エンパイアウォー㉑~鉄壁の護りを打ち砕いた先へ
「どうやら大帝剣『弥助アレキサンダー』の所在が判明したようですね」
関門海峡の大渦、そこに弥助アレキサンダーが居るとフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)は言う。
「もっとも、すぐ弥助アレキサンダーに挑めると言う訳ではなくて、弥助アレキサンダーの元に至るには、弥助アレキサンダーの手にした大軍勢を操るメガリス『大帝の剣』の能力によって猟兵が敵であると洗脳された毛利水軍がまず皆さんの行く手を阻むことになります」
この戦場は『関門海峡』の海上。一般人である為猟兵には及ばないものの屈強な武士達だ。
「倒して進むこともできますが、相手は洗脳されてるだけなわけですし、殺してしまうと江戸幕府の未来に禍根を残すかもしれません」
可能であれば殺さず無力化出来るといいんですけどねと呟き、フェリクスは説明を続ける。
「首尾よく毛利水軍を突破できればその先、『関門海峡の大渦』の中心に大帝剣『弥助アレキサンダー』は居ます」
ただし、弥助アレキサンダーは隠し将『豊臣秀吉』を伴っており。
「対象を異形強化するメガリス『逆賊の十字架』の能力によってスピードと反応速度を強化された豊臣秀吉は、関門海峡の海上をゴムマリのように飛び跳ねながら、あらゆる角度からの弥助への攻撃を超高速で受け止めるみたいなんです」
これでは先に秀吉を倒さなくては、弥助アレキサンダーへ攻撃のしようがない。
「ですので、まずは秀吉を倒す必要があります」
ちなみに黒い毛玉の様な外見の豊臣秀吉はフェンとしか喋れないが、一般人を含む全ての人がそれを聞けば「秀吉が何を言っているのか」を理解できるのだとか。
「何でも義と忠に厚い、武将の鑑みたいな人物らしいですよ? 話してることを理解した人達によるとですが」
まぁ、どんな人物であるにせよ弥助アレキサンダーを倒すための壁であることには違いない。
「それで、秀吉を撃破すれば漸く弥助アレキサンダーへ刃が届くわけですが――」
弥助はメガリス『闘神の独鈷杵』の力によって発生した『関門海峡の大渦』の中心に浮遊しながら、3つのメガリスの力を高めている。
「こう、わかりやすい『力をためている』ですよね」
ただ、流石に猟兵たちが攻撃を仕掛けて来れば3つのメガリスの力を高めながらもメガリスを武器として用い、果敢に応戦してくるとのこと。
「大渦の上と言う地形上、大渦を利用出来たら戦いを優位に運ぶこともできるかもしれませんが、他の強敵の例に漏れず先手をとってくると思われますし、油断は禁物です」
もし仮に敗北してしまった場合、高められた3つのメガリスの力がどこへ向くかは言うまでもない。
「将を二人も相手にしないといけない厳しい戦いですが」
よろしくお願いしますねとグリモア猟兵の少年は頭を下げたのだった。
聖山 葵
いよいよ弥助アレキサンダーが、と思ったら、うん。
と言う訳で、今回は大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』を倒していただくお話となります。
まずは毛利水軍の突破からですね。
尚、弥助は渦の上を浮遊してはいるものの高く飛んだりはしません。
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大帝剣『弥助アレキサンダー』および隠し将『豊臣秀吉』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
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では、ご参加お待ちしております。
第1章 冒険
『毛利水軍を突破せよ』
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POW : 邪魔する船をひっくり返すなど、力任せに毛利水軍を突破します。
SPD : 毛利水軍の間隙を縫うように移動し、戦う事無く突破します。
WIZ : 毛利水軍の配置、天候、潮の流れ、指揮官の作戦などを読み取り、裏をかいて突破します。
👑3
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
二天堂・たま
ここへ来て隠し将と来たか、信長軍の切り札なのかな?
