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エンパイアウォー⑥~裁きが下るは

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●こんなのに使われる悲劇
 虚ろな目をした農民兵が、整然と陣形を組む――その中心にて。
「うはははは! 裁きじゃ、裁きじゃー!!」
 何か騒々しいちょんまげ男が調子に乗って跳ねていた。

「この無敵のファランクス部隊で、逆らう者すべて……死刑じゃあああああ!!!」
 ほざくちょんまげに突っ込むものは、誰一人いない。

●“こんなの”に裁きを
「関ケ原に待ち受ける部隊の情報が掴めたわ。……敵方は、勝つためならば手段は選ばないタイプのようね」
 グリモア猟兵のレイラ・アストン(f11422)がやや苦い顔をしつつ、予知した内容を仲間たちへ語り始める。

 少女、曰く。
 予知で捉えた部隊は、畿内の農民たちで構成されている。
 彼らは長槍と大盾を装備し、16×16の256名で1部隊を構成し、陣形を組んでいるという。
「右手で長槍を構え、左手の盾で自分の左隣の仲間を守る――『ファランクス』と呼ばれる陣形ね。強力な戦法であることに加え、守るべき人々が襲ってくる……この状況、幕府軍に突破は不可能だわ」

 農民たちを兵卒として操っているのは、魔軍将・大帝剣『弥助アレキサンダー』の持つ『大帝の剣』の洗脳能力だ。
 部隊の中心に指揮官たるオブリビオンがおり、そいつが大帝の剣の洗脳能力を農民に伝達、ファランクスを組ませる中継機の役割を果たしているという。
「つまり、指揮官さえ撃破できれば、農民たちの洗脳が解けて部隊は壊滅するはずなの。難しい作戦だけれど、戦場に向かってくださるかしら?」

 ファランクス部隊は、オブリビオンでは無い一般人である。
 ゆえに、攻撃が猟兵への有効打になることはまず無いが、陣形の突破には一工夫必要だろう。
「可能な限り農民たちに危害を加えずに、陣の中央にいる指揮官のみを叩きたいところね。そして、指揮官についてだけれど――」
 指揮官の名は諸岡・裁鬼。
 過激な裁きを行っていた地方大名がオブリビオンとして蘇った存在であるという。
「どんな事情があろうと死刑にする冷血漢だったそうよ。自分を守っている農民の命のことなど、微塵も気にかけていないわ。だから、こいつには」
 情けは無用、むしろ存分に裁きを与えてやって欲しいと続け。
 レイラは仲間たちに一礼し、テレポートの準備に取り掛かるのだった。


藤影有
 お世話になっております。藤影有です。
 操られた民を解放し、信長軍の部隊を壊滅させるべく猟兵の皆様の力をお貸しいただけますと幸いです。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 8月20日までに必要成功数を達成できなかった場合、幕府軍5万人が関ヶ原で壊滅して、戦線を離脱します。

●プレイングについて
 16×16の256名で構成されるファランクス部隊の中央に居るオブリビオンを撃破していただきます。

 部隊を構成する農民兵は、洗脳された一般人です。
 可能な限り殺害することなく、ファランクスを突破する工夫があると良いでしょう。

 それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『諸岡・裁鬼』

POW   :    裁きを申し渡す! 打ち首、獄門っ!
【裁きのオーラ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【熟達の首切りサムライ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    者ども、引っ立てぃ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【拷問具を持った処刑人】と【武装したサムライ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    お白洲であるぞ、頭が高い!
自身からレベルm半径内の無機物を【裁判者に有利なお白洲】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ラプラス・デーモンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルミィ・キングフィッシャー
へー
人を裁くおえらいさんか
アタシはこう頭だけは下げられない奴が大嫌いでね、大方頭の中が空だからなんだろうけど
でもねここは戦場だ、戦場には戦場のロウってのがあるのさ

アタシは野伏をしながらちょいと機をうかがうとしよう。都合の良いことに丈の高い草が多い、迷彩のマントで隠れればそう簡単には見つからないだろう。ゆっくりと敵の近くにまで寄るよ
そのうち誰かがこの陣形を乱すだろうから、それに紛れて走り寄るよ
混乱に紛れて手袋を投げつける
ワードは「命令をするな」だ
アンタみたいな小物には効果覿面だろう?

そしてね、ふんぞり返った小役人の末路なぞ決まっているのさ
胸元をナイフで狙う

とっと消えるんだね、人でなし


雷堂・夜風
世界が未だに統一されない理由って解るかい?
それは世界平和よりも権利とか金とか歴史とかが大切な奴らのせい、つまり君のような王様のわがままのせいさ。偉ぶるのは止めていただきたい。

そんなに打ち首が好きなら、自分自身の頚が飛ぶ様を見れば良い。
ファランクスが突き出してくる槍や手に持った盾を足場にして飛翔、そのまま太刀風を発動させて上空から裁鬼の頚狙って抜刀する。
集団行動は防御を上げるが機動性を殺す。
しかも戦いかたを知らない農民のものなら容易く足場にできると思うんだよね。

さて一撃入れたらさっさと引かせてもらおう。
あいにく私は一発屋でね。
一撃離脱、それが私のスタイル。
辻斬りさせてもらうよ。

※アドリブ歓迎


中村・裕美
「……色々と……面倒ね」
まあ、相手と会話する必要がなさそうなのは楽だけど。

ファランクス対策
UCで農民の精神に【ハッキング】し、【精神攻撃】
洗脳を解くのは困難でも「ファランクスは指揮官が見やすいよう真ん中を空ける」とか「自分達は端の列を担当」とか偽情報新たに加えて列を乱させるとかならいけそう。
「……全てを変えなくていい。……ちょっとだけ認識を弄ればいい」
ついでに裁鬼にも自身のUCで変えるものを「白洲→しらす干し」に変換するよう認識を弄り、本来の力が出せなくなったところで、ドラゴンランスによる【串刺し】
「……さっさと農民を返してもらうわ」
とは言ったものの、戦闘後に先導するのはコミュ障にはきつそう


タロ・トリオンフィ
洗脳、ね
人を蔑ろにする者に
裁きを担う事は出来ないよね
まあ、だから既にオブリビオンなのだろうけれど

ファランクスか
厄介ではあるけれど
真正面以外ならば守備は兎も角、攻撃の優位は失われる
加えて密集隊形、この人数なら30~40m四方ってところかな
僕は補佐に徹しよう
うまく混乱を起こして陣を乱せれば
一緒に向かった誰かが指揮官に到達出来るだろうし
周囲から攻撃を受けずに済む

陣の側面に回り込み続けるように移動しながら
UCで離れた所から農民達の槍を片っ端から引っ張っていくよ
ひとりでに動く槍にしがみつくならそのまま陣から引きずり離し
手を離すならそのまま奪って遠くへ棄てる

乱れていく陣の中央、指揮官が討たれる迄繰り返すよ


白木院・雪之助
(アドリブ・連携OK)
農民を洗脳するとはなんとも許せぬ相手であるな
ふふふ、ここは我に任せておくがよいぞ!
……そうやって前に出て我の【存在感】をあぴーるするである
敵の視線を【おびき寄せ】味方が上手く動けるようにしておくぞ

そして事前に【雪だるま合戦】で呼び出した我が手下を陣形の中へ行かせる
小型であるから足元の合間をすり抜けられる故、そこで氷【属性攻撃】を放ち少しばかり凍らせて動けなくしておくぞ
その後指揮官を雪だるま達で攻撃するである!

ふん、神さまたる我を裁くなど不敬であるな
敵の攻撃には【破魔】の札を投げつけて邪魔しておくぞ!


駆爛・由貴
ったく
次から次へと胸糞悪ぃ作戦を考えるよな

まずは敵のお白州対策で戦闘前にオンモラキを遠方に待機させておくぜ
次にUCを発動
農民兵が俺を織田方の使者と認識するようにハッキングだ
洗脳の上書きとかじゃなくて俺の姿を仲間の武者だって錯覚させる感じだな

弥助様より諸岡殿に伝令である!
道を開けよ!

こんな感じでボスの所まで行くぜ
周囲の奴らに怪しまれねーうちに一気にダッシュだ
敵の所まで来たら即座にミストルティンで誘導矢を発射
周囲の農兵を傷つけねーようにボスだけを狙うぜ
敵がUCを発動したら範囲外に待機させておいたオンモラキでスナイプ
さらに俺のベロボーグで追撃するぜ

頭が高いのはオッサンの方だぜ!
おかげで良く狙えらぁ!



