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エンパイアウォー⑩~マッサージはいかがタコ?

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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『お前らガンガン進めぇ! 村上水軍の力を見せてやりな!』
 南海通の海路を進む巨大な船。
 その甲板に男たちの声が響く。
『へへっ、またこうして海に出れるなんてな!』
『その上報酬もたんまりだ! 富子様様ってヤツだぜ!』
 彼らは魔軍将の一人、日野富子によって呼び出された海賊の怨霊達。
 富子の財によって雇われ、この海路を通るであろう幕府軍を蹴散らさんと船を駆る。
 彼らにとってみれば久しぶりの航海、活気だっていたその表情は、船に乗っているもう一種の存在が視界に入ったことで怪訝な物に移り変わった。
『ところでよ……あいつらって、役に立つのか……?』
『わからんが、按摩の技術は確からしい』
『按摩って―――』
 話しながら、疑惑に満ちた視線を送る。
 その先に居たのは。
『―――タコが?』
 何匹も集まりうねうねとしている、タコの群れ。


「みんなおっつかれーっ! 次はこっちだよーっ!」
 エンパイアウォーの最中で慌ただしいグリモアベースで、エスペラ・アルベール(元気爆発笑顔の少女・f00095)が大きく手を振って猟兵達に呼びかける。
「次のターゲットは、日野富子が建造していた巨大鉄甲船による大船団っ」
 既に日野富子自体は撃破されているが、彼女の残した遺物が未だ幕府軍に立ち塞がっている。
 この鉄甲船は、過去に瀬戸内海を席巻したと言われる大海賊『村上水軍』の怨霊達が動かしており、その操船技術は元より、破壊したとしてもすぐに復元してしまう力を持っているらしい。
 当然ながらこのような相手を幕府軍に近づけるわけにはいかない、今回は船団の内の一隻に乗り込み、撃退するのが目的だ。
 船に直接転移させることはできなかったので、近場の漁村から向かってもらいたい。船までの距離はそれほどでもないので、海上を渡る手段がなくとも小舟を借りるなどすれば辿り着くことは十分可能なはずだ。
「怨霊達は、帆柱に掲げられた水軍旗を降ろしてしまえば消滅するみたい」
 怨霊が消えれば船を動かす者はいなくなり、再生能力も失い驚異とは足りえなくなる。
 また、怨霊達は船の操作に集中するため、乗り込んだ猟兵達の妨害をしてくるということはない。
 代わりに軍旗の護衛としているのが、複数のオブリビオンだ。
「そのオブリビオンだけど、見た目は完全にタコ……タコの妖怪で、なんでも特徴として―――」
 タコという時点で十分特徴的では、という呟きはスルーしつつ。
「マッサージが凄い上手とか……」
 ……タコが?
 疑問の表情を浮かべたまま、猟兵達は戦場へと向かう。


芳乃桜花

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 夏だ!海だ!海賊だ! ということでどうも、芳乃桜花ですっ!
 今回の概要をざっとまとめると、以下のようになります。

 1、巨大鉄甲船(全長200m、全幅30m)に何らかの方法で乗り込む。
 2、【集団戦】でオブリビオンを撃破。
 3、水軍旗を降ろす。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしておりますっ!
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第1章 集団戦 『骨抜き妖怪『衣蛸』』

POW   :    随分と凝ってるタコ~。俺たちのようにほぐすタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【筋肉の塊である8本の触手で相手を捕まえ、】【マッサージで弱らせてからの絞めつけ攻撃】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    カッピングもやってますタコ~。血流良くなるタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【非常に強力な吸盤で相手を捕まえて、】【カッピングで生気を吸い取り弱らせる攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    運動不足じゃないかタコ~?ヨガは身体に良いタコ!
【再生能力を活かして非常にしぶとく接近して】から【筋肉の塊の触手と強力吸盤で相手へ捕縛攻撃】を放ち、【操り人形のように強制的にヨガをさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィロメーラ・アステール
「うーい、空からお邪魔するぞ!」
マッサージ?
いや遠慮するぞ、サイズ合わないし……。

というわけで【空中浮遊】して突撃だー!
でてこいタコ!
いや、既に出てきてる可能性もあるな!?

【内なる星海の羅針】を発動だ!
【第六感】によって周囲の対象の心を読む!
これで姿を隠していても【情報収集】が可能!

タコを見つけたら【迷彩】魔法をかける!
場にそぐわない色彩をかぶせ目立つよう変更!
保護色の上にかければ変色しても無意味!
奇襲封印だー!

その上で【念動力】で【グラップル】して【投擲】でポイッ!
能力を活かさないと接近出来ない、という事は動きは遅い!
戦場まで戻るのは時間がかかるはず!

その隙に旗を【盗み】取ってやるぞー!


シル・ウィンディア
…たこさんが、まっさーじ?
な、なんだろ、うにうに、うにょうにょーってしてるから
なんかやだ

でも、虫じゃないからいっか

●接敵・戦闘
こういう時は…
エアリィ力借りるね
と、UCを【全力魔法】で行使

風の翼を羽ばたかせて
一気に船の上まで高速移動
精霊電磁砲の射程に入ったら
上空から【誘導弾】【一斉射撃】【範囲攻撃】で爆撃っ!
ついでに【属性攻撃】で風属性を付与して【衝撃波】で回りも吹き飛ばします

砲撃後は精霊電磁砲を上空でパージして
…これ、パージしたものに当たる敵、いないよね?

風精杖の風【属性攻撃】でたこを一体ずつ殴っていきます

敵のマッサージは
【第六感】で感じ
全力で【見切り】!

…うにうにさんにマッサージされるの
やだ


月守・咲凛
SPDで戦闘、アドリブOK
タコさんを倒すのですねー、たこ焼きにしてしまうのです!
武装ユニットで飛行して空から船に突撃します。
……あれ?襲って来ないのです?
怨霊達に気を取られてタコの擬態に気付けず吸盤に捕まってしまい、かっぽんかっぽんやられながらムラサメユニットのチェーンソーで敵を切り裂いていきましょう。
体力はそんなに高くないので(普通の子供並みです)あんまり余裕がなさそうなので、力尽きるまで暴れる事を選択、旗は他の人に任せます。
動けなくなるまでは頑張って戦います。
負けず嫌いなのと他人に助けを求める事が苦手なので、助けてとは口にしません。


リリスフィア・スターライト
強気で接近戦が得意なリリスに人格を変えて挑むよ。
こういう相手は彼女の方が向いているだろうし、色々な意味で。

森深くの博物館や他の猟兵達と連携して戦いに挑むわ。
全翼天開による飛行能力で一気に巨大鉄甲船に乗り込んで
邪魔なオブリビオンを排除しつつ水軍旗を降ろすわ。
捕まると大変な事になりそうだし、スピードでかく乱して
一撃離脱を繰り返していくわ。
もし捕まっても下手に暴れずに向こうの隙を狙って触手から
脱出して斬撃で反撃してあげるわ。

「最近、大変なごとばかり押し付けられているような気がするわ」
「まったく気持ち悪い連中ね。大人しく海に帰りなさい!」




 海上を進む鉄甲船。
 その上空に、四人の少女が浮かんでいた。
「……たこさんが、まっさーじ?」
 船の甲板を視界に入れて、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は転移される前に聞いた情報を思い返していた。
 タコ、軟体生物のあれを指していることは間違いないだろう、8本の触腕を使って泳いだり獲物を捉えたりする、海洋生物。
 それが、マッサージ。
「な、なんだろ、うにうに、うにょうにょーってしてるから……なんかやだ」
 いくら腕が良いと言われたところで、なんとも気色の悪いイメージしか浮かばない。
「私も遠慮するぞ、サイズ合わないし……」
 隣で同意を示すのはフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。
 確かにフェアリーである彼女の体格では、通常の人間基準なマッサージを受けるのは難しいだろう。
「ま、いくらマッサージと言っても敵に触れられたくはないわね」
 そう言うリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は今回、強気なリリスの人格がメインで出てきている。
 フィア曰く、「こういう相手は彼女の方が向いてるだろうし、色々な意味で」とのこと。
(最近、大変なごとばかり押し付けられているような気がするわ)
 こっそり溜め息を吐くリリスの横で、既に気合十分な最後の一人は月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)。
「タコさんを倒すのですねー、たこ焼きにしてしまうのです!」
 全身に装着した各種武装ユニットの調子を確認しつつ、いつでも突撃可能といった様子だ。
 それを見て、他の三人もそれぞれの武器を構えて鉄甲船へと突入する。

「エアリィ、力、借りるね!」
 まず先陣を切ったのはシル。その身に風精の力を纏い、一気に加速して甲板上空へと辿り着くと、腰部の精霊電磁砲を展開し砲弾を降り注がせた。
 メインのターゲットであるオブリビオンは迷彩を施しているのか姿が見えないが、戦場は限られているのだ、広範囲に爆撃してしまえば無傷とはいかないはず。
 更には砲弾に乗せられた風魔法によって煽られ、怨霊達も大慌てだ。
 その隙に乗じ、残る三人は楽々と甲板に降り立つことができた。
「うーい、空からお邪魔するぞ! でてこいタコ!」
「気をつけて、姿を隠しているだけかもしれないわ」
「……あれ? 襲って来ないのです?」
 シルの砲撃で何匹かは焼け焦げ倒れているのが見えるが、数が少なすぎる。まだ他に潜んでいるはずだ。
 姿の見えないオブリビオンに警戒するフィロメーラとリリスフィアに対し、咲凛は周囲を慌ただしく駆け回りながらもこちらには向かってこない怨霊達に気を取られている。
 事前にグリモア猟兵から伝えられた通りではあるが、オブリビオンの姿が見えぬ中、唯一見える相手がこちらを完全無視というのもなんとも言えない違和感を覚えてしまう。
「ふーむむ……? わわ、みんな避けろ、上だ!」
「えっ?」
 対象の心を読むユーベルコードを使用し、いち早くオブリビオンの居場所を察知したフィロメーラが警告を出し。
 彼女自身とリリスフィアはすぐにその場を離れるが、意識を他所にやっていた咲凛はワンテンポ遅れてしまう。
 結果。
『捕まえたタコー!』
「きゃあ!?」
『他には逃げられたタコ!? なんでわかったタコ!』
 軍旗の掲げられているマストに張り付いていたのか、上方から落ちてきたオブリビオン達によって、逃げ遅れた咲凛が捕まってしまった。
 すぐに救おうと動いたリリスフィアの背後からも、別のオブリビオンが飛びかかり―――。
『タコぉ!?』
「あ、まさか本当に当たるとは……うん、虫じゃないなら大丈夫!」
 上空でシルがパージした精霊砲が直撃したオブリビオンへ、降り立ってきたシルが追撃を加える気配を感じ取りつつ。
 魔力の翼を震わせ咲凛の下へ向かおうとするが、その前には何体ものオブリビオンが立ち塞がり、進路を塞ぐ。
「まったく気持ち悪い連中ね。大人しく海に帰りなさい!」
 全翼天開によって強化されているリリスフィアにとって、一体一体は相手にならない程度の相手。
 剣を数度振るだけで瞬く間に倒されていくが、それでも彼女の進行を遅らせる程度にはなる。
 その稼がれた僅かな時に、オブリビオンの触腕が咲凛へと伸び。
『タコっ』
「痛っ」
『タコ、タコっ!』
「あいたたた……!」
「……んん?」
 カッポンカッポン。
 吸盤を張り付かせては剥がし、また別の場所に張り付かせては剥がし。
 確かに痛そうだし、現に咲凛も多少の痛みは感じているようだが、攻撃にしてはあまりにも微妙。
「えっと、これは……」
「いや、さっきから思考を読んでたんだけどさ」
 戸惑うリリスフィアとシルへ、目についたオブリビオンに片っ端から迷彩魔法をかけ、再び姿を隠されることを防いでいたフィロメーラが呆れた表情で解説を始める。
 彼女が言うには、このオブリビオン達の作戦とは。
(我らのマッサージで骨抜きになったところを一網打尽タコ!)
(敵であろうとまずは持て成す、これが我らの学んだOMOTENASIの精神タコ!)
「って感じで」
