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エンパイアウォー⑩~幼女が操る、巨大鉄甲船

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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「みんなー! がんばってー!」
 うおおおおおぉぉぉぉぉ……。
 幼い少女の声に応えるように、死者のうめき声が響く。
「ふっふっふ……みんな、私たちの魅力にいちころね!」
「さぁ行くよー! 幕府軍なんて、私たちとみんなで倒しちゃうんだから!」
 うおおおおおぉぉぉぉぉ……。
 得意げに笑う雪女見習いたちを乗せて、怨霊達の操る船は進んでいく。

「……とまぁ、規模が小さければ可愛らしいで済むのですが、見過ごせる状態ではありませんね。」
 集まった猟兵達に向け、アトが現状を説明していた。
「現在幕府軍は、3つに部隊を分けて進軍しています。
 そのうち、南海道の海路を進む部隊の前に、巨大な鉄甲船の船団が立ちふさがってしまう……という予知がありました。
 日野富子の集めた財で作り上げられ、船を操るのは元村上水軍の亡霊だとか。
 ふふ……生きた人は集められなくとも、亡霊たちに船を操作させるとは、よく考えましたね。」
 濁った目でクスリと笑いながら、自身も死者の霊を操ることもあるアトは話を続ける。
「というわけで、幕府軍がその船団と遭遇する前に、私たちで沈める必要があります。
 私が送る船にいるのは、雪女の見習い……簡単に言えば、子供ですね。
 ……なぜか、その船の亡霊たちの士気は妙に高いようです。」
 そういう事もありますか、と言いながらゲートを開くと、漁村の一角である海岸につながった。
 岸から離れた場所に、巨大な鉄甲船が見え……1隻だけ、吹雪を纏いながら進む様が見える。
「目標はあれです。
 皆さんは何とかしてあれに乗り込み、船を沈めてください。
 空を飛ぶなどの方法がないのであれば、ここの漁村の漁師の方々に相談してみるといいですよ。
 信長を倒すためだと話せば、快く船を出してくれるでしょう。
 ちなみに、村上水軍の旗(〇の中に上と書かれている旗)が帆柱に掲げられているので、それさえ落とせば怨霊達は消滅します。
 もっとも、先に落とそうにも雪女見習いたちが邪魔してきますので、彼女らを先に倒してくださいね。」
 それではよろしくお願いします、とアトは猟兵達を送り出した。


ヨグ
 ヨグです、戦争シナリオ第6弾をお送りします。
 雪女見習いと、彼女らに操られる怨霊達をなんとかしてください。

 なお、4~6名程度のプレイングを来た順に採用し、書き上げる予定でいます。
 それ以上のプレイングが集まった場合、採用できない可能性がありますが、ご容赦ください。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 集団戦 『雪女見習い』

POW   :    ふぅふぅしてみる
【くいくいと対象を引っ張る動作】が命中した対象に対し、高威力高命中の【凍てつく氷の吐息】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    とにかくふぶいてみる
【全力で吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    みようみまねのゆうわく
予め【足を魅せる等の誘惑行動をとって赤面する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。

イラスト:煤すずみ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラヴ・フェイタリティ
【アドリブ歓迎】
サムライエンパイアの海に水軍サークルの雪女姫あらわる、といったところか。ふっ…姫になりたい気持ちはわかる。もしラヴ様も猟兵にならなかったら地元でブイブイいわせてたかもしれねぇ。あばよ、雪女。もしかしたらダチになれたかもしれない姫…いや無理か、姫同士喰い合うわ。

UCでプチラヴたちを召喚したら「メア子」を大砲に変身させる。そしてステップ1.プチラヴを掴む。2.プチラヴを大砲に詰める。3.次のプチラヴを掴む。これを繰り返し雪女どもにプチラヴ捨て身の強襲。あとは混乱したところを悠々とジェットで…ん?プチラヴどもの反乱!?やめろテメェらー!オレは本体だぞー!(旗に向けて発射される本体)


ナターシャ・フォーサイス
WIZ
あらあら、またお会いしましたね。
貴女がたが彼女とは別の存在と言うのは分かってはいますが…
誘惑するのでしたら、見様見真似ではなく手取り足取り、抱き寄せ熱く教えて差し上げましょう。
悦ばせるには。忘れ得ぬ夢とするには。
まずは流し目、次いで接吻から始めましょう。
遊び足りぬのでしたら満たし、光を以て祓い導きましょう。

同時に船の方々も、天使たちと共に誘惑し楽園へ誘うのです。
旗は奪うのではありません。
彼らに教えを説き、楽園を示し、差し出して頂くのです。
無理に蘇り、傀儡として言いなりのまま無に帰してしまうのは…
…それは、とてもとても悲しいことですから。
彼女達にも、彼らにも。等しく救いを与えましょう。