まずは毛利水軍の船を奪い、戦場の足場を確保したいところだ。
UC:スカイステッパーで水軍の船に乗り込み、ケットシーの肉球で殺意・敵意を浄化して無力化していこう。
戦う意思を失い、抵抗しなくなればUC:妖精の里に吸い込むことが出来る。
彼ら村上水軍は大帝の剣による洗脳効果で敵意を煽られているだけだ。
無力化し、後のオブリビオン戦に巻き込まれないよう迅速に戦場から離脱してもらいたいものだ。
一般人である以上、洗脳が解けた所で戦力にはならんだろうからな。
ユウキ・スズキ
「は? 殺すな。だ? ナマ言ってんじゃあねぇよ、てめぇら水軍なんて御大層な名前名乗っときながら、いざてめぇらの柔な精神力を利用されてこっちの邪魔をしても助けて下さいってか? 冗談じゃあねえよ、屑共がッ!」
「軍属として、てめぇらのその甘ったれて腐った根性叩き治してやらぁ!! 全員纏めて掛かって来いッ!!」
目につく全員ぶん殴って無力化する。
海上であり、水軍船間の移動は、左腕のアンカーショットで行う。
「オラッ!賊の一人も討てねぇか!? 貴様らはッ!?」
出来うる限り殴って無力化するが、死にはしないだろう。
悪いが、こっちも急いでんだ、その程度でポックリ逝くような連中の世話までしてられねぇよ。
胡・翠蘭
※アドリブ歓迎
【SPD】
洗脳…でございますか
なんとも、いやらしい能力ですこと
駒に使われていらっしゃる方が可哀想ですわ
わたくし、オブリビオン以外の者が怪我をするのは好ましく思いませんので…ここはひとつ、平和的に通らせて頂きましょう
防具改造と激痛耐性を活性
まずはUCで分身体をレベル分生み出して、毛利水軍の皆様を撹乱させましょう
拷問具は持たせますが…攻撃せず、誘惑と催眠を誘うだけで戦線を乱し、分身体に意識を向けさせて
わたくしは…毛利水軍の方の鎧や装束を真似たものを身につけて変装、仲間のような演技をしながら彼らの中を堂々と移動して抜けさせて頂きましょう
バレたなら手加減して戦い、駆け抜けましょう
雨咲・ケイ
敵将は2名で、しかも海上戦……。
苦しい戦いになりそうですね……。
メガリスも気になる所ではありますが、
今はこの状況の打開に専念しましょう。
【POW】で行動します。
船で正面から突破しましょう。
敵軍からの攻撃は【盾受け】で凌ぎ、
こちらの船が沈められない事を最優先としましょう。
障害となる敵の船は【魔斬りの刃】による【2回攻撃】で
片っ端から切断していきましょう。
船体のみを切断し、敵兵は殺さないように注意します。
屈強な武士であれば泳げるとは思いますが、
溺れている兵士には浮き輪を投げましょう。
アドリブ・共闘歓迎です。
「ここへ来て隠し将と来たか、信長軍の切り札なのかな?」
首をかしげる二天堂・たま(神速の料理人・f14723)の視界に船が見えた。毛利水軍の船なのだろう。だが、あの水軍を突破してもその先には将が二人待ち受けていると猟兵達は聞いており。
「敵将は2名で、しかも海上戦……。苦しい戦いになりそうですね……」
雨咲・ケイ(人間のクレリック・f00882)はアリエルの持ち手を握りしめながら水軍の方を見やる。
「メガリスも気になる所ではありますが、今はこの状況の打開に専念しましょう」
「そうだな。まずは毛利水軍の船を奪い、戦場の足場を確保したいところだが――」
再び口を開いたケイへ鷹揚に頷くとたまは視線を戻し、跳躍すると、何もない空中を蹴って飛びあがった。
「ふむ」
スカイステッパー、空中を蹴ることで高度を増し距離を縮めれば見えてくる景色もまた変わる。
「あれだな」
「「敵だ」」
最寄りの船を着地点に選べば、船に乗り込んでいた毛利水軍の武士たちの視線はたまへ集まり弓を持つ武士が矢をとって弓へつがえる。
「おっと」
まだ残っていた空を蹴る回数を利用して飛んできた矢を避け。
「さて、と」
船に降り立ち周囲を見回せば、抜かれた刀がたまを囲む。
「洗脳……でございますか。なんとも、いやらしい能力ですこと」
非友好的な歓迎にではなく、その由来に眉をひそめた胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)は駒に使われていらっしゃる方が可哀想ですわ続け。
「ぶげっ?!」
次の瞬間であったその可哀想な方の一人が弧を描いて吹っ飛び、海に落ちて水柱を上げたのは。無論、翠蘭がやったわけではなく、武士の飛んできた方を逆にたどれば、憤怒の表情でユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉・f07020)が拳を振り切った姿勢で甲板に立っていた。
