エンパイアウォー⑰~魑魅魍魎の長
●魑魅魍魎の長
「陰陽師・安倍晴明が現れました」
紫紺の瞳を猟兵たちに向け、一瞥するアリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)。
電子マップが示す光点は鳥取城。
かつて、鳥取の飢え殺しと言う凄惨な地獄が繰り広げられたと言う地。
魑魅魍魎が、怨念が渦巻く地にて。
彼の陰陽師は存在する。
「安倍晴明も魔軍将に連なるだけあり、強力なオブリビオンです」
彼もまた、魔軍将の一角。
それ故に先手を取る事は困難であろう。
ユーベルコード以外で何らかの対策を敷く必要がある。
自らの技術と知恵と力で、相手のユーベルコードと言う超常の理(ことわり)を上回らねばならない。
「また、彼の地は鳥取城、かつて豊臣秀吉の兵糧攻めによって凄惨な光景が繰り広げられた地です」
彼の地ではかつて、毛利家と豊臣家で争われた地。
ここより以前の三木城にて秀吉は兵糧攻めを行い、戦いが長期化したと言う。
しかし、それによる損耗は激しく、秀吉は兵糧攻めを"改善"したのだ。
その悪辣極まる手段により、鳥取城は地獄そのものと化した。
開城時には、餓鬼のように飢えたものばかりであったと言う。
その凄惨な地獄に渦巻く怨念の数、最早想像もできぬ。
「安倍晴明は、陰陽師。故にそれらもまた糧として、力とするでしょう」
ゲートは展開された。
その先は怨念の渦巻く鳥取の地。
そして、安倍晴明が待つ決戦の地。
「イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」
けれど、銀糸の少女はいつも通りで、普段と変わらぬ信頼をのせて猟兵を送り出した。
●怨念の地で
「猟兵が来ましたか」
熱量に乏しい陰陽師の男。
その理由はかつて死んだからなのか、それとも他の理由があるからなのか。
「戯れに放った屍人も戯れにすらなりませなんだ」
淡々として、世を憂いたような、否。
世ではなく、彼は自らに憂いて、そして、飽きて、絶望している。
だからこそ何事にも興味はない。
戯れに何かやってみても、心は動かない。
「猟兵の怒り、私の心がどれほど動くものか――――」
安倍晴明はそこにあった。
虎河豚天
虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
うわあああああああ戦争だあああああああああ。
5度目のボス戦です。
安倍晴明、降臨。
陰陽師、鳥取の飢え殺し。
歴史好きとしては色々食指が動くワードいっぱいですね。
なお調べると鳥取の飢え殺しは案外えげつないのでご注意ください。
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陰陽師『安倍晴明』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦
『陰陽師『安倍晴明』』
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POW : 双神殺
【どちらか片方のチェーンソー剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【呪詛を籠めたもう一方のチェーンソー剣】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 水晶屍人の召喚
レベル×1体の、【両肩の水晶】に1と刻印された戦闘用【水晶屍人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 五芒業蝕符
【五芒符(セーマン印)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を斬り裂き業(カルマ)の怨霊を溢れさせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:草彦
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
死之宮・謡
アドリブ歓迎
心地良い領域だ…いっそのこと定住したいほどに、な…(後半は半分冗談)
まぁ良い…見せてくれ…お前の力を…
POW▼
途絶の「呪詛」で身を隠し
「呪詛」で質量、「生命力吸収」のストックで生命力を調整した「属性攻撃:幻・全力魔法」によるデコイでチェーンソーを受ける
【鏖殺帝】発動
突っ込む…
崩壊の「呪詛」と「毒使い」による神経毒をのせた大槍を「怪力」で振るって「2回攻撃」
相手の攻撃は多少は無視して「生命力吸収」で相殺
「鎧砕き」の要領でチェーンソーの破壊も狙っておく…罅でも入れば良い方だろう?
幹部戦も後半だ…心の底から嗤い愉しもうか!
