5
エンパイアウォー⑨~高熱列島

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#戦争
🔒
#エンパイアウォー


0




「エンパイヤウォーですが、大変なことが山陽道でおきています」
 ノースリーブのチャイナドレスで、精一杯涼しくしよう、とはしているが、それでも間に合わず、乱暴に髪の毛をひっつかみ、うなじをむりやり冷やそうとしている、パティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)。

「サムライエンパイアは、今は夏真っ盛りですが、今の山陽道はもっと酷いことになっています。平均気温は夜間でも35度超え」

 そんな気候、あり得ないよ! という、サムライエンパイヤが出身地の猟兵の声があがる。

「このままだと平均気温が50度を超えるという、予想がなされています」
 ますますあり得ない! パティに目線を落とす猟兵達から、さらなる大声が上がる。
 異常気象にも程がある。

 その原因にはオブリビオンが、当然のごとく関わっている。
「この暑さは魔軍将コルテスの策、です。山陽道周辺の気温を極限まで上昇させることで関ヶ原に向かう幕府軍の兵達をを熱射病化させて、弱体化の上一網打尽にしようとしています」

 ますます険しい顔へと変えて、説明を続けるパティ。
「更に厄介なのは。コルテスが使おうとしているのは暑さだけじゃありません。同時に『南米原産の風土病』もばらまくことで幕府軍を弱らせ戦闘不能に陥らせるだけではなく、殺害するつもりです。予想される兵力の損害は、幕府軍だけでざっと4万人、です」

 よんまんにん。余りにも数字が大きすぎて、理解が追いつかない、という顔をする猟兵たちに向かって、なおも話を続けるパティ。
「その4万の兵一人一人に、親や祖父祖母、伴侶や子供がいる、と考えたら?」
 兵の死を嘆き悲しむ民は、4万ではすまない。そういうことです! とパティは語気を強める。

「この熱波は現地で儀式をしているオブリビオン達によって起こされています。幸い風土病も極度の高温でなければ、そのウィルスは死滅します。とにかく、敵オブリビオンを倒す。これが全てに優先されます」

 一つ大きく息を吸う、パティ。

「儀式に用いているのは、『富士の噴火のエネルギーを蓄えた霊玉』ですが、これ単独では極めてもろいシロモノで、これを持ったオブリビオンを討伐さえすれば、問題なく霊玉は破壊できますし、異常な熱波をも止められます」

「そして敵は、『万能従者型・渡来の天使』という、ぱっと見、オラトリオ族にも似た姿をした、オブリビオン達です」
 鉄の斧をふりおろし、天使の輪を複製してとび回らせ、大怪我したら「別の渡来天使」を呼び出す等、様々な攻撃を仕掛けてきます。

 人間サイズの、小型プロジェクターを、全身で操作しながら説明をするパティ。

「数はそれなりに多いです。しかし幸いなことに一体一体は強くありません。ただし油断は禁物です」

「幕府軍や山陽道近辺の人達のためにも、是非とも作戦を成功させてください!」
 猟兵達に向けてお辞儀をする、パティだった。


ザムザム
●注意事項
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。


 ザムザムです。
 熱いです。
 連日熱射病注意情報のメールが、お役所から届いております。

 山陽道で儀式を行うオブリビオンを倒し、何としても儀式を止めてください。

 内容としては「『万能従者型・渡来の天使』との集団戦・純戦」です。
 判定の中心になるのは戦闘部分とする予定です。
 暑さに対する対策や、霊玉を壊すときのリアクション等、あれば書いていただいても大丈夫です。

「8/20までに起こるであろう、熱波地獄を阻止させる」という都合上、青丸の数がオーバーキル気味になりそうなとき等はプレイングを却下させていただく場合がございます。

 御了承ください。

 それでは、何とぞよろしくお願いいたします。
14




第1章 集団戦 『万能従者型・渡来の天使』

POW   :    天使の一撃
単純で重い【天使の斧】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    くるくる回る天使の輪
自身が装備する【天使の車輪】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    兄弟の危機を見過ごせない!
自身が戦闘で瀕死になると【新たな別の渡来の天使】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:つばき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クゥーカ・ヴィーシニャ
【聖祓】
WIZ

4万人の兵士に家族。それだけの被害を出すわけにはいかないな。

天使だかなんだか知らんが、駆除するまで。ナターシャの支援の元、戦闘を行う。
相手の群れの壊滅が目的だ。そのためにも、多少のダメージには目をつぶろう。ナターシャの足を引っ張りたくはないしな。全力でいかせてもらう

相手が倒れたら、【ミレナリオ・リフレクション】を使い、【兄弟の危機を見過ごせない!】による増援を阻止する。強い奴と戦いたくはないんでな。ここで打ち切らさせてもらおう。

……てかここ敵味方に天使多すぎねえか?


