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エンパイアウォー㉑~忠義座す海峡

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #弥助アレキサンダー

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●忠義、関門となりて立ちはだかる
「おっと、集まったな。猟兵共。ついに……『弥助アレキサンダー』の場所を見つけたぜ」
 弓師の姿で現れたアルト・ヒートヘイズ(陽炎の境界線・f16429)は、猟兵達を見回すと、説明を始める。
「場所は関門海峡。此処に弥助は居る。ただ、な」
 少し間を置いて、アルトは告げる。『隠されていた将』も其処に居るのだと。
「聞いたことある奴の方が多いかもしれねぇな。『豊臣秀吉』。関門海峡には豊臣秀吉の護衛を受けた弥助アレキサンダーが、メガリスとかいう渡来人の宝を3つ用いて待ち構えてやがるぜ」

 アルトが軽く関門海峡の様子を書きながら説明を始める。
「弥助アレキサンダーに辿り着くまでには2つ関門がある。1つは――『大帝の剣』ってメガリスに洗脳されちまった『毛利水軍』の船だ」
 どうやら、彼らはその洗脳により、猟兵達を敵と認識しているらしい。屈強な武士ではあるが――関ヶ原のファランクス同様、一般人であることには変わりない。
「だから、俺から頼むのも違ぇかも知れねぇが、なるべく殺さずに突破してやってくれ。……一応敵対勢力じゃ無いわけだしな」

 続けて、アルトは妙な毛玉のような生物を描き始めた。
「えーと、こいつが2つ目の関門。豊臣秀吉。……いや、確かにどう見ても人じゃねぇし、聞こえる言葉も鳴き声みてぇだが――なんでか『俺達』にも意味は理解できる。安心しろ」
 いや、そういう安心は必要ないだろ――と抗議の言葉も聞こえたかも知れないが、弓師は説明を続ける。
「で、この秀吉。こいつ自身もかなりの実力者だ。更に付け加えると『逆賊の十字架』っつーメガリスで異形強化されちまってんだ。先は取らせて貰えないと思え。……まだ、こいつも『前座』だからな。気を抜くなよ」

「そして最後が、弥助アレキサンダーだ。こいつ自身は『闘神の独鈷杵』っつ―メガリスが起こしてる大渦の中心の上に浮かんで、それぞれのメガリスの力を高めてる真っ最中だ――当然、撃破しねぇと危険だってことは……分かるよな?」
 力を高められているメガリスには洗脳効果のある『大帝の剣』も含まれている。……放置すれば、罪なき人々が、幕府に反旗を翻すことすら起こりうるだろう。
「この発生してる渦潮を巧く使えば、有利に戦えるかも知れねぇが。やっぱり先は取られちまうって事は念頭に置いておけよ。こいつが最後の山場だからな――しっかり撃破してこい」

 ここまで説明しきったアルトがお茶を飲んだ後、転送準備を開始する。
「よし、この先は――『海上戦』だ。今までの幹部の連中とは違ってより消耗するだろうな。だが――信じてるぜ、てめぇらをな」


逢坂灰斗
 壇ノ浦、巌流島――結構大事な決戦ってこの辺りだった気がします。
 逢坂灰斗です。
 今回は『関門海峡に座す秀吉と弥助を撃破』してきて貰います。

【MSより】
・このシナリオは、「戦争シナリオ」ですが、3章構成です。
・章ごとの👑は少な目ですが、『難しい』ので、しっかりとプレイングをお願いします。
・大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を必ずご記述ください。

 では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。……御武運を。
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第1章 冒険 『毛利水軍を突破せよ』

POW   :    邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。

SPD   :    毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。

WIZ   :    毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神羅・アマミ
フハハ!
信長に最も近き臣下を同時に二人…ふた…一人と一匹?うn?
ええい、とにかく首級を上げるこの機会、乗らねばなるまいこのビッグウェーブ!
海戦なだけに!
ここ笑うとこじゃぞ!おい!

然して水軍にかかずらっているようでは消耗し、後ろに控えた大物との対峙もままならぬ。
ここはやはりコード『箱馬』による跳躍を駆使し、可能な限り交戦を避けるが吉じゃろうな。
海戦に対し空中戦、同じ土俵で勝負せねばこちらに有利がつくこともあろう!
実を言うと、突然踵を返し反撃に応じる、敢えて迂回するといった撹乱戦法を取り、少しでも他の猟兵を渡せるよう囮に努めた方が戦力はプラスになるかもしれんのー。
結局、妾って盾キャラじゃからな!



●先陣撹乱
「フハハ! 信長に最も近き臣下を同時に二人…ふた…一人と一匹?うn? ええい、とにかく首級を上げるこの機会、乗らねばなるまいこのビッグウェーブ! 海 戦 な だ け に!」
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は関門海峡中空を空中ジャンプしながら爆走していた。
 突如中空に現れた侵入者の姿に、毛利水軍から怒号や伝達が行き渡り始める。
「――って笑うトコじゃぞここ! おい!!」
 すいません、ツッコミは時々おやすみするんですよ……。

「おおっと、巧くは行っとるんじゃけどちょっと大過ぎじゃないかのー」
 交戦を避けるように空を飛び回っていた彼女だったが、突如思いついたように指針を変更する。
 どうせ狙われるなら、囮に徹した方が良いんじゃね? と。
 
「まー、結局、妾って盾キャラじゃからな! ガンガン先に行くと良いぞー?」
 開き直ったというべきかは定かではないが、ある程度海峡の先を進んだ彼女は集団を引き付ける役目に移行し始めた。
 奇しくも、この地に縁のある八艘飛びが如く船間……いや空中を跳ね回るアマミの姿に翻弄され続ける毛利水軍の姿が、突破口を一つ、築き上げる事となる。

成功 🔵​🔵​🔴​

神宮寺・絵里香
●心情
・水場はオレの得意分野だ。水軍と言えど後れを取るつもりはない
・洗脳されているのか。まあ抵抗するようならばちょっと痺れてもらう
・じゃあ、オレにぶっ飛ばされたい奴から掛かってこい
●戦闘
・高速詠唱からUCを発動させる。
・水の上を自在に駆け回り、敵を強襲する。
・刃引きした蛇腹剣に変形させた黒剣に痺れる雷を付与して、薙ぎ払うことで範囲麻痺攻撃を仕掛けて気絶。
・敵の攻撃は第六感と戦闘知識から見切り回避、躱せない攻撃は武器受けをしつつカウンターを決める
・水の上を自在に移動ができるという長所を生かしつつ、霧の足場など地形をふんだんに使用した戦闘を仕掛ける
「霧も形を変えた水だ、オレならば自在に歩ける」


ヴィクティム・ウィンターミュート
弥助アレキサンダーだけかと思ったら…まだ隠し玉がいたかよ
まぁ、関係無いさ
何が来ようが、誰が相手だろうがどうだっていい
勝利に向かう為に、全部を踏み越える

ひとまずは海上戦闘だな…まぁ、簡単な話だよ
セット『Alcatraz』
障壁を展開、繋げて足場とする
この足場を走っていけば、海を簡単に渡れる
水軍の妨害も障壁で阻んでしまえば、終いだ
障壁が無くなる心配?無い無い
250枚以上以上あるんだぜ?全部壊せるとは思えねえな
船に乗り込んでパンピーどもを気絶させて回ってもいいかもな
勿論殺したりしないさ…後味悪いしな

あとは後の戦いがやりやすいように、障壁の足場を量産しとくか
待ってろよ秀吉…今から狩り殺しにいくぜ



●プロ(主役)とプロ(端役)
「おおっと……もう既に誰かが引っ掻き回しに走ってるな」
 先の様子を望遠鏡でも覗くかのように見遣るヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)の後ろには、神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)の姿もある。
「しかし敵は――水軍か。まぁ俺の得意分野で遅れを取る訳には行かないけどな」
 水術の巫女たる彼女の自信を見るなりヴィクティムは不敵に笑う。
「成る程、専門家って所か。強力な札があるってんなら――それを通しに行くのも俺の仕事だ」
 この先に待ち受けているのが隠し将だろうが、何が来ようが、誰が相手だろうがどうだっていい。『関係ない』のだ。
 ――勝利の為に踏み越えに来たから。

 巫女は、海渡りの奇蹟を体現するかのように海上を疾走する。その後方を追随するようにArseneも海面を疾走するのだが、よくよく見ると――障壁を足場にしている。
 海面を駆け抜けようとする2人の猟兵に混乱している水軍の手が向こうとしていたが――
「海面だけを狙うのは『良い』とは言えないな。霧も形を変えた水だ、オレならば自在に歩ける」
 絵里香はどんな妨害にも屈することはない。水場は彼女の領域である以上、いくら練度の高い水軍であろうとも、容易に捌き駆け抜けられるのだ。ましてや……
「――プロが居るんだ。俺が居る限り全部『弾いて』みせるさ。なにせ……250以上もある障壁だ。足場だけじゃ余裕で余るからな」
 誰よりも強い『端役』が追随しているのだから。

 道を突き進み、歯向かう者は気絶させ、次々と無力化しながら2人は先を進んでいく。それにしたって妙に数は多い訳だが。それでも関係ない、とばかりに巫女は首を振る。
「――じゃあ、オレにぶっ飛ばされたい奴から掛かってこい」
 思ったよりも好戦的だった彼女の姿を見遣りながらも、ヴィクティムは札を温存する。
 全てはこの先に座す者達にも『勝利』する為――
「待ってろよ秀吉…今から狩り殺しにいくぜ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鳴宮・匡
「完全勝利以外は認めない」なんて言いそうなバカが、
多分どっかで無茶してんだよな

……ま、その「完全勝利」に向けて
多少は力添えしてやるさ
「チーム」だしな

【SPD】
……仕方ない、跳び渡るか

八艘分も跳べるほど脚力はないからな
巧く揺れを利用しながら、地道に一艘ずつ
渦の中心へ向かって舟を跳び渡るよ

途中の武士たちは出来る限りやり過ごしたいんだけど
目立つだろうからな、多少の交戦は避けられなさそうか
非殺ってのが一番面倒なんだよな……
まあ、そういうオーダーなんだ、仕方ない
基本は移動を優先、攻撃するのはやむを得ない場合にのみ絞り
腕を狙って武装解除か、足を狙って行動不能にすることでやり過ごす
手間をかけさせないでくれよ



●お静かに
「なんて。――『完全勝利以外は認めない』なんて言いそうなバカが、多分どっかで無茶してんだよな」
 混乱に乗じながらも、船と船を飛び回る影が一つ。鳴宮・匡(凪の海・f01612)の姿だ。
 既に先行しているであろう『彼』を脳裏に過ぎらせながらも、匡は進む。この戦争において少々件の人は働き過ぎているかもしれない――とは思ったりもしたが。既に来ている以上は止めようが無いのだから。
「……ま、その『完全勝利』に向けて多少は力添えしてやるさ……『チーム』だしな」
 それも友(チーム)のよしみ、という奴かも知れない。

 既に先行する猟兵によって毛利水軍は混乱の渦中であり、匡が忍び込むには非常に容易かった。
 なんにせよ『大帝の剣』の効果が彼に理を齎しているかは定かではないが――
「ま、非殺ってのが一番面倒なんだよな……まあ、そういうオーダーなんだ、仕方ない」
 視線が交錯することはあまり無く。万が一があろうとも。
 ……歴戦の傭兵の前では『無力化』など簡単なことであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャック・スペード
大帝の剣に操られた者達が此処にも居るのか
ならば命を奪わぬよう、注意しながら進もう

先ずは海を渡らなければならないな
黒き機翼を背に生やし、飛行することで海を越えて行こう
一般人が相手なので、船の間を縫うように飛び
なるべく交戦は避けられたらと思う
軌道にばら撒く粒子で、攪乱なども出来るだろうか

もしも交戦が必要になった際は、船へと着地し刀で応戦を
リボルバーだと手加減が難しいからな
武士の躰ではなく、彼等が持つ得物を狙って斬撃
得物無しでも向かってくるようなら峰打ちで対処しようか
反撃はグラップルで受け止めるとしよう

――少し手荒な真似をしてしまうが赦してくれ
この先に待つ将を倒し、アンタ達を必ず助けてみせよう



●波間に粒子を輝かせ
「――大帝の剣に操られた者達が此処にも居るのか」
 ジャック・スペード(J♠️・f16475)は関ヶ原で見た、農民達の姿を見遣りながらも、背の機翼を以て船間を軽やかに飛び回っていく。
(しかし、彼らとは違う。ここの相手は明らかに『その為』の人間――やはり練度は違うか)
 素人を洗脳して操るのとは訳が違う。なにせ――亡霊としても戦った村上水軍の行き着く先が彼ら『毛利水軍』と言うのだから。水戦に置いては生半可な戦術では通させてくれないだろう。
「だが、『殺して良い』理由にはならない。命を奪わぬよう、注意しながら進もう」
 ジェットからエグゾーストのように、粒子が煌めいた。

 粒子に撹乱は効果的には働いていたものの、なにせ水軍の人員の数が数なのだ。完全に目論見通り通り抜けられる事もなく、程なく彼に向けても発砲音が鳴る。
 回避機動で潜り抜けながらも、已む無しと判断した頭脳が、その黒き躰を船へと着地させる。
「――少し手荒な真似をしてしまうが赦してくれ。この先に待つ将を倒し、アンタ達を必ず助けてみせよう」
 銃でなく、郷に従うかのように。刃は振り抜かれる。
 敵ではないが、彼らとて守るべき民草の1つであるのだから。それは黒鉄のヒーローにとっては、身体の奥深くに刺さる事実だ。
 ……早く、彼らを『解放』せねば、と。

 納刀音と共に崩れ落ちた彼らを一瞥しながらも、ジャックは前を向く。
 その機械の瞳に映るのは船隊が先。渦潮が中心に座し、瞑想するかのようにメガリスの力を増幅させる弥助の姿――の筈だったが。やはり『それだけ』では無かった。
「……あれが、『豊臣秀吉』か」
 その道行きを阻むかのように、黒き獣の如き姿の秀吉が、波間に座していたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『隠し将『豊臣秀吉』』

POW   :    墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:フジキチ

👑4
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●MSより
 〆切目安として『幕間投稿』を8/22夜に行います。プレイングはお早めにお願いします。
 途中参戦も歓迎いたしますので宜しくお願いします。
●忠義の異形
 その先に渦は見える。ただ、彼は。
「フェンフェンフェン……」
 立ちはだかるように。まるで、友を。同じ忠義を志す者を。守るかのように。
 猟兵達の前にその姿を見せた。

 彼こそが、隠された将こと、『豊臣秀吉』。
 その愛らしくも不思議な見た目に反したソレは。此方にも分かるように、
 明確な忠義を――猟兵達への敵意として、向けていた。
「フェンフェン…… フェンフェンフェーン!!」

(※フェンフェン言ってますが何故か会話は成立しますので悪しからず)
ヴィクティム・ウィンターミュート
【匡と】

なんだよ、お前も来てたのか?
水軍の突破に無茶もクソもねえよ
──正念場はここからなんだからな

一手お相手仕るぜ…秀吉殿
先制攻撃は…恐らく射程増大、機動力増大ってところか
なら俺も、機動力で勝負する
【ハッキング】で自己サイバネをオーバーロード
【ドーピング】で強化薬摂取
【ダッシュ】【見切り】【早業】で初撃を全力回避
UC起動、セット『VenomDancer』
以降は俺が誘蛾灯になり、攻撃を自分に誘導
匡から貰った計算結果でより洗練され回避をしつつ、相手の移動速度と距離を計算。偏差打ちで鈍化と猛毒のパルスを撃ち込む

──段々鈍くなってきたな。毒も回ってるだろ?
忠道、天晴れではあるが…ここで終わってくれ


鳴宮・匡
◆ヴィクティムと


よう、追いついたぜ
無茶してないだろうな?

初撃は【見切り】、直撃を避けるように回避
僅かな間隙を縫って【六識の針】
眼球・視神経を変異、動体視力を強化し
伸縮の速度、最大伸縮距離、相手の描く弾道、移動速度など
得られた情報を即座に処理・演算、【学習力】で自身の動きに適用
相手の動きをある程度予測回避できるように情報を蓄積していく
計算結果は逐次ヴィクティムにも共有していくよ

目が慣れてきて
かつ相手の動きがある程度鈍化した時点から攻撃に転じる
こちらに向かってくる時や
方向転換など僅かでもその場に止まる瞬間など
確実に当てられる瞬間を見切って撃つよ

四方跳ね回って疲れたろ?
もう休んでいいぜ、永久にさ



●正念場を潜り続けた『ふたり』
「――よう、追いついたぜ。無茶してないだろうな?」
 船を無力化し、一隻分を足場として拝借した鳴宮・匡(凪の海・f01612)は視界に心配な『功労者』を収める。
「なんだよ、お前も来てたのか? ……水軍の突破に無茶もクソもねえよ」
 障壁の足場に立つ彼――ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)は無茶をしてないとばかりに、『いつも通り』に答える。
 はぁ、と何か小言を言いかけたような気もする匡だが、それよりも先に。
 ……2人の視界には秀吉の姿が収まった。
「──正念場はここからなんだからな」

「フェンフェン……フェーン!!」
 秀吉の軽やかな跳躍とともに、海面にその黒い毬のような身体が沈む――ことはなく。
 海面を『跳ね』、そのまま加速した勢いで2人の立つ場所へと、秀吉は強襲する。
 思ったよりも出鱈目ではなく、彼らが立っていた足場(しょうへき)や船を使い物にならない様にするかのように『狙い澄ました』跳躍が襲う。
 それでも2人の回避が精細さを欠けることは無い。
「ヴィクティム、あっちは――海面も『跳ねて』くる。思ったより粗雑な機動じゃあ無いらしい」
「オーケー、なら此方がやることは……足場の死守もだな」
 事前に足場は残していたとは言えども、枚数にも限度はあるし、なにせ――
 ――泳げる様になったとはいえ、突如海に叩き込まれれば回避どころでは無いだろう!!
 黒い砲弾のように跳ね回る秀吉は海面を水切りの様に小気味よく、かつ派手な跳躍音を鳴らして2人へと迫る。
「でかい音鳴らしてくれる分だけマシって所だな」
「そーいうこった。さぁ―― 一手お相手仕るぜ…秀吉殿」

 周囲の環境を足場にしつつも、ヴィクティムは走り抜ける。跳躍ごとに加速する秀吉を振り切るかのように、鋼の躰は限界を遥かに超えた速度で駆け抜け、身を翻す。
(首尾は巧く行ってる、後は機動を読み切れて、『当てれる』速度まで下がれば――)
 高機動の攻防を見遣るように、いや『目に焼き付ける』かのように匡は集中する。
 見切るべきは跳躍の指向性、方向転換時の癖――
 同時に前線で道化を演じ続ける彼の元にも『分析』は届けられる。
「――へぇ、速度に『ついてこれる』とは。アンタの忠義もただモンじゃねぇんだな」
 だが、その速度を出させ続ける訳にも行かない。一瞬の隙を、偏差を付いて。
「だけど、『目を離さなくても』ブスリと――ああ、その必要は無いけれどな」
「フェンフェ――ン!?」
 真っ先に違和に気づいたのは秀吉本人だった。跳躍速度が、『ズレた』。
「──段々鈍くなってきたな。毒も回ってるだろ?」
 1つ跳ね、2つ跳ね――その度に、追いつけていた筈の彼に離されていく。
「ああ、やっぱり直ぐに気付いたか。ヴィクティムの『パルス』にさ……」
 でも、遅いよ、とばかりに。放たれたのは今迄観察に徹していた匡の一射。
 元より精度は傭兵としてかなりの技量ではあるものの、今は視覚が強化され、よりハッキリ『捉え』られるのだから。
「忠道、天晴れではあるが……ここで終わってくれ」
「――四方跳ね回って疲れたろ? もう休んでいいぜ、永久にさ」

 傷口が広がり、毒により苦悶の叫びを上げながらも、秀吉は動き続ける。
 ……彼の身を動かすのは、忠義ただ1つと、言わんばかりに。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ビスマス・テルマール
●POW
○先制対策
墨俣城型ロボの動きを『第六感』で『見切り』『空中戦』で水上を『ダッシュ』しつつ

『属性攻撃(爆弾)』と『オーラ防御』を込めた実体のある爆弾『残像』を撒き

それで『盾受け』し『地形の利用』もしつつ撹乱

同時に『属性攻撃(餅)』と『誘導弾』を込めた『一斉発射』でロボの腕や足等の間接を『スナイパー』で狙いばら蒔き

動きを少しでも鈍らせる事を狙い

隙を見て『早業』でUCを攻撃力重視発動

水上を『残像』で『水泳』しロボと秀吉の周囲を回りつつ

蒼鉛式ご当地ビーム砲(ブリのなめろう雑煮)を『鎧無視攻撃』を込め『範囲攻撃』秀吉ごとロボに『なぎ払い』する様に放ち

ビームで縛り上げを

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


神宮寺・絵里香
●心情
・隠将ね。豊臣秀吉か‥、羽柴じゃなくて。まあどうでも良いんだけど。
●先制攻撃
・毛利水軍が使ってた船を使い暫定の足場とする。
・敵の攻撃を第六感と戦闘知識で見切り、回避を狙う。
 無理そうならば武器受けとオーラ防御で逸らす。
・敵の初撃を対処しつつ高速詠唱でUC。攻撃力強化
●戦闘
・水の上を自在に歩き、地形を生かしつつ戦闘。
・秀吉とロボと2体の対処については、第六感で見切りながら的確に
 対処する。秀吉については、薙刀で武器受けする際に雷と麻痺で
 動きを鈍らせてカウンターを狙う、
 ロボは膝等の関節を狙う。ロボは秀吉を追従するから
 関節が駄目になっても同じ動きを取ろうとして自壊するだろう。



●一夜城、餅に沈む
「隠将ね。豊臣秀吉か……、羽柴じゃなくて」
 神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)は若干どうでも良さそうな顔をしながら、船上より秀吉を眺めていた。
 直後、ちゃぷんと近場の海面からビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)が顔を出す。
「あれが――秀吉ですか? あれはメガリスの力なんでしょうか」
 その言葉に、秀吉本人がフェンフェンと返答する。
「……え、気にするな? え、逆に気になりそうなんですがそれは――」
 と、ビスマスが口にしかけた時異様な爆音を立てて、海上に巨大ロボが出現する。
「フェンフェンフェン。――フェンフェン、フェーン」
 一夜の一瞬の如く、蹂躙してやろうとばかりの言葉とともに、その一夜城の鉄拳が――彼女達に振り翳された。

「ちっ、暫定は暫定にしかならない――か」
 墨俣城ロボの拳の先にあった船は粉々になり、藻屑へと成り果てる。
 その様子を見遣りながらも、絵里香は退避し、再び自らの真骨頂を発揮する為に態勢を整え直す。
 もう一方で、ビスマスは海上ジェットで海面を爆走していた。
「確かに巨大ですが――巨大故に俊敏さには欠けるようですね」
 道中で大量のビスマスが発生しているも、それは全て『彼女の形をした爆弾』。
 もう一人が態勢を整えるまでの場を繋ぐように、その爆撃は秀吉を撹乱していく。
「フェンフェン!? フェンフェン!?」
「やはりロボ自体は図体の分鈍いな。お前は早いかも知れないが」
 撹乱された秀吉が気づけば、既に間合いには海面を軽やかに疾走する雨冠の巫女の姿。
「ロボの方は私に任せてください! 妙案がありますから!!」
 オーマグロを装備し、更に加速したビスマスは、絵里香に秀吉を任せる形で、ロボに餅弾を雨霰と打ち込んでいく。
 餅が、関節に挟み込まれる度に、ロボの動きがなんだか錆止めの宣伝の様になり、奇妙で不快な関節音を鳴らし始める。
「フェ、フェン! フェン!!」
「慌てたって遅い。……オレを振り切れないんだから、おとなしく吹っ飛んで貰うぞ」
 紫電を纏いし薙刀に翻弄され、ロボへの細工を止められなかった秀吉は、ロボごと派手に斬り飛ばされる。
「さてと、後は――仕上げだな」
「はい、起きてこない内に……!!」
 吹き飛んだ秀吉とロボを纏めて狙う様にビスマスのブリのなめろう雑煮ビームが火を吹いた。
 ただでさえ関節が餅まみれで弱体化したロボと、感電して動けていない秀吉なのだ。
 ――海面は、見事に雑煮まみれとなった。

「フェン……フェン、フェンフェンフェ……」
 だが、まだ俺には一夜城が――そう言いかけた秀吉は、起き上がると同時に悲しいものを見ることとなる。
「フェーン!?」
 餅に絡め取られ、挙げ句追撃で関節をダメにされた一夜城は、自壊していったのだった。
 ……秀吉は、なんだか悲しそうな声を上げていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『大帝剣『弥助アレキサンダー』』

POW   :    大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:みやこなぎ

👑5
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●MSより
 ぱたぱたしていて申し訳ないです。締切は「8/27夜」を予定しています。
●忠義は渦の上に
 悲しげに墨俣城ロボと共に霧散していく秀吉を乗り越えた先。

「――ああ、やはり『辿り着け』ちまうって訳か。アンタ達も只者じゃあない」
 海面が激しく渦を巻き、その中心に浮かび上がるように座していた黒肌の男――
 『弥助アレキサンダー』は、その眼を猟兵達へと向けた。
「だが、俺も秀吉殿と同じだ。どんなに強い相手だろうが、信長殿への忠義が『その程度』で揺らぐことは無いさ――」
 彼のその言葉と共に、渦潮は激しさを増し、メガリスは呼応するように輝きを増してゆく――
「……『全ては信長様の為に』、だ。来い、猟兵」
ビスマス・テルマール
●POW
○先制対策
真の姿を解放し

『属性攻撃(酸素)』と『オーラ防御』と『誘導弾』込め

わたしと同じ姿のダミー弾を『一斉発射』『念動力』で操作しつつ

わたしも弾幕と同技能の実体『残像』を『空中戦・ダッシュ』でばら蒔き撹乱しつつ接近

大帝の剣を本体に向けて来たら手持ち武装に『属性攻撃(餅)』を込め『怪力・激痛耐性・オーラ防御』で備え

『武器受け』の瞬間
受け流す様『見切り』海面に背中からダイブ

海面の渦も『地形の利用』で剣と余波への盾にし凌ぎつつ『早業』でUCを攻撃力重視発動

渦伝いに
蒼鉛式焼きかき氷ビーム砲を『範囲攻撃』で『なぎ払い』する様

海上の実体残像も巻き込み
威力増しでお見舞い

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



●身を委ねるように
 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は開幕から仕掛けた。
 撹乱起動、大量のダミー弾。狙いを絞らせぬ為の幻惑の徒党。
「ほう……面白いじゃないか、だが『大帝の剣』は只のお飾りじゃあ、ないぜ」
 大帝の剣が振るわれる一閃。それは地を割るが如く海を『割り』、余波の衝撃でダミー弾が粉砕される。

「……やはり、真正面での打ち合いは危険ですか」
 ビスマスも撹乱に乗じながらも距離を詰めんとするが、彼に近寄ろうとするならば、必ず待ち受けるのは――メガリスの生み出した渦潮。
「けれども、俺の懐に『飛び込まなければ』マトモに打ち合えないだろう? ……ここだっ!」
 撹乱は巧く行っている筈だが、動きで読まれたのか、刃が彼女自身を襲う。振り落とされる重みは備えなく受けていれば危険すぎたであろう。
(――衝撃を全力で吸収していますが……この一撃は『重たすぎ』ます! なら……)
 幸いにも、ここは地面でなく、海面。力の余波を受け流すのに必要な環境は整っていた。
 このまま弾き返す事など不可能――そう判断したビスマスは、あえて、その力に逆らわないように。余波を渦潮に捌かせるように。その身を渦へと委ねた。

 ここからが――勝負だ。
(……余波は捌けたとは言え、渦に呑まれれば長く持ちません)
 態勢を整えるのがやっとの激流。仕掛けるタイミングは『今』しか無い。
 砲撃を、海上に座すその忠臣に定め――
(中心に、立つならば、どんなに流されようとも『狙い』は同じです!!)
 暑気払いをするかのようなかき氷ビームが、海上の存在を無差別に薙ぎ払い、巻き込む。その冷たき光が収まった頃、そこに居たのは――
「……渦潮を使った威力を『逃した』上での一撃。やってくれるな、猟兵」
 残像やダミーも消えた海上で、氷の粒を身体に付けたまま真下を見遣る弥助の姿だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャック・スペード
漸く逢えたな、弥助アレキサンダー
ヒトを駒のように扱うお前の所業は許し難い
企みは此処で終わらせてやる

躰を肉塊に変化させるとは妙な技を使うものだな
学習力を活かしながら弥助の行動を観察し
攻撃の軌道を見切る事で回避を
読み誤った際は刀で武器受けし、損傷は激痛耐性でカバー

関ケ原で、此の海で、望まぬ戦をさせられた者達がいる
彼等の事を思えば、此のこころを燃やさずには居られない
お前への闘志を失くすことなど出来るものか

残像遺す勢いで駈け、覚悟を胸に弥助へ捨て身の一撃
怪力によるグラップルで敵を捕らえて
電気を纏う機械竜に転じた右腕で雷属性の噛付き攻撃を
狙うのは視肉では無く生身の躰だ
――喰らい尽くして仕舞え、ハインリヒ



●内に秘めたる『こころ』に殉じ
「漸く逢えたな、弥助アレキサンダー。 ……ヒトを駒のように扱うお前の所業は許し難い」
 ジャック・スペード(J♠️・f16475)は冷静な声色を保ったまま。されど、内の熱き思いを止めることはなく。静かに弥助を見据える。
「外道と呼ばれようが構わないさ――全ては『信長様』の為。お前だって、俺達を許さないのは『人』の為だろう?」
 ヒーローたる彼の身の振りを見抜いたかは分からないが、そう弥助は問いかける。
 間違いは無いだろう。恐らく彼も『忠義』、『恩義』故に外道の道を走っている。……思想は似通えど、相容れないであろうことは明白だった。
「――企みは此処で終わらせてやる」

 海面を中空を、奇妙な肉塊が疾走する。
 狙いはこちらの包囲であろうことは容易に掴めた。しかし、『視肉』はそう易々とジャックに軌道やパターンを読ませぬとばかりに攻め立てる。
(――狙いは、俺の心を『折る』ことか)
 不意打ちの如く迫った『肉』を受けた時、確信する。戦にとって、心とは第二の剣。それをこの武人は――知っているのだ。
(けれど、俺は。 ……オレは!)
 脳裏に過るは、それを与えてくれた人々の思い。そして、この戦に『大帝の剣』により巻き込まれた――罪なき人々の顔。
 不思議と――湧き上がるものは、『止まらなかった』。

 最早捨て身とも言える吶喊――だが、その冷たき鋼の内に秘めたるは燃え滾る己が『こころ』。
「――関ケ原で、此の海で、望まぬ戦をさせられた者達がいる」
 闘志を侵食するそれにも負けぬかのように、それは熱く。
「お前への闘志を失くすことなど出来るものか――!!」
 肉塊をも振り切るかのように、片腕を銀色の機竜に変じさせ、更に加速する。身に纏う紫電が、弥助のメガリスの雷電と衝突し、激しい火花で海上を埋め尽くす。

「その腕は正に鋼の竜と言う訳か! ……餌なら幾らでも用意しよう」
 真正面に見据え合う弥助の提案を一蹴するかの如く、ジャックは距離を詰める。
「何、お前の視肉を喰らう程、俺も酔狂では無いさ――」
 その機械竜の顎が向かう先は、弥助『本人』の身体。
「――喰らい尽くして仕舞え、ハインリヒ」

 ……その身に迸る紫電は、海峡に新たな閃光を齎した。

成功 🔵​🔵​🔴​

神羅・アマミ
ついに現れおったな、信長最強の臣下よ!
貴様の首級を挙げ、故郷に錦を飾れば七代先までこれ安泰!

とは言え彼奴の鉄塊剣、真正面から挑むには分が悪すぎる。無理無理!
なれば一度は全力の逃げの姿勢で!
死ぬ気で逃げて!
とにかく直撃だけは避けて!
「やーらーれーたー」とか言って海中に投げ出されたい!

じゃがこれこそはコード『奈落』への布石!
四方を囲む渦潮…この螺旋の流れを利用し竜巻の発生へと繋げれば、発動を早めることができるのではないかな!?
彼奴の返す刃による二撃目に対し、際限なく巨大化する鮫をけしかけちゃる!
然してその本命とはチェーンソー剣を構えた妾という二段構えよ!

海・竜巻・鮫!
これで勝てなくてなんとする!



●み★ちゃんねる探検隊! 関門海峡の嵐に数多の鮫の姿を見た(嘘)
 突然だが、神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は弥助の一閃から逃げ回っていた。
「ちょ、まったいくらなんでも洗脳用具で海を割ってくるとか規格外すぎじゃろいい加減にせんかぁ!?」
 (表面上は)パニクりながらも、冷静にアマミは頭を回していく。直撃を避けながらも油断を誘う一瞬。其れこそが――好機。
「やーらーれーたー!!」
 いや遊んでる場合じゃな……と、思わずツッコミをしてしまったが、彼女なりに策は講じられていた。
 これは『衝撃』を逃がす為。海をも割る一撃など、真正面から打ち合えば大損害必死なのは彼女もわかっていた。
 だが、表面上は本当に言葉通りに海へと沈んでいくアマミ。……大丈夫なのか?

 弥助が拍子抜けしたような顔をした直後、渦潮に異変が起きた。
 渦潮が立ち、速度を上げ、隆起し――竜巻へと変じたのだ!!
 しかも渦の中には大量のサメが!!! B級映画か!!!!!!!
「な、いつの間にこんな仕込みを――!?」
「――知っておるじゃろ? 海の獰猛なる牙、そして最近の映画的には竜巻に乗ってくる鮫は最強!!」
 ……よく分からないけどサメ映画って年々変な個体が出てきて強くなるよね、サメこわい。
 という与太は置いておいて、アマミは海の藻屑などに甘んじる程ではなく。むしろ相手を藻屑にせんとその牙を向いたのだ――!!

「……俺のメガリスの渦潮を利用したか!」
「ふっふふ、回転速度も鰻登り!! そのまま関門海峡に散るが良いわーッ!!」
 サメと嵐の包囲網を強行突破せんと剣を振り翳す弥助を見て、彼女は口角を大胆にも釣り上げる。
「その瞬間を待っていたのじゃあ!!!」
 そう、彼女は更なるB級のお約束を携えていたのだ。それは――
 嵐の轟音の中でも激しく存在を主張するチェーンソーの鋸歯!!
「特に13日でも無いが取り敢えず金曜日じゃ、死ねぇい!!!!」
 サメの吶喊の勢いを利用したまま、その一閃を深々と叩き付けられた弥助は、サメの作り出した乱流に呑まれていく――

「や、やったか!?」
 ……ごめんなさい、まだです。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳴宮・匡
◆ヴィクティムと


プランがあるなら乗ってやる
……無茶はすんなよ

十分に距離を離した足場を軸にして動く

真の姿を開放
敵から決して目を切らず
視線や態勢から狙いを読み取り
動作の癖を見極めるなど動きを【見切り】対処
視肉とやらは「超巨大」なんだろ
そう機敏にも動けない筈だ