●心の底から
「心地良い領域だ……」
「そうでありましょうか。このような地獄、存外幾らでも転がっているものでしょう」
死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)は笑った。
返された言葉に、笑った。
嗚呼、確かにそうだ。
「いっそのこと定住したいほどに、な……」
「なればさせてさしあげましょう、じきに仲間も迎えにきましょうや」
「ああ、出来るものならなぁッ!!」
安倍晴明が放ったチェーンソーの双剣、それが謡の身を引き裂こうとした刹那。
その気配が、途絶する。
虚空を裂くチェーンソー。
「さあ……ッ!! 心の底から嗤い愉しもうかぁッ!!」
その身が解き放つは始祖の血統、始祖の血脈、始原より始まりて続くもの。
解き放たれた紅翼、光り輝く真紅の眼差し。
「理解できませぬ、嗚呼、けれどそれもまた我らと違うものと言う証左でありましょうか」
戦いを享楽とし、死を享楽とする死之宮・謡。
何事への熱量も失われた安倍晴明。
互いはどこまでいっても交わらぬ平行線。
理解は出来ぬ、理解は及ばぬ、否、そもそもの問題として。
"互いに理解する気が全くない"。
振るわれたチェーンソーに大槍が噛み合い、火花を散らす。
面白げに、楽しげに笑う謡。
無表情で、無感情にする晴明。
崩壊の呪詛がチェーンソーの刃を溶かし、歪めていく。
されど、烈火の如き猛攻で打ち付けられる刃が謡を傷つけていく。
だが、その傷すら、溢れる血潮すら、彼女にとっては愛おしい。
「さあ、そうだ、私を、愉しませろぉッ!!」
大槍の一撃、確かに安倍晴明の身を穿ち、鮮血を散らせた。
されど、嗚呼、それでも、彼は苦痛に顔すら歪ませぬのだ。
成功
🔵🔵🔴
甲斐・ツカサ
なんだよー、何もかも楽しくない、みたいな顔をして!
この世界はもっと面白くて、楽しいんだ!
それなのに、そんな顔してるヤツには負けられないよ!!
飛んでくる札は、その軌道を見切って『白鳩』で撃ち落とす!
でも本番はその後、溢れる怨霊をどうするか、だね
冒険記から得た色んな世界の知識を元に…そう、相手が術式で怨霊を呼ぶなら、こっちはそれを破魔の力に転換すれば良い!
白鳩を銃形態から卵形態に変えて、晴明の術式の力を盗ませてもらうよ!!
あとは呪詛に耐えて、死者の魂を怨念として捕らえているその封印を解きながら…苦しんで死んだ人の魂を新しい場所へ導く為、そして絶望してる晴明の心を殴りつける為に…冒険の話をしよう!!
●冒険の風はあれど
「なんだよー、何もかも楽しくない、みたいな顔して!!」
甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)は冒険者。
世界の数多の冒険に好奇心を躍らせ、その全てを楽しんで慈しんで喜ぶ少年。
それ故に、その全てに諦観したような男が面白くなかった。
「事実、何の面白みもあろうものでしょうか、戯れすら最早戯れに成り得ませぬ」
「この世界はもっと面白くて、楽しいんだ……教えてやるよッ!!」
無機質なまでに、いっそ雑なまでに五芒符が投げつけられる。
白鳩がそれを射ち墜とす。
されど、その五芒符の真価はこの地に眠る怨霊を呼び覚ます事。
無数に溢れた怨霊たちが、ツカサに襲いかかる。
されど、彼の頭には、彼の胸には、彼の心には。
いつだって、"それ"がある。
辛い事も、悲しい事も、痛い事も、苦しい事もいっぱいあった。
だけれど、それ以上に楽しい事や、素晴らしい事、美しい事。
いっぱいのいっぱい、感動がそこには詰め込まれていた。
解き放つのは、そんないっぱいの抱えたおもちゃ箱(トイボックス)の中の一つ。
それもまた、昔々から始まって、今も続いている物語。
そして、明日へと繋がれる紡がれる冒険譚。
大人が子供に語って聞かせる明日への希望に溢れた寝物語。
「ドーマン、セーマンッ!!」
「……なんと、それは――――」
それは、此処ではない"どこか"。
あるいは、"此処"とは交わらない"どこか"。
目の前に立つ男と似て非なる、けれどその源の元を辿れば"彼"に帰結する。
"どこか"から借り受けた、"どこか"の"だれか"の力を以てして。
「臨兵闘者皆陣烈在前ッ!!」
九字を切り、封印の軛が解き放たれ、呼び出された怨霊の群れの枷が解き放たれる。
今ここにあるのは無秩序な怨霊の群れ、そして、諦観した男。
「さあッ!! "明日"の話をしようッ!!」
甲斐・ツカサは昨日と言う過去に縛られた怨霊たちに、今日と言う現在に諦観する男に。
語り聞かせるように言葉を紡ぐ。
それは、明日の夜明けの物語。
成功
🔵🔵🔴
クリスティアーネ・アステローペ
(血統覚醒により瞳は真紅色)
その名その顔その声、得物
クリスタリアンとは異なる水晶の身に至るまで
なにやら覚えはあるけれど…今は関係ない事ね?