「は? 殺すな。だ?」
「でぇい、がっ」
不機嫌そうに漏らすと、斬りかかってきた別の武士が殴り倒され。
「ナマ言ってんじゃあねぇよ、てめぇら水軍なんて御大層な名前名乗っときながら、いざてめぇらの柔な精神力を利用されてこっちの邪魔をしても助けて下さいってか? 冗談じゃあねえよ、屑共がッ!」
いきり立って罵声を投げつければそのまま近くに居た別の武士へ殴りかかってゆく。
「わたくし、オブリビオン以外の者が怪我をするのは好ましく思いませんので……ここはひとつ、平和的に通らせて頂きましょう」
翠蘭もこの光景は見てはいたが、止めてどうにかなるモノでもないと断じたのか、ここを一刻も早く突破した方が被害は出ないと見たのか。
「ひとつ、ふたつ、みっつ……さぁ、どのわたくしでお相手致しましょう? さ」
喚び出したのは、翠蘭に瓜二つの邪神達。下腹部の数字の刻印さえなければ当人と見分けのつかない邪神達を翠蘭は促し。
「何だ?」
「敵が増えた、だと?」
混乱する毛利水軍の戦線を乱すべく邪神たちは動き出す。武装こそしているものの、攻撃はせず。
「おのれ、妖しげな敵め! そんな媚態などに引っ掛かりは――」
邪神に誘惑されたある武士は顔を赤くしつつもしきりに頭を振り。
「大帝の剣による洗脳効果で敵意を煽られているだけだからな」
方向性の違う二人の行動に寄って生じた混乱の中、ケットシーの肉球で殺意と敵意を浄化し無力化を試みようとしていたたまは、うまくいかぬものだと嘆息する。一時は敵意を消しされても、水軍の向こうに大帝の剣の主が健在である為、暫くすれば敵意がまた戻ってしまうのだ。
「一般人である以上、洗脳が解けた所で戦力にはならんだろうとは思ったが、これはそれ以前の問題だな」
放置ができない以上、たまにできるのは、敵意を浄化した武士をユーベルコード製の妖精の里に吸い込み外界と隔離することぐらいであるが。
「大帝の剣の効果を遮断できていなければ、元の木阿弥か」
「ここは通してもらいますよ」
ポツリ呟いて視線を戻せば、正面にはアリエルを使って振り下ろされた武士の刀を受け止めるケイが居り。
「軍属として、てめぇらのその甘ったれて腐った根性叩き治してやらぁ!! 全員纏めて掛かって来いッ!!」
右手には水軍の面々に喧嘩を売り続けるユウキ。
「敵、敵にどうするんだっけ?」
「な、なんと破廉恥な敵だ?!」
左手に広がるのは翠蘭の邪神達に洗脳されたり誘惑されて惑う武士達。どさくさにまぎれるようにして毛利水軍の装束に似たモノを身にまとった翠蘭当人が武士達の群れをすり抜けようとしているが、こう船上は色々とカオスであった。
「船が減れば、邪魔も減りますね。敵兵は殺さないように……邪妖を斬り裂く刃……。その身で受けてみますか?」
「は? まさ、ちょ、やめ」
顔を引きつらせた武士の制止も聞かず、光輝く手刀に氣をのせケイが振るうと、猟兵達の乗りこんだ形となった船に隣接する毛利水軍船が斬撃の当たった場所からずれ始め、真っ二つになって沈没しだす。
「ぎゃあっ」
「うわぁ」
乗っていた武士たちからすればたまったモノではない。
「オラッ!賊の一人も討てねぇか!? 貴様らはッ!?」
「べっ」
「ん?」
左腕のアンカーショットで別の船へと飛び移るなり、近くの武士を殴り倒したユウキからも一隻の船が沈んでゆく姿は見て取れて。
「頃合いか」
見れば、混乱は更に拡大していた。突破を図るなら今であろう。波間にはユウキが殴り飛ばした武士のほかにも乗船の沈没で投げ出された武士もケイが投げ入れでもしたのか浮き輪に捕まって漂ってはいるが、助けるつもりはなかった。
「悪いが、こっちも急いでんだ、その程度でポックリ逝くような連中の世話までしてられねぇよ」
漂う武士達から視線を切ると、味方と合流すべくアンカーショットを仲間達の居る船へと向けた。猟兵達が行く手を阻む毛利水軍を突破したのは、その数分後のことだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『隠し将『豊臣秀吉』』
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POW : 墨俣一夜城
自身の身長の2倍の【墨俣城型ロボ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : 猿玉变化
自身の肉体を【バウンドモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : グレイズビーム
