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エンパイアウォー㉑~海上戦線

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #弥助アレキサンダー

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●大帝剣『弥助アレキサンダー』と隠し将『豊臣秀吉』
「秀吉殿、奴らが来たぜ! ここが正念場だ!」
「フェンフェン! フェン?」
 大帝の剣、逆賊の十字架、闘神の独鈷杵、メガリスの扱い方は心得ていると弥助アレキサンダーは豊臣秀吉に告げる。
「フェン……フェンフェン!」
 秀吉は、更に弥助アレキサンダーを気遣った。
「それも、心得ている。俺も侍、秀吉殿の覚悟に口は挟まねぇ。秀吉殿を盾にして、万にひとつの負けも無いように全力を尽くすよ」
 弥助アレキサンダーが答える。
「全ては信長様の為に」
 二人は力強く、感慨深く、頷き合った。

●海上戦線
「大帝剣『弥助アレキサンダー』そして、隠し将『豊臣秀吉』の居場所が判明したこと、みんなも知ってるかな」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は表情を引き締め猟兵たちに呼びかけた。
 戦場は『関門海峡』の海上だ。
「ここで気を付けて欲しいのは、まず毛利水軍を何とかしなければいけないってことだよ」
 彼らは、大軍勢を操るメガリス『大帝の剣』の能力によって猟兵が敵だと洗脳されており、敵意を剥き出しにしている。猟兵を見ると、即座に襲い掛かって来るだろう。
「毛利水軍はね、猟兵に比べたら弱いと思うよ。でも、屈強な武士たちなんだよ。もし、もし何か策があれば、殺さず無効化できるかもしれないね」
 もちろん、襲い来る毛利水軍の生死は作戦の成功には関りは無い。
 しかし皆殺しにしてしまっては、江戸幕府の未来に禍根を残してしまうかもしれない。何より、洗脳されているだけの武士たちを殺してしまうことにためらいを覚える猟兵も多いだろう。
「毛利水軍の攻撃を何とかすると、大帝剣『弥助アレキサンダー』と隠し将『豊臣秀吉』との戦いだよ」
 しかし、ここでも注意が必要だ。
 豊臣秀吉は関門海峡の海上をゴムマリのように飛び跳ね、ありとあらゆる角度からの弥助アレキサンダーへの攻撃を受け止める。これは、対象を異形強化するメガリス『逆賊の十字架』の能力によって、スピードと反応速度を強化されているからに他ならない。
「だから、豊臣秀吉を倒さない限り弥助アレキサンダーには届かないの。敵は先制攻撃を仕掛けてくるから、それに対処しながら撃破してね。豊臣秀吉を倒したら弥助アレキサンダーに挑めるというわけだね」
 弥助は、メガリス『闘神の独鈷杵』の力によって発生した『関門海峡の大渦』の中心に浮遊しながら、3つのメガリスの力を高めていると言う。
「この大渦を戦いに利用できたら、もしかしたら有利に戦えるんじゃないかな」
 弥助は水上を浮遊して戦うが、それほど高くは飛べないようだ。
「説明の通り、全て海上での戦いになるよ。何か、海上で戦える工夫があると良いかもね」
 ルビナは一通り説明を終え猟兵たちを見た。
「みんな、頑張って! まずは毛利水軍だよ」
 そして、仲間を励ますようにエールを送った。


陵かなめ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 戦場は海上になりますので、お気を付けください。
 ㉑大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』との決戦シナリオです。

 1章では毛利水軍との戦いになります。皆殺しではなく無効化できれば今後の江戸幕府にとっても良いのですが、どうでしょうか。
 2章では豊臣秀吉、3章では弥助アレキサンダーとの決戦になります。どの章も海上での戦いです。

 大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 オープニングが公開された時点からプレイングを受け付けますので、よろしくお願いします。
 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『毛利水軍を突破せよ』

POW   :    邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。

SPD   :    毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。

WIZ   :    毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

推葉・リア
【SPD】
弥助はわかるけど、秀吉…本当に猿?だったの…?まぁ直接本人を見ればいいか

船には『星色ライド』でひとっ飛びするわね!
おそらく私達に向かって矢とか打たれそうだけど、星色はとっても速いの、そんな矢なんて当たらないわ!…一応炎の【オーラ防御】かけておこう

船についたら水軍を無力化するわ!『バトルキャラクターズ』で睡眠や誘惑その他の方法で傷つけずに相手を無力化する能力を持った推しキャラ達を呼んでどんどん無力化さしてもらうわ、私も【催眠術】や【気絶攻撃】…聞くかはわからないけど私の【魅力】も使うわね