今、互いがここにいる
それ以上の縁は必用なかったわ
「アステローペの断罪者、クリスティアーネより陰陽師、安倍晴明へ。剣と月の祝福を」
首から上は生身よね?その血、味わわせてもらおうかしら!
・対先制
《残像》《見切り》から斧槍と斬首剣での《武器受け》で初撃を撃ちおとしに
ダメでも《オーラ防御》と《呪詛耐性》《破魔》で追撃に備えましょう
貴方の次の一撃よりは私の詠唱の方が早いわよ
受けなさい、これこそは我等の血潮にして彼等が祈り、領地を侵す者への呪詛憤怒
【咎を穿て、赫き杭】!
●今とは違うどこかで
「その名、その顔、その声、その得物」
吸血鬼の少女・クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は語る。
真紅の瞳で諦観した男を一瞥する。
「クリスタリアんとは異なる水晶の身に至るまで……何やら覚えがあるけれど」
「さて、何の事やら……この身にはわかりかねましょう」
「ええ、そうね。今は関係ないこと……今互いがここにいる」
それ以上の縁は今の彼と今の彼女には存在しない。
今とは違うどこかがあったかもしれない。
けれど、それはどこかであり今、ここで彼と彼女が対峙している理由。
それは為す者と阻む者と言うその論理ただ一つ。
「アステローペの断罪者、クリスティアーネより陰陽師・安倍晴明へ」
それは宣告。
断罪を司る者が、罪を裁くと言う宣告。
アステローペが断罪が貴様を裁くと言う名の通告。
「剣と月の祝福をッ!!」
「今更罪を裁くなど戯れにすらなりえませぬ」
チェーンソーの剣が断罪者の首を薙ぎにかかる。
斧槍がその一撃を受けて、火花を散らせ、弾き落とした。
されど、双首双撃、もう一方の剣が少女の首を刎ねにかかる。
されど、それもまた断罪の斬首剣が火花をちらして弾き落とした。
その撃ち落とす流れ。流麗なまでに完璧で、男がたたらを踏んだ。
「体勢を立て直す暇は与えないわ、私の詠唱のほうが早いわよッ!!」
高速で詠唱が紡がれていく。
それは生者を戒める枷の歌。
それは過去を瓦解させ骸の海へと還す詩。
それは裁きの為の法理の唄。
それは贖いの為の苦しみの謡。
「解き放て、我等の血潮、彼等が祈り、領地を侵す者への憤怒の呪詛ッ!!」
「なんと……」
体勢を立て直した時にはすでにそれは完成していた。
影より、血潮と呪詛と祈りにて編まれた断罪の鉄杭が虚空を穿つ。
それは大地を走り、無数の呪詛と無数の祈りを撒き散らしながら晴明に殺到する。
「咎を穿て、赫き杭(カズィクル・ベグザーディー)ッ!!」
真紅の血潮が、彼の身を貫き引き裂く。
それは地を侵された者たちの怒りの呪詛。
それは地を侵された者たちの祈りの呪詛。
貫かれた骸より真紅が迸り、血潮を散らす。
「そんな体になっていても、血潮は巡っているのね」
自身の頬に付着した飛び散った血を拭い、一口すすりながら、少女は裁いた男に告げる。
けれど、そんな有様になっても男は顔色一つ変えなかった。
成功
🔵🔵🔴
グルクトゥラ・ウォータンク
随分時化た顔じゃな、晴明よ。お前さんらが仕掛けた戦争じゃ。存分に笑い、泣き、怒り、楽しめばよかろうに。存外つまらんな。わしはこれほど…怒り猛っておるのになァ!
