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エンパイアウォー⑱~兵は拙速を尊び、軍神は神速を貴ぶ

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #上杉謙信

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「軍神と呼ばれる魔軍将『上杉謙信』の居場所が判明した。関ヶ原に軍勢を引き連れ、我々猟兵を止めようと陣を張っている」
 グリモアベースで待っていたバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が、やってきた猟兵に開口一番新たな標的を告げる。
「敵軍の勢いを削ぐ為にも、この機を逃さずに討てる時に討っておきたい相手だ。強敵だが、ここに集まった諸君等に討伐に行ってもらいたい」
 強敵であり、軍を率いる将だ。討てる時に討つのは戦の鉄則だろう。

「上杉謙信は配下の上杉軍を『車懸かりの陣』と呼ばれる巧みな陣形で、己が倒れても、軍勢によって蘇生時間を稼ぐという方法で蘇生してしまう。つまり上杉謙信本人だけでなく、その配下の軍勢も共に倒さなくては倒しきれないという訳だ」
 両方を同時に相手取るのは難しい、どちらを相手取るか決めて掛からねばならない。
「諸君には上杉謙信に直接仕掛け、その首を狙ってもらいたい。諸君が征く道は他の猟兵達が切り開いてくれている」
 戦場ではオブリビオンの軍勢と他の猟兵達の部隊が激戦を繰り広げ、既に関ヶ原では多くの血が流れている。
「例え配下の軍勢が居なくとも、魔軍将――それも軍神と呼ばれる相手、生半可な力ではない。全力を以って挑まねば手痛い目に遭うのはこちらになるだろう」
 12本の刀を操り、それぞれが水・光・土・火・樹・薬・風・毒・氷・闇の属性を宿している。そして左右に持つ刀はアンヘルブラック・ディアブロホワイトと曰くのある銘の名刀だ。
「相対すれば的確に判断を下し、こちらが苦手な属性を使って攻撃してくるだろう。十分に備えておかねば一蹴される可能性もある」
 そうならぬように敵の攻撃に対して気をつけねばならない。

「他の戦場では敵将が倒れ始めている。ここで一気に畳みかけ、敵軍の勢いを一気に止めてしまいたい。強敵であっても諸君ならば必ず打ち破れるはずだ。軍神と呼ばれる敵を越えてこい」
 バルモアの言葉に力強く頷き、猟兵達は戦場である関ヶ原へと向かう。
 グリモアベースの風景は鉄と血の匂いがするような、凄惨なものへと変わっていた。


天木一
 こんにちは天木一です。六魔将・上杉謙信との決戦となります。戦国系ゲームでは謙信をよく選んで遊んだりします。ちょっと変わっててカッコイイですよね!
 強敵ですので、判定は厳しくなっております。


 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●特殊ルール
 軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
 つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。


 六魔将ですが、先制攻撃などはありませんので、普通に戦うことができます。ですが強い相手ですので、上手く敵の攻撃を防いだり受け流したりと、対処できなければ大ダメージを負ってしまいます。
 それでは、皆様の敵将と戦場での真剣勝負をお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『軍神『上杉謙信』』

POW   :    毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    毘沙門刀車懸かり
自身に【回転する12本の『毘沙門刀』】をまとい、高速移動と【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。

イラスト:色

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

上泉・祢々
12の毘沙門刀……ふふ、折り甲斐があります
属性があろうと刀は刀ですし気にすることもないですね


まずは相手を注視して動きを把握、手足で刀を受けて防ぎ太刀筋と間合いと振りの速さを見切る
徐々に防ぐ頻度を減らして歩法と体捌きを組み合わせ回避を試みます
多少の傷は必要経費、今は我慢です

見切った太刀筋に合わせ刀に刃ではなく腹の部分に手刀と足刀を叩きこみ破壊を狙う
毒だろうが燃えていようがお構いなしです
私の目的は最初からこれ
振るう者より振るわれる物
特にその両手の刀が気になりますねぇ

そちらは12の刀、こちらは100の華。どちらが上か勝負しましょうか
総て折れば私の勝ち、折れなければそちらの勝ちです
さぁ死合ましょう?


薬師神・悟郎
軍神と戦う日が来るとは俺も運が良いんだか悪いんだか…
だが、できる限りの事はやらせてもらう

UC発動
幾つもの耐性とオーラ防御を厚く纏えば、言葉を交わす時間すら惜しいと、名乗りを上げることなく先制攻撃
弓が届くぎりぎりの距離から一斉発射による範囲攻撃、先制攻撃
その矢の全てに属性攻撃で様々な属性と破魔を付与し早業で一斉射撃、投擲、視力、暗視、スナイパー

地形の利用、逃げ足、野生の勘、第六勘、野生の勘で上杉謙信との距離を保ち攻撃を見極め
回避不可の場合はフェイント、残像で攻撃をおびき寄せ、見切り、カウンターで散らす
この時、有利な属性を特定していれば早業で属性を切り替え(武器改造、防具改造)、臨機応変に対処する



●戦場の神
 激しい戦場を潜り抜け、多くのオブリビオンの屍を踏み越えると、開けた場所に一人の武人が泰然と立っていた。その者の周囲には12本の刀が浮かんでいる。その一振り一振りに強い力を感じる。そんな強力な刀を操る武人こそ、この戦場の主、軍神『上杉謙信』だった。


「12の毘沙門刀……ふふ、折り甲斐があります。属性があろうと刀は刀ですし気にすることもないですね」
 刀を操る強敵を前にした上泉・祢々(百の華を舞い散らす乙女・f17603)は、思わず笑みを浮かべ高まる闘志がその身に行き渡る。

「まずは相手の動きを掴みましょうか」
 徒手空拳の百華流を遣う祢々は相手の太刀筋を見切ろうと、すっと自然に足を踏み出し間合いを詰める。
「そこは既に私の間合い。何人も我が神速の刃から逃れる事叶わぬ」
 その瞬間、上杉謙信の元より十本の刀が矢のように飛翔し、目で追うのもやっとといった速度で祢々へと襲い掛かる。
「速い!」
 すぐに祢々も応じ、手で弾き、飛び退いて躱し、連続攻撃を凌ぎきる。
「浮かせた刀を思うままに飛ばせるようですね」
 祢々の背後に回った剣がくるりと反転し、また背中を狙って飛んで来た。
「私の先の先を避けたか……だが素早いならば、動きを止めてしまえばよいだけのこと」
 上杉謙信もまた祢々の動きを観察し、すぐさま戦術を変えて先手を打っていた。初撃で倒せなかったならば、必殺の首や胴ではなく、手足に狙いを変えて襲って来る。

「流石は軍神と呼ばれるだけのことはあります。ですがこのくらいでは私は止められません!」
 対する祢々は真っ向から構え、己が鋼のような手足を使い、手刀で刀を斬り払い、蹴り上げて刀を弾く。そして前へと進み上杉謙信との間合いを詰める。
「この刃の風の中を進んでくるか、それが蛮勇かどうか試してみよ」
 上杉謙信はさらに飛ばす刀の速度を上げ、祢々の身体を傷つけ始める。
「全てを避けていては守り一辺倒に追い込まれます。ならば多少の傷を受けても反撃に移るべきでしょう」
 このままでは敵のペースに追いやられると判断した祢々は、受けるよりも回避に重点を置き、飛んでくる刀を歩法と体捌きで避ける。だが避けきれぬ刃が手足を斬りつけた。

「太刀筋は覚えました。ここからはこちらの番です」
 それを何度か繰り返すと、相手の太刀筋を見切った祢々は最小限の動きで刀を避け、飛んでくる刀に向けて反撃の手刀を叩き込む。すると炎の刀にひびが入る。だが燃える刀に触れた手を炎が焼いて黒く火傷させていた。
「手が焼けようと構いません。私の目的は最初からこれ、振るう者より振るわれる物。その刀を叩き折ります」
 祢々は再度襲い掛かる炎の刀に足刀を叩き込む。ひびが大きく広がり、刀身が中ほどで折れた。ひゅっと飛んだ刀身がくるくる回転して地面に刺さる。

「そちらは12の刀、こちらは100の華。どちらが上か勝負しましょうか。総て折れば私の勝ち、折れなければそちらの勝ちです。さぁ死合ましょう?」
 祢々が次の刀を折らんと振り返る。
「私の刀を素手で折るとは見事」
 声が間近でする、振り返ればいつの間にか刀の間合いにまで上杉謙信が接近していた。
「だが全てを折るなどと思い上がりも甚だしい」
 上杉謙信が左右の刀を縦横に一閃する。防ごうとした祢々の腕を深く裂き、もう一刀が胴を薙いだ。さらに止めと宙に浮かぶ刀が殺到する。

「この程度の傷ならまだ動けます……!」
 血を流しながらも祢々は構え、身を捻って躱しながら、左右の手刀を連続で叩き込み、毒の刀を根本近くで叩き折った。だがそこで手から毒が回り、祢々の身体がふらついた。


「軍神と戦う日が来るとは俺も運が良いんだか悪いんだか……」
 戦慄を覚えるようなまさに軍神さながらの戦いぶりを見て、薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)は緊張に体を固くしていた。
「だが、できる限りの事はやらせてもらう」
 それでも戦場に立った以上は戦わなくてはならないと、悟郎はオーラを纏って強敵に立ち向かう覚悟を決める。
「押されているな、急いでこちらも仕掛けることにしよう」
 言葉を交わす時間すら惜しいと、仲間を攻撃する敵に向け黒い弓を構える。そして瞳を真紅に変え、ヴァンパイアへとその身を変化させると、弓を引いて矢を放った。

「二本も私の刀を折るとはな、あの世で軍神の剣を折ったと誇るがいい」
 上杉謙信が近づき祢々に刀を振り上げる。そこへ矢が真っ直ぐ上杉謙信の振り上げた右腕に突き刺さった。
「何?」
 認識していた範囲外からの攻撃に驚きの混じった声を上げ、上杉謙信は矢の飛んで来た方へ顔を向ける。そこへ追撃の矢が顔目掛けて飛び込むのが見え、左の刀で斬り払った。
「あの距離から当てたか、滅多に見ぬ技量の弓取りだ。面白い」
 攻撃対象を遠くに居る悟郎に変え、矢を抜くと飛ぶように駆け出す。

「来た……!」
 また矢を放った悟郎は木々の生える林の中へと入り込み、姿を消して距離を保とうとする。
「隠れるつもりか、だが戦場で私から逃れられる者は居ない」
 矢を刀で弾き、上杉謙信は横一閃、木々を切り倒して見晴らしをよくして間合いを詰める。

「そうやって派手に動いてくれればこっちも狙い易い」
 そこへ悟郎は弓を次々と早業で放ち、一斉発射して逃げ場のない矢の雨を降らせる。
「毘沙門天の加護ぞある」
 上杉謙信は12本の刀を操って矢を斬り払い、前へ前へと進む。
「これだけの矢の雨の中を進んでくるのか、万全なら簡単に突破されたかもしれないな」
 悟郎は弾幕のように矢を放つ中、強く引いた矢を混ぜて放つ。それを弾こうとした宙に浮かぶ刀が弾こうとして空を切った。その燃える刀身は中ほどで折れていた。
「個人で勝てなくても、力を合わせて勝てばいい」
 矢は守りを突破し上杉謙信の左太腿に突き刺さった。

「毘沙門天の化身とまで呼ばれる私に矢を二度も当てるか、ここで斬っておかねば後々の禍根となろう」
 太腿の矢を引き抜き、血を流しながらも一切怯んだ様子を見せず、真っ直ぐに悟郎へと視線を向けて前進を止めない。
「これが軍神か、身体能力だけでなく、精神まで強そうだ」
 それでも手を止めずに悟郎は矢を放ち続ける。それを風を纏う刀で纏めて吹き飛ばし、上杉謙信は刀を振り下ろし悟郎を両断した。だが手応えがない。

「残像か」
 上杉謙信が振り向けば、残像を残して飛び退いていた悟郎が静かに殺意だけを乗せて矢を放つ姿が映る。真っ直ぐ心臓に向かって飛んだ矢は、突風によって狙いが逸れ木に突き刺さった。
「この距離でも当たらないのか……」
「既にそちらの矢筋は見切った。もはや私には通じん」
 踏み込んだ上杉謙信が刀を横薙ぎに振るう。悟郎は忍者刀を抜いて身を守るが、大きく吹き飛ばされて木に背中から衝突した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月・影勝
まさか謙信公を相手をする事になるとは…命が幾つあっても足りやしない話じゃな。
しかし、手が無いわけではない。影勝…推して参るぞ!

