エンパイアウォー㉑~バトル・オブ・カンモン・ストレイト
エンパイアウォーの真っ最中、グリモアベースが一気に慌ただしくなった。
「みんな、大帝剣『弥助アレキサンダー』の居場所が特定できたよっ!」
遂に、最後の魔軍将との直接対決が始まる。
猟兵たちに緊張が走る。
「決戦の舞台は、関門海峡だよっ!」
関門海峡とは、長州藩の下関と小倉藩の北部の間の海峡を指す。
海流が早いため、大渦が発生するのが有名な場所だ。
ん? 待てよ?
それってつまり、海の上で魔軍将と戦うのか?
「鋭いねっ! そういうことだよっ! 今回は海の上での決戦だよっ!」
レモンが何度も大きく頷いた。
「船や猟兵ならではのアイデアやアイテムを駆使して魔軍将と戦ってほしいんだけど、その前に、予知によると厄介なことが起きそうなんだよね……」
急に浮かない顔を浮かべたレモンが解説を始めた。
「大帝剣『弥助アレキサンダー』の持つ大軍勢を操る『大帝の剣』の能力、みんなは関ヶ原で思い知ったはず。その能力で、今度は海賊たちを洗脳して猟兵たちを襲撃させてくるんだよっ! しかも、敵意を剥き出しで! 当然、相手は無法者といっても一般人だから、殺さずにお縄についてもらうか気絶して無力化してほしいな……。もし、あたいたちが海賊の命を奪ったことが全国に知れ渡れば、江戸幕府の未来に禍根を残す事になりかねないからね……?」
関ヶ原での戦闘のときと同様、一般人に対しては不殺の方針を貫いてほしい。
「でね? 海賊をどうにかしても、黒い毛玉のような隠し将の『豊臣秀吉』が『弥助アレキサンダー』の盾として立ちはだかるよっ!」
レモン曰く、秀吉は、対象を異形強化するメガリス『逆賊の十字架』の能力によって、スピードと反応速度を強化されている。関門海峡の海上を、ゴムマリのように飛び跳ねながら、あらゆる角度からの弥助への攻撃を超高速で受け止める盾として働く。秀吉を倒さない限り、弥助への攻撃は全く通らない。
「秀吉を撃破したら、本命の弥助なんだけど、『闘神の独鈷杵』の力によって発生した関門海峡の大渦の中心で、猟兵たちを待ち受けているよ。渦の中心で浮遊しながら、3つのメガリスの力を高めているっぽいっ! ちなみに、その渦を逆に猟兵たちが利用できたら、有利に戦えそうだよねっ?」
地形の利用も見込めるというのなら、試して見る価値はあるのだろう。
で、弥助は船に乗って戦うのか?
「それがね? 水面の上を低空でホバリングしながら移動してくるよ」
まさかの生身だった。
「間違いなく激戦に次ぐ激戦になると思うけど、絶対に負けないでねっ! 無関係の一般人を巻き込んで手駒にする卑怯者に、みんなのユーベルコードを叩き込んでほしいなっ! あっ! そうだった! 秀吉と弥助は『先制攻撃』を仕掛けてくるから、今回も対策を万全にして挑んでねっ!」
レモンの激励とともに、彼女の頭上のグリモアが輝く。
サムライエンパイアの関門海峡へ、猟兵たちは瞬時に転送されてゆく……!
七転 十五起
『!!!警告!!!!』
このシナリオは、【難易度:難しい】の「戦争シナリオ」です。
どの章もプレイングの行動内容を重視し、難易度相応の判定を行います。
『特殊ルール・1』
大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
『特殊ルール・2』
1章~3章まですべて【海上での戦い】です。
海上戦に対する対策・戦闘方法を必ずプレイングへ明記願います。
これがない場合、当シナリオでは不採用となりますので、予めご了承下さいませ。
……という事で、関門海峡での海上戦、勃発です。
七転十五起、なぎてんはねおきです。
今回はまさかの3章構成です。
章ごとの👑は少な目ですが、3回に分けてプレイングを行う必要があります。
故にかなりハイスピードな展開になると予測されます。
色々と備えましょう。
それでは、皆様の挑戦をお待ちしております!
第1章 冒険
『毛利水軍を突破せよ』
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POW : 邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。
SPD : 毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。
WIZ : 毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。
👑3
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
泉・星流
基本行動
FlyingBroom『ハーレー』で空を飛んで毛利水軍を抜けようとします
技能【運転・騎乗・空中戦】活用
毛利水軍対策
「このユーベルコード…思った以上に使う場面が多いな…」
対象を無傷で無力化…な場面を考えて作っておいたユーベルコード【BMM】
発生させた魔力弾を自分の周囲に旋回させる形で飛ばし、飛来する矢弾を防御(さらに技能【オーラ防御】も使用して防御力UP)
また可能な限りに魔力弾で船上の人を粘液まみれにしたり、船団の帆を武器【BSG】で蜂の巣にして船団の無力化を狙います
技能【スナイパー・範囲攻撃・属性攻撃・全力魔法・クイックドロウ・優しさ】活用
ある程度無力化したら
「先に行かせてもらうよ…」
ガルディエ・ワールレイド
調べたが関門海峡の最大水深は47mらしいな
それ以上のデカさの建造物なら擬似的な陸になるってことだろ?
近くまでは小舟で適当に接近。本格的な海上戦はその後だ
【万の軍勢】使用
巨大な海上城塞を創造するぜ
この時、敵船一つと城塞が近くなるよう調整
それから創造した兵士(水兵仕様)と共に敵船へ乗り込む
「行くぜ、野郎ども!」
兵士達に武装は刺又や小型の投網等で敵の捕縛を重視
俺は敵の密集地帯など厄介な場所を担当
《念動力》や《マヒ攻撃/属性攻撃》の弱い雷で無力化する
制圧後は兵に操船させ別船を襲う。それを繰り返す
最終的には捕縛した敵は一つの船に纏め、残りの船を率いて次の戦場へ
(2章時にUCが切れて空船なのは問題なし)
ジン・ロシュモフ
●動機・心情:アフロ、デカイ、筋肉、肌が黒め……いかんな、何だか弥助に親近感が……っと、いかんいかん。ここは感傷を捨ててできる限りのことをやらないとな……オラも秀吉みたいなバディペットを見つけようかな?
●行動
・海の上での戦いか。水面を歩くとか、そういう離れ業は無理だから素直に【スーパー・ジャスティス】で飛行して戦おう。水軍は間違いなく矢を射っての攻撃をしてくるだろうけどそこは「筋肉」での「盾受け」でしのいで、船の横っ腹にドロップキックやボディアタックをかまして航行不能にしていこう。仮にも海賊、海に投げ出されて溺れる……なんてことはないだろうし。さて海賊ども、海水浴でもしてしっかり目を覚ませよ!
雅楽代・真珠
僕は人魚だから泳いでいくよ
如月たちは僕より泳ぎは遅いけれど
防水だし息継ぎも不要
ただ人ではない僕等は渦も海流も乗り越えられる
船の真下まで泳いでから上昇
海上に顔を出すのはまずは僕だけ
海賊たちの意識を此方に向けよう
海賊船の周りをゆうらり泳いでから
歌唱と笑顔で誘惑
沢山の海賊たちの視線を集めたら
『人魚の涙』
お前たちの魂を誘惑してあげる
僕は可愛いでしょう?
もっと見ていていいんだよ?
僕に囚われたら
如月と皐月は海賊たちの背後から船上へ
動けぬ海賊たちはそのままお縄
動ける海賊は皐月が鋼糸で縛り付けたり
如月が気絶させていくよ
僕へ攻撃が飛んできたら海の中へ逃げるよ
船が沢山あるのなら沢山の海賊たちを僕の虜にしてあげる
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
まぁまぁ、落ち着きな。
アタシのカブは変幻自在。
水上バイクへの変形もお手の物さ。
その上で機動力を生かして、
水軍の軍船の間をちょこまか動き回るさ。
ああ、出力には余裕があるし二人乗りくらいはイケるかな?
『操縦』テクを甘く見てもらっちゃ困るしね。
で、そうして軍船の間をかいくぐっている合間に
所かまわず敵さんに【時縛る糸】を放つ。
え、一人一人じゃあまり意味がない?
あるんだなぁこれが。
船を動かすにはいろんな役割がいて、
各々が緊密な連絡を取っている。
その連絡網の一部が機能不全に陥れば、
たちまち船は大混乱さ。
さあ、今のうちに水軍を無力化して先を目指すよ!
ルベル・ノウフィル
お任せください、レモン殿
僕は犬かきの心得がございます
◆
事前に船と縄を用意
オーラ防御で船全体を覆い目立つように旗をふり
海賊の注意を引いたのち念動力で船と旗を動かし、僕自身は裏手から海中へ
船と距離を取り船に注意が引かれているのを確認し早業 UC火翔で空へ
船を狙っている海賊を後方上空より急襲、もちろん気絶させるにとどめます
船同士を縄で結び、僕の用意した船を起点にして陸まで念動力で全部引いてしまいましょう
海で皆んなして気絶してたら危ないかもですしね
もし海に落ちたりして救助必要な海賊がいれば救いますし
生命が危険な攻撃に晒される方いれば身を呈して庇います
僕は、人が死ぬのはあまり好まないのでございます
関門海峡に集いし猟兵たちを待ち受けていたのは、毛利水軍の海賊たちであった。
「猟兵だァ! 猟兵がいるぜ!?」
「ぶっ殺せぇ!!」
「俺たちの海を荒らしやがって、許さねぇ!!」
大帝剣『弥助アレキサンダー』の持つ大軍勢を操る『大帝の剣』の洗脳能力によって、海賊たちには今、猟兵たちが親族の仇よりも悪い存在として目に映っている。洗脳の解除は弥助アレキサンダーを討ち滅ぼす以外にほかなく、猟兵たちは関ヶ原の時と同様に不殺の戦いを強いられることとなった。
しかも戦場は海上。地上のときとは勝手が違う戦いに、果たして猟兵たちはどう動くのか。幕府の軍船に乗っていた猟兵たちが行動を開始する。
軍船内で互いに自己紹介を終えた猟兵たちが甲板に上がってきた。
「海上戦か。となると、これの出番かな」
スペースシップワールドの科学技術とアルダワ魔法学園の魔法技術のハイブリットアイテムであるFlyingBroom『ハーレー』に跨る泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)は、おとぎ話の魔法使いのように海面をホバリング。
このまま空中戦も可能なのだとか。
これを見ていたジン・ロシュモフ(心優しき花畑の巨人・f18884)は目を輝かせながら、浮遊する泉を眺めていた。
「すごい、本物の魔法使いだ……! オラも素直に『スーパー・ジャスティス』で飛行して戦おう。海の上での戦いは、水面を歩くとか、そういう離れ業は無理だからな……」
ジンの250cm近い巨躯が黄金のオーラを纏って軍船から飛び出した。バイオモンスターであるジンが空を飛ぶと、流石に迫力がある上に海賊たちから注目を浴びるようだ。
「な、なんてでっけえ大男だ!」
「空を飛ぶぞ!? あいつも猟兵か!!」
にわかにザワつく毛利水軍の海賊たち。
その様子を双眼鏡で眺めるべくダンピールのガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は軍船の船首まで乗り出す。そして続いて関門海峡の海底をしげしげと眺めだした。
「知ってるか? 此処へ来る前に調べたが、関門海峡の最大水深は47mらしいな。つまり、それ以上のデカさの建造物なら擬似的な陸になるってことだろ?」
自信たっぷりに笑みを作ると、ガルディエは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が跨る宇宙カブJD-1725の後部座席に跳び乗った。
「僕、それ知ってるよ。“ばいく”っていうんでしょ? 陸の道をすっごい早く走れるんだよね?」
稼働時間分螺子を巻いて動く執事姿の半自働型絡繰人形鬼(きさらぎ)型“如月”にお姫様抱っこされながら、雅楽代・真珠(水中花・f12752)は軍船の甲板には不釣り合いの宇宙カブを指差して得意げになっていた。
人形に抱っこされているのは、彼(一見、百華の如き美少女に見えるが、実際はヤドリガミの男性なのでかなりの年長者である)の下半身が金魚のように美麗な尾ひれのため。キマイラにも勘違いされそうだが、元になった器物が200年モノの真白のびいどろ製の金魚であるがゆえにこの姿形なのだとか。
しかし、そんな雅楽代はすぐに首を傾げた。
「あれ? でも“ばいく”で海は走れないでしょ? もしかして自殺願望でもあるの?」
無邪気な中にも毒のある尊大さが垣間見える口調に対して、数宮は大人の対応で疑問に答えた。
「まぁまぁ、落ち着きな、可愛い金魚の坊っちゃん。アタシのカブは変幻自在。水上バイクへの変形もお手の物さ! ガルディエさん、しっかり捕まってな!」
「頼むぜ、多喜! 俺のユーベルコードは海峡のド真ん中で一番効果を発揮するからな!」
ガルディエは後部座席でサムズアップ!
数宮はエンジンをフルスロットルで回してアクセル全開!
船首から勢いよく飛び出た宇宙カブが空中で水上バイクへ変形する!
そのまま着水すると、水飛沫を上げながら海賊たちの船へ向かって一番槍で突撃を開始!
「僕らも行こうか。とっとと海賊たちを無力化しよう」
「オラも頑張るぞ。それにしても、アフロ、デカイ、筋肉、肌が黒め……何だか弥助に親近感が……っと、いかんいかん。ここは感傷を捨てて、できる限りのことをやらないとな……」
泉とジンも空中へ浮かび上がっると作戦開始。
「……オラも秀吉みたいなバディペットを見つけようかな?」
ヒーローの相棒が恋しくなるジンであった。
一方、甲板の上から海中へ飛び込むのは雅楽代だ。お供の人形である“如月”とその配下のメイド人形“皐月”も続いて海中へ服を着たまま飛び込んだ。
「僕は人魚だから泳いでいくよ。如月たちは僕より泳ぎは遅いけれど、防水だし息継ぎも不要だからね。ただ人ではない僕等は渦も海流も乗り越えられるよ。すごいでしょ」
海面から顔を出して『褒めてオーラ』を発散させる雅楽代。
そこへ別の一艘の帆船が追い付いてきた。
乗り込んでいたのはルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)であった。話を聞いていたのか、すかさず雅楽代を素直に褒めちぎった。
「さすが人魚さん、泳ぎが達者でありますね。そちらはお人形さんでございますか。そちらも泳ぎに強いのでございますね。非常に心強いですな? 申し遅れました、僕は人狼のルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)です。以後、お見知りおきを」
少し遅れて転送されたルベルは、幕府側に自分だけ別の船を用意してもらうように願い出ていたのだ。
そのおかげで出遅れていたが、なんとか追い付いたようだ。
ちなみに、転送される前に金髪のグリモア猟兵からルベルは泳げるかどうか尋ねられたのだが、彼は自信たっぷりにこう答えた。
『お任せください、僕は犬かきの心得がございます』
そんなルベルに褒められまくった雅楽代は上機嫌で軽く自己紹介する。、
「ルベル、よろしくね。僕は世界一可愛い真珠だよ。まぁ、頑張ってね?」
雅楽代はルベルに軽く手を振ると、従者の人形とともに海中へ潜っていった。
それを見届けたルベルは、真っ赤に染まった布でできた旗を掲げて、マストの一番上へと登り始めた。
「さて、幕府の皆様は危ないので僕の船より後ろにいて下さいませ。海賊の皆様、僕はここですよ~!」
オーラ障壁の輝きで帆船全体を包み込んで海賊たちの注目を浴びるよにルベルは立ち回り始めた。
「このユーベルコード……思った以上に使う場面が多いな……」
泉はユーベルコード『拘束魔力弾(バインド・マジックミサイル)』……略称:BMM・通称:ベトベト弾を生成すると、自身の周りに旋回させながら漂わせはじめた。
「壊したり傷つけたりするばかりじゃ無い……こういうのも使えないと駄目だっていうのを教えてあげる」
魔力弾の数はみるみるうちに増えてゆき、130個の魔力弾がオールレンジバリアの如く公転。こうすることで、オーラ障壁と併用して海賊たちの矢雨から身を守っているのだ。
更に遠心力で魔力弾をバラ撒いて海賊船を粘液まみれにすることで、船ごと海賊たちを拘束してしまう。
帆船は帆をべったべたに固めてしまえば開けなくなって海上で立ち往生してしまった。
「念の為、その帆は蜂の巣にさせてもらうよ」
思念での弾種変更可な中近距離用散弾銃BroomShotGun【BSG】(周辺魔力による弾丸生成機能付き)で海賊船の帆を容赦なく穴だらけにしてゆく泉。その魔力弾の軌跡が煌めく軌跡が箒のように見えた。
「やはり矢で射掛けてきたか。だけど、オラの筋肉は矢なんて刺さらないぜ!」
ジンはバイオモンスターであるが、外見はほぼ人間のため、猟兵活動以外の平時はプロレスラーとして活躍しているのだ。その鍛え抜かれたバイオモンスターの肉体は、まさに鋼の如き強度を誇る!
「オラ、いや俺の肉体そのものが鎧であって、盾だぜ!」
戦闘意欲が向上したジンの口調が荒々しいものへと変化する!
その宣言通り、海賊船から降り注ぐ矢雨を浴びても余裕で弾き返すジン。お返しとばかりに、ジンの身体が意志の力で黄金に染まってゆく!
「海賊船なんて、こうしてやるぜ! 十九門ロケットキック!!」
マッハ3前後の最大速度で飛来する爆撃機めいたキックが、海賊船の横っ腹を蹴り抜き……そのまま貫通!
海賊船はポッキリと左右対称にくの字に折れ曲がって沈没してゆく!
「ふ、船が折れただとぉ!?」
慌てふためく海賊たち。だが周囲の船もジンに蹴っ飛ばされて横転させられたり、ボディアタックでへし折られているため、彼らはやむなく海の中へ飛び込まざるを得なかった!
「ち、畜生! あいつら、俺達じゃなくて船を狙ってきやがった、許さねぇ!!」
必死に泳ぎながら陸地へ到達した海賊たちは、這い上がりながら悪態をつく。
「船がなくたって、俺達は陸でも戦えるんだぜ!? 弓と矢をもってこい! 射殺してやるぜ!! 早くしやがれ、船長命令だぞ!?」
この船長の命令に、一人の男性が駆け寄ってきた。
そして、その手に木枠の手錠をがっちゃんと嵌めたのだった。
「……は??」
唖然とする船長。近付いてきたのは、ガルディエだった。
「ようこそ、俺の無敵の巨大海上城塞へ! 歓迎するぜ、全員逮捕だ!!」
「はぁああっ!?」
船長は足元を確認した。そしてそびえ立つ建造物に腰を抜かした。
「か、関門海峡にこんなバカでけぇ城なんてなかったぜ!?」
それも当然だ。この城塞はガルディエのユーベルコード万の軍勢(ブレイブ・アーミー)で築き上げた、彼の想像が創造した無敵の巨大海上城塞なのだから!
その大きさは関門海峡の海底まで軽々と到達し、海面から更に十数mほど天に伸びた、立派な『陸地』が出来上がっていた。
溺れかけた海賊たちは、まんまとガルディエの城塞に誘き寄せられてしまったのだ!
「勇将の元に弱卒無し。即ち俺が力を示すならば、お前らもそれに相応しい実力を持つ事となる!」
「畜生! 騙しやがって! こうなったら此処で大暴れしてやる!」
「おい船長? そいつは無理な相談だぜ! 出てこい、俺の無敵の兵隊たち!!」
城塞から顔を出すのは、その数合計1万の屈強な兵士たち!
一般歩兵7000人、軽騎兵1500人、重騎士1000人、マスケット銃兵500人!
水兵仕様の1万人の軍勢に海賊たちは完全に包囲されてしまった!
「げぇ! いつの間に!? 無事な奴は海の中へ逃げろぉ!」
船長の指示で、下っ端共が海上へ飛び込んでゆく!
だがガルディエは肩を竦めて警告する。
「おい、気を付けろよ? 今日は空模様も不安定だからな?」
ガルディエが空を指差すが、雲ひとつない快晴であった。
これに首を傾げる海賊船長。
「空模様って雨なんて降ってぶべらっ!?」
船長の顔面に、泉の魔力弾が命中!
「アバババババーッ!?」
ベトベトの粘液が呼吸を塞いでのたうち回る船長!
船長だけではない。魔力弾に驚いて城塞に這い上がった海賊たちの頭上からベトベト弾が降り注ぎ、たちまち身体にまとわりついて捕縛してしまったのだ。
上空を飛ぶ泉にガルディエが手を降ってみせる。
「ありがとな、星流! 逮捕の手間が省けたぜ!」
「役に立てたのなら良かったよ。僕は先に行かせてもらうよ……。行こう、ジン」
「うん、判ったよ。おい海賊ども! 海水浴でもして、しっかり目を覚ませよ!」
そう告げた泉は、ジンとともに他の毛利水軍を抑え込むために飛んでいった。
ガルディエはその背を見送ると、徳川の船に海賊たちの身柄を引き渡してゆく。
彼の行動はここからが本番だ。
「行くぜ、野郎ども!」
万の軍勢が進む先、城塞の一辺がぐんぐんと前方に伸びて海賊船の真横に付けるように変形する!
「俺の想像力で城塞は思うがままに形を変えるぜ、なんせ無敵だからな!」
そのまま万の軍勢が海賊船になだれ込んで船内で激しい戦闘が繰り広げられてゆく!
「いいか! 殺すんじゃねぇぞ! 投網もってこい! そっちは刺股で抑えとけ!!」
ガルディエの的確な采配で万の軍勢が躍動、あっという間に海賊船を制圧してみせたのだ。
床に転がる海賊たちに、ヒュゥッと口笛を鳴らす猟兵がひとり。
「ガルディエさん、手際が良いねぇ!」
操縦室からひょっこり顔を出したのは数宮だった。
「多喜、そんなところで何してんだ?」
「へっ、アタシに出来ることさ! さっ、次はあの船を制圧しに行くとするかい? お先に失礼!!」
水上バイクに跨って数宮が目の前の巨大海賊船数隻の間を縫うように走行してゆく。
当然、自分たちの船の周りをちょこまかとまとわりつく数宮を攻撃しようと、矢でも鉄砲でもなんでもござれと、しっちゃかめっちゃかに撃ちまくる!
「あらよっとっ! そんなヘボい狙いでアタシを射抜こうなんざ笑っちまうねぇ!? ところでおたくら? 『今、なんどきだい』!?」
数宮の問い掛けを聞いた海賊たちの動きが、時間が止まったかのように硬直してしまう。
これぞ数宮のユーベルコード『時縛る糸(クロノスタシス)』である!
四方八方にユーベルコードを連発してゆき、海賊の攻撃をうまく掻い潜ってゆく。
だが、数宮の真の狙いは、攻撃妨害ではなかった。
「アタシは知ってるんだよ? こういう巨大な船ってぇのはさ、操縦から何やら細々とした部署でいろんな役割がいて、各々が緊密な連絡を取っている。その連絡網の一部が機能不全に陥れば、たちまち船は大混乱さ!」
数宮の知識通り、何度かユーベルコードで動きが止まった海賊たちの船は、次第にぐるぐると迷うように旋回するようになった。船内が混乱し、海路が機能しなくなっている証拠である!
「しめたっ! 今のうちに水軍を無力化して先を目指すよ!」
「俺たちに任せろ! 野郎ども! 一気に制圧だ!!」
ガルディエが接収した海賊船が、混乱中の海賊船へ乗り付けると、万の軍勢が次々と海賊たちを捕縛してゆく。
一方、雅楽代は海中から一隻の海賊船の近くまで泳いでくると、従者人形の2体を海賊船の真下を潜らせて真向かいまで泳がせ、沈めさせておく。
「準備万端っと。それじゃ、始めようか」
雅楽代は船の真下から海面から顔をだけ出すと、上目遣いで海賊たちへ挨拶。
「こんにちは、海賊さんたち。僕の歌を聞いていかない?」
「おい! 人魚がいるぞ!?」
「あれも猟兵なのか!?」
水面を揺蕩う雅楽代に、海賊たちの注目が次第に集まりだす。
雅楽代は海賊船の周りをゆうらり泳いでから、波に身を任せながら澄み渡った声で歌い始めた。
♪かわいいかわいい びいどろきんぎょ
♪まっしろきらきら およいでいるよ
♪かわいいかわいい わたしのきんぎょ
♪こんどはわたしも およいでいるよ
それは誰も聞いたことのない童歌。聞いたこともないはずなのに、何処か懐かしくて、金平糖のように甘美な甘さが聞いた者の耳から脳へ広がってゆくではないか。
それもそのはず、雅楽代の歌声には他者を誘惑する力が宿っているのだ。
(ひめねえさま……)
歌いながら、雅楽代は目元に涙を湛える。
亡き主『ひめねえさま』は、もういない。
200年前、雅楽代の本体のびいどろ金魚を心底可愛がってくれた主の名前。
でも今は童歌だけが面影を残すだけ。
♪てんてん手毬に童唄
♪可憐な花は 首をちょきんと水の中
♪愛したあなたも水の底
ひめねえさまと話がしたかった。
けれど、それは叶わない。
だとしても歌は届くから。
ねぇ、聞こえる?
白皙の頬を雅楽代の涙が零れ落ちると、七色に輝く真珠となって海の中へ沈んでゆく。
「……そう。僕は悲しいよ」
甲板から見下ろしている海賊たちへ向けて、雅楽代はぽろぽろと真珠の涙を流してゆく。
それを見た海賊たちに電流が走る!!
「はあっ!? 尊み秀吉じゃねぇか!」
「どんなに憎くても、俺にあれを射殺すなんて出来ねぇ!」
「っんぁあぁイッ!!」
これは立派なユーベルコード。その名も『人魚の涙(ウソナキ)』。
雅楽代が悲しむ顔から魂を絡め取る程の魅了効果をぶっ放すことで、誘惑と胸を占める罪悪感で釘付けにしてしまうのだ。
「お前たちの魂を誘惑してあげる。僕は可愛いでしょう? もっと見ていていいんだよ?」
「「「ぽちょむきんっ!!」」」
「いやよくわかんない、どういう気持ちの発声なの、それ?」
目の前の可愛さの暴力に発狂する海賊たちの奇声に、思わず真顔でツッコミを入れる雅楽代。
そんなコントが繰り広げられる中、海賊の背後からザバァッと海面から飛び出してきた従者人形が奇襲を仕掛けてきた!
執事人形の“如月”の敏腕チョップ!
海賊の延髄に容赦なく突き刺さった。
「アバーッ!?」
海賊たちは悲鳴を上げながら白目を剥いて気絶!
メイド人形の“皐月”は、隠し持っていた暗器で海賊たちをぶん殴る!
「アババーッ!?」
脳を揺さぶられた海賊たちは、口から泡を吹いて昏倒!
「あ、あの人魚の仕業だ! や、やっちまえーっ!!」
身体の自由が戻った数名の海賊たちが雅楽代に矢を放った!
だが雅楽代は素早く海の中へ潜ってこれを回避、別の海面から顔を出した。
「あぶないなぁ! 可愛い僕の顔に傷をつけるつもりなの? かみころすよ?」
怒りで頬を膨らませる雅楽代は、従者人形にすかさず指示を出す。
「こいつらを殺さない程度に『眠らせてあげて』ね、頼んだよ」
従者人形2体はその後も船内を大暴れ!
「さて、僕は他の船を誘惑してこようかな、って、あれ??」
雅楽代は遠方から異様な船団が此方へ近付いてくるのを目撃する。
船全体が妙な光に包まれ、その光が鎖のように後続の海賊船数隻を牽引しているのだ。
海賊船には、ボッコボコにされて気絶している海賊たちが多数横たわっていた。
しかも、先頭の船は無人なのに、勝手に航行している!
「……うそ、幽霊船??」
「幽霊船ではないですぞ。種も仕掛けもあるのです」
そこへ、何故か空からルベルが舞い降りた。その背には火精霊の翼を宿し、真昼の月の加護を受けた不死鳥騎士となって羽ばたいていたのだ。
「先頭の僕の船、よく目立つでしょう? オーラで包み込んでピカピカ輝かせて、念動力で赤い旗を振らせて誘き寄せれば、海賊たちがこぞって狙ってくるのです。そこを僕のユーベルコード『火翔』で空へと早駆けしまして、海賊船の後方からどーんっと! まぁ、手っ取り早く気絶してもらいましたぞ。あとは僕の船に念動力で連結して、岸まで牽引すればまるごと検挙完了なのです。海で皆んなして気絶してたら危ないかもですしね。って、おっと!?」
ルベルは会話をいきなり切り上げると、海の中で溺れている海賊を発見!
すかさず海賊へ黒刀『墨染』を鞘ごと突き出した。
「これに捕まってください! はやく!」
「くっ! 殺せ!! 敵に情けを掛けられるなら、ガボッ!?」
「もう、面倒臭いおじさんですな!?」
ルベルは愛刀で溺れていた海賊を引っ掛けると、近くの船へぽいちょっと放り投げた。
「……なんで敵を助けた!?」
洗脳が解けていない海賊たちに、この行動は信じがたいものとして目に映ったのだろう。
だが、ルベルはそれを避難せずに、まっすぐに海賊へ答えた。
「僕はただ、人が死ぬのは、あまり好まないのでございます」
空中で礼儀正しく一礼を済ませたルベルは、近くの港まで海賊船数隻の牽引を再開。
海賊は無言で涙を流していた。
こうして、猟兵たちの知恵と勇気、そして2大ショタの活躍によって、毛利水軍は壊滅に陥った。
それを遠方から一部始終を眺める、1人のアフロの大男と、黒い毛玉の猿。
いよいよ、真の決戦が幕を開けようとしていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『隠し将『豊臣秀吉』』
|
POW : 墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:フジキチ
👑4
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
突如、関門海峡に巨大な渦が出現!
渦の真上の空から、大帝剣『弥助アレキサンダー』と隠し将『豊臣秀吉』が降臨!
「さすがは猟兵たち。音に聞くほどの切れ者揃いだね」
「フェン! フェフェン、フェンフェフェン!」
弥助は渦の上を低空ホバリング、秀吉は海面を弾むようにその場に留まっていた。
「ここからは大帝の剣、逆賊の十字架、闘神の独鈷杵……メガリスの力で、俺と秀吉殿が君たちを倒すぜ!」
「フェフェン! フェン! フェフェフェン、フェン!」
「そういうことだ。秀吉殿が存命のかぎり、残念ながら俺への攻撃は一切通らないよ。更に、秀吉殿は、対象を異形強化するメガリス『逆賊の十字架』の能力によって、スピードと反応速度を強化されている! 今の秀吉殿は、どんな猟兵よりも素早いぜ!?」
「フェン、フェンフェン、フェン!」
弥助が後方へ下がってく。
その代わりに、異形と化した秀吉が猟兵たちに立ちはだかる!
「フェン、フェフェフェン、フェンフェフェ! フェン、フェンフェフェン!」
フェンしか発言していないように聞こえるが、この場にいる君たちならば秀吉が何を言っているが不思議と理解が出来るはずだ。
「フェェェェェェェェェェェェェェン!!」
秀吉は咆哮すると、猟兵たちに向かってゴムマリめいて跳躍してきた!
先制攻撃を如何に防いで、どう反撃に繋げるか?
判断は一瞬! 見誤れば、関門海峡に沈むのは君たちだ……!!
ルベル・ノウフィル
UC:火翔 前章の飛翔状態から継続
わぅ!わぅあぅ!わんわんわん!(海面を弾むとは器用なり秀吉殿
、どんな猟兵よりも素早いですと!僕の早業&火翔の高速化と勝負でございます)
◆対策
早業は全てに活かし
1、戦場を広く飛び回り回避専念
2、光線が来ることを予測し彩花を投げて相殺を試みる
3、あのスペードマークに蓋をしたいですね、夕闇にオーラ防御を巡らせ、念動力で秀吉の腹を覆うように投げましょう
◆攻撃
彩花を驟雨の如く降らせ、僕自身も隙を見て急降下
元からの速度に勢いをつけて捨て身の一撃・鎧無視攻撃を全力で叩き込む
僕はお前たちのように仲良さそうにつるんでる敵将を見ると殺気が増すのでございます
こっちはぼっちなのに!
海面を“弾みながら”迫りくる隠し将『豊臣秀吉』!
その移動速度は神速と称しても過言ではない。
いち早く秀吉と対峙しているルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)は、真昼の月の加護を受けた不死鳥騎士のままユーベルコード『火翔』による火精霊の翼で羽ばたき、秀吉の胸元のスペードマークから放たれる漆黒の光線をどうにか回避していた。
「わぅ! わぅあぅ! わんわんわん!」
「フェン! フェンフェン、フェン!」
人狼ショタと猿の毛玉の2人の鳴き声が関門海峡に響く。
なんと言っているか分からないので、敢えて翻訳をしてみよう。
『海面を弾むとは器用なり秀吉殿! どんな猟兵よりも素早いですと! 僕の早業&火翔の高速化と勝負でございます!』
『抜かせ小僧! 逆賊の十字架で異形強化された拙者こそ、最速の存在だ!』
なんと、ちゃんと会話が成立していた。
秀吉は海面を弾みながら胸元から漆黒の光線を乱射!
少しでも掠れば、ルベルの身体は麻痺で自由を奪われてしまう!
だが、ルベルの早業は、そんじょそこらの猟兵の早業とは格が違った。
まるで空中でパルクールを行っているかの如き動きは、たとえ秀吉の超反応速度でも予測不能。一方的に秀吉が攻撃していても、ルベルに全く攻撃が当たっていない!
それもそのはず。今のルベルは海上の空を縦横無尽に時速240kmで飛行出来るのだ。
秀吉の反応速度がそれ以上のものとはいえ、曲線を描いて大空を飛び回るルベルへ直線的な光線を命中させるのは意外と難しい。
「フェン!?」
この展開は秀吉は全く想定していなかった。最速の存在であるはずの自身の攻撃。それを辛うじて回避してみせる猟兵が現れたことに、秀吉は驚く。
「フェンッ!!」
だが生前は知将と呼ばれた秀吉、8の字を描くように光線を拡散してルベルを光線の檻に閉じ込めようと画策する。
これにルベルがもう一段、上手をゆく策を披露する。
「ならば彩花で光線を遮ってみせましょう!」
オブリビオンを怨む死霊の無念怨念が籠められた手製の札に、ルベルは自身のオーラ障壁を纏わせて絶縁体の要領で8の時の光線の一部へ差し込むように念動力で射出!
すると、手製の札は一瞬だけ漆黒の光線を遮った後に焼き消されてしまう。それでも、オーラを纏った札が漆黒の光線に数秒間ほど持ち堪えてくれることが判明。
すかさず断線した光線の檻からルベルが脱出!
「光線を遮ることは出来るのですね。となると、あのスペードマークに蓋をしたいですね」
ルベルは高速飛行しながら、手持ちの彩花を大量散布、念動力で操作して曼斗羅めいた壁を形成した。
壁は徐々に一枚一枚重なってゆき、光線を浴びても焼き切れない強度を保つことに成功!
回避飛行するルベルは盾代わりに光線を札の束に受け止めながら、隙を見て念動力で秀吉へ射出!
同時に冷たくも哀しい妖気を纏いし黒刀『墨染』の切っ先を秀吉に向けると、残りの彩花をバリアのように広域展開しながら真上から急降下!
秀吉は漆黒の光線を乱射! 乱射に次ぐ乱射!
札のバリアが焼き尽くされる前にルベルは死物狂いで突貫してゆく!
だが、先行して射出された彩花の束が絆創膏のように秀吉の腹を覆い尽くすと、ルベルは漆黒の光線を封じることに成功した!
「僕はお前たちのように仲良さそうにつるんでる敵将を見ると殺気が増すのでございます。こっちはぼっちなのに!」
炎を纏うルベルの時速240kmの牙突が、秀吉のゴムマリめいた身体の脇へ深々と突き刺った!
「フェ……ッ!?」
高速ですれ違ってゆくルベル。そして、その刺突に秀吉は猟兵たちへの認識を改めるように身体を弾ませるのだった。
成功
🔵🔵🔴
アンノット・リアルハート
遅ればせながら、参戦させてもらうわ
戦闘は【メタルハート・ベーゼン】を【操縦】した【空中戦】を行うから、波や渦には捕らわれないはず
【ダッシュ】しながら海面に槍を突き刺して、上がった水飛沫を秀吉にかけることで動きをトレースする墨俣城型ロボの動きを鈍らせて回避
成功したら【カウンター】でロボの身体に【継承のリボン】を巻き付けユーベルコードを発動
ロボと繋がったリボンを掴み、ハンマーのように振り回して秀吉に叩き付けます
貴方達なりの忠義、信念はあるんでしょうけど、人々を洗脳したことは許さない!ちょっと強引にいかせてもらうわよ!
ジン・ロシュモフ
●動機・心情:さあ、いよいよ秀吉との対決か……って、悠長に考えてる暇はないな! きっちり仕留めてやるぜ!
●行動
オラのユーベルコードに反応して先制攻撃か。なら、後手に回った時に力を発揮するユーベルコードで戦うだけ。そう、プロレスは「受け」から始まるんだぜ!
オラの【スーパージャスティス】に対抗して秀吉が使うのはロボ召喚か。なら、「力溜め」をしてロボの攻撃を真正面から「怪力」で「(盾)受け」だ。いくらスピードがあっても攻撃を当てた瞬間は動きが止まる。そこを狙って【墨俣城型ロボ】の体のどこか、できれば胴体に抱き付いてそのまま締め上げてやる。デカイ奴は懐に入られると意外に弱い。オラは身に染みてっからな!
ガルディエ・ワールレイド
使命を果たす覚悟は見事
だが、こっちも譲れなくてな
討ち果たさせて貰うぜ
◆行動
武装は、初撃専用で幻影弓スティラ
及び《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
鎧は着用せず軽装
武器には雷の《属性攻撃》付与
1章海賊船の空船(残骸でも可)を足場に使う
《念動力》で強化と誘導した矢で弥助を狙い秀吉に庇わせる
墨俣ロボは本体トレースという特徴を踏まえ《見切り》跳躍して回避
回避先は海上でもOK
一瞬を凌げれば構わない
交戦開始後も《見切り》回避の要点は同じ
・反撃
凌いだ後は【竜神領域】で《空中戦》
敵は速ぇが跳躍なら飛翔に比べ空中での自由度が下がる筈
それを利用して攻めるぜ
一応、二段ジャンプ的な行動には注意
関門海峡へ遅れて駆け付けてくるのは銀髪紫眼のバーチャルキャラクターの少女、アンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)だ。
「遅ればせながら、アンノット・リアルハート、参戦させてもらうわ」
アンノットはメタルハート・ベーゼン……空飛ぶ箒に跨り、空を自在に飛んでいた。
合流した新たな仲間にジン・ロシュモフ(心優しき花畑の巨人・f18884)が片手を上げるだけの挨拶する。視線は秀吉に注がれたまま。一瞬でも視線を逸らせば先制攻撃で痛打を叩き込んでくるだろう。
故に、先程から猟兵たちは睨み合いを続けているのだ。
「さあ、いよいよ秀吉との対決か……って、悠長に考えてる暇はないな! きっちり仕留めてやるぜ!」
「フェン……フェフェン? フェンフェン、フェフェンフェン?」
秀吉が猟兵たちへ何かを問い掛けた。
恐らく『数が増えたところで……勝てると思ってるのか? こちらは信長様のためなら、この命すら惜しくないのだぞ?』と聞いたのだろう。
不思議と意図が猟兵側にも通じるので、会話が成立していた。
「使命を果たす覚悟は見事」
ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は敢えて軽装で秀吉に挑むつもりだ。
「だが、こっちも譲れなくてな。討ち果たさせて貰うぜ」
誰も乗っていない海賊船を足場にして秀吉に幻影弓スティラに矢を番える。
そのガルディエの動きに呼応するかの如く、秀吉の背後に巨大な墨俣城型ロボが召喚されたではないか!
「フェンフェン、フェン!!」
秀吉の2倍の身の丈もある墨俣城型ロボは、その鉄腕を振るって猟兵たちを粉砕せんと試みる!
「させるか。お友達がガラ空きだぜ!」
なんと、ガルディエは秀吉ではなく、後方に控える弥助アレキサンダーへ向けて矢を放った!
彼の念動力もあって、矢の初速は通常ではありえない速さで空を切ってゆく!
「フェン!?」
この期に及んで、弥助を狙う猟兵がいたとは思っていなかった秀吉、全速力で矢に追い付くとロボの腕で叩き落とした!
しかし、これは猟兵たちへ背中を見せる結果となり、先制攻撃のアドバンテージを秀吉は失うことになってしまった。
攻守逆転、アンノットが動く!
「まずは私が! 全速力で突撃よ!」
彼女を乗せた箒がロケットダッシュ!
「フェン!!」
だが秀吉は超反応速度で態勢を立て直すと、再び墨俣城型ロボで鉄腕を振るう予備動作を行う。
「無駄ぁ!」
だがカウンターで放たれた2mの槍こと王国の守護竜ノイギーアの影である『ノイギーア・シャッテン』をロボの前の海面へ放り投げて水飛沫を撒き散らすアンノット。
ロボは濡れなかったが、ロボを操る秀吉に海水が直撃!
塩水が目に入った秀吉が身悶えている!
「フェフェン!?」
顔を抑えて水を拭う秀吉。
するとどうだろう、ロボの動きと秀吉の動きが連動している為、猟兵たちへの攻撃が中断されてしまったのだ!
「ありがとう! 回避する必要がなくて助かったわ!」
空飛ぶ箒で秀吉の横を高速通過してゆくアンノット。
その手には伸縮自在可能な『継承のリボン』が握られている。
すかさず箒をアクロバティックに操縦すると、ロボの腕にリボンを巻き付けて雁字搦めに!
「貴方達なりの忠義、信念はあるんでしょうけど、人々を洗脳したことは許さない! ちょっと強引にいかせてもらうわよ!」
敵を捉えたアンノットは、ユーベルコード『我が腕よ、あらゆる障害を凪ぎ払え(デイドリーム・フォビドゥンパワー)』を発動!
リボンを引っ張ると、なんと、ロボが持ち上がって宙に舞った!
「フェェェェン!?」
秀吉も、まさか召喚されたロボが持ち上げられるとは思ってもいなかった。
「ああもう面倒くさい! 秀吉覚悟ー!!
破城槌めいた巨大な質量で秀吉を押し潰すアンノット!
海面に巨大な水柱が上がった!
しかし、飛び散るロボの残骸から秀吉が飛び出してきた!
「フェン、フェン!」
秀吉の掛け声で、ロボが時間遡行するかのごとく勝手に修復されてゆく!
そして今度こそ、ジンの胸元に巨腕のチョップが叩き付けられた!
ジンは数十メートル吹き飛び、水切り石めいて何度も海面をバウンド!
「フェン……」
まずひとり敗走、そう秀吉が確信した次の瞬間!
「おりゃァァっ!!」
黄金の闘気を纏ったジンが遠方から急接近、槍の如く秀吉の身体に突き刺さった!
「フェ……ン!?」
「俺が死んだはず、だと? プロレスラーをナメるな! 良いか? こちらに攻撃が向かうまでの間、俺は大胸筋へありったけのパワーを集めていた。そして、ロボの攻撃を真正面から怪力と筋肉で受け止めた! そう、プロレスは『受け』から始まるんだぜ! 筋肉はプロレスラーにとっての強靭な盾なんだぜ!」
あれだけ派手に吹っ飛ばされて平気だったのも、プロレスで鍛えられたリアクションと受け身の賜物だ。
「スーパー・ジャスティスで、ロボの腕をへし折ってやる! デカイ奴は懐に入られると意外に弱い。オラは身に染みてっからな!」
その言葉通り、意志の力を増したジンの怪力と筋肉の暴走は、墨俣城型ロボの片腕をへし折るなんてことは造作でもない。
「ふんぬぅッ!」
気合一閃、ジンが腰を上げると、ブチブチッと断線する音とともに、墨俣城型ロボの右腕が引っこ抜かれた!
直後、ガルディエはユーベルコード『竜神領域(ドラゴニック・フィールド)』を発動させる。
「攻撃の見切りとか、そういうのは省いて攻撃ができそうだな! さて、此処は俺の領域だ。俺が定義するぜ!」
遠距離攻撃にも使える不可視の巨大な念動力で全身を覆ったガルディエは、魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流でマッハ5.3もの速度で斬り掛かった!
「フェン!!」
しかし秀吉は超反応速度でロボを操りガードの態勢。
「それで防げると思ったら大間違いだ! 喰らえっ!」
ガルディエは構わずジグザグ高速移動!
秀吉が跳ね上がった直後、空中で姿勢を変えられない瞬間を狙って攻撃!
剛刃一閃、ガルディエは秀吉をロボごと切り裂いてゆく!
「フェェンッ!?」
しかも、二振りの魔具には雷の魔力を纏わせていたため、海水で濡れた秀吉は感電しやすい状態でダメージ倍増!
墨俣城型ロボは瓦解、秀吉にも深手の傷を負わせることに猟兵たちは成功したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
泉・星流
移動方法は前章と同じ
技能【運転・騎乗・空中戦】活用
「…相手は強敵…とはいえ…」
ちらり背後にいる弥助に視線を向け
「あまり手の内は見せたくないな…」
こちらの『攻撃の属性を感じ取り』『それに合わせた先制攻撃』をしてくるとは言え、『こっちの攻撃方法』…までは分からない
秀吉の一挙手一投足を見逃さず、秀吉が行動を起こしたら即座に『ハーレー』を後退(少しでも距離を取る)、同時に指定ユーベルコード発動
体当たりでも手を伸縮させてくるでも、その攻撃に合わせ魔力による射砲撃で迎撃
倒せればよし、倒せないなら再度ユーベルコード発動し再攻撃
技能【スナイパー・全力魔法・力溜め・クイックドロウ…場合によって零距離射撃】
泉・星流(人間のマジックナイト・f11303)がFlyingBroom『ハーレー』に乗って参上すると、秀吉は既に大打撃を受けており、あと一息で打破できそうであった。
「チャンスだ。一撃必殺で終わらせる」
すぐさま泉は秀吉の先制攻撃に備えて身構える。
しかし、彼には気掛かりな点があった。
「……相手は強敵……とはいえ……」
奥に控える弥助アレキサンダーが、戦闘の行く末を見守っている。
ここで奥の手を出せば、もしかしたら弥助との決戦で影響が出るのか?
泉はそう考える。……考えてしまった。
「あまり手の内は見せたくないな……」
こちらの『攻撃の属性を感じ取り』『それに合わせた先制攻撃』をしてくるとはいえ、これから泉が放つ『こっちの攻撃方法』……までは分からない。それは泉のアドバンテージであると同時に枷であった。
「フェ……フェン!」
秀吉は、まだやれるぞと言わんばかりに身体を弾ませ始めた。
猿玉変化……自身の肉体をバウンドモードに変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与するスピード重視のユーベルコードだ。
「ここは距離を取るべきだな……」
泉は秀吉の一挙手一投足を見逃さず、その射程圏外からいつでも脱出出来るように身構えていた。
そして、秀吉が動いた。
「フェンッ!!」
「な……っ!?」
1秒も満たないうちに泉の眼前に迫る秀吉!
狙撃銃が撃ち込んだライフル銃弾めいて鋭く空を切る秀吉の速度は、泉の持てる技能を全て足しても到底射程圏外に逃れることなど出来やしなかった。そもそも任意の速度で戻る事ができるのなら、泉が視認出来ないほどの速度で戻ることも可能なのだ。
ましてや遮蔽物のない大海原で逃げの一手を敢行するためには、それ相応の策や技能、もしくは速度を発揮するユーベルコードを要する。……泉には、どれも持ち合わせていなかった。
(くそっ! 間に合え……っ!)
激突寸前に零距離から放つはユーベルコード『魔導射砲撃・流星光射砲撃(マジックシュート・シューティングスターブラスト)』。
「一発必中……一撃必殺!!!!」
37分の1秒で放たれるユーベルコード『魔闘法・魔力集束強化法[ME]』を使用し、高命中高威力の魔力による射砲撃を放つ泉の必殺の一撃だ。
だが、彼は痛恨のミスをする。
秀吉は『猟兵の使用するユーベルコードの回数分だけ先制攻撃を行う』のだ。
つまり、泉は1つのユーベルコードを放ったつもりが、準備段階でもうひとつのユーベルコードを使用してしまった。
「フェン……!」
愚かな。
秀吉が確かにそう告げたのを、泉は耳元で確かに聞いた。
「あ――」
泉は自分の全身の骨が粉々に砕ける音を、自らの鼓膜で拾ってしまう。次の瞬間、身体が爆ぜたような衝撃と激痛を味わいながら海面に叩き付けられた!
両腕は壊れた人形のようにあらぬ方向へ曲がり、首の可動部もペットボトルキャップめいて回転すると自分の背中が見えた。
秀吉の背後には、墨俣城型ロボが召喚されていた。
瞬時に現れたロボの鉄拳に泉は殴り飛ばされたのだ。更に秀吉の弾力性で得たスピードも乗って威力は倍増!
泉の左の肋骨と左大腿骨は、ロボの鉄拳で粉砕されたと見て間違いないだろう。
当然、ロボへの攻撃の対策をとっていなかった泉にとって、これは完全に不意打ち。
だとしても、途切れる意識をかすかに繋ぎ止め、ほぼ無意識のまま魔導式スナイパーライフル【SweepBroomSter(SBS)】を秀吉へ突き付ける。
その重厚から高密度・高圧縮された魔力弾が発射される!
「フェ!?」
秀吉はロボでガードしようと試みる。しかし、魔弾にロボの装甲など髪にも等しい。
ロボは魔弾に射抜かれて爆発四散!
秀吉も魔弾を身体に受けた上に爆発の巻き添えを食らって吹き飛ばされた!
「ざ……ぁ、みろ……」
ボロボロの泉は血反吐を吐きながら投棄された海賊船へどうにか泳ぎ着くと、体力を回復させるために全身に魔力を巡らせ始めるのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
くっそーなんてすばしっこい奴なんだよ!?
これじゃそうそう捕まえられねぇ!
オマケに何だよこの弾力!?
ピンボールじゃねぇんだぞ!?
……いや、待てよ。アタシも銀河皇帝に似た戦法やったっけ。
その時は……そうだ、アタシがピンになったんだった!
水上バイクになったカブを『操縦』して最初は
逃げ回りながら秀吉の動きを観察して軌道を『情報収集』。
動きのクセを『見切り』、次に秀吉が最高速に至りそうな瞬間に
【縁手繰る掌】で強引にアタシの目の前に飛び出させる!
強引な当たり屋だ?言うなバカ!
『覚悟』して秀吉に『マヒ攻撃』の頭突きを決めて、
一瞬でも怯ませるよ。
後は任せた!……あー額が痛ってぇ!
仲間が粉砕されるのを目撃してしまった数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、水上バイクモードの宇宙カブJD-1725を操縦して駆け付けた。
「ちぃっ! 来るのが遅かったか! おいテメェ……!! 仲間の借りはきっちり付けさせてもらうよ、覚悟しなッ!!」
数宮は片手にショットガンを握って、もう片方の手で水上バイクを操縦!
ワンハンドドライビング! 数宮の卓越した操縦技術が為せる技である!
「フェェェン!!」
秀吉は再びバウンドモードへ変化して、超特急で数宮へ体当たりを敢行!
「あっぶねぇ!?」
だが既のところで弾丸と化した秀吉の一撃を水上バイクは回避!
数宮は騎乗スキルも優れていたので反応出来たのだ。
「くっそーなんてすばしっこい奴なんだよ!? これじゃそうそう捕まえられねぇ! オマケに何だよこの弾力!? ピンボールじゃねぇんだぞ!?」
BLAM! BLAM! BLAM!
数宮は散弾銃の弾を秀吉へ向かってバラ撒くが、ゴムマリめいて秀吉はこれを軽々しく跳躍で回避!
「駄目だ! 銃なんて当たる気がしないねぇ!? 本当にピンボールで打ち返してやろうかっ!? って、待てよ……!?」
秀吉の連続体あたりを紙一重で回避し続ける数宮の脳裏に、半月前の銀河戦争の記憶が蘇る。
「ピンボール……!? あん時はアタシも銀河皇帝に似た戦法やったっけ。その時は……そうだ、アタシがピンになったんだった!」
勝機は見えた!
数宮の顔に余裕の笑みが浮かぶ。
「そうと決まれば……、へーい、お猿さん鬼ごっこしようぜ! ここまでおいで!!」
何たることか!
数宮は秀吉に向かって右手で招く仕草を行った後、相手への威嚇で親指と中指と薬指をくっつけて前に押し出すのと同時に人差し指と小指を立てるキツネ・サインを繰り出し、最後に中指を立てて宣戦布告!
「フェ……フェンフェン!!」
秀吉は実際この動作の意味は理解できたかどうかは怪しい。しかし数宮の体を覆う勝者のオーラが気に食わなかった。
「フェン……フェフェフェン!!」
既に自身は満身創痍。だが異形強化のおかげで先手を取ることは容易い。一撃入れば、秀吉が勝つ。
故に秀吉に敗走の二文字は脳内から消失した。猟兵の殺害。これに思考が囚われる。
「フェェェェェン!」
まるで漆黒の水風船が対面を跳ね回るがごとく、秀吉はしっちゃかめっちゃかに飛び跳ねまくった!
「って、馬鹿! やりすぎたってぇの!?」
秀吉が着水する度に波立つ海面に、何とか態勢を保ちながら全力の回避行動をとる数宮。
だが、ただ逃げるだけではない。数宮はしっかりと秀吉の挙動を視て観察していたのだ。
(速度の上昇が緩やかになってきたな……そろそろトップスピードって事かい?)
凄まじい状況判断! 数宮はクレバーに秀吉の戦闘能力を襲われる最中に分析していたのだ。
跳躍の頂点、加速度、その他諸々、数宮はデータを己の脳内に瞬時に叩き込んでゆく!
そして、何度目かの秀吉の跳躍に、遂にその時がきた!
「捕まえた、そこっ!」
その言葉を発した数宮の前に、突如、秀吉が出現!
ユーベルコード『縁手繰る掌(アポート・アンド・テレポート)』!
まさに逆転の発想だった。
自身が追い掛けるのではなく、自分の手元に引き寄せれば攻撃の射程範囲内だ!
「フェン!?」
すぐさま回避しようとする秀吉だが、トップスピードかつ着水前の姿勢、空中では方向転換は不可能!
「強引な当たり屋だ? 言うなバカ!」
水上バイクを乗り捨て、突っ込んでくる秀吉へ跳び乗ってしがみついた数宮。
決着は一瞬だ。
「こちとら最初から覚悟ができてんだよ! アタシの全力の電撃サイキック頭突きを喰らえ!」
雷光が関門海峡に瞬くと、秀吉の身体から黒い煙が立ち上る!
海水で濡れている秀吉に雷属性は弱点だ!
更に至近距離の頭突きの一撃で、秀吉の脳は揺さぶられて目潰しと眩暈は発生!
「怯んだな!? これで吹き飛べクソ猿が!!」
数宮は虎の子で残しておいた最後のショットガンの弾を秀吉の超至近距離からぶっ放した!
白光のマズルフラッシュ。発砲音とともに秀吉の漆黒の身体が粉々になって吹き飛んでいった。
海面に落下した数宮は、水上バイクのところまで泳ぎ着くと、海に溶けるように消滅してゆく秀吉の肉片を眺めながら勝利を確信した。
「……あー額が痛ってぇ! でも、勝ったぜ! さぁ、次はアンタだよ……弥助アレキサンダー!!」
後方に控えていた弥助に向けて、数宮は指差す。
いよいよ、最終局面が近付いてきた……!
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『大帝剣『弥助アレキサンダー』』
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POW : 大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:みやこなぎ
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「秀吉殿……!」
大帝剣『弥助アレキサンダー』は仲間の死を前に、その精悍な顔を悲痛に歪ませた。
「覚悟の上とはいえ、仲間の死を見せ付けられるのは辛いな。それにしても、敵ながらすごい戦いぶりだったよ、猟兵……」
弥助はすぐに気持ちを切り替え、敵である猟兵たちへ己の武器を誇示するように見せつける。
「公正に果たし合おうぜ! 俺の武器であるメガリスは3つ! 『大帝の剣』! 『逆賊の十字架』! 『闘神の独鈷杵』! 俺はメガリス『闘神の独鈷杵』の力によって発生した『関門海峡の大渦』の中心に浮遊しながら、3つのメガリスの力を高めて戦うぜ!」
そういうやいなや、弥助の足元に巨大な海流が発生、大渦となって浮かんでいる物を全て飲み込まんと流れ始める!
「……『全ては信長様の為に』。俺の忠義が折れることは決してないよ。でも、全力で猟兵たちと戦ってみたい気持ちも湧き上がってるんだ……」
ニヤリ、と浅黒い唇の口角が上がる。
「これが最終決戦だ。……悔いの残らないよう、全力で楽しもうぜ、猟兵! さぁ、行くよ!」
弥助が足元の大渦の勢いを増しながら猟兵たちへ突っ込んできた!
猟兵たちよ、死力を尽くして大帝剣の担い手を向かい撃て!!
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
真っ向勝負、嫌いじゃないさ。
思い切り、迎え撃ってやらぁ!
……と言いたいが、さっきのでショットガンは弾切れさ。
かと言ってステゴロが有効にも見えないね。
今一度水上バイク形態のカブに『騎乗』し、
渦潮の中でも必死で『操縦』しながらなるべく距離を取る!
あの不気味な肉塊、触りたくないんでね!
そしてもう一つの飛び道具、
【熱線銃作成】を展開!
奴が展開したのが肉塊だってのなら、
さっさと炙るに限るよ。
どっちにせよ、アタシは『援護射撃』くらいしか
役に立てそうにないね……
そうそう、足場にしたい奴や
後ろに乗りたい奴がいたら言っとくれ!
ちょいと荒っぽいが、なんとかしてみせらぁ!
虎熊・月霞
アドリブ・共闘可
死してもなお信長に尽くさんとする忠義は尊敬の念すら覚えるけどもぉ――死者に、過去に囚われていたら前へは進めないよぉ。君の忠義が折れないんじゃあない、過去に囚われて変われないだけさぁ。
【POW】
大帝の剣と呼ばれてるものに正面から対抗するものじゃあないよねぇ、遠距離から攻めるかもしくは搦め手を使うべきなんだろうけども……まぁ僕はそんなに器用でもないからねぇ、正面から迎え撃つことにするよぉ。味方の援護にもなるかもだしぃ、少しでも抑えられたら御の字ってことでぇ。
全力で来るなら、こっちも全力で答えないと失礼になるからねぇ。まぁいざとなったらお仲間さんにおまかせするよぉ。
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は接近してくる弥助を見据えて水上バイクのハンドルを握り直す。
「真っ向勝負、嫌いじゃないさ。思い切り、迎え撃ってやらぁ! ……と言いたいが」
ショットガンの残弾を確認した数宮は顔をしかめた。
「さっきのでショットガンは弾切れさ。かと言ってステゴロが有効にも見えないね。第一、あの不気味な肉塊、触りたくないんでね!」
彼女の言葉通り、弥助の背中から右肩にかけて超巨大肉塊『視肉』……醜い巨大な目玉が出現していた。
「これが異形強化をもたらすメガリス『逆賊の十字架』の力だ! こいつに触れた者は闘志を奪われるぜ!」
「それを聞いて素直に接近を許すと思うのかい!?」
数宮は水上バイクをアクセル全開で∪ターン!
激しく渦巻く海流の中でも巧みに水上バイクに騎乗して操縦してゆく!
「こうして距離を取れば触れられずに済むさね!」
「だが、俺がお前に追い付ければいいだけの話だぜ!」
渦の中心部を滑るように低空ホバリングして移動する弥助の移動速度が上昇する!
次第に距離を詰められてゆく数宮。その視線の先に、新手の猟兵の姿を見る。
「こっち乗りな! 加勢してくれないかい!?」
「いいよぉ。ちょうど移動手段がなくて困ってたからねぇ~?」
大破寸前の海賊船から水上バイクに飛び乗ってきたのは羅刹の剣豪少女の虎熊・月霞(電紫幻霧・f00285)!
「む、新手の猟兵か!」
咄嗟に弥助は両手剣型メガリス『大帝の剣』を正眼に構えた。
水上バイクの後部座席で安家と向き直った虎熊は、童子切・鬼血……四尺もある刃渡りに羅刹の振り回しにも耐えられる強度を持つ野太刀を両手で握ると、此方は上段の構えで弥助を迎え撃つ。
「死してもなお信長に尽くさんとする忠義は尊敬の念すら覚えるけどもぉ――死者に、過去に囚われていたら前へは進めないよぉ?」
「何を言ってるんだ? そんな揺さぶりで俺の心が折れることはないぜ」
「いいや、君の忠義が折れないんじゃあない、過去に囚われて変われないだけさぁ。とっくの昔に錆びた矜持(かこ)で僕たち(みらい)に迷惑かけないでもらいたいなぁ?」
「俺の矜持は錆びちゃいないさ。その身に浴びせて分からせてやる。いくぜ、メガリス『大帝の剣』!」
弥助の掛け声に応えたメガリス『大帝の剣』が眩く輝き出す!
その圧倒的威圧感を前に、虎熊は愛刀を構えたまま逡巡する。
(大帝の剣と呼ばれてるものに正面から対抗するものじゃあないよねぇ、遠距離から攻めるかもしくは搦め手を使うべきなんだろうけども……)
彼女の武装の中には疾鷹銃『鬼ヶ島』……大型の対オブリビオン用マスケット銃もある。
しかし、銃撃の準備から発射までの手間よりも、弥助が剣を振り下ろすほうが早いのは明白だ。
「まぁ僕はそんなに器用でもないからねぇ、正面から迎え撃つことにするよぉ。全力で来るなら、こっちも全力で答えないと失礼になるからねぇ」
これに弥助はニヤリと口元を釣り上げる。
「止めておきなよ。そんなの、対抗策でもなんでもない。死ぬぜ?」
「御託はいいから斬り掛かってきたらぁ? その構え、多分だけと僕と同系統のユーベルコードなのかなぁ? だったら手の内は分かるからねぇ、やりようはあるよぉ?」
虎熊はチラリと数宮へ視線を送る。
それを感じた数宮は、弥助に気付かれないように頷いてみせる。
速度調整。虎熊と弥助との間合いを図るべく、水上バイクのアクセルを小刻みに動かし始めた。
「斬り掛かってこないなら、僕から行くよぉ!」
「させるか! 喰らえっ!!」
弥助がメガリス『大帝の剣』を力いっぱい振り上げ、素早く虎熊の頭上へ振り下ろした!
その初動を察知した虎熊が動く。
(まぁ思いっきり振り下ろすだけなんだけどねぇ)
向かってくる弥助が虎熊の剣先に掛かる距離まで詰めるまでの、ほんの僅かの間、彼女はメディケーションめいた無の境地を己の中に見出す。
呼吸を整え、愛刀の柄を強く握り直した。
「落ちよ雷鳴、その一切を打ち砕け――」
体内電流が紫電となって長大な刀身に束ねられてゆく!
「――伊吹雷切流・陸ノ太刀、霹靂乃落隕(ヘキレキノラクイン)」
紫電を纏った刃が雷光がごとく素早く弥助の頭上に振り下ろされた!
ほぼ同時に互いの刃が振り下ろされ、途中で激突!
「なに!? うぐっ!?」
弥助はそのまま虎熊を頭上から両断するつもりだった。だが、その刃は受け止められてしまった。虎熊の怪力は常人を凌ぐ羅刹のそれ。渡来人の宝剣の一撃ですら受け止めるほどの衝撃を有していた。更に刀身から発せられた電撃が、海水で濡れた弥助の体表に伝播して感電させる!
しかし、打撃を喰らったは虎熊も同じこと。後の先を狙って高速の一撃を弥助に見舞ったが、メガリスを破壊することは能わなかった。そして、弥助の剣圧は水上バイクの後部座席を破壊するに充分な威力を誇っていた。
搦手を用意していない虎熊、何も対処できずに力負けしてしまう!
「やば……っ」
足場を失った虎熊はそのまま海中へ叩き付けられ、大渦の中へと飲み込まれていってしまった。
もとより海戦対策を練っていなかった虎熊にとって、足場の崩壊は敗北を意味した。
「逃げ……て……!」
警告を発しながら海中に沈んでいった虎熊に為す術もない数宮は怒髪天を衝く!
「……ちっくしょうめっ! 飛び道具は得意じゃないんだけども、四の五の言ってられる状況じゃないからねぇ! 喰らいやがれっ!!」
数宮はすかさずユーベルコード『熱線銃作成(メーザークラフト)』を発動!
破壊された後部座席の部品を媒介にしてメーザー銃を作成、それを不気味な『視肉』へ向かって数宮はノールックで乱射!
ZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAP!!
「うおっ!?」
弥助は見たこともない武器から放たれた熱線の乱射に思わず距離を取る。
その大半を弥助は回避してみせたが、熱線の一部が『視肉』を貫通して焼き切った!
それを確認した数宮はしてやったりと破顔する。
「ざまーみろっ! 展開したのが肉塊だってのなら、さっさと炙るに限るよ……って!?」
焼き切ったはずの『視肉』が瞬く間に再生してしまう!
「今のはちょっとびっくりしたよ。この『逆賊の十字架』を狙われてたら危なかったけど、これさえ無事なら『視肉』はいくらでも再生可能だぜ!」
「ちぃッ! 悔しいけど退却だよッ!!」
ZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAPZAP!!
メーザー銃を乱射して弥助をその場に釘付けにすると、数宮は渦の外へ全速力で逃げ出した。
弥助は『逆賊の十字架』を守るように体中を撃ち抜かれて傷を負うも、未だに顕在である。
この初戦、猟兵たちは苦戦を強いられてしまった。
もはや後がない!
苦戦
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ルベル・ノウフィル
◆海戦工夫
早業
1章で人を運び終えた船を戦場に呼び念動力で操り足場とする
いざとなれば念動力で浮く
◆対策
第六感有
三分の一の鏡盾で盾受け/反射有
大振りの一撃は動きも読みやすく反射も大きい
オーラ防御を自分へ
攻撃を受けながら死者の書を暗唱
死者よ、死者よ、世を怨む者よ、理不尽な世界へ反抗する死霊よ、僕の聲をお聞きなさい
盾は四度目で砕ける
破片を念動力で敵に向け同時に彩花残りを全て放つ
◆攻撃
UC:魂の凌駕
鏡の破片が舞い彩花踊る中、捨て身の一撃・鎧無視攻撃にて敵を討ちましょう
過去は過去と踊り明るい世界を生きる人々の目に触れず隠れておしまいなさい
陽だまりの中は……貴方方の、僕達の、居場所ではありませんゆえに
滅べ!
アンノット・リアルハート
水上対策は前回と同じく【メタルハート・ベーゼン】を【操縦】する【空中戦】で
中々の好漢ね、立場が違えば友達になれたかも……でも、だからこそ、私は全力で貴方を倒します
向こうは秀吉との戦いでこちらの戦法を見てる、そこを利用して【フェイント】をかけましょう
敵の攻撃に対しては【空中戦】で距離を取りつつ、攻撃の瞬間に【継承のリボン】を使った【カウンター】【早業】で拘束します
向こうは秀吉との戦いでこちらの怪力を警戒しているはず、攻撃をリボンの両断に使用して一瞬でも【時間稼ぎ】ができたら【スナイパー】で手に持った【ノイギーア】を投擲
命中したらそのままユーベルコードを発動し決定打とします
ジン・ロシュモフ
●動機・心情:間近で見ると生き別れの兄弟とか言っても通じそうだよな、うん。んじゃ、派手に兄弟喧嘩と行こうかい?
●行動
オラは空飛べないから、使えるUCは【スーパー・ジャスティス】一択なんだよな。で、これを使う前に弥助はあのデッカイ剣を振り下ろしてくる、と。地形破壊も込みで……あ、そうか。
賭けでしかないけど、がっちりガードを固めて、弥助の攻撃を受ける。地形破壊なら足元の大渦も乱れるはず……そこで攻撃された勢いのまま海に沈もう。
で、そこでUCを使って浮上。どうせ一撃入れるくらいの力しか残ってないなら、弥助にしがみ付いて自爆覚悟の全力ブレイブビートカノンをゼロ距離で撃ってやる。
皆、後は任せたぜ!
ガルディエ・ワールレイド
気持ちはわかるぜ
俺も猟兵としてオブリビオンを討つという想いに偽りはない
だが同時に最後の魔軍将と全力で戦いたいというのも事実だ!
◆戦闘
武装は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
・海上戦
前章続きから開始
UCが切れているなら上空から落下しつつ《念動力》で姿勢制御し《空中戦》
・対先制
敵の攻撃は単純だ
焦らず《見切り》《武器受け》を行う
敵攻撃の威力も利用して距離を取るぜ
最悪、戦闘不能さえ防げれば良い
反撃前には真の姿を解放し全身に赤い雷を纏う(属性攻撃付与)
(真の姿の負傷治療効果を利用)
・反撃
【竜神領域】で戦闘
念動力で海水を巻き上げて目眩ましに利用
不利な体勢では上昇して仕切り直しだ
弥助は下関方面から、空飛ぶ海賊船の群れを発見する。
「……何だぁ、あれは?」
関門海峡の空を泳ぐ大船団。
その先頭の船の船首で仁王立ちするのはルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)だった。
彼の念動力で、拿捕した海賊船を空中で浮かせてここまで来たのだ。これにより、仲間も飛行ユーベルコードを温存しつつ戦場まで辿り着くことが可能だ。
「待たせましたな、弥助殿。いざ雌雄を決しましょうぞ!」
「はは……っ! 粋なことをしてくれるねぇ! それってさ、この近くの巌流島で起きた、剣士たちの決闘の逸話の再現ってわけ? 海が荒れてるから船を空へ飛ばしてやってきたとか、なかなか洒落が効いてるなぁ!?」
ルベルへ破顔する弥助に対して、船に乗り込んでいたジン・ロシュモフ(心優しき花畑の巨人・f18884)が苦笑いを浮かべながら口を挟んだ。
「オラの世界では『巌流島の遅刻の逸話は、後の時代の創作』だとか諸説あるんだけどな? でも、奇しくもその再現になったのはオラもテンション上がるな! ……それと、やっぱり間近で見ると生き別れの兄弟とか言っても通じそうだよな、うん」
ジンの風貌は弥助のそれと共通点がやはり多かった。黒い肌、アフロヘアー、巨躯で筋肉質。服装を取り替えても決して違和感がないだろう。
「うお……、俺っぽい猟兵がいるなとは眺めて知ってたけども、間近で見ると本当に似てるな……!」
「オラと意見が合ったな、弥助。んじゃ、派手に兄弟喧嘩と行こうかい、弟者?」
「馬鹿言え、俺が兄貴だろ?」
半笑いの弥助はメガリス『大帝の剣』を再び握ると、猟兵たちへ切っ先を向けて構えた。
そんな弥助へ、アンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)とガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)が言葉を投げかけた。
「中々の好漢ね、立場が違えば友達になれたかも……。でも、だからこそ、私は全力で貴方を倒します」
アンノットは魔改造した空飛ぶ箒『メタルハート・ベーゼン』に跨って空に浮かんでいた。
ガルディエはルベルが空に浮かべる船の船首で躍り出ると、弥助へ向けて腹の底から叫んだ。
「気持ちはわかるぜ! 俺も猟兵としてオブリビオンを討つという想いに偽りはない。だが同時に、最後の魔軍将と全力で戦いたいというのも事実だ!」
「ああ! 俺以外の魔軍将はお前たち猟兵に斃されちまった! そんな強い奴らと俺が死合えるなんて、最高だぜっ!」
「本当に敵にしておくには惜しいほど気のいい男だぜ……!」
魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流で弥助を向かうたんと身構えるガルディエ。
弥助も一瞬だけ目を閉じて深呼吸、息を吐きながら両眼をカッと見開くと、猟兵たちを見据えて叫んだ。
「さぁ、どっちが勝っても恨みっこなしだ! 大帝剣『弥助アレキサンダー』! 推して参る!!」
海流が一段と荒々しく渦を巻き始めると、弥助は宝剣を振り上げて跳躍してきた!
弥助の初撃にいち早く反応したのはジンとガルディエだ。
「プロレスラーの『受け』の精神、見せてやるぜ!」
戦意向上で口調が荒っぽくなったジンが『スーパー・ジャスティス』の黄金のオーラで高速移動!
常人離れした怪力、そして仲間を守りたいという優しさと強い心を燃やして勇気全開! 溢れ出る闘争心でメガリス『大帝の剣』の刃を、なんと挟み込むように両手で押し止めたではないか!
まさかの真剣白刃取り!
更にガルディエが妖刀『夜閃』を鞘ごと投げて念動力で空中固定、それを足場として空中戦を敢行!
魔槍斧ジレイザと魔剣レギアをクロスして衝撃を相殺せんとぶつかってきたのだ。ジンほどではないか、ガルディエも怪力自慢の猟兵だ。振り下ろされた宝剣の鈍重な一撃を受け止めることに成功する!
「またか……っ! でも……!!」
弥助は猟兵の怪力に目を見張るが、それでも海面に叩き落さんと膂力を緩めなかった。
「うおおおっ!?」
「くそ……ッ!? 押し負ける!?」
ジンとガルディエが鍔迫り合いに押し負けそうになってゆくと、弥助は更に力を込めた。メガリス『大帝の剣』の刀身が一層の輝きを放つ!
「堕ちろっ!」
弥助は宝剣を振り抜くと、ジンとガルディエの腹部を掻っ捌いて大渦の中へ彼らを叩き落とした!
ジンとガルディエが大渦に飲まれてゆく……!
「まず2人……! 次は……」
「させないわっ!」
仲間が脱落した瞬間、アンノットの飛行箒が飛び出す。
(向こうは秀吉との戦いでこちらの戦法を見てる、そこを利用してフェイントをかけましょう!)
空中を駆け巡って翻弄しようと試みるアンノット。
しかし、弥助の剣捌きは想像以上に鋭く、疾かった。
「そこだな!?」
「しま……っ!」
アンノットは進行方向に突き出された剣先を緊急回避、しかし体勢が崩れたところへ剣閃が走る!
(あ……殺される……!!)
弥助の振るう刃がスローモーションで映るアンノット。彼女は国民が死ぬ間際に見た走馬燈、こんな未来がほしかったという夢の存在であり、それを自覚しているからこそ与えられた今を全力で生きるのだ。しかし、それも残り数秒で、終わる……!
アンノットの身体の正中線に、今、宝剣の剣身が押し当てられて……。
「させません!」
ルベルの盾受けからのシールドバッシュもどきのタックルが弥助の剣の軌跡を逸した!
砕け散る鏡の盾!
「うぐっ!?」
鏡の盾が衝突した瞬間、弥助の顔が苦痛に歪む。
「アンノット殿、今のうちに態勢を整えて下さいませ! さて弥助殿、いくらその一撃が強力でも大振りの一撃は動きも読みやすく反射も大きいのでございます」
念動力で自身の身体を浮かせ、空中に留まるルベル。
だが、先程のタックルで剣の一撃をかわしきれなかったのか、額が割れて血がとめどなく溢れ出ていた。ルベルの端正な顔の左側が鮮血で濡れてゆく。
「それを貴方も思い知ったはずでございましょう。……この鏡の盾の効果で!」
「……そうか。その鏡の盾は、俺の放った攻撃の幾分かが跳ね返ってくるのか」
絡繰に気付いた弥助。だが、彼は動揺する素振りもない。
「でも、その破損加減じゃあ、あと何回持つかな? というかそっちのほうが重傷のようだけど?」
「構いません。僕たちはチームでございますから! アンノット殿!」
天へ叫んだルベル、それに応えるは直上から急降下するアンノットだ!
「心得ていますわ!」
アンノットの右手には継承のリボンが握られていた。その伸縮自在のリボン、一見無地だが実は忘国の国民全員の名前が隙間なく刺繍されているのだ。
(亡き王国のみんな……私に力を貸して……!)
直上から放つリボンの奇襲攻撃!
弥助はそれを断ち切ろうと剣を振るう。
「だからさせません!」
しかし、ルベルが再び鏡の盾で宝剣を受け止めた! 砕け散る鏡の破片! オーラ障壁を持ってしても衝撃を殺せず、ルベルの全身の骨格が悲鳴を上げる!
「やっぱり俺にもダメージが……って、これは、しまった!」
盾で攻撃を受け止められた弥助の手首や関節に、アンノットのリボンが拘束して身動きを封じる!
ルベルはすかさずオブリビオン事件により生命を奪われた者たちの詳細が記録されている手書きの書である『死者の書』の文言を暗唱する。
「死者よ、死者よ、世を怨む者よ、理不尽な世界へ反抗する死霊よ、僕の聲をお聞きなさい――」
いわばオブリビオンへの呪詛の塊にも等しい書の文言は、死霊術士であるルベルにとって力の源泉だ。ルベルの足元から湧き出るように這い上がった理不尽な世界へ反抗する死霊が、彼の全身にまとわりつくと刃の障壁となって弥助の腕を貫く!
「くそっ……!?」
ルベルから距離をすかさずとり、拘束を解こうと力を込める弥助。
だが、その足元の渦に変化が起き始めた。
「今度は何だ……!?」
足元を注視する弥助。その直後、渦の中から黄金の輝きと不可視の巨大な念動力の塊が飛び出してきた!
「行くぜ、兄弟!!」
「竜の力を見せてやるぜぇ!」
なんと、ジンとガルディエの2人だ!
渦に飲まれたフリをして、中心部で身を潜めて体力を温存していたのだ。
そして、弥助の両手が拘束された今、反撃の狼煙を上げたのだ!
「俺のスーパー・ジャスティスの最大速度はマッハ3.7だ!」
ジンのタックルが弥助に激突!
更にガルディエも至近距離から武器を振るうべく突撃!
「だったら! 俺の竜神領域(ドラゴニック・フィールド)の最大速度は、マッハ5.3だぜ!」
音速を超えた一閃が弥助の身体を貫く!
離脱するガルディエはジンに向かって叫んだ。
「おい! 離脱しろ! 危ねぇぞ!!」
天高く打ち上がる弥助に、ジンはしがみつくように舞い上がる!
そして、眼下へ遠ざかる猟兵たちへ、ジンは覚悟を決めた声で告げた。
「皆、後は任せたぜ! 受け止めてみろ、兄弟!」
「な、何をする気だ!?」
「こういうことだぜ! ブレイブビートカノンーッ!!」
ジンは腕を十字に組み『勇気』と『優しさ』の力を光線として零距離で放った!
空中で八尺大玉花火めいて爆発するジンと弥助! 自爆特攻だ……!
「……馬鹿野郎ッ!」
思わずガルディエが奥歯を噛みしめる。
「とはいえ、あれだけの火力を間近で受ければ、弥助でも無事では済まないはずだわ……」
アンノットの願望じみた言葉が関門海峡に響いた。
次第に爆炎が海風によって晴れてゆくと、そこには、ジンを抱えた弥助の姿があった!
リボンの拘束は爆風で解けたのか、それともどさくさに紛れて引きちぎったのだろう。
「今のは、かなり効いたぜ……ごふ……っ!?」
吐血をしながら、ジンを今度こそ渦の中へ放り込んだ弥助。宝剣を掲げ、猟兵へ宣言した。
「さぁ、まとめてかかってこいよ。次が……恐らく、俺の最期の攻防だ」
「許さねぇ……許さねぇぞっ! 弥助アレキサンダァァァーッ!!」
ガルディエの身体が、たちまち漆黒の全身鎧に包みこまれ、赤雷を纏った真の姿へと変身する。仲間を倒された怒りで覚醒を果たしたのだ!
「拘束が解かれた……!? なら、もう一度……!」
アンノットが箒に跨り高速飛来、リボンを射出して再度の拘束を試みる。
しかし、弥助はすかさずリボンを断ち切ってみせた!
「同じ手が2度と通じるかよ!」
「そうね、私もそう思っていましたわ」
「何だと……っ!?」
箒を空中で旋回させたアンノット、海面を蹴り上げて弥助の顔に引っ掛けた!
「塩っぺぇ!?」
不意打ちに眼を潰された弥助に大きな隙が出来た。
だが、弥助は破れかぶれで大剣を振り回す。
「嘘!?」
その軌道はアンノットへ振るわれてゆく! しかも2回!
「アンノット殿、離れて!」
ルベルがカバーリング! しかし、鏡の盾が大破!
周囲に飛び散り、光の粒子の如く舞い上がる鏡の破片の中で、ルベルは真の姿へと変身する。
念動力が鏡の破片すべてを包み込み、細雪めいて弥助の周囲に竜巻状に取り囲み始めた。その中には、ルベルの手製の呪符『彩花』が紛れ込んでいた。
「過去は過去と踊り明るい世界を生きる人々の目に触れず隠れておしまいなさい。陽だまりの中は……貴方がたの、僕達の、居場所ではありませんゆえに」
「こんな結界……! 俺のメガリスの力で!」
弥助がメガリスの力で鏡と呪符の結界を振りほどこうと試みる前に、ルベルの真紅の瞳が威圧的に輝いた。
「無駄な事を。――死霊の聲に、耳を傾けなさいな」
すると、呪符『彩花』から理不尽な世界へ反抗する死霊が染み出し、ミキサーのように弥助の身体を切り刻んでゆく!
絶叫する弥助! そこへ更に追い打ちが!
「喰らいつきなさい、王国の守護竜ノイギーア、その影をもって敵を貫くのです!」
2mの竜の槍『ノイギーア・シャッテン』を投擲するアンノット。その投擲された槍の石突を、高速移動で追い付いたガルディエが、なんと鮮烈なミドルキックで再加速させた!
「突き刺されやコラァッ!!」
槍の飛来速度は音速を超え、鏡と呪符の結界を超えて弥助の胸部を貫通!
結界の中で血反吐を吐いてくの字に折れ曲がる弥助!
ガルディエの全身に赤雷が迸る!
「3人同時攻撃だ! 準備はいいか!? ふたりとも!?」
「勿論よ!」
「はい、終わらせましょう……」
アンノットの『メタルハート・ベーゼン』が空を裂き、ガルディエとともに並んで飛行。鋼の箒にアンノットは自動操縦プログラムを入力、起動させる!
「Besen:Ver0.95の起動を確認、システム&オペレーション、正常作動(オールグリーン)! オブリビオン攻撃モード! 武装、一斉射撃(オールファイア)!」
これまでの戦闘データが入力されたシステムが弥助を自動攻撃! さらにアンノットは駄目押し!
「今こそ顕現せよ、リアルハート王国の守護竜ノイギーア! ドラゴニック・エンドッ!!」
突き刺さった槍がみるみるうちに巨竜と変化し、結界の中で弥助の左上半身をまるまる喰らいついた!
「――っ!!」
左肩から先を失った弥助は、声にならない悲鳴を上げた!
そこへ右側からガルディエのマッハ5超の2連斬撃が弥助の右腕と右足を刎ね飛ばした!
渦の中に沈む『大帝の剣』を拾おうにも、弥助にはもはや両腕がなかった。
そこへ、ルベルの掲げた黒刀『墨染』にオブリビオンへの怨念を抱えた死者の霊たちが吸い込まれるように宿されてゆく。
「弥助殿、貴方はこの世界の無辜の人々を洗脳して僕達に差し向けました。それは、とても許されないことなのです」
ユーベルコード『魂の凌駕』……ルベルのはなつ捨て身の一撃効果を高める死霊たちが、墨染へと吸収されてゆくのだ。それはもはや『オブリビオンを殺す』という概念に捕らわれた兵装にほかならない。
弥助の目の前には、天を貫く漆黒の怨霊の刃がルベルの手から一直線に伸びている。
「神よ、血塗られた神よ。どうか、俺をお導き下さい」
弥助は悟ったかのように自分の首をルベルに差し出した。
それにルベルは、何の感情もなく、一言だけ弥助へ告げた。
「滅べ」
ルベルの振り下ろした断罪の死霊剣が弥助の残された身体を真上から一刀両断。弥助の身体を闇の中へ蝕むように死霊たちが食い尽くしてゆくのだった。
関門海峡での決戦を勝利で収めた猟兵達。
穏やかになった関門海峡は、先程までとうってかわって晴れ渡り、波も静かになっていた。
自爆特攻で負傷したジンも救出し終え、一路、彼らは島原へと動き出す。
エンパイアウォーの決着もまもなくだろう。
戦いを終えた猟兵たちは、そんな予感を胸に抱くのだった。
大成功
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