エンパイアウォー⑰~暇に飽いた者の戯れ
●暇に飽いた屍人の主
佐久間・嶺滋(想葬の黒影・f00774)はグリモアベースに集まった猟兵達を見て、真っ直ぐに言葉を告げる。
「安倍晴明の居場所を捕捉した。居場所は――やはりと言っていいかな。鳥取城の場内だ」
現在の鳥取城は、安倍晴明の策略により、戦国時代に城で餓死した人々の怨念が渦巻く魔境と化しているらしい。だが、まるでそれは暇つぶしの一貫で行われているように見えたと言う。
「……正直に言うぞ。安倍晴明、全体的に『やる気』が無い感じがする。だから今、山陰で行われている非道も、今から行おうと嘯いた言葉ですらも、恐らく『一時の戯れ』程度に過ぎない。――何らかの原因で熱意を失っていると見るべきだな」
だが、彼は念を入れるように告げる。
「だからといって、コルテスのように慢心してる訳ではない、ということは肝に命じておいてくれ」
腐っても安倍晴明を名乗る存在――死霊術だけじゃない。陰陽術に由来するであろう呪詛の技量は明らかに似たような日野富子よりも上を行く。卓越した技量でもって、先手を取ることを許すことは無いだろう。……非常に熱意は冷めきっているらしいが。
「少なくとも水晶屍人の製造者だ。……放置すれば暗躍することは容易に想像出来る。狩り取れるうちに狩り取ってくれ」
嶺滋は転送準備を開始するも、その顔色は晴れない。
「何故だろうな、妙な不安しか無いが。それでも今の危機を取り除かないと行けない筈だ……気を付けてくれよ」
逢坂灰斗
お 前 か。 ……逢坂灰斗です。
今回は、怨念渦巻く鳥取城にて、『安倍晴明の討伐』に向かって頂きます。
※おそらく17~18日はMS都合であまり判定が出来ない可能性がございます。その場合の失効での再送は受付しますので、事前にご了承願います。
【MSより】
・このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
・陰陽師『安倍晴明』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を必ずご記述ください。
では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。……御武運を。
第1章 ボス戦
『陰陽師『安倍晴明』』
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POW : 双神殺
【どちらか片方のチェーンソー剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【呪詛を籠めたもう一方のチェーンソー剣】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 水晶屍人の召喚
レベル×1体の、【両肩の水晶】に1と刻印された戦闘用【水晶屍人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 五芒業蝕符
【五芒符(セーマン印)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を斬り裂き業(カルマ)の怨霊を溢れさせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:草彦
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
死之宮・謡
廟花(f14142)を連れて
アドリブ歓迎
何でそんなに怠そうなんだ?と聞くのも無粋か…お前ほどのモノならば…嗚呼、遊ぼうか、廟花…
止めろ…
相手のチェーンソーに「属性攻撃:金・全力魔法」による金属塊をぶつけてUCを回避…
「全力魔法」で自分と廟花に身体強化を掛けて 多少のダメージは無視して突っ込み、断絶の「呪詛」を籠めたストライフを「怪力」で振るって斬り刻む…
廟花、お前も来い!…呪い?良いだろう…(侵蝕の「呪詛」を籠める)
斬り斬り斬りて斬り斬りて…
…決めるか…【黒絶斬禍】…
務まらない?私の側近だろう?余計な心配はするな…雑魚は私の下には要らん…其れが答えだ… 征くぞ!廟花…
柩屋・廟花
アドリブ歓迎
陛下(f13193)と参加
面白そうな相手だねー?行きましょう陛下ー
(急に昏い恐ろし気な声音に)
さぁ…殺ろう、かな……
了解、陛下…
私は呪うモノ、穢すモノ…されど陛下の側近として…命令は遂行する…
相手の五芒符を三翼を犠牲にして防ぐ…後で治せば良い…此処で飛ぶ必要は無い 【縛鎖封陣】発動
後は、お任せします…え?私も、ですか?承知致しました…陛下、少し呪いを貸して下さいませんか?