あなた達もある意味被害者よね、今はここで眠ってたりしてて
すぐ洗脳解いてみせるから

【アドリブ共闘歓迎】


神元・眞白
【SPD/割と自由に】
巻き込みたくはないけど通さないっていうなら通らないと。
あまり傷つけずに通らせてもらおう。ちょっと手を入れて、ね。

符雨に海の上に音響弾を打ち込んでもらって、多数を誘導。
水軍の格好に変装しながら時間をおいて次に催涙弾の投射を。
私と魅医で医療班として動くように演技しながら潜入。
符雨を猟兵として見立てて、離脱してもらえればそのまま目立たないし。

あとは医療班として後退する体で動いていけばなんとかなりそう、かも。
少し時間があるならせっかくの海の上だし景色も見ていかないと。


大豪傑・麗刃
この大豪傑麗刃は…いわゆる変態のレッテルをはられている…

たしかに日頃は思い当たるフシもなくはない。だが此度は故郷サムライエンパイアの危機。
ネタ一切抜きのシリアスで行くのだ(本気?フリ?さあ)

さて一般兵を倒さずに突破しなきゃならないと。ならば高速で抜けるのみ。
そしてわたしには超高速で動く手段がある。

(スーパー変態人2発動!)

とはいえさすがにこの数を正面から抜けるのは無理。
そんなわけで高速で飛び回って【残像】ばらまき敵兵を混乱させるのだ!残像に【フェイント】や【存在感】のせることでさらに強化!そして隙を見せた敵に片端から【武器落とし】かける事でさらに混乱!
こうして無理やり突破口作って突撃なのだ!


斬断・彩萌
洗脳されてるだけの人を相手取るのは、イイ気分しないわね…
ここはなるべく敵の隙間を通り抜ける様にして駆け抜けましょう

●SPD
事前に【情報収集】で敵のフォーメーションやシフトを確認
敵の守備が薄いところを狙って一気に走り出す!
【戦闘知識】からくる【見切り】で敵の攻撃を回避しながら、背を低くして全力でダッシュ

どうしても避け切れない場合は応戦するけど、その場合は敵の脚を狙って追いついてこないように
あまりにも数が多ければ目眩ましの強烈な照明弾でもぶっ放すわ(やる時はサングラスを忘れずに)

数が多いだけじゃただの雑魚、洗脳にも限度はある
せめて私以外の猟兵に殺されないように気張りなさいよ

※アドリブ・絡み歓迎


リリスフィア・スターライト
強敵との連戦になるけれど、まずは毛利水軍を突破しないとだね。
洗脳されているなら被害も最小限に留めたいかな。
天体破局による津波や暴風で水軍の配置、潮の流れを変えて
私達から水軍を遠ざけさせる、又は航行不能にさせるようにしたいかな。
他の猟兵達を巻き込まないようにタイミングには気を付けるね。

もし直接戦闘となる場合は、剣で応戦して戦闘力だけを奪うようにかな。

「大物が待っているからね。道を開けてもらうよ」
「犠牲を出さない為なら。天候や流れも変えてみせるよ」



●飛ぶ、跳ぶ
「おのれ、猟兵どもめ!」
「よくもぬけぬけと我らの前に姿を現したものよ!」
 関門海峡に到着した猟兵たちを見て、毛利水軍の武士たちが色めき立った。
 聞いていた通り、洗脳され猟兵を敵だと認識しているようだ。
「弥助はわかるけど、秀吉……本当に猿? だったの……?」
 推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)は水軍の更に向こうを見ようと少しだけ背伸びをしてみる。やはり、この場所からは良く見えないようだ。
「まずは毛利水軍を突破しないとだね」
 リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は、海上で列をなす水軍の位置や様子をうかがった。
「とは言え、洗脳されてるだけの人を相手取るのは、イイ気分しないわね……」
 武士たちの様子を見ると、こちらに敵意を向けて来るだけのただの一般人のように感じられる。もちろん、屈強な武士ではあるのだけれども、と斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)。
「ここはなるべく敵の隙間を通り抜ける様にして駆け抜けましょう」
「そう。巻き込みたくはないけど通さないっていうなら通らないと」
 毛利水軍の扱いについては神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)も同じ意見だ。
「まぁ直接本人を見ればいいか。それじゃあ、私は船にひとっ飛びするわね!」
 そう納得し、リアはユーベルコード・星色ライドを発動させた。
「頼りにしてるよ、星色」
 自身の2倍ほどもあるコンゴウインコを召喚し、その背に飛び乗る。
 星色は大きく一度翼を広げ、その場から飛び立った。
「何だあれは?!」
「ええい、空から来るか! 小癪な!」
「撃て、撃てー!!」
 その姿に驚いた水軍は、あわてて弓を構え矢を放ってくる。
「星色はとっても速いの、そんな矢なんて当たらないわ!」
 リアを乗せた星色が真っ直ぐ船へと向かった。矢の雨を掻い潜り、決して当たることはない。
 空を飛んで船に向かうリアを追うように、仲間たちも次々に行動を開始する。
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は目の前の毛利水軍の武士たちを見て、真剣な表情でブツブツと呟いた。
「この大豪傑麗刃は……いわゆる変態のレッテルをはられている……」
 その件に関しては、たしかに日頃思い当たるフシも無くはない。
 だがしかし、此度は故郷サムライエンパイアの危機である。
「ネタ一切抜きのシリアスで行くのだ」
 麗刃の表情はどこまでも、どこまでもキリっとしていた。
「さて一般兵を倒さずに突破しなきゃならないと。ならば高速で抜けるのみ」
 そして、何と、麗刃には超高速で動く手段があるのだ!
 キリっとした表情のまま、ユーベルコード・スーパー変態人2を発動させる。
「わたしは超怒ったのだーーー!!!!!」
 麗刃が叫ぶと、青白いスパークを伴う金色のオーラが全身を覆った。戦闘力増強と超高速の飛翔能力を得た麗刃は、あっと言う間に敵の船の間を縫って先へと進んでいった。

