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エンパイアウォー⑥~洗脳陣形、血華は散らせず

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●異国陣形ファランクス
「これが希臘なる地の戦い方ですか~♪」
 2度目の大戦を迎えた関ヶ原の一角。
 明るい声色でオブビリオン『巫女を騙る者・アズサ』は周囲を見回す。
 16人が1列、それが16列で構成された一部隊。即ち256人の兵士達。
「……ぁ……ぁ」
「ろくに喋れないけど弥助アレキサンダー様の『大帝の剣』のお力ってすっごーい」
 兵士達の右手には長槍、左手には大盾。
 しっかりと武器と盾を握り指揮官たる彼女の命令を待っている。
 僅かにアズサに首をむけた1人──農民にアズサはとびっきりの笑みを返し『兵士』として場に付かせる。
「左の盾で自分の左隣を守り、長槍の行進で正面から幕府軍を落とす!『ふぁらんくす』恐るべしですね~。見たこともない戦法で蹂躙される恨みって凄そうだなぁ」
 部隊の真中に立つアズサは幕府軍のいる方向へと指をさす。
「さあ皆さん!幕府軍を殲滅しましょう!殺戮行進開始~♪」
 指揮官は鼻歌まじりに、農民達は呻き声をあげながら。
 一部隊が動き始めた。

●グリモアベース
「関ヶ原での戦い、今度は大帝剣『弥助アレキサンダー』が一枚噛んでいるみたい!」
 カバンシ・サフィリーン(ギャル系宝石人形(妹分)・f10935)が集まった猟兵を前にホログラム映像を映し出す。
 16人×16人で構成された兵士の右手には長槍、左手には盾を構えている。
 計256人で構成された密集陣形。
「所謂『ファランクス』っていう陣形だね。平地で真正面から敵とやりあうには最強最悪に相性がいい……問題は、向こうの戦法」
 カバンシは映像を拡大する。侍とは思えない軽装の人々の目に光はない。
「大帝剣『弥助アレキサンダー』が所持する『大帝の剣』には、広範囲の洗脳能力があることが分かってね。最低最悪なことに洗脳した農民を兵士に仕立て上げ、それをオブビリオンが指揮官役として率いているわけ」

「でも!この洗脳、範囲は広くても限りはある。ファランクス部隊を率いているオブビリオン。そいつを撃破出来れば」
 農民達の洗脳は解け、ファランクス部隊は自然に瓦解する。
 カバンシが予知した部隊を率いるオブビリオンは巫女を騙る者・アズサ。
 妖狐の巫女として僅かに意識を残した農民達をもその神力で纏め指揮している。
「というのは表向き。彼女の真の力、それは怨霊使い。関ヶ原の怨霊を糧に自分を強化、攻撃手段に使用する邪悪な呪術師だよ」
 見目麗しい妖狐は部隊を指揮し易い様、中央でファランクス部隊が引き起こす殺戮を心待ちにしている。

「ファランクスの戦陣を知らない幕府軍が正面から前進してくる敵軍と衝突したら……太刀打ちできない。アタシが幕府軍半壊の可能性を予知した位に」
 侍を突き刺すための長槍を右手に、左手の大盾で自らの左側面を守る事に特化したファランクスの隊列。
 隊列は真正面から幕府軍を蹂躙しに直進している。
「幾ら洗脳されているからとはいえ農民達への被害が多いのも考え物って感じだよね……」
 洗脳され、与えられた武器と盾があれども農民達の攻撃は猟兵には傷一つ与えない程度であろう。
 しかし、256人が動けば即ち中央にいる指揮官への道は妨害され。
 そして、猟兵の攻撃に巻き込まれれば農民達の命は散る。

「とにもかくにも、目標は指揮官であるオブビリオン1体撃破のみ!」
 ファランクスの隊列を構成する洗脳された農民達。
 右手に握った獲物は対人用の長槍。
 左手には攻撃を、指揮官へ辿り着く道を塞ぐであろう大盾。
「直進する隊列……左手の大盾……うーん、オブビリオンへの接近には工夫が必要だね」
 幕府軍にない戦闘手段を持つ猟兵の皆に任せるしかない、とカバンシは頭を下げる。

