●村人と、狐と、信仰と
妖狐とは人を化かす妖怪である。しかし、その性質は義理堅く助けた人間に対して恩を返すと言う。
そんな妖狐の伝説がひそかに語り継がれる村の、小さな神社。宝玉を咥えた狐の像が、何処か愛嬌があると言い始めたのは誰だったか。
像の前には、毎日何か捧げられていた。花や小銭、折り鶴や飴菓子。圧倒的に多かったのは、やはり狐だからだろう、油揚げだった。
『お狐様、今日もおあげ、もってきたよ』
村の子供が、笑顔で供物を供える。変わらない風景、変わらない日が続いていく、筈だった。
ある日。
狐の像が粉々に壊されてしまった。犯人は誰だ、と一時期騒然となるが、凡そ、人の手で行える所業ではなく。
いつしか、神社に人が寄り付く事もなくなってしまった。
そんな、冬の夜。
人のいない神社に、狐火が小さく灯る。ひとつ、ふたつ、みっつ。
其れは、次第に数を増やし、首の無い狐の姿を写し取る。
―かつて、神社に居た狐の像と同じ姿を。
ふわりと尻尾を揺らした首無し妖狐は、地を蹴り、村の方へと飛び歩く。その後ろに、同じような姿の首無し妖狐が続く。
先ずは、この村を。病と厄災に染め上げる為に…。
その様子を、一人の妖狐が静かに見つめていた。
●とある妖狐はかく語りき
「はろはろー。来てくれてありがとー」
ひらひらと片手を振りながら、セツナ・トゥイーディア(燐光スターダスト・f02091)は手にしていた狐のぬいぐるみを机に置く。
「あのね、サムライエンパイアで首の無い妖狐たちが村を襲うって言う事件が起こってねー。これを何とかしてきて欲しいんだー」
これじゃあ、妖狐の風評被害だよー、とぷりぷり怒りながらセツナが続ける。
「もともとは、村に祀られてた妖狐らしいんだけどー、突然こうなっちゃったらしいよー?これは、裏に絶対何かあるってー」
村に現れる首無し妖狐の数は20体。個々の能力は大したことなく、うまく統率も取れていないようだ。しっかりと1体ずつ処理することが出来れば、何の問題もなかろう。
それらを全て倒せば、背後にいる『何者か』と接触、もちろん戦闘になるだろう。相手の目的が何にせよ、村を滅ぼそうとするオブリビオンを放っておく事は出来ない。
「事件を解決したら、村の人たちがお礼を込めてごちそうしてくれるぽいよ」
村の特産品である米を使った酒を振舞ってくれるようだ。酒が飲めない未成年には、甘酒を提供してくれる。その他にも、つきたての餅やら雑煮やら、様々な物を準備してくれるようだ。餡子やずんだ、胡桃など手作りの餡を餅に乗せてくれるよう。
「村の人に言えば、お餅つきも体験させてくれるみたいだよー」
お餅、おいしいよねえー、とニコニコとセツナが告げる。
「そんな訳で、オブリビオンを倒して楽しい一日を過ごせるように、頑張ってね」
幽灯
幽灯(ゆうひ)と申します。
今回は、とある国にそっくりな、島国のお話をお届けします。
●1章
首無し妖狐の数は20体。
大体、大型犬ぐらいの大きさです。
●3章
ご一緒する方は「お名前」か「ID」を記載してください。
また、セツナをお誘いする場合も、その旨をプレイングに記載してください。
それでは、良き冒険となりますよう。
第1章 集団戦
『憎しみに濡れた妖狐』
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POW : 神通力
見えない【波動】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD : 鬼火
【尻尾から放たれる怨嗟の炎】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : 心眼
【常に相手の思考を読んでいるかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●嘗ては守護者、今は…
多数の首の無い妖狐が、ふわりと地に降り立つ。降り立つと同時に尾に灯る狐火も僅かに揺らめく。
彼らに何があったのか。其れを知る術は無い。
嘗ては人に愛され、人を護ってきた妖狐。しかし、厄災へと成ってしまった今、猟兵たちに出来るのは、害を与える前に倒す事。
―それが、妖狐の誇りを護る事に繋がるのだから。
ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD】
…神様を奉るのは、荒々しい面を鎮める意味もあるみたいだけど、今回は毛色が違うみたいだね
ともあれまずは首なしさんからだ
静め、鎮め、また奉られるように、ね
数が多いから、一体一体にはなるべく時間を掛けずに畳み掛けたいね
【ブラックドッグ】を召喚して、戦闘能力を強化しながら拷問具…黒の鞭を振るおう
大丈夫、痛いのは一瞬だよ…多分ね。自分には使えないから分からないけどねぇ
囲まれないようわんこに騎乗したまま駆け回り死角を取られないように立ち回るよ
撃破順は村人に近い、又は害をなそうとしている、又はこちらに近づいてきた個体から
手数はブラックドッグにも攻撃させて補おう
わんこは手近な敵を食い千切って貰うよ
ジョー・グラム
頭がねぇんじゃどっち向いてんのかさっぱり分からねぇな。
ま、目の前に居るのを片っ端からといきますかね。
弱っているような奴がいればそいつに攻撃を集めて手早く数を減らす。
武器は熱線銃をメインに使って、近寄ってきたらクイックドロウで蜂の巣にしてやるぜ。
「口もねぇんじゃお稲荷さんは食えねぇな、代わりに俺の弁当にしておくぜ」
大体いつも葉巻を咥えてふてぶてしく笑っている。
片手はポケットに突っ込んだまま。
麗明・月乃
ふぅむ。
狐の像を破壊するとは何ともけしからん奴じゃの。
犯人は気になるが…ま、とりあえず妖狐を鎮めんとの。
まずは物陰とかを利用して一匹だけに【フォックスファイア】で攻撃を加えて、広い場所まで退避して誘い出してみるのじゃ。
「かかったのう!これを食らうのじゃ!」
で、【鶏の頂点に立つ少女】で鶏を投げつける。わざと外す。ぽてんと地面に落ちる。
そして分裂した鶏の上に立って強化したフォックスファイアを撃ちまくるのじゃ!