●轟雷、閃光
「私は、津波や暴風で水軍の配置を変えてみるよ」
 飛んでいった2人を眺めながらリリスフィアが言った。
 洗脳されているなら被害も最小限に留めたいと言う思いは、他の猟兵たちにも伝わる。
「犠牲を出さない為なら。天候や流れも変えてみせるよ」
 仲間の位置を確認しながら、リリスフィアはユーベルコード・天体破局を発動させた。
「唸れ雷光、轟け嵐、渦に飲まれ、全てを灰燼に帰せ!」
 目の前で、突然嵐が巻き起こる。激しい雷が鳴り、今まで穏やかだった海の様子が一変。波が船体に激突し、強烈な飛沫が飛んだ。水軍にとって、局所的とはいえリリスフィアの巻き起こした嵐を無視して作戦を続行するのは難しいだろう。
「くそっ、こんな時に……!」
「帆をたため、舵を!」
 ちょうど嵐の直下に居た水軍の船が慌ただしく逃げ始めた。他にも、近くにいた船がいくつか戦線を離脱していくのが見える。
「大物が待っているからね。道を開けてもらうよ」
 リリスフィアの呼んだ嵐は、海にやがて高波をもたらし、船の自由を奪っていった。
 嵐から逃げた船も戦線に戻って来ることはできないだろう。
 見る間に敵の陣形が崩れる。
「目の前の道は開けたよ」
 リリスフィアが言うと、待ち構えていた仲間たちが飛び出していった。
「ありがと! これで一気に走りやすくなったし!」
 彩萌はリリスフィアに礼を言うと、背を低くして全力でダッシュする。
 船を飛び移りながら、水軍の奥に控える敵を目指した。
「敵襲!」
「各自、抜刀!」
 勇ましい武士の声が耳に届く。
 ひらり甲板に飛び乗った彩萌を見て、水軍の武士たちが襲い掛かってきた。武士たちはそれなりに闘い慣れているようで、剣や槍で攻撃を仕掛けてくる。
「まともにやり合う暇はないわね」
 彩萌は敵の動きを見切り、剣の斬り付けも、槍の穿ちも、器用に避けてその場を走り抜けた。武士たちは彩萌を追い次々と刀を繰り出してくるが、その刃が体を斬り裂くことはない。槍を持つ者も遠くの間合いから突きを繰り出してくる。しかし、その突きで彩萌の足が止まることはなかった。
 数の揃った武士とは言え、やはり猟兵と比べると雑魚に他ならない。
 戦場での戦闘を回避して、更に次の船に飛び乗った。
 その船ではある程度襲撃を予想していたのか、すでに武士たちが陣をなしていた様子。
 彩萌はすぐにサングラスを取り出して装着する。そして勇ましく声を揃えて進軍してくる武士たちに、強烈な照明弾を放った。
「な――」
「前が見えない! 目が!」
 武士たちは突如の光に大混乱になる。
 その間を彩萌は走り抜けた。
「せめて私以外の猟兵に殺されないように気張りなさいよ」
 サングラスの端を持ち上げ、更に次の船へと飛ぶ彩萌。
 武士たちは、その後姿を見送るしかなかった。

