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エンパイアウォー㉑~力を合わせ大帝に挑め!

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #弥助アレキサンダー

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「大帝の剣の担い手、弥助アレキサンダーと共に豊臣秀吉というのが現れたらしいの」
 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そう真剣な表情で目の前で地図を広げた。サムライエンパイアで使用されている、一般的な地図だ。ガングランはその一点、本州と九州の間にある関門海峡を指差した。
「今、ここに弥助アレキサンダーと豊臣秀吉が陣取っておるらしい。一挙にこの二つの戦力を叩く好機じゃ」
 大帝剣『弥助アレキサンダー』は、『大帝の剣、逆賊の十字架、闘神の独鈷杵』という名の「メガリス」と称される渡来人の至宝を使う。すぐに弥助アレキサンダーや豊臣秀吉の元にたどり着くのは不可能だ。
「まずおぬしらが相手をしなくてはならないのは、弥助アレキサンダーの大帝の剣に操られた毛利水軍じゃ。海上での戦闘じゃから、相応の工夫が必要じゃろう」
 それに加え、毛利水軍は洗脳されただけの一般人だ。もちろん、屈強な武士ではあるが。実力は猟兵に及ばないものの、船を用いた戦闘は向こうの十八番だ。ただ挑んでも、叩き潰されるのが落ちだ。
「それにただ殺せば、幕府の未来に禍根を残してしまうじゃろう。そうなると海上戦の専門家を、海の上で命を奪わず無力化する必要がある……厄介極まりないが、おぬしらであれば不可能でもあるまい」
 手段は、猟兵次第だから任せるしか無いがの、とガングランはため息をこぼす。だが、それこそが鍵でもある――ガングランは、真剣な表情で付け加えた。
「わしら猟兵の強味は、決して一人ではないという事じゃ。向こうも弥助アレキサンダーが豊臣秀吉に力を借りておる。こっちも協力すれば、この状況を打破できるはずじゃ」
 一人より二人、二人よりも大勢――猟兵のユーベルコードの組み合わせは、単純な足し算では終わらない……それだけの可能性がある、とガングランは力説した。

「何から何まで、一人でする必要はない……みなで力を合わせて挑むのじゃ。それこそが、猟兵の最大の強味なのじゃからな」


波多野志郎
フェンフェーン! どうも、波多野志郎です。
ついに大帝剣『弥助アレキサンダー』と隠し将『豊臣秀吉』との決戦の場へとやってまいりましたよ!

====================
 大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================

今回は戦争ではありますが、3章構築です。三つのメガリスを破壊すべく、皆様のご活躍を期待しております!
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第1章 冒険 『毛利水軍を突破せよ』

POW   :    邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。

SPD   :    毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。

WIZ   :    毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エドゥアルト・ルーデル
無力化ってまた面倒な
依頼だからやるけどね

敵は安宅船、関船、小早で構成された機動力に富んだ集団ですな
【軍用機】召喚して空から攻めるから対して関係ねぇでござるが
二次大戦時のレシプロ戦闘機ぐらいでもオーバーキルですぞ

攻撃の届かない高度まで上げてもいいんだけど後続の猟兵もいるしな、足止めと嫌がらせ兼ねてちょっと遊んでいくか…
この時代の船は人力で艪を漕いで推進力を得ている、なら艪をぶっ壊しちまえばイイってことジャン!
低空を飛行しつつデカブツの安宅と関の正面から侵入、曲芸飛行しつつ片舷の艪だけを狙い機銃掃射、煙幕張りながら離脱でござる
小早は狙いませんぞ!数が多くて面倒でござるし大型船の救助でもするだろ


セルマ・エンフィールド
手荒い歓迎ですね。ですが、まずはここをくぐり抜けなければ……

同乗できる猟兵がいなければ幕府の船を借りて毛利水軍の船に近づきます。万単位の軍を渡すつもりだったようですし、大きい船はあるでしょう。

事前に『情報収集』したところ毛利水軍の戦法で最も脅威となるのは、火薬を詰めた陶器を投擲する焙烙火矢、それに対処しなければ接近もできそうにありませんね。

慣れない水上での射撃なのは数でカバーしましょうか。【スノウマンレギオン】で260の雪だるまを展開、それぞれが持つ銃で焙烙火矢を撃ち落とします。

無事接舷できれば乗り込み、2丁のデリンジャーから氷の『属性攻撃』の弾丸で手足や焙烙火矢を撃ち凍らせて動きを封じます。


ユナ・アンダーソン
WIZで判定
キリエ・ニールと一緒に参加

相手のホームベースで闘うのね
でも、キリエと一緒なら大丈夫
指揮官を無力化すれば軍を混乱させることが出来るはず
行こう、キリエ!

キリエと手をつなぎ一緒に水軍へ突入
キリエに先導して貰いつつ範囲攻撃の応用でオーラ防御を範囲化し激痛耐性で攻撃を耐えながら自分とキリエを守る
キリエが傷を負ったらUCで傷を奪う
敵指揮官のところまで辿り着いたらキリエに抑えて貰いつつ
UCを使用して洗脳状態を奪い正気に戻す
これで軍を止めることは難しくとも混乱させることは出来るはず
呪詛耐性、狂気耐性で奪った洗脳に抵抗する
抵抗しきれなかったらキリエに対処して貰います


キリエ・ニール
WIZで挑戦
【ユナ・アンダーソン】とタッグ。
さて、八艘飛びでも真似してみるか…

僕が予め第六感と歴史書から調べた毛利水軍の戦術(学習力)で水軍の配置を予め想定、ユナと手を繋ぎ彼女と共に水軍へ突入。

水軍の船に乗り込みコードを使用、無数の剣を船上に突き立て敵兵を足止め。
そのまま敵船長、指揮官の元へユナを誘導。
僕は彼女をかばい、衝撃波と念動力で敵を押し戻すか海上に落として無力化…今回は僕らはともかく彼らの血を流すとまずいしね。
ユナの治療が失敗したらマストを斬り甲板を衝撃波で破壊。
事が済めばダッシュ、ジャンプでユナと共に次の船へと飛び移り、これを繰り返す。
…ユナがやばくなったら最悪気絶させて担ぐか…


カイム・クローバー
毛利水軍。洗脳されてる一般人相手じゃ、船を沈めて…って訳にいかねぇし。しょうがねぇ、あの手で行くか。

UCを使ってもう一人の俺を作成。派手に敵を引き付ける役、つまり囮だな。
小船に乗ってワザと見付かってくれ。お粗末な操縦だが、それぐらいは出来るだろ、俺?その間に俺がもう一隻の船で連中の船に忍び込む。あー…ったく、文句言うなって。しゃあねぇだろ?やられたフリして海に飛び込め。俺が連中の船に乗ったらもう一度出してやるからよ。
後は制圧だな。分身して手加減しつつ、剣を使って【二回攻撃】。頃合いを見て…悪いが魔剣の黒銀の炎【属性攻撃】で旗を燃やすぜ?そうすりゃ、心も折れるだろ。…気は進まねぇがな


鞍馬・景正
毛利――内心では公儀への叛意を捨て去っていないと聞きますが。
この挙自体が彼らの意志で無いのならば、討つべきに非ず。

エンパイアの民は皆救う。
それが上様の御心にも適うでしょう。

◆対水軍
小舟を一隻、【怪力】で漕ぎながら迅速に敵船に近接。
衝突や波で転覆しないように注意しながら、【太阿の剣】で船の舳先や側面など、乗員のいない位置を選んで破断。

浸水や沈没を誘発させ、戦う暇など無いようにさせるか、そのまま海で泳いで頂きましょう。

弓矢、火縄など射掛けられれば他の敵船を盾にするように回り込むか、避けきれぬものは【見切り】と【第六感】で斬り払い。

他の猟兵との連携惜しみなく、支援できる事があればそれに応じた行動も。


ルベル・ノウフィル
アドリブ連携歓迎
UC:火翔にて飛翔

早業活用
◆洗脳された一般人の無力化
『特製ガム』を使いましょう
念動力で手足の動きを阻害しつつ、ねばねばで捕獲させて頂きます
動きを鈍らせた一般人さんに墨染で峰打ちを入れて気絶させていきますね

船から矢が降って来たりしたら夕闇にオーラを巡らせたオーラ防御で守りましょう
味方も積極的に庇います

もし溺れてる一般人さんとかがいたら、もちろん海に入って助け上げます
人命第一でございますとも
僕はこう見えて犬かきも心得てございますからご安心くださいませ

ところで、フェンフェーン!ってなんです?
僕、わんわーん!って言って対抗するべきでしょうか、悩ましいところでございます


メルノ・ネッケル
相手は操られてるだけや、撃ったりは出来へん。
けど、抵抗される以上は無傷って訳にもいかん……堪忍な!

『狐の瞬巡』、ガンスピンの開始や!
左手のリボルバーでスピンを続けながら右手に「ステンレストンファー」を構え、戦闘に入る!
この技は、ガンスピンを続ければ続ける程うちの"戦闘力"を強化する。つまり身体能力も然りや!

相手の数も多い、地に足つけてどっしり構えて戦う訳にもいかへんな。
跳び回っていれば、船が揺れる時地に足を付けずに済みやすい。そうすれば足を取られることも少なくなる!
強化された身体能力を活かし、船上を跳び回って無力化を図る!

【武器受け】で水軍らの攻撃を流しつつ、トンファーで
みぞおちを狙い打撃を!


備傘・剱
毛利水軍…か
まさか、お話の世界でしか知りえなかった奴らと戦う日が来るとはなぁ…
ならば、この、備傘、押してまいるって奴だ!