「転送ゲートの先はファランクスの隊列の近く!幕府軍との衝突前に一発ぶちかましてやっちゃって!」


硅孔雀
 サムライエンパイア大戦、関ヶ原での戦いです。
 硅孔雀です。
 大帝剣恐るべし。軍を率いているボスオブビリオンとの闘いです。

●構成
 ボス戦:巫女を騙る者・アズサ。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●戦場状況
 関ヶ原の平野に16×16列、計256人の洗脳された農民がファランクスの隊列を組み幕府軍と真正面から衝突するために前進しています。
 このまま彼等と幕府軍との戦が発生した場合、5万の幕府軍が倒されることが予言されています。その前に指揮官であるオブリビオンを倒してください。
 ボス戦相手となるオブビリオンは指揮官として隊列の中央に鎮座しています。

●特記事項
 真正面から農民を蹴散らす事も可能ですが、農民に多数の犠牲者が出る事となり後味が悪くなります。
 ファランクスの隊列の弱点を突き、ボスオブリビオンに攻撃する。それが鍵です。
 何らかの形でファランクスの隊列から離れた農民はシナリオ終了後無事洗脳が解けた扱いになります。戦線離脱した農民の避難誘導等の考慮は不要です。

 それではプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『巫女を騙る者・アズサ』

POW   :    私、傀儡回しは得意なんですよ~?
自身が装備する【操り人形】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD   :    その怨み、私の力にしちゃいますね~
全身を【怨霊】で覆い、自身の【食い物にしてきた人間の数】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    私の活躍、そこで指を咥えて見てると良いですよ♪
戦闘力のない【怨霊】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【怨みと嘆き】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:赤霧天樹

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

迎・青
(他猟兵との絡み・アドリブ歓迎です)

あ、あうあう!コワいけど…みんなたすけなきゃ、だもん…!
ボク、がんばらないと…!
(洗脳とかむずかしいことはよくわからないけど、無理矢理戦わされるのはきっと辛い
自分で決めてここまで来たボクだって、いまでも本当はコワいのに)

恐怖を振り払い、【B.B.B】を使用して飛翔
出せる限りの速度・槍の届かない高度でファランクスの隊列を飛び越え
ボスを発見したら急降下
飛翔と高所からの落下の速度も乗せた【属性魔法】【全力魔法】(属性は光)で攻撃する
周囲の農民を巻き込まないように注意



●一番槍を飛び越えて
 関ヶ原に風が吹く。洗脳された農民達が整然と、操り人形のようにファランクスの隊列で進み続ける。
「……あ、あうあう!」
 丁度よく隠れられる場所から、進軍を覗くのは迎・青(アオイトリ・f01507)。
 彼の茶色の瞳に映るのはただひたすら動き殺戮兵器と化した生者、恐怖がぞくりと迎を背中を撫で、口から漏れてしまう。
(あんなに一杯……武器も沢山……でも、ボク、がんばらないと…!)
「コワいけど…みんなたすけなきゃ、だもん…!」
 自らを鼓舞し、もう一度ファランクスの隊列を観察する。目の焦点が合わず、しかし隊列は整然と進む。
(洗脳とかむずかしいことはよくわからないけど、無理矢理戦わされるのはきっと辛い)
 迎の目の前で行軍を続けるのは、男女・老若が混じった、質素な恰好をした農民達。
 畑を荒らす獣を追い払うこと以外には武器等取ったこともない人々が洗脳され──幕府軍と対峙する、未来。
(自分で決めてここまで来たボクだって、いまでも本当はコワいのに)
 ぎゅっと、拳が握られた。過去の海から蘇り、再び騒乱を呼び起こす軍勢。
「……止めないと。ううん、止めるよ!」
 だって、ボクには。
「あうあう、コワくない…コワくない!」
 自分の身を包んでいた草が青く輝く風によってばさばさと揺れる。己の中の脅威をふるい落とし、自身の勇気を振りぼって。
 ユーベルコード:B.B.B.(ブルー・ブレイブ・バレット)は、迎の決意に答えるように青く青く輝く風と共に、青空へと自身を飛び上がらせた。