レイ・ア・ロームで少し間合いを取りながら攻撃…
あくまでも陛下の援護に徹し、妨害メインの立ち回り
ご一緒させて戴きます、私も陛下と躍りましょう…尤も、私では陛下のパートナーは務まりませんが…
イエス!ユア ハイネス!
●怨嗟の中の舞踏
鳥取城中――最早怨嗟で満たされたその世界の中。陰陽師は微睡むように退屈を紛らわしていた。
そこで対峙するのは死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)と、柩屋・廟花(奈落の空を翔る者・f14142)。2人の主従の姿。
「面白そうな相手だねー? 行きましょう陛下ー」
このような環境にあっても、間延びするような声で主に笑んだ廟花だが、傍らの彼女は強者故に、眼前の陰陽師のその態度に理解が出来なかった。
何でそんなに怠そうなんだともと聞こうかと考えたが、そのような事は無粋であろう。今はただ、眼の前の強者との『舞踏』を楽しみに来たのだから。
「……お前ほどのモノならば……嗚呼、遊ぼうか、廟花………」
晴明は、そんな謡の疑問を察したのか、一人こう呟く。
「ああ、やはり分かりませぬか。――死ぬ事の無き身、エナジーも必要無く。ましてや繁殖も出来るという『今』の私の身は最早……いえ、貴方方には分からぬ事でしょう」
まるで、全てを得たが故の退屈とも言えるような口調でそれに答える屍人の主は、彼女らを品定めするかのように見遣る。
「――貴方方の『怒り』が、この暇に充足を齎し得るものであれば、良いのですが」
退屈そうな声と反した得物の一撃が。段上から振り翳された瞬間――火蓋は切って落とされた。
甲高い衝突音が、怨霊の世界の中に満ちていく。
「無論、これだけではございませぬ。我が手はまだ両とも『生きて』おります」
「怠そうな口振りの割に――慢心も何処も見当たらんな。……止めろ」
金属塊を壁とし、神殺しの刃をいなす謡の傍らで、飛来するのは呪われし五芒の呪。
「――私達2人でも満たせぬとは、思わせません。……私は呪うモノ、穢すモノ……されど陛下の側近として……命令は遂行する……」
その後背の翼を盾とし、機動を代償にしつつも廟花は突き進む。呪には呪にて。
「……戒め、呪え」
怨嗟満ちる世界を切り裂くように、縛鎖が疾走する。その戒めが陰陽師に到達しても、彼は驚愕することなく、その退屈を変えることもない。
「最早余裕とも取れるが――そのような態度がいつまで持つか?」
振り翳された黒き瘴気の魔剣が陰陽師のその身を割かんと吠え猛る。だが――
「おや、中々に良い切れ味でございますね……幾許振りでございましょうか」
身を斬り捨てられても、晴明はその調子を変えることはない。そこに合ったのは確かな強者と強者の激突。
「陛下。後は、お任せします……」
それを見て、援護に徹しようとした彼女を静止するかのように謡は言う。
来い と。
「ご一緒させて戴きます、私も陛下と躍りましょう……尤も、私では陛下のパートナーは務まりませんが……」
その言葉に恭しく答えるも、彼女にはやはり迷いはある。圧倒的強者と『踊る』には、自分は力不足では無いのかと。
そのような廟花の言葉を一蹴するかのような返答。
「務まらない? 私の側近だろう? 余計な心配はするな……雑魚は私の下には要らん…其れが答えだ……」
私が選んだのだから。私が選んだ者が雑魚である筈も無いと。
半ば傲慢に満ちた答えでは合ったが、それに答えるように彼女は手を取る。
「――では、少し呪いを貸して下さいませんか」
「呪い? 良いだろう……往くぞ、廟花」
呪いが、2人に満ちる。侵食する。同時に飛んだ彼女達を見て陰陽師は――
くすり、と笑った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ビスマス・テルマール
貴方、エンパイア人らしくないですが、元は別の世界の方ですか?
