エンパイアウォー⑨~生み出された熱波の元がこちら
「魔空安土城へ向かう幕府軍が関ヶ原に到着、集結したのはもう聞いてるでしょうか?」
君達を前に、なぜか女性用水着を着たフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)は確認してから話を続けた。
「ここからは関ヶ原で幕府軍を待ち受ける信長軍を突破し、さらに山陽道、山陰道、南海道の3手に別れて進軍することとなるわけですね、ただ――」
それを越えた先でも魔軍将の軍勢は待ち構えている。
「それぞれ厄介な軍勢なのですけど、皆さんに対処していただきたいのは山陽道方面、侵略渡来人『コルテス』の用意したオブビリオン達になります」
幕府に叛意を持つ長州藩の毛利一族を手駒にし、コルテスによって生み出された多くのオブビリオンは、幕府軍の迎撃準備を整え儀式を行いながら待ち構えているのだという。
「『山陽道周辺の気温を極限まで上昇させて進軍してくる幕府軍を熱波によって茹で殺す』と言うのが敵の狙いの様です」
8月10日時点で山陽道の平均気温は夜間でも35度を超えており、このままコルテスの儀式が進めば、平均気温が50度を超える殺人的な暑さとなるのも時間の問題だろう。
「しかもコルテスの策略は熱波だけではないようなんです。同時に『南米原産の風土病』も蔓延させ、幕府軍に死をまき散らそうとも企んでいるらしいんですよね」
もっとも、この風土病のウィルスは極度の高温でなければ死滅する種類であり、熱波を生み出しているオブリビオンを撃破できれば、気温上昇の諸共阻止できるとのこと。
「それで皆さんに撃破していただくオブビリオンなんですが……」
長州藩士を生贄に骸の海から呼び寄せたそのオブビリオンは、頭髪の乏しい風呂敷包みを背負ったオッサンもとい盗人の集団である。
「ええと、生贄になった長州藩士の方が生前手癖が悪かったとかそういうことですかね?」
何とも微妙そうな顔でフェリクスはコメントすると、それで首尾よくオブビリオンを倒した場合なんですがと説明を続け。
「オブリビオン達は『富士の噴火のエネルギーを蓄えた霊玉』を使って儀式を行っているようなので、儀式を行ってる場所にあるこの霊玉を砕いてしまてください」
ではよろしくお願いしますねと頭を下げたのだった。
聖山 葵
水着の理由? 暑いからか夏だからではないでしょうか。
というわけで、今回は過剰な暑さを演出するコルテスの企みを打ち砕いていただくお話となります。
=============================
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================
では、ご参加お待ちしておりますね。
第1章 集団戦
『名もなき盗人集団』
|
POW : これでもくらいな!
【盗んだ縄や紐状のものまたはパンツなど】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : これにて失礼!
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : ここはおいらに任せておくんな!
【なけなしの頭髪】が命中した対象を爆破し、更に互いを【今にも千切れそうな髪の毛】で繋ぐ。
イラスト:まっくろくろな
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
ふざけた格好すりゃ見逃してもらえると思ったか?
コルテスの企みに加担した奴は片っ端からブッ飛ばす。別の所でぶんちょうさますらブッ飛ばした俺が、今更オッサン相手に躊躇するか!
敵は色んな物を投げて抵抗するつもりか…燃えそうなもんばっか投げてくるなら【プロミネンス・インパクト】を構えた拳で【武器受け】しつつ【ダッシュ】で接近。そのまま顔面に右ストレートをぶちこんでやるぜ。
儀式する位には熱いのが好きなんだろ? だったらまずは身をもって…体験しとけ!