●戦場の中心でフラグを立てたちょんまげ
 虚ろな目をした農民兵が、整然と陣形を組む――その中心にて。
「まだかのう、まだかのう。裁きの時はまだかのう!!」
 ちょんまげ男もとい諸岡・裁鬼の手にした扇の先がそわそわと上下する。
「敵が現れたら、わし……存分に兵どもに蹂躙させてから死刑に処してやるんじゃ! むふふ!」
 諸岡が何とも悪趣味な情景に(本人にとっては至福のひと時に)想いを馳せた刹那。

 陣の一角から、ざわざわとどよめきの声が起こる。

「む、何事……おや?」
 首を傾げる諸岡の足元に、ちょこちょこと寄ってくる小さな影たち。
「おお、可愛らしいのう。可愛い罪で死刑かのう……いやいや、こやつ何処から」
 影――謎の雪だるまの集団の出所に疑問を持ったちょんまげを。
「雷堂流合戦礼法、抜刀術……太刀風」
「とっとと消えるんだね、人でなし」
「……へ?」
 上空から、死角から。
 雷堂・夜風(f21378)とアルミィ・キングフィッシャー(f02059)の刃が襲う!

●いま、殴りに行きます
 僅かに時を遡って。
 陣の外周の一角では、ごく小さな混乱が起きていた。

「白木院雪之助、参上仕った! ……よし、練習通り決まったのう!」
 突如現れた白い妖狐の少年――白木院・雪之助(f10613)が、ずらりと並んだ農民兵たちの前で堂々と名乗りを上げ始めたゆえだ。
「ええ……どうするよこれ」
「処す? 処す?」
「まあ、処していいんじゃね?」
 やや困惑していた兵たちだったが、雪之助を部隊の障害に成り得ると判断したのだろう。
 狙いを定め、手にした長槍を突き出さんとして――ぐいっと引っ張られるように宙へと浮いた!
「え、待っ、槍が浮いて……!?」
「一旦手を放……うわぁ、俺の槍! どこ行きやがる!」
 農民たちの槍が、何かに摘まみ上げられるように次々とひとりでに宙へと浮いていく。
 ある者は槍にしがみついたまま、陣から離れるように引きずり出されていき。
 槍から早々に手を放した者は、遠くへ棄てられたそれを拾いにいく羽目になり。
 小さな混乱がだんだんと大きくなっていく。その隙に。
「行け、我がしもべたちよ!」
 雪之助は農民兵たちの足元へと潜らせるように、雪だるまたちをけしかける。
 首尾は上々と妖狐の少年が笑ってみせた視線の先で。
 山中に身を隠したタロ・トリオンフィ(f04263)が、一枚のカードを手に微笑み返す。
 描かれるは『魔術師』の図柄。
 その奇術を以てして、成功へと近づけるための力。
(「引き続き僕は補佐に徹しよう。次は……」)
 ファランクス陣形の特性、その大きさを考慮しつつ。
 タロは陣の側面に回り込み続けるように動き、見えない力を行使し続ける。
 槍を取り落とした兵たちの焦りの表情を見ても、彼らが戦慣れしていないのは明白だ。
(「洗脳、ね。人を蔑ろにする者に、裁きを担う事は出来ないよね」)
 ゆえに件の指揮官は過去の存在となり、オブリビオンと化したのかもしれない。
 確実にここで討たねばならない。
 そのために。
 魔術師は術を編み続ける――地を蹴って刃を抜いた仲間たちの背を押すように。

 崩れた陣の上を、大盾を足場に夜風は駆ける。
 真一文字に結んだ唇から、一切の言葉は零さない。
 されど、その心に浮かぶは今から討つべき輩のこと。
 権利だの金だの歴史や伝統だのを盾に、横暴に振舞い続ける。
 こんな奴らが蔓延っているから、世界は未だに統一されない。
(「つまり君のような王様のわがままのせいさ、諸岡とやら。偉ぶるのは止めていただきたい」)

 乱れた陣の中を、紛れるようにしてアルミィは走る。
 頭だけは下げられない奴など大嫌いだ。
 ふんぞり返った小役人には相応の末路を与えてやらねばなるまい。
 それに、ここは戦場だ。
 頭の中に『死刑』の二文字しか入っていない輩に理解できるかは疑問だが。
 教えてやらねばなるまい。
(「戦場には戦場のロウってのがあるってことをさ」)