「「えー……」」
 最終的にこちらを倒そうとしているのは理解したが、気が長すぎやしないだろうかその作戦。
 現に、初めは虚を突かれてカッポンカッポンやられるがままだった咲凛も、ビームチェーンソを振るって反撃することであっさりと危機を脱していた。血流がよくなったおかげか動きにキレがある。
 呆れ返る猟兵達に対し、オブリビオンはやる気満々。触腕を振り回し、全力でマッサージによるもてなしをしてやろうと少女たちへと迫る。
「うん、でも……うにうにさんにマッサージされるの、やっぱやだ」
 相手の思惑がなんだろうと結局嫌悪感は変わらない、飛びかかってきたオブリビオンをシルが杖で叩き返せば、纏う風が遠い果てへと吹き飛ばし。
「お、やるねー! 私だって!」
 フィロメーラは念動力によってオブリビオンの身体や触腕をガッチリとホールドすると、海へと放り投げて落とす。
 ちらり、と下を覗けば、吸盤を使って壁面に張り付き必死に戻ろうとしているものの、その動きは遅く、戦域に戻ってくるには相当な時間がかかるだろう。
「武装ユニット全開放、撃ちます!」
 咲凛の全身に装着された武装ユニットの戦闘プログラムが解放され、周囲のオブリビオンを薙ぎ払う。
「っ―――!」
 プログラム通りに超高速で敵を迎撃するその動きは、如何せん普通の子供並の体力しかもたない彼女が扱うには辛い物があるが、そこは仲間を信じてのこと。
 自分がこの後動けなくなったとしても、こうして敵を引き付ければ目的を達成してくれると。
「無茶をするわね……」
 人知れず、そんな咲凛のフォローに回っていたのはリリスフィア。
 今といい、最初に敵に捕まった時といい、決して助けを求めようとしない彼女に、なんとなく誰かの影を重ねて。
 一瞬の思考の隙に、近づいていたオブリビオンの触腕が彼女の腕を捕まえる。
『やっと捕まえたタコ! さあ、マッサージしてやるタコ!』
「……」
 捕まった腕を動かそうとするが、筋肉の塊である触腕の力は強く振りほどけそうにはない。
 止む無く剣を降ろして抵抗の意思が無いことを示すと、オブリビオンは上機嫌で触腕を伸ばしてくる。
『さあ、まずは肩か、足か、全身しっかりほぐしてやるタコ!』
「ちょっと健康になりそうで気にならなくもないのだけど……」
『タコ?』
 それでも好き勝手に触られたくはない、と。
 マッサージに気を取られ、隙だらけとなった相手を一瞬にして斬り刻む。

「これで甲板にいたのは全部?」
「うん、後は軍旗を!」
 甲板のオブリビオンを全て撃退し。
 完全に体力が切れて倒れた咲凛をリリスフィアに任せ、シルとフィロメーラは掲げられた軍旗へと飛び立つ。
 最終防衛戦としてか、未だマストに張り付いていたオブリビオンが飛びかかってくるが、それぞれ念動力と風精の杖によって軽く迎撃し。
「よーし、旗ゲットー!」
 フィロメーラの手が軍旗にかかり、そのまま引き剥がした瞬間、船にいた怨霊達の姿が薄れて消えていく。
『あ、くそっ!? やっぱこのタコ役に立たねぇ!?』
『タコぉ……せめて、もう少しマッサージを……』
 最後までブレない意思を見せながら。
 頭を抱える怨霊達と共に、オブリビオンも消滅したのを見届けて。
 猟兵達もまた、次なる戦場へ向かうため、帰還するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月14日


挿絵イラスト