ルトルファス・ルーテルガイト
(アドリブ連携絡み歓迎)
……雪女が海(船)の上ってどういう理屈だ?
…まぁ、どの道倒す事に変わりは無いのだが。

…『UC』でラーヴァを召喚、赤糸を俺と雪女のいる船につないでもらい、用意出来たら…ラーヴァの力で俺を『船に引き寄せて』もらう、これで乗船は出来る。
…問題はあの雪女、逃げる範囲が狭い船上で吹雪かれたら厄介、逃げようとすれば余計被害が広がる。
…だから敢て接近して勝負を早く決める、此処でもラーヴァに頼んで赤糸を雪女に繋ぎ、『繋いだ者同士で密着』させてもらう。
……うん、誤解生みかねないが…れっきとした作戦だからな。

…接近出来たら、後は武器を使って炎『属性攻撃』を放つだけだ。


峰谷・恵
「空から来られるのは想定外なんだろうけど、対空を乗ってるオブリビオンに頼り切りじゃ、ね」

空在渾で最高時速4900kmの飛行状態になり、上空から超巨大鉄甲船に接近、先行した猟兵が乗り込みあぐねているようなら上空からMCフォートとアームドフォートの連射(2回攻撃+鎧砕き+範囲攻撃)で攻撃を仕掛けて撹乱し乗り込みを助ける。
敵が先行した猟兵への対処のために離れたら急降下して勢いのまま旗を引きずり下ろし、近くに敵がいれば空在渾で強化した全射撃武器の一斉射撃を撃ち込む(一斉発射+2回攻撃+鎧無視攻撃+誘導弾)。旗を降ろして船が止まったら飛行して離脱。
敵の攻撃は極力回避、急降下中はダークミストシールドで防御



 吹雪を纏う巨大鉄甲船の下、気が付かれぬようにつけた漁師の船。
「ご協力、ありがとうございました。」
「なに、いいって事よ! 終わったら呼んでくれや!」
 丁寧にお礼を言い、ロープを登るナターシャ・フォーサイス(楽園への導き手・f03983)。
 さわやかな笑顔に見送られ、するすると登っていく。
「ふふん、サムライエンパイアの海に水軍サークルの雪女姫あらわる、といったところか。姫になりたい気持ちはわかるさ。」
 その隣をひょいひょいと登っていくのは、ラヴ・フェイタリティ(怪奇!地下世界の落ちものメインヒロイン!・f17338)。
「けどな、今回は倒さなきゃなんねぇ。待ってろよ!」
「その意気です。……あの子達は、楽園へ連れて行ってあげましょう。」
 そうして甲板に上がると……崇められるように亡霊たちに囲まれた、雪女見習いたちの姿があった。

「……雪女が海の上ってどういう理屈だ?……まぁ、どの道倒す事に変わりは無いのだが。」
 いるとすれば雪山だろう、と呟くルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)。
「……さて、先行している二人はもう乗り込んだだろうか。」
「おそらく、ね。ボクらも急ごうか。」
 言うが早いか、白と黒の混在したオーラを纏って飛んでいく、峰谷・恵(神葬騎・f03180)。
「早……ではこちらも。」
 軽く音速を超える速度で飛んでいった峰谷を見送り、ルトルファスはとある精霊を呼び出し、
「……俺とあの船を『繋いでくれ』。」
 快く引き受ける気配と共に、ルトルファスも船の方へ飛んでいった。

「さぁ雪女ども! このラヴ様が倒しに来てやったぜ!」
 堂々と這い上り、宣言するラヴに慌てる雪女たち。
「うわ、本当に来ちゃった!」
「さ、さぁ! 私たちがあ、相手になってやるんだから!」
 こちらを指さす手が震えている。
「あらあら、膝が震えてますよ。」
 笑顔でナターシャに指摘され、真っ赤になって着物の裾を整えるように、膝を押さえる雪女たち。
「ふふ……貴女達も可愛らしい。」
「お、おい。目的を忘れてないだろうな?」
 振り向いたラヴにも笑顔を向けて、
「ええ、もちろん。ただ、そのまま倒すというのは主義に反する、というだけです。」
「そうか、ならいい。」
 懐からアルマジロ型の精霊『メア子』を呼び出し、さらに自身の小さい分身たちを呼び出すラヴ。
「さぁ行くぜおめえら!」
『オラァ!ぶっ飛ばしてやるァ!』『囲んで叩けコラァ!』
 口の悪いプチラヴ達をひっつかみ、砲台へ変化したメア子に詰め込み……。
「ふっとべ!」
「きゃあああ!」
 雪女たちに向けて放たれ、戦いの火蓋が切って落とされた。

 うおおおおおぉぉぉぉぉ……。
「え、上?」
 一方、水軍旗の近くで見張っていた雪女たち。
 亡霊の声に上を向くと、今まさに高速で飛来する峰谷の姿が見えた。
「さぁ、蜂の巣にしてあげる!」
「きゃああ!」
 そのまま接近しつつ、アームドフォートと熱線銃の乱れ撃ち。
 成す術もなく1体が雪の塊と化し、近くの雪女も肌が焼け焦がされる。
「……痛ったい! もう怒ったんだから!」
 うおおおおおぉぉぉぉぉ……!
 怪我をしても健気に吹雪を起こす様に、応援するかのよう亡霊たちも唸り声をあげるが、
「遅いよ。」
「ああああ!」
 音よりも早く飛ぶ峰谷に当てることすらできずに、熱線をまともに受けて雪の塊へと変わっていった。
「あっけない……空から来られるのは想定外なんだろうけど、対空を乗ってるオブリビオンに頼り切りじゃ、ね。」

「ふふ……まずは流し目、次いで接吻から始めましょう。」
「あ……こ、こう、ですか?」
「そう、上手いじゃない。じゃあ次は……。」
 ……と、ナターシャが手取り足取り雪女の一人を捕まえて『導いて』いると、赤い糸につながれたルトルファスが甲板に飛び込んできた。
「と……すでに戦いは始まって」
「ふふ……ええ、始まってますよ。」
 ナターシャの腕の中で赤くなっている雪女を見て、少しけげんな表情を浮かべるルトルファスだったが、
「あー! 新しい敵ね!」
「こ、今度は倒すんだから!」
「……あぁ、こちらの方が俺の性に合ってるな。」
 向かってくる雪女たちが、吹雪を起こすために力を溜めている。
 そちらへ向け、自身の契約している精霊の力を借りる。
「愛を司る精霊『ラーヴァ』よ!……俺とあいつらを繋いでくれ!」
 声に応え、ラーヴァは赤い糸で雪女の一人とルトルファスとを繋ぐ。
「え、ちょ……わぶ!?」
 そして、一気に赤い糸に巻き上げられ……その勢いでルトルファスが飛び、雪女に覆いかぶさるように縺れて倒れる。
「少しは加減を……まぁいい。」
「きゃああ!」
 と、精霊剣に炎の精霊を宿して薙ぎ払うと、雪女たちは一片の雪となって消えていった。
「……これで良し。」
「ええ、お疲れさまでした。それにしても、愛欲の精霊とは……。」
 ふふ……と意味深な笑みを浮かべるナターシャに、憮然とした顔に変わるルトルファス。
「……勘違いをするな。……倒すのにちょうどよかったからだ。」
「解っていますよ。さて……」
 ナターシャが声をかけると、腕の中の雪女からすっと何かが抜けてゆき……雪の欠片と変わっていった。
「この子も、満たされたようですね。」
「なるほど、な。」

「後はお前だけだぜ!」
「ひっ!」
 がしっとプチラヴを掴み、大砲に詰めたラヴが狙いをつける。
「あばよ、雪女。もしかしたらダチになれたかもしれない姫……」
 ドン! と放たれたプチラヴに貫かれ……最後の雪女は雪の塊と変わっていった。
「いや無理か。ラヴ様も姫になるし、姫同士喰い合うわ。」
 そんなことを考えていると……大砲で吹き飛ばされ、頭にこぶを作ったプチラヴ達が周りに集まってきた。
「ん、なんだ……おい、お前ら!」
 ラヴの抗議も聞かず、そのまま大砲へと詰め込むプチラヴたち。
「やめろテメェらー! オレは本体だぞー!」
 ドン! ……と目印の旗、水上水軍の旗へと吹き飛ばされていった。

「さて後は」
「うああああああ!」
 空中で旗を引き下ろそうとしていた峰谷の目の前で、ラヴが旗に当たり……。
 布を掴むと、そのまま包まれるように旗を引きちぎって飛んでいった。
「……無茶をするのね。」
 急いで追いかけてひっつかみ……布でくるまれたまま船の上に置いて、峰谷は飛び去っていった。

「……最後の仕事です。」
 うおおおおおぉぉぉぉぉ……。
 声をあげながら、今まさに消えていこうとする亡霊たちへ向けて、ナターシャが祈りをささげる。
「あなた方も、無理やり縛り付けられ、辛かったことでしょう……。」
 おおおぉぉおぉぉぉ……。
「私の知る、死後の楽園へ行けるよう……祈りを捧げます。」
 ぉぉぉ……。
 祈りが通じたのか、消えてゆく亡霊たちが天からの光に包まれ……そのまま昇っていった。
「……逝ったのか?」
「ええ、そうです。無理に蘇り、傀儡として言いなりのまま無に帰してしまうのは……それは、とてもとても悲しいことですから。」
 天を見上げながら、呟いていた。

 こうして、鉄甲船の一隻を沈黙させた猟兵達。
 まだこの海域には船が残っているが、それも時間の問題だろう。
 そう信じ、次の戦場へ向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月13日


挿絵イラスト