わたし?
貴方にはご当地怪人と名乗った方が良さげでしょうか?
●POW
『残像』を『オーラ防御』で覆い
実体のある残像作りをばら蒔き晴明を撹乱
作った実体のある残像を『盾受け』に利用し『地形の利用』もしつつ隙見て『早業』でUCを防御力重視で発動
自身に『オーラ防御』と『激痛耐性』で備え
『第六感』で『見切り』チェーンソー剣一撃目と二撃目を
手持ちの武装を『オーラ防御』と『属性攻撃(餅)』で覆い『怪力』を駆使し『武器受け』
蒼鉛式ご当地ビーム砲とウルシさんの属性弾(聖)で『鎧無視攻撃』の『零距離射撃』の『一斉発射』を『早業』で
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
●問いかけ
「貴方、エンパイア人らしくないですが、元は別の世界の方ですか?」
晴明に対し、怒りを抱く猟兵は少なくなかった。ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)もそんな一人で。
「わたし? 貴方には――ご当地怪人と名乗った方が良さげでしょうか?」
彼女の名乗りに、くすりと眼の前の男は笑う。
「貴方はそう思い、そう名乗るやもしれませぬが―― 少なくとも貴方の事は『知りませぬ』」
真意は、見えない。語っても無駄という態度を崩さぬ陰陽師に、聞き出すも無駄だろう。
「……口を割りませんか。ならば、押し通るまでです」
嫋やかな手付きと相反する刃は城にその音を轟かせる。怨霊満ちるこの世界にはあまりにも不釣り合いな轟音が。
その神すらも絶たんとする一閃をビスマスは潜り抜けていく。
(――避けきれなければオーマグロでも『斬られ』ます。準備を整えて如何に間合いに飛び込むか)
その攻防はまさに紙一重と言えただろう。受ける下準備を整えなければ真正面からあの刃を受けきるのは難しいと、彼女自身も判断していた。故に撹乱しながらも装着準備を整えていたのだが――
「木偶の群れで、私の刃を捌ききれますかな」
「捌き切って見せますとも! 渡来人とも、エンパイア人とも違う貴方をのさばらせる訳には――いきません!!」
全ての準備が寸前で整う手前、本物への強襲。……間に合わなければ装甲ごと斬り裂かれていたのは想像に難くない。
粘着力のある柔の護りと、装甲の剛の護りを合わせてギリギリ受けきれているのだから――!!
「それと。その眼差しは――本当に『安倍晴明(わたくし)』を見ているのですか?」
「――ッ!!」
襲い来る二撃目。それは想定済みだったが、喰らえばきっと『後が無い』。
押し返して距離を取らんとするように、ビスマスは至近距離での本命を見舞った。
城内の塵が晴れていく。互いに見えるその影は、互いが崩れていない事を示していた。
両の手のチェーンソーを振るいながらも舞う晴明は、無骨な駆動音に反した優雅な所作のままビスマスを見遣っている。けれども彼は――
「貴方の怒りは、まだ遠きもの。――私に届くには程遠い」
――興が冷めたかのような眼差しを向けていた。
苦戦
🔵🔴🔴
カタリナ・エスペランサ
「退屈してるらしいね陰陽師。遊びに来てあげたよ!」
「――だからさ。ヒトに迷惑掛けるくらいなら、もう眠りなよ」
怨念渦巻く城内、晴明と相対すれば双翼を広げて言い放ち。
水晶屍人には《空中浮遊》で上空に逃れて有利を取り、《第六感》《情報収集》で知覚を研ぎ澄ませ[第六神権]の空間破壊による《スナイパー》《鎧砕き》で合体の阻止を最優先。《空中戦》技能を活かし極力敵の攻撃を受けないよう立ち回ります。
攻め手は【失楽の呪姫】で自己強化、黒雷の《鎧無視攻撃》・劫火の《破魔》の嵐を巻き起こす《範囲攻撃》で水晶屍人ごと晴明を攻撃。
接近されればダガーの斬撃とシューズの蹴技で《だまし討ち》を狙います。
※アドリブ・共闘歓迎
シズホ・トヒソズマ
※連携可
【SPD】
