕が召喚され、突撃の陣形となる。毛利側の船団が固めた陣形を突き崩そうと、一気呵成に突き進んだ。
 位置度切り崩された船の並びは、そう簡単には立て直せるものではない。
 とはいえ、これほどの人員を操る大帝の剣の力は恐るべきものである。
 レクスは、その破壊を誓った。

「我もあれに続くとしよう」

 鏡が割られぬようオーラで包みながら、百々もぴょんぴょんと器用に跳ねて続くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『隠し将『豊臣秀吉』』

POW   :    墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
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「フェンフェン、フェン。フェンフェン、フェンフェンフェン――」

 関門海峡の海上を、まるでゴムまりのように跳ね回る黒々とした毛玉。
 隠し将、豊臣秀吉である。
 渡来人の至宝レガリアのひとつ、逆賊の十字架によってこうなったというのだ。
 フェンとしか鳴けない生き物だが、何故かその言わんとするることは伝わってくる。

『これより先、信長様のために通しはせん。この秀吉がお主らを海の藻屑にしてしんぜよう――』

 殺気と気迫はいかばかりか。
 これより、勝負となる。
天御鏡・百々
その忠義、天晴れなり
しかし、我らも引くわけには行かぬ
貴殿を倒し、押し通らせてもらおうぞ!

●先制対策
麻痺の力があるならば、直接受けるは論外
光線……光ならば反射出来るか?

なるべく大きな鏡を持ち込み
念動力10で動かしたそれを
情報収集15と第六感10で読んだ光線の軌道上にかざして反射を試みる

我より数メートル前に鏡を出すこと
鏡の裏に神通力(武器)による障壁(オーラ防御64)を作ることで
反射できなかったときも対処出来よう

●海上対応
念動力10の浮遊で浮く
不足なればオーラ防御の障壁を足場として使用

●攻撃
『天鏡破魔光』で遠距離攻撃(破魔69)
操る鏡で軌道を曲げ、敵の死角から狙うぞ

●本体の神鏡へのダメージ描写NG


黒鵺・瑞樹
アレンジ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

UC空翔と【空中戦】で海上を駆ける。
跳ね回るって言ってもそのスピード自体がさらに上がるじゃないだろう。【第六感】で感知、【見切り】で回避しきってやる。
回避しきれなものは黒鵺で【武器受け】で受け流し、それから【カウンター】を叩き込む。
それでも喰らってしまうものは【激痛耐性】でこらえる。

先制攻撃をしのいだ後は【存在感】を消し【目立たない】様に移動後【先制攻撃】で【奇襲】【暗殺】攻撃。
逆に俺以上に奇襲かける目がある猟兵がいたら、俺が囮になってもいい。
確殺できなくとも動きの制限狙いで【マヒ攻撃】、かつ【傷口をえぐる】でよりダメージ増を狙う。


塩崎・曲人
猿かよ
猿だったわ

さすが武将級、機動力がダンチ過ぎる
(前の章で調達した)舟を守りながら戦うのは無理だな
「しゃーねー、もっかい濡れ鼠になるのは覚悟するしか無いな」
秀吉のあだ名はハゲネズミだったか?

先制攻撃たって、奴さんのUCの効果はバウンドモードに変化するとこまでだ
それによる攻撃は、待ち構えてりゃ躱すのは難しくない…一撃だけなら
「だからまあ、その一回のチャンスで相手をどうにかしろと」

敵の初撃を気合いで回避しつつ(多分舟は死ぬ)
こっちは【睨撃粒子砲】を狙うぜ
質問は「信長の使うユーベルコードの効果は何だ?」だ
まさか忠臣っぽいこいつがこれに応える事はないだろ

【アドリブ歓迎】


レクス・マグヌス
【心情】
隠し将秀吉、お前が信長に至る壁であるのなら、全力で破らせてもらうぞ!
「嵐よ起きろ! 戦いの時だ!」

【行動】
「地形を利用」して相手の動きを阻害する
「聞き耳」でバウンドモードの移動するタイミングを計る
「吹き飛ばし」で相手の動きがとりづらい場所へと誘導する
「ジャンプ」「空中戦」「残像」で自身の回避に集中