ヒサメ・グラウパール
◎アドリブ連携歓迎

あづい……正直暑さ舐めてた……
こんな策考える奴、頭おかしいわよ……

帰る、さっさと倒して帰る、かき氷食べる……

■戦闘
氷の魔力を身に纏えば余裕と思ったけど、こうも熱いと焼け石に水ね……

まずは斧に対して槍のリーチ差を活かし、堅実に回避しつつ攻撃
車輪は何とか回避しつつ翼や尻尾で気合でガード

敵が攻撃を避けて気を抜いた瞬間や態勢を崩したのを見計らって
不意打ちで【UC】発動、槍先からの【属性攻撃】を乗せた冷凍光線で氷漬けにしてあげる
狙う部位は頭、右腕、右足の三か所

動揺に加えて身動きが取れない所を瀕死にさせず一撃で倒していくわ

共闘時は敵の妨害や味方のサポートを意識して臨機応変に対応したいな



「4万人の兵士に家族。それだけの被害を出すわけにはいかないな」
 これが初陣のクゥーカ・ヴィーシニャ(f19616)は、眉をひそめ、その口元から、八重歯を見せながら言う。

 一方、これまた初陣のヒサメ・グラウパール(f21294)はといえば、
「あづい……正直暑さ舐めてた……。こんな策考える奴、頭おかしいわよ……」
 ……かなり緊張感のないせりふを、もう暑さでウンザリだ、という顔をしながら語る。無理も無い。持っている槍も氷槍なら、出身も極寒の地とあっては、この暑さで心が折れかかるのも仕方のないことか。

「天使だかなんだか知らんが、駆除するまで」
「帰る、さっさと倒して帰る、かき氷食べる……」
 へ向けるせりふも、正反対ではあるけれども、目的はただ一つ。
 サムライエンパイヤの兵や民を、異端者で駆逐すべき者、としか見ていない渡来の天使を倒し、儀式を中止させること!

「氷の魔力を身に纏えば余裕と思ったけど、こうも熱いと焼け石に水ね……」
 まず渡来の天使へと、氷槍を向けたのはヒサメ。
 天使の持つ斧よりも先に、鋒(きっさき)を突きつけて、そのリーチ差を活(い)かし回避しつつ攻撃!
 その間二つ三つ、ヒサメの皮膚に血の筋が浮かぶ。天使の車輪が傷つけたのだ。痛みは気合いで我慢しつつ、「そのとき」を待つ。

 共に戦うクゥーカが、自らの持つからくり人形……「姉様」共々、傷を負いつつ天使を追い詰める。その攻撃に耐えきれなかった、天使の一人が体勢を崩したそのとき!
 ヒサメの氷槍の穂先から、三筋の光線が、まるで蛇(くちなわ)を放ったかのように、天使目がけて飛んでいく! それは、天使の頭と、右腕、そして右脚に命中し、その場で転倒した天使は逃ことも、ままならなくなった。そこへ氷槍の一撃! たまらず天使は、骸の海へと消えていった。

 油断をした、あるいは体勢を崩した天使目がけて、次々と光線を放つ! しかし全ての光線が、正確に天使の弱点を射貫けたわけではない。

 そのうちのひん死の一体が何やら唱(とな)えると、もう一人の天使が現れたではないか!
 ヒサメと「姉様」の目の前を、天使の持つ斧の刃が通過する。
「これは、強(つえ)えな……」
 こんな調子で増援されたら、経験の浅い自分達はひとたまりも無い。

 しかも戦闘力は今までの天使と比べても一枚上手。これはますます正確に、とどめを刺さねばならない。
 連戦の疲労と軽い焦りが、ヒサメの放つ光線の軌道をわずかに狂わせていた。

 苦し紛れになにやら唱(とな)える、別の天使に対し、同じ呪文を唱(とな)えるヒサメ。
「さっきの増援の様を、キチンと見ておいて正解だったぜ!」

 果たして天使達の増援は、来なかった。クゥーカの呪文が増援を阻止することに、成功したのだ。
 
 天使達の数を減じることに成功した、クゥーカとヒサメは、この後から来るであろう、より歴戦の猟兵に後を託しこの場から去る。
「ここで打ち切らさせてもらおう」

 初陣にしては十分過ぎる戦果を残して。

 もうひとつ残ったものは、クゥーカの疑問。
「……てか、ここ敵味方に天使多すぎねえか?」
 なるほど。渡来の天使、クゥーカ自身の持つ翼、ヒサメの持つ氷龍の翼。
 この戦場にいたのは、敵味方共々翼を持つ者たちのみ、であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