●催涙弾
 眞白は、相談役兼中・遠距離戦闘用人形である戦術器『符雨』に音響弾を頼む。打ち込む先は海の上だ。
 大きな破裂音が響くと、偵察の武士たちが甲板に寄った。
「今の音は? 報告を!」
「分かりません。敵が?!」
 武士たちのやり取りを聞きながら、眞白は素早く水軍の格好に変装する。それから、ユーベルコード・戦術器「魅医」を発動させた。
「さぁ行って、誰かに灯をつけて」
 他者を癒す力を宿して強化した魅医と共に船に飛び乗り、気配を殺す。
 その瞬間、指示通り符雨が催涙弾を船内へ投入した。途端に船内へ広がる催涙ガス。
「おい、これは何だ?! 涙が……ゲホ」
 涙目になりながら、武士たちが逃げ惑う。
 刀や槍で戦う武士にとって、催涙弾は想定外の模様。煙を吸い込んでしまった武士たちが喉と目の痛みを訴え始めた。
「こちらへ! 応急処置を施すわ」
 頃合いを見計らって眞白が声をかける。
 同時に魅医が症状を緩和してやると、武士はせき込みながら立ち上がった。
「ゲホ。助かる。……医療班? なるほど。他の者も介護してやれ」
「了解、よ」
 そうして、医療班として眞白は船内を移動し始める。
 すでに大半の武士たちが戦闘不能の状態。
 眞白は念のため、自分たちと離れて行動する符雨の影を指さした。
「どうした? まさか、猟兵か……? ゲホ」
 治療を受けていた武士が表情を引き締める。
 周辺の武士たちも歯を食いしばって立ち上がり、戦線離脱を決断した。すぐざま船が戦場から撤退していく。
 眞白はその場から撤退する風を装い次の船へ向かった。
 ふと振り返って海を見る。
 海のにおいと共に潮風が頬に当たった。仲間たちも次々と進んでいる様子だ。

●水軍突破
 水軍の船に到着したリアは、バトルキャラクターズを発動させゲームの推しキャラクターを召喚する。
「私の声に応えて……じゃあよろしくね! ………はぁ〜何度見ても、好き! 大好き! ありがとう!」
 突如甲板に現れた見目麗しいゲームの推しキャラクターたちを見て、武士たちは戸惑いを見せた。
「な、なにが、どう……?」
 混乱する武士たちを更に惑わせリアの推しキャラクターたちが船内を横断する。中には武士を眠らせるキャラクターもいるので、武士たちが次々と無力化されていった。
 リアも推しキャラクターたちと共に催眠術や気絶攻撃を使って武士たちを無力化する。
「あなた達もある意味被害者よね、今はここで眠ってたりしてて」
 その魅力的な声掛けに、静かに瞳を閉じて休む者もいた。
 一方、麗刃も船と船を飛びながら移動していた。
 数の多い武士たちの間を走りながら、突破口を開く。
「おのれ、ここか!」
「いや、こっちだ!」
 武士たちは麗刃の残像に翻弄されて、あらぬ方へと攻撃を仕掛けていた。
 残像に存在感を乗せてばら撒いているので、現場はとても混乱しているようだ。
「まさに隙だらけなのだ!」
 麗刃は進路の邪魔になる武士に武器落としをかけてますます混乱させる。
 船上が混乱すればするほど、麗刃としては走りやすい。
 残像に戦いを仕掛けている武士を横目に、麗刃は船を駆け抜け次の船へと飛び移った。

 こうして猟兵たちは毛利水軍の厚い陣を突破し次の海上へとたどり着いた。
 水軍には深刻な被害は出ていない。
 おそらく、武士たちも命に別状はないだろう。
 さて次なる敵がすでに目の前に控えている。
 猟兵たちは改めて敵の姿を見るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『隠し将『豊臣秀吉』』

POW   :    墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:フジキチ

👑4
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●隠し将『豊臣秀吉』
「ついにここまで来たか!」
「フェンフェン!」
 猟兵たちの目の前には大帝剣『弥助アレキサンダー』と隠し将『豊臣秀吉』の姿。
 特に、豊臣秀吉は弥助アレキサンダーを護るように飛び跳ねている。
 関門海峡の海上をゴムマリのように飛び跳ね、ありとあらゆる角度からの弥助アレキサンダーへの攻撃を受け止めるようだ。
 豊臣秀吉を撃破しなければ、弥助アレキサンダーへの攻撃は届かない。
 そして、敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくる。先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が必要になるだろう。
 猟兵たちはゴムまりのように跳ねる豊臣秀吉へと向かって行った。
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
……可愛い。飼っても……うんダメ。知ってる。あれはああいうもの。
寂しいけど倒さなきゃならないなら通してもらおう。ごめんね。
ちょっと速いけど目でまだ追えるし、考えもあるから試してみる。

飛び跳ねていて攻撃は大まかに2種。直接ぶつかってくる系か遠距離攻撃。
先に攻撃してくるのが分かるならそれはそれで。必要なのは度量と決断力。
相手の遠距離攻撃に合わせて引き付けてからリフレクション。
攻撃を受けたと思わせつつ何事もなかった様に演技。優しい攻撃って。
ぶつかってくるのは飛威に待ち構えてもらって、何回も打ち消して近づいてくる様に。
私に速さは足りない。でも一番大事なのはその場に必要な戦略。


大豪傑・麗刃
敵は巨大ロボを出してくるらしいのだ。
わたしは確かに変態だが、あんなでかいのに一撃を受けたらただではすまない事ぐらいはさすがにわかっているのだ。ここはギャグマンガ世界ではないのだ。
ならばまずは回避に専念する!