バウンドモードが生かしづらい環境に誘導後、ユーベルコードを起動し、妖剣で加速した状態で攻撃を行う
妖剣解放は長時間使えるわけではないが、瞬間的にヤツのスピードを売和まれるのなら十分に勝機はある

そう言えば秀吉のこの胸の紋章、何を表しているんだろうか?
どこかで見覚えがあるような気がするが思い出せない



 海上を跳ねる異形へと変じた豊臣秀吉。

「フェン、フェンフェンフェン、フェン!」

 言葉にならぬ鳴き声を向ける。
 しかし、何故だか言わんとすることは伝わってくる。
 それは、おのれを取り立ててくれた信長への忠義であった。

「その忠義、天晴れなり。しかし、我らも引くわけには行かぬ。貴殿を倒し、押し通らせてもらおうぞ!」

 鏡渡りで海上に現われた天御鏡・百々にも、その思いは伝わっている。
 フェンフェンいう謎の生き物に成り下がったとしても、その心意気は変わらない。
 一方、ユーベルコード【空翔(ソラガケ)】によって海上を跳ねる秀吉に食らいつこうとするのは、黒鵺・瑞樹(辰星月影写す・f17491)であった。
 右手に胡、左手に黒鵺の二刀流の構えである。

「フェンフェン!!」

 まずは秀吉の先生である。
 フェンフェンと鳴くと、海の上を跳ねた。
 跳ねる跳ねる、まさにマシラのごとくであった。

「猿かよ! ……猿だったわ」

 海の上とは思えぬほどの機動力に、塩崎・曲人も呆気にとられた。
 まさか、異形となった豊臣秀吉がこれほどとは思わなかったのである。
 跳ね回って、曲人が奪い取った小早舟に突進してくる。

「……しゃーねー、もっかい濡れ鼠になるのは覚悟するしかないな」

 元々奪い取ったものだったから、見切りをつけるのは早かった。
 舟を乗り捨て、曲人はすんでのところで海に飛び込んだ。
 秀吉の体当たりによって、舟は派手に砕け散ったものの、曲人は無事である。
 しかし、反撃を狙っていたタイミングでもある。
 ユーベルコード【睨撃粒子砲(メンチビーム)】が発動。

「おい、秀吉ィ! 信長の使うユーベルコードの効果はなんだ?」
「フェン? フェンフェンフェンフェン!」

 ――なんだと? 誰が貴様などに教えるものか!

 そんな回答を返したのだが、曲人のユーベルコードは真実を言えば解除される。
 信長への忠義をみせる秀吉が漏らそうはずがなかった。
 メンチ切った殺気が秀吉に直撃し、ダメージを与える。

「その忠義、天晴れなり。しかし、我らも引くわけには行かぬ。貴殿を倒し、押し通らせてもらおうぞ!」

 天御鏡・百々は秀吉の忠義を褒め称える。
 外見は十歳前後の女児であるが、御神体として祀られていた時間は長い。
 その秀吉も、立ちはだかって来た以上容赦はしないのである。
 腹部のスペードマークに、光の粒子が湧き上がってくる。
 ビーム発射の予備動作だ。

「やはり、ビームなのだな!」

 百々の第六感は、それを予測していた。
 身の丈を上回る大きな鏡を数メートル手前に出現させる。
 くわっと眩い閃光が奔る。
 すでに読み切っており、見事に反射される。

「悪しき者よ、我が破魔の力によりて滅び去るがいい!」

 ユーベルコード【天鏡破魔光(テンキョウハマコウ)】のちからによって反射されたその光は、いくつもの鏡に反射され、破魔の光となって秀吉を射った。

「フェェェェェェン!?」

 叫びとも鳴き声とも判別できない声が上がる。

「ふぇ~、やるじゃん!」

 ふよふよと念動力で浮遊する百々の足元に、泳いできた曲人がざばっと顔を出す。

「おぬしもなかなかであったぞ」

 その一方で、レクス・マグヌスも妖剣を向けた。

「嵐よ起きろ! 戦いの時だ!」

 みずからの攻撃を反射され、いささか麻痺しているようだがそれでも十二分に驚異的なスピードなのだ。
 レクスも波を切りながら、海上を駆ける。
 ちょうど、潮の渦と波がぶつかる場所におびき寄せる。