(相手はまだ気が付いていない……槍の届かない高度も確保できた。農民のみんなを巻き込まないように……)
 ファランクスの隊列は、地上での猛攻を有利にするために生み出された物である。
 洗脳された農民達の持つ長槍も、『歩兵に地上から』攻撃するために用意された獲物。
 オブリビオンも、ファランクスの隊列を画策した大帝剣弥助アレキサンダーの誤算。
 それは空中から攻撃を行う手段を持つ猟兵達の存在。

 青い煌めきは洗脳された農民達の注意を引くことはなく。
「……見つけた!」
 周囲の農民達の隙間、ファランクスの隊列の中央に陣取るオブビリオン。
「あはは~♪殲滅殲滅♪……え?」
 巫女を騙る者・アズサはふと、風が自身の『上』から、まるで自分を押し流そうとしている事に気が付く。
「ここて、食い止める……よ!」
 風と共に光は眩く、過去の海を照らすかのように迎が光の魔法を纏い、全力で落下する。
「な、な……きゃあああああ!!!」
 反撃しようと生み出された怨霊すら光に溶かしながら、迎の光の槍はオブビリオンを貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白藤・今鶴羽
・マレーク(f09171)さんの援護を中心に。

・戦争は初めて…だと思います、ね
萌えのぶつかり合うある種の戦場は…いえ、それも準備段階までしか知りませんし。

・ぶしゃー(グラフィティスプラッシュ)で農民さんたちの目潰し、足元を不安定に、そしてやる気の減衰を狙います。
押し返すのは…どうでしょうね…?(ぶしゃー)
ライトタブペンの迷彩で見にくいアヒルの子…いえ、見えにくい感じにしてみたり、セキュリティトークンの精神攻撃でぐるぐるしていただければと

・操り人形…まとめてぶしゃーして押し流すか、カピカピな感じに…
錬成カミヤドリでライトタブペンをいっぱい動かしてツンツン、カコッてするとか…


マレーク・グランシャール
今鶴羽と(f10403)

敵の巫女もどきに到達するには、群がる農民兵を蹴散らしてからになるが殺さずに、か
難しい注文だが俺には今鶴羽という心強い味方が‥‥って、緊張しているようだな?
戦争は初めてか‥‥そうか

農民兵は今鶴羽のぶしゃー(グラフィティスプラッシュ)を浴びせて俺に向かってこないようにして貰う
俺自身も隊列横から【魔槍雷帝】を振るい、農民兵を雷の閃光で目潰し&麻痺させながら【黒華軍靴】のダッシュとジャンプで巫女もどきめがけて突進

巫女もどきに接近したら【金月藤門】のフェイク、残像で敵の目を欺き、迷彩と【黒華外套】の忍び足を生かして隠密行動
【流星蒼槍】を投げて初撃とし、双頭竜で追撃して討ち取るぞ



●ぶしゃー大作戦
「敵の巫女もどきに到達するには、群がる農民兵を蹴散らしてからになるが……殺さずに、か」
 関ヶ原の草原を突き進むファランクス部隊。
 転送ゲートから移動し、マレーク・グランシャール(黒曜飢竜・f09171)が見つめるのは一つの巨大な槍のように纏まり、しかし構成する兵士──農民たちの足はよたよたと揺れている。力と強制的な攻撃性を与えられた敵を無力化する方法。
「難しい注文だが俺には今鶴羽という心強い味方が……」
「これが戦場ですか……」
 マレークはそっと視線をファランクス部隊から外し隣に立つ白藤・今鶴羽(ヤドリガミのゴッドペインター・f10403)へと紫の瞳を向ける。不安げに揺れているもう一対の紫の瞳。
「って、緊張しているようだな?戦争は初めてか」
 今鶴羽は関ヶ原の向こうから、風に乗って微かに聞こえる爆発音や何かが焼ける匂い──戦場と化した場所に立っていた。
「戦争は初めて……だと思います、ね」
「そうか……な」
「萌えのぶつかり合う種の戦場は……いえ、それも準備段階までしか知りませんし」
 幾多の主の滾らせた萌え。萌えという萌えを世に具現化させてきたヤドリガミはライトタブペンが風に揺れるのを抑え、戦場に視線を向ける。
「……そうか」
 マレークは頷く。
「農民さんを無力化させる……あ!」
 今鶴羽が閃いた。
「マレークさん、巫女もどきはマレークさんにお願いします。農民さんにはぶしゃーでいきましょう」
 