スーパー変態人2状態のわたしは高速で飛び回れる。ならばやることは機動性を活かす事なのだ。
んで空中を【ダッシュ】しながら【存在感】を伴う【残像】をばらまき【フェイント】をかける!質量を持った残像という奴なのだ。持ってないけど。ともあれこれで敵の初撃をはずした瞬間がチャンス!右手に刀2本!左手に脇差2本(実際はバスタード・ヒーローソード)!これで一気に敵本体に突撃をかけ必殺の攻撃を繰り出すのだ!


リリスフィア・スターライト
次はあのフェンフェン言うのを倒さないとだね。
素早い動きを封じる事が勝負のカギとなりそうかな。
三位一体で強気で接近戦が得意なリリスと
優しく援護魔法が得意のフィアを呼び出して
他の猟兵達と連携しながら戦うよ。

フィアの防御魔法でグレイズビームを防いでもらって
その間にリリスに豊臣秀吉を剣で攻撃してもらうようにかな。
私自身が直接狙われてリリスとフィアが消えないようには注意だね。

「猿にしても色々とおかしいところがあるよね」
「簡単にやられたりしないでよね!」(リリス)
「ええ、気兼ねなく戦って下さい」(フィア)


推葉・リア
そ、想像よりもなんか違う猿ー!?
しかもフェンフェン…なかなか可愛いけどなんか想像と違うー!

ちょ、ちょっと取り乱したけど行くわよ秀吉!
あの光線に当たらないようにしないと!
まず私自身を『フォックスファイア』で出来た【オーラ防御】を纏ってそこから同じ大きさのダミーの炎を何個か作ってそれと一緒に秀吉に【ダッシュ】するわ!
私には【目立たない】ダミーの狐火には【おびき寄せ】の【催眠術】をかけていって、光線は【第六感】や【勇気】と【覚悟】で避けていくわよ
秀吉の側に来たら『フォックスファイア』を合体させて叩き込むわ!

【アドリブ共闘歓迎】



●フェンフェンフェーン!
「そ、想像よりもなんか違う猿ー!?」
 目の前で飛び跳ねる豊臣秀吉を見て、リアは戸惑いの声をあげた。
「フェンフェーン!」
 秀吉は猟兵たちを前に、自分は絶対に引かない事を勇ましく伝えて来る。
「しかもフェンフェン……なかなか可愛いけどなんか想像と違うー!」
 水軍を超えてようやく見えた豊臣秀吉は、想像を超える何かだったようだ。
「……可愛い。飼っても……」
 眞白も敵の可愛らしさに気づいた一人。
「……うんダメ。知ってる。あれはああいうもの」
 しかし、あれはああ言うものだから飼えないのだ。とても、残念だけれども。
 眞白は首を振って戦いの構えをとった。
「寂しいけど倒さなきゃならないなら通してもらおう。ごめんね」
「フェンフェン、フェン!」
 さあ、かかって来いと敵も構える。
「次はあのフェンフェン言うのを倒さないとだね」
 リリスフィアはゴムまりのように跳ぶ敵を見て表情を引き締めた。素早い動きを封じることが勝負のカギとなりそうだとも感じる。
「フェンフェン! フェンフェンフェン!」
 秀吉がゴムまりのように跳ねながら、さっそく攻撃を繰り出してきた。
「猿にしても色々とおかしいところがあるよね」
 それを見て、リリスフィアがぽそっと呟いた。

●フェン! フェンフェン!
「ちょ、ちょっと取り乱したけど行くわよ秀吉!」
 最初に狙われたリアは、すぐにしてフォックスファイアを発動させようとする。
「フェーン!」
 ところが、秀吉はそれよりも前にグレイズビームを発射した。腹部のスペードマークから発射された漆黒の光線がリアを貫こうと迫って来る。
「これは……速いわね」
 何とかオーラで防御するが、防ぎきれない光線がリアの腕を貫いた。
 途端に腕の一部の感覚がなくなり、力が入らなくなる。それでも、オーラで防御していた箇所を動かしてユーベルコード・フォックスファイアを発動させた。
「私の十八番よ! さぁ燃えちゃって!」
 狐火を身に纏い、更に残った狐火は自分と同じ大きさになるよう調整して走り出す。
 腕は上がらないがまだ戦える。
「さあ、私はどこかしらね?」
 ダミーの狐火にはあらかじめおびき寄せの催眠術をかけていので、的になるはずだ。
「フェン! フェンフェン!」
 秀吉が再びグレイズビームを放った。漆黒の光線がダミーの狐火を貫く。その間にリアがまた一歩秀吉へと近づいた。再びあの光線に当たるかもしれない思いを、勇気と覚悟でねじ伏せる。
 また一つ、ダミーの狐火が潰された。
 目立たないよう行動してきたリアは更に秀吉に肉薄し、残った狐火を束ねて勢いよく叩き込む。
「届いたよ!」
 狐火は秀吉を捉え尻尾の一部を焼いた。
「フェーン! フェンフェン」
 すぐに漆黒の光線が襲ってくる。
「あとは、任せたわ」
 敵の攻撃を何とか回避しリアはその場を退いた。