火土金水・明
「生贄になった長州藩士の方が生前手癖が悪かったから、頭髪の乏しい風呂敷包みを背負ったオッサンのオブリビオンが呼び寄せられた?。」
【WIZ】で攻撃です。攻撃は、他の方に合わせて【援護射撃】にして【高速詠唱】した【破魔】の【属性攻撃】の【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『名もなき盗人集団』達を巻き込めるようにして纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「お前の髪を数えろ。・・・違った、あなたの盗んだものを返して骸の海に帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
「生贄になった長州藩士の方が生前手癖が悪かったから、頭髪の乏しい風呂敷包みを背負ったオッサンのオブリビオンが呼び寄せられた?」
儀式場に集うオブリビオン達を眺めながら、火土金水・明(人間のウィザード・f01561)はグリモア猟兵少年の語った推測に色々付け加えて首を傾げる。
「暑く、暑く、もっと暑く」
オッサンのオブリビオン達は総じて明の口にしたように頭髪に乏しく、全員が頭髪を守るかのごとくほっかむりをし、風呂敷包みを背負って儀式を続けていた。もっとも、それも、この時までであったが。
「敵か! これでもくらいな!」
「【Select……BURN ACTION!】」
気づいた者も居るには居た。だが、投じられた物品は受け止めるべくアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)のかざした拳に生じる超高熱に耐えきれず燃え尽き。
「ふざけた格好すりゃ見逃してもらえると思ったか?」
「なべばっ?!」
儀式に気をとられていたのか、投てきを凌いで駆けて来たアーサーの拳を顔に受けたオブリビオン、名もなき盗人は悲鳴を残すと顔面を変形させて吹っ飛ぶ。
「猟兵か?! 畜生こんな時に」
「ここはおいらに任せ」
ここに至って全体的に襲撃に気付き、オブリビオン達が色めき立つと一人の盗人がなけなしの頭髪を放とうとする。その瞬間だった。
「我、求めるは、冷たき力」
「「あぎゃーっ」」
アーサーの援護に放たれた200を優に超す魔法の矢が面で儀式を行っていた盗人集団へ襲いかかり、明が矢に秘めた属性によって命中個所を凍てつかせる。
「うぎっ、あ、足が」
ある盗人は足を氷で地に固定され、救いを求めるように周囲を見回し。
「コルテスの企みに加担した奴は片っ端からブッ飛ばす」
最も近くに居たアーサーは言い放つ。
「ひ、ひぇ……」
「別の所でぶんちょうさますらブッ飛ばした俺が、今更オッサン相手に躊躇するか!」
たとえ足を凍らされ逃げようも避けようもなくても理由にならない。
「おたすべっ」
仲間に向けたものか助けを呼ぶ声の途中で殴り倒された名もなき盗人が骸の海へと還り。
「ちっ、だが、ただじゃあやられねぇぞ! 男に通じねぇなら女の方だ! これでもくらいな!」
味方が倒される光景に顔を歪めたオブリビオンは明目掛けてパンツを投じた。問答無用でセクハラである。
「なっ」
だが、投じた盗人の表情は驚きに変わる。投げた下着は明をすり抜けて地に落ちたのだ。
「残像ですよ。では――お前の髪を数えろ。……違った、あなたの盗んだものを返して骸の海に帰りなさい」
端的に説明してから最終通告を言いなおすと、明が作りだしたのは、先ほど降らせたのと同じ魔法の矢。
「げえっ?!」
何が起こるかを理解したオブリビオンは救いを求めて周囲を見回すが、矢の振る範囲内に居る殆どの盗人達は同じような表情であった。
「儀式する位には熱いのが好きなんだろ? だったらまずは身をもって……体験しとけ!」
「く、くそ」
唯一の例外はアーサーに追いつめられ肉薄されつつある盗人だ。
「これでもく」
「遅ぇ」
風呂敷包みに手を突っ込み、盗品を投げようと手を振りかぶった時にはもはやアーサーはオブリビオンを間合いに捉えており。
「この手に宿る太陽の力……受けてみやがれえええええ!!!!」
「ば」
一音を残して頭部を粉砕された盗人の向こう、他のオブリビオン達へと魔法の矢が降り注ぐ。
「おし、次だ!」
魔法の矢に射られて凍り付いたり疲弊した盗人たちめがけアーサーは走り出し。
「うげっ」
「ひ、こっちに来ん、ぎゃあああっ」
儀式場へ悲鳴が響き渡る。
「それなりの数は倒せたようですね」
周囲を見回した明の視界には骸の海に返りつつある倒れた盗人の身体が幾つか。だが、同時に全てを倒しきれていないのも事実であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルク・フッシー
えっと…今回は、この泥棒のおじさんオブリビオンを倒す、んですね…
…(ある意味)やりづらい、ですね…
その、なにか特殊な戦場で戦うとか、特殊なことをしてくるわけではないんですね…
じゃあその、とりあえず雷【属性】を宿した塗料を生み出して、直接オブリビオンにぶつけて攻撃します
一応塗料に【誘導弾】の特性を与え、オブリビオンを追尾させることにより簡単には逃がさないようにします
逃げ足とかは早そうですけど、外れても床を塗ってボクたち猟兵を強化できますから、無駄にはならないと思います
相手が飛ばす毛髪には塗料をぶつけ相殺を図ります
霊玉は塗料をぶつけるなり絵筆で叩いて割るなりします
…早く次の戦場へ行きましょう
レパル・リオン
…こいつら、本当に怪人(オブリビオン)?
…………うん、とにかくやっつける!
【トリニティ・エンハンス】っ!今回は火属性マシマシでいくわ!
この炎のパワーで燃える衝撃波を放って、怪人が使う紐やパンツを燃やして…えっ、パンツ!?
あー、うん、とにかく飛んできたものを片っ端から燃やしつつ、ダッシュで怪人に近づいてぶん殴りながら燃やすわ!