「まずはぶしゃーで……これで両方を……」
「それならば俺に向かってこないように調整できるか?」
「勿論です。……も加えて見にくいアヒルの子。それにぐるぐるもいれます。出来た道をマレークさんは進んでください。援護に周ります」
「助かる」
 関ヶ原の草原のざわめきの中、ぶしゃー作戦は静かに始動した。

 虚ろな目、口から漏れるのは譫言。洗脳された農民達。その進軍が乱れ始めた。
 がちゃり、がちゃり、と響く音。それは隊列が乱れ、長槍が、大盾同士がぶつかり合い──ぶしゃー。
「ぶしゃーを続けます。あ、向かってくる……押し返すのはどうでしょうね」
 今鶴羽のユーベルコード:グラフィティスプラッシュことぶしゃー、塗料が農民達を襲い、地面には紙の上のインクのように染みが広がる。
 遠距離からまず農民達の視界を遮り、地面に広がるインクで足元を不安定にさせる。
「ライトタブペンの力も、セキュリティトークンの力も借りますね……ぶしゃー」
 突如目が見えずそして心がかき乱されたなら、誰もが今まで続けていた行動を続けることはできないであろう。
 心を操られていても、戦闘に必要な神経──五感までは完全に支配できてはいなかった。
 農民たちは呻き声をあげながらぐるぐると周り、一度起きた列の崩壊は広がっていく。
 ぶしゃー作戦、大成功であった。

「マレークさん、いけそうです」
「ああ分かった……横から切り込ませてもらう」
 その手に握られている【魔槍雷帝】を一度振るえば、雷の閃光がぶしゃーを受けていない農民を襲い、呻き声と共に武器や盾を離す。
 今鶴羽がぶしゃーで作り出した道を駆け、道中の農民たちを眩ませながら【黒華軍靴】を纏ったマレークの足が宙を蹴り、上空からその姿を捉える。
 農民達の中央にいたオブビリオン。
「──見つけたぞ、巫女もどき」

 巫女を騙る者・アズサ、オブビリオンが振り返り、あれ?と首を傾げた後、笑みを浮かべた。
「さっきから変な音がしてると思ったら。誰かは知りませんが私の兵隊さんいじめないでください。大事な傀儡なんですから」
 無邪気さの中に潜む悪意は黒く深く。
「私、傀儡回しは得意なんですよ~?」
 アズサの周囲にいた農民を薙ぎ払い、何十もの操り人形が空中から浮かんだ。
 ひゅんと動き、襲い掛かって来る操り人形をマレークは残像を残し避ける。
 左手の甲、月と藤の意匠紋【金月藤門】の力がマレークを風に変え、そして【黒華外套】の力で風の中のマレークの気配を完全に消す。
 虚しく操り人形が宙を舞う中、マレークの口がゆっくりと開かれた。
「星を穿て、蒼き稲妻を纏いし碧眼の双頭竜」
 マレークの手を離れ、【魔槍雷帝】がアズサの胸を地面へと縫い付ける。
「──が、あ、あああああ!!!」
 もだえ苦しみながら、槍を引き抜くその手を貫いたのは、閃光と衝撃。
 蒼い稲妻を纏った碧眼の双頭竜がその首を上げ、空中を舞う人形も、アズサも光の中で焼き切る。
「い、いや、いやああああ!!!」
 オブビリオンの絶叫と稲妻の閃光の中を逃げる操り人形。
 しかし、押し流される。マレークの後を追い戦場に切り込む今鶴羽。
「逃がしません。ぶしゃーで押し流します……あっ」
 懐まで接近された。ライトタブペンでカコっと打ち返し、双頭竜の元へ送り出す。
 ぶしゃーによるファランクスの無効化、生み出された道はオブビリオンを過去の海へと還す光の道となり戦場を轟かせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