「フェン! フェフェン!」

 奇妙な鳴き声を一つ上げると、レクスに向かって爆ぜるように突進してきた。

「――今だ!」

 ユーベルコード【妖剣解放】によって、その投信に宿った怨念をまとい、高速移動で衝撃波を放つ。
 秀吉の突進は、渦と波がぶつかってできた三角波に阻まれることになり、その瞬間を逃さなかった。
 ざっと、すれ違いざまにひと薙ぎする。
 しかし、レクスには引っかかることがあった。

(……秀吉の胸の紋章、何を表しているんだろうか? どこかで見覚えがあるような気がするが思い出せない)

「フェ、フェン……! フェフェフェフェフェンッ!!」

 度重なる攻撃に、秀吉も怒りを露わにする。
 海の上を無差別に跳ね回り、撹乱する。
 これでは、狙いが絞りきれない。

「くっ、追いつけん……」

 妖刀の力を解放したことによって、さしものレクスも動きが鈍っている。

「よっと! こっちだ!」

 黒鵺・瑞樹がユーベルコード【空翔(ソラガケ)】によって海面を蹴って空中に飛び上がっていた。
 その動きで、秀吉の気を引きつける。

「フェェェェェェェェェェェェ――ッン!!」

 上空に飛び上がってきた秀吉の頭突きを、胡と黒鵺を交差させることで受け切る。

「うっ、ぐっ……!?」

 衝撃は、なんとか耐えきった。
 続いて、大型ナイフの黒鵺を秀吉の胸部にある文様に突き立てる。

「フェ!? フェェェェ……」

 急所であったのか、そのまま落下して海の上でバシャバシャと飛沫を上げてのたうち回る。
 そこに、猟兵たちがそれぞれのユーベルコードを叩き込んだ。
 異形となった秀吉の断末魔が上がり、同時に反逆の十字架も砕け散る。
 その骸は、ゆっくりと海中に沈んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

POW   :    大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
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「秀吉殿を倒してきたか。さすがだぜ」

 大渦の中心に、まるで羅漢のような姿の偉丈夫が浮かんでいる。
 魔将軍の一人、弥助アレキサンダーであった。
 背負っているのは、渡来人の至宝レガリアの一つ、大帝の剣。
 そして右手に握るのは、闘神の独鈷杵。

「天下は、信長様が取るはずだったものだ。俺は、信長様のために戦った。もう一度この世に現れるっていうのなら、お付き合いするってのが筋だろうさ」

 堂々たる物言いで、猟兵たちの前に立ちふさがる。
 いざ、尋常に勝負――!!
黒鵺・瑞樹
アレンジ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

秀吉戦と同様、UC空翔と【空中戦】で海上を駆ける。
残念ながらこれしかないんでな、相手の攻撃は【第六感】で感知、【見切り】で回避しきってやる。
回避しきれなものは黒鵺で【武器受け】で受け流し、それから【カウンター】を叩き込む。
ふれた「者」って事はたとえ本体でも器物なら大丈夫って事だろ。

先制攻撃をしのいだ後は【存在感】を消し【目立たない】様に移動後【先制攻撃】で【奇襲】【暗殺】攻撃。
逆に俺以上に奇襲かける目がある猟兵がいたら、俺が囮になってもいい。
確殺できなくとも動きの制限狙いで【マヒ攻撃】、かつ【傷口をえぐる】でよりダメージ増を狙う。


天御鏡・百々
●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ連携歓迎
●本体の神鏡へのダメージ描写NG