そんで燃えてる怪人をこう、えいやっ!と他の怪人に向けて投げつける!
それでひるんだ怪人を、素早く殴る!とりあえずこの繰り返しで、片っ端から叩きのめすわ!
怪人がいなくなったら霊玉を殴る!壊す!
撤収!次の戦場が呼んでるわ!
月藤・紫衣
………もう少し人選はなかったんでしょうか
いや、この場合はオブリビオン選…?
まぁ、ともかく
ただでさえも暑いのです、これ以上暑くしないでいただきたいですね
【高速詠唱】した風の【属性攻撃】魔法で飛んで来る毛髪はすべて風の力で【なぎ払い】つつ
儀式のために集まっているなら好都合
中心を狙って【宵華嵐舞】を放ち【範囲攻撃】として複数の敵を巻き込んでしまいましょう
逃げる輩がいるようでしたら風の【衝撃波】で【咄嗟の一撃】を与えようかと
(アレンジetc歓迎)
山梨・玄信
この世界で細菌兵器を使うとは…秀吉か安倍晴明辺りが入れ知恵したのかのう。
とにかく、そんな企みはわしが粉砕してやるのじゃ。
【SPDを使用】
またこいつらかい!使い捨て出来る程数が多いのかのう…。
ダッシュと逃げ足で敵の機動力に対応しつつ、第六感と見切りで動きを読んで攻撃を躱すのじゃ。
敵が空中2段ジャンプをしたら、2段目の踏み込む一瞬止まる場所に気弾を撃ち込んでやるぞい。バランスを崩したら、体制を立て直す前にもう一発気弾を撃って止めを刺してやるのじゃ。
敵を全滅させたら、霊玉も気弾で破壊するぞい。
「盗っ人猛々しい…意味は違うがやる事が凶悪すぎるのう。全員死罪じゃ」
アドリブ、絡み歓迎じゃ。
「……こいつら、本当に怪人?」
既にオブリビオンの半数近くが倒されている光景を前に幾人かの猟兵が困惑していた。レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)もその内の一人である。
「……もう少し人選はなかったんでしょうか。いや、この場合はオブリビオン選……?」
複雑そうに生き残りの盗人達の容姿を眺めてから言いなおした月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)も首を傾げる。
「えっと……今回は、この泥棒のおじさんオブリビオンを倒す、んですね……」
ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)は確認するが、確認するまでもなく答えは目の前にあり。
「やりづらい、ですね……」
「この世界で細菌兵器を使うとは……秀吉か安倍晴明辺りが入れ知恵したのかのう」
美味しくないモノを口に詰め込まれたかの様な表情でルクがオブリビオン達を見る中、山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)が視線を向けたのは、敵ではなく儀式を行われていた場の方だった。
「その、なにか特殊な戦場で戦うとか、特殊なことをしてくるわけではないんですね……」
つられて玄信と同じ方へルクも視線をやるが、懸念するようなモノは見受けられず。
「…………うん、とにかくやっつける!」
「そうじゃな。こんな企みはわしらが粉砕してやるのじゃ」
割り切った様子のレパルが結論を出せば、玄信もオブリビオン達へ向き直り。
「またこいつらかい! 使い捨て出来る程数が多いのかのう……」
ワンテンポ遅れて盗人達の容姿を認識するとツッコミを入れて遠くを見る。
「玄信、くじけてはなりません」
「うむ、なんとなく出てくるのではないかと思ったのじゃ」
そこに自身にしか見えない神々しい女性の幻影を見つけると目を据わらせ。
「くっ、新手か!」
「まぁ、ともかく。ただでさえも暑いのです、これ以上暑くしないでいただきたいですね」
自身を含む味方に気づいたオブリビオンを視界の中に、紫衣は詠唱を開始する。無論、盗人のオブリビオンとてこれを黙って見てはいない。
「ここはおいらに任せておくんな!」
なけなしの頭髪を放ち。
「そうは参りませんよ」
「な」
命中する前に紫衣の完成した詠唱が魔法と言う形で効果を発揮した。風の属性を持つ魔法は容赦なく向かってきた頭髪を薙ぎ払って防ぎ。
「おいらの髪が……」
「じゃあその、とりあえず」
「ん?」
髪を失って呆けたオブリビオンは誰かの声を耳にし、反射的にそちらを見る。
「え」
視界を埋めたのはぶちまけられる塗料だった、しかもなぜか物理法則すら無視して追尾してくるタイプの。追尾してくるだけでも異常だが、バチバチとところどころ放電している塗料が無害なシロモノの筈がない。
