エンパイアウォー⑩~海賊対処活動
「船だ、祭だ、たこ焼きだ!」
セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)はいつになくテンションが高い。しかし、何やら不満げな様子だ。
「海上ということなら、俺が出向いてやりたいんだが……如何せん、俺が予知しちまったもんだから仕方がない。今回はお前さんたちには海路の確保を行ってもらう。」
京都の花の御所を制圧した魔軍将、大悪災『日野富子』は、そのありあまる財力で『超巨大鉄甲船』の大船団を建造していた。
「造船するだけなら、なら金さえあれば何とかなる。だが、船を自分の思った通りに自在に操る船員を用意するんなんざ、そう簡単じゃあない。そこで日野富子が目を付けたのが『村上水軍』ってわけだ。」
村上水軍は戦国時代の瀬戸内海を席巻した大海賊。その怨霊を呼び出し、鉄甲船の大船団を大規模海戦にも耐えられる、最強の水軍にしたらしい。
「このままでは、南海道の海路を進む幕府軍の船は悉く沈められ、海の藻屑と消えてしまうだろうな。そこでだ。お前さんたちには、村上水軍の怨霊が宿った鉄甲船を沈めてもらいたい。なに、別に難しいことはない。敵の護衛をしているオブリビオンを倒し、帆柱に掲げられた村上水軍旗を引きずり下ろせば、船の動力となっている怨霊共は消える。それで任務は完了だ。」
逆に、戦闘によるダメージやユーベルコードでは、ダメージを与えることはできず、船を破壊するどころか、止めることもできない。
「あぁ、鉄甲船に乗り込む方法だが……まぁ、自分たちで何とかしてくれ。無論、脱出もな。戦闘については問題なかろう。」
今回の相手となるのは骨抜き妖怪『衣蛸』。マッサージやカッティングなどにより、もてなすように見せかけながら、相手をしとめる特異な相手だ。君たちはタコたちのもてなしを受けてもいいし、受けなくてもいい。各々が最善ともう行動をとればいいだろう。
「余談だが、瀬戸内海と言えば蛸壺漁が有名だな。その発祥は明石だと言われている。そして、明石と言えば明石焼きだ。」
その言葉が何を意味するのかはわからない。そんな猟兵達の戸惑いも気にせず、セゲルは猟兵達を送り出した。
弐呉崎
海と聞いて出さないわけにはいかないと思いました。
どうも、弐呉崎です。
※このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
巨大鉄甲船は、全長200m程度、全幅30m程度となっています。鉄甲船は海上に居るので、海を渡る方法や、巨大船に乗り込む方法などをプレイングで工夫していた場合、プレイングボーナスが入るかもしれません。
なお、亡霊は戦闘には参加せず、あくまで船を動かす動力として存在しています。船を止める直接的な要因にはなり得ませんので、あらかじめ注意して下さい。会話は一応可能です。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『骨抜き妖怪『衣蛸』』
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POW : 随分と凝ってるタコ~。俺たちのようにほぐすタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【筋肉の塊である8本の触手で相手を捕まえ、】【マッサージで弱らせてからの絞めつけ攻撃】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : カッピングもやってますタコ~。血流良くなるタコ!
【タコの保護色能力で全身を迷彩して接近し】【非常に強力な吸盤で相手を捕まえて、】【カッピングで生気を吸い取り弱らせる攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 運動不足じゃないかタコ~?ヨガは身体に良いタコ!
【再生能力を活かして非常にしぶとく接近して】から【筋肉の塊の触手と強力吸盤で相手へ捕縛攻撃】を放ち、【操り人形のように強制的にヨガをさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
……タコ、なぁ。
どうも知り合いのキマイラの子を思い出してしまうんだけど……
まさか関係者(?)じゃねぇよな?