我が全力をもって貴殿を討たせて貰おう

海上に浮かぶ壊れた船の破片より
金属製の釘などを回収しておく

念動力10で海上に浮かび
敵の初撃に対し、回収した金属を放り投げ避雷針として逸らす
ダメなら神通力(武器)の障壁(オーラ防御74)で身を守る

敵は海上に浮かび、渦は海面
海上に『惑いの封魔鏡』を発動すれば
敵のみ迷宮に捕らえられよう

迷路の硬度ならば
外から雷槌で撃たれようとも多少は耐えれるはず

迷路が破壊される前に近接戦闘を挑むぞ
真朱神楽(武器:薙刀)で防御の隙間をなぎ払ってくれる(鎧無視攻撃5、なぎ払い31)
防御は武器受け5とオーラ防御74で対応


レクス・マグヌス
【心情】
今までオブリビオンは自我の無い存在だと思っていた
だが、少なくとも彼らは一角の矜持を持った戦士だ
僕も戦士に対する礼として、ここで確実に決着を付けよう

【行動】
「オーラ防御」にて頼槌の攻撃を防御つつ、「ジャンプ」「空中戦」でタイミングをうかがう
「生命力吸収」で少しでもこちらの耐久力を確保する
タイミングを見計らい、接近して「武器落とし」を狙う

「武器落とし」が完全でなくてもユーベルコードを発現させる時間が出来たのなら、「力ため」「高速詠唱」から、全力での【ウィザード・ミサイル】を叩き込む
「200本の炎の矢、そう簡単に耐え切れると思うな!」


勝てるとしたら運の余地が多いかな
間違いない強敵だった


塩崎・曲人
っていうか普通に宙に浮くのずりーぞ
「こっちはひーこら泳いできたのによぉ」

敵の隙を付くのが強敵相手の基本…
特に先制でユーベルコードぶちかましてくるような奴相手は特にな
(そしてこいつの弱点は逆賊の十字架。戦意を奪う肉塊の操作はたしかに脅威だがよ……ユーベルコードの効果は肉体を変化させるところまでだ)
「つまり変化させた後の攻撃には、ギリギリこっちのUCを合わせられんのよ!こんな風にな!」

視肉でこちらに触れてこようとしてくる筈なので
あえて水中に深く潜ることで触れられるまでの時間を稼ぐ
その間に【最後の手札】で精霊魔法を起動
圧縮した風を撃ち出して弥助を攻撃するぜ

【アドリブ歓迎】



「っていうか普通に宙に浮くのずりーぞ。こっちはひーこら泳いできたのによぉ」

 濡れ鼠になっているのは塩崎・曲人であった。
 秀吉には舟を壊され、今は大渦の流れになんとか逆らって泳いで対抗している。
 黒鵺・瑞樹がユーベルコード【空翔(ソラガケ)】で空中戦を挑んでいるが、残念ながら曲人はそんな華麗さは持ち合わせていない。
 しかし、渦を意地でも泳ぐという根性があった。

「秀吉殿を倒すほど相手、全力で当たらねば礼を失するってもんだ。戦士というものは誇り高きもの。それは、この国でも変わらないと知ったぜ」

 大帝の剣の柄に手をかけ、戦いに移動もうとする弥助アレキサンダーである。
 その振る舞いは、実に堂々としたものだ。
 
「やはり、信長麾下の将ともなれば、気概が違うな。あらためて、僕も戦士として戦おう!」

 レクス・マグヌスも、剣礼にて応える。
 オブリビオンとは、自我の無い存在。
 そうしたバケモノであるというのがレクスの考えであった。
 しかし、秀吉とこの弥助は違う。一角の矜持を持った戦士であったのだ。
 ならば、その礼に求めて尽くさねばらない。
 切っ先に気迫を込め、構える。
 すぐにでも、ユーベルコードを発動させる構えだ。

「ならば、我も我が全力をもって貴殿を討たせて貰おう」
「鏡のお嬢ちゃんか。姿が子供だからって容赦しちゃここまで戦ってきたあんたに対して礼を失するってもんだ。こちらも、全力を出させてもらう」
「そちらのレガリアとかいう呪物にも我は負けぬぞ」