開始と同時、ユングフラウを上に◆投擲、◆武器改造で仕込んだ、分裂リキッドメタルを回転◆範囲攻撃発射させ、少しずつでも屍人全てに付着させる
『これぞ液体目潰し作戦!これで貴方達の視界は…って、殆ど目についてない!?』と◆フェイント台詞しつつ、デザイアキメラの◆オーラ防御で凌ぎ、出方を伺う
合体しないなら、◆武器改造でミサイル仕様にした、付着メタルをマーカーにした◆誘導弾ニードルをユングフラウから◆一斉発射
合体したら、全身に付着し量も増えた付着リキッドメタルで間接部分を重点的に固めて拘束
UCで謙信の12属性刀を纏い、ヴィアイスの予測演算◆見切りした晴明に高速接近し◆光刀属性攻撃と連斬
●因果応報の地
「退屈してるらしいね陰陽師。遊びに来てあげたよ!」
「無辜の人々でこれ以上遊ばれても困りますからね――私達が相手になりましょう」
カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)とシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は怨念渦巻く地の中でも、確かに張り詰めた空気と視線で以て、晴明と退治する。
「遊行は構いませぬが――私をどれ程満足出来るものやら。慰めの手遊びの方が退屈しのぎになるかも知れませぬよ?」
くすりと笑うその表情には、真意が見え隠れしていたか、彼女達には分からない。
けれども。
「――だからさ。ヒトに迷惑掛けるくらいなら、もう眠りなよ」
背の両翼が明確な敵対の意志を広げれば、晴明は優美にその身を振るう。
「私の眠りを齎せるものならば――」
やってみせるがいい、と言わんばかりに、屍人の群れは姿を現す。
「仕掛けるならば、……行きますよユンちゃん!」
飛翔とともに繰られたシズホの糸は、鉄の処女が如き人形を中空へ投げ飛ばした。
ユングフラウの高速回転から投射された液体金属が屍人へと確実に張り付き、布石を齎していく。だが、晴明の怠惰な指揮に乱れは見えない。
念の為に合体阻止に回るカタリナもその動かし方に油断が一分も見られぬ事に警戒を抱いていた。
「これぞ液体目潰し作戦!これで貴方達の視界は――って、殆ど目についてない!?」
(あの言葉は元から囮なのは知ってるけど――まるでそんなのどうでも良いって動きに見える)
シズホは元より油断を誘うつもりであったが、それをまるで意に介さぬかのように、骸の葬列は彼女の元へ向かっていく。
(合体をすぐ「しない」事が狙いだって言うなら――)
空中より趨勢を見守っていたカタリナがいち早く違和に気付く。向こうも『隙』を伺っている事には変わりないのだと。ならば『合体』される前に押し流すまで!!
「私が押し込む! そのまま――行って!!」
「ええ、参ります――ユンちゃん!」
屍人達に付着した金属の煌きが、彼らの居場所を示す。ユングフラウが放つ戒めの針山が次々に屍を貫かんとした所で、晴明は動いた。
「――そう簡単には、行きませぬ」
ゆるりと振るわれる手付きに呼応するように屍人が寄り集まろうとしたが――それも想定の内。
「その言葉、そっくりそのまま返してあげる!!」
それは災禍というに相応しき黒雷と劫火の二重奏。渦を巻き、因果を収束させるかのように、敵陣を薙ぎ払っていく――
「……よもや屍人共がこのように崩されるとは」
嵐に巻き込まれながらも、まだその場に立ち続ける晴明は見た。
「ですが、貴方を守る『盾』もありません――お覚悟を!!」
シズホが振るう刃は同胞を想起させるかのような十二の刃――
「……何時の間に『借り受け』ましたか!!」
「いいえ、コレは私の身が知った『残滓』。応報を以て因果を制すモノです!!」
光刃が紡ぐは刹那の連斬。攻防の果てに光芒が導いたのは――砕けた水晶の躰の一分であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ヴィクティム・ウィンターミュート
随分と退屈そうなツラをするじゃねえか、なぁ?