 海上をゴムまりのように跳ねる敵のスピードは速い。リアが一撃入れたが、まだまだそのスピードは健在のようだ。
「ちょっと速いけど目でまだ追える」
 それでも、眞白は前に出る。
 敵は必ず攻撃してくるのが分かっているのだ。それならそれでやり様はある。
 必要なのは度量と決断力だと眞白は思った。
「フェンフェーン」
 おのれ小癪な、まだ向かってくるというのか。ここは決して通さない。秀吉はそんな風なことを言いながら漆黒の光線を放った。
 腹部のスペードマークから放たれる、麻痺を誘発するビームだ。
 眞白がユーベルコードを発するよりも早く漆黒の光線が襲い掛かって来る。それを待ち受けていた戦術器『飛威』が受け止めた。一度の攻撃で飛威は静かに沈黙する。
「それは、一度見せてもらった」
 十分に敵の攻撃を引き付けた眞白は、その一瞬の間に、ミレナリオ・リフレクションを発動させた。
「フェンフェン」
 秀吉の放った漆黒の光線は、目の前で見た。
 ならばうまくやれるはずだ。
 眞白は敵と同じ漆黒の光線を放って相殺を試みる。
 力も早さも、秀吉の方が上を行く。相殺しきれない光線が眞白にまで及んだ。だが眞白はまるで何事もなかったかのようにミレナリオ・リフレクションを維持する。
 本当は下半身がすでに麻痺をし始めていた。それでも、あと一息で光線が相手に届く。
「私に速さは足りない。でも一番大事なのはその場に必要な戦略」
 眞白が最後の力を振り絞って光線を返した。
「フェーン!」
 その一筋の光が敵の体に届いたのを見る。
 これで……。眞白はその後を仲間に託した。

「2人とも頼んだよ!」
「OK任せなさい!」
 とリリス。
 フィアは「援護しますね」と言って前に出る。
 仲間が作ってくれた一瞬の時間に、リリスフィアが三位一体を発動させた。近接戦闘が得意な強気な人格のリリスと後方支援が得意な優しい人格のフィアが召喚されたのだ。
「フェン、フェーン!」
 くっ、だが、最後まで倒れはしないと、秀吉が再びグレイズビームを放つ。リリスフィアを狙ったその光線を、フィアが防御魔法を展開して防ぐ。
「簡単にやられたりしないでよね!」
 リリスが大きく跳躍した。
「ええ、気兼ねなく戦って下さい」
 敵の攻撃を防ぐフィアが答える。
 とは言うものの、敵の攻撃は強力だ。フィアの防御魔法でも長くはもたないだろう。
 万が一にも自分が狙われないよう細心の注意を払ってリリスフィアは、リリスの攻撃に全てを委ねる。
 フィアとリリスフィアが見守る中、リリスは猛然と秀吉へ斬りこんでいった。
「フェンフェンフェン」
 それに気づいた秀吉は、ビームの矛先をリリスへと変える。
「それでも、この一撃は入れるわよ!」
 リリスがさらに一歩踏み込み、剣で秀吉に斬りかかった。同時にグレイズビームがその身に降り注ぐ。
「どうか届いてください」
「行って!」
 フィアとリリスフィアの心が後押しする。
「あと、一歩!」
 身体が自由に動かなくなる中で、リリスは何とか腕を伸ばし剣を振り切った。
 切っ先が秀吉の身体を掠め、その部分から傷が広がる。
「フェーン! フェン! フェン!」
 敵が傷をかばうように後退した。