まあいいや、水上戦だってんなら
一番確実なのは空を飛ぶ事さ。
遠隔攻撃の手段も備えたいし、
ここは【人機一体・雷】だね。
『念動力』を活用して上空をうろちょろし、
タコ共の注意を『おびき寄せ』る。
触手が届かない距離で煽る様に飛びながら、
だんだんと奴らも『念動力』で空中に引っ張り上げるよ。
奴らの筋力に押し負けないようにしっかりホールドして、
『マヒ攻撃』の電撃『属性攻撃』を浴びせかける。
そうやって電気ショックで痺れさせたら下拵え完了さ。
後は煮るなり焼くなり好きにやってくれ!
「……タコ、なぁ。」
念動力で空を飛びながら船へと向う最中、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はとあるキマイラのことを思い出していた。
「まさか関係者……いや、関係蛸じゃねぇよな?」
しかし、たとえ関係があったとしても相手はオブリビオンだ。猟兵の行く手を阻むのであれば、やるべきことは変わらない。どうやらそれは向こうも同じらしい。上空からの侵入者に気付いた衣蛸たちが、我も我もと押し掛けてきた。
「侵入者タコ!飛ぶなんて卑怯タコ!降りてきて、オイラたちにおもてなしさせるタコ!」
おおよそ、敵に対するものとは思いえない言動を始めるタコたち。多喜にマッサージを施そうと必死に彼女に向けてその足を延ばす。だが、大蛸に見合った長く強靭な触手であっても、宙を舞う多喜に届くことは決してない。だが、不思議なことにそれ以上伸びるはずの足の先端が、徐々に多喜へと近づき始めている。否、それは近づいてきているのではない。彼女自身が近づけているのだ。念動力により体ごと徐々に引き寄せられるタコたち。だが、タコ自身はいまだにその状況に気付いていないらしい。
「いやぁ、随分と歓迎されているようだけども、流石にその触手を近づけられるのは勘弁願いたいんでねぇ。あらよっと!」
触手が多喜に届こうとしたその時、不意にタコたちの足と胴体が逆転する。今やっと自らに怒っている状況を把握するタコたち。しかし抵抗しようにも、至近距離からの念動力により固定された体はびくともしない。だが、彼女にはそんなタコたちに掛ける慈悲はない。多喜のライダーブーツから先駆放電先走り始める。
「あんたたち、マッサージが得意なんだってね?奇遇だねぇ、私も実は得意なんだよ……ね!」
微弱な電流を衣蛸たちは感じ取ったが、時すでに遅し。もはやタコたちに成す術はなく、今から行われる施術を甘んじて受け入れるしかないのだ。
「タコォォォォォォッ!!?」
無抵抗なタコたちへと高圧の電流が流し込まれる。海水により濡れたタコには効果覿面らしく、強靭でありしなやかであった軟体動物の体は石のように硬直していた。
「おっと、少々刺激が強すぎたかな?でも、あたしの電気マッサージも捨てたもんじゃないだろう?」
電撃により痺れたタコたち。念動力による拘束から解放されると、無抵抗なその体は甲板へ叩き落された。
「さぁて、下拵え完了さ。後は煮るなり焼くなり好きにやってくれ!」
大成功
🔵🔵🔵
材木座・楢重
まずは船までの移動手段を考えなくてはいけませんね。
「UFO来襲」を自分に使い、トラクタービームでUFOに乗り込み、船の上空まで移動して貰い降り立ちます。
決して怪しい者ではありませんが、貴方達を倒しに参りました。
どうぞお覚悟を。
再び「UFO来襲」を使い、上空に待機しているUFOからレーザービームで衣蛸を焼き払います。
衣蛸の皆様からのおもてなしは不要です、寧ろ僕からのもてなしを是非とも受けて頂きたいと思います。
トラクタービームでUFOの船内に吸い込んで貰い、リトルグレイの皆様方のおもてなしを存分に受けて頂きましょう。
触手の攻撃が怖いので【第六感】を研ぎ澄まし、全力で回避致します。
痺れたタコたちにお前に舞い降りた一人の猟兵。底部に特徴的な3つのドームがついた円盤型の飛翔物体――所謂、アダムスキー型と呼ばれるUFOから現れたのは、材木座・楢重(材木座組代表取締役・f01840)だ。
「決して怪しい者ではありませんが、貴方達を倒しに参りました。どうぞお覚悟を……おや?」
楢重の目に入ってきたのは、甲板に転がっている、痺れて動けない数体の衣蛸たち。少々拍子抜けではあるが、楢重のやることは変わらない。それはタコたちも同じのようだ。
「ま……また侵入者タコ……。今度こそおもてなしをしなければならないタコ……!」
何とかして楢重を捕まえようとするも、振り上げた触手はどれも空を切る。麻痺により満足に動けぬ体に、楢重の第六感が加われば、当然捕まえることなど叶わない。
「自由を奪われた相手を蹂躙するのは些か気が引けますが、致し方ありませんね。」
いくらもてなしと言おうとも、つまるところ、それはオブリビオンの攻撃だ。猟兵である男がそれを恐れないはずなどあろうはずもない。そんな楢重の懸念を察知したかのように、彼を運んできたUFOがタコたちへと狙いを定める。
「や、やめるタコ……卑怯者……!」
しかし、そうは問屋が卸さない。無慈悲なレーザービームが衣蛸たちへと照射され、その熱量はあっという間に焼きダコを量産した。しかし、まだタコたちは無事なようで、せめてマッサージだけでもと、その触手を伸ばす。未だにもてなすことを諦める様子はないようだ。
「いえ、衣蛸の皆様からのおもてなしは不要です、寧ろ僕からのもてなしを是非とも受けて頂きたいと思います。」
UFOから再びタコたちにビームが放たれる。しかし、それは先ほどとは異なり、タコたちを焼くような気配はない。キャトルミューティレーション――トラクタービームによって、数体の焼き衣蛸たちはUFOへと吸い込まれていく。
「リトルグレイさんたちの調理……もとい、もてなしは皆様方にきっと満足いただけますので、どうぞゆっくりと寛いでください。」
UFOから断末魔にも似たタコたちの悲鳴がこだまする。そんな仲間の様子を陰から見つめていた残りの衣蛸たちは、明日は我が身とその体を震わせていた。
大成功
🔵🔵🔵
エスペラ・アルベール
鉄甲船ならまともな対空手段はないはず、飛行魔法で高高度から乗り込むよっ!【空中戦】【空中浮遊】
メーロエルピーダを使用して、未来のボクに先に降りてもらう
水の魔法をばら撒いて水滴である程度敵の居場所をわかるようにしながら、なるべく多くの敵を【おびき寄せ】て、わざと捕まってもらうよっ
そして敵が未来のボクへのマッサージに夢中になっているところに、炎の魔法で一気に焼き付くすっ!【属性攻撃】
未来のボクは無敵だし、魔法で巻き込んでも大丈夫っ!もちろんマッサージなんかでやられたり―――あれ、なんか完全に骨抜きになってる……?
アドリブや他者との連携等なんでもOKですっ
そんな衣蛸たちの上空から忍び寄るもう一つの影があった。未だタコたちはその存在に気付いていない。しかし、僅かな水泡がタコの胴体へと滴り落ちる。緩やかな追い風が吹く海上は、雲一つない晴れ模様。そこに雨など降るはずもない。タコたちが見上げた上空、水滴の主たる猟兵は彼らの頭上にいた。降下する勢いのまま、エスペラ・アルベール(元気爆発笑顔の少女・f00095)は衣蛸が数体集まる場の中心へと降り立った。
「猟兵を相手取るなら対空手段ぐらい用意しないと……って、ちょっと降りる場所が悪かったかな?」
「飛んで火にいる夏の猟兵タコ!奴らの無念を晴らすためにも、徹底的におもてなしするタコ!」
いくら猟兵と言えども、囲まれてしまえば対応は容易ではない。だが、彼女がおじけづく様子はない。それこそが彼女の狙いであるからだ。
「今のボクは無敵だからね!どんなもてなしでも挑戦も受けて立つよ!」
その言葉を皮切りに、タコたちが一斉にエスペラへ向かって飛び掛かった。タコたちはうっ憤を晴らすかのようにエスペラにマッサージを施し始めた。もてなしに夢中となり、そこに近づく別の猟兵にタコたちは気付かなかった。
「いやぁ……流石に未来の自分がかわいそうにな気もするけど、無敵だから大丈夫だよね。」