戦争にやる気が出ない?それとも自分が強すぎるから暇なのかい?
まぁ安心しろよ、絶対の保証はできないが──
楽しませてやる
まずは先制攻撃対処
【ハッキング】で全サイバネを出力限界突破
【ドーピング】でコンバット・ドラッグ摂取
【ダッシュ】【見切り】【第六感】【早業】で直撃を避ける
だが地形が奴のホームになる…そこに
俺の『Sanctuary』が活きる
こいつは地形全域を【ハッキング】で自在に書き換え可能な空間にする
なぁ晴明、テメェのそれは邪魔だな?"消しておくぜ"
足元から槍、空間から砲弾、無数の遮蔽…自由自在さ
悪いが、盤面の支配は俺の方が上手いぜ
退屈凌ぎになったかい?
●『退屈凌ぎ』
「随分と退屈そうなツラをするじゃねえか、なぁ?」
ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)はまるで友人に気安く声を掛けるかのように、それでも心内の牙を研いだまま。晴明へと語り掛ける。
「戦争にやる気が出ない? それとも――自分が強すぎるから暇なのかい?」
既に手痛い一撃を被った筈陰陽師は、砕かれた身にも関わらず、それでも柔らかく、悪意に満ちて微笑む。
「かも、しれませぬなぁ……して、貴方は私の暇を埋めて下さるので?」
符を構えた彼に、ヴィクティムは口角を釣り上げ、開戦を告げる。
「まぁ安心しろよ、絶対の保証はできないが――楽しませてやる」
素早く五芒の符が城内を乱舞する。それに満ちた強大な呪に咄嗟の判断を怠る程、ヴィクティムは愚かではない――
即座、自らの躰の制限を取り払い、神経を加速させ、どこまで自分が向かぬとしても、自分を『適応』した存在まで跳ね上げる。
乱れ飛ぶ悪意を掻い潜り、捌き切る彼を、陰陽師はほう、と感心した様に見遣る。
「敵地に飛び込むという、その勇猛は認めましょう……ですが」
同時。怨嗟が、業(カルマ)が、そしてこの外道の導いた怨霊達が、地に堕ちた符より漏出する。
「――私の集めた業(カルマ)を、超えられますかな」
より一層強くなった、生者への羨望や想念を身に受けても、ヴィクティムは笑う。
「超える? 何を言ってやがる。俺は『ハッカー』だ」
量子キーボードを叩く手がその証左とばかりに。
「――『書き換える』んだよ」
怨嗟は砲撃に、呪言は遮蔽に。晴明の領地を次々に『否定』するかのように、現実を改竄する。
本人の機動力ならば既に確保はなされている。ならば、後は――
好き勝手に『支配』するだけ。
「悪いが、盤面の支配は俺の方が上手いぜ――退屈凌ぎになったかい?」
最早術中に自ら落下したかのように、陰陽師は槍に貫かれ、壁に叩き付けられ。砲弾の雨に晒され続ける。
如何様に強大な手札を持ち合わせていても、彼は『潤沢な手札』を組み合わせて、それを組み敷く盤上の魔術師で。
如何に策謀を巡らせようとも、この男は、『勝ち』に行くのだから。
――晴明の表情からはだんだんと余裕は消え失せていた。
成功
🔵🔵🔴
龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
【POW】
「ただの戯れで、民衆に危害を加えるなんて許さない!!あなたを絶対倒すんだから!!」
「黒焔竜剣 参式」で"初撃のチェーンソー"と"本命のチェーンソーをそれぞれ【気合い】で受け止めて、小竜形態のホムラの攻撃と同時にがら空きになった胴を蹴り上げながら距離をおくよ
その際に、「黒焔竜剣」を「弐式」に形態変化(一時的に焔になった後、偃月刀形態に変わる)、渾身の焔【属性攻撃】の『煉獄黒焔斬』による【なぎ払い】で相手を燃やして確実にダメージを与えるよ
また、バックステップでさらに距離を置きながら、追撃として焔槍形態のホムラを【力溜め】てから【槍投げ】で【串刺し】するよ
●煉獄の葬送
龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)は、脳裏に惨禍を過ぎらせる。
東北で生みだされた屍人も、この山陰の地で生みだされた屍人も、全て、『戯れ』? 『退屈凌ぎ』――?