七瀬・麗治
ああ、暑い。不快だ。こんな作戦を思い付いた奴は誰だ。引きずり出して殺してやる。
面倒だ、手早く片付けるぞ……。数には数で挑む。
地面に剣で魔法陣を描き、【暗黒騎士団】を召喚。 こやつらはUDCでな、多少の暑さや寒さなどは関係ないのだ。さあ、皆殺しにしろ!
天使どもは体当たりで〈吹き飛ばし〉、倒れ込んだところを〈踏みつけ〉て追い討ちだ。私もサイボーグホースに〈騎乗〉して出撃するぞ。 馬上で黒剣を抜き、〈力溜め〉て車輪を破壊する斬撃を食らわせてやる。

※アドリブ・連携歓迎です。


峰谷・恵
「50℃?宇宙空間に比べれば天国」

空間活動用改造ナノマシンで宇宙空間でも生身でもつように自分の体を改造しているので50℃でも問題なく活動可能。
敵の密集地に飛び込み、敵が散開する前にフルバースト・マキシマムで可能な限り多くの敵を撃破。
その後はMCフォート(誘導弾+鎧砕き)で敵を削っていき、負傷が重なった敵は増援を呼ばれる前にアームドフォートと熱線銃の射撃(2回攻撃+一斉発射+誘導弾+鎧無視攻撃)で一気に倒す。
敵の攻撃、特に斧の一撃はできる限り回避、避けきれない攻撃はダークミストシールドで防御(盾受け)。
霊玉を見つけたら遅すぎた収穫期で破壊


黒影・兵庫
あ、暑い...溶けちゃいそうです...せんせー...うわっと!
(【教導姫の再動】で召喚した女性(せんせー)におんぶされる)
うひゃあ!冷たい!なんで!?え?氷室で体を冷やしたんですか?
なるほど、抜け殻だからキンキンに冷やしても問題ないですね!
さすがです!ありがとうございます!せんせー!
敵が現れたら【見切り】【第六感】【ダンス】で回避しながら
【武器受け】で防御して【皇糸虫】を【念動力】【ロープワーク】【罠使い】で
敵の足に絡ませて動きを止めます!
敵が止まったら一緒に【衝撃波】で攻撃しましょう!


田中・香織
ユーベルコードのフルバースト・マキシマムを筆頭にアームズフォートの大砲やアサルトウェポン(重機関銃)をこれでもかと撃ちまくるわ。
ちまちまやるのは性に合わないし、何より、この暑い中長期戦はしたくないからありったけの弾を撃ち込んでの短期決戦で行くわ。
今回は他の人もいるから、可能なら積極的に援護したり連携して攻撃するようにするわ。
『この服、結構暑いのよ』



 入れ替わるように現れたのは、5人? 、いや4人の猟兵だ。
「あ、暑い……。溶けちゃいそうです……。せんせー……」
「せんせー」……蜂の触覚を持つ女性の背中で、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)が暑さに不満の声を上げると、
「この服、結構暑いのよ」
 赤を基調としたフィルムスーツを示し、ピンク色の瞳の上の顔をしかめる。いかにも不快、という表情と言動をする、田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)。
「ああ、暑い。不快だ。こんな作戦を思い付いた奴は誰だ。引きずり出して殺してやる」
 と、ウンザリだ、という表情を隠さない、七瀬・麗治(悪魔騎士・f12192)が、かなり物騒な物言いでそれに続く。ここまで3人の猟兵の不満が続いたが、その一方。一人だけ意に介さない猟兵が。
「50度? 宇宙空間に比べれば天国」
 いやいやいや! まだ霊玉の儀式は完成してい無い今、50度までには、まだ気温上昇し上てませんし! とツッコミを入れられかねないことを、さらりと言うのは、峰谷・恵(神葬騎・f03180)。

「うひゃあ! 冷たい! なんで!?」
「せんせー」の背中で、ビックリした声を上げる黒影。 なんでも。「抜け殻」の身体ゆえ、自らを冷却しても、「せんせー」には冷感そのものがない。
「さすがです! ありがとうございます! せんせー!」
 これで、暑さに苦しめられずに戦える! 黒影は、戦場と言うことを忘れ、歓心の声をあげてしまう。