それは新手ではなく、もう一人のエスペラだった。先に飛び降り、マッサージを施されているのは、囮――彼女のUCである【メーロエルピーダ】によって呼び出された、未来の彼女自身だ。そう、無防備になったタコたちを未来の自分ごと焼き払う、それが彼女の作戦だったのだ。当然、無敵状態である彼女には魔法も通用しなければ、マッサージでやられることもない……はずだった。
「あれ、なんか完全に骨抜きになってる……?」
もてなしであるマッサージは攻撃ではないからなのか、あるいは無敵の相手に対しても効果を発揮してしまう程協力なのか……いずれにしても、未来のエスペラの強さに対して疑念を持ってしまった以上、もはや無敵とは言い難い。だが、今が好機であることに変わりはない。ここを逃せば、次に骨抜きにされてしまうのは、今の自分かもしれない。一方で、自分自身を消し去ることに若干の負い目も感じる。そんな彼女の思いが交錯する中、エスペラの存在にタコが気付いたようだ。それを察するや否や、彼女は躊躇うことなく炎を放った。
「今のボクがやられたら、未来のボクもなにもあったもんじゃないからね。ごめん!」
やがて火が収まった時、そこに未来の自分の姿はなく、転がっていたのは数体の焼きダコだけだった。
成功
🔵🔵🔴
天春御・優桃
転地鉄塵、戴天空刃を展開し、海へ躍りでようか
流木等の漂流物を挟み、UC天土にて海面を進む【地形の利用】【ダッシュ】【空中戦】
流木が浮いてなけりゃ、仕方ねえ、転地鉄塵の塵鉄を板に整形して足場に【投擲】
さて、随分大層な船なことで
【ジャンプ】を重ねて甲板へ
おうおう、居やがるなあ
ってマッサージ?ははあそういう腹か
良いぜ、ちょっくら身を任せてやるさ
UC刃霞を周囲へ展開しながら、腕に巻かれてやる
ほお、以外と悪くはねえ、が、おいおいそこはマズいだろうよ。息出来なくなんだろ。
首を締める腕を刃霞で牽制して、どうにか抜け出そうか
さて、もてなしも受けた訳だからな
お返しとしよう
【ダンス】の如く刃霞を振るう
アドリブ歓迎
既に船上は混乱の渦中にあった。そんな様子を遠目に見ながら、天春御・優桃(天地霞む・f16718)は両手足に烈風と塵鉄を又負いながら、海原を走り抜けていた。所々をに浮かぶ流木を挟んで足場にしつつ、UC【天土】で跳躍を繰り返す。流木がない着地点では、彼の纏う塵鉄を板状の新たな足場とすることで、船にたどり着くための道を作り出していた。その勢いはとどまることを知らず、やがて船へと接近する。先ほどまで水平方向に用いていた推進力を、垂直方向へと切り替える。海を越えることに比べれば、船の高さを超えるなど造作もなかった。
「おうおう、居やがるなあ」
これまでの猟兵とは異なり、海からやってきた突然の来客に驚く絹蛸たち。しかしながら、彼らのやることが変わることはない。
「新規様ご来店タコ~!これより、マッサージを行うタコ~!」
「おう、どこからでもかかって……ってマッサージ?ははあ、そういう腹か。」
これだけ火の手が上がる戦場だ。奇襲攻撃でも来るかと思いきや、宣言されたのはおもてなし。そんな言葉に、あえて優桃はその身を委ねたのだった。そんな彼の周囲には、先ほどまでなかったはずの塵が薄っすらと舞っていた。
「侵入者さん、結構凝ってるタコねぇ~。」
もてなしと言うからには、どれほどのものかと優桃は半信半疑ではあった。実際に受けてみるとその腕はなかなかのもので、的確に彼の疲れと凝りを解していく。しかし、腕をつかんでいた触手は、やがて優桃の首に手を掛け始める。
「ほお、以外と悪くはねえ……が、おいおいそこはマズいだろうよ。息出来なくなんだろ。」
その言葉を聞いてタコが止まるはずもなく、その腕は首に完全に絡みつくと、その筋力を持ってぎりぎりと締め上げ始めた。ただより安い物はない。オブリビオンが猟兵を意味もなくもてなすなどあるはずはないのだ。だが、すでに仕込みは済んでいる。突如、追い風の吹いていた船上に向かい風が吹き始める。それは船を動かすほどではない、そよ風程度の弱い風。しかし、それが優桃を締め上げていた触手に振れると、まるで鋭利な刃物で切断したかのようにタコの腕を切裂いた。