 百々は言って、念を集中させる。
 海上で砕け散っていた毛利水軍の船体から、金釘を念動力で引き抜いた。

「そいつでどうしようというんだ? こっちからいくぞ」

 握りしめた闘神の独鈷杵から、バチバチと火花が散った。
 元は帝釈天インドラが持つ武器、雷に由来する仏具だ。
 今、それが現実に稲妻を放つ。
 大渦の広範囲に、紫電が奔った。

「むん!」

 次々と襲い来る雷を、レクスは飛び跳ねながら躱していく。

「まるで、伝え聞く源義経というこの国の戦士のようだな。八艘の舟を飛んだというぜ。だが、いつまでも逃げ切れると思うなよ!」

 レクスにユーベルコードを発動させる隙を与えない。
 あふれる電撃が、逃げ場を狭めていく。
 しかし、その電撃はレクスから逸れていった。

「これは!?」
「雷は金気に落ちるというぞ。次は、こちらの番だ。鏡よ鏡、邪なる者を惑わし、封じ込めよ――」

 途端に、大渦の海面が鏡となった。
 百々のユーベルコード【惑いの封魔鏡】である。
 悪しき者の方向感覚を狂わせる鏡が、海上を迷宮へと変えた。

「ちっ、これでは狙いが定まらん!?」
「とあ!」

 真朱神楽なる銘の薙刀を構え、果敢に接近戦を挑む。
 一合、二合と、薙刀と大帝の剣が刃を鳴らす。

「今だ――」

 レクスのユーベルコード【マジックミサイル】発動。

「200本の炎の矢、そう簡単に耐え切れると思うな!」

 無数の炎の矢が、弥助目指して降り注ぐ。
 稲妻と炎の対決である。

「ちいいいいっ!?」

 弥助が押し負けて、闘神の独鈷杵を取り落した。
 そこに、黒鵺・瑞樹がユーベルコード【翔(ソラガケ)】で迫った。

「残念ながらこれしかないんでな」
「なるほど、大した身軽さだ。おまえたちにはこっちでいこう」

 弥助の腕が盛り上がり、異形のものへと変化していく。
 秀吉を変化された反逆の十字架の砕けた欠片が刺さっいたのだ。
 巨大な肉塊から、再構成された触腕が瑞希と曲人に伸びる。

「そいつを待っていたぜ――」

 一旦、大渦の水中に潜っていた曲人が待っていたのは、弥助の攻撃であった。
 弥助のこの攻撃は、肉体を視肉へと変化させるところまでである。
 変化させた後の攻撃は、ユーベルコードではないのだ。
 観察と分析こそ、能力同士をぶつけ合うバトルでは大切なこと。
 曲人も、猟兵として戦い経験を重ねてきたのだ。

「つまり変化させた後の攻撃には、ギリギリこっちのUCを合わせられんのよ! こんな風にな!」

 ユーベルコード【最後の手札(マジックユーザー)】発動。
 アルダワの魔法学科で学んだ魔法がここで役に立つ。
 風属性の魔法を高速で詠唱して、圧縮してぶつける。
 たまらず、弥助も仰け反った。
 さらに、瑞希が触腕を防いで迫った。
 反逆の十字架は、視肉を生み出して触れた者の戦意を奪うという攻撃である
 これを十字受けで防いだのだ。
 “物”ではなく“者”に有効ということは、すなわち効果が及ぶのは有機体のみと見切ったのだ。

「みんな、いまだ!」

 瑞希の合図で、猟兵たちが一斉に攻撃した。
 百々の真朱神楽が、曲人の風属性魔法が、レクスの炎の矢が、瑞希の胡と黒鵺が。
 それぞれが弥助に命中する。

「……み、見事だったぜ。信長様、俺は、ここ、までだ……」

 弥助は渦に落ち、呑み込まれていった。
 あっけない最期かもしれない。
 だが、信長への忠義のために戦った魔将軍の一人であったのだ。

「間違いない、強敵だった」

 レクスは呟き、弥助の壮烈な死に礼をとった。
 魔空安土城への海路は、これで開かれたのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月22日


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#サムライエンパイア
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#戦争
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#エンパイアウォー
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#魔軍将
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#弥助アレキサンダー


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト