エンパイアウォー⑨~クソ暑いけど文鳥モフりたい人いる?
●文鳥めじろ押し
「ピィピィ」
「ピィピィ」
山陽道の山道で、おっきい文鳥が寄り集まっておしくらまんじゅうしていた。
非常に可愛かった。だが暑かった。夏にモフモフした生き物がおしくらまんじゅうしてる様は視覚的にも暑い。が視覚的な問題だけではなく、実際暑かった。周囲には異様な熱気が立ち込め、空気が揺らめいている。
「ピィピィ」
「ピッピッ」
それでも文鳥達はせっせとおしくらしていた。
●
「クソ暑いけど文鳥モフりたいって人います?」
うちわで自身を扇ぎながら雨月・雨莉(は何もしない・f03581)が尋ねた。グリモアベースで。
一部の猟兵から何か期待を込めた瞳で見られた雨莉は、急におどおどとして、
「あ……いやすいません……わくわく動物ふれあいランド的なイベントじゃなくて戦争……エンパイアウォーの話なんすけど……」
と付け加えた。聞けば今山陽道では、侵略渡来人・コルテスが、幕府に叛意を持つ長州藩の毛利一族を手駒にして多くのオブリビオンを生み出し、幕府軍の迎撃準備を整えているという。そしてその方法というのが。
「『山陽道周辺の気温を極限まで上昇させて、進軍してくる幕府軍を熱波によって茹で殺す』っていう非道な作戦で……ただでさえクソ暑いのに」
うちわで扇ぎながら、雨莉は顔をしかめた。8月10日時点で、山陽道の平均気温は夜間でも35度を超えており、このままコルテスの儀式が進めば、平均気温が50度を超える殺人的な暑さとなることが予想されるという。おまけに。
「暑さだけでも深刻っすけど、コルテスの策略はそれだけじゃなくて……同時に『南米原産の風土病』も蔓延させようとしてるんす」
コルテス汚い。尤も、この風土病のウィルスは、極度の高温でなければ死滅する種類であるらしい。
「なんで、『熱波を生み出しているオブリビオン』を撃破できれば、風土病も阻止できるっす」
それで、そのオブリビオンというのが。
「ぶんちょうさまっす」
これでようやく雨莉の冒頭の台詞に繋がる。たくさんの文鳥型オブリビオンが、山陽道の山道で『富士の噴火のエネルギーを蓄えた霊玉』を使って儀式を行っているのだ。
「なんで、いっぱいいるぶんちょうさまをモフって……もとい、倒して霊玉を砕けば任務完了っす」
なお、ぶんちょうさまは儀式なのか? いっぱいおしくらしてるので、その中から霊玉を見つけ出して破壊するのは困難である。ここは倒しきった後で霊玉を見つけて砕くのがいいだろう。
「このクソ暑い中で文鳥モフりたいって人も少ないかもしれないっすけど……いやもフるのは必須じゃねぇか……ともかく、よろしくお願いしますっす」
と雨莉は頭を下げた。
ライ麦
どんなに暑い時でも猫を見ると撫で撫でモフモフしてしまうライ麦です。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
それでは、皆様のご参加とプレイングを心よりお待ちしております!
第1章 集団戦
『ぶんちょうさま』
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POW : 文鳥三種目白押し
【白文鳥】【桜文鳥】【シナモン文鳥】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD : 文鳥の海
【沢山の文鳥】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 魅惑の視線
【つぶらな瞳】を向けた対象に、【嘴】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:橡こりす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
パルピ・ペルポル
なるほど話はわかったわ。
全力でもふればいいのね…え?違う?
あととりあえず確認しておきたいのだけれど。
ぶんちょうさまって美味しい?いえ食べるつもりは多分ないけど。
調理してくれたら美味しくいただく自信はあるわ。
はさておいて。
念動力で空中に雨紡ぎの風糸を張り巡らせて、火事場のなんとやらで一網打尽にして逃げられないようにしてからもふるわ。
そのついでに穢れを知らぬ薔薇の蕾も周囲にばらまいておくわ。
ふふふ、すでに文鳥の海に埋もれている私を攻撃できるかしら。
まぁ攻撃されそうになったら避けるけど。
ほどほどにもふったらそのまま糸の攻撃に切り替えるわ。
「なるほど話はわかったわ」
ぶんちょうさまの群れの前で、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は鷹揚に頷いた。
「全力でもふればいいのね……え? 違う?」
脳内の誰かからの突っ込みにきょとんとしつつ、まぁいいかとパルピは雨紡ぎの風糸を手に取った。透明な糸を手に、パルピはつと呟く。
「あととりあえず確認しておきたいのだけれど。ぶんちょうさまって美味しい?」
「ピィイ!?」
数匹のぶんちょうさまが一斉に震え上がる。
「いえ食べるつもりは多分ないけど」
「ピィ……」
その言葉にぶんちょうさまは胸を撫で下ろし……
「調理してくれたら美味しくいただく自信はあるわ」
「ピピピィイ!?」
また震え上がった。尤も、調理してくれる人は今のところいないので。それはさておき、とパルピは念動力で空中に雨紡ぎの風糸を張り巡らせた。蜘蛛の糸より細く、柔軟性と強度を兼ね備えた透明な糸。捕縛にはもってこいなそれを、
「とうりゃっ!」
と火事場のなんとやら(フェアリーナメタラアカンゼヨ)で増強させた怪力で操り、ぶんちょうさま達を一網打尽! そのついでに穢れを知らぬ薔薇の蕾も周囲にばらまいて準備完了。これでもう逃げられない。あとはもふるだけ! パルピはばふっと勢いよくぶんちょうさまの海に飛び込んだ。それはもうもっふもふのふっかふかだった。極上のベッドのようだ。ちょっと暑いけど。あちらこちらに手を伸ばし、ふわふわもふもふした感触を思う存分楽しむ。
「グルグルグルゥ……」
尤も、ぶんちょうさまとてやられっぱなしではいられない。低く唸り声を上げ、白文鳥・桜文鳥・シナモン文鳥を放つ。
「ふふふ、すでに文鳥の海に埋もれている私を攻撃できるかしら?」
パルピは笑うと、ひゅっとぶんちょうさまの間に体を滑り込ませた。ただでさえ小さなフェアリーであるパルピが文鳥の海に埋もれると本当に見えない。
「ピッ!?」
攻撃したぶんちょうさまも彼女を見失って狼狽える。当然狙いを外し、放った文鳥は明後日の方向に飛んで行った。それを見送り、さて、とパルピは体を出す。
「ほどほどにもふったし、暑くなってきたし、そろそろ切り替えようかしらね」
そう言うと、そのまま糸による攻撃に移行した。元々逃げられない状態にあったぶんちょうさま達は次々に糸に絡めとられ、大きく数を減らしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
ぶんちょうさままで儀式に駆り出すとは…!
お の れ コ ル テ ス
だがいくら可愛かろうがコルテスの手先になった以上、俺は一切容赦をしない。…というか数が多すぎてモフる余裕ないだろこれ
今回はバスターホーンを構えてモフモフの空間に突撃、大体真ん中あたりに着いたら【ダイナミック・ストライク】を発動する…が、今回はちょいと一工夫。
ハンマーモードのバスターホーンを構えてグルグル横回転しながら攻撃…竜巻の如く周辺地形を抉る程の回転とパワーで、ぶんちょうさまを【吹き飛ばし】てやる!
名付けて…【ダイナミック・ハリケーン】だ!!
「ぶんちょうさままで儀式に駆り出すとは……! お の れ コ ル テ ス」
アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は固く拳を握りしめ、マスクの下で血の涙を流した。だが、と涙を拭う動作をし、キッと前を見据える。
「いくら可愛かろうがコルテスの手先になった以上、俺は一切容赦をしない! ……というか数が多すぎてモフる余裕ないだろこれ」
改めてぶんちょうさまの群れを見たアーサーは思わず突っ込んだ。パルピが大分数を減らしてくれたとはいえ、まだいっぱいいた。ならばとアーサーはバスターホーンを構えてモフモフの空間に突撃する。
「とりゃぁああああ!」
モフモフの壁をバスターホーンでこじ開けて進み、大体真ん中あたりに着いたところで、
『【Select…SMASH ACTION!】バスターホーンの馬力…受け止めてみろおおおおお!!』
とダイナミック・ストライクを発動する……が、今回はちょいと一工夫。ハンマーモードのバスターホーンを構えてグルグル横回転しながら攻撃する。竜巻の如く周辺地形を抉る程の回転とパワーで、ぶんちょうさまを吹き飛ばし!
「名付けて……【ダイナミック・ハリケーン】だ!!」
「ピィイイ~!」
その名前通り、ぶんちょうさま達はダイナミックに吹き飛ばされていった。
大成功
🔵🔵🔵
ヤクモ・カンナビ
如何に可愛らしゅう装った処で、わらわは騙されんぞえ?
斯様な見た目でも憎むべきオブリビオンじゃ…其の危険なる威力を殺ぐ事で攻撃役に繋ぐ様、わらわは支援に注力致そうぞ
虎穴に入らずんば虎子を得ず、敢えて【沢山の文鳥】の中に飛び込み無力の儘全身を委ねるぞえ
物理的にも彼奴らと一体化致す事に拠り、わらわの精神は彼奴らと一体化する…其処でわらわの得意技、サイキック・ハッキングに拠る無毒化が完成致す
【沢山の文鳥】内を【攻撃すると対象を回復する沢山の文鳥】に書き換えたならば…最早彼奴らの数は脅威には成らんじゃろうて
皆々様、此の隙に参られよ!
…え?
全身モフられを堪能しちょらんか、じゃと?
ほほ、まさか其の様な事は…
「如何に可愛らしゅう装った処で、わらわは騙されんぞえ? 斯様な見た目でも憎むべきオブリビオンじゃ……」
ヤクモ・カンナビ(スペースノイドのサイキッカー・f00100)は袖で口元を隠し呟いた。実際、猟兵たるヤクモに気付いたぶんちょうさまはグルグルグル、と威嚇の声を上げ、沢山の文鳥を放つ。
「其の危険なる威力を殺ぐ事で攻撃役に繋ぐ様、わらわは支援に注力致そうぞ」
虎穴に入らずんば虎子を得ず、敢えてヤクモは全身の力を抜いてその海に飛び込んだ。無力の儘全身を委ねる。文鳥のモフモフがヤクモを包み込む。物理的にも一体化したことにより、彼女の精神すらも彼らと一体化し……。ここにヤクモの得意技、サイキック・ハッキングに拠る無毒化が完成した。ダメージを無効化するのみならず、文鳥の海の効果まで書き換え、【沢山の文鳥】を【攻撃すると対象を回復する沢山の文鳥】に置き換える。サイキック・ハッキング恐るべし。最早彼らの数は脅威にはならない。ヤクモは後続の猟兵に向けて呼びかけた。
「皆々様、此の隙に参られよ!」
そこまで格好良く決めたところでふと湧き上がるツッコミ。
「……え? 全身モフられを堪能しちょらんか、じゃと? ほほ、まさか其の様な事は……」
目を泳がせるヤクモ。そんな、無毒化をいいことに完全脱力状態で文鳥の海のモフられを堪能してただなんてそんなことは……。
成功
🔵🔵🔴
冬原・イロハ
【かんさつにっき】
私も麦わら帽子を被って参ります~
楽しそうな双子さんにニコニコ。
私、おねえさんですので。
わ~~これがぶんちょうさま
もふもふしても大丈夫ですか? 大丈夫ですよね?
もふもふ
私の毛の色とおんなじですね。もふもふ~
あ、あ、あ、熱いですね……もふもふ
お二人のユーベルコードで増えるぶんちょうさま
賑やかですねぇ(なごみ)
攻撃はあとでいいやとのんびりまったりしていると、あら? 私、埋もれてしまっていますね
ほら、毛色、白だから~
しかし油断はしてません、ちゃんとします
UCで自分をペロペロ。耐えきってみせましょう……!!
戦闘です?
オーラ防御しつつ、攻撃もちゃんとします(バルディッシュぶんぶん)
木元・祭莉
【かんさつにっき】だよー♪
わわ、ぶんちょうさま発見ーっ!
もふくらしてると、饅頭っていうより三色団子だ♪
……ね、移動手段(もふ)として、ぶんちょうさま使うのどうかなぁ?
試してみよー♪
Hey! ぶんちょうタクシー!
(扇掲げ)
あ、来た来た♪
わーい、三色だー♪
最初は隠元豆ー♪(どーん)(もふもふ)
第二陣は桜餡ー♪(もっきゅもきゅ)
最後は薄茶の……あ。(これ、ユーベルコードだったの思い出した)
……残念だけど、アンちゃんにあげるね?
ハイっ♪(挙げてた手を下げふわり跳び越え)
イロハちゃんは……あれ?(紛れちゃった?)
おーい、イロハちゃーん?
(舞扇でぱしぱしと文鳥を排除しながら)
どこー?
あ、みっけた♪(もふ)
木元・杏
【かんさつにっき】
暑さ対策に麦わら帽子
うさみみメイドさん(30cm程の人形)はリュックにイン
まつりんが、ぶんちょうさまもふりたいって言ったから
(ぶんちょうさま見て
(胸がきゅん
も、もふりたいまつりんに
わたしは仕方なく付き合ってるっ
頑張ろうね
(イロハ見た
(もふもふ
(きゅん…
はっ!
(深呼吸
UC発動
文鳥沢山。でも大丈夫
動きを予知し、全てもふ……受け止める
はぅ、至福……(もふっと受け止め
大福のようなふにっぷり
この文鳥の海、離れるに忍びない
ん、でもちゃんと手は打ってる
うさみみメイドさん、出てきて殴って?
もふって殴って繰り返し
最大のも……敵、ぶんちょうさまへ
………っ!!(もふー)
存分にもふって、殴って倒す
「わわ、ぶんちょうさま発見ーっ! もふくらしてると、饅頭っていうより三色団子だ♪」
ぶんちょうさまの群れを発見した木元・祭莉(サムシングライクテンダネスハーフ・f16554)は無邪気にはしゃいだ。これまでの猟兵達の攻撃をくぐりぬけ、残ったぶんちょうさま達は相変わらずおしくらまんじゅうしている。
「まつりんが、ぶんちょうさまもふりたいって言ったから」
暑さ対策に麦わら帽子を被った木元・杏(ぷろでゅーさー・あん・f16565)はそう、クールを装おうとするも。いざぶんちょうさまの愛らしさを目にすると「きゅんっ」と胸が高鳴るのを押さえられなかった。
「お二人とも楽しそうですね~」
杏と同じように麦わら帽子を被った冬原・イロハ(ケットシーのマジックナイト・f10327)がニコニコと言う。おねえさんだから。
「も、もふりたいまつりんにわたしは仕方なく付き合ってるっ!」
イロハの言葉にちょっと赤くなって言い返す杏。イロハの姿が目に入る。ケットシーである彼女はぶんちょうさまに負けず劣らずもっふもふ。
(「もふもふ……きゅん……」)
さっきとは違う意味で赤くなる杏。
「? どうしました?」
首を傾げるイロハに、杏は「はっ」として深呼吸する。
「な、なんでもない……頑張ろうね」
そう言うと、杏は絶望の福音を発動させる。まるで10秒先の未来を見てきたかのように対象の攻撃を予測。
「文鳥沢山。でも大丈夫……」
動きを予知し、全てもふ……受け止める。
「はぅ、至福……」
もふっとした文鳥の感触に包まれ、杏は思わず恍惚の声を漏らした。大福のようなふにっぷり。この文鳥の海、離れるに忍びない。実際ヤクモの手によってユーベルコードの効果は書き換えられているから、文鳥の海をくらっても実のところそんなに問題はないのだ。それでもずっと文鳥の海に溺れているわけにもいかない。が、ちゃんと手は打ってある。杏はリュックから30cm程のうさみみメイドさんの人形を取り出した。
「うさみみメイドさん、出てきて殴って?」
糸で操られたうさみみメイドさんはひらり舞う。そのまま杏はもふって、巧みに操ったうさみみメイドさんで殴り、またもふり、また殴るを繰り返した。
一方、双子の兄である祭莉は。
「……ね、移動手段(もふ)として、ぶんちょうさま使うのどうかなぁ? 試してみよー♪ Hey! ぶんちょうタクシー!」
と扇を掲げた。煽られたぶんちょうさまが狙い通り、白文鳥・桜文鳥・シナモン文鳥を放つ。
「わーい、三色だー♪ 最初は隠元豆ー♪」
どーんとぶつかってきたのをもふもふ。
「第二陣は桜餡ー♪」
もっきゅもきゅ。
「最後は薄茶の……あ」
ここまで来て、これがユーベルコードだったのを思い出した。
「……残念だけど、アンちゃんにあげるね? ハイっ♪」
挙げてた手を下ろし、ふわりと跳び越える。シナモン文鳥はスカッと祭莉の下を通り過ぎて行った。
「えっ!?」
あげると言われても困……困らないのか? 飛んできたシナモン文鳥を杏は防御ついでにもふっといた。
「ところで、イロハちゃんは……あれ?」
祭莉は辺りをキョロキョロ見回す。気付けばイロハの姿が見えなかった。
「紛れちゃった? おーい、イロハちゃーん? どこー?」
舞扇でぱしぱしと文鳥を排除しながら探す祭莉。当のイロハはといえば。
「わ~~これがぶんちょうさま。もふもふしても大丈夫ですか? 大丈夫ですよね?」
ともふもふしていた。ふわふわでもふもふ。気持ちいい。
「私の毛の色とおんなじですね。もふもふ~」
とニコニコしながらもふってたら、だんだん暑くなってきた。
「あ、あ、あ、暑いですね……もふもふ」
それでももふもふはやめない。ぶんちょうさま達の陰から、二人の戦いを賑やかですねぇ、と和やかに眺めていた。攻撃はあとでいいやとのんびりまったりしていたら、
「あら? 私、埋もれてしまっていますね」
気づいたらぶんちょうさまの陰に埋もれていた。ほら、毛色白だから。保護色。しかし油断はしていない。ちゃんとします、とイロハは猫の毛づくろいで自身をペロペロ。
「耐えきってみせましょう……!!」
とオーラ防御で迫りくる嘴を防御する。さらにバルディッシュをぶんぶん振り回して攻撃。そこに、
「あ、みっけた♪」
と祭莉もやってきてもふっと飛びついた。数が減ったことで見つけやすくなったらしい。いよいよクライマックス。杏は最大のも……敵、ぶんちょうさまに対峙した。
「………っ!!」
超もふもふ。我慢できず、杏はもふーっと抱き着いた。存分にもふりつつ、うさみみメイドさんで殴って倒す。イロハも残りのぶんちょうさまをもふりつつバルディッシュで攻撃し、祭莉は舞扇の幻影を掲げた。
「もふもふ忘れない、覚えとく!」
そして、舞扇の幻影が命中したぶんちょうさまを爆破する。気付けばぶんちょうさまの群れを全て倒していた。真ん中にはころんとした玉が落ちている。これが問題の富士の噴火のエネルギーを蓄えた霊玉で間違いないだろう。【かんさつにっき】の面々はそれを砕いた。これで任務完了。山陽道に待ち受ける脅威の一部を排除することに成功した。
それにしてもと猟兵達は思う。ぶんちょうさまのもふもふも脅威だったなと。
成功
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