まあ、儂のやることは単純じゃがな。
毘沙門刀が飛んでくる方向に【ウサギ穴】の入り口を、出口を謙信公の居る方向に向け出し、相手の攻撃を利用するというもの。
…しかしじゃ、発動が早ければ高速移動する謙信公は捉えられぬし、直ぐに反応されてしまうじゃろう
故に瞬時に飛ばされた方向を見切り、直撃したと思わせるほど寸前に発動せねばならぬ。
かなり分の悪い賭けじゃが、生半可な覚悟と正気の沙汰ではとてもでないが軍神に上回れぬ。
一応左胸に【古びた懐中時計】を忍ばせてはあるが…まあ気休めじゃろう。


クリス・カーライル
毘沙門天の化身ですか、、
なかなか楽しみなことですね?

戦闘
基本は刀を使用して毘沙門刀を牽制しつつ、狙えれば剣刃一閃で1つずつ対処するような立ち回り。

ボスと対峙できたならば、
刀をバトルアックスに持ち替え
肉を切らせて骨を断つ、、
サムライの生き様と聞きました、
それを生かさせてもらいましょう。

命中率、の攻撃は最低限の受け流しと動くのに致命にならないようならばそれを受けて、バトルアックスの一撃に、一撃必殺のつもりで懐に入り、薙ぎ払い、兜割と狙っていきます。

さぁ、軍神と言われたその力、

悪鬼羅刹と言われる鬼の力とどちらが上か、、

確か、サムライの口上はこうでしたね?
クリス・カーライル

推して参る、、!



●毘沙門天の化身
「まさか謙信公を相手をする事になるとは……命が幾つあっても足りやしない話じゃな」
 こちらの遥か上の実力を持つ敵の戦闘力を見て、月・影勝(かちかち山の玉兎・f19391)はまともにぶつかり合ったのでは勝てそうにないと判断する。
「しかし、手が無いわけではない。影勝……推して参るぞ!」
 軍神と呼ばれる相手を前にしても、不敵な笑みを浮かべて己のペースを崩さない。

「まあ、儂のやることは単純じゃがな」
 搦め手でいこうと考えた影勝は、空間を繋ぐウサギ穴の入り口を毘沙門刀の前に作り出し、出口を敵の居る方向へ向けて作り出して自滅させる方法だった。
「……しかしじゃ、発動が早ければ高速移動する謙信公は捉えられぬし、直ぐに反応されてしまうじゃろう」
 それを避けるには僅かなタイミングのずれも許されない、刹那の判断が成否を分ける攻防となる。
「かなり分の悪い賭けじゃが、生半可な覚悟と正気の沙汰ではとてもでないが軍神に上回れぬ」
 ならば勝利を掴む為、低い確率であろうと賭けるしかないと影勝は左胸に忍ばせた古びた懐中時計に触れて覚悟を決めた。
「何度も使える手ではないからのう、一度の機を狙うのじゃ」
 じっと仲間が戦うのを観察し、敵が必殺の一撃を放つ機を窺う。


「毘沙門天の化身ですか、なかなか楽しみなことですね?」
 強敵との戦いを前にして、クリス・カーライル(万物流転・f13877)は血が騒ぐと内なる闘志を昂らせていた。

「まずは近づかねば斬り合えませんね、、」
 クリスが敵に向かって足を踏み出すと、すぐさま刀が飛んでくる。それを刀で弾きながら一歩ずつ近づく。
「しかし、簡単には近づかせてもらえそうにありません、、ならば――」
 クリスは足を止め、ぐっと腰を落として刀を構える。そこへ一本の刀が串刺しにせんと真っ直ぐに突っ込んできた。
「斬ってしまえばいいですね、、」
 クリスは刀を振り抜き、飛んでくる刀に当てる。飛ぶ刀は弾かれ空に舞い、くるくると回転して切っ先が地面に刺さった。クリスに一撃を貰い刀身が中ほどから折れていた。その刀身の力か、刺さった地面が緑に覆われていく。

「また私の愛刀が折られたか、こうも実力者が揃っているとは、我々の軍が押されている理由が分かろうというもの」
 柄側の短くなった刃はそのまま主の元へと戻る。上杉謙信は猟兵達の持つ力に驚き隠せなかった。
「だからこそここより先に進ませる訳にはいかぬ。この場で一人でも多く討ち取らねば」
 二刀を手に上杉謙信がゆっくりとクリスへと近づく。それに対してクリスも歩を進め、刀の間合いの一歩外で両者が止まった。
「さぁ、軍神と言われたその力、悪鬼羅刹と言われる鬼の力とどちらが上か、、勝負といきましょう、、」
 クリスが刀から巨大なバトルアックスに持ち替える。

「確か、サムライの口上はこうでしたね? クリス・カーライル。推して参る、、!」
「この上杉謙信が返り討ちにしてくれよう、毘沙門天の力を見よ!」
 懐に入ろうとするクリスに、先手を打って上杉謙信が刀を振り下ろす。クリスはそれを斧で受け止めながら前に進もうとするが、押し込まれた刃が肩に食い込む。
「肉を切らせて骨を断つ、、サムライの生き様と聞きました。それを生かさせてもらいましょう」
 肉を斬る程度ならば気にせずに踏み込み、懐に入るとバトルアックスを思い切り薙ぎ払う。上杉謙信はそれをもう一方の刀で受け止めるが、押されて後ろに下がった。
「力押しだけでは猪武者に過ぎん、柔剛合わせ持ってこその武士よ」
 押される事でまた己が間合いに戻った上杉謙信は、刀を振るいクリスの脛を斬りつけ、動きを鈍らせて首を狙う。だが足の傷などお構いなしにクリスは斧を盾にして前へと血を流しながら踏み出す。

「まさに猪の暴れるが様よ、死なねば止まらぬか」
 振り抜かれるバトルアックスを下から刀を斬り上げて弾き、がら空きになった胴へと振り抜く。必殺と思えたその一撃を、クリスは鞘に納めた刀で受け止めた。それでも抑えきれず脇腹が斬り裂かれる。
「肉ならいくらでも切ればいい、、その間にこちらは骨を断ち切る、、!」
 クリスがバトルアックスを振り上げ、敵の頭へと叩き込む。

「猪武者も命を懸ければ厄介なものだ。だが力だけでは私は倒せん」
 その一撃を上杉謙信は角度をつけた刀の上を滑らすように受け流す。しかしバトルアックスにクリスが体重を掛け、上杉謙信の肩の肉を抉り取った。だが大振りで隙を見せたところに胴を薙がれ、クリスはもう一度刀で防ごうとしたが、押し切られ深く刃が食い込んで薙ぎ倒された。そこへ止めの刀が放たれる。


「ここじゃ!」
 その飛ぶ刀の前に、影勝が割り込み目の前にウサギ穴を作り出す。すると刀は穴の中に消え、敵の正面へと瞬間移動し、上杉謙信の左肩を貫いた。氷の刀は傷口から凍結させる。
「上手くいったようじゃな」
 賭けに勝ったと影勝は笑みを浮かべる。
「私の刀で私を狙うとは、このような手法は考えてはいなかった」
 驚いたと、少し目を見開いた上杉謙信が影勝に視線を向けた。

「だがそうした技があると分かれば恐るるに足らず。初見で仕留められなかったことを後悔せよ」
 足を止めて肩の刃を抜いた上杉謙信は、周囲に浮かぶ光り輝く刀を影勝に向けて矢のように飛ばした。
「この程度ならばまだ返せるのじゃ」
 対して影勝はウサギ穴を作り出して、今度は謙信の背後へと移動させる。だが謙信は素早く横に一歩動くだけでそれを躱した。
「来ると分かっているならば避けるのは造作もないこと。分からぬから避けるのは困難となるのだ」
 影勝の前からウサギ穴が消える。すると黒塗りの刀が眼前に迫っていた。

「なんじゃと!?」
 先の光の刀を囮に、目立たぬように後を追って闇の刀が飛ばされていた。影勝は咄嗟に身を捻り躱そうとするが間に合わず、刀は胸を直撃した。影勝の身体が軽々と宙に浮き、遠くへ吹き飛ばされる。
 致命傷かと思われた一撃、だが影勝は咳込んで起き上がった。
「気休めじゃったが、なんでも用意しておくものじゃな」
 裂けた服の下には、鈍く輝く懐中時計があった。それが刃を受け止めたのだ。影勝は痛みを押し殺してすぐに動き出す。すると先ほどまで立っていた場所に新たな刀が突き刺さった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

薄荷・千夜子
上杉謙信、本当に隙がありませんね
できる策は全て投じてかかりましょう

[夜藤]を構えてUC『干渉術式:護火剣乱』を発動、【罠使い】【破壊工作】で当たれば爆発する仕掛けも仕込み
合わせて[操花術具:藤巡華簪]を展開
藤の枝花で【オーラ防御】
「彗も援護をお願いします」
笛を鳴らし、相棒の鷹には[飛星流克]を使って【援護射撃】を
数には、数で。弱点攻撃を補う様に3つの攻撃を軸に少しでもダメージ軽減を狙いつつ【ダッシュ】で謙信に接敵を試みます
「参ります!!」
使った手は全てこの一太刀を届けるための手段!
接敵できれば本体の[夜藤]を構えて【捨て身の一撃】を
「今、我々が生きる地を好きにはさせません!!」


マックス・アーキボルト
※連携歓迎

誰も知らない多くを知る人…今はこの世界の為に打ち破るだけだ!

【加速魔法】発動!
高速の世界の中で、その10の毘沙門刀、真っ向から封殺する!【見切り、ダッシュ】で攻撃を避けつつ【クイックドロウ、属性攻撃】で10の属性刀を属性弾で打ち消すよ!

闇は光に、光は闇に溶け
毒は薬に、薬は毒と中和する
火は水により鎮められ、樹は火に焼かれ散る
土は風に当たり脆く崩れ、水は氷と一つになる
氷は雷に砕かれ、風は硬き土に塞き止められる…!

残る二刀は…小細工なしの削り合いだ!
【戦闘知識、ジャンプ】で回避に三次元的動きを加え、【零距離射撃】で弾を撃ち込む!
多少の損壊は【激痛耐性】で耐えるまでだ!


秋穂・紗織
軍神の名が未だに語り継がれている存在
例え残骸の海から浮かび上がった泡沫のようなものでも恐ろしいほどの脅威なのでしょう
ですが、恐ろしいから、強いからこそ、此処で討ち果たし、止めなければなりません

そして

「今を生きるもののみが、明日を決められる。戦の中の輝きとは、そういうものでしょう?」


私が使い、従えるのは旋風と鎌鼬、つまりは風
弱点いうのならば火の刀こそ脅威

見切りで謙信の攻めの挙動を見極め

火の太刀の射出に合わせ、ダッシュで加速して回避挙動と共に、流して捌くように早業+先制攻撃での一閃を当て軌道逸らす事で
直撃と深手を避け、火の太刀が戻る前に二回攻撃+カウンターで斬撃を

風の如くに迅く、軍神に届く鋭さにて



●力を合わせて
「あれが上杉謙信……」
 猟兵と戦う敵の姿をマックス・アーキボルト("ブラス・ハート"マクスウェル・f10252)は捉える。
「誰も知らない多くを知る人……今はこの世界の為に打ち破るだけだ!」
 気合を入れたックスは加速魔法を発動し、ぬるりと水中に居るように遅くなった周囲の動きの中、一気に駆け出し真っ向勝負を挑む。
「正面から向かって来るか。よかろう、私の剣技を味わわせてくれる」
 上杉謙信は折れたものも含め10本の剣を次々と飛ばし、マックスを迎撃する。

「その剣全てを封殺する!」
 さらに速度を上げてマックスは射線から逃れながら、左腕に装着したアームキャノンを構えた。魔力が弾となって属性弾が発射される。
「闇は光に、光は闇に溶け。毒は薬に、薬は毒と中和する」
 光の弾が闇の刀を、闇の弾が光の刀を弾き、毒と薬の刀にもそれぞれ反する弾を撃ち込む。だが刀はまだまだ矢のように襲い掛かる。
「火は水により鎮められ、樹は火に焼かれ散る。土は風に当たり脆く崩れ、水は氷と一つになる」
 マックスは飛び退きながら新たな弾を生成し、次々と追いかけて飛んでくる刀を迎撃していく。
「氷は雷に砕かれ、風は硬き土に塞き止められる……!」
 残る2刀も雷の弾で吹き飛ばし、地面に撃ち込んで土を隆起させて止めた。シューッと連続稼働にアームキャノンから蒸気が噴き出る。

「私の十刀を凌ぐとは見事なり。しかしこの残る二刀を凌ぐ事ができるかな」
 時を置かずにマックスと同じように高速移動によって間合いを詰めた上杉謙信が、左右に持った二刀で斬り掛かる。
「残る二刀は……小細工なしの削り合いだ!」
 横薙ぎに振るわれる刃をマックスは跳躍して躱す。そして銃口を向けて引き金を引くが、その弾はもう一刀によって弾かれた。続けて着地しながらすぐに銃弾を叩き込む。だがそれは躱され、首を撫でるように刃が走る。
「流石に真っ向勝負ではこの強さか!」
 それをアームキャノンで受けるが、勢いに負けて上体が泳いで隙を作ってしまう。
「その首貰い受ける」
 そこへ上杉謙信の無慈悲な一撃が振り下ろされた。


「軍神の名が未だに語り継がれている存在。例え残骸の海から浮かび上がった泡沫のようなものでも恐ろしいほどの脅威なのでしょう」
 命懸けの戦場だからこそそのような存在がいっそう脅威となると、秋穂・紗織(木花吐息・f18825)はそこらに倒れている敵兵の屍を見下ろした。
「ですが、恐ろしいから、強いからこそ、此処で討ち果たし、止めなければなりません」
 そんな存在を一般の兵達の元に行かせる訳にはいかないと、紗織は敵の前に姿を晒す。
「今を生きるもののみが、明日を決められる。戦の中の輝きとは、そういうものでしょう?」
 そして随分と離れた位置から白き刀身の刀を振るい放つのは風。一陣の風が紗織の元より吹き抜けて勢いを増しながらマックスの前で刀を振り上げる上杉謙信に届く。だがその風の刃は上杉謙信が振り向き刀を振り下ろす事で断ち切られた。

「新手か」
 上杉謙信はすぐに判断を下し、機を逃したマックスではなく紗織を先に狙うことにする。

「私が使い、従えるのは旋風と鎌鼬、つまりは風。弱点というのならば火の刀こそ脅威」
 こちらが風を使うなら相手は火の刀を使うだろうと予測し、旋風を纏った紗織はじっと相手の挙動を逃さぬように観察する。
「風使いか、なかなかの鋭い一撃ではあったが、その距離からでは私を傷つけられん。互いの間合い、死地に入ってこそ必殺の一撃となる」
 上杉謙信が加速して紗織の元へ接近する。そして刀身が半分ほどで折れている火の刀を射出した。

「来ましたね!」
 それを見た瞬間、紗織は地を蹴って回避運動を取る。それを追うように軌道修正する刀に向けて鎌鼬をぶつけ、刀身が軽くなっている火の刀は大きく逸れてあらぬ方向へと飛んでいく。

 風の如くに迅く、軍神に届く鋭さにて――。

 今がチャンスと紗織は刀を鋭く迅く振るい、鎌鼬を起こして風の斬撃を叩き込んだ。
「私の持つ刀はそれだけではない」
 だが上杉謙信は風纏う刀を手にして振り抜く。すると鎌鼬にぶつかり相殺された。
「まだです!」
 そこへ紗織が返す刀でもう一度鎌鼬を放ち、上杉謙信の腕や胴を切り裂いた。
「ほう、私の一手上を行くとは。先ほどまでの戦い方をよく見て学んだようだな、ならばこちらも一太刀返させて貰おう」
 上杉謙信は風の刀を幾重にも振るい、紗織と同じように鎌鼬を放って攻撃してくる。だがこちらよりも数が多く、躱すのは至難だった。
「致命傷は避けなくては……!」
 紗織も刀を振るい鎌鼬をぶつけ、飛び退きながら纏う旋風で鎌鼬を逸らそうとする。だが幾つもの裂傷が体中に走った。そこへ背後から戻ってきた火の刀が隙を突こうと迫る。

「戻って来るのは想定内です。油断はしていません」
 それを刀で弾き、紗織は敵にも向けて鎌鼬を放つ。するとそれから守る為に剣が上杉謙信の元に戻り、何とか攻撃を切り抜けた。そこへ上杉謙信は追撃しようと宙に浮いた新たな刀を差し向ける。


「上杉謙信、本当に隙がありませんね。できる策は全て投じてかかりましょう」
 離れた場所から仲間と戦う敵の身のこなしや冷静な判断力を見て、薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)は気を引き締めて短刀を抜き放つ。
「守刀に炎の加護を」
 その刃に炎が宿り、続けて5本の藤の楔による五芒陣を展開して、呪詛を纏った藤の枝花を周囲に放つ。
「彗も援護をお願いします」
 首にかけた笛を鳴らすと空で鷹が任せろとばかりに旋回した。
「準備は整いました、参ります!!」
 駆け出した千夜子は一直線に上杉謙信の元を目指す。

「玉砕か……その覚悟、この上杉謙信が受け止めよう」
 向かって来る千夜子に向けて上杉謙信は左右の二刀を手放し他の剣と同様に宙に浮かべる。すると折れたものも含めて12本の刀が周囲を回転し、上杉謙信もまた前へと前傾姿勢を取る。

 ――華々しく散ってみせよ。

 一歩。そのたった一歩で一瞬にして間合いを縮めていた。そして炎を打ち消すように氷の刀が放たれる。
「炎の剣を打ち消す刃! でもこちらも対抗策は用意してあります!」
 千夜子は藤の枝花によってその刀を防ぐ。藤の枝花が凍り砕け散るが、その僅かな間に刀の軌道を抜けて前へと踏み出す。
「我が刃はまだまだあるぞ。受けてみよ」
 上杉謙信の元から新たな刀を射出された。今度は毒を纏う刀だった。守ろうとした藤の枝花は一瞬にして枯れ果てる。
「この刀なら!」
 その刃を燃える短刀で弾くと、軌道がそれて腕を掠めて飛んで行った。
 小さな掠り傷。だがその傷口から毒が回り、身体の感覚が麻痺し始める。
「終わりだ」
 上杉謙信が止めと、風を纏う疾風の剣を飛ばそうとする。
「……まだです! 彗!」
 千夜子が呼びかけると、空から鷹が急降下し、脚に装着した弓から矢を放った。その矢は上杉謙信の顔を狙っていた。矢は容易く周囲を回転する刀に弾かれる。だがその一瞬の停滞に千夜子は懐に飛び込んだ。

「今、我々が生きる地を好きにはさせません!!」

 体当たりするような勢いで千夜子は短刀を突き入れる。刃が身を捻った敵の右胸を貫き炎が傷口を焼く。
「この軍神たる私に傷をつける見事な一撃であった」
 上杉謙信は痛みを顔には出さず、千夜子の腕を掴んで引き剥がし短刀を抜く。
「ならば私もその覚悟に応えよう」
 上杉謙信が水と氷の刀を手にする。
「これは危険ですね……!」
 痛いほどの殺気を感じた千夜子はすぐさま飛び退いて間合いを開ける。
「受けてみよ、軍神の一撃を」
 二振りの斬撃、眼前で水の力と氷の力が重なり、氷の津波となって千夜子を呑み込み、遠くまで押し流した。


「仲間が作ってくれたこの機を逃さない!」
 敵が大きな力を放った後に隙を見せる。そこに突っ込んだマックスは、向きを変えて迎撃に放たれる刀を、回避せずに変形させた機械の鎧で受けた。鎧を裂いて肩に届いたところで刃が止まる。
「残念だが一歩届かぬ」
 上杉謙信が振り上げた二刀を叩き込もうとする。だが千夜子の鷹が矢を放ち、紗織の飛ばす鎌鼬がその刃を阻止した。
 マックスは零距離でアームキャノンを敵の胸に突きつけた。
「一人では敵わないが、仲間と力を合わせればこうして一撃叩き込める!」
 放たれる光弾が上杉謙信の胸に当たり、服を破り肉を焼く。
「見事、先に私が一刀を当てていなければ今ので決着がついていただろう」
 マックスのアームキャノンが負荷に耐えきれず煙を上げて爆発を起こす。
「あの時の一撃か!」
 先に刀を受けた時に損傷していたのだ。上杉謙信は一歩引き、刀を逆袈裟に斬り上げた。マックスは鎧でガードするが、大きく鎧を斬り裂かれ宙へ放り投げられた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

オブシダン・ソード
詞波(f09892)の剣として
軍神か……相手にとって不足なしって感じ? 無理してない?
じゃあ行こうか相棒

不壊の剣として詞波と【手をつなぐ】
僕は誰かを守るための剣でありたい。それこそが『剣の本懐』
今回は、君を守ってみせよう

――折れるつもりはない。君こそ「届かない」なんて泣き言は聞きたくないからね?

敵と、その刀の動きは間近で見れるはず
彼女の死角から攻撃が来るようなら警句を飛ばし、見切りのヒントになるようなものがあれば積極的に言葉を投げていく
あの剣を回す奴、剣の順番は固定かな?
緊急時には炎の魔法で【オーラ防御】を展開、一時を凌ぐ

ああ、敵は強いけど…君なら問題ないさ、やれるよ
戦況次第では相棒を【鼓舞】


葦野・詞波
オブシダン(f00250)を剣として

軍神に12本の刀か。
流石に名の知れた者だけあって大したものだな。
無理など有るものか。私の剣とて
決して劣らないのだから。

だろう、オブシダン
今日も私だけの一振りの剣として。
その切味、確と見せてくれ。

だが無策で挑めば痛い目を見そうだ
オブシダンの助言を受けつつ
【見切り】で属性を判断し【武器受け】で攻撃を受ける

泣き言は受け付けない
覚悟を決めて貰おう、オブシダン。
剣として本懐だろう
折れてはくれるな

謙信の動きが見切れてきたなら隙を伺って
大将首は私たちでもらうとしよう
【貪狼】で一気に勝負を決める時だ

槍ではないが剣でも同じこと
頭巾を脱いだなら私の本領発揮だ
届かせて見せるとも



●剣と刀
「軍神に12本の刀か。流石に名の知れた者だけあって大したものだな」
 赤頭巾を被った葦野・詞波(赤頭巾・f09892)が一本の剣を手に、軍神に挑もうとしていた。その剣から声が聞こえる。
「軍神か……相手にとって不足なしって感じ? 無理してない?」
 手にある黒耀石の剣の姿をしたオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)が心配そうな声で尋ねる。

「無理など有るものか。私の剣とて決して劣らないのだから」
 自慢げに詞波が手にしたオブシダンを掲げる。
「だろう、オブシダン。今日も私だけの一振りの剣として。その切味、確と見せてくれ」
 己が剣は決して軍神の持つ剣には劣らないと、詞波の自信に溢れた声を響かせる。
「じゃあ行こうか相棒」
 相棒に呼びかけるオブシダンは嬉しそうに声を弾ませ、詞波の手と己が身を繋ぐ。
「不壊の剣として詞波と僕は誰かを守るための剣でありたい。それこそが『剣の本懐』。今回は、君を守ってみせよう」
 誓いの言葉と共にオブシダンの刀身が淡く輝きを帯びる。

「ああ、共に行こう。自慢の剣を軍神に見せつけてやる」
 詞波が駆け出すと、間合いに入るや否や上杉謙信が光の刀を飛ばし、胸を狙う一撃必殺の攻撃を放った。
「こんなものに当たると思われているのなら舐められたものだ」
 詞波は剣を振るい、甲高い音と共に容易く光の刀を弾く。
「気をつけて、次が来るよ!」
 オブシダンの警告に、すぐに体が反応して詞波は振るった剣を往復させた。するともう一度甲高い音が聞こえる。そこには弾かれた闇の刀の姿があった。
「助かった。牽制かと思ったが、初撃から必殺とはな」
「さっき他の猟兵に同じ手を使っているのを見てたからね。油断せずにいくよ!」
 オブシダンの言葉に頷き、詞波はまた敵に向かって駆け出そうとして足を止めた。その一瞬の攻防の内に上杉謙信が後一歩の間合いまで近接していたのだ。

「見事な剣だ。折るには惜しいが、敵としてまみえた以上は斬らねばなるまい」
 オブシダンに視線を向けた上杉謙信は、次に使い手の詞波へと視線を上げ二刀を構える。その全身は度重なる戦いで傷ついて、服は血に染まっている。だが全く隙の無い動きと冷たく燃え上がる闘志に、詞波は今から死闘が始まるのを悟った。

「泣き言は受け付けない。覚悟を決めて貰おう、オブシダン。剣として本懐だろう。折れてはくれるな
「――折れるつもりはない。君こそ『届かない』なんて泣き言は聞きたくないからね?」
 互いに引くつもりなどさらさらないと覚悟を決め、詞波とオブシダンは軍神に挑まんと、一歩、剣の間合いへと足を踏み出す。
「その覚悟と共にここで散れ」
 先手を取ったのは上杉謙信。間合いに入った瞬間、十字に二刀が振るわれた。それを詞波はオブシダンで受け、押されるままに飛び下がって間合いを開け、連撃を躱す。だがすぐさま宙に浮く刀が飛んでくる。

