エンパイアウォー⑩~水平の彼方に刃を重ね
●群青へ、捧げよ剣を。
蒼海を切り裂き、燦々と輝く陽光を跳ね返しながら、黒鉄の巨船が海上を往く。鍛え上げられた鋼を隅々まで纏い、死してなお戦に臨む亡者を腹に抱えた、破壊の巌。その頂点にはためくは、丸字の中に『上』を記した無骨な軍旗。
ばたばたと風に荒ぶる其れの下、異国風の装束に身を包んだ少女達が水平線へと視線を向けていた。その手に握られるは、両刃の剣。
「金銭も、名誉も、忠誠もーー全てが不要」
「望むは戦、求むは首級。ただ斬り、ただ断ち、ただ勝つのみ」
まだ見ぬ敵へ突きつけられる切っ先。それはただ真っ直ぐに、水平の彼方を貫くのであった。
「さて、徳川本隊が無事関ヶ原へと到着し、状況が次の段階に移行したようだね」
グリモアベースに集った猟兵たちへ、ユエイン・リュンコイス(黒鉄機人を手繰るも人形・f04098)はそう口火を切った後で説明を始めた。
「関ヶ原で弥助アレキサンダーや上杉謙信配下の軍勢と決戦を行っている一方、他の魔軍将の居場所も順次判明し、各地で激戦が繰り広げられている。ただ、本命は島原が魔空安土城に待ち受ける第六天魔王信長……そこへ最低でも徳川軍一万を送り届けなければ、最終的な勝利は手に入らない」
関ヶ原決戦の他でも、織田軍は徳川軍を壊滅させんとこれまで以上に攻勢を強めている。例え魔軍将を打倒できたとしても、徳川軍が壊滅すれば本命である織田信長を討ち取ることは不可能となってしまうだろう。
「現在、徳川軍が関ヶ原で決戦を行いつつ、軍勢を三手に分けて島原へと進軍を続けている。今回、キミ達に助力をお願いしたいのは南海道を進んでいる徳川軍だ」
徳川軍は現在、船団を組んで海上を進んでいる。そこへ魔軍将の一人、大悪災『日野富子』配下の船団が海戦を仕掛けて来たのだ。
「日野富子はその財貨に飽かせて、超巨大な鉄甲船による船団を建造。圧倒的な武力に物を言わせ、徳川船団を海の藻屑とすべく接近してきているようだ。皆にはこれを接触前に撃退して欲しい……幸い、操船を担当している船員に戦闘力はないみたいだね」
船を用意すればそれだけで強力な船団となる訳では無い。それを操る船員こそ重要なのだが、それこそ一朝一夕で作り上げられるものではないだろう。それに対する回答を、日野富子はオブリビオンらしく過去に求めた。
「敵船の船員はかつて勇名を馳せた村上水軍、その亡霊だ。彼らは戦闘力が無い代わりに、通常の手段では消滅させることがほぼ不可能となっている。それは鉄甲船も同様で、生半可な損傷は村上水軍の怨念によって瞬く間に修復されてしまうだろうね」
村上水軍の亡霊を祓い、巨大鉄甲船の行き足を止める方法はただ一つ。戦場に掲げられた村上水軍旗を引きずり降ろす事だけだ。軍船において、軍旗を降ろす事は降伏を意味する。それが敵の手によって為されたとあれば、如何な村上水軍とて負けを認めざるを得ないのだろう。
「当然、相手もそれを防ぐべく護衛を配置している。今回攻略して貰う船には……異国の剣技を振るう少女剣士たちが乗船しているようだ。軍旗を降ろそうとすