●
海がある。
左右を大地で挟まれた、深く大きな海だ。
波は荒れていて、ど真ん中には渦があり、その上。
「大帝剣、弥助アレキサンダーがいる」
肆陸・ミサキ(孤独に苛まれる者・f00415)は、繋ぐグリモアの先にいる現場を、そう表した。
グリモアベース、集めた猟兵達に向かい、声を作る。
「倒すべき敵だ。それも、とびきり難易度の高い、ね」
全体像がある。
到達すべき弥助アレキサンダーがいるのは海の上。
その眼前には、豊臣秀吉と称される敵もいて、さらにその周囲には船がいた。
「毛利水軍の武将達が操る船さ。弥助アレキサンダーの力で、僕達猟兵を敵だと認識していて、弥助アレキサンダーを守るべき者だと思い込んでる」
それらは、あくまでただの一般人だ。
鍛え上げられた兵と言えど、猟兵の力の前には脅威と成り得ない。
だから、吹けば飛ぶような、そういう障害だろう。
「……殺さないでほしいな」
出来れば、の話だ。
「彼らは本来なら敵じゃない。幕府側の戦力。立ちはだかるから皆殺しなんて──あ、いや、するなと、そういう訳じゃないけれど」
出来れば、そこまでせずに突破して欲しいと思う。
「毛利水軍を突破したら、豊臣秀吉、弥助アレキサンダーが控えてるから、無理はしないで」
二体とも強力な上に、秀吉に関しては強化まで施されている。
警戒して悪いことは無いだろう。
「だから、みんな、気を付けて。敗けても生きていればチャンスはあるんだから、命を大事に、ね?」
そう言って、ミサキは猟兵を送った。
ぴょんぴょん跳び鯉丸
大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
戦争なのに三章構成のシナリオです。
ちょっと特殊な、状況、敵ですので、そこらへん、何か考えてみるといいかもしれませんね。
ではよろしくお願いします。
第1章 冒険
『毛利水軍を突破せよ』
|
POW : 邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。
SPD : 毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。
WIZ : 毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。
👑3
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
海がある。
押し寄せる波は荒く、飛沫が白い泡立ちとなって散る、そういう場所で。
船があった。
舳先を内陸へ向け、横に並んで布陣する。
それは、守りの陣形だ。
破滅へ向かわせる敵を守るなんて思いもしない、そういう大軍がいた。
そこへ、猟兵は行く。
天御鏡・百々
海か……
少々苦手だが、そうも言ってはおられぬか
(本体の神鏡が潮風や海水で錆びないように
常に球状のオーラ防御64で作った障壁で神鏡を保護しています)
さて、水軍相手だが……まともに相手をする必要もあるまい
『惑いの封魔鏡』の迷宮を、敵船もろとも発動し
戦場を上書きしてやろう
出口は水軍を突破した先、目的地に設定だ
この迷宮は全てが鏡、それは足場もだ
海上に作り上げれば、海水も入ってくるまい
毛利の武士達は鏡を利用した光の目潰し5で
動きを止めてすり抜けを狙うが
最悪薙刀で峰打ちして気絶させるとしよう
一般人では迷宮の壁は破壊出来ぬと思うが
もし壊され海水が入ってきたら念動力で浮いて進むとするか
●アドリブ、連携歓迎
宮落・ライア
ふーん、まぁ殺す必要も無いしね。
さぁさ!ちょいと時代はずれちゃいるけど八艘跳びの再現さ!
舟から舟へ【空蹴】も駆使しながら飛び移り移動していく。
弓や槍が構えらられたら刀で切り払ってとっとと次へ。
只人と只人の戦いであれば陣形も意味を成すんだろうけれど…ボク達猟兵だしなー。障子紙程度かな?
にしてもあの黒蹴鞠はなんなのさ……
鍋島・小百合子
POW重視
幕府に協力する軍が何故立ち塞がるか知らぬが倒す理由がなければ無理な殺生なぞ必要ないのう
戦闘能力だけは奪わせてもらうぞ
「話を聞けい!全く猪共めが早まりおって」
UC「黄金勇霊装」発動
勇気に比例した戦闘力を得たら飛翔能力を使って毛利水軍の頭上まで飛び応戦、他の猟兵の突破を支援する
不殺を意識、此方へ攻撃を行う兵の腕や足を狙う等戦闘能力を奪う事に特化して長弓による射撃(空中戦、視力、スナイパー、範囲攻撃、毒使い、マヒ攻撃併用)
他の猟兵からこちらへ引きつけられるよう敵軍の上空を残像込みで飛び回り翻弄、こちらに向かってくる遠距離攻撃は残像と飛翔能力を併せて回避もしくは小太刀による武器受けで防御
月山・カムイ
どーにも、やりにくい敵ですね
たたっ斬って進んでも良いですが、ミサキさんの願いもありますから……ここはひとつ、壇ノ浦と参りますか
要するに、混乱させて敵陣を突破すればいいだけ
ということなら、文字通り船から船の間を飛び越えていけばいい
着地というか着艦をする際に勢いよく上空から着艦
船を大きく揺らして、その衝撃で敵方が混乱している隙間をついて、次の船へと飛び移る
船と船の合間が広くとも、問題はなく
こちらはある程度の距離でしたら、海の上を飛ぶように駆けていくことができますからね
どうしても切り合わねばならない場合も、極力無力化するか海に叩き落とすに留めましょう
本命の敵はまだ先にいる訳ですからね
波打ちの音がある。
「海か……」
海だ。
百々の前に広がる白波の海は、吹く風に潮を含ませて、撫でる黒髪をベタつかせる。
「少々苦手、というか、天敵ではあるのだかな。そうも言ってはおられぬか……」
本体である神鏡だ。
長い年月でも濁らない輝きを持つ逸品であろうと、塩分の含まれた環境下では装飾含めて錆びが出る。
だから百々は、肉体を守るオーラを本体に回し、球状に作り上げた保護の中へそれを納めた。
「さて、では行こう」
準備は出来た。
後は海の上に浮かんだ船を越えて行くだけだ。
百々は常と変わらない歩調で進み、波の上へと進んでいく。
「鏡よ鏡」
その足元を支える様に鏡が敷き詰められ、歩みを起点に戦場は鏡で形作られる。
波上に床が出来て、船を巻き込んだ囲みの壁が完成し、その内部をさらに細かく区切って迷路を完成させた。
「うむ、突破するぞ」
進む。
自分で作った迷路の順路はわかっているのだ。
あとはその通りに進み、やむを得ず巻き込んだ船の乗組員には、天上の陽を鏡で集めて乱反射させ、目眩ましで怯ませやり過ごす。
「問題は無いな……いや、あるならばこの後か」
濃くなる気配に眉をしかめながら、百々は水軍を突破していった。
●
「どーにも、やりにくい敵ですね……いえ、敵ではないのでしたか」
うーんと一つ唸ってカムイは思う。
めんど……ではなく。
「たたっ斬って進んでも良いのですが……」
それでは、送ってくれたグリモア猟兵の願いを無下にすることになる。
「殺さずか?」
と、横で脚を伸ばして準備運動するライアが確認の声を上げた。
爪先で地面を掘るようにして、足首を回して解しておく。
「ええ、そうしようかと」
「ふーん、まぁ殺す必要も無いしね」
倣ってカムイも軽く脚を解して、海原を望む岩場の際に足を掛ける。
二人、静かに息を整え、緩やかに力を込め、
「ちょいと時代はずれちゃいるけど」
「檀ノ浦と、参りましょうか」
跳ぶ。
「八艘跳びの再現さ!」
岩場からスタートした二人は左右に別れる。
「敵襲ー!」
そしてバレた。
空を跳ぶライアに照準を向けた矢じりが、しっかりと引き絞られて射られる。
「お?」
攻撃された。とはいえライアは空で、船上から飛ぶ矢は目で捉えられる程の速度で距離もある。
だから、
「っと」
刀で斬り払い、舳先へと着地した。
波を弾いて船体が揺れ、しかし兵士達に動揺はない。
だから手の届く範囲に来たライアへと、刀を握って殺到し、
「届、かない……!」
バック宙で跳んだ体には当たらない。
……まあボク達猟兵だしなー。
空中に足を止め、見上げる視線にライアは笑う。
踏み込んだ一歩で宙を蹴り、船尾へ移って踏み台にし、さらに前へ。
見下ろす並びは規則正しく、統率の取れた陣形の様ではあるが、しかし。
「人対猟兵じゃ、障害としては障子紙みたいなものかなぁ」
酷い評価だ。
高めに跳んだカムイは、風に乗って聞こえたライアの声に苦笑いを漏らす。
だがまあ、そういうレベルではあるなと納得もした。
宙で体を回し、頭からの落下で加速して、舳先へ向かう。
「よっ」
着地の瞬間に反転して足を向け、キックをぶちこみ、反動に船尾が跳ね上がる成果を見た。
「うわぁー!?」
大きな揺れはライアの着地と比べるべくもない勢いで、船員は投げ出される様にじゃぽんどぽんと海へ落ちる。
「まあ水軍なら泳ぎも得意でしょう」
多分。
些細な懸念はあるが多分、命に関わる事ではないはずだ。
だからカムイは再度跳び、上へと連続して加速して、同じ様にして別の船への着地爆撃を繰り返していく。
「消耗はしたくないですし。本命は、この先にいるわけですからね」
●
「精鋭すぎるのも考えものか」
全くもって厄介であると、小百合子は心中で吐きながら中空にいた。
直下には毛利水軍の列があり、正面から突破を試みる猟兵が見える。
幕府に協力すべき立場の軍が、何故オブリビオンを守るために立ち塞がるのか。
わからないことはあるが、相手はこちらを敵と認識していて、しかしこちらとしては倒す理由も無理に殺める必要もない。
「ならば、わらわのやることは一つよな」
だから小百合子は息を吸い、一息を挟んで。
「話を聞けいこの早まった猪どもめ!」
声を上げた。
一斉に見上げるたくさんの瞳に映る女は、目映く輝いた黄金の甲冑に包まれていて、キッと釣り上げられた視線に彼らは射竦められる。
「何を守り、何と戦うのか見誤るでないわ!」
凛と張った音に、どこか逆らいがたい意思のこもったそれは、一瞬だけ兵士を怯ませる。
「っ、惑わされるな者共! 敵の言葉だ!」
が、それぞれに居る指揮官役の兵士の号令が強い。
瞬く間に番えた矢が向けられ、一斉射された。
「全く、よく出来た兵よ」
だが空だ。
狙いは合っていても的としての自分は小さい。
だから必然、中ると不味いモノは少なく、抜いた小太刀で問題なく弾けた。
「……急げよ猟兵達」
注意を引いている時間は長く続かないだろう。
だから小百合子は、射撃の合間を狙って弓を取り弦に矢を乗せ、マヒ毒を付与した攻撃で戦力を削いでいった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『隠し将『豊臣秀吉』』
|
POW : 墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:フジキチ
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ぴょん、ぴょん、とそいつは跳ねる。
水面を弾けさせ、決して落ちず沈まず、アレキサンダーへの道を遮る為にそこにいる。
「フェンフェン」
話す言語はなんだろうか。
難読難解なその声はしかし、なぜだろう、意味が理解出来るのだ。
ここから先は通さないと、そういう声が、聞こえてくるのだ。
月山・カムイ
豊臣秀吉の異名にサルというものがありますが……猿要素があまり見えないような気がしますが
立ち塞がるというのなら、こちらも一切の容赦なくまかり通らせていただきましょう
まっすぐ向かっていって断ち切る、というのは基本戦術
他の猟兵が攻撃する隙を作る為、正面から秀吉に相対する
伸縮性をもった尾での攻撃を断ち切り、一気に肉薄して最前線で戦う
ロボの姿になるというなら、逆にそれはこちらのチャンスだ
一夜城を築くというのなら、一瞬でそれを真っ二つにしてみせよう
光線でこちらの動きを止めようとするなら、その攻撃を見切って回避して
その土手っ腹に風穴を開けてやる
そうして道を切り開く、そう簡単に私の剣を止められると思うなよ?
宮落・ライア
よし斬るか。
っていうか墨俣城型っていったいどんな形だよ。あれって諸説あるでしょ?それにあれの動きをトレースするってどうなるのさ。
最後にここ海の上だよ?飛んでるの?大丈夫?沈まないそのロボ。
とりあえず【怪力・ダッシュ】と【気合い】で海の上走るか。
全力で水面蹴れば力技でいけるいける。
で、何してくるのかホント分からないから【覚悟】はしておいて
【野生の勘】と【殺気】を【見切って】何とか対処する。
避けれそうになかったら【激痛耐性】と海だし叩きつけとかだったら沈むし耐えられるかな。
あとは接近できれば防御ごと斬る。
絶対に通る。
無人になった敵船の上、海上を跳ねる豊臣秀吉を見たカムイは思う。
「……猿要素があまり見当たりませんね」
どれかと言われればただの鞠の様だ。
確か、歴史の逸話として、その容姿から織田信長にサルと呼ばれる異名を与えられた。と、そういう知識はあるが、アレがそうなのだろうかと。
思い、しかし立ちはだかるなら誰であれ、なんであろうとも、
「一切の容赦なく、まかり通らせていただきましょう」
斬り伏せる。
「……」
だがどう行く?
海の上で接近し斬り結びながら移動力も確保する。
どうするか。
「よし斬るか」
思案するその横、海上を、ライアが猛然とダッシュしていった。
「ん?」
ダッシュだ。
「気合いだ!」
忍者がするような水面走りとは原理は違う。
全力でぶちこんだ踏み込みが水面を叩き、瞬間的な硬さと反動を得て足場にする。のを、ただただ凄く速い運びで行うという、しんどい辛い大変を代償にしていた。
つまりは気合いだ。
「……真似は出来そうに無いですねぇ」
その背を見たカムイの溜め息は、割りと重く深かった。
ライアは行く。
目の前にぽよんぽよんと跳ねる秀吉は、自分の接近に気付いた事でその目をこちらへ向けている。
「フェンフェン、フェーン!」
「なに、墨俣城ロボットだって?」
そうして、呼ぶ声に応じて現れるのは、巨大な城型ロボットだ。
基礎となる胴体は石壁の組み合わせと庇屋根、そこから伸びる腕脚は石垣の通路の様だ。
そうして、頭。
首に天守閣を据えていた。
「秀吉の作った一夜城か……!」
有名な話だが、不明な部分も多く、諸説がいくつも存在するものだ。
というか、なによりもライアとして疑問が強いのが、
「ここ海の上だよ? 飛んでるの? 大丈夫それ沈まない?」
あの巨体が海の上で平然としている理由だった。
なんなんだあれは。
「フェンフェン」
答えは、行動で示される。
理解不明に歩行して、走るライアに向かって拳の叩きつけをロボは放った。
「っ!」
それを大きく横へ跳んで回避して、沈まない様にと水面を突っ走って迂回の道を辿る。
「一夜城」
「フェン?」
と、叩きつけた拳の上、跳んだカムイが着地した。
片手を着いて反動を和らげ、そのまま指を引っ掻ける様に力を込めて前へ駆ける。
「一瞬で、真っ二つにしてみせよう」
駆け上り行く。
宣言通りの両断を成し遂げる為だ。
上って跳んで、天守から一気に切断してやる、と。
そういうつもりで行って、
「フェーン」
横から拳をぶちこまれた。
「斬る!」
その瞬間を、ライアが狙う。
ぶちこんだ拳側、肩から落とす為に刃を振り下ろす。
ガツ、とした硬い感触に刃先が数ミリめりこみ、更に込めた力に従ったユーベルコードの発動で切断した。
「よし──」
「フェンッ」
手応えと同時に、ロボの蹴り上げがライアを捉え、空へ打ち上げる。
しかし今度はその脚を、落ちた腕を足場にして復帰したカムイが狙った。
「叩き斬る!」
股関節から斬る。
「まだ」
自由落下したライアが、逆の肩を追撃に斬り落とす。
「斬るぞ」
続いてカムイが逆脚を斬る。
「フェ……!?」
斬る。
達磨となったロボを斬る。
胴を左右から断ち、胸に突き入れ上下に割って、首を落とし、天守で操作していた秀吉まで駆け上がる。
「道を斬り拓き」
「絶対に通る」
そうして、刹那に邂逅した二つの刃が、秀吉の体に刻み込まれた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『大帝剣『弥助アレキサンダー』』
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POW : 大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:みやこなぎ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
関門海峡沖に発生した大渦。
その上に、弥助は浮遊していた。
「まさか、秀吉殿が敗れた……?」
くっ、と、悔しげに下唇を噛んで、直ぐに来るであろう敵へ対応するために想いを抑え、
「全ては信長様の為……仕損じはしない!」
決意と覚悟でメガリスを握った。
全力を尽くした秀吉殿の為にも、負けはしない。そう胸中で付け加えながら。
【状況、関門海峡の上、辺りは海、足場無しです】
メイスン・ドットハック
【SPD】
逃げ場もないが、結構な地形じゃのー
なら、僕がその兆しとなるとしようかのー
先制攻撃に対し、電脳魔術で空間を【ハッキング】することにより、視肉の行動性をデータとして甘受することで【情報収集】
その解析の元、自身のホログラムデコイを展開しながら、【視力】【第六感】を持って回避に徹する
先制攻撃後は、UC「星の海を制覇せし船」を発動し、大型宇宙戦艦を大渦の上に展開
味方の足場を確保すると共に、ビーム機銃やレーザー砲の集中攻撃で視肉を焼き尽くし、広域破壊ミサイルで弥助もろとも大渦もろもと爆撃する
至近距離まで近づくまで、破壊されるのも承知で突撃も敢行する。味方の攻撃チャンスを作る
アドリブ絡みOK
ルク・フッシー
真の姿を使用、翼で飛行します
もう信長は倒れました…でも、憂いを残すわけにもいきません!
殴り合いや打ち合いになったら勝ち目はない…電撃的に攻めます!
射程外からの攻撃は多分ムリ…!『闘神の渦潮』には…とにかく近寄らない!大筆から噴出する塗料によるジェット機動と翼による飛行で、渦潮を避けて弥助に接近します
ある程度近づいたら、【連射塗装】により生成した雷属性の塗料弾をまとめて叩き込みます!
とにかく素早く攻めるのが鍵とみました…!が、がんばります!
宮落・ライア
は・し・れ!
気合い水面走法継続!
と言うか何さその舞空術!くっそ空飛べる勢め…。
さて、こっちがどれだけ素早く動こうとあっちは手練れ。
速さに合わせて来るだろうね。
けれど偶然ではなく必然で合わせて来るなら、そして相手の攻撃が単純な叩き付けであるなら。
決して怯まず怯えず相手の初動を見切り覚悟と気合いで避ける。
海上だから周辺地形の破壊で飛礫も無く衝撃も殺されるはず。
剣が振るわれた際に出来る風に巻き込まれるようにして身体を回転させて、あとはカウンターでぶち込めるかどうか。
ボクが英雄になる為に負けろ。
弥助は、三方向から敵の接近があることに気が付いた。
秀吉……ではない。彼の気配は少し前に途絶えたのだ。
ならば今、やってくるだろう存在は敵だと決め付け、覚悟を決めるしかない。
「……覚悟だ」
誰にも邪魔させはしない。
成し遂げてみせる。
そういう不退転の決意を持って弥助は、
「来い、猟兵!」
大渦の直上にて構えた。
左右へ別れて行くのは、ルクとメイスンだ。
真の姿を現し、象徴たる紅い翼を広げたルクは、転移から直接の接近を試みる。
対してメイスンは、同じく上空へ転移させられ落下した。
彼女には滞空する術も、海上に立つ策すら無い。
だからこちら、完全なスピード勝負で、弥助を含んだ周辺空間を電脳魔術でスキャンする。
「逃げ場無し、地形も結構なモノじゃのー」
即座に、現実と電脳の各空間を重ね合わせて掌握。
自分へ注意が集まっているのを自覚しながら、少し手を加える。
「お手並み拝見と行くぜ!」
そうする間に、弥助の腕から変質した視肉が切り離され、拳ほどの大きさとなって飛んだ。
狙いはもちろんメイスンで、一直線に放たれたそれは彼女の体を通り抜けた。
「……ん?」
通り抜けたのだ。
電脳空間を重ねたことにより投影された、ホログラムの体を、だ。
それはいわゆる、デコイと呼ばれるもので、
「お返しじゃけー」
大渦の上、弥助の真下へと、無事なメイスンは戦艦を召喚した。
下部面にはビーム系重火器を装備させたそれらで大渦を爆撃し、左右舷に並べられたミサイル発射台から全段射出により弥助を狙い打つ。
つもりで。
「闘志って、言わば攻撃性だ。それはモノにも宿るって思うんだが」
装甲部を覆い隠す程に巨大化した視肉が船尾へ降って落ち、跳ね上げられた状態で狙いはズレた。
「それはこいつにも言えるだろ……!」
且つ。
攻撃兵器にすら干渉する視肉の能力は、苛烈になるはずだった武装の一斉射を緩めて行く。
「でしたらこうです!」
戦艦相手へ対応する。その弥助の背後に、ルクが飛び込んだ。
狙うのは電撃。黄色系に纏められた塗料弾の叩き込みだ。
「そうならば、こうだろう!」
撃ち込まれる寸前。弥助は跳ね上げた戦艦に手を翳す。
「穿て、闘神──破壊の雷槌を!」
行われたのは、一部の部材を渦潮に変換して放つ先手の雷撃だった。
不規則に、ジグザグと跳ね泳ぐ雷槌の線は四方からルクへ迫る。
「くぅ……!」
羽ばたきを一撃。
前へ押し出した風圧で体を後ろへ下げ、海を背にするように寝かした体で加速し、間合いを離脱する。
続けて起こる、海面の渦潮化の気配に追加で羽ばたいたルクは、連続して放たれる雷槌から逃れていった。
●
ライアは依然として走る。
海面をただがむしゃらに走り、脚に溜まる疲労はもちろん、足りない酸素を供給するための息は深く荒げ、全身に血液を送る心臓の鼓動は痛いと感じる程に、走る。
(くっそ空飛べる勢め……!)
文句も軽口も言う力を使っていられない。
突っ走り、接近を図って、しかし気付いたのは、走っては近付けないと言う純粋な事実だった。
何故なら目の前、弥助へ至る海面は渦になっていて、踏み込めば足を取られて沈むのは明らかだからだ。
とはいえ近づかなければ攻撃出来ない。
とはいえ、渦の外側から跳躍したのでは届く前に落ちる。
(……じゃあ、使わせてもらうか)
そこでライアは、弥助に届かない距離からの跳躍を選んだ。
向かう先は、屹立した壁。
「思ってた足場とはならんがのー、無いよりマシ、で許してほしいんじゃー」
メイスンが召喚し、空間に定着させた戦艦だ。
機銃の台に脚を掛け、呼吸を二度、三度と吸い込んで、メイスンの言葉に頷き、うん、と一言。
「じゅうぶん」
上る。
急勾配だが直立ではない角度の面を、走りで上っていく。
海面よりは楽だと、そう思いながら行って、頂点。
先端からダイブした。
「行くぞ」
弥助を見る。
ルクへの追撃をしている所だ。
気配に気付き、自分を見上げる姿がある。
「来るか……!」
敵は、背中のメガリスを掴んだ。
こちらも、背負った大剣に手を掛ける。
落ちて、行き、抜いて、引き、振り上げ、そして。
「──!」
弥助の剣が先に届く。
回避は、恐らく不可能だ。
鋭く重い、振り抜きが来る。そう覚悟して。
「塗りましたぁ!」
剣先を染める色がある。
艶のある黄色の塗料だ。
振られる勢いに刀身を走ったその色はジグザグの軌道を描いて、ピリッと発光し、瞬間。
「うおっ」
鋭さがブレた。
力の込めが緩まった一撃にライアは打たれて吹き飛び、ルクの放つ塗料弾が弥助へ飛来する。
「信長は倒れました……憂いである貴方を残しはしません!」
「例え信長様が倒れようと、その意志と強さを継ぐ者としてここに残る!」
海中から立ち上る雷槌がそれらを迎撃に弾きながら、吠え立てた弥助へ、
「いいや、残らない」
飛ばされた先、戦艦の壁に着地し、反動付けて突っ込む奴がいる。
「ボクが、英雄になる為に」
「ッ!」
大剣を振り上げ、勢いも力も注ぎ込んだ全力の一撃を構えたライアがいる。
痺れに、構えが遅れた致命的な一拍が在って、
「負けて消えろ」
ぶちこまれた一撃が頭を割って、自らが産み出した渦の底へと墜ちていく。
「のぶ、なが、さま……」
最期の言葉は、水泡に巻かれて呑み込まれた。
成功
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