「氷の刀だ。凍結される前に弾くぞ」
「やってみせるよ」
 詞波が鋭くオブシダンを振るい、氷の刀を弾き飛ばす。そしてその隙を突こうとした上杉謙信の斬撃を、返す一撃で受け止める。その手に痺れるような衝撃が走った。
「距離が離れては向こうに分がある。ならこのまま斬り合うしかないな」
「ああ、敵は強いけど……君なら問題ないさ、やれるよ」
 飛んでくる刀との連携を受け続けるのは難しいと考え、詞波は強くオブシダンを握り直して斬り掛かり攻勢に移る。刃と刃がぶつかり合い、火花を散らして剣戟が交わる。

「剣技の究極は人と剣が一体となること。そこまで剣と意を合わせるとはまことに見事」
 だが――と上杉謙信は一歩引いた。
「私もまた剣と心を合わせている。見せよう、我が剣を」
 踏み込み二刀で斬りつけると、目の慣れ始めた詞波は弾き受け流す。そこで上杉謙信は刀を手放し、そこに浮かんでいた新たな刀が握られ、属性の違う斬撃が浴びせられる。それは水を発し、さらに凍らせて辺りを凍結させようとしていた。
「水と氷だっ」
「炎の魔法でガードするよ」
 詞波がすぐに敵の属性を判別し、オブシダンが炎を纏い、詞波はそれを振るって氷を溶かす。だがその時には既に上杉謙信は新たな刀を手にしていた。
「光と闇っ!」
 光の刀が眩く輝き詞波の目を眩ませる。その隙に闇の刀が胴を薙ぐ。
「胴に来るよ!」
 オブシダンの言葉に従い、見えぬまま詞波は剣を構えて攻撃を受け止めた。
「そのまま斬り上げて!」
 指示のままに信じた詞波は思い切りオブシダンを振るった。すると金属音と共に硬い手応えがあった。目が見えるようになると、そこには折れた光の刀を持つ上杉謙信の姿があった。
「何と、我が剣を凌いだか、天晴れな剣技だ」
 剛と柔、多様な属性を使った連撃を耐えた詞波とオブシダンに賛辞を贈る。

「軍神に褒めてもらって光栄だ。ならばその剣技で大将首は私たちがもらうとしよう」
「やろう、君と僕なら必ず届くはずさ」
 詞波が赤頭巾を脱いでオブシダンを構え、今までで一番速い動きをみせる。獣のように獰猛に振り下ろされる刃。上杉謙信は左手に持った闇の刀で受け止めるが、その刃を砕き頭へと剣が迫る。

 真っ赤な鮮血が撒き散らされた。

「この首はやれん。私にはまだ為すべきことがある」
 上杉謙信は咄嗟に割り込ませた右腕でオブシダンを受け止めていた。
「まだいける!」
 詞波は押し込み腕を切断し、そのまま頭を割ろうとする。だがその一瞬の遅延に上杉謙信は左手の折れた闇の刀を振るい、詞波を薙ぎ払った。折れていなければ致命傷となっていただろうが、折れた刃は浅く胴を裂いただけだった。
 それでも宙を浮ぶ刀が追い打ちを掛け、それを避ける為に詞波は身を引いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
兵を使い潰すのではなく生かして活かす…
戦術と戦略、そして部下の士気…そのどれを取っても手強い指揮官であると言えます
しかし、我々も手を拱いているわけにはいきません
愉しみましょう

◆行動
『二つの三日月』を召喚し戦闘

私は【目立たない】事を利用し、巨人の影に紛れて行動
【罠使い】の力を活かして罠を設置
戦闘しつつ罠に誘い込み追撃

ある程度設置が進んだら接近
攻撃は【二回攻撃】する【範囲攻撃】で【マヒ攻撃】

『二つの三日月』、罠、私自身の波状攻撃で【恐怖を与える】事で【精神攻撃】とします
其方は12本の12属性でしょうけれど、此方の手全てを同時に捌く事等不可能です

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


セゲル・スヴェアボルグ
数が多いものを相手取るのは面倒だ。
UCでコントロールを奪ってみるとするか。
幸いにも向こうから寄ってきてくれるだろうし、
血を当てることは容易だ。
可能なら複数本奪いたいところだな。
攻撃回数が多い時の方が確率は高まりそうか。
日本刀の扱いはよく分からんが、まぁ何とかなるだろう。
宮本武蔵の二天一流だったか?
そんな感じを目指してみるとしよう。
数が足りなければ刀は勝手に動いてもらって
俺自身は槍と盾で対応だな。
攻撃が高い時は盾で受けた方が確実だろうしな。
一応周りのことにも気を配って、
庇うことも忘れんようにせんとな。



●決着
「ここまで深手を負うとは、だが戦場にある限り私に敗北は許されない」
 布を巻いて失った右腕の止血をし、上杉謙信は片腕で刀を握り未だに泰然とした態度で立っていた。

「兵を使い潰すのではなく生かして活かす……戦術と戦略、そして部下の士気……そのどれを取っても手強い指揮官であると言えます」
 冷静に霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は相手の能力を分析する。
「しかし、我々も手を拱いているわけにはいきません。愉しみましょう」
 隙の無い相手であろうとも、戦場で出会った以上は戦うしかないのだ。強敵との対決を楽しもうと絶奈は詠唱する。

 ――其は宇宙開闢の理、無限の宇宙を抱擁する者。永遠の停滞にして久遠の静謐。死の根源にして宇宙新生の福音……。顕現せよ『二つの三日月』。

 場に光が満ちる。現れたのは二つの三日月の如き光の巨人。巨人は小さな上杉謙信を見下ろし、拳を叩き込んだ。

「山のような異形だ。だが大きければよいというものでもない」
 横に避けた上杉謙信はその手を斬りつけ、手を欠けさせた。だがお構いなしに巨人は攻撃を続け、地形が変わるように凸凹にしていく。
「少々の傷では意味がないか、ならば動けぬように切り刻んでやらねばならんな」
 上杉謙信は刀を振るい、巨人の右腕を斬り落とし、飛ばす刀で体中を穴だらけにしていく。
「しかし大きいだけあって力は強い。当たれば私もただでは済まぬだろうな」
 だが当たらなければ意味がないと、上杉謙信は巨人の攻撃を最低限度の動きで躱しながら反撃を加える。

「……待て、術者は何処へ消えた?」
 単調な戦いだと思い始めていた上杉謙信は、そこでこの巨人を呼び出した者の事を思い出す。
「私ならばここです」
 巨人が暴れて注意を引いている間に、敵の背後に回った絶奈が剣で斬りつける。金属がぶつかる甲高い音が響き、上杉謙信は宙に浮かべる刀で防いだ。

「声をかけてから仕掛けるのでは、背後を取った意味がないのではないか」
「いいえ、もう既に貴方を詰むだけの準備は終えました」
 振り返る上杉謙信が問うと、絶奈は自信を持って答える。
「ほう? では試してみるといい」
 上杉謙信が刀で斬り掛かると、絶奈は剣で受け止める。だが押されて後ろに下がった。そこへ追撃せんと上杉謙信が踏み込む。
「なに?」
 その足が深く地面に入り、小さな落とし穴に足を取られる。そこへ頭上から巨人が大きな足で踏みつけた。
「ぬぅっ」
 上杉謙信は刀を集めてその攻撃に耐える。地面に足がめり込み、押されていく。
「その状態では身動きできないでしょう」
 そこへ絶奈は仕掛けていた投石の罠を発動させる。石が放たれ敵に当たった。ダメージは無いに等しいが、僅かに意識が逸れて拮抗が崩れる。巨人が踏み潰し、地面に深々と足跡を残す。

「これで倒せた……とは思えませんが」
 巨人が足を上げる。するとそこには誰も居なかった。
「消えた? ……いえ、地面の底を移動している……」
 絶奈が足跡の場所を見れば、そこには人の入れそうな穴が地面に空いていた。
「土の刀を使って穴を掘った。なかなかに苦労したぞ」
 背後からの声に飛び退くように振り向けば、新たにできた穴から出て来た上杉謙信が刀を振り抜いた。絶奈の脇腹に傷が走り、血が流れ出す。


「数が多いものを相手取るのは面倒だ。UCでコントロールを奪ってみるとするか」
 セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)が12本もある強力な刀とまともにやり合うから不利なのだと前提を覆そうと考える。
「幸いにも向こうから寄ってきてくれるだろうし、血を当てることは容易だ。可能なら複数本奪いたいところだな」
 敵と絶奈の間にセゲルが割り込む。するとこちらに気付いた刀が刺し殺す勢いで飛んでくる。

「さて、致命傷にならん程度には防がんとな」
 それをセゲルは錨斧で受け止めるが、鋭く速い風の刀は防ぎ切れるものでもなく、セゲルの腕を切り裂いて飛んで行こうとする。だがその血に塗れた刀身に爆発が起こり、セゲルとの不可視の鎖が繋がった。刀は逃れようと暴れるが、鎖が絡みついて動きを封じる。
「逃さん、今からお前の主は俺だ」
 じゃじゃ馬をいなすように、セゲルは鎖を引いて刀を大人しくさせる。

「私の刀を支配して抑え込んだのか、そのような能力を持った者までいるとはな。多様な技能を持つ兵士か、厄介なものだ」
 上杉謙信は難しい顔をし、一先ず刀の主導権を取り戻そうとセゲルに視線を向けた。すると今度は水の刀が放たれ、セゲルを切り捨てようと襲い掛かる。
「おっと、もう一本剣を俺にくれるのか」
 それを錨斧で受け止めようとするが、放つ水の上を滑るように刀は動きを変えて、セゲルの腕を貫いた。そのまま切っ先が胸甲に刺さり胸に届こうとしたところセゲルは刀身を掴み、爆発させて押さえ込んだ。
「日本刀の扱いはよく分からんが、まぁ何とかなるだろう。宮本武蔵の二天一流だったか? そんな感じを目指してみるとしよう」
 2本の刀を奪い取り、セゲルは腕に刺さった刀を引き抜くと、敵と同じように周囲に浮かべた。

「真似事で私を越えるつもりか、ならばどこまで通じるか試してみるがいい」
 上杉謙信は折れたものも含めて8本の刀を浮かべ、セゲルに向かって同時に放つ。それをセゲルは大盾を構えて防ぎ、槍を振り回して弾く。そして2本の刀を飛ばし、敵に反撃する。それを手にした二刀で上杉謙信は弾く。
「なかなかコントロールが難しいな、だが敵の戦力ダウンには十分だろう」
 セゲルは攻撃は当たらずとも、敵の行動を阻止する為に大盾を構えて立ち塞がる。それを突破しようと浮かんでいる全ての刀がセゲルへと集中した。
「自慢の刀も随分減ったな、これなら全て受け止められそうだ」
 挑発しながらセゲルは大盾で防ぎ続け、意識を自分へと向けさせた。


「これで終わりにしましょう」
 その好機に絶奈の操る光の巨人が倒れ込み、上杉謙信に覆いかぶさる。
「私に後退はない、全てを切り開き前へと進むのみ。毘沙門天よ我に道を示せ!」
 それに対して上杉謙信は手に残した一刀を構えて迎撃する。だがそこへ巨人の倒れる前に絶奈が飛び込んだ。巨人へと意識が完全に向いていた上杉謙信は虚を突かれる。
「これが最後の罠です」
 体当たりするように絶奈が剣を突き出し、上杉謙信の胸の中央を貫いた。刃が背中から飛び出し、口から血を吐き出した。
「なるほど、私の意識の完全な空白を突く為の巨人か、……見事」
 見上げれば巨人は手をついて止まっていた。それでも残った力で絶奈を掴み、相討ち狙いで宙に浮く刀を自らに向けて放つ。

「諦めが悪いな、もう決着だぜ」
 それをセゲルが割り込んで盾で弾き、服従させた刀をぶつける。
「この場はここまでのようだ。そなたらの勝ちだ……やはり、そなたらは恐るべき脅威だった……」
 無念そうに口を歪ませ、上杉謙信はその姿をぼんやりと薄くし、やがて消え去った。


「刀も消えちまったか、なかなか綺麗な刀だったんだがな」
 セゲルは操っていた刀が消えたのを見て、残念そうに肩を落とした。
「この場は私達の勝ちですね。ですがまたどこかで新たに蘇っていることでしょう」
 遠くの戦場を見るように絶奈が目を細める。しかし楽に敵を倒す方法など存在しない。こうして一歩ずつ進んでいくしかないのだ。

「では帰りましょう」
「ああ、そうだな」
 猟兵達は戦場を後にする。まだどこかで争いの音が続いているが、そこは他の猟兵達の戦場だ。
 自分達の仕事を終え、一先ずの休息に猟兵は息をついた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月17日


挿絵イラスト