雷獣駆、起動
オーラ防御を進行方向に全力展開、そして、誘導弾、衝撃波で船を破壊しつつ、水面ギリギリを飛んで、戦局を混乱させてやろう
ワイヤーワークスを船に引っ掛けて急制動、急カーブもやってやる

弓矢で攻撃されるだろうが、フォトンガントレットで弾いてやる

船の弱点は、大型船は小回りが利かない事、小さい船はその性質上、バランスが悪い事だ

ご親切に上空を飛んで射的の的になるつもりは一切ないんでよ
ま、なんだ、オブリビオンじゃないみたいだから、できるだけ、人死には避ける方向で戦うぞ

アドリブ歓迎だ


コルチェ・ウーパニャン
ピカリブラスターの出力、念のために控えめモード!(つまみをカチカチ)
コルチェのお靴には氷属性シールをペターンして、海の上でも足場を作って歩けるようにして準備完了!(チカチカ点滅していた髪の毛が、読み込み完了でピカーン)

よーし、すぐ助けてあげるから、今はちょっぴりガマンしててね!
割引シールをピカリブラスターの早撃ちで水軍さん達にペッターン!
ピカリブラスターは、光のスピードで狙いまでギューンと進む百発百中のスーパーガンなのだ!
これで割り引くのは、洗脳のチカラ。
洗脳がとけたら嬉しいけど、混乱してくれるくらいでも今はじゅうぶん!
水着だから波しぶきも怖くない!
戦いたくない人たちの動きを止めて、突破だー!


蒼焔・赫煌
うーん、すごいすごい!
船がいっぱいだね!
それにおっきい渦だー!

海の上を移動とくれば、可愛いボクには丁度イイのがあるのさ!
かもーん! 波天航海ムラサ!

まさかまさか、海の上を一人で突撃してくると思わないでしょう!
弓とか砲だって小さい的相手には狙い難いだろうしね!

大波を発生させて、船の配置をどんどん乱していくよー!
船の動きが混乱すれば作戦も何もないでしょー!
はっはっはー!
テンション上がってきたよー!

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】


六六六・たかし
【アドリブ歓迎】

ふぅ、また危害をなるべく加えず無力化か…
洗脳攻撃っていうのは厄介なものだ。
まぁいい…それもこれも全部あそこに浮いてるアフロを倒せば終わるんだろう?
ならばさっさと片付けるまでだ。

大…変…身…!!(蒼き鎧武者の姿に変身する)

【SPD】

UC『六六六悪魔の大変身(スーパーデビルチェンジ)』によって「ざしきわらし」と融合する。
危害を加えないよう「空中浮遊」と超スピードで海の上を飛んでいく。
近距離遠距離攻撃は「オーラ防御」でガード。
「地形の利用」を使用し、超スピードの移動によって起こるソニックブームで海水を船にぶっかけてやる。



●海原の戦場
 本州と九州の間にある関門海峡――地図で見れば指の一本分あるかないかのそこは、実際に立てば見渡す限りの海原だ。
「うーん、すごいすごい! 船がいっぱいだね! それにおっきい渦だー!」
 その光景に目を輝かせたのは、蒼焔・赫煌(ブレイズオブヒロイック・f00749)だ。関門海峡の大渦と、それを囲むように展開する木造の船――その見事な操船に、備傘・剱(絶路・f01759)はしみじみと呟いた。
「毛利水軍……か。まさか、お話の世界でしか知りえなかった奴らと戦う日が来るとはなぁ……」
 ある世界では、歴史に語られるような水軍だ。毛利家を中心に、村上水軍も取り込んだとされる瀬戸内海の水軍、ないし海賊――それが毛利水軍だ。サムライエンパイアで代々驍名を馳せた武家の嫡男である鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は、神妙な顔で告げる。
「毛利――内心では公儀への叛意を捨て去っていないと聞きますが。この挙自体が彼らの意志で無いのならば、討つべきに非ず。エンパイアの民は皆救う。それが上様の御心にも適うでしょう」
「無力化ってまた面倒な……依頼だからやるけどね」
 景正の言葉に、あおう呟いたのは、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)だ。
「毛利水軍。洗脳されてる一般人相手じゃ、船を沈めて……って訳にいかねぇし」
 カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)もまた、その状況の困難さに声を低める。海という戦場はもちろん、そこに突きつけられた条件も簡単なものではない――だが、誰一人それを不可能と思う者はこの場にはいなかった。
 何故なら、この戦場はそれで終わらないからだ。

「ふぅ、また危害をなるべく加えず無力化か……洗脳攻撃っていうのは厄介なものだ。まぁ、いい……それもこれも全部あそこに浮いてるアフロを倒せば終わるんだろう? ならばさっさと片付けるまでだ」

 全てを代弁するように、六六六・たかし(悪魔の数字・f04492)が言ってのける。そう、この戦いはあくまで前哨戦。最大の目的は、あの大渦の中心に座する弥助アレキサンダーの首だ。

 ここに大帝剣『弥助アレキサンダー』へ挑むために、猟兵達の毛利水軍攻略戦が始まった。

●距離を詰めて――
 まず動きがあったのは、毛利水軍だ。セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)が幕府軍に頼み準備してもらった軍船を発見すると、すぐに陣を張って行く――その動きは波のある海上とは思えない見事なものだった。
「手荒い歓迎ですね。ですが、まずはここをくぐり抜けなければ……」
 事前に行なった情報収集では毛利水軍の戦法で最も脅威となるのは、火薬を詰めた陶器を投擲する――焙烙火矢である事は掴んでいる。木造同士の船では、火が回ればそれで終わりだ。
「それに対処しなければ接近もできそうにありませんね」
「なら、まずは数を減らすとしようか」
 策がある、と切り出したのはカイムだ。陰に潜む自身(ドッペル・ゲンガー)によって生み出された分身は、カイムに向かって言った。
「おい、こんな状況で何をさせようってんだ?」
「小船に乗ってワザと見付かってくれ。お粗末な操縦だが、それぐらいは出来るだろ、俺? その間に俺がもう一隻の船で連中の船に忍び込む」
 ようは囮になれ、そういう作戦だ。それを聞いて、分身は顔をしかめた。
「いやいやいや、役目を逆にしようぜ?」
「本体がやってどうすんだよ!? あー……ったく、文句言うなって。しゃあねぇだろ? やられたフリして海に飛び込め。俺が連中の船に乗ったらもう一度出してやるからよ」
「くっそ、くたばれ俺!」
「そん時はお前も道連れだよ」
 十年来の親友のように悪態を付き合い、カイムの分身は小舟に乗って毛利水軍の元へと迫っていく。かなりヤケクソらしい漕ぎ方で、それなりの速度で向かい――矢の雨を受けて、あえなく沈没した。
「うわ、マジか!?」
「いえ、助かります」
 それを見たセルマが、スノウマンレギオンで膨大な数の雪だるまを召喚していく。今の尊い犠牲で大体の射線が把握できた――ならば、足りない精度は数で対抗できる。
「このまま突っ込みます。フォローが行なえる方々は、お願いします」
「なら、ちょっと行くでござるかねー」
 そう言って前に出たエドゥアルトは、獰猛に笑う。Aerial warfare(エアリアルウォーフェア)――エドゥアルトの頭上に召喚されたのは、完全なオーバーテクノロジー軍用航空機だった。

●足を止めよ。そして――
「敵は安宅船、関船、小早で構成された機動力に富んだ集団ですな。空から攻めるから対して関係ねぇでござるが、二次大戦時のレシプロ戦闘機ぐらいでもオーバーキルですぞ」
 戦国時代の戦に、空中戦などという概念はない――ないが、サムライエンパイアはさすがである。すぐにエドゥアルトが駆る軍用航空機へと、矢を射掛けた。
「攻撃の届かない高度まで上げてもいいんだけど後続の猟兵もいるしな、足止めと嫌がらせ兼ねてちょっと遊んでいくか……」
 カカカカカカカカカカッ! と軍用航空機の装甲に矢が当たる音がする。エドゥアルトはそれを大したものでござるなぁ、と認めながら操縦桿を倒した。
 一瞬の浮遊感から、一気に下へと――軍用航空機は低空を飛行しつつ、機銃掃射した。その狙いは片舷の艪だけ――!

「この時代の船は人力で艪を漕いで推進力を得ている、なら艪をぶっ壊しちまえばイイってことジャン!」

 文明レベルを正しく把握した、正しい対処であった。エドゥアルトの射撃で艪を壊されれば、大型の船は小回りを失う。毛利水軍の機動力と連携を同時に削ぐ、そういう作戦だった。
 しかし、小早などの小型の船は違う。大型の船が機動力を失ったと見ると、すぐに散開。仲間の救助よりも、作戦の実行を優先したのだ。
「覚悟決まりすぎジャン!? これだから侍は!」
 救助に回ると思っていたエドゥアルトがそうこぼすのも、仕方がない。むしろ、エドゥアルトの判断が戦術的に正しく、この行動が異常なのだ。
 いや、ただ一つ――大帝の剣による洗脳というファクターさえなければそうなっていたはずなのだ。
 だが、その小舟を請け負う者がいた――赫煌だ。

「海の上を移動とくれば、可愛いボクには丁度イイのがあるのさ! かもーん! 波天航海ムラサ!」

 大波を喚ぶサーフボード、波天航海ムラサに乗った赫煌は、ビッグウェーブに乗って戦場を横断する――それだけで小舟が波に煽られ、機動力を奪われた。この波が、大型船に大きな影響を与えなかったあたり、期せず得た大きな連携だ。

「はっはっはー! テンション上がってきたよー! 船の動きが混乱すれば作戦も何もないでしょー!」

 大波を滑っていきながら、赫煌は歓声を上げる。矢は、赫煌にかすりもしない。この荒れた海で安定して攻撃できる大型船の小回りが奪われているからこそだ。
 エドゥアルトが大型船を、赫煌が小型船を、それぞれが翻弄する内に猟兵達の本体が毛利水軍の懐へと到達した。

●船上での戦い
 軍船に届くはずだった矢や焙烙火矢は、セルマや雪だるまによって迎撃されていた。だからこそ、大型の軍船が無傷で混乱する毛利水軍の横っ腹へと突っ込めた。
「さて、八艘飛びでも真似してみるか……」
 軍船の甲板で、キリエ・ニール(勘頼りの放浪者・f00824)が笑う。そのキリエに手を差し出す者がいた、ユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)だ。
「行こう、キリエ!」
「おう」
 ユナと手を繋いだキリエは、敵の大型船へと飛び乗った。まさしく八艘飛び――船から船へと軽々と跳んだ源義経を思わせる身軽さだった。
「チィ! 叩き潰せ!」
 甲板に降り立ったキリエとユナを、水兵達が囲もうとする。その対応は早い、よく訓練されている証拠だ。
「四の五の無用――切り尽くす、のは今回はなしだが」
 完全に包囲される直前に、キリエのハンターソード・レギオンズが発動。対神、対人、対獣、対魔、対機甲、対鎧属性の刀剣が召喚され、念動力によって甲板に突き立てられていった。
「うお!?」
 ガガガガガガガガガガガガ! とそこに生み出された刀剣の森を、キリエはユナを抱えて駆けた。柄頭を足場に一気に駆け抜け、叩き潰せと指示した侍の元へ迫った。

「あなたの傷を私にちょうだい?」

 傷奪う星痕(ペインテイカースティグマ)による、洗脳の解除――それにユナは一瞬目の前が真っ暗になるような強力な脱力に襲われた。しかし、崩れ落ちそうなユナをキリエが支える。
「大丈夫か?」
「ええ、でも洗脳は解けたはず……」
 そこに残されたのは、状況が見えずに混乱する水兵達だった。これで無力化すれば、少なくとも混乱は避けられないだろう。
「ねぇ、仲間が危険なの。助けられるなら助けてあげて」
「え? あ……ああ」
 ユナの訴えに、指揮官は呆然とうなずいた。ここはもういいだろう――そう判断したキリエは、次の舟を目指してユナの手を取った。

「ピカリブラスターの出力、念のために控えめモード! コルチェのお靴には氷属性シールをペターンして、海の上でも足場を作って歩けるようにして準備完了!」
 コルチェ・ウーパニャン(マネキンドールのピカリガンナー・f00698)はピカリブラスターのつまみをカチカチと調整、チカチカ点滅していた髪の毛がピカーンと光り読み込み完了を告げた。
 軍船から飛び降りたコルチェは、迷わず海へと飛び降りる。そのままボチャン――と落ちず、バキバキバキ! と海の表面が凍って足場に変わった。
「な、なんだ!? 妖怪変化か!?」
 小舟の毛利水軍達も面食らうもののさすがに妖怪のいる世界、立ち直りも早い。弓を構えて射ようとする水兵達に、コルチェはその場でターンした。
「よーし、すぐ助けてあげるから、今はちょっぴりガマンしててね!」
 ギュン! と一発の発射音で無数の光線がピカリブラスターから発射。光線を受けた水兵達に、割引シールが貼られていった。
「ピカリブラスターは、光のスピードで狙いまでギューンと進む百発百中のスーパーガンなのだ!」
 ジャ! と急停止してコルチェがポーズを決めた時には、シールトリック『割引』(シールトリック・タイプワリビキ)が効果を発揮していた。割り引くのは、洗脳の力だ。
 状況が飲み込めず、混乱してくれるだけでいい。水着だから波しぶきも怖くない、正気に戻った水兵達をその場に残し、水着姿のコルチェは氷の足場を作りながら疾走。百発百中のスーパーガンでギュンギュン割り引いていった。

 軍船が大型船に接舷すると、セルマとカイムが敵の大型舟へと飛び乗った。
「ほら、約束は守ったぞ!」
「次があったら、役割交換な!」
 カイムと分身が、黒銀の炎をまとう神殺しを振るって水兵達を蹴散らしていく。そして、セルマも2丁のデリンジャーから氷の弾丸で矢や焙烙火矢を撃ち凍らせていった。
「そちらはお願いします!」
「お任せや!」
 別の大型船へ飛び乗ったのは、メルノ・ネッケル(火器狐・f09332)だった。甲板に降り立った瞬間、水兵達は即座に刀を抜いて迫ってくる。
「相手は操られてるだけや、撃ったりは出来へん。けど、抵抗される以上は無傷って訳にもいかん……堪忍な!」
 狐の瞬巡(フォクシーズ・スピンゲイン)で左手のアサルトリボルバーでガンスピンを開始、同時にメルノは右手にステンレストンファーを構えた。振り下ろされる刀をトンファーで弾き、身をかわし、器用に左手ではガンスピンを持続する。その動きは西部劇の一幕のような、華麗で見事な動きだった。

「この技は、ガンスピンを続ければ続ける程うちの"戦闘力"を強化する。つまり身体能力も然りや!」

 徐々に、しかし明確にメルノの速度がましていく。刀の切っ先を最小の動きで回避、それでいて囲まれないよう跳び回る――その間間に、メルノのステンレストンファーは水兵の鳩尾に叩き込まれ、昏倒させていた。

「――引け! 囲んで矢で射殺せ!」

 刀では拉致があかない、そう素早く判断を下して船長が指示を飛ばす。メルノ自身は回避する自信はある――それよりも重要なのは、だ。
「同士討ちしたら、どうするんや!」
 包囲しての矢は、そっちの方が怖い。そう言ったメルノへ、船長の言葉は簡潔だった。
「だったら、お前が当たってくれ」
「~~~~ッ、ずる!?」
 メルノや他の猟兵達がこちらを殺さないにように立ち回っている、それを見切っての判断なのだ。メルノは手足を撃つか、そう覚悟を決めようとした――その刹那。

「それは、させません」

 舟と舟の間を火精霊の翼で飛びながら移動してきた、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)がそれを防いだ。ルベルが構え、引き金を引いたのは水鉄砲――否、特製ガムを射出する容器だった。ルベルが引き金を引いた瞬間、蜘蛛の巣状に広がった特製ガムが弓を構えた水兵達を巻き込んだ。
「よいしょっと」
「ぐ、が……!」
 降り立つと同時、ルベルは墨染を振るう。墨染の峰打ちに、特性ガムに捕らわれた水兵達が次々と崩れ落ちていった。
「本当、覚悟完了している侍の多い事にございますね……」
「そうやな。ただ無力化するってのも骨が折れるで?」
 他の舟でも遭遇した覚悟完了系の侍達にルベルがため息をこぼせば、メルノもガンスピンを続けたまま肩をすくめる。
「それでも、やめるつもりはございませんが」
「もちろんや。こうなったら、一人たりとも死なせたらんで」
 ルベルは火翔(ヒショウ)によって飛び立ち、メルノは甲板を蹴る。まだまだ、制圧しなければいけない船上が彼等には残っていた……。

●舟の壁を越えて
「な、何だ……!?」
 不意に、轟音を立てて大型船が触れた。その理由は、甲板にいた者はすぐに知れた。

「是の剣は、金鉄の剛きより玉石の堅きまで、自由に伐れて天下に刃障になる物なし――太阿の剣、ここにあり」

 太阿の剣(アルイハウンヨウノタチ)――濤景一文字による景正の一撃が、船首を破壊したのだ。あまりにも重い斬撃は、限定的な時空断層を発生させる。木造船など、一溜りもなかった。
 何事もなかったかのように甲板に立った景正に、水兵が声を上げた。
「羅刹か……! 貴様、ここまでどうやって!?」
 猟兵達が乗っていた大型船は、かなり遠い。その理由を、景正はもったいぶらずにすぐに明かした。
「小舟を一隻、腕力で一気に走らせ参りました」
「な!? 海だぞ! 混乱があっても見つからない訳――」
「力には自信がありまして」
 信じがたいが、景正の言う事は事実だ。怪力頼りに小舟を漕ぎ、一気にここまで間合いを詰めた、それだけの事。

「さて、そのまま海で泳いで頂きましょう。音に聞こえた毛利水軍、海で溺れる者などいないでしょう?」

 直後、もう一度大型船が揺らいだ。破壊の衝撃に耐えきれなかった船は自重で真っ二つに折れ、海へと沈んでいった。
「次ですか――と」
 小舟へと降りた景正が、見る。他の大型船から放たれる焙烙火矢が自身へ降り注ぐのを。
 しかし、それを防ぐ者がいた。雷獣駆(ブレイジングビート)によって雷をまとい飛翔する剱だ。
「おっと」
 ヒュオン! と一陣の電光が海上を走り、ドドドドドドドドドドドドドドドン! と爆炎が巻き上がる。剱は一矢一矢丁寧に、フォトンガントレットで弾いて破裂させたのだ。
「ご親切に上空を飛んで射的の的になるつもりは一切ないんでよ。ま、なんだ、オブリビオンじゃないみたいだから、できるだけ、人死には避けるが――」
 剱の言葉が、不意に止まる。いくつかの大型船が、一気に景正と剱へと迫っていたからだ。船は縄で括られている――動けなくなったからこそ、自分達で船と船を連結させたのだ。
 複数の大型船、その質量を前に景正と剱が身構えたその時だ。

「大……変……身……!!」

 たかしがドライバーにメダルをセット、六六六悪魔の大変身(スーパーデビルチェンジ)によってざしきわらしを融合する! そのまま超スピードで海を駆けると連結船の前を横断――巻き起こしたソニックブームが、大波を巻き起こした。

「――今だ!!」

 つなぎ合わせた船達の大質量さえ止める大波だ、たかしの声に答えて景正と剱が動いた。
「結び方が雑すぎる」
 ヒュオン! と剱がワイヤーワークスで連結船を絡め取り、ギシギシと軋ませながらより密集させる――そこへ景正が跳んだ。

「切り捨て御免」

 横一閃に放たれた景正の太阿の剣が、連結船の船首を同時に破壊! 轟音を立てて、海へ沈んでいった。

「――そろそろか」

 たかしが、目を凝らす。完全に統制を失い、毛利水軍は無力化されていく。ならば、次に動くモノがいる――その気配を、感じたからだ。

「フェンフェン!」

 その特徴的な鳴き声を、猟兵達は確かに聞いた。水上を駆ける巨大な影に、ルベルが唸る。
「ところで、フェンフェーン!ってなんです? 僕、わんわーん!って言って対抗するべきでしょうか、悩ましいところでございます」
「どうだろうな」
 たかしは、ルベルの言葉を曖昧に流す。意識を逸らすには、あまりにも強大な気配だからだ。
「さて、これからが本番か」
 剱の呟きは、その場にいた猟兵達の代弁だ。隠し将『豊臣秀吉』――その強大な敵との戦いが、間近へと迫っていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『隠し将『豊臣秀吉』』

POW   :    墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:フジキチ

👑4
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦国の覇者
 ――ある世界の歴史書を紐解く時、その名は燦然と輝いている事だろう。

 豊臣秀吉、その名が意味する者は日本の戦国時代においてあまりにも大きい。その名を持つオブリビオンもまた、ふさわしい強大な力を秘めていた。

「フェンフェーン……!」

 猟兵達の前に立ち塞がる、その猿に似た存在には風格があった。気迫があった。豊臣秀吉の名を名乗るのに、十二分な威風がそこにあった。

 ここから先へは、決して行かさぬ――その決意と覚悟を持って、豊臣秀吉は猟兵達の前に降り立った。

 戦場は海原、本丸の前に立ち塞がるは稀代の武将――激戦が、ここに始まろうとしていた……。
コルチェ・ウーパニャン
…お、おサルさんーっ!?
コルチェの知ってるおサルさんじゃなーい!
どうぶつずかんに載ってなーい!!(ぺらぺらぺらぺら)

え、えーとえーと、こ、これも割引……あっ、ダメだ、光にはシール、貼れないや!!

ど、どうしよどうしよ……えーとえーと(読み込み中)
……よーし、漆黒の光は、真っ白の光の津波で対抗だ!(ピカーン)

ダイトッカのシールをコルチェ達の足元へペターン!
シールから光の津波を召喚!
【ワナ使い】はコルチェのトクイブンヤだもん。皆のことも守るよ!

漆黒の光線と一緒に、秀吉さんもざばーんって押し流しちゃえ!!

秀吉さんはここを止めたいだろうけど、コルチェ達も進まなくちゃいけないの!
ここは、押しとおーる!よ!


ルベル・ノウフィル
前章の飛翔状態から継続
UC:火翔

わんわんわん!(そちらに決意と覚悟あるように、僕にも譲れぬ志あり!お相手願いましょう、秀吉殿っ!)

◆対策
早業は全てに活用
1、海上を飛び廻り避ける
三分の一の鏡盾にて三度攻撃を防ぎ反射する

2、オーラ防御を衝突部位に集中し防ぎ、負傷すれば痛悼の共鳴鏡刃を投げる
僕が負傷すると鋭さを増す刃でございます

3、そちらは海中には入らぬのです?僕は海中にも潜って回避&離れた場所から弾丸のように飛び出して奇襲が可能ですぞ

◆攻撃
念動力で海から彩花を放ち、海面を跳ねようとしていた秀吉殿の腹、足元を狙う
僕自身は彩花と別の海面から同様に飛び出し、隙を穿つ
捨て身の一撃・鎧無視攻撃

――お覚悟!


六六六・たかし
【アドリブ歓迎】

豊臣秀吉が猿と呼ばれていたのは知識として知っていたが…
まさか本当に猿だったとは…
だが、舐めてかかっていい相手じゃあなさそうだな。
俺も本気で行かせてもらう…!

【WIZ】

猿の先制攻撃に対して、こちらも技能《先制攻撃》でUCを繰り出す。
発動は相手の方が先になるだろうが、問題はない
『悪魔の模倣(デビルコピー)』はカウンター技だからな。

コピーしたビームを猿にお返しする。
俺には技能《スナイパー》《誘導弾》があるから滅多なことでは外しはしないはずだ。
猿が麻痺さえすればこちらのものだ。
麻痺が解ける前にフルボッコにさせてもらおう。
来い!「たかしブレード」!

デビル!たかし!スラッシュ!!!


メルノ・ネッケル
奴の身体は伸縮性を持つ。鉛玉は跳ね返されかねん……リボルバーを仕舞い、構えるはトンファーと「R&B」!
豊臣秀吉……いざ勝負っ!!

向こうの先手を凌ぐ鍵は距離にある。
距離があれば、体を伸ばして届くまでに時間がかかる……防ぎ、躱しやすくなるんや。

奴の攻撃を凌ぎながら離れる……そして、仕込みの為の9秒間を稼ぐ。そうすれば、反撃の目はある!
9秒、カウントスタート!
トンファーの【武器受け】で防ぎ、【見切り】、躱し、一秒一秒数えながら時を待つ!

……さぁてカウント終了。
『九秒の狐』!今の射程は2km越え、端から撃っても釣りが来る。
熱線なら弾力があろうと跳ね返せはせん……毛だらけのその身体、大火傷してもらおか!


カイム・クローバー
ホントに毛玉みてーな奴だな。あの鳴き声、どっから出してんだ?口があるようには見えねぇが。

毛玉のUCはロボ?毛玉の二倍の身長っても、そんなに大きくねぇだろうから、ロボなんざ沈みそうなモンだが…(動きを見て)あの動きじゃ、期待できそうにねぇな…
【見切り】【残像】【第六感】で攻撃を躱す。得物がデカけりゃ見切り易いが、広範囲になるだろうから城ロボの動きには注意しねぇとな。船ごと沈ませるとかは流石に勘弁して…いや、それも有りか!【残像】で派手に攻撃を空振りさせて波しぶきを狙う。海水で濡れたロボにUC。銃弾に紫雷の【属性攻撃】【二回攻撃】【一斉発射】。水ってのは良く『雷』を通すんだぜ?知ってたか?毛玉野郎


鞍馬・景正
あれが豊公。……本当に豊公なのですか???

◆対POW
小舟を【怪力】で漕ぎ、破砕した船の木片等が漂う一角に位置取り。

城塞の動き、移動で発生する波浪を【視力】を凝らして観察し、攻撃を仕掛けて来る瞬間を【見切り】。

【第六感】の警鐘にも従い、打って来れば舟から木片へ飛び移る形で回避。
必要なら他猟兵の囮として立ち回り、躱しきれないと判断したら海中に潜って視界から消えましょう。

そのまま背後に迂回。
隙を見てUC発動。

◆攻撃
【鬼騎乗崩】を発動。
愛馬に【騎乗】し、城塞を足場に宙を懸け、そのまま秀吉公に【鎧砕き】の太刀を【早業】でお見舞い致す。

色々言いたき事はありますが、もはやこの一剣に打倒の念を込めるのみ――!


蒼焔・赫煌
おー!
なんだろうね、あれは!
ボール? どーぶつ?
どっちにしても強そうなのは変わりないね、ないともさ!
気合いを入れてれっつごー!

まずはー……全速全力で離れる!!
体を伸ばして攻撃するなら、伸びれば伸びるほど攻撃範囲は限られてくる! はず!!
蹴りによる炎の噴射で海上を跳び回りながら逃げるよ、逃げるとも!
逃げてる最中は海面に向かって炎を発射!
水しぶきと蒸発させた水分で目晦まし!!

先制攻撃を凌いだら反転!
一気に接近!
あとは野となれ山となれ!
相討ち覚悟で真正面から突っ込んで、攻撃する瞬間に合わせた【カウンター】の【捨て身の一撃】でファイアーキック!
海にドボンだよ!

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】


ユナ・アンダーソン
キリエ・ニールと参加

心情
この世界の豊臣秀吉って人の形すらしてなかったのね
……かすり避け(グレイズ)が得意そうな猿に見えるのは気のせいよね、うん
強敵なのは間違いないから気を引き締めて
行こう、キリエ!

先制攻撃対策
第六感で攻撃を予測しつつオーラ防御、激痛耐性で攻撃を耐える
どういう理屈の麻痺なのか分からないので毒耐性、呪詛耐性、電撃耐性
持ちうる耐性を全て使って麻痺に備える

戦闘
オーラ防御、かばうを用いてキリエを敵の攻撃からかばいつつ
キリエの突撃に合わせて鼓舞、祈りを用いUCを発動
キリエの傷を奪い万全の状態にします
ええ、支援は任せて
あなたの傷を私にちょうだい?
うん、これで大丈夫
任せたわよ、キリエ!


キリエ・ニール
ユナ・アンダーソンとタッグ
アドリブ、絡み歓迎

わお、でっかい…まじで猿だ…
…さて光線、光線…避けるか

第六感をフル回転し回避
発射のタイミングを見切り念動力で光線を屈折させ
軌道を察知し数打の刀を使い捨て迎撃
学習し予測を立て進める道を見つける
これを只管に繰り返しながらダッシュ


…あ、やべぇこれ集中持たないわ

ユナー支援ちょーだーい

僕は前衛に専心
光線以外の傷は顧みず
狙うは一点、発射口スペードマーク

間合いに入った瞬間、突く
鎧無視の刺突
鋒から放つ鎧を砕く衝撃波の二回攻撃

外す気無いけどさ
あんた避けるのうまそうだよね?

…奥の手は最後まで取っておくべきだよね?
刺突と同時にコード使用、三回目の正直だ貫け古代の戦士君!


備傘・剱
いや、猿って呼ばれてたみたいだけど、本当に猿っぽい奴が秀吉だったなんて、夢にも思わなかったわ…
真実は何とかよりも奇なりとはよく言ったもんだ

誘導弾と、呪殺弾で牽制しつつ、接近戦に持ち込むぞ
巨大化したら、鎧砕きで打ち砕き、体を変化させたら、鎧無視攻撃を衝撃波の零距離射撃で体内に打ち込んでやる
そして、マヒされたら、バトル・インテリジェンス起動!
動けないと思ってる所をグラップルで組み技に持ち込んで関節をへし折ってやるよ

そういえば、何言ってるかわからないが…
動物会話を使えば、理解できるんだろうか?

だが、将としての気概は感じられるな
こんな形じゃなきゃ、色々と話してみたかったぜ

絡み・アドリブ、好きにしてくれ


セルマ・エンフィールド
……生前もこの姿でこの喋り方だったのでしょうか。
どんな姿だろうと、立ちふさがるのであればこちらもすることは一つですが。

鳥の形をした『空中浮遊』する氷晶ゴーレムに飛び乗り、50m程度の上空まで高く飛びましょう。伸縮自在の相手に周囲を跳び回られると厄介ですが、飛べるわけではない。敵の頭上をとれれば秀吉を見失うことはないでしょう、あとは伸縮する体を『見切り』、『空中戦』の機動で回避を。

秀吉が他の猟兵を狙っているときは上空からフィンブルヴェトで『援護射撃』を。避けられてもそれで隙ができれば意味はあります。
私を狙って跳んできた、あるいは体を伸ばしてきたら【絶対氷域】を。伸縮自在の体だろうと逃がしません。



●海上決戦
 大海原に、いくつもの木片が浮かぶ。その一つに着地した漆黒の異形、その姿に鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は呟いた。
「あれが豊公。……本当に豊公なのですか???」
「フェンフェーン」
 いかにも、と応えるように豊臣秀吉が鳴く。呆然としているのは、景正だけではなかった。
「おー! なんだろうね、あれは! ボール? どーぶつ?」
「豊臣秀吉が猿と呼ばれていたのは知識として知っていたが……まさか本当に猿だったとは……」
 興味深そうに目を輝かせる蒼焔・赫煌(ブレイズオブヒロイック・f00749)に、六六六・たかし(悪魔の数字・f04492)は唸る。備傘・剱(絶路・f01759)もどこか呆れを滲ませて、こぼした。
「いや、猿って呼ばれてたみたいだけど、本当に猿っぽい奴が秀吉だったなんて、夢にも思わなかったわ……真実は何とかよりも奇なりとはよく言ったもんだ」
「……お、おサルさんーっ!? コルチェの知ってるおサルさんじゃなーい! どうぶつずかんに載ってなーい!!」
 猿と聞いて動物図鑑の隅々まで確認したのは、コルチェ・ウーパニャン(マネキンドールのピカリガンナー・f00698)だ。もちろん、動物図鑑にも載っていない……図鑑にだって、限界はあるのである。
「ホントに毛玉みてーな奴だな。あの鳴き声、どっから出してんだ? 口があるようには見えねぇが」
「フェーン!」
 カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)の疑問に、秀吉は答えたのかどうか。ただ、こちらの言葉は通じているし、理解もしているのは確かだ。
「……生前もこの姿でこの喋り方だったのでしょうか。どんな姿だろうと、立ちふさがるのであればこちらもすることは一つですが」
 セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)の言う通り、ここに至れば戦うだけだ。

「フェーン!!」

 タン! と木片を蹴って秀吉が跳躍した。見た目からは想像もできないほど速い――毛玉の砲弾となった秀吉は、一隻の大型船を破壊しながら迫った。

●秀吉の名を持つモノ
 轟音を立てて、木片が舞い散る。その大型船に乗っていたユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)とキリエ・ニール(勘頼りの放浪者・f00824)は揺れる足元に身構えた。
「この世界の豊臣秀吉って人の形すらしてなかったのね。……かすり避け(グレイズ)が得意そうな猿に見えるのは気のせいよね、うん」
 見た目はどうあれ。強敵なのは間違いない。気を引き締めて、ユナが告げた。
「行こう、キリエ!」
「わお、でっかい……まじで猿だ……さて光線、光線……避けるか」
 ユナとキリエが並走、秀吉に迫る。秀吉は腹部のスペードマークから漆黒の光線を放って迎撃、それをキリエは第六感だよりの念動力で捻じ曲げ紙一重で身をよじった。
「……ッ!」
 だが、その時には眼前に巨大な鋼鉄の拳が放たれている。秀吉の背後に立つ、墨俣城型ロボの拳だ。それをユナが割り込み、オーラを込めたエトワル・ボワ・ジュスティスで受け止めた。
「キリエ!」
「……ああ」
 瞬間、ユナと立ち位置を入れ替えてキリエが数打を射出する。だが、秀吉が突き出した手の動きに合わせ、墨俣城型ロボの手が壁となってその刃の雨を弾いてみせた。

「わんわんわん!(そちらに決意と覚悟あるように、僕にも譲れぬ志あり!お相手願いましょう、秀吉殿っ!)」

 そこへ火翔(ヒショウ)の翼で高速で飛んだルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)が彩花を放つ。その無念怨念が籠められた札を、秀吉は墨俣城型ロボの腕で受けきった。
「フェンフェーン!!(その決意と覚悟、見事なり! だが、我も大殿への恩義のためにこの場に立っている! 決して通さん!)」

 お返しとばかり放たれるグレイズビーム。それをルベルは、空中で加速し回避していった。
「え、えーとえーと、こ、これも割引……あっ、ダメだ、光にはシール、貼れないや!! ど、どうしよどうしよ……えーとえーと」
 コルチェは、常識はずれの秀吉の戦いに高速で頭を動かす。ユーベルコードは無限の可能性を持つ、だからこそ想像力や発想力こそが力となるのだ。
 この場でもっともその力を使いこなしているのは、秀吉である。ならば、想像力と発想力で越えなければ、こちらの刃は届かない――!
「舐めてかかっていい相手じゃあなさそうだな。俺も本気で行かせてもらう……!」
 たかしは超魔銃剣・たかしを変形、ブレード-ガンモードで狙撃していく。しかし、墨俣城型ロボの牙城は硬い。装甲が火花を散らしながら、狙撃を弾いた。
「ロボなんざ沈みそうなモンだが……あの動きじゃ、期待できそうにねぇな……」
 カイムは墨俣城型ロボの身の軽さにこぼし、船から船へ飛び乗った。
「船ごと沈ませるとかは流石に勘弁して……いや、それも有りか! みんな、飛べ!」
 カイムは紫雷の銃弾(エクレール・バレット)で秀吉のいる大型船を撃ち抜き、破壊する! だが、秀吉と墨俣城型ロボは即座に上へ跳んでいる――そこへ、剱が一気に迫った。

「フェーン!」

 迫る剱を墨俣城型ロボのカウンターパンチが放たれる。その鋭い一撃が、不意に止まった。肩に着弾した、一発の銃弾が防いだのだ。

「今です!」

 鳥の形をした『空中浮遊』する氷晶ゴーレムに乗って上空を取っていた、セルマの狙撃による一発だ。カウンターに合わせた正確無比な狙撃に、墨俣城型ロボと秀吉の動きにわずかな齟齬が生じる――剱にとっては、そのわずかで十分すぎた。
「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 剱のフォトンガントレット、その衝撃波が墨俣城型ロボの右腕を完全に打ち砕く!

「弓馬刀槍、すべてが合わさった武士の神髄をお見せしよう」

 具足をまとった景正が愛馬に騎乗、濤景一文字を振るう。秀吉は即座に墨俣城型ロボの左腕で受け止め、砕かれながらも後方へ大きく跳んだ。

「フェーン!!」

 そして放たれる、グレイズビームの乱射。牽制で放たれているが、一撃一撃が重く鋭い。その漆黒の乱舞に、猟兵達は大きく後退を余儀なくされた。
「させないよ!」
 そこで赫煌が、海面へ炎を発射。水蒸気と水しぶきが立ち昇り、視界を塞いだ。その間に、猟兵と秀吉は距離を取った。
「奴の身体は伸縮性を持つ。鉛玉は跳ね返されかねん……」
 そこまでの攻防から判断し、メルノ・ネッケル(火器狐・f09332)はリボルバーをホルスターへ戻す。構えるのはトンファーとR&B――赤いラインの入った黒い熱線銃だ。

「豊臣秀吉……いざ勝負っ!!」
「フェーン!!」

 メルノの声に、再び墨俣城型ロボを召喚して秀吉は猟兵達へと襲いかかった。

●武将は誇る
(「――これが豊公」)
 最初は面食らったものの戦い刃を交えた今、景正は言える――これは、間違いなく豊臣秀吉である、と。
 攻防高いレベルを至たり、その体が現すように常識に囚われない自由な発想からくる縦横無尽の大暴れ――数々の奇策を歴史に刻み、このサムライエンパイアにその人ありと謳われた実力に、偽りはなかった。

「フェーン!」

 しかし、その感想は猟兵側だけではない。秀吉側もまた、似た感想を抱いていた。一人一人はまだ未熟――だが、誰であろうと未熟な頃はあるものだ。

(「フェーン……(大殿、この時代にも強者はおりますぞ……)」)

 それを疎ましく思いながらも、誇りに思う自分もいる。オブリビオンであるその身は『今』を憎もうと、かつて戦国の世を駆け抜けた記憶はそれを嬉しくも思うのだ。

 ――だからこそ、滅ぼす価値がある、と。

 豊臣秀吉は思う。伝わらなくて良い、これが我らが時代を築いた力なのだと、『今』に刻むのだ。

(「そういえば、何言ってるかわからないが……動物会話を使えば、理解できるんだろうか? だが、将としての気概は感じられるな。こんな形じゃなきゃ、色々と話してみたかったぜ」)

 剱も思う。言葉でなくとも……否、言葉でないからこそ伝わるものもある、あるのだ。
「フェーン!!」

 墨俣城型ロボを従え、秀吉が跳ぶ。それを全速力で後退して誘ったのは、赫煌だ。
「こっちだよ――!」
「フェンフェーン!」
 蹴りによる炎の噴射で海上を跳び回る赫煌に、秀吉は墨俣城型ロボと同時に胸から漆黒の光線を放つ! それを紙一重でかわし、赫煌は木片へと着地した。
「フェ――!?」
 秀吉はその隙をつこうと、墨俣城型ロボの拳を振り下ろし――理解できず悪寒を感じた。マズい、何かがマズいのだ。その何かを理解するより早く、赫煌が身を沈めた。

「漆黒の光は、真っ白の光の津波で対抗だ!」

 悪寒の正体、自身に迫る危機はコルチェが小舟に貼っていたダイトッカのシールだった。

「【ワナ使い】はコルチェのトクイブンヤだもん!」

 ダイトッカのシールを起点とした光の大津波が、グレイズビームを飲み込み海面を走った。身を沈めた赫煌の上を通り過ぎ、コルチェのシールトリック『特売!』による光の津波が秀吉を飲み込んだ。
「フェン!」
 そして、秀吉が体勢を崩した瞬間、赫煌が跳躍。炎に包まれた蹴りで、墨俣城型ロボごと秀吉を蹴り飛ばした。

「海にドボンだよ!」

 ドォ! と巨大な水柱が上がる。即座に浮かび上がった秀吉へ、コルチェは凛を言い放った。
「秀吉さんはここを止めたいだろうけど、コルチェ達も進まなくちゃいけないの! ここは、押しとおーる! よ!」
「フェーン!」
 させぬ! と返した秀吉――そこへ、カイムが降り立った。墨俣城型ロボの肩に降り立ったカイムは、ガチャリと双魔銃 オルトロスの二つの銃口を向けた。

「水ってのは良く『雷』を通すんだぜ? 知ってたか? 毛玉野郎」

 ダンダン! と至近距離で撃ち込まれた紫雷を纏った銀の銃弾が、墨俣城型ロボの装甲を穿った。バチン! と爆ぜる放電光、ギシリと軋む墨俣城型ロボへ景正と剱が同時に駆け込んだ。

「色々言いたき事はありますが、もはやこの一剣に打倒の念を込めるのみ――!」
「砕けろ!!」

 景正の濤景一文字が、剱の零距離での呪殺弾が、完全に墨俣城型ロボを破壊する! 秀吉は即座に再召喚しようとするが――その瞬間、後ろで水が跳ね上がった。

「――お覚悟!」

 海中へと身を潜め、絶好の機会を狙っていたルベルが全方位から彩花を放つ。上下左右から迫る生奪の刃を、秀吉は猿玉变化によって自身を柔らかくして受けきった。
「フェン!!」
 それで秀吉は止まらない。メルノがこちらを狙っている事を悟っていたからだ。

(「距離があれば、体を伸ばして届くまでに時間がかかる……防ぎ、躱しやすくなるんや」)

 秀吉の伸びた腕が、メルノに迫る。

「九秒、カウントスタート! 一、二、三」

 三、と同時に首筋に迫った一撃を、メルノはトンファーで弾く。
「四、五」

 五と同時、タイミングをずらした伸びる前蹴りを横へステップしてかわし。

「六、七」

 七、そのカウントと同時に秀吉はグレイズビームを放――とうとして、バキン! と巨大な氷塊に囚われた。
「伸縮自在の体だろうと逃がしません」
 セルマの絶対氷域(ゼッタイヒョウイキ)だ。猟兵達は一人で戦っているのではない、仲間の援護があるからこそ――カウントは、終わる。

「八、九……さぁてカウント終了や」

 メルノの九秒の狐(ナインカウント・フォックス)の熱光線が、氷塊を穿ち秀吉へ撃ち込まれていく!
「熱線なら弾力があろうと跳ね返せはせん……毛だらけのその身体、大火傷してもらおか!」
「フェーン!」
 穿たれ、なおも秀吉は終わりを拒む。氷塊を砕き、体を炎に包みながら大きく跳躍。その頭上を、たかしが取った。

「来い! 「たかしブレード」!」

 超魔銃剣・たかしブレード-ブレードモードを手に、たかしは落下。大上段に、振り下ろす!

「デビル! たかし! スラッシュ!!!」

 ザン! とたかしの一撃に大きく切り裂かれ、秀吉は落下する。たかしとは違う木片へと着地すると、秀吉は胸部に全力を込めた――全身全霊のグレイズビーム、それを見てキリエはさらりと言った。
「ユナー支援ちょーだーい」
「ええ、支援は任せて」
 キリエが、真っ直ぐに駆ける。脇目もふらず、全速力で――それを秀吉の超特大のグレイズビームが迎撃した。
「フェン……!」
 迎撃した、そのはずだ。キリエは、だというのに構わず駆け続ける。ただですむはずがない、事実傷は負っているのだ――ただ、すぐに消えていくだけで。
「あなたの傷を私にちょうだい?」
 そう、ユナの傷奪う星痕(ペインテイカースティグマ)だ。傷を奪う星の光が、キリエを高速で癒やしているのだ。
「任せたわよ、キリエ!」
 信じ、頼れる相手が隣にいる――その強さを、秀吉は知っている。いや、知っていたはずだ。
「フェン……(大殿……)」
「……奥の手は最後まで取っておくべきだよね?」
 秀吉の眼前、キリエは古代の戦士を召喚――その槍が、繰り出された。

「三回目の正直だ貫け、古代の戦士君!」
「フェーン……(ご武運を……)」

 キリエによる古代の戦士の刺突が、秀吉を刺し貫く。それが止めとなった。歴史に燦然と輝く豊臣秀吉、猿と呼ばれたモノは霞のように掻き消えていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

POW   :    大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:みやこなぎ

👑5
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●弥助アレキサンダー
「秀吉殿……」

 弥助アレキサンダーは、黙祷した。オブリビオンである我が身に『滅び』はない。だが、この場で自らと戦ってくれた豊臣秀吉は消えたのだ……ならば、『彼』の消滅を悼んでもいい、そのはずだとこの弥助アレキサンダーは思ったのだ。

「……後は任せろ。俺がいる」

 目を開き、弥助は言う。メガリス『闘神の独鈷杵』の力によって発生した『関門海峡の大渦』の中心、そこに浮かびながら。
 この大渦は、猟兵を阻むものともなりえるが、逆に彼らの助力ともなりえるだろう。豊臣秀吉との戦いが示した通り、想像と発想力、そして連携こそが猟兵の強味なのだから。
 それらを携えやってくる猟兵は強敵だ。しかし、弥助に負けるつもりなどさらさらなかった。

「全ては信長様の為に……!」

 弥助アレキサンダーは、全力を持って迎え撃つ。それこそが、大殿の恩に報いいる、唯一の方法だからだ……。
ルベル・ノウフィル
恩に報いる、ご立派でございますな
ではこちらは上様と、ガングラン殿の恩に報いるため
そして人々の未来の為に

早業使用
◆海戦対策
念動力で海上に浮く
海面に彩花をたくさん浮かせておく

◆敵UC防御
盾を投げて勢いを削ぎ、オーラ防御を巡らせた夕闇を続いて投げ勢いを削ぎ、オーラ防御を巡らせた妖刀で受け止める
同時に周囲の彩花を念動力で一斉に敵にぶつけ、僕自身は後方に跳び距離を取る

死者の書も海に投げ、死霊に呼びかける
哀しき者たちよ、今理不尽な世界へ反抗する死霊となれ

◆反撃
UC:遊戯
亡くなった主の名を捧げます
惜しくない。強敵を倒すにはこれくらい大切なものを捧げなくてはね
僕はたまに誤解されますが、結構ね、真剣なのですよ


蒼焔・赫煌
さぁさぁ!
続けてやってきたよ、大一番! 大二番?
どっちにしても、正義の味方のパワーを存分に見せちゃうんだから!

再び破天航海ムラサを召喚して、波に乗って突撃ー!
おっきい渦潮だね、それにバチバチなんか飛んできてるし!
でもでも、それなら逆にそれを利用するまでさ!

可愛いボクは渦潮の流れに乗る!!
渦潮の勢いをスピードに乗せて、雷槌は【第六感】【野生の勘】で飛んでくる場所を予想して、【見切り】ながらガンガン行くよ!
これだけの勢いがあればきっと波だって大きくなるに違いないさ!
大きくなった波で一気に突撃だー!

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】


ユナ・アンダーソン
キリエ・ニールと参加

この戦いも大詰め
最後も私達の勝利で決める
行こう、キリエ
あなたは私が守るわ

先制攻撃対策
第六感で攻撃を予測し可能な限り回避しつつ
オーラ防御、電撃耐性、激痛耐性、かばうを用いてキリエをカバー
キリエはやらせない!

戦闘
範囲攻撃を用いてUCを広範囲化
弥助アレキサンダーは難しくても
周りの無機物を吸い込んで切り離すことは出来るはず
その後はキリエの行動に合わせて支援&カバー
弥助アレキサンダーを吸い込めた場合
自分も異界に飛び込んで異界内の星を操り
流星群を降らせて物量と質量で広範囲飽和攻撃
この場合もキリエの支援&カバーは行なう

あなたへの攻撃は私が抑える
私のことは気にせず全力でぶつかって
頼んだわよ


キリエ・ニール
ユナ・アンダーソンと参加

カッコイイなぁ、その潔さ
…でも僕らの絆、負ける気はないよ。


・先制攻撃対策
僕に防御の技はなく、只管回避するしかない。
なのでカバーをユナに任せ、僕はコードの対象となる無機物を第六感で察知。
念動力で範囲外に飛ばし、渦潮を衝撃波で崩す。

ユナのコードと共に、光へと触れ星空に突入
トリップホールによるダッシュ
コードを使用し刀剣を空間内に拡散、二刀流

空間から飛び出し射出と同時に斬りつけまた光に触れ
別属性の刀剣を従え別地点から飛び出、撃ち斬る

弥助の取り込みに成功すれば全ての刀剣を撃ち出し、肉薄して鎧を抜く。
出し惜しみも後ろ髪もない、信から生まれたコンビネーションを御覧じろってねぇ!


備傘・剱
大敵、弥助アレキサンダー、その御首、貰い受ける
御覚悟、召されぃ、って奴だな

仲間の攻撃を隠れ蓑に、暗殺を仕掛ける
どっちの攻撃も派手、かつ、高威力だ
その分、隙も大きい

破壊された地形の変形や、攻撃の光、立ち上る煙や鬨の声に紛れて、背後に回り込み、仲間の攻撃が当たった瞬間に弥助の左右から襲い掛からせ、視界と聴覚をごまかし、気配を消して背後から黒魔弾を仕掛ける

気付かれている事、前提で、防がれたら衝撃波と呪殺弾を零距離で全力照射
そして、当たらなくても、当たっても、一番の狙い、首をナイフで狙う

正々堂々と戦おうが、負けちゃ意味がないからな…
卑怯と罵られ様が、不意を突かせてもらおう

アドリブ・絡み、好きにしてくれ


コルチェ・ウーパニャン
皆で戦うのがコルチェたちの強み、だよね!
秀吉さんっていう相棒を失った今、弥助さんに、つけ入る隙が出来てる、と、思う!

コルチェ、皆の戦いをよーく観察します。
雷はお空から落ちるもの。渦潮から飛び出す雷は、見切った!!
……と、思えたら、ミレナリオリフレクション!

皆に向けて撃った雷は、コルチェがお返しします!
無尽蔵のパワー、コルチェがどれだけ返しきれるか、分かんないけど、
コルチェの光ファイバーが、光り続けるかぎり!
頑張ろうね、皆!そしてコルチェのピカリブラスター!
キュルンキュルン撃ちまくって、雷は絶対、通さないぞー!
そっちの攻撃がゆるんだら、コルチェのピカブラの銃口は、
弥助さんにむかっちゃうんだから!


メルノ・ネッケル
渦潮近くでの戦い……益々足場は限られる。
移動もままならなくなりかねへん、足場になる木片の場所は把握しておきたいな。

……さて、行くで。弥助アレキサンダー、いざ尋常にっ!!

大帝の剣、その一撃は単純だからこそ速く強力。
しかし繰り出すのは地形を壊す叩き付け。跳躍で躱せれば地形破壊も無視できる……そこからが反撃の機!

この跳躍、回避、反撃の鍵となるのが『狐の嫁入り』!
ユーベルコードにはユーベルコードを。動きを【見切り】、『狐の嫁入り』の始まりや!
技の初動の跳躍で叩きつけを躱し、周囲を巻き込む斉射を放つ!弥助と雷槌に叩き込み、攻撃と同時に戦力を少しでも削ぐで!

後は当たりを付けておいた足場に着地し、戦闘続行!


鞍馬・景正
弥助――信長公の近習か。
この身とて幕府への忠義、そして天下の為に戦う【覚悟】に一点の曇り無し。
いざ、尋常に。

◆対POW
予め船の残骸である木板を一枚確保。

あの大剣の威力を発揮するなら真向からの打ち下ろしになりましょう。
【視力】の限り敵全身の動きを見据え、一撃の起りを【見切り】、先んじて動く事に集中。

剣を担いだと見た瞬間、太刀先の側面に逃れる形で跳躍。
海面も割るだろう衝撃に乗り、木板を足場代わりに海上を滑走。

そのまま大渦に引き寄せられる形で接近、飲み込まれる寸前に弥助目掛け再度飛翔。

【羅刹の太刀】で間合を伸ばし、【怪力】の限り【鎧砕き】の打ちを叩き付ける。
刃が届かなければ【衝撃波】にて斬るのみ。


カイム・クローバー
あの毛玉も武士っつーやつだったんだろうな。忠誠心って言うのかね。信長の為に…か。

ラストはあのアフロか。触れた者の闘志を奪う肉塊、ならば触れなければいいだけの話だ。
距離を保って銃撃戦。攻撃は【見切り】と【第六感】と【残像】。距離がありゃそんだけ攻撃は察知しやすい。それに身体部位を一つ、封じられる。手ならば大帝の剣は満足に振るえない。そうなると足でも変えて来るかね…?
【二回攻撃】と紫雷の【属性攻撃】、【一斉発射】と【範囲攻撃】で広範囲に渡って銃弾を撃ち込むぜ。俺が俺の仕事を果たせば、他の猟兵は少しでも動きやすくなるはずだ。
身体部位一つは俺の方で面倒見るぜ。多勢に無勢は卑怯とか言わねぇよな?


セルマ・エンフィールド
退かないのであれば……押し通るまでです。

引き続き鳥型の氷晶ゴーレムに騎乗し空中で戦闘を。

視肉に囲まれないように弥助の周囲を旋回しつつ、下手に超巨大肉塊で狙えば渦に巻き込まれて動きが阻害させられるくらいの低空飛行を。渦に巻き込まれてくれればそれでよし、巻き込まれないよう慎重に攻撃してくるなら肉塊の隙間を見切り、間を縫って避けていきます。

この肉塊は本体に繋がっている。であれば……肉塊ごと凍らせてしまいましょうか。
的は超巨大肉塊、外す理由はありません。2丁のデリンジャーからの【絶対零度の射手】でまずは視肉、次に弥助アレキサンダー本人と端から順に撃ち抜き、凍結させていきます。


六六六・たかし
【アドリブ歓迎】

秀吉を討ち、残るはアレキサンダー…お前のみだ。
油断するつもりはさらさらない。
全力で俺はお前を倒す…!なぜなら俺はたかしだから。


【POW】

ひとまずアレキサンダーの先制攻撃であるメガリスを他のメンバーから《かばう》ために先陣を切る。
そして放たれた攻撃を俺の「たかしブレード」による《武器受け》と「デビルエナジー」の《オーラ防御》でガードする。
おそらく衝撃で多少動けなくなるがその間に他のメンバーが攻撃してくれることだろう。
俺も黙って終わるわけにはいかないので《覚悟》《催眠術》で無理やり身体を起こして必殺技を繰り出す。

デビル!!たかし!!!ストラッシュ!!!!!!



●大帝の所持者
「……来たか、猟兵」
 メガリス『闘神の独鈷杵』の力によって発生した『関門海峡の大渦』の中心、そこに浮かびながら弥助アレキサンダーは背中に挿していた大帝の剣を抜いた。
「全ては信長様の為に――蹴散らさせてもらうぜ」
「恩に報いる、ご立派でございますな」
 弥助の強い意志が宿る瞳を真っ直ぐに受け止め、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)は息を吸う。決意には決意を、ルベルは言ってのけた。
「ではこちらは上様と、ガングラン殿の恩に報いるため――そして人々の未来の為に」
「おう、それでいい。あの時代も、誰かが誰かのために戦っていたんだ。いつだって、それは変わらない」
 受けて立つ弥助の姿に、鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は呟く。
「弥助――信長公の近習か。この身とて幕府への忠義、そして天下の為に戦う【覚悟】に一点の曇り無し」
「……さて、行くで。弥助アレキサンダー!」
 メルノ・ネッケル(火器狐・f09332)もまた、R&Bとアサルトリボルバーを手にした。

「いざ、尋常に――」
「いざ尋常にっ!!」

 景正とメルノの挑戦を、弥助は受けて立つ。
「おう――勝負だ」
 ギシリ、と大気が軋む。それほどの気迫、それほどの覚悟が弥助にはあった。それは先程戦った豊臣秀吉にも感じられたものだった。
「あの毛玉も武士っつーやつだったんだろうな。忠誠心って言うのかね。信長の為に……か」
 カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は、双魔銃 オルトロスを引き抜いた。
「ラストはあのアフロか。触れた者の闘志を奪う肉塊、ならば触れなければいいだけの話だ」
「秀吉を討ち、残るはアレキサンダー……お前のみだ。油断するつもりはさらさらない。全力で俺はお前を倒す……! なぜなら俺はたかしだから」
 六六六・たかし(悪魔の数字・f04492)が船の甲板を蹴って、前に出た。弥助はミシリ……と大帝の剣を握る手に力を込めて、迎え撃つ!

「俺の運命を切り拓け――大帝の剣ッ!!」

 理屈ではない、ただただ渾身を込めて振り下ろされた大帝の剣の斬撃が、海を断ちながら猟兵達を襲った。

●闘神の所持者
 単純に重い、その一撃で砕かれた海が津波となって猟兵達を襲う。それに対して、たかしがした事は更に単純な事であった。

「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 超魔銃剣・たかしブレード-ブレードモードにデビルズナンバーたちが持つ特殊なエネルギーを全て束ね――渾身で振り下ろす!
「ぐ、お……!」
 大帝の剣の一撃に、たかしが吹き飛ばされる。大帝の剣の一撃を一人で受け止める――それは万の軍勢に一人で立ち向かうようなものだ。それでもたかしの全力と意地が、津波を完全に打ち砕いた。
「ほう、やるな!」
 降り注ぐ水滴にまで砕かれた津波を前に、弥助が素直な称賛を送る。その頭上を、鳥型の氷晶ゴーレムを駆るセルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)が取った。

「退かないのであれば……押し通るまでです」
「押せるものなら、押してみろッ!!」

 弥助の背中が、またたく間に巨大な肉塊へと変わっていく。触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』――それは山のように巨大になって猟兵達の前へ立ち塞がった。
「させません」
 氷晶ゴーレムを低空飛行させて、セルマがフィンブルヴェトを射撃していく。その肉塊を低く構えようとすれば、渦潮に近づかざるを得ない――ならば、肉塊が渦潮に捕らわれる可能性もあるはずだ。それがセルマの考えだ。
「よく考えたな」
 その判断は、正しい。ならばと弥助は左手に闘神の独鈷杵を構え、叫んだ。

「――落ちよ、神鳴り!!」
「雷はお空から落ちるもの。渦潮から飛び出す雷は、見切った!!」

 弥助の渦潮から放った雷を、全身を輝かせたコルチェ・ウーパニャン(マネキンドールのピカリガンナー・f00698)のミレナリオ・リフレクションが相殺した。絡み合う雷を雷、コルチェは髪の魔法光ファイバーを光らせながら全力を行使する!

「無尽蔵のパワー、コルチェがどれだけ返しきれるか、分かんないけど……!」

 コルチェは知っている、自分は一人で戦っているのでないのだ、と。
「ならば、押し潰す!」
 弥助は即座に、コルチェへ肉塊を放つ。押し潰す巨大なソレは、肉の隕石だ。しかし、それをカイムはオルトロスの連射で受け止める!
「手ならば大帝の剣は満足に振るえない。足で来るかと思えば、背中かよ……! こいつは俺が面倒見るぜ。多勢に無勢は卑怯とか言わねぇよな?」
「一向に構わないぜ?」
 力量差を考えれば当然、弥助はそう言い切る。肉塊を、銃撃の協奏曲(ガンズ・コンチェルト)のアップビートの銃弾が穿っていく――そこに生まれた均衡を、見逃さずに動く者がいた。

「大敵、弥助アレキサンダー、その御首、貰い受ける。御覚悟、召されぃ、って奴だな」

 肉塊の死角へ回り込んでいた、備傘・剱(絶路・f01759)の黒魔弾が弥助を捉えた。これが通常であれば、反応できたはずだ――しかし、周囲からの連携に神経が削がれた隙をつかれた形だ。
「ぐう!」
「哀しき者たちよ、今理不尽な世界へ反抗する死霊となれ」
 ルベルは死者の書を海へと投げ入れる。その想いに応え、書に記されたオブリビオンによって生命を奪われた者達が死霊となって弥助へと群がっていった。
「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 すかさず、弥助は大帝の剣を振るう。死霊を砕く一撃が生み出す波、それに乗って蒼焔・赫煌(ブレイズオブヒロイック・f00749)が波瀾溢れし大海原(ムラサ)によって召喚した波天航海ムラサに乗って挑みかかった。
「さぁさぁ! 続けてやってきたよ、大一番! 大二番? どっちにしても、正義の味方のパワーを存分に見せちゃうんだから!」
 赫煌の波天航海ムラサが生み出した大波が、弥助を襲う。それを弥助は返す刃、斬り上げる大帝の剣で斬り飛ばした。

「ぬ――!」

 その切り裂かれた波間に、景正の姿があった。船の残骸である木板をサーフボードのように操り、距離を詰めたのだ。
「――――」
「剣術はさほどでもないようだ」
 弥助が大帝の剣を肩に担いだ瞬間、景正の濤景一文字の居合一閃が弥助を切り裂いた。だが、弥助は即座に後方へ跳ぶ。技のなさは身体能力で補う、そういう使い手なのだろう。
「カッコイイなぁ、その潔さ……でも僕らの絆、負ける気はないよ」
 弥助の戦う姿にキリエ・ニール(勘頼りの放浪者・f00824)は言い捨て、それに同意してユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)が告げた。
「行こう、キリエ。あなたは私が守るわ」
 キリエがうなずき、駆け出す。それを守るようにユナも前に出た。

「――ハァッ!」

 そこへ弥助は、闘神の独鈷杵によって雷を放つ。ユナはそれをオーラを込めた星骸布で受け止め、加速した。
「キリエはやらせない!」
 ただのオーラによる防御ではない、電撃耐性まで用意してなお足りない分は激痛耐性で堪えてユナは盾となる。その覚悟がわかるからこそ、キリエは念動力による衝撃を繰り出した。
「この程度――ッ!?」
 肉塊で受け止めた、そのはずだ。しかし、攻撃と防御両方を一人でまかなう弥助よりも攻撃に全力を傾けたキリエの一撃が、わずかに勝った。
 空中で踏ん張りきれず、弥助が体勢を崩す――そこへ、跳躍したメルノの銃弾が降り注ぐ!