 夜風とアルミィ、二人からの攻撃を諸岡が回避する術は無い。
 可愛らしい雪だるまたちに足を凍らされ、大地に縫い留められてしまっていたからだ。
 ゆえに。
「裁きを申し渡す! 打ち首、獄門っ!」
 両の手で刃を鷲掴みにし、その身を切らせることでどうにか反撃に出る。
 ぶわりと掌から滲みだす邪悪なオーラから、首切りサムライが形作られ二人を襲う。
「ふ、ふはははは! 不届き者どもが! 皆の者……」
 諸岡が言葉を続けるより先に、アルミィは置き土産をひとつ。
「――命令をするな」
 宣告とともに投げつけられた手袋が、ぺしりと諸岡の横っ面を張る。
「こやつらを……ぬ、ぬおお!?」
 定められたルールを破らんとしたオブリビオンの手に刻まれた斬撃の跡が広がっていく。
 その痛みを堪える間に、諸岡は猟兵二人の離脱を許してしまった。
 陣が真っ二つに分かれてできた道を抜け、夜風とアルミィが走り去っていく。
「おのれ、猟兵……む?」
 そう、いつの間にやらファランクスが真っ二つに分かれている!
「はああ!? おい、今すぐ陣を組みなお……痛っ!」
 デュエリスト・ロウの効力になお縛られ、蹲る諸岡を。
「ったく、洗脳とか。次から次へと胸糞悪ぃ作戦を考えるよな、オブリビオンってやつぁ」
「……さっさと農民を返してもらうわ」
 冷たく見下す者たちがいた。
 駆爛・由貴(f14107)と中村・裕美(f01705)である。

 再び、僅かに時を遡る。
 僅かな乱れが拡大し、機能が崩壊しかけた陣を見て。
「……ちょっとだけ認識を弄ればいい……かしら」
「だな。錯覚させたら、怪しまれねーうちに一気にいくぜ。……と、オンモラキは上空に離脱。命令を待て」
 電脳魔術士の二人は言葉少なに、だが的確に互いの意図を汲み取り、策を講じ始める。
 大帝の剣による洗脳自体は、指揮官を倒さぬ限りは解けはしない。
 しかし、ごく僅かに情報を付け加え、誤認させるくらいならば。
「……ファランクス認識情報追加。いけるわ」
「こっちもハッキング完了、俺らを仲間の武者だって認識してくれるはずだ。そんじゃ、いくぜ!」

 ――弥助様より諸岡殿に伝令である! 道を開けよ!

 そうして辿り着かれてしまったなどと知るはずもなく。
 農民兵の指揮を執る術もなく。
 ついでに目の前の猟兵を死刑に処すことしか頭に無い諸岡は
「な、何だ! 無礼者ども! お白洲であるぞ、頭が高い!!」
 あくまで自分に有利な状況を作り出すことにこだわった。
 兵が取り落としたらしい槍がいくつもオブリビオンの下に集まり、その姿を変えていく。
「……これが……貴方に送る新しいお白洲」
 電脳空間からの裕美の声は果たして、諸岡に届いていただろうか。
 仮に届いていたとして、取るに足らぬことと聞き流してしまったかもしれないが。
「さぁて、これより裁きを」
 諸岡の術は、術者に有利なお白洲を創り出すものである。
 本来ならば、そのはずである。
「執り……な、なんじゃこりゃあ!?」
 ゆえに、諸岡があんぐりと口を開けるのも致し方ないことなのだ。
 認識をずらされたせいで、大量のしらす干しに埋もれてしまっているのだから。
「頭が高いのはオッサンの方だぜ! おかげで良く狙えらぁ――オンモラキ!」
 由貴が命令を下せば、しらす干しから生えた諸岡の頭を目掛けて、天から裁きの雷ならぬビームランチャーが落ちる。
 こんがりとしらす干しごと焼かれて炭と化したオブリビオンは、最早何一つ言葉を発することはない。
 竜槍と短刀とで突けばぐずぐずと形を崩して、そのまま風に攫われ消えていった。

 途端に、辺りから上がる困惑の声。
 どうして自分はこんなところにいるのか。
 なぜ武器など持っているのか。
 どうやら農民たちは状況が呑み込めていないようである。
「洗脳も溶けたみたいだな。俺、ちょっと諸々話してくるわ」
 農民皆の無事の確認と事態の説明とに由貴が向かう一方で、裕美はやや疲れた様子でそそくさと帰還の準備に取り掛かる。
(「……コミュ障にはきつそうだし、後のことは任せよう……ああ、南の島にバカンスにでも行きたい気分」)
 電脳魔術師にもいろいろなタイプがいるらしい。

 *****

 (諸岡曰く)無敵のファランクス部隊は、猟兵たちの前に破られた。
 無益な血を流すことなく、裁きが下るはオブリビオンにのみ。
 此度の戦は、これにて一件落着。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月17日


挿絵イラスト