【腹部のスペードマーク】から【漆黒の光線】を放ち、【麻痺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:フジキチ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ユウキ・スズキ
「糞猿が……体がバウンドする。つまり、対象の肉体は現状、ゴム毬のような物であると推定」
仮説が正しければ、対象に有効な攻撃は【穿孔】被弾リスクは無視できんが、突っ込んでくる相手へのフルメタルジャケット(通常の先端の尖った弾丸)による迎撃と、複数の船や残骸を利用した回避に専念する。
いくらか被弾してダメージが蓄積したら……攻めさせてもらう……
「グゥァァァァァアアアアアアッ!!!」
(真の姿解放)
対象の突撃を受け止める、爪で突き刺す、凪ぎ払う、殴る……
猟兵への攻撃の意思は無し。
すべてオブリビオンへの連続攻撃に充てる。(理性無し。会話不能)
※アドリブ、共闘歓迎。
胡・翠蘭
※アドリブ歓迎
【SPD】
…相手の言葉がわかるかどうかは、解りかねますが…
敵がオブリビオンということだけで、わたくしにとっては充分ですわ
丁度、皆様もフラストレーションが溜まっておいででしょうから、存分に参りましょう
まずは会敵前に、防具改造で防御強化し、激痛耐性活性で隙を産まぬよう注意して
出来るだけ、第六感で攻撃を見切り、的確に防御回避行動を行いダメージ軽減を図り
反撃は…そうですわね、敵は確か、弥助アレキサンダーへの攻撃を守る性質があるとか
ならばあえて、弥助アレキサンダーを狙いリボルバーで攻撃を試み、防御したところをわたくしの視界に捉え、麻痺や毒を含ませたUCで騙し討ち…攻撃・捕縛を致しましょう
雨咲・ケイ
その身を挺して味方を護る……。
敵とはいえ敬意を表しますよ。
ですが、骸の海で眠って頂く事に変わりはありません。
御首頂戴しますよ。
【WIZ】で行動します。
敵の先制攻撃に対し、浮かべた戸板で波乗りをして凌ぎます。
【地形の利用】を活用し、激しく不規則な波に乗る事で
敵の狙いを逸らしていきます。
……ちょっと酔ってきましたが、海に落ちないよう
注意しましょう。
敵に対しては【スナイパー】による盾の【投擲】で
動きを止め、接近して【サイキックブラスト】で攻撃します。
そして、そのまま【シールドバッシュ】による【2回攻撃】で
一気に攻めましょう。
アドリブ歓迎です。
「……相手の言葉がわかるかどうかは、解りかねますが……」
視界の中でフェンフェン鳴く存在がオブリビオンということだけで、翠蘭にとっては充分だった。
「フェン! フェンフェーン!」
「来ますわね」
再び鳴いた黒い毛玉、隠し将『豊臣秀吉』の身体がそれまでよりも撓んだのを認めれば、野生の勘と第六感が翠蘭へ告げる。
「フェン!」
海上をゴムマリのように飛び跳ねる、グリモア猟兵の説明は誇張ではなかった。
「っ」
まるで水切りする石か何かの様に海面で弾んだオブリビオンの黒い身体が掠め、翠蘭は小さく息を漏らす。激痛に耐えうるようにしているから、掠めた程度では悲鳴を漏らす程のことはない。目と第六感からおおよその軌道を見切ったにも拘わらず、強い伸縮性と弾力性によって想定より大きく豊臣秀吉の軌道が変わっていたのだ。
「将ですものね」
力量を考えれば躱しきれなくても不思議はない。
「丁度、皆様もフラストレーションが溜まっておいででしょうから、存分に参りましょう」
だが、翠蘭とてこれで終わりのつもりはなかった。胡蝶之夢を手に機を窺い始め。
「糞猿が……体がバウンドする。つまり、対象の肉体は現状、ゴム毬のような物であると推定」
一方、翠蘭を襲ったを見つめたままユウキはぶつぶつと呟く。
「フェン、フェンフェーン!」
黒い毛玉は海面や船の残骸でバウンドしながら再びぶちかましをかけんと跳ね戻って来ていた。
「仮説が正しければ――ちっ」
「フェーン!」
銃火器を向ける間もなく肉薄した黒毛玉に舌打ちしてユウキは身体を傾ける。
「ぐうっ」
それでもオブリビオンの身体が当たり、呻き声が漏れた。
「コイツはこっちが狙われてる時は回避に専念するしかないか……っ」
「フェンフェン!」
周囲を見回し、浮いている船の残骸を見つけて視線を戻せば、またオブリビオンが跳ね戻ってくるところであり。
「……そうですわね、敵は確か、弥助アレキサンダーへの攻撃を守る性質があるとか。ならば」
「フェン?!」
「な」
「フェン」
自身に向かってくる筈だった黒毛玉の軌道が急に変わり、思わず目で追ったユウキが見たのは、豊臣秀吉のさらに向こうへ翠蘭の放った銃弾に自ら当たりに行って悲鳴を上げた敵の姿であった。