鶏の鳴き声やらに釣られて他の妖狐もやってくるかもしれんが、強化された私に隙はない!(と良いなと思ってる)
この鶏達は食べればきっと美味しいぞえ…?と誘惑しつつ、
鶏に釣られた隙に薙ぎ払うのじゃー!
のそり、と首の無い妖狐が歩を進める。その後に続くように、二匹、三匹。ゆっくりと此方に近づいてくる。
「ふぅむ」
金の狐耳を揺らし、麗明・月乃(多分すごい金狐・f10306)が一度、神社の方を見やる。
「狐の像を破壊するとは何ともけしからん奴じゃの。犯人は気になるが…ま、とりあえず妖狐を鎮めんとの」
姿は違えど、同じ種族だからだろうか。一瞬、悼みの表情を浮かべるが、すぐに真剣な表情へと挿げ替わる。
ざっと周囲を見回し、ジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)が咥えていた葉巻の香りを吸い込む。
「頭がねぇんじゃどっち向いてんのかさっぱり分からねぇな。ま、目の前に居るのを片っ端からといきますかね」
ふぅ、と煙を吐き出すと愛用の熱線銃を肩に担いだ。
ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)は、ぼんやりと迫りくる妖狐の姿を瞳に写す。
「…神様を奉るのは、荒々しい面を鎮める意味もあるみたいだけど、今回は毛色が違うみたいだね」
少年のような見た目に反し、彼は百寿を迎える不老の人狼。渡り歩いた世界の何処かで、似たような事例に遭遇した事があったのかもしれない。
各々が、得物を構え戦闘の態勢に入る。
最初に動いたのは、月乃。ぐるりと周りを見回し、手近な木へ小さなその姿をうまく覆い隠す。
手のひらに狐火を生み出し、先頭を駆ける妖狐へと命中させる。敵の気配を察知し、首無し妖狐が発生源を探り、木の陰から姿を現した月乃の気配を読み取る。
にんまりと笑みを浮かべ、月乃は村の広場へと走る。ジョーが、ヴォルフガングがその後に続き、首無し妖狐を誘導する。
広場にて立ち止まると、ヴォルフガングは傍らに3mを越える黒い巨大な犬を召喚し、騎乗する。
二人からやや離れた位置にて、ジョーが熱線銃を静かに構える。
「かかったのう!これを食らうのじゃ!」
そう宣言した月乃が鶏の頂点に立つ少女(キング・オブ・ニワトリファンタズム)にて鶏を召喚し、首無し妖狐の群れへと投げつける。
ぼて、と鈍い音を立て、鶏が地へと落ちる。そのシュールな光景に、場が一瞬制止する。…首があれば、敵の妖狐のぽかんとした顔を拝めたかもしれない。
『コケー!!コケコッコー!!』
けたたましい鳴き声を上げ、地に落ちた鶏がその数を増やす。
いち早く衝撃から回復したヴォルフガングがブラックドックを走らせ、妖狐の群れへと迫る。拷問具である黒き鞭を振るい、首無し妖狐を屠っていく。
―其れは、まるで舞うように。戦場を軽やかに駆け行く。
「大丈夫、痛いのは一瞬だよ…多分ね。自分には使えないから分からないけどねぇ」
のんびりとヴォルフガングが言葉を紡ぐ。…其の呟きを聞く相手は、既に地に伏せてしまっていたけれど…。
心眼を使い、回避した妖狐もいたが、ジョーが熱線銃で的確に打ち抜いていく。
片手をポケットに入れたまま戦う其の姿は、何処か余裕すら伺える。
隙を狙い、ジョーの背後に鬼火を携えた首無し妖狐が迫るが、焦らずにクイックドローで確実に沈めていく。
「口もねぇんじゃお稲荷さんは食えねぇな、代わりに俺の弁当にしておくぜ」
大きく葉巻の煙を吐き出したジョーが不敵に笑った。
一方、大量の鶏を呼び出した月乃は、やはり鶏と共に戦っていた。
「この鶏達は食べればきっと美味しいぞえ…?」
幾らかの鶏は、首無し妖狐の鬼火に焼かれてしまっていた為、その言葉には何処か説得力があった。
ヴォルフガングの黒き鞭が、首無し妖狐の血で赤く光り、ジョーの葉巻の1本が燃え尽き、月乃の呼んだ鶏が幾らか消滅した頃。
首無し妖狐の数は、半数にまで減っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
叶・雪月
各個撃破と参りますか
遠くから物飛んで来るとなるといかに1対1の状況に持って行くかが肝か
となると地形や自然を使うのがいいな
なんとか木があるあたりで戦いたい
木があれば物が飛んでくる方向が限定されるし何より攻撃が先読みされるのを逆手に取れる
避けたと思った攻撃で倒れた木に襲われるっていうのは意外だろ
さてめでたき新年迎える為にさっさと終わらせよう
純・ハイト