回避しながら射撃で牽制
相手を海面へ追い込む
大渦に捕まれば御の字だけど
逃れようと一瞬でも隙を見せればそれで十分

オーダー了解、一撃で決めるよ

――過去から蘇ったものなら
過去の時点のどこかに、必ず滅びがある
【終の魔弾】は、その破滅を逃さない

説教受ける気はあるんだな?
なら今はいい
……次に行こうぜ

◆真の姿
知覚機能/演算速度強化
瞳が揺らめくような青を帯びる


ヴィクティム・ウィンターミュート
【匡と】

──大一番だ
用意はいいな?
アイツを倒すプランがある
絶対にあの肉塊に触れるなよ?全力で捌くしかねえ

【ハッキング】開始──サイバネオール出力限界突破
【ドーピング】で強化薬摂取
身体能力向上、反射能力向上、知覚能力向上
【ダッシュ】【見切り】【第六感】【ジャンプ】【地形の利用】【早業】で足場から足場へ移動、とにかく回避し、距離を取ることに専念
匡と情報を共有しながら、癖や軌道を読むことも忘れない

──匡!
"破滅を引き寄せろ"
俺もそれに合わせる

『Destroy』セット──骸の海へアクセス、サーチ開始
見つけたぜ、お前の滅びを
匡と俺が放つ2つの死が、お前を破滅に引きずり込む

…説教は戦争終わった後にしてくれ



●落日を迎えるまでは
「──大一番だ。用意はいいな? ……アイツを倒すプランがある」
 今迄の交戦をつぶさに観察し続けていたヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)は鳴宮・匡(凪の海・f01612)へと告げる。
「プランがあるなら乗ってやる……無茶はすんなよ」
 最早一応言う、というレベルの声掛けだが――確実に無茶はするだろうな、と内心思いつつも、匡は眼前の弥助を視野に入れる。
 満身創痍である筈の弥助の身体からは、既に『視肉』が膨らみ始めていた。

 特筆する程の速度は無いが、異様な体躯に膨れ上がる『視肉』への警戒を二人は怠ることはない。
(サイバネのブーストだけで振り切れはする――が、流石に振り切るだけだと追い込まれかねない)
「――狙いは包囲か、なら余計に留まり続ける訳にはいかないな」
 その言葉にご明察、とばかりに弥助は言葉を告げる。
「流石に分析力は高いな、二人共。 ――『視肉』に囚われれば、どんな怪物ですら牙を抜き取られる」
「ご丁寧に解説までしてくれるとはね。……しかし、近寄れない以上、策はあるのか?」
 蒼い眼を揺らす匡の言葉に、いつも通り、彼は不敵に笑った。
「――なら、あいつの破滅を『呼び込む』までさ」

 『隠し球』。平時おいそれと選ぶ事の無い――リスクを背負った札。
 電子の海でない、その『海』に没入すると同時、Arseneを襲うのは、生命の漏出する感覚。
 ――それは生者にして『黄泉』に踏み込むが如き行為が故。
 電脳の海からでなく、『骸の海』より、その事象を『掘り当てる』のだから。
 傍らに居る匡も溜め息を吐く。平時ならまだしも――今の彼が知覚出来ぬ道理など無い。
「──匡! "破滅を引き寄せろ"!! ……俺もそれに合わせるッ!!」
 声色は努めて平静を装うが、『無茶』をしようという事は筒抜けだ。
「……オーダー了解、一撃で決めるよ」
 彼はそんな様子に、今は快く応える。――勝利するまで、どんな無茶だってするのだから。このヴィクティムという男は。

 ――過去から蘇ったものなら。過去の時点のどこかに、必ず滅びがある
 それは全てのオブリビオンに対して言えることだ。
 2人のユーベルコードは、その因果を再現し、引き寄せ、『穿つ』。

 弥助の死因だが、歴史書では全く以て不明とされている。
 唯一、言えることは――『明智光秀に捕縛され、殺されること無く生き延びた』という事である。
 渡来人にして、忠義者たる彼にはこれ程堪えた仕打ちは無いだろう。
 かつて、共に信長に使えた男に殺されることすら無く、南蛮寺に放逐されたというのだから。
 ……今、弥助を蝕むのはその絶望の記憶。
 『――黒奴は動物で何も知らず、また日本人でもない故、これを殺さず』
(ああ、あの時斬られていれば、俺は信長様の家臣として死ねていたのだろうか)
 肉体が死ななくとも、心が死ねば――それは滅びと同義である。

 魔弾の発砲音と共に、渦潮が引いていく。
 引き換えに、弥助の腹がひとりでに赤き筋を走らせ、そのまま、彼が海中に没していく。
「……終わった、の、か」
 肩で息をしながらもその光景を見遣るヴィクティムの肩を貸すように匡は告げる。
「ああ、……あれが弥助アレキサンダーの破滅(おわり)だよ」

「……説教は戦争終わった後にしてくれ」
 最早歩く気力も無いヴィクティムを空の船に載せ、2人は穏やかになった海峡を進む。
 けれども、青年傭兵の眼差しに思うところがあるのか、バツの悪そうな顔で先んじて告げる。
 ……まだ終わってないから、全てが終わってからにしてくれと。
「説教受ける気はあるんだな? なら、今はいい……次に行こうぜ」
 そんな彼を嘆息しながらも、匡は船を進める。

 ――魔王の落日が、直ぐそこまで来ていた日の出来事だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月30日


挿絵イラスト