「弥助への攻撃を超高速で受け止める、だったか……成程な」
もっとも、まともに喰らったのは突然自分以外を狙ってくるという想定外の動きをされたというのもあるかもしれない。
「ふふ、……甘くて深い泥濘の沼に堕ちてしまいましょう?」
「フェ」
そして、動きが止まり生じた隙を逃すほど翠蘭は甘くはなく。視界の内の黒毛玉がと突然触手に襲われて悲鳴を上げ。
「オラ、さっきの礼だ、とっとけ!」
見ようによっては新しい形態にも見えなくもない有様のオブリビオン目掛けユウキが発砲する。
「フェンッ」
フルメタルジャケット弾は確かに秀吉へと命中し。
「その身を挺して味方を護る……。 敵とはいえ敬意を表しますよ」
仲間と敵将の攻防を視界に捉えていたケイはですがと言葉を続ける。
「骸の海で眠って頂く事に変わりはありません。御首頂戴しますよ」
宣言と共に降り立たのは、波間に揺れる一枚の戸板。
「フェンフェン!」
新手を認識した隠し将『豊臣秀吉』が腹部のスペードマークを見せるように少し身体を起こし。
「っう」
波乗りの要領で身体を横に滑らせたケイが先ほどまで居た場所を漆黒の光線が貫き、脇腹に手を当てたケイは顔を歪ませる。
「完全には避けきれませんでしたか、ですけど」
「フェン」
「直撃を避けたのは事実です。っと、海に落ちないよう注意しませんと」
ケイが居るのは、波間に漂う戸板の上なのだ。二度目の攻撃は激しく不規則な波の動きに助けられて躱し。
「無視してんじゃねぇ」
「フェン」
ユウキに銃弾を撃ち込まれぽてんと横に転がった毛玉は、波に弾んで今度はユウキに襲い掛かる。
「ぐおっ」
猟兵達の動きにある程度なれたのか、ぶちかましをモロに受けたユウキは仰け反り。
「グゥァァァァァアアアアアアッ!!!」
雄叫びを上げて異形へと変わり始めた。そして、変化に伴って得た爪を抱えた敵将の身体が逃げない様突き刺し。
「グルルルル……アァ……グルァァァァァアア!!!!」
「フェェェェェェン!!」
人外同士の戦いが始まった。毛玉が身体を伸ばして紐状になり真の姿のユウキを締め上げようとすれば、爪で突き刺した方の腕で薙ぐようにオブリビオンの身体を振り回すと、漂う船の残骸を毛玉の身体で殴りつける。
「ブェン」
悲鳴を上げつつも毛玉は毛玉で、自身が叩きつけられた船の残骸を絡め取ると、ユウキの顔面目掛けて振り下ろす。
「がアッ、ぐオオオオッ」
「ブェン゛」
殴られて口元から血を垂らしながらも今度はユウキが爪に刺さったオブリビオンの身体をもう一方の腕で殴り飛ばし。
「当たれっ」
吹き飛んで行く毛玉目掛け狙い澄ましてケイは盾を投げると戸板で波に乗り距離を詰める。
「フェブ、フェン」
さんざん人外決戦をやっておいて、追い打ちに盾まで命中しながらも秀吉は再び反撃に転じようとした。
「そうはさせませんわ」
「フェン?!」
飛び掛かろうとしたのか、また光線を撃とうとしたのか身を起こそうとした毛玉を翠蘭が銃撃し。
「ありがとうございます」
礼を言ったケイは両の掌をオブリビオンに向けると高圧電流を放った。
「フェェェェェン」
絶叫と共に黒い毛玉は震え。
「今です」
シールドバッシュに出るべく盾を構えケイが呼び掛けた時にはもう触手がオブリビオンの身体に絡みついており。
「これで――」
顔面にアリエルを叩きつけると、ぽてりとひっくり返った毛玉はもう動かず、骸の海へと還り始めるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『大帝剣『弥助アレキサンダー』』
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POW : 大帝の剣
単純で重い【両手剣型メガリス『大帝の剣』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 逆賊の十字架
自身の身体部位ひとつを【触れた者の闘志を奪う超巨大肉塊『視肉』】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 闘神の独鈷杵
自身からレベルm半径内の無機物を【無尽蔵に破壊の雷槌を放つ『闘神の渦潮』】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:みやこなぎ
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
二天堂・たま
秀吉は“サル”という呼ばれ方もしたそうだが、アレは“サル”…だったのか?