相手の思考を読んでるかのように動いて回避してくるなら【全力魔法】と【属性攻撃】・【範囲攻撃】でかわされないようにエレメンタル・ファンタジー(自然は津波・属性は氷)で氷の津波を発動させて攻撃する。そのさいに大きな声で注意を言って攻撃範囲内から離れてもらうようにするが、他の猟兵が攻撃内にとどまっていたら当てないようにする。
白那・真瑚
かわいそうに…こんな姿になっちゃって
どうして、こうなっちゃったんだろう。訳を、聞かせて
こんな姿になったのには、きっと、訳がある
自発的に攻撃はせず、サポートに回る
波動で何かが動いてきたら、当たる直前に素早く避けて妖狐との相打ちを狙う
鬼火は、障害物を縦にして、回避
マコと、妖狐では、きっと言葉は通じない
けれど、音楽だったら、どうだろう
妖狐の攻撃が途切れたところを突いて、オカリナを取り出す
どうか静まって…怒りを静めて…
奏でるのは、優しい風のようにそばに寄りそうセレナーデ
耳がなくても、直接届かなくても、どうか心に届いてと願って…
残りの妖狐の数は十体。
如何に数が減ろうと、妖狐は怯む様子は全く見えず。只、病を、厄災を振りまく一点のみ注視しているようだった。
「かわいそうに…こんな姿になっちゃって…。どうして、こうなっちゃったんだろう」
悲痛な表情を浮かべ、白那・真瑚(ティルナノーグ・f01712)は祈るように手を組む。無数いる首無し妖狐のどれか。村の人間に愛され、祀られてきた妖狐もきっと、村人を慈しんでいた筈だと。
鋭い眼光で周囲を観察しながら、叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)は戦闘態勢へと入る。仲間を倒され、気が立っているようで何時でも此方に飛び掛かってくる体勢だ。
純・ハイト(フェアリーの魔術士・f05649)は、眼前に迫る妖狐に目もくれず、ぶつぶつと言葉を落とす。
「…敵を、一人残らず始末しないと…」
聞き取れたのはほんの一部。しかし、言葉の端々には強い嫌悪が滲み出ていた。
「各個撃破と参りますか」
雪月が、己が本体である太刀をすらりと抜き放つ。―遥か昔に打たれた、叶派作の太刀。
アタリをつけていた大木へ駆け寄ると、逃亡行動と思ったのだろうー3体の首無し妖狐が後を追って来ていた。
生温い風が駆け抜ける。刹那、首無し妖狐の周りに落ちていた、砂利石が浮き上がる。
妖狐の神通力にて浮き上がった砂利石は、明確な意思をもって雪月に襲い掛かる。
大木のおかげで、砂利石が飛んでくる方向は制限されている。しかし、それら全てを防ぐ事は出来ず、その一つが頬を掠めた。
「やってくれるな」
親指で頬の傷を拭うと、手近な首無し妖狐へと一閃、月下氷雪(ゲッカヒョウセツ)を繰り出す。返す刃で、更にもう一体の妖狐を切り伏せた。
人よりも小さな体躯。フェアリーであるハイトに術を当てるのは、やや苦難なのであろう。命中精度の上がった鬼火が、ハイトを襲う。
肉の焦げる匂いがする。鬼火の一つが腕を掠める。鮮血が、彼の衣服を濡らす。その様子を見て、真瑚は咄嗟にオカリナを取り出す。
(どうか静まって…怒りを静めて…)
祈るようにオカリナに唇を寄せ、音を奏でる。はるかぜのセレナーデ(ウィンディア・セレナーデ)がハイトの腕の傷を癒す。
傷が癒えても、真瑚は演奏を止めなかった。きっと、この妖狐たちだってこんな事を望んでいるわけではなかった。首は刈り取られてしまったかもしれないけれど、例え聞こえなくても、心に届け、と。
強く、強く念じて演奏を続ける。春の匂いが、春の風が、その場を満たす。ほんの僅かに、妖狐の動きが止まる。
それを好機と取ってか、ハイトが雪月と真瑚に向かって叫ぶ。
「でかいの行くぜ。こっから離れろ!」
先ほどとは違う、冷たい空気が場を覆う。雪月が、迫っていた首無し妖狐を横に切り払い、その場から飛びのく。真瑚が、何処か心配そうな表情を浮かべながら、ハイトから離れる。
魔力の奔流が翻り、ハイトの、全力の精霊術が開放される。
―エレメンタル・ファンタジア。
氷が津波のように押し寄せ、首無し妖狐を押し潰していく。
『…こーん』
何処からか、狐の鳴き声が響いたよう。其れは、人へ害を与える前に倒してくれた猟兵たちへの礼か、はたまた…。
氷の波が消えると、其処には何も残ってなかった。
雪月が周囲を見、敵がいないことを確認する。太刀を払い、血糊を落とした後、鞘へと収める。ハイトは、己の魔法が味方を巻き込まなかったことに僅か安堵する。…そんな感情すら一瞬で消え去ってしまうけれど。
真瑚が、そっと目を伏せる。
(…マコの音楽は、妖狐に届いたかな)
首無し妖狐がすべて倒された今。
この先に待ち構えるは、この事件の首魁。この悲しみを打ち払うためにも、猟兵たちは前を見据えるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『黒幕の助言者』
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POW : 死灰復然(しかいふくねん)
【Lv体の武者】の霊を召喚する。これは【刀】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
SPD : 含沙射影(がんしゃせきえい)
【無数の影の刃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 電光雷轟(でんこうらいごう)
【錫杖】を向けた対象に、【激しい雷光】でダメージを与える。命中率が高い。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠犬憑・転助」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●黒の僧兵
しゃらり、と錫杖が音を立てる。黒の僧衣に身を包んだ、赤毛の青年が、無表情に村を見やる。
「折角、村に悲劇を齎す為に、妖狐を穢れに堕としたと言うのに。こうもあっさりと倒されてしまっては、…つまらない」
ほんの僅かな戯れであったが、こうも邪魔されては腹の虫が収まらぬ。虚無を乗せた笑みを浮かべ、僧兵は己に害を成そうとする猟兵を一瞥する。
此度の元凶を倒し、平和を運ぶことが出来るのか。
「今度は我と遊んではくれまいか」
猟兵の肩に、この村の未来が掛かっている―。
麗明・月乃
なるほどなるほど。
つまりお主は自分が楽しむために、遊ぶためにあやつらを堕としたと。
――下衆が。地獄に落ちろじゃ。
直接殴りたいが…私一人でもないからの。
【弱者の力】を全力魔法で発動。まずは動きを封じる。
「遊びたいのじゃろう?ほら、こやつらも遊びたいそうじゃぞ」
武者の霊がいればそちらに向かい【妖花演舞】で範囲攻撃。
いなければ【薄明を告げる者】で鶏とヒヨコをけしかける。
…そやつらは封印を解いて野生の力を発揮する者達じゃ。見た目よりも強いぞ?
私自身は含沙射影の射程外と思う所まで離れる。可能なら建物の何かの陰に隠れて錫杖を向けられないようにしたいのう。
「存分に遊べ。宴はまだ始まったばかりじゃ」
白那・真瑚
…今、なんて言った
私利私欲のために、妖狐たちを利用しようとしたのか…!
妖狐達の苦しみ、お前にも味わってもらう
錫杖の矛先に捕まらないよう、自身のSPDを信じて縦横無尽に飛び回る
雷光を振り切ったら、大きく跳躍、相手の頭上を飛び越え、背後に
隙をついてオカリナを取り出し、吹く!
怒りに呑まれるな…演奏は静かに、冷静に…
だけど篭もる音は段々と熱を帯びて激しい旋律に
それはやがて地表を隆起させ、足元から激しい地割れを起こす
「闇の彼方に呑まれろ――!」
目標地点は相手の足元…地の精霊よ、力を貸して…!
妖狐が焼いた地を、黒の僧兵の足が踏み締める。動く度に、しゃらしゃらと錫杖が軽やかな音を奏でた。
「なるほどなるほど。…つまりお主は自分が楽しむために、遊ぶためにあやつらを堕とした、と」
自身の拳を強く握りしめ、麗明・月乃(夜明けを告げる金狐・f10306)は俯いていた顔をあげた。
「―下衆が。地獄に落ちろじゃ」
青空を写した青い瞳は、強い決意と怒りに溢れていた。
同じく、怒りを覚える者がもう一人。
「…今、なんて言った。…私利私欲のために、妖狐たちを利用しようとしたのか…!」
普段の穏やかな雰囲気をかなぐり捨て、白那・真瑚(ティルナノーグ・f01712)も強い怒りを露わにした。飴色の瞳に、怒りの炎が灯る。
「妖狐達の苦しみ、お前にも味わってもらう」
月乃と真瑚の強い怒りに晒されて尚、黒の僧兵の表情は揺るがない。
僧兵が錫杖を地に振り下ろすと、武者の亡霊が召喚される。亡霊が、すらりと刀を抜き放つ。
亡霊が召喚されたのを確認すると、月乃が金色の炎で狐を模ったかと思えば、同色の花びらへと散った。
亡霊が突きの型を構え、腰を深く落とし跳躍するのと同時、金色の花びらが亡者を襲う。
ゆらゆらと、炎で形成された花びらが明確な意思をもって亡霊の身を焼き尽くした。
亡霊が消えた事を確認し、真瑚が震える手でオカリナを唇に寄せる。―怒りに身を焦がしてはならない。自身を戒め、心を落ち着かせる。
初めはゆっくりと。優しい音色が周囲に響き渡る。しかしてそれは、だんだんと激しい音色へと成り替わる。
黒の僧兵の足元が、激しく揺れる。
(……地の精霊よ、力を貸して…!)
其れは、大地を突き上げる震動へと変わり、地割れを起こす。
『…小賢しい、真似を…』
真瑚の、全力の魔法が黒の僧兵を襲う。
「闇の彼方に呑まれろ―!」
オカリナをそっと下に降ろし、ぽつりと真瑚が呟く。刹那、地割れに飲まれようとしていた黒の僧兵がその場を飛びのくのと同時。割れていた地面が勢いよく閉じた。
寸前、間に合わなかったのか黒の僧兵の片足が、地に挟まれる。
『…ぐっ』
痛みなんて気にも留めないよう、黒の僧兵は勢いよく足を地から引き抜いた。
その様子を見ながら、月乃が無表情に呟く。
「…宴はまだ始まったばかりじゃ。…覚悟せい」
「妖狐たちの苦しみは、こんなものじゃありません。…絶対に、許しません」
虚ろな笑みを浮かべ続けていた黒の僧兵。その表情が、憎らしいモノを見るように変わった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
叶・雪月
貴様が黒幕か
面白い、遊んでくれか
いいだろう、精々俺の刃で踊り狂ってもらおうか!
俺は懐に近づいて一気に行くのを狙いたい
その前に奴が召喚した武者を削ってからだな
いざ、我が刃にひれ伏せ!
俺が親玉の気を引けば少し後ろとか手薄になるだろうからな
その辺はほかの奴らに任せた
さあて、祭りの前にさっぱりさせますかね
ジョー・グラム
へぇ、俺たちと遊びてぇってのかお腹が冷える前にベッドに帰った方が良いぜカラス坊や?
それとも、コイツで温めて欲しいのか?(熱線銃向ける)
熱線銃で戦いつつ、隙があれば釣り鐘型ガジェットで相手を捕まえて焼く。
坊主ならコイツは効くだろ。
仲間と連係して相手の耐力をゴリゴリ削っていくかねぇ
とっとと失せろ、辛気くせぇのは好きじゃねぇんだ。
潰れた片足を引きずりながら、黒の僧兵が此方を睨みつける。
その様相を叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)が静かに見つめていた。
「貴様が黒幕か」
自身の器物でもある刀を抜き放ち、鋭い眼光で黒の僧兵を睨みつける。
「面白い、遊んでくれか。…いいだろう、精々俺の刃で踊り狂ってもらおうか!」
抜き身の刀が、呼応するように清らかな光を帯びる。
ジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)が、愛用の熱線銃を肩に担ぎながら、新しい葉巻を咥える。
「へぇ、俺たちと遊びてぇってのかお腹が冷える前にベッドに帰った方が良いぜカラス坊や?」
銃口を黒の僧兵に向けながら、射貫くよう見据える。
「それとも、コイツで温めて欲しいのか?」
引き金には指が掛かっており、すぐにでも打てる状況である。
『我の力…。こんなものではないぞ』
黒の僧兵が言葉を落とすと共に、戦いの火蓋が切って落とされた。
黒の僧兵が横に手を薙ぐと、彼の影が歪み、無数の影の刃が現れる。影の刃は雪月とジョーを狙い、一直線に向かってくる。
雪月が一歩踏み出し、影の刃を打ち落とすべく刀を構えた。上段の構えから一閃、更に返す刃で下から上へと薙ぎ払う。
例え影の刃であろうと、雪月の月下氷雪に斬れぬものは無い。斬られた先から、影の刃は霞となり、消えてしまう。
「我が刃に斬れぬ物は、無い」
ジョーも、熱線銃で己に向かってくる影の刃を撃ち落としていた。
全て防がれるとは予想していなかったのか、黒の僧兵の表情に、やや焦りが混じる。
その隙を狙ってか、ジョーのガジェットが黒の僧兵へと迫る。
釣鐘の形をした其れは、黒の僧兵の姿を捕らえると、すっぽりと其の身を覆い隠した。途端、ガジェットの内部が炎で満たされる。
『…ぐ、ぁあああ』
「坊主ならコイツは効くだろ。全部焼かれてしまえ」
肉の焦げるような匂いが、戦場に微かに香った。ガジェットが消えると、幾らか火傷を負った黒の僧兵の姿。黒かった僧服は、見る影もなく焦げ、焼け落ちていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベール・ヌイ
「遊ぶなら・・・せんせぇと・・・遊ぶほうが・・・いいかなぁ・・・」
【仁上 獅郎(f03866)】さんと一緒に行動を取ります
獅郎さんの呼ぶ方は「せんせぇ」一人称は「ヌイ」
喋り方は基本的に間間に「・・・」がはります
行動としては【クイックドロウ】【属性攻撃】【二回攻撃】【誘導弾】を使って預言者を攻撃しつつ火鳥乱舞を全部くっつけたものを上空から叩きつけます
防御については獅郎さんに任せてとにかく攻撃で、ダメージがきても激痛耐性で無理やり我慢します
仁上・獅郎
この後心置きなく遊ぶために、成敗といきましょうか。
ヌイさん(f07989)、火力の方をお願いいたしますね。
ヌイさんが攻撃に専念できるよう、連携して動くとしましょう。
武者の霊は袖下から出した拳銃の[クイックドロウ]と2回攻撃で排除。
加えて、生まれながらの光で周囲の方の傷の治療を行います。
支援もまた戦いの一つでしょう。
雷光は、攻撃の動作を[見切り]、フック付きワイヤーにて錫杖をこちらに[おびき寄せ]、逸らしましょう。
雷光を喰らう可能性は高いですが、そこは[激痛耐性]と生まれながらの光による高速治療で凌ぎます。
痛かろうがなんだろうが、この程度で倒れてはいられませんので、ね。
ふらりと黒の僧兵の身体が傾く。片足は潰れ、其の身には焼け爛れた痕が幾つか。
誰の目から見ても満身創痍だった。
僧兵の姿を見るベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)の目は何処か眠たげだ。
「遊ぶなら…せんせぇと…遊ぶほうが…いいかなぁ…」
ごしごしと目を擦るベールを微笑ましく見守りながら、仁上・獅郎(片青眼の小夜啼鳥・f03866)は銀色に輝く頭を撫ぜた。
「この後心置きなく遊ぶために、成敗といきましょうか」
―僕は援護に回りますので、ヌイさんはあちらのお相手をお願いしますね?