「ただの戯れで、民衆に危害を加えるなんて許さない! あなたを絶対倒すんだから!!」
その少女の叫びは確かに眼前の男に響いた。けれども、彼は嗤う。
「――ああ、素晴らしい。私の戯れでそれ程までに『怒り』を抱くとは」
既にボロボロといっても過言では無いその身からは、優雅さが消え失せることはない。
その所作と相反する暴力的な鋸歯の回転音が城に響き渡り――
「是非に、私の暇を埋めて下さいませ」
一瞬にして、紅音の懐にまで飛び込んだのだ。
咄嗟に愛剣たる『黒焔竜剣』を双剣に変じさせ、両の刃を受けた紅音。ぶつかり合う事で奏でられる金属音が、彼女の決死と意地を示すかのように城内の怨嗟を掻き消していく。
だが、このまま受け続けては態勢が崩れるのは自分の方――だから、彼女は、『ひとりだけ』では戦わなかった。
「おね、……がい! ホムラ!!」
その言葉に応じるように突進した竜に合わせるように、空いた胴を蹴り飛ばし、距離を取る。
「――今度は、こっちの番よ!」
息つく暇など無い。油断すれば刈り取られるのだから、畳み掛けるしかない!!
双剣が焔へと変じながらも、直様偃月刀が如き優美な刃へと成りて主の手に収まる。
「この呪焔の斬撃――いくら呪いを扱う貴方でも、受けきれるかしら!!」
空間ごと斬り裂くかのように振るわれた、『煉獄黒焔斬』――その煉獄の焔が堕ちるべき者へと、力強く、焼き付けられた。
「ふ、ふふふ! これが私が行けぬ煉獄という物ですか!!」
直撃を受け、まるで熱に浮かされたかのように、晴明は笑う。だが、紅音は止まらない。
「そうよ。けれど、あなたの成した事は、この焔だけじゃ生温いわ……!」
煉獄の焔に包まれた陰陽師が態勢を立て直す暇など無かった。
彼女は既に、次なる一撃と変じたホムラを携え――その一槍を水晶の躰に叩き付けようとしていたのだから!
「――これで、終わりよ!!」
それを永訣に。焔槍が、激しい躰の粉砕音と共に、墓標のように突き刺さった。
「素晴らしき、『怒り』でございます」
黒焔に焼かれ、貫かれながらも、晴明は不気味に笑っていた。
「これ程迄に素晴らしいモノならば蒐集もさぞや――ですが」
「私の役目は『持ち帰る』こと。……今は貴方の怒りに包まれ果てましょう」
まるで、退屈から解き放たれたかのように、男は、笑いながら――灰燼と帰した。
……その笑い顔は、やけに紅音の脳裏に張り付いた。
確かに討ち果たした筈なのに、筈なのに。勝った気が、しないのだ。
今は、将の1つを討ったという事実を抱え。先に進む他、ないのかもしれない――
大成功
🔵🔵🔵