まぁいい。本命は大渦の上に浮いているアフロ大帝だ。
その辺に浮いてる木片で即席のサーフィンボードを用意すれば、大渦に引かれて弥助の元まで進めるはず。
弥助が宙に浮いている理由は分からんが、そう高くは飛べんらしい。
ボビンケースを投げて、糸で拘束を狙ってみよう。
縛れても一瞬の隙が作れれば恩の字と言ったところだろうが。
あの両手剣で攻撃をしかけてくる瞬間は、こちらに接近してくるハズ。
ワタシもケットシーの肉球、もしくはケットシーインパクトの衝撃波で攻撃できる間合いに入る。
足場は不安定だが、空中戦ならこちらにも覚えがあるぞ。
「秀吉は『サル』という呼ばれ方もしたそうだが、アレは『サル』……だったのか? まぁいい」
目の前の将、大帝剣『弥助アレキサンダー』を守っていた黒毛玉を思い出し、首を傾げたたまは疑念を放り投げると荷物からボビンケースを取り出し、近くに浮いていた木片へと降り立った。
「大渦の力、利用させてもらおう」
サーフィンの要領でバランスをとると渦に差し掛かった木片はたまをのせてまま引き込まれ、一気に加速。
「来たか、猟兵」
急加速で距離を詰めてきたたまを見据え弥助もまた動き出す。
「なるほど、確かにそう高くは飛べんよう――」
両手剣で攻撃をしかけてくる瞬間は、こちらに接近してくるハズ、そう思いたまは手に持っていたボビンケースを投げるべく振りかぶり。
「ん? ん?」
片足を超巨大な肉塊へ変貌させたアフロ大帝もとい弥助を思わず二度見する。
「秀吉殿、解かってるぜ! コイツらは秀吉殿を突破してきてるんだ! 油断はしないよ!」
「っ、早」
骸の海へと還りこの場にいない隠し将に語りかける様にして弥助が繰り出したのは、先もしくは同時のタイミングでユーベルコードの発動など許さない絶対的な先制攻撃の一撃。
「ぶっ」
超巨大肉塊と化しているそれをまだ足だと仮定するなら蹴り、なのだろうか。
「いかん、これ、は……受けよ、我――」
ボビンケースと共に肉塊にめり込んだたまは、急速に闘志を奪われてゆくのを感じつつも気力を振り絞って肉球から衝撃波を放つ。
「うおっ」
衝撃波を放った反動で肉塊からたまの身体が排出されるが、威力は不十分。
「あそこから反撃してくるとは驚いたぜ。ちゃんと対策取られてたら、どうなったことか」
「ここまでか」
ごっそり闘志を奪われたたまは元に戻った足を軽く振る弥助を眺めながら退くのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
胡・翠蘭
※アドリブ歓迎
【SPD】
武将…にしては、奇抜なお姿ですわね…(頭部を見て)
いえ、渡来人なる者もおりましたし、個性ということでしょうか
まぁ、オブリビオンですから、どのような姿でも関係なく屠るだけですわね
真の姿を解放
まずは防具改造で防御強化し、激痛耐性を活性
第六感で出来るだけ敵の攻撃を見切り、特に初撃はダメージを軽減すべく防御と回避に専念
闘志を奪われるというのは厄介ですが…ええ、ならば攻撃する意思よりも、奉仕の精神…快楽を与えるという目的強めにUCを発動
敵を視界に捉え、海の中よりわたくしの触手たちを喚びだし…渦に乗じてお身体を撫でましょう、絡めましょう…催眠と魅了を含ませた媚毒に塗れた触手で…ふふ
「武将……にしては、奇抜なお姿ですわね……」
頭部に視線をやる翠蘭の言葉に弥助アレキサンダーはまぁなと肩をすくめて応じた。
「信長様には肌を洗せて確認とかされたしなぁ」
どこか遠くを見た瞳の先はここではない遠い過去へ向けられているのだろうか。
「いえ、そちらについてではないのですが……渡来人なる者もおりましたし、個性ということでしょうか」