「銃弾熱線雨あられ、引きでもん代わりに取っときや!」

 メルノのR&Bとアサルトリボルバーによる熱線と銃弾の雨が弥助を貫き、穿っていく――だが、弥助の顔に浮かぶのは苦痛の表情ではない。むしろ、楽しげな笑みだ。

「おう、おう! これでこそ――戦よ!」

 自身の全力を受ける資格がある、そしてそんな敵を誇らしくさえ思う――弥助アレキサンダー、彼もまた第六天魔王と共に戦国の世を駆け抜けた武人であった。

●逆賊から遠き者
 弥助アレキサンダーとの激闘は、拮抗状態が続いていた。これを数で劣る弥助の実力を褒めるか、強大な敵へ食らいつく猟兵達を称賛するかは視点によって違うだろう。
 ただ、言える事は一つ――この拮抗状態を利に変えるのは、実力で勝る弥助側だという事だ。
「これが大帝の剣や闘神の独鈷杵、逆賊の十字架の持ち主か……」
 海に浮かぶ瓦礫の上に乗り、剱がこぼす。剱の不意打ちの多くが、凌がれ続けていた。いや、むしろ3つの強大なメガリスを操る弥助相手に、不意打ちであろうと攻撃を届かせている剱の実力こそを褒めるべきか。
 だが、これでは埒が明かない。相手は無尽蔵の力を宿しているのだ。
「秀吉さんっていう相棒を失った今、弥助さんに、つけ入る隙が出来てる、と、思う!」
 髪を点滅させながらふらつくコルチェは、そう言い切る。確かにそうだ、ここに秀吉がいたのならば――あるいは、押し切られていたのは自分達の方だったはずだ。
 この配置は油断であったのか、それは定かではない。ただ、その唯一の勝機を突いてなお、賭けに出なければ打ち崩せないのが弥助アレキサンダーという強敵なのだ。

「ええ、ならば相応の対価を払うしかないのでしょうね」

 だから、ルベルは覚悟を決めた。弥助に、その決意がわからないはずがない――何故なら、ルベルの覚悟は自分がこの場に立っている理由と近しいものだからだ。
「ひとは、よく笑っているではございませんか。あれは本当に楽しそうでございますね。僕もね、笑うのは好きなのですよ、得意でござい――」

「――止めろ」

 ルベルの口上を、弥助が遮る。そこにあったのは、悲痛の表情だ。
「ソレは止めろ。取り返しがつかない……戦う理由さえ力に変える意味が、あるのか?」
「あります。何も、惜しくない。強敵を倒すにはこれくらい大切なものを捧げなくてはね」
 ルベルは微笑む。あまりにも透明な笑みに、弥助は言葉を飲み込んだ。
「僕はたまに誤解されますが、結構ね、真剣なのですよ」
「――そうか、来い」
 ならば、もう何も言わない。弥助は、闘神の独鈷杵を構えた。

 ユーベルコード遊戯(イヌガワラエバ)――杖に術者の記憶の一部を喰わせて失うことを代償にするルベルの力だ。そして、今回払う代償は……亡くなった主の名だ。
 渦潮に乗った無数の彩花、それが意のままに戦場の空を舞い地を這う死霊の刃へと変化して弥助を襲う! 弥助はそれを闘神の独鈷杵の雷で――。

「一人じゃないんやで!」

 そこへ上から重ねるように、メルノの狐の嫁入り(フォクシーズ・レインスコール)が降り注ぐ! 上と下、無数の刃と銃弾、熱線が雷をぶつかり合い――撃ち抜いた。

「ぐ、お!!」

 渾身に渾身を重ねた攻撃が、雷さえも蹴散らした。弥助が攻撃に晒される中で、たかしが立ち上がった。
 幾度となく弥助の攻撃を仲間から守ったたかしは、もはや立つ事さえ困難だ。しかし、催眠術で無理矢理体を操り、動いた。

「デビル!! たかし!!! ストラッシュ!!!!!!」
「大帝の剣――――!!!」

 たかしの覚悟を込めた六六六悪魔の斬撃(デビルタカシストラッシュ)を、弥助は大帝の剣で受け止める。鈍い激突音、互いに剣をぶつけて拮抗し、なおもたかしは前へ出た。
「まだ、動く、だと!?」
「当然、だ! 何故、なら、俺、は――」

 大帝の剣が、火花を散らす。たかしは己の全身全霊を込めて叫んだ。

「――たかし、だからだあああああああああああああああああああ!!」

 弥助の巨体が、吹き飛ばされる! それでも背中の肉塊を操り、弥助は踏ん張る――その瞬間を、セルマは見逃さなかった。
「この肉塊は本体に繋がっている。であれば……肉塊ごと凍らせてしまいましょうか」
 的は超巨大肉塊、外す理由はない。二丁のデリンジャーから絶対零度の射手(アブソリュート・シューター)から次々とセルマは氷の弾丸の連射していく! 凍りついていく肉塊、そこへカイムのオルトロスが銃撃の協奏曲(ガンズ・コンチェルト)を歌った。

「It's Show Time! ド派手に行こうぜ!」

 野獣の咆哮がごとき銃声と共に、凍った肉塊が穿たれ砕けていく。セルマとカイムの連射、それが自身へ迫るのを感じ取って――弥助は、迷わず己の背を切り落とした。
「が、ああああああああ!!!」
 背から血を吹き出させながら、弥助が駆ける。崩れた拮抗を、盛り返さなくてはならない――相手は相応の覚悟をもって、この状態を生み出したのなら。
「俺も、命を懸けていこうか!!」
 弥助が、大帝の剣をその場で振り下ろす! 海面が砕かれ、巻き起こる津波――盛り上がった波は、闘神の独鈷杵が生み出す渦へと集約する。すなわち、戦場の全てを飲み込むという事だ。

「――来い!」

 全てをまとめて、叩き潰す! その強い決意を込めて、弥助は再び大帝の剣を振り上げる――だが、弥助の予想は再び裏切られた。

「さぁ、星の海で遊びましょう?」

 ユナが星骸の聖痕から放たれる光で、津波や巻き込まれた船の残骸を飲み込んでいったのだ。そして、キリエもまたその光の中に飲み込まれ――消えた。
 星海の中庭(スターオーシャン・ガーデン)――無限に広がる「星空」を内包する世界へと、抵抗しない対象を飲み込むユーベルコード。そして、重要なのは――飲み込んだものを、いつでも出せるという事。

「頼んだわよ、キリエ」

 星骸の聖痕を構えたユナが、飲み込んだものを吐き出した。津波を、船の瓦礫を――キリエを!

「出し惜しみも後ろ髪もない、信から生まれたコンビネーションを御覧じろってねぇ!」

 津波と瓦礫を闘神の独鈷杵の雷撃で穿った弥助へ、一気にキリエが間合いを詰める。ハンターソード・レギオンズの刀剣、その射出。高速飛翔するその刃の軍勢が、弥助を貫いた。
「ガ、ハ、ま、だた……!」
 まだだ、この程度で倒れる訳にはいかない――踏ん張った弥助を、雷の雨に紛れた剱が肉薄。剱のナイフが、弥助の首筋を切り裂いた。
「正々堂々と戦おうが、負けちゃ意味がないからな……卑怯と罵られ様が、不意を突かせてもらおう」
「お、お……ッ」
 弥助が、ふらつく。強引に大帝の剣を薙ぎ払い、間合いを開けた。ヒュウヒュウ、と漏れるような呼吸音をさせながら、なおもその瞳から闘志が消える事はない。
「えい!えい! えい!」
 キュルンキュルンとコルチェのピカリブラスターが唸りを上げる。フェルマーの原理に従い、常に所要時間最短経路で狙いへ進む熱光線が、弥助を捉え、焼きえぐった。

「お願い!」

 引き金を引き続けながら、コルチェが声を上げる。あそこまで追い込んでなお、足を止めるのが精一杯――それでもコルチェには、十分だった。
 何故なら、コルチェには頼りになる仲間がいるからだ。

「可愛いボクは渦潮の流れに乗る!!」

 渦巻に波天航海ムラサで乗りながら、赫煌が迫る。ゴォ! と立ち上る螺旋の水柱――その中に弥助は捕らえられ。

「羅刹の戦場剣法、薙ぎ払いし後に残すは屍山血河のみ」

 濤景一文字を身長の倍以上ある野太刀へと変え、景正が跳んだ。渦巻く水に捕らわれた弥助も、大帝の剣を振りかぶる。景正は構わず、羅刹の太刀を全力で振り下ろした。

 ガギン! と剣と太刀が激突。だが、大帝の剣の軌道が、大きく逸れた。ただ、技の差が出た。景正の一撃が、水柱ごと弥助を断ち切る――!

「秀吉殿、信長様……もうし、わけ……いや……」

 口から漏れる謝罪を飲み込み、弥助は痛快と笑っていった。

「……良き、戦だった。さ、らばだ、猟兵、達よ……」

 弥助は、渦潮へと落ちていく。渦潮は、すぐに掻き消えた。それは弥助アレキサンダーとの死闘の終わりを意味していた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月28日


挿絵イラスト