向坂・要
定番としちゃ盾のない右側面からの攻撃、とかになるんでしょうが農民吹っ飛ばすのも後味悪そうですしねぇ
とりあえず陣形を崩させて貰いましょうかぃ

第六感も併せて俯瞰で全体を捉えつつUCで大地とそこに宿る植物の根を蛇のように農民から武器を奪ったり隊列の外に放り出したりと隊列を乱す様に試みますぜ
ちなみにこの陣形って弱い奴ほど内側にいるらしいですぜ
なんて挑発混ぜつつも油断せず

農民の対処が終わりゃ怨霊ごと浄化の力を宿した焔の八咫鴉で攻撃させてもらいますぜ
いけそうならカウンター、見切りも生かしつつ毒のルーンで毒やマヒ攻撃の属性攻撃をしていきたいとこですねぇ

絡み
アドリブ歓迎


七瀬・麗治
※闇人格・ロードとして登場。戦好きの狂暴な性格。

ふん、騎兵殺しの槍陣か……。(敵の編成を確認し)弓兵はいないのか? ならば、空から攻めるぞ。
【地獄への扉】を発動し、悪魔の翼を生やして飛行し敵軍に接近。上空から指揮官を強襲する!
石でも投げてみるか?256人いれば2、3回は当たるかもしれんぞ。その代わり、槍を捨てることになるがな!
妖狐の巫女……間違いない、お前だな。おい、弥助とやらはどこだ? ……知らんのか? ならば死ね。
〈武器改造〉で寄生体が武器を侵食し強化。〈グラップル〉で組み付き、力任せに殴り付け蹴り飛ばす。怨みと嘆き? 大いに結構、好きに歌わせていろ。こちらには〈呪詛耐性〉がある。



●天に闇が、地に灯が
 半壊し尚残った農民達の中央。
 猟兵達の攻撃で受けた傷──そこから流れ出る黒い瘴気を纏うオブビリオン『巫女を騙る者・アズサ』率いるファランクス部隊は前へ前へと進み続ける。
「……ああもう猟兵さんは意地悪なんだから。でも、このままいくよ♪逝かせるよ♪」

「大分削られているとはいえ、定番としちゃ盾のない右側面からの攻撃」
 ですかね、と言いながらも 向坂・要(黄昏刻・f08973)は銀の髪を撫で考えていた。
(農民を吹っ飛ばしながら……は後味悪そうですしねぇ)
 関ヶ原の草原に風は吹き、草が揺れる。
「さてそれじゃあとりあえず陣形を」
「そこの、妖狐か」
 向坂が振り向くと、そこには男が一人、立っていた。
「あー……猟兵ですかぃ?」
「ロードだ。そうだ、戦場で狩りをしにきた猟兵だ」
 ロード、七瀬・麗治(悪魔騎士・f12192)の中に存在する彼は冷静に、しかしどこか狂気を含んだ目でファランクス部隊を確認する。
「ふん、騎兵殺しの槍陣か……」
 全員が槍を持ち、弓と矢が無い事にロードは口の端を吊り上げ笑う。
「弓兵がいないのか?」
「そのようで。お前さんはもしかして」
「ああ、ならば空から攻めさせてもらう。指揮官を強襲すれば終わりだろう」
 向坂は、ロードの離したことを冷静に自分の思考回路に組み込む。
(だとすると……風も草もある。ついでにいい文言も思い出した)
「ロードさん、まず、あの隊列を壊して御大将の首を晒しましょう。農民の隊列は……まあ、見てのお楽しみで」
 ほお、とロードが頷き、向坂の精神の集中が始まった。
 さらさらとそよぐ草、風向き。
 全身で感じ、ファランクス部隊のいる方へと手がすっと伸びる。
「いい風に吹かれる草、命の息吹。それを踏み荒らされたら──怒られても知りませんぜ?」