「ぬわーっ」
塗料をかぶり感電した盗人の絶叫が周囲に響き。
「トリニティ・エンハンスっ! 今回は火属性マシマシでいくわ!」
炎の魔力を身に帯びてレパルは腕を振り上げる。
「これでもくらいな!」
「そんなの――」
視線の先に居た盗人が一矢報いようと風呂敷包みの中へ手を手を突っ込んだのを見て迎撃すべく上げた手を振り下ろせば、放たれた衝撃波は燃えながら一直線にオブリビオンへと向かい、紐状のものでつながれたそれを焼き尽くす。
「どう? そんな紐やパンツなんて……えっ、パンツ!?」
得意げに胸を逸らしたのもつかの間、自身の言に引っかかって、記憶をたどると焼き尽くしたのは確かにパンツであった。しかも女物。間違っても投げてきたオッサンの着用していたモノとは思えない。
「あー、うん、とにかく飛んできたものは片っ端から燃やせばいいわね。それよりも」
きっと、深く考えるのを脳が拒否したのであろう。いや、あるいは最適解を見つけたのか。地を蹴って走り出せば、先に居たのは、投擲したパンツを燃やされた盗人のオッサン。
「ぶん殴る」
「うすべっ」
大元であるオブリビオンを叩けばいい、真理であった。
「さてと」
だが、これでレパルは終わらない。帯びた炎の魔力によって炎上したオッサンを掴み。
「えいやっ!」
怪力に任せて放り投げたのだ。
「げっ」
思わず声を上げる投げられた先に居たオブリビオン。仲間とは言え、燃える物体が飛んでくることも嬉しくないが、レパルが自分達の仲間を投げた理由も察したのだろう。何せ投げた盗人を追う様に駆け寄ってくるのだ。迎撃に何か投げようともそれは間違いなくレパルではなく、飛んできている味方にあたる。
「ちくしょおおおおっ!」
叫ぶオブリビオンに出来たのは仲間とぶつからないように身を躱すことだけだった、それもレパルにとって織り込み済みだろうと承知しながら。
「バラバラじゃだめだ、各個に撃破されちまう!」
ならば纏まって反撃に出ればいいと考えた名もなき盗人達も居た。
「へへ、これなら簡単にはやられねーぞ」
「そうですか、では」
戦いは数、オブリビオンは安心感からか笑みを零すが、紫衣にとってはむしろ好都合であり。
「宵咲きの華は嵐に舞う」
詠唱を終えると、酔蜜月刀の剣先を盗人の集団へと向けた。
「「ぎゃあああっ?!」」
鋭利な月下美人の花弁を含む竜巻に吸い込まれ、切り裂かれるオブリビオンの悲鳴が竜巻の中から上がり。
「くそっ、くそっ、やられちまう、みんな……っ」
あちこちで上がる仲間の悲鳴を聞いて焦ったように周囲を見回した盗人のオッサンは気づいた。散発的な反撃を逃げるように避け、飛んできたパンツをまるで見切っているかの様に半身身体をずらしただけで避けた一人の猟兵がいつの間にか自分目掛け駆けてきていることに。
「こ、これにて失、べっ」
逃げなければ殺られる。とっさに判断して空に逃れようとしたオブリビオンは駆けてきた猟兵こと玄信の気弾によって撃墜され。
「トドメじゃ」
「がっ」
背中から地に落ちたところへ二発目の気弾を受けて息絶える。
「ふむ、戦っている間に随分と数は減っているようじゃが」
骸の海へと倒したオブリビオンが還ってゆくのを視界の端で見届けた玄信は、辺りを見回す。まばらではあるが、残敵は見受けられ、儀式の効果が無くなったようにも見えず。
「盗っ人猛々しい……意味は違うがやる事が凶悪すぎるのう。全員死罪じゃ」
玄信が口にした宣告が事実になるのにそう時間はかからなかった。
「逃がしませんよ」
「ぎぶっ」
最後の一人となり、猟兵達に背を向けた盗人は紫衣の放った衝撃波で地に這わされ。
「とどめね、いくわよルクちゃん!」
「は、はい」
身を起こす暇も与えられず、レパルの足とルクの絵筆が倒れ伏したオブリビオンを粉砕し、戦いは終わったのだった。
「さてと、怪人がいなくなったしあとはこれを壊すだけね」
「じゃの」
レパルと霊玉を挟んで向かい合う形で、玄信は頷く。
「じゃあ、ええと、せーの」
ためらいつつ掛け声を口にしたのは絵筆を振り上げたルク。そのまま絵筆を叩きつければ、玄信の気弾とレパルの拳も命中して霊玉は砕け。
「……早く次の戦場へ行きましょう」
「そうね、撤収! 次の戦場が呼んでるわ!」
残骸を一瞥したルクに促されると撤収のポーズをとってからレパルは仲間達と共に転送され、その場から消えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