「げっほげほ……あぁ、とんだ馬鹿力だな、このタコは。筋肉ばかりの身体ってのは伊達じゃないな。でもまぁ、お陰さんで凝りもほぐれた。もてなしを受けたお返しといこうじゃないか。」
優桃は軽く咳払いをして息を整えると、突如その場で舞い始めた。その動きに合わせるかのように、先ほどから纏っていた塵が再びそよ風となって、衣蛸たちへと吹きつける。さながら、霞の羽衣と言ったところだろうか。UC【刃霞】――一歩、また一歩と優桃がステップを踏むごとにタコたちの触手はみるみる切断されていく。数分後には、細切れになったたこ足があたり一面に散らばっていた。
成功
🔵🔵🔴
黒白・鈴凛
ふぅん?蛸のマッサージ…アルカ
日々功夫を積んでいる柔軟なワタシの体には無用なものだが、物は試し受けてみるのも良いアルナ
しかし、それにはまずは船に乗り込まないとナ
とは言え、ワタシは空飛んだりはできないし……
いや、飛べなくも無いアルナ
ワタシは自身のヤドリガミとしての核である八卦鏡を複製、それを足場に跳んで行くヨ
複製数は39、足場としては十分ネ
足場にするやつ以外はワタシを囲むように配置、これで空中で襲われることも防げるアルナ
船に降り立てば後は簡単
蛸を引き付けてその間に誰かに軍旗を落としてもらうアル
笹も良いが……くふふ、蛸も旨いらしいナ
あぁ、逃げるな逃げるな。ちゃーんと味わってやるアルヨ
多くの衣蛸は猟兵達に調理……もとい、倒されてしまい、残る衣蛸は数体となった。そんなタコたちに新たな刺客が差し向けられる。突如として船上へと躍り出たのは、黒白・鈴凛(白黒娘々・f01262)。彼女は飛行に類する力を持ち合わせてはいないが、自らの核である八卦鏡を召喚し足場として利用することで、乗り込むことに成功したのだ。だが、たとえ突然の来訪者が現れようとも、残されたタコたちも他の衣蛸と反応は変わらない。
「どんな客であっても、この船に乗った以上、衣蛸のマッサージサービスを受けてもらうタコ~。」
「ふぅん?蛸のマッサージ……アルカ。」
日々功夫を積んでいる鈴凛にとって、肩の凝り等の血行不良というのは無縁の存在だ。だからこそ、興味がそそられる。普段自身が体験しないことが無料で出来るというのならやらないわけにはいかない。
「物は試し受けてみるのも良いアルナ。」
「一名様ご案内タコ~!」
タコたちは即座に鈴凛の四肢を絡めとっていく。マッサージのスペシャリストたる衣蛸は、ほんのわずかな凝りすらも見逃さなかった。人の筋肉というのは意識しなければ動かすのが困難な部位も多い。彼らはそれを熟知しており、的確に鈴凛の凝りをもみほぐしていく。だが、実際には触ってみなければわからないことも多い。たとえそこに筋肉がなくともだ。衣蛸たちの間の手が鈴凛へと迫る。
「……硬いタコ。」
そこにあったのは、乗船にも利用した八卦鏡。足場に使う必要がなかったものは周囲からの攻撃を凌ぐために用いていたが、その数枚を衣服の中の見えない場所に仕込んでおいたのだ。飛び出した八卦鏡が、彼女に絡みついていたタコたちを弾き飛ばしていく。
「さてと……十二分にマッサージも体験させてもらったところで悪いけども、そろそろお仕事の時間アルヨ。笹も良いが……くふふ、蛸も旨いらしいナ。」
その場にいたタコたちが凍り付く。恩を仇で返すとはこのことだろうか。無論、タコたちも最終的には締め上げるつもりであったのだから、人のことは言えないのだが。だが、捕食から逃れようとするのは生物の本能だ。例えオブリビオンのタコであってもそのことは変わらないらしい。
「あぁ、逃げるな逃げるな。ちゃーんと味わってやるアルヨ。」
八卦鏡でタコたちの逃げ道を防ぎながら、徐々に船の隅へと追い詰めていく。もはや、タコたちが食されるまでは時間の問題だろう。
成功
🔵🔵🔴
コルチェ・ウーパニャン
海だー!!どうやって乗り込もう!?