●フェン、フェーン!
「敵は確実に傷を負っているのだ!」
 一歩引いた敵に向かって麗刃が飛翔した。
 青白いスパークを伴う金色のオーラで全身を覆い、臨戦態勢は整っている。
「フェン!」
 なおも来るのか、猟兵よと、秀吉が身体を麗刃へ向けた。
 麻痺が残り傷もある。
 しかし、敵は戦う意志を失ってはいないようだった。
「フェン、フェーン!」
 秀吉が発動させたのは墨俣一夜城。
 自身の身長の2倍の墨俣城型ロボを召喚し、早速麗刃へとぶつけてくる。何より厄介なのは、ロボが秀吉の動きをトレースしていると言うことだ。ロボの動きはかなり速く、しかも海上をゴムまりのように跳ねる様子も秀吉と変わらない。
「わたしは確かに変態だが、あんなでかいのに一撃を受けたらただではすまない事ぐらいはさすがにわかっているのだ」
 ここは緊迫した戦場であって、ギャグマンガの世界ではないのだから。
 あんな巨大ロボをぶつけられ、キラリとお星さまになっても無傷で生還できるのは、ギャグマンガの世界だけである。
 麗刃は持てるすべての力を使って敵の動きを回避することに集中した。
 巨大ロボがその質量とは思えぬ速さで突撃してくる。
 その的にならぬよう、空中をダッシュしながら残像をばら撒きひた走った。残像には存在感を持たせている。一瞬の判断では、どれが本物の麗刃か迷うだろう。
「フェン!」
 ロボットの右腕が残像のうちの一つを殴りつける。
「この瞬間を待っていたのだ!」
 それを見て、麗刃が身体を反転させた。敵が空ぶった一瞬が勝負だ。
 右手に刀を2本、左手に脇差を2本構え敵に斬りかかる。
「フェン?! フェン!」
 敵が巨大ロボを呼び戻したが、懐に飛び込んだ麗刃が速かった。一つ、二つと斬りつけ、更に敵を追い詰める。
「これで、終わりだー!!!」
 最後にとどめを刺すよう脇差と言うにはかなり大振りの二つの剣を繰り出した。
「フェ……フェン、フェン」
 見事なり猟兵たち、と、隠し将『豊臣秀吉』は自分に向かって来た猟兵たちを比べ見て静かに瞳を閉じる。
「うむ」
 麗刃が剣を引き抜くと、敵の身体は崩れて消えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

POW   :    大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:みやこなぎ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大帝剣『弥助アレキサンダー』
「秀吉殿、見事な最後だったぜ」
 崩れ落ちた秀吉を見て大帝剣『弥助アレキサンダー』が言った。
 いよいよ出てきたのだ。
 関門海峡の大渦に浮遊する弥助は、3つのメガリスを持ち猟兵たちの前に立つ。
 この大渦を戦闘に利用できれば有利になりそう、とは皆を送り出したルビナの言葉だった。
 ともあれ、敵は海上を浮遊しながら先制攻撃を仕掛けてくるだろう。敵の先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動は必ず必要になる。
「さあ来い、猟兵! 決着をつけるぜ!」
 猟兵たちは大帝剣『弥助アレキサンダー』との決戦に入った。
リリスフィア・スターライト
ようやくアレキサンダーとの対決だね。
他の猟兵達とも積極的に連携するよ。

凄い剣を持っているようだけれど、決して怯まないよ。
全翼天開で高速飛翔して撹乱することで大帝の剣の直撃と
風圧に巻き込まれないよう立ち回りながら、
一撃離脱で剣で斬りつけていくね。
利用できるなら大渦の流れに合わせて仕掛けることで
有利に戦えればいいかな。
確実に攻撃を避ける為にも、アレキサンダーの振るう
大帝の剣の起動を見切って、
回避のタイミングを見誤らないようにだね。
大ダメージを受けてしまっても、踏ん張って一矢報いられればかな。

「ようやくたどり着いたね。全力で挑ませてもらうよ!」
「力が強大な分、隙も大きいはずだよね」


神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
なんだかすごい人。見た目だけじゃないとは思うけど第一印象は大事。
こっちも凄いことしないと負けちゃうってこと?
……うん。なんとかできそう。問題は色々あるけどやれるだけやってみる。

相手の攻撃もあるけど気にせず乗っている船は前進。ぶつけるぐらいで。
船は壊れちゃうけど、見せかけのカモフラージュ。私も沈んだ様相。
私は蛇竜で目立たない様に離脱。飛威は私がいないものとしてやって。
砕けた船の欠片が足場になるし、渦の上なら遠心力も加えて。

騎士と飛威が前に出てくれる間に、私は大回り。
だまし討ち気味になるけど相手が格上ならやれる事をやれるだけ。



●大渦上の決戦
「ようやくアレキサンダーとの対決だね」
 リリスフィアは大渦の上を浮遊する大帝剣『弥助アレキサンダー』を見て表情を引き締めた。
 敵はすでに臨戦態勢。3つのメガリスを持ち、いつでも戦いを始める様子だ。
「なんだかすごい人」
 眞白も、敵の姿を見て少しだけ目を細めた。
 見た目だけではないと思うけれど、第一印象は大切だと思う。こちらも相応の対処をしなければ勝つことは難しいのだろう。
 リリスフィアは眞白を見た。
「さあ行くよ」
 準備はどうだろうか、という視線を受けて眞白が頷く。
「……うん。なんとかできそう」
 問題はいろいろあるけれど、やるだけのことはやってみる。
 二人はタイミングを合わせて敵の前に躍り出た。