【先制攻撃】は予め【メカニック】で反応速度を強化した義手の【盾受け】と【武器改造】で出力を上げた電脳妖精の【オーラ防御】で耐え凌ぐ!即座に電脳妖精は自滅、義手は切り離し自爆じゃ。どんな呪いが仕込まれておるかわからんからの。
同時にUCで戦士たちを召喚!怨霊程度雄叫びで消し飛ばすわい!
そして最後の一手、密かに放っておいた手持ちのボールズで【破壊工作】により床を崩す。一瞬でも隙が出来たなら…『チープトイ』で道連れにする【覚悟】は出来ておる。
●スチームファンタジー
「随分時化た顔じゃな、晴明よ」
グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)が拳を打ち合わせながら告げる。
戦争を仕掛けておきながら、つまらぬ様子の男に、この男は猛っていた。
また拳が打ち合わせられ、火花が散る。
それはまるで苛立ちを隠せぬ故の行動のように見えて。
「戯れにもなりませなんだ」
「存外につまらんなぁ……わしは……怒り猛っておるがなァッ!!」
安倍晴明は五芒符を放つ。
目にも留まらぬ早業であったが、彼はサイバーにしてスチームでありファンタジーである。
電脳強化によってその反応速度は常人など容易く超える。
神速であれど、捉えられる以上反応とて容易い。
五芒符が即座に掲げられた義手に張り付いて呪詛を撒き散らす。
されど、その呪詛とて、義手に宿す電脳の妖精がすでに防性電子結界で侵食を抑制していた。
グルクトゥラは、その攻防を一瞬で判断すれば、電脳妖精に自滅を指示する。
侵食する呪い諸共、自らの構成分子を破棄する妖精、それと同時。
義手が彼の手より解き放たれ自爆する。
「……わかっておりましたか、この呪詛を」
「知らんわぃ、そんなもん」
何を仕込んでいたかなんてものは知らない。
ただ、"そういう事をするであろう手合"だと思っていただけの事。
ドワーフの男はそれを予期していただけのこと。
同時に、怨霊たちがまた撒き散らされる。
猟兵の少年によって開放された怨霊あれど、この場にはそれは事欠かぬ。
それほどにこの地には怨念が渦巻いていた。
だが、それと同時にグルクトゥラもまた"呼び出し"ていた。
「吼えよ、吼えよ、猛れ、猛れ、戦と炎で鍛え上げた戦士達の魂よ!!」
打ち鳴らす鐘のような音が響く。
それは魂の底より響く戦場の雄叫び。
偉大なるドワーフの戦士たちが斧と盾を打ち鳴らす。
「死で研ぎ上げた偉大なる魂よ!!」
斧と盾によって打ち鳴らされた戦音にまた一人、また一人と応じる。
激しい戦音が鳴り響く度にまた一人、また一人と、黄泉の国から帰ってくる。
「死して尚完成を望むか!!」
応!! と言う声が響き、斧と盾が打ち鳴らされる。
「死して尚鍛ちあげるか!!」
応!! と言う声が響き、斧と盾がまた打ち鳴らされる。
「死して尚研ぎ上げるか!!」
応!! と言う声が響き、斧と盾が打ち鳴らされ、大地を揺るがす声が響く。
「ならば今此に現れよッ!!」
応ォォォオオオオオオッ!! と言う彼の声に応じる声。
その数45にも至る偉大なる大戦士たち。
偉大にして勇猛なる戦士たちの雄叫びが、悔恨と怨念を吹き飛ばす一喝となる。
しかし、それでもなお、安倍晴明の感情は揺れ動かない。
偉大なる戦士たちの憤怒と戦意を受けてもなお、この男は感情一つ微動だにさせない。
自らの放った怨霊が崩れ去っても彼は揺らがない。
「やはりつまらんのぉ、お前さんはァッ!!」
戦士を呼び出す際に、密かに放っておいたボールズが安倍晴明の立つ床を爆砕した。
崩れ落ちる床に足を取られた刹那、グルクトゥラは懐から取り出す。
それは『チープトイ』と名付けられた――――
「なあに、わしもお前さんも――――死にはせんわぃ」
――――刹那、壮絶なまでの閃光と爆炎が走り、次に巨大な炸裂音が響いた。
成功
🔵🔵🔴
ビスマス・テルマール
通りすがりの……
貴方にはご当地怪人と名乗った方が良いでしょうか
誰かに代わり貴方は
破壊しますっ!
●POW
○先制対策
敵の動き
特にチェーンソー剣に注意
保険に『オーラ防御』と『激痛耐性』で備え
『第六感』も頼り『見切り』『オーラ防御』で覆った『残像』を『ダッシュ』しつつ『早業』で作り撒き『地形の利用』もしつつ撹乱
攻撃回避を試み
隙を見て『早業』でUC発動
さんが焼きバーガー型の鎧装を纏い爆弾剣に『鎧無視攻撃』と『属性攻撃(聖)』を込め『怪力・2回攻撃』で『早業』で打ち込み
爆発と共に
『早業』で『残像』を残した『ダッシュ』で離脱し様に『誘導弾』と『属性攻撃(聖)』併用の『一斉発射』
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
●通りすがりの
「通りすがりの……」
ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)はいつものように名乗ろうとした。
しかし、ふと思い直した。
「ご当地怪人ですッ!!」
それはどこか遠くの言葉、それはどこか遠くの言語。
それ故に、安倍晴明はその言葉を何ら気にも止めない。
彼はどこか遠くにあったのかもしれない。
けれど、今ここにいる彼は"それ"とは無関係であり、無縁であるからだ。
「……何の事やら分かりかねましょうや」
「わからなくとも結構!! どこかの誰かの代わりに貴方を破壊しますッ!!」
それならばそうと言え、と言わぬばかりに安倍晴明はその刃を振りかぶる。
問答をする時などとうに過ぎた、それ故にあるのは刃の応報のみ。
振りかぶったチェーンソーは虚空を薙いだ。
そこにあったものはビスマスの闘気によって生み出された残像にしか過ぎない。
まるで質量のある分身の如く、その闘気が無数のビスマスを生み出す。
また虚空をチェーンソーが薙いだ。
振りかぶった一撃、体勢が揺らぐ。
その一瞬、その刹那。
床が砕けるほどの踏み込み、地を縮めるが如く。
『Namerou Hearts Sangayaki Baga!』
電子的な音が空間に響き渡る。
その身が山河焼きバーガー鎧装に包まれる。
内臓された剣が射出と同時に柄が手に収まる。
神速の踏み込み、神速の一突き。
その水晶の体を打ち砕く一撃は即ち真に重々しき一撃。
突き刺さった刃が水晶の体を穿つ。
「山河――――爆斬ッ!!」
剣先に仕込まれた山河焼きバーガーが、閃光を放つ。
体内より、その熱波は溢れ出る。
爆熱がその体を内側から焼く。
爆風が巻き起こる頃、ビスマスはすでにその縮地の如き踏み込みでその場を離れて。
そして、すでに構えて放っていた。
それはウルシさんが放つ無数の属性弾。
爆風にのった爆炎が、それに触れると同時、連鎖するように起爆する。
激しい閃光と爆音、二重の破壊が安倍晴明を焼く。
ぼろぼろに砕けたその体。
されど、それはまだ生きていた。
そして、それはなおも熱量の乏しい眼差しで猟兵たちを睥睨していた。
成功
🔵🔵🔴
リズ・ルシーズ
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ・連携歓迎だよ
【SPD】
数ばっかりは一杯いるみたいだけど、高さには対応できるかな?
【先制攻撃】で【疑似刻印】の光【属性攻撃】のレーザーを屍人の目を狙って放ち【時間稼ぎ】しつつ、ワイヤーを天井に射出、【空中戦・ロープワーク】で高さを利用して、屍人の攻撃の回避を試みるよ
数には数で!行くよ、ルシーズ!
