エンパイアウォー⑱~颶風の内側の決戦場
●関ヶ原
「骸の海に沈むより前、生涯において数多の合戦を経験してきたが、終ぞ大きな戦で敗れることはなかった」
軍神『上杉謙信』の視線の先、オブリビオンの軍勢が次から次へと『車懸かりの陣』で猟兵達と戦っている。
「私であれば彼らを食い止められるというのは増上慢であったか」
しかし『車懸かりの陣』で強化されたオブリビオンの軍勢は、猟兵達を押し切れずにいた。
むしろ徐々にではあるが上杉軍の兵力は削られている。
「だが私も軍神と謳われた者、そう易々と打ち倒されはせぬぞ」
上杉謙信が携えた12本の毘沙門刀が殺気を帯びた。
●
「さて、仲間達のお陰でなんとか上杉謙信に刃を届かすことができるところまで来ることができたな」
ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)は『車懸かりの陣』の内側に、テレポートの出口を構築することに成功していた。
「敵は軍神『上杉謙信』、サムライエンパイア最強の一人と言っても過言ではあるまい」
まだ間合いには入っていないここまで上杉謙信の剣気が届いているかのように重苦しい。
「敵は強大だがオブリビオンだ。オブリビオンであれば我々猟兵がいずれ倒さなければならない存在だ」
上杉謙信がどれだけ強かろうが、ラティナの言う通りオブリビオンである以上はそれと戦うのが猟兵だ。
「私は冒険者だからな。戦場での手柄というものには疎い。しかし上杉謙信の首ともなれば、私でもわかるほどの手柄ではないのか? お前達の背中、『ここ』は私が死んでも守ってやる。だから思う存分戦って来い。お前達なら上杉謙信を倒せると信じているぞ」
刀道信三
どうも、刀道信三です。
●成功条件
軍神『上杉謙信』の撃破。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
また軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『軍神『上杉謙信』』
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POW : 毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 毘沙門刀車懸かり
自身に【回転する12本の『毘沙門刀』】をまとい、高速移動と【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
イラスト:色
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アネット・レインフォール
▼心情
ふむ…絶対の一に近い将というのはやり辛いな。
得物の数こそ同じだが…今回は分が悪いか。
『――たとえ武器が無くとも…手もあれば、足も頭もある。
全ての武器、捌いてみるがいい!』
▼POW
先ずは全武器を念動力で宙に浮かせ迎撃準備。
【霽月一刀】を付与し毘沙門刀を捌くと同時に破壊を試みる。
不可でも連撃や葬剣を網にして絡める等で時間稼ぎを。
その間に霽刀と式刀を手に間合いを詰める。
幾度か斬結んだ後、刀を投げつけつつ念動力攻撃に加え手数を増やす。
更に全身を【霽月一刀】で纏い触れたら斬れる刃と変えた上で
無手の攻撃を加え、手刀で袈裟に切り裂く。
一撃入れたらコート脱いで指差し
男なら素手で来いと叱責を。
アドリブ歓迎
「ふむ……絶対の一に近い将というのはやり辛いな。得物の数こそ同じだが……今回は分が悪いか」
敵は戦国最強の武将に数えられる。
状況に応じて多彩な武器や戦術を使い分けるアネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)と上杉謙信の戦い方は似ていた。
念動力で武器を浮かせた姿はまるで鏡映しのようである。
鍛錬を怠ったことはない。
しかし戦国の世において軍神と謳われた天才に届くのか。
戦闘スタイルが似ているからこそ意識せずにはいられなかった。
「猟兵よ。敵陣深く踏み込み、私の前に立つ勇敢さ。一片の油断もすまい」
上杉謙信の眼光に侮りの影はない。
アネットは首を振って雑念を払うと、一人の武人として立ち返った。
「上杉謙信。いざ、尋常に勝負!」
霽刀【月祈滄溟】と式刀【阿修羅道】、二刀を手に決戦場を疾駆する。
迎撃の為に投射される10振りの毘沙門刀。
それをアネットは追随する10の武器に【壱式】霽月一刀で剣気を纏わせ、毘沙門刀の破壊を試みる。
剛性を無視した絶対の切断力を付与された武器達でも、やはり同等以上の剣気を纏った毘沙門刀を折ることは叶わなかった。
毘沙門刀が10の属性による多様性なら、アネットの武器はかつての仲間達との絆と武器種の多彩さだ。
光線のように投射される毘沙門刀と相殺するように武器をぶつけ、一撃の威力で劣る分は葬剣【逢魔ガ刻】や暗糸【翠霞喝采】を網にして面で絡め取る。
そして太刀打ちの間合いまで踏み込んで二刀流の連撃。
普段であればアネットにとって最も得意とする距離であろう。
しかし今は生きた心地がしない。
隙のない構えから繰り出される斬撃が重い。
幾度か斬り結んだ後、アネットは謙信の斬り上げで弾かれたかの様に刀を手放した。
「――たとえ武器が無くとも……手もあれば、足も頭もある。全ての武器、捌いてみるがいい!」
宙に舞った刀を念動力で操り、更に全身を霽月一刀の剣気で覆い刃と化す。
「ほう」
立ち合いの最中、謙信は感嘆の溜息を吐いた。
謙信が襲い来る二刀を防いだ一瞬の隙に、アネットの手刀が袈裟に謙信の甲冑を切り裂く。
骨を断つ感触はなかったが、皮膚が裂け甲冑の隙間から血が滲んだ。
「男なら素手で来い!」
アネットは黒いコートを脱ぎ去り、謙信の鼻先に指を突きつける。
「……良かろう」
謙信がアンヘルブラックとディアブロホワイトを手放すと、他の10振り同様自在に宙を舞い、霽刀【月祈滄溟】と式刀【阿修羅道】の動きを牽制した。
霽月一刀の剣気で全身を触れれば切れる刃と化したアネットに怯む様子もない。
生涯数十の戦を先陣で指揮を取ることで勝利に導き、幼少より武芸に秀でていたという逸話を残す上杉謙信。
その徒手空拳での実力は如何ほどのものだろうか。
成功
🔵🔵🔴
ゼン・ランドー
上杉謙信とはまた大層な大物が出てきましたね
私でも名前程度は知っています。
まともに切り結びたくはないですねえ・・・
ユーベルコード「金天華廻」で自分が装備する全ての武器を紙幣製の花弁へ変換。
〈早業〉で広く周囲に展開すると見せかけて
【グレグレくん】と武器改造で無数の刃へ変えた【余燼】
出力を最大まで上昇させ複数に分割した【光刃】を上空に配置。
一斉に落下させてユーベルコードを解除し
軍神の防御力の飽和を狙います。
ああ、私と猟兵の皆さんに当たっても紙のままですからご心配なさらず
どうぞ突撃をお願いします。
自分は深手を負うか距離を詰められる等で
足手まといになりそうなら〈逃げ足〉を活かして撤退します。
「上杉謙信とはまた大層な大物が出てきましたね。私でも名前程度は知っています。まともに切り結びたくはないですねえ……」
ゼン・ランドー(清純派SE<サムライエンパイア>商人・f05086)は自分が装備する全ての武器を金天華廻(ロンダリングロンド)で紙幣製の花弁に変換した。
無数の花弁が風に舞い戦場中に広がって行く。
一見すると無造作に紙片をバラ撒いている様に見えるが、ゼンは金天華廻で変換した花弁の一枚一枚を元の装備のどこの部分か把握することができる。
自分に注意が向く前に、高性能爆薬の『グレグレくん』、質量を限界まで増した黒剣の『余燼』、出力を最大まで上昇させ複数に分割した『光刃』を上杉謙信の頭上に配置した。
「さて、お代は見てのお帰りといったところでしょうか」
ゼンが金天華廻を解除すると上空に配置した武器が一斉に謙信へと向かって落下する。
「毘沙門刀天変地異『土津波』」
直感的に殺気を察知した謙信が、二刀の毘沙門刀を手に静かに唱えた。
地面が荒れた海の様に隆起し、30mほどのアーチを描いて岩石の津波が謙信を覆う。
まず1粒が手榴弾ほどの爆発を起こすブドウ型爆弾が岩石のドームの天辺で爆裂した。
続いて質量と数を増して刃の雨と化した黒剣と光剣が降り注ぐ。
剣の雨は天蓋を穿ち、岩石の津波は土砂となって崩れ落ちた。
「……これで倒れてくれるなら苦労しないのですが」
ゼンの予想通り、土煙が晴れた後に謙信が甲冑に着いた砂を払いつつ立っている。
しかしそれを見越して謙信が視線を上げた先には、既にゼンの姿はないのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヴェル・ラルフ
落ち着いた振る舞い、冷静な判断…最強と言われるのも分かるなぁ
WIZ
謙信の注意を引き、味方のサポートを行う
『車懸かりの陣』の内側に、テレポートできるようにしてくれた仲間たちのためにも。
まずは敵の兵士の服を「お借り[盗み]」して[変装]
[目立たない]ように[忍び足]で謙信が視認できる距離、且つ背後などの死角から接近を試みる
仲間がすでに戦っているようなら戦況を注視
見計らって、攻撃できる隙または味方の危険のタイミングで【残光一閃】
謙信の動きを封じたい
[早業]が使えるといいかな
この世界の歴史は知らないけれど…なんとなく、素晴らしい才能の持ち主なんだと思うから。敬意を込めて、全力で。
★アドリブ・連携歓迎
御剣・刀也
越後の竜、上杉謙信
戦乱の世の名将。か。命を懸けて仕合うにはこれ以上ない相手
さぁ、やろう。俺とあんた、どちらかが動かなくなるまで。存分に、な
毘沙門刀連斬は武器受け、第六感、見切り、残像で受け、いなし、避けて懐まで勇気をもって少しずつ、着実に距離を詰める。
距離を詰めて自分の間合いに入ったら、カウンター、二回攻撃、捨て身の一撃のいずれかで、渾身の一撃を打ち込む
「俺はただ強い奴とやりたいだけの鬼。今の俺は人じゃない。ただの死人。ただ強い奴と仕合たいだけの、鬼よ。死人は死を恐れんぞ。越後の竜、お前の首を獲りたいとは言わんが、命尽きるまで、存分に仕合おう」
「越後の竜、上杉謙信。戦乱の世の名将、か。命を懸けて仕合うにはこれ以上ない相手」
御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は鞘から愛刀『獅子吼』をスラリと抜く。
「さぁ、やろう。俺とあんた、どちらかが動かなくなるまで。存分に、な」
これ以上は問答無用と刀也は上杉謙信まで最短距離を真っ直ぐ駆けた。
それを迎撃するのは毘沙門刀の連続投射。
超高速で飛来する毘沙門刀の切っ先が、一寸の狂いもなく刀也の眉間を穿とうとする。
刀也は首を捻って躱すが、衝撃波で耳と頬が切れた。
心臓を狙った一射を獅子吼で弾けば、一撃の重さに押し返される。
足を狙い、急所を狙い、上下に揺さぶりを掛けたと思えば、狙いも拍子も巧みに刀也の読みを外してくる。
その一撃一撃が必殺の威力。
少しでも油断して直撃を受ければ致命傷は免れない。
刀を握る手は痺れ、掠めるだけで皮膚が裂けた。
それでも刀也は一歩でも前に進む。
幾度も死線を越えながら、己の牙が届く距離まで、根気よく歩を進めた。
あと一息で懐に踏み込めるというところで、先に仕掛けて来たのは謙信であった。
毘沙門刀の投射に合わせて白と黒の二刀を振り被りながら接近する。
刀也は渾身の斬り上げで毘沙門刀を弾くと、そのまま獅子吼を大上段に構えながら、稲妻のように踏み込んだ。
「毘沙門刀天変地異『烈風渦潮』」
「…………っ」
謙信の頭頂部を刀身が捉えようとした直前。
刀也の胴を渦巻く気流が覆っていた。
必殺の一太刀を繰り出そうとしていた刀也の体勢は崩される。
このまま回転を増す風にねじ切られるか。
それより謙信に首を落とされる方が早いか。
どちらにせよ刀也の脳裏に死が過ぎった。
●遡る
「落ち着いた振る舞い、冷静な判断……最強と言われるのも分かるなぁ」
ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は刀也より数分早く戦場にテレポートしていた。
まずは倒れた敵兵の甲冑を剥がして身に纏い、気配を殺しながら大回りに謙信の背後へと回り込む。
慎重に忍び足で謙信の死角に入るまでの間、ヴェルは仲間が謙信と戦う様子を見ていた。
仲間達は刀也を含めて死力を尽くしているが、戦況を傾けるほどの有効な一撃を入れられずにいた。
謙信の圧倒的な武芸の技量も然ることながら、神懸かった状況判断で付け入る隙を見出すことができない。
敵兵に擬態し細心の注意を払って気配を消してはいるが、泳がされているだけではないかと不安になる。
そうこうしている間に刀也が謙信に向かって行く姿が見えた。
謙信が一方的に刀也を押しているように見えるが、ヴェルは謙信の注意が前方に向いているように感じた。
刀也と同じように一歩づつ、少しづつでも足音を殺して距離を詰める。
勘づかれては元も子もない。
思いに反して近付けば近付くほど、汗は滲み、呼吸は浅くなっていった。
謙信が攻撃に転じた瞬間。
ヴェルが見計らっていた隙が謙信の背に生まれた。
「尾を引く茜……!」
ヴェルは間髪入れずに緋色の鎖のような闘気を放ち、謙信の胴に巻きつける。
刀也に絡みついていた気流は霧散し、10本の毘沙門刀はカランカランと音を立てながら地に落ちた。
「俺はただ強い奴とやりたいだけの鬼。今の俺は人じゃない。ただの死人。ただ強い奴と仕合たいだけの、鬼よ」
刀也は凄絶な笑みを浮かべながら謙信に雲耀の太刀を打ち込んだ。
「死人は死を恐れんぞ。越後の竜、お前の首を獲りたいとは言わんが、命尽きるまで、存分に仕合おう」
乾坤一擲、後先を踏まえない全霊の一太刀を、刀也は命を燃やすようにして繰り返し打ち込む。
謙信は白と黒の毘沙門刀を交差して受けるが、剣戟の強さに踏ん張る足が大地を削るようにして押されていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
【心情】
生前がどうであったとしても、オブリビオンとなった以上
倒さなくてはならないのは確かですね。
それに、上杉謙信を討ったとなれば大いな手柄ですし、
騎士としての誉れでもあります。
いざ、勝負――。
【戦闘】
十二本の毘沙門刀が厄介なので、インヴィンシブル・フィールド・バリアで
バリアを張ってその攻撃を防ぎます。
「このバリアは金剛不壊!如何なる攻撃でも破れはしません!」
攻撃は「怪力」で緑の斧槍を振るい、数合打ち合ったところで
「フェイント」で隙を作って「ランスチャージ」して、
「串刺し」を狙います。
※万一バリアを破られた際は、緑の大盾や緑の斧槍で
「盾受け」「武器受け」し、「オーラ防御」で耐えます。
「生前がどうであったとしても、オブリビオンとなった以上、倒さなくてはならないのは確かですね」
『依怙によって弓矢は取らぬ。ただ筋目をもって何方へも合力す』という義を重んじた人物も、オブリビオンと化せば世界を滅ぼさずにはいられないのか。
「それに、上杉謙信を討ったとなれば大いな手柄ですし、騎士としての誉れでもあります。いざ、勝負――。」
緑の斧槍と緑の大盾を構え、ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)は上杉謙信に向かって突撃を開始する。
迎え撃つは10振りの毘沙門刀。
遮蔽物のない関ヶ原では、まずこれを突破せずに接近することすら難しい。
ウィルヘルムは緑色のピラミッド状バリアを展開した。
「このバリアは金剛不壊! 如何なる攻撃でも破れはしません!」
インヴィンシブル・フィールド・バリアは、想像から創造される無敵の防壁。
毘沙門刀が飛来する度に鉄槌で叩かれたような轟音が鳴り響くが、突進するウィルヘルムの足を止めることはない。
「毘沙門刀をここまで凌ぎ切るとは、その障壁『金剛不壊』とは言い得て妙だ」
ウィルヘルムの緑の斧槍がバリアの中から謙信に向かって振るわれた。
謙信は斧槍の攻撃を見切っているかのようにディアブロホワイトで受け流す。
更に緑の大盾を構え間合いを詰めようとするウィルヘルムを、アンヘルブラックの斬撃が阻んだ。
空間に刻まれた斬撃が緑のバリアと火花を上げる。
打ち合うこと数合、ウィルヘルムは斧槍を引くように振るい、その反動で盾を突き出した。
緑の大盾を目眩ましに斧槍を構え、斧槍を突き出しながらチャージを掛ける。
「…………!」
多少の迎撃はインヴィンシブル・フィールド・バリアで強引に突き進もうとしていたウィルヘルムの目の前に、10振りの毘沙門刀が柵のように突き立った。
ウィルヘルムが毘沙門刀に阻まれている間に、謙信は穂先の間合いから逃れる。
猟兵達との連戦に白い甲冑は血と土に汚れていたが、確実にあるだろうダメージと疲労を見出すことの難しい立ち居振る舞いであった。
成功
🔵🔵🔴
レパル・リオン
軍神怪人ケンシン!相手にとって不足なし!
あたしはレパル!魔法猟兵レパル!
…いざ参るっ!【変身】!
あえて最初はつかず離れずの距離を保ち、あの12本の刀に対処する事を優先するわ
魔法のステッキにオーラ防御の力を込めて振り回し、襲いかかってくる刀を鉄球で打ち落とし、鎖で絡めとるわ!
もちろん刀をどうにかしただけで勝てるとは思ってないわ、ダッシュで踏み込み足払いをしかける!
もっとも、足払いは多分ジャンプとかでかわされるわ!でもその時は、あたしもジャンプして追いかける!
ジャンプはできても浮いたり飛んだりできる訳ではないと見た!
刀が戻って来る前に、殴って蹴ってぶっ倒せばあたしの勝ちよっ!
「軍神怪人ケンシン! 相手にとって不足なし!」
血風吹き荒ぶ関ヶ原に、一人の少女が颯爽と現れる。
「あたしはレパル! 魔法猟兵レパル! ……いざ参るっ! 変身!」
レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は体の内から溢れるオーラを身に纏い、空中に現れた火の輪を潜ると、『サンライズライオン』フォームに変身して着地した。
「上杉従五位下謙信、いざ勝負!」
上杉謙信はレパルを少女と侮ることなく名乗り返し、腰を落として構えを取る。
「とりゃー!」
牽制というにはあまりに重過ぎる毘沙門刀による連続攻撃が始まった。
今まで猟兵達を散々苦しめてきたそれを、レパルはオーラを宿らせた魔法のステッキと鉄球で打ち落とすことに専念する。
魔法少女に変身したことで爆発的に戦闘力が増大したレパルは、毘沙門刀連斬に反応することができていた。
(「でも刀をどうにかしただけじゃ勝てないわ」)
レパルは10本の毘沙門刀による攻撃が緩んだ隙を突いて、超人的な脚力で謙信の懐に踏み込み足払いを仕掛ける。
「掛かったわね! ジャンプはできても浮いたり飛んだりできる訳ではないと見た!」
レパルの鋭い足払いを躱す為に、謙信は垂直に跳躍していた。
透かさずレパルも謙信を追ってジャンプする。
「刀が戻って来る前に、勝負を決めるわ!」
虚を突かれた謙信と、魔法少女としての力に後押しされたレパル。
流石の軍神もここまでの戦いのダメージもあってか、白と黒の二刀による迎撃が間に合わず、レパルによる空中での容赦ないラッシュを一方的に受ける。
「これであたしの勝ちよ!」
渾身の鉄球が謙信の頭部にクリーンヒットし、そのまま勢いよく大地に叩き付けられた。
「最早ここまでか……」
頭の半分が砕け視界も定かでない状態で、謙信は息絶えもう起き上がることはない。
こうして上杉謙信を倒したことで、猟兵達がこの戦場を制したのだった。
大成功
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