 蛇は地面から生え、首を幾つも増やしながら農民に絡みついた。
 蛇は茶色く、数十の群れとなって農民を放り投げ、そして草花がそれを受け止めた。
 ユーベルコード:エレメンタル・ファンタジア。関ヶ原で静かに眠っていた植物、そして関ヶ原という地。草と土の属性を操り、向坂の生み出したそれは洗脳された農民達を次々と無力化させていく。
 関ヶ原という戦場そのものが進軍を止める存在とかした今。
 慌てて指揮官が命じたのかこちらへと向かってくる槍の穂先にロードは嗤った。
「はは!分かりやすい!ならば攻めるぞ!ここは戦場なのだからな!」
 ロードの体の『中』のそれが蠢いた。
 ユーベルコード:地獄への扉(ノッキン・オン・ヘルズドア)──背に悪魔の翼、『中』の寄生体が結晶化し、体を覆った魔人形態。
 溢れだす狂気と混沌は今、ロードの手によって放たれ、彼の翼は広げられる。
 上空からロードは隊列を見下ろし、不自然に動かない一群を見つける。
「石でも投げてみるか?256人いれば2、3回は当たるかもしれんぞ。その代わり、槍を捨てることになるがな!」
 そこへ向かって声を上げると、実際に飛んでくる槍をロードはするりと躱す。
「この陣形って弱い奴ほど内側にいるらしいですぜ」
 昏倒し動けなくなった農民達を土と根で上手く運びながら、向坂も挑発の言葉を投げかける。
(といっても油断は出来ません、ですかねぇ)
 地にいる向坂も、空中にいるロードも、溢れんばかりの殺気を感じていた。
「あははー指揮官様をここまで怒らせるなんて罰当たりだねぇ……だねぇ」
 指揮官の護衛役だったであろう農民の間から、彼女は出てきた。
「私の活躍、そこで指を咥えて見てると良いですよ♪」
 浮かび上がる怨霊。
 関ヶ原という地に眠る怨みと嘆きの上に立つ『巫女を騙る者・アズサ』が腕を振るった。

「妖狐の巫女……間違いない、お前だな」
 地面を抉る様にロードは降り立つ。手にしていた、身に着けていた武器が『中』から殻を破る様にその形状をより凶悪な物に変えていく。
「うわぁ、怖いです、ねえ!」
 手足を振るい、怨嗟を吸い上げるが如く攻撃するオブビリオンに、ロードは飛び掛かる。
「おい、弥助とやらはどこだ?」
「あ、がっ!弥助様の名をどこで……」
「知らんのか? ならば死ね」
 ロードの拳が、蹴りがオブビリオンを傷つける。呼応するかの如く集まる怨みと嘆き。
 オブビリオンの攻撃が強くなる中、ロードは言い放つ。
「大いに結構、好きに歌わせていろ」
 怨みと嘆きを上回る狂気と混沌。

──赤い線が、すうっと線を引き、オブビリオンを焼き焦がす。
 関ヶ原の地に立つ向坂の生み出した、焔の八咫鴉。
「な、なんなのよ……」
「お二人の攻撃の間に込めたルーンの力も効いてきた頃合いでしょう」
 関ヶ原。再び起きた大戦。蘇ったオブビリオンと、かつての戦の怨霊達。
「これより燃えるは送り火、ここはもう、戦場にはさせない──ってね!」
 燃え上がる焔の八咫鴉の中、オブビリオンは灰も残さず消えていく。
 
 そして、オブビリオンと共に浄化されていく関ヶ原に風が吹く。
 ファランクス部隊、ここに消滅。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月17日


挿絵イラスト