【ルシーズ】を使って、量産型Rシリーズを呼び出し、それぞれ仲間の猟兵に【変装】させて囮にして【援護射撃】をしようかな、、量産型に取り付いた屍人は自爆で迎撃だね
さ、あとは大物だけだけど
屍人の相手が終わったら、あとは残った量産型を合体強化のうえ自爆特攻させての攻撃だね
クネウス・ウィギンシティ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
アドリブ&絡み歓迎
「あの惨状が戯れですか……」
【SPD】
●SPD UC対抗
「水晶屍人ですか、それなら既に戦闘済みです」
敵の水晶屍人は厄介ですが、晴明本体よりは弱いはず。
召喚直後の先制攻撃は左腕装備のパイルバンカーの【盾受け】&【激痛耐性】(痛覚遮断)でダメージ覚悟で耐えます。
●戦闘(UC)
「GEAR:ASTRAIA。対象の擬似召喚完了、攻撃開始」
リズ(f11009)さんとドロレス(f12180)さんの影を疑似召喚し、【援護射撃】を行ってもらいます。
自身は マシンガンに【破魔】の効果を宿したミスリル弾を込め、晴明を狙い連射。
「それでは、遊んであげましょう」
サブナ・ダディ
【全世界サイボーグ連盟】で参加、何でも歓迎//【WIZ】//「かの陰陽師として名声を極めたと言われた安倍晴明・・・堕ちた物よ」//今回は序盤、後衛に回り、五芒業蝕符に対抗するため、念仏機「六合一」と1080を用いてUC【解呪の法力・天照大御神】を【高速詠唱】で発動、五芒業蝕符が効力をなくすまで展開し続け、最終【捨て身の一撃】【グラップル】【怪力】で仲間の一撃を与える為の【時間稼ぎ】を行う//「貴様の喉元を掻っ切る為の道、そう易々と壊させはせんぞ」
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、【全世界サイボーグ連盟】で参加
今回の訳アリ枠はテメェか…まあ、水晶屍人で好き勝手してくれたお礼はさせてもらうぜ!
先制のチェーンソーに対し、盾形態のバスターホーンを持たせた状態のブーストアームを発射、【武器受け】と【盾受け】でガードするぜ。もう片方のチェーンソーで追撃が来るが、こいつは残った左腕にウェポンボックスを持って【気合い】で【武器受け】、チェーンソーにぶった切られる前に【アブソリュート・ペネトレイション】を発動だ!
無敵のドリルアームに変質したウェポンボックスでチェーンソーを防ぎきってみせるぜ!
鍔迫り合いの間に味方の攻撃準備も整うはずだ、その時こそ攻撃に転じるチャンス…!
ドロレス・コスタクルタ
全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ・連携歓迎。
「今の貴方はオブリビオン。骸の海へと還りなさい。
それが貴方自身の為でもあります」
●WIZでUC対抗
飛び来る符を撃ち落とすと同時に消滅の反動で跳弾させ、
周囲の地形から溢れる怨霊に対しての攻撃として利用。
【2回攻撃、誘導弾、範囲攻撃、地形の利用】で弾丸を放ち、
撃ち落とす余裕がなくなれば跳弾を弾丸の盾に転用。
【オーラ防御】も併用し耐える。
●初撃を凌いだところで攻撃に転じる。
跳弾を駆使して不規則且つ一人時間差攻撃を仕掛け、
可能な限り見切られにくく戦う。
頃合いを見て【見切り、ダッシュ】で一気に距離を詰め
【零距離射撃、捨て身の一撃】で近接攻撃を仕掛ける。
●鋼の鉄槌
「数ばっかりは一杯いるみたいだけど、高さには対応できるかな!!」
呼び出された水晶屍人、しかしそれには飛ぶ機能はない。
天高く空を舞うリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)にそれは届かない。
疑似刻印が全身に奔り、光の雨が水晶屍人に降り注ぐ。
光の雨あられが水晶屍人を撃ち貫いていく。
しかし、それでもなお打倒しきれぬソレがクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)に殺到する。
されど、彼はエンジニア、そして鋼機人。
水晶屍人がクネウスを喰らおうとするが、硬いものに阻まれる。
それは――――。
「こたつです」
「何故そこでこたつ?」
さしもの安倍晴明も疑問を覚えた。