セゲルさんならこういうとき、色々プランがあるんだろうなー……
でも、とにかく行ってみよう!
コルチェのガラスのクツにキラキラシール!氷属性を付与!
波の上に氷の足場を作りながらホップステップジャーンプ!
バランスとるのが大変!!でもコルチェにはこれ以上のプランがなーい!!
海に落ちても水着だから安心です!
乗り込めたら、タコさんたちはピカリブラスターでキュルルーン!
マッサージはおことわり!
空中にも湿気頼りの氷の足場を作って、
帆柱の水軍旗へジャンプジャーンプ!
明石焼きってどんなのだろ?
帰ったら聞いてみよっと。
コルチェ、カロリーだーいすき。たぶんおいしいんだろうな!
具体的なプランはなくとも、ともかくやってみるしかない。コルチェ・ウーパニャン(マネキンドールのピカリガンナー・f00698)は徐に自らのガラスの靴にキラキラしたシールを張り付けると、徐々に靴がその体積を増していく。しかしそれは、ガラスが膨張しているのではない。彼女の靴の周りに氷が形成されているのだ。そして、会場へと躍り出ると、その靴に触れた波が忽ち凍結していく。氷の足場をホップステップジャーンプ!僅かにバランスを崩しながらも、何とか船へとたどり着いた。そんな彼女の目にまず入ったのは、逃げ惑うタコたちの姿だ。
「新たな侵入者タコ~!大人しくおもてなしを受けるタコ~!」
相手が誰でも構わないというのは変わらないが、焦りながらも目についたものを骨抜きにしようとするその姿は、半ばやけくそ気味である。満足なマッサージを施せていないことにフラストレーションがたまっているのだろうか。返事も待たぬまま、その触手をコルチェへと伸ばし始める。
「申し訳ないけど、マッサージはおことわり!他の人をあたってね!」
笑顔で返す返答とは裏腹に、コルチェは容赦なく手に握ったピカリブラスターを照射する。そこにも先ほど使用したキラキラシールが貼りつけられていた。放たれた光線が一体の衣蛸へと着弾する。
「冷凍タコさんの出来上がり!夏場は傷みやすいから、ちゃんと冷やしておかないとね!」
先ほどまで背筋の凍る思いをしていたタコは、その身も凍らされる羽目になってしまった。当然、残りのタコたちも例外ではない。コルチェの銃から続々と放たれる光線が、やがてその場にいたタコたちをすべて氷漬けにしてしまった。
「これで邪魔者はいなさそうかな?あとはあの旗を降ろせばOK……だよね?」
半信半疑ながらも、旗へと向かうために空気中の湿気を凍らせて足場を形成していく。足場として利用するためには少々心もとないが、身軽なコルチェであれば、さして苦労することはなさそうだ。やがて、掲げられていた旗に手が届く。不安定な足場に足を滑らせながらも、旗の端を掴んで名いっぱい引き下ろした。
「明石焼きってどんなのだろ?帰ったら聞いてみよっと。コルチェ、カロリーだーいすき。たぶんおいしいんだろうな!」
氷漬けになったタコたちを見下げながら、まだ見ぬ食への期待に胸を躍らせるコルチェであった。いつしか風は止み、船はその動きを止めていた。亡霊である村上水軍も、猟兵達の知らぬところで、その姿を消したようだった。
大成功
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