獅郎の言葉に、ベールは小さく頷く。
「…ん。…ヌイ、がんばる、ね…」
『まだだ、まだ、我は終わらぬ…、終われぬ…!』
黒の僧兵が、煤けた錫杖を天に掲げる。空に雷雲が立ち込める。
―しかし。
雷雲を呼び出すと同時に、獅郎がフック付きのワイヤーを放ち、黒の僧兵が持っていた錫杖を絡めとる。
ぐ、っと力を込めて獅郎がワイヤーを引けば、ダメージのせいで握力が鈍っていたのだろう、錫杖は簡単に獅郎の手へと収まった。奪った錫杖を地面へ叩きつけ、袖の下に忍ばせていた銃を握り、錫杖へと放つ。
「ヌイさん、今です」
雷雲は飛散し、空は落ち着きを取り戻していた。黒の僧兵が、忌々しげに小さく舌打ちをする。
ベールは心得たとばかりに、周囲に炎の鳥を作り出す。その数、凡そ数十程。
それら全てが上空へと飛び立ち、一度制止する。ベールが両手を振り下ろすと共に、炎の鳥が一気に急降下する。
目を見開いた黒の僧兵が、回避せんと僅かに飛びのくが、その動きを追うように炎の鳥が迫る。
炎の鳥が舞うように、黒の僧兵の周囲を飛び回る。嘴が、黒の僧兵の身を削り、翼が身を焼き。
最後の炎の鳥が消える頃。其処には、炎に身を焼かれた僧兵が立っていた。其れがベールへと手を伸ばす。
獅郎が慌ててベールへ駆け寄る。其れよりも先に、僧兵の身が崩れる方が先だった。ボロボロと、風に溶けるように。後には何も残らなかった。
「…やっつけた、の?」
「そうですね。…よく頑張りました、ヌイさん」
村の脅威は過ぎ去った。もう脅かす存在は、何もない。
激しい戦闘音が聞こえなくなった頃。広場へと村人が一人、二人と姿を見せる。不安気だった表情は、何処か晴れ晴れとしていた。
壊された狐の像を、守護者を弔うよう。脅威を救ってくれた猟兵へ感謝の念を伝えんが為。
村では、ささやかなもてなしの準備が行われていた。
大成功
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第3章 日常
『特産品や名産品を楽しもう』
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POW : とにかく食べる、飲む。力仕事を請け負う。
SPD : 器用に食べる、飲む。特産品や名産品の加工を手伝う。
WIZ : 賢く食べる、飲む。新しい加工の仕方や楽しみ方の提案。
👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●感謝と、弔いと
村のあちこちから活気のある声が響く。
やれ、酒の用意は出来ているか。やれ、もち米は蒸し終わっているのか。やれ、コップは足りているのか、等々。
襲撃があったとは思えないほどに平和な風景が、其処に広がっていた。
―嘗て、其処に存在していた神社の、今は無き狐の像。
なくなってしまった事は哀しいけれど。
忘れようとしていた自分たちを恥じたけれど。
其処にあった事を、今までの想い出を振り返りながら。今日は猟兵への感謝と、お狐様の弔いの為の宴を。
叶・雪月
さて、俺は美味しくいただこう
奉納された米の酒はうまかったからなー
やはり色々な酒がうまいが俺は米の酒が落ち着くな
力仕事が必要そうなら手伝おう
人手があれば直したいところとか結構あるだろ?
家の修繕でもいいしできる限りのことはやる
手が回らないとこは、まあ勘弁してくれや
そうそう後片付けもしないとな
餅ってさ、後片付け後回しにしすぎると固まって大変だろ
とにもかくにも新年早々無事に事件解決でめでたしめでたし、だな
ぱかーん、と小気味いい音が周囲に響く。酒樽を出そうと言い出したのは果たして誰だったか。勢いよく振り下ろされた木槌が、蓋を割る。
叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)は其れを何処か懐かしい気持ちで聞いていた。永い事、神社に奉納されていた彼にとって、鏡割りは親しんだ音なのだろう。
(奉納された米の酒はうまかったからなー)
昔に思いを馳せていた雪月に、小さな枡が差し出される。小さく礼を告げ、盃を受け取ると、ふわりとアルコールと甘い香りが鼻を抜けた。
ぐい、と枡を傾け一気に呷る。その様子を見た村人が豪快な笑い声を上げる。
『はっはっは!兄さんいい飲みっぷりだな!』
こっちの酒も旨いから飲んでみな!と空いた枡に注がれるのは、瓶に入った別の日本酒。先程よりも、やや香りが薄い。
先のが薫酒ならば、此方は爽酒だろうか。
「やはり色々な酒がうまいが俺は米の酒が落ち着くな」
枡の中身を飲み干し、雪月は深く息を吐く。程よい酔いが身体に回る。
少し冷たい風に身を預けると、宴に参加している村人の他に、壊れた物を撤去している人影がちらほら見えた。
妖狐が現れたのは村の神社。石灯籠は倒れ、木は倒れ、一番被害が多そうなのは其処だった。
この空気に浸るのも悪くは無い。でも、己に出来る事があるのであれば。
「どれ、うまい酒の礼だ。少し手伝わせてくれ」
雪月の足が神社へと向かい、そう告げると片づけに精を出していた村人が遠慮がちするが、再度手伝いを申し出れば、感謝の言葉と共に、快く受け入れられた。
宴も、復興も、まだまだ始まったばかり。
大成功
🔵🔵🔵
仁上・獅郎
いやはや、無事に勝ててよかったです。
祝杯代わりに、ヌイさん(f07989)と一緒に甘酒を貰って飲みましょう。
此処まで付き合っていただいてありがとうございます。
あの黒幕相手には僕では火力不足でしたし、お誘いして正解でした。
それから、僕一人で甘酒を貰いに子供達に混ざるのも気恥ずかしくて。
色々な意味でヌイさんのおかげです、あはは。
それでは勝利と新年を祝って、乾杯です。
ベール・ヌイ
「お役にたてて・・・良かったよぉ・・・?」
と言いながらうとうとしてます。
UCの白狼の背に乗って獅郎さん(f03866)と一緒に行動してますね。甘酒は飲んだことがないのでちょっと楽しみにしてます。白狼の分の飲み物は自前で水を用意しましょうかね
乾杯とともに白狼が祝うように鳴いてくれます。
初めて人間の誰かと一緒に祝う新年、いつもどおりの無表情でしかし楽しげにせんせぇと迎えましょう
獅郎さんへの呼び方は「せんせぇ」 自分の呼び方は「ヌイ」でお願いします
別の一角では、女衆が甘酒を振舞っていた。大鍋から、白い湯気と共に、麹の甘い香りが広がる。
甘酒の前には、村の子供たちが列を成して甘酒を貰っていた。それに交じって、仁上・獅郎(片青眼の小夜啼鳥・f03866)と己が召喚した白狼に乗るベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)の姿も。
甘酒を渡される際に、村人から感謝の言葉を告げられる。其の言葉を受け取ったベールは、眠気にぼんやりとした瞳を村人に向ける。
「んーん…。お役にたてて…良かったよぉ…?」
その様子を何処か微笑ましい顔で眺めながら、獅郎がベールの頭をぽふりと撫でた。
甘酒を貰った二人と一匹は、広場の少し離れた位置に腰かけた。―さすがに、白狼に甘酒を飲ませるわけにはいかない為、村人に用意してもらった皿に水を張ってある。
「いやはや、無事に勝てて良かったです。…ヌイさん、乾杯しましょうか」
二人がコップを掲げ、小さく面を合わせた。
『…あぉーん』
其れを見た白狼も、祝いの一声を挙げた。
湯気の立つ甘酒に息を吹きかけながら、ベールの表情は何処か緩んでいた。曰く、甘酒を口にするのは初めてだと言う。
ざらっとした麹の舌触りと、ほんのりとした甘さが身に染みる。
コップの中身が半分に減ったところで、獅郎がぽつりと語りだした。
「此処まで付き合っていただいてありがとうございます」
その言葉に、ことりとベールが首を傾げる。
「黒幕相手には僕では火力不足でした。それに」
僕一人で、甘酒を貰いに行くのは気恥ずかしかったですし、ね。朗らかに獅郎が笑う。その言葉に、ベールがふるふると首を横に振る。
「…ヌイも…せんせぇと…一緒で、良かったよぉ」
こうして、誰かと一緒に年明けを迎えるのも、甘酒を飲んだのも、全部初めての事で。
その機会を与えてくれた獅郎に、ベールはとても感謝していた。だから、眠い目を擦って、にっこりと笑顔で言葉を告げた。
―白狼が、自分の事も忘れるなと頭を擦り付けてきたり、思いのほか甘酒を気に入ったベールが獅郎と共に、甘酒のおかわりを貰いに行くまで、後わずか。
大成功
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ジョー・グラム
一仕事終えた後の酒はまた格別だねぇっと。
綺麗なおねーさんにお酌なんかされちったらもーたまらんね。
やっぱこう言うのが有るから働こうって気になるってモンよ。
加工の手伝いはガジェットで皮むきとか削るとか単純作業っぽいのをぱぱーっと終わらせて、さぁ一杯やろうぜ。
ついでにがきんちょにも、玩具でも作ってやるかな。
ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD】
※アドリブ・他参加者様との絡みは大歓迎です
終わった、ね…皆、本当にお疲れ様
ご馳走してくれるんだ、ふへ、ありがとー。じゃあ有り難く…あ、忘れずにセツナも巻き込ませて貰っちゃお
今回の予知、お疲れ様。一緒にご飯食べようよ、救世主様?(にこにこと手招き)
食べ物やお酒をするりと人波を潜り抜けて確保しつつ…気になるのは持ち上がってる特産品の話しかな
うんとね、村の皆はちょっと怖い思い出にもなっちゃったかもだけど…お狐様のお饅頭とか、どうかな
祀られていた子は、きっとまだまだ村を見守りたかったと思う
…忘れられるのは寂しいから、覚えていてあげて欲しいんだ
後はセツナを模した人形とか?
試作品作りなら任せて!
白那・真瑚
ほっ。村に平和が戻って、よかった
え、ごちそう?いいの?じゃあ、いただきます(ぺこり
ふー...甘酒ほっこり、お米の甘み...(幸せを噛み締める
あ、いいな、おもちつき
マコも、やっていい?
マコ、こう見えても力が(杵が上がらない)...ちからが...(杵が上がらない)
...ぜー、ぜー...こんな、はずじゃ...(ぱたっ
え、おもち料理のお手伝い?うん、やる(こく
これはきなこもち、あっちはあんころもち、こっちはくるみもち...はっ、ヨダレ
うまくできたら、みんなにおもちのおみやげ、できたらいいな、いいよね
周囲の片付けをしていた村人も宴に参加し、広場は賑わいを深めていた。
広場の片隅で、ジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)が自身のガジェットを子供たちに見せていた。子供の前だからだろうか、いつも加えている葉巻には火が付いていなかった。
『すげー、かっこいい!』
子供たちのキラキラとした目線を向けられ、ジョーは気を良くしたのか、村の隅にあった廃材を拝借して簡単な玩具を作り上げた。
わーっと歓声があがる。この手で守った、平和の風景に僅かに口角が上がる。
その声を聴いてか、ニコニコしながら村の女性が一人ジョーの元へ。その手には膳が乗っており、徳利と猪口が。横には小さな皿があり、肴としてだろうか、餅を油あげに入れて焼いたものが乗っていた。
『子供たちの相手をしてくださってありがとうございます』
女性が、ジョーに猪口を持たせ、酒を注いだ。人肌に温められた日本酒を一気に呷ると、かっと身体に熱が灯る。
「一仕事終えた後の酒はまた格別だねぇっと。…綺麗なおねーさんにお酌されたからかねえ」
飲み干したと同時に横から注がれる酒。たまにはこんな日も悪かねぇな、と一人想いを馳せるのであった。
広場の中央では、餅つきが行われていた。力強い掛け声と共に振り下ろされる杵。
その様子を甘酒をちびちびと飲みながら、白那・真瑚(ティルナノーグ・f01712)が見つめていた。
「あ、いいな、おもちつき。マコも、やっていい?」
頬を紅潮させながら、真瑚が餅つきの輪の中へ入っていく。豪快に笑いながら、村人が杵を渡す。
「マコ、こう見えても力が…。…ちから、が…」
杵を振り上げるが、重さに耐えきれずふらついてしまう。そんな様子を微笑ましそうに村の人間が眺めていた。餅つきに参加出来なかったのがショックだったのか、しょんぼりとした様子の真瑚に村の女性が声をかける。曰く、お餅に餡をかけるのを手伝ってほしいという申し出だった。
「これはきなこもち、あっちはあんころもち、こっちはくるみもち…はっ、ヨダレ」
付きたての餅に、きなこを、餡子を、胡桃餡を乗せていく。ほかほかと湯気を立てるお餅に餡を乗せるとふわりと甘い香りが漂う。同時に、真瑚のおなかがぐぅと鳴る。村人が、小さな皿に餅を一つ乗せ、真瑚へと差し出す。
「みんなにおもちのおみやげ、できたらいいな」
甘いお餅に舌鼓を打ちながら、ぽつりと言葉を落とすと、村人から後で包んであげますね、との言葉を貰っただった。
広場を一周し、酒や餅を確保しつつ、ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)の耳に村人の話が聞こえた。
護り神であった妖狐を忘れない為に、何か出来ないか。そういった内容だった。進めていた歩を止める。少し考え、話の輪に加わる。
「うんとね、村の皆はちょっと怖い思い出にもなっちゃったかもだけど…。お狐様のお饅頭とか、どうかな?」
―忘れられるのは寂しいから、覚えていてあげて欲しいんだ。
小さく呟かれた言葉は、誰にも聞かれることなく空へと消えてしまったけれど。
「後はセツナを模した人形とか?試作品作りなら任せて!」
ふふー、と緩く笑みを零しながらヴォルフガングが告げる。が、その言葉はすぐに否定される。
『いやいや、いろいろおかしいからね?私何もしてないからね!?』
ジト目で此方を見つめるセツナが居た。人形の案を全力で却下し、お狐様の饅頭を作る方向で話は纏まった。
はぁ、と疲れたように大きく息を吐くセツナの横で、マイペースにヴォルフガングが酒と食べ物を掲げる。
「今回の予知、お疲れ様。一緒にご飯食べようよ、救世主様?」
『おにーさん、狼って言うより狐みたいって言われた事ないー?』
言われた事、ないんだけどなあ、と尻尾を揺らしながら、ヴォルフガングがセツナへと餅の皿を渡し、逃げ道を塞ぐ。
その後。広場の飲食スペースでちびちびと酒を嗜むヴォルフガングと、出来立ての餅に頬を緩めるセツナの姿が見られたそう。
こうして夜が更けていく。悲しみは今日でさようなら。
明日からはまた、いつもの平和な日常がやってくる。村の平和は此処に守られたのだ。
大成功
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