水晶屍人の攻撃にすら耐えられるこのコタツ、今なら全世界サイボーグ連盟の備品です。
なればそのコタツ諸共打ち砕かんと放たれるは五芒符。
「無駄ですわッ!!」
ドロレス・コスタクルタ(ルビーレッド・f12180)の二挺拳銃がそれを虚空で射抜く。
放った弾丸が空間を跳ねて、躍動し、溢れ出る怨霊諸共散り散りに還す。
手にした二振り、それで薙ごうか、と安倍晴明が疾駆する。
放たれたチェーンソー、さしものこの一撃、コタツも弾丸も意味を為さぬ。
「だがなぁッ!!」
「そうは問屋がおろさないぜッ!!」
右の一撃、サブナ・ダディ(サイボーグの破戒僧・f21228)の剛力が受け止めた。
ぎりぎり、と火花が散るその一撃、されどその膂力はむしろそれを押し返す。
左の一撃、アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)ならぬ光より速くぶち抜く暁の戦士・ドーンブレイカーのブーストアームが受け止めた。
火花を散らしながらブーストアームが食い込む刃を完全に止めた。
チェーンソーの動きが完全にアームの膂力にて殺されたのだ。
「行くよ、ルシーズッ!!」
無数の鏡面体、無数の存在、大量に連なる彼女と彼女たち。
それがルシーズであり、彼女である。
無数に湧いて出た屍人と怨霊、無数に顕現した鏡面の彼女たち。
「GEAR:ASTRAIA!!」
エンジニア・クネウスのギア・アストライアがそれに呼応する。
現れたるはリズ・ルシーズとドロレス・コスタクルタ。
されどそれは本人にあらず、影より来たりた影そのもの。
影より生じたリズがさらなるルシーズを呼び出す。
無数の鏡面体は無数の鏡面体を引き連れる。
影のドロレスとドロレスの二挺拳銃二門、合計四つの銃口が空間を制圧する。
ルシーズと影ルシーズ、ドロレスと影ドロレスの飽和火力攻撃。
それは空間制圧に等しい弾幕となり、屍人と怨霊を完全に吹き散らす。
影に連なるルシーズと、鏡面のルシーズが各々を合体させ、連結させる。
それこそが"彼女"の本質である。
強化されたルシーズが、安倍晴明に取り付く。
苦し紛れに放たれた五芒符の一撃、それはサブナの放った天道の一撃にて散らされた。
怨念は、遍く天照らす大いなる神の名の下に塵に還るは最早必定。
「無駄だ、この場に満ちた怨念。最早それは主宰神の光の前には無意味と知れ」
【Select…BUILD ACTION!】
電子音が響き、ドーンブレイカーのウェポンボックスが無敵のドリルアームに変形していた。
それは一回転するごとに前に進むもの、少しずつでも前に歩むモノ。
前にただひたすら突き進んでいく、それは猟兵たちの意志が如く。
歩む事もやめた男にその熱量はなく、ただ迫る巨大な螺旋の一撃を見ていた。
「光の速さで、ぶち破ってやるぜッ!!」
ドリルが安倍晴明を撃ち穿ち、その身体に巨大な風穴を開けた。
同時、ドリルアームを切り離し、跳躍するドーンブレイカー。
リズが、疑似刻印を浮かべていた。
クネウスがマシンガンを構えていた。
ドロレスが二挺拳銃を構えていた。
サブナが術式を刻んでいた。
「――――なるほど、これほどの熱量、私にはありませなんだ」
放たれた鉄火の雨、乱れ飛ぶ光粒子、放たれた破邪の一喝。
それらが安倍晴明を打ち据えて、そして、無数のルシーズが同時に起爆する。
閃光が走り、天守閣が白く染まった。
轟音が響き、世界が揺れる。
後には何一つも残らず。
もぞり、と残されたコタツが蠢いた。
コタツの中から這い出てきたのは鋼の機人たち。
後からもなく消し飛び、天守閣の屋根すらも消し飛ばした大爆発。
さしもの猟兵たちもやりすぎたか、と思ったのか。
爆発の張本人たるリズが頬をかいた。
「ちょっと合体させすぎたかも」
「コタツがなければ危うかったですね」
「さすがのコタツですわ」
「ああ、頼りになるぜこのコタツは」
さすがのコタツ塹壕を褒め称える超機人たち。
しかし、ただ一人。まだ染まりきってない鋼の僧兵は唖然としていた。
気を取り直して、サブナは彼らに問いかける。
そのものを指差しながら。
「……いや、お前ら平然としてるけどなんなんだよこれ」
コタツです。
大成功
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