 大きな胸元を軽く上下させながら、涼しい顔で語るは、峰谷。
「空間活動用改造ナノマシンで、宇宙空間でも生身でもつように、自分の体を改造済のボクにはこんな暑さは、問題ないよ」
 まるで少年が語るかのような語り口で、声だけならまるで少年が2人、ここにいるかのよう。
 
 七瀬が先陣を切る!
 足元の地面に、剣で魔方陣を描き……そこから現れたのは、甲冑(かっちゅう)騎兵の集団!
「こやつら、暗黒騎士団はUDCでな、多少の暑さや寒さなどは関係ないのだ」さあ、皆殺しにしろ!」
 なるほど。灼熱(しゃくねつ)でその甲冑(かっちゅう)を焼かれていても、意に介するようすすらない。その表情は甲冑(かっちゅう)の奥でよく見えずとも。
 サイボーグホースの馬上から、さぁ皆殺しにしろ! という七瀬の声とともに「暗黒騎士団」は渡来天使達に殺到!
 異教徒の下郎どもが、と、天使達はその端正な顔に似合わぬ、苦し紛れのせりふを吐くが、それが届くことはない。あるものは体当たりで吹き飛ばされ、またあるものは踏み潰され、またあるものは七瀬の黒剣で車輪ごと切断!

 ひん死となった天使が、新たな天使を召喚してくるが、暗黒騎士団の敵ではない。反撃を食らって消滅する暗黒騎士もいることはいたが、それとても大勢を左右するほどでなく、蹂躙(じゅうりん)を続けていった。

 また別の戦場では。大砲と光線と銃弾と衝撃波がはぜる音と、大地が何やらたたきつけられる音とが、ない交ぜに響きわたる。
 敵の密集地に飛び込んだ、蜂谷と田中の砲台からの弾丸と光線、重機関銃の弾丸が、黒影の衝撃波が、天使達を吹き飛ばす。 体勢を立て直そうと逃亡する、天使達の脚や羽根に、黒影と「せんせー」から放たれる、生きている糸……皇糸虫が絡みつき、逃亡を許さない。そこに峰谷と田中の銃が、天使達を狙い撃ち、増援を呼ぶ間もなく撃たれる。
「ちまちまやるのは性に合わないし、何より、この暑い中長期戦はしたくない!」と、田中のいうとおりありったけの弾を撃ち込んで、短期決戦で行くわ。 

 逃れ得た天使がうちの一人が、天使の斧を大地に打ち付ける! 空振りか? いや、地形ごと破壊して、その岩で峰谷と田中の攻撃をひるませ、黒影と「せんせー」の縛(いまし)めを外す策だ!
 しかし、手袋から黒い霧状のエネルギーシールドを展開させた、峰谷は急所への被害を避けきって、黒影と「せんせー」はまるでダンスを舞うかのように見切って、その手にする警棒やナイフで岩を受け、砕き……破片となった小石が数個「せんせー」に当たって、乾いた音を響かせただけ。ただ回避の術のなかった田中だけは、岩の一撃を食らい、もんどり打って倒れてしまう。
「大丈夫、だよな?」
「ケガは無いですか?」
 峰谷と黒影の心配そうな声に、「正直痛いけれど、大丈夫」と目配せをする田中。上半身を引き起こし、更なる弾丸を天使達に浴びせかける。

 街道から音が消えたとき。立って残っていたのは……猟兵達。
「これで終わらせるよ!」
 峰谷の剣をかたどった兵装……「遅すぎた収穫期」が、既にもろく変化していた、霊玉をまるで砂団子のごとく破壊した。
 これで、異常な熱波も止まるはず、と猟兵達が思ったその瞬間。急速に冷やされた大気が雲を形成し、大粒のにわか雨となって大地をたたき、みるみるうちに、気温は下がっていった。
 もしここに、サムライエンパイヤの者がいたら「多少暑いけれど、ふだんの夏もこんなものです」という答えが返ってきたに違いない。

「幕府軍や街道の方々の、「快」の活力が、みなぎってきます!」
「これで、もう35度だ50度だなどという、熱波は収まるはずだ」
「もう暑くなりませんね、せんせー」
「……髪の毛が纏まらなくなってしまうけれど、これで風土病のウィルスも死滅する、よね?」
 間違いなく、これでウィルスは活性化することはない。口々に作戦成功を喜ぶ、猟兵達。

 そして、猟兵達の一致した意見。
 早くグリモアベースに帰還して、涼みたい。そしてエンパイアウォーを終結させるべく、英気を養いたい。

「これでもう、大丈夫」
 誰の声かは分からないけれど、この声を最後に猟兵達の姿は、山陽道から消えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月17日


挿絵イラスト