すれ違いはあるものの、翠蘭からすれば結論はきっと変わらない。オブリビオンであるならば、どのような姿でも関係なく屠るだけと言う結論は。ちなみに、弥助アレキサンダーも一応渡来人である。
「んじゃあ、始めるとするかい」
「そうですわね」
視線がぶつかり、お互いの姿が変わってゆく。弥助は再び身体の一部を超巨大肉塊『視肉』へと、翠蘭は真の姿へと。
「いくぜ!」
先に動いたのは弥助だった。
「っ」
第六感を頼りに蹴りと言うべきかぶちかましと言うべきか、接近した超巨大肉塊から翠蘭は身を躱す。
「へぇ、さっきの奴にこれを見せたのは失敗だったかねぇ」
若干苦い顔を弥助は見せるが、肉塊は止まることなく再び翠蘭を襲う。
「く」
今度は足先が掠め、僅かに萎える闘志に翠蘭が顔をしかめる。
「闘志を奪われるというのは厄介ですわね……」
まともに喰らわなくても、触れただけで効果があるのだ。
「捉えたぜ!」
だからこそ、幾度目かの蹴りで翠蘭が逃げきれないよう大渦の海面と超巨大肉塊でを挟みこんだ形になったは勝利を確信し。
「ああっ」
確かに肉塊に当たった翠蘭が海の中に落ちた瞬間、これで終わったと弥助アレキサンダーは思った。
「秀吉殿、見て居てく」
ただ、最後まで言葉を続けるよりも早く、海の中から生えた触手がその身体に絡みついた。
「な、闘志は奪ったはずだぜ? それで、何故――」
「ふふ……」
驚く弥助を海の中から見上げ、翠蘭は微笑む。
「戦わなければ、闘志も必要ありませんわ」
翠蘭の放ったのは攻撃ではあるが、その意図は攻撃にあらず。こうどちらかと言うとマニアックで大人な方面のサービス的な意図で放ったのだ。所謂発想の転換である。
「さ、お身体を撫でましょう、絡めましょう……ふふ、ふふふ」
「お、俺の思っていた戦いと違う! 待て、アフロは止め、アーッ!」
オブリビオンに止めてと言われて触手が止まる筈もなく、関門海峡の大渦の上、弥助の悲鳴が空に響いたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ユウキ・スズキ
対処は簡単、触らなければ…近付かなければ良い。嬉しい事に、船の残骸やら無傷の船やらはいくらでもあるんだ。技能や装備を駆使し、徹底的に距離を取らせてもらう。
「さて、オブリビオン。一つ質問だ。お前は人か?それとも信長の飼い犬か?」
「飼い犬というならば大いに結構。俺は明智ほど甘くないんでな。邪魔な畜生は仲間と袋叩きにしてでも屠殺させてもらう」
「だが、お前が人であるというのなら…」
UC起動。
武器は全て捨てる。
「信長の飼い犬ではなく、一人の男であると言うのなら…小細工抜きで、こいつで決着付けようぜ?なぁ、弥助?」
「戦場に生きるただの一人の男として…」
※弥助が応じるのならば、一騎討ちによる殴り合い希望。
雨咲・ケイ
渡来人といえどサムライの生き様に
変わりはないというわけですね。
「私は雨咲ケイといいます。勝負願います」
と一礼。
【POW】で行動します。
敢えて正面から挑みましょう。
敵の先制攻撃には【第六感】で反応し、
構えていたアリエルの盾を輝かせて【目潰し】を
狙います。
一瞬でも怯ませる事が出来れば、そのまま
大帝の剣による一撃に対し【光明流転】で
反撃します。
成功した場合は、更に【シールドバッシュ】
による【2回攻撃】で攻めます。
失敗した場合は【盾受け】と【オーラ防御】を
併用してダメージを最小限に抑えるように
務めましょう。
アドリブ歓迎です。
「渡来人といえどサムライの生き様に変わりはないというわけですね」
直前の光景には敢て触れず、ケイは弥助アレキサンダーが触手から解放されるのを見計らい、進み出る。