 まず敵へ立ち向かったのは船に乗った眞白だ。
 勢いよく船を前進させ、猛然と立ち向かっていく。
「無謀か、それとも勇気と言うのか? だが!」
 弥助は眞白の姿を見ると、大渦の上を跳びながら闘神の独鈷杵を構えた。ここは関門海峡の海上。無機物があるとすれば、毛利水軍の船である。しかし、猟兵たちは船を破壊することなくここまでたどり着いた。海上には船の破片も落ちていない。
「ぬうううぅん!」
 それでも弥助は集中し、何とか水軍が海に落とした武器を見つけ闘神の渦潮に変換した。
 とたん、小さな武器が無尽蔵に破壊の雷槌を放ち、眞白に襲い掛かって来る。
「今は……引かない」
 眞白はそう言って、船ごと破壊の雷槌に突撃した。
 バリバリと耳をつんざくような破壊の音がして、船が崩壊する。
 派手な飛沫が上がり船の破片もろとも眞白が海の中へ落ちた。
「それでも……!」
 眞白は海へ落ちる寸前、リザレクト・オブリビオンを発動させる。死霊騎士が海上へ跳び上がり、砕けた船を足場にして武器を構えた。
 さらにからくり人形の飛威も駆動させ、攻撃に加える。
「お前が溺れ死ぬのが先か、それとも俺がからくりを壊すのが先か。見ものだぜ!」
 弥助はそう言って、大渦の上を移動して死霊騎士と飛威へ迫ってきた。

「ようやくたどり着いたね。全力で挑ませてもらうよ!」
 そこへ割って入ったのはリリスフィアだ。
「ここからは私の全てをぶつける!」
 全翼天開を発動させ、高速飛翔して敵へと斬りこんでいく。
「おっと、危ねぇ」
 弥助は体を反転させ、両手でメガリス『大帝の剣』を構えなおす。そして、間を置かず自分へと迫って来るリリスフィアに向かって大きく一振り、重い一撃を繰り出した。
 ゴゥと、風さえも叩き潰すほどの圧。風圧に巻き込まれないよう気を付けていたが、あまりに激しくあまりに荒れ狂う風に、リリスフィアの身体が揺れた。
「見えたぜ」
 敵はそのまま大帝の剣を振り下ろす。
「負けないよ!」
 リリスフィアが全力で身体を沈め、海上の大渦に足をかけた。
 大渦の流れに身を任せることで急ぎその場から身を逃す。
 それでも大帝の剣がリリスフィアの半身を抉った。
「……っ」
 思わず息を呑む。
 でもまだ倒れるほどではない。
 リリスフィアは大渦の流れに乗りながら、しっかりと敵を見据えた。

「逃がさねぇぜ」
 弥助が大渦の上を小さくジャンプしながらスピードを上げ、リリスフィアへと迫りくる。
 その前に眞白の死霊騎士が立ちはだかった。
「邪魔をするなら、こうだ!」
 さして気に留める風でもなく、弥助が大帝の剣を振るう。死霊騎士も応戦したが、強大な一撃で体の大半を失った。と、同時に飛威が飛び込んでくる。何度か刃を交え、飛威も大きなダメージを負う。
「主を失った者など、敵じゃねえ」
 言い捨てて、弥助はリリスフィアを追うために体を翻した。
 瞬間。
 弥助の目の前に死霊蛇竜と、その背に乗った眞白が海中から飛び出してくる。
 船が大破した瞬間発動させたリザレクト・オブリビオンで呼び出したのは死霊騎士だけではなかった。同時に呼び出した死霊蛇竜と一緒に、静かに大回りをして潜んでいたのだ。
「な――」
 敵が目を見張る。慌てて闘神の独鈷杵を発動させようとしたが、遅いと眞白は感じる。
「格上ならやれる事をやれるだけ」
 言葉と同時に死霊蛇竜から飛び退いた。
 大渦をうまく利用し遠心力で勢いを増して、死霊蛇竜が敵へ襲い掛かる。
「今!」
 眞白がリリスフィアに声をかけた。
「うん!」
 痛みを訴える半身を気力で動かし、リリスフィアは隙のできた敵へと飛び掛かっていった。
 まだ動ける。
 まだ跳べる。
 大渦の動きに合わせて体を伸ばし、リリスフィアは飛翔能力で一気に敵の懐まで飛び込んだ。
「くっ」
 死霊蛇竜を振り払おうと弥助が体を捻る。
 だが、逆に牙が身体に食い込んで骨を砕いたようだ。
 敵の動きが弱まったのを見て、光り輝く翼で覆われたリリスフィアが渾身の一撃を繰り出す。
「――っ」
 剣が敵の身体を抉った。
「これで、仕留めるよ!」
 返す刀で更に数度、敵を斬り捨てる。
「なんとっ」
 弥助が驚いたように、穴の開いた自分の体を見た。
「なんと……見事だ……猟兵……」
 そして静かに消えていく。
 すでに海上に水軍の船も見えない。

「これだけやれば、上出来」
 今は静かな海を見て眞白が言う。
「そうだね。何とか届いてよかったよ」
 傷ついた体を持ち上げながらリリスフィアが頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月23日


挿絵イラスト