「私は雨咲ケイといいます。勝負願います」
「あ、ああ。受けて立つぜ」
一礼したケイにどことなく気まり悪げなのは、直前の戦いが、戦いだったからであろうか。
「いざ、尋常に――」
「っ」
勝負、と言う言葉を聞いた時には、もう弥助は大帝の剣を振りかぶり距離を詰めて来ていた。
「ぐっ」
叩きつけるが剣先で左肩から胸にかけて浅く斬られるで済んだのは、まさしく第六感の為せる業であり。
「ちっ」
直後にケイの手にしたアリエルの表面が輝き、光が目に入ったか弥助が顔をしかめた。追い打ちをかけようとしていたのだろう、海面を破壊するように叩いた反動を利用し、斬り上げる剣の軌跡がわずかにぶれ。
「見えましたよ……。次の一手が」
自身を両断しかねない斬撃を氣の流れで読み切ったケイは、斬撃を掻い潜り至近距離から反撃の一撃を叩き込んだ。
「ぐがっ」
重い一撃に弥助の動きが、一瞬止まり。
「ここでっ」
ここぞとばかりにケイはアリエルで殴りつける。
「うっ」
殴られた弥助ではなくシールドバッシュを繰り出したケイの方が呻きを漏らしたのは、先の斬撃で斬られた肩が痛んだが故。
「それでも――」
相応のダメージは敵へと与えた。
「く」
独鈷杵を握った手でケイに殴られた場所を押さえ、弥助は顔を上げ。
「さて、オブリビオン。一つ質問だ。お前は人か? それとも信長の飼い犬か?」
視界の中に立って問いを投げたのは、ケイではなく、ユウキであった。
「飼い犬というならば大いに結構。俺は明智ほど甘くないんでな。邪魔な畜生は仲間と袋叩きにしてでも屠殺させてもらう」
答えを待たず言葉をつづけながら、ユウキは仲間達と目の前のオブリビオンが繰り広げた戦いを振り返る。
(「対処は簡単、触らなければ……近付かなければ良い。嬉しい事に、船の残骸やら無傷の船やらはいくらでもあるんだ」)
胸中で呟き、意識を漂う木片へ僅かでも向けたことを気取られぬようにユウキはただ弥助を見つめ。
「だが、お前が人であるというのなら……」
ユーベルコードを起動して誘うつもりであった。
「信長の飼い犬ではなく、一人の男であると言うのなら……小細工抜きで、こいつで決着付けようぜ? なぁ、弥助?」
と、だが。
「俺は武士だ! だが、秀吉殿の覚悟に報いるためにも、万にひとつの負けも無いように全力を尽くさなきゃなんねぇ」
誘いの言葉が出るよりも早く、悪いなと口にした弥助の足が超巨大な肉塊に変わる。
「『武者は犬ともいへ、畜生ともいへ、勝つことが本にて候』だったか」
ポツリと漏らした時、肉塊はユウキに迫っており。ユウキもまた身を投げ出していた。
「ちぃ」
肉塊が頭上を通過し、着地した船の残骸が沈み込みロングコートの端が海水に濡れる。
「そっちがそのつもりなら、屠殺させて貰うだけだ」
攻撃するぞと言わんがばかりに言い放ち、逆に残骸を蹴って後方に飛ぶ。同時にいつの間にか手にした銃を発砲し、けん制しながら次の足場を探し。
「くっ」
肉塊に銃弾を受けた弥助は顔を歪めユウキを追う。
「超巨大、となりゃ銃弾を躱すのも難しいよな」
その分大きさゆえにリーチはある。
「けど、忘れてないか? 仲間と袋叩きにしてでもって言ったよな?」
「がっ」
ユウキを追い回していた弥助の身体が傾ぐ。めり込んでいたのは、投じられたケイの盾、アリエルだ
「じゃあな、臆病者。残念な戦いになったが――」
元々ダメージは蓄積していた。捨てなかった重火器を全て弥助に向けると一斉に発射し。
「すまねぇ、秀吉……殿」
蜂の巣にされた弥助の身体は、骸の海へと還りながら渦の中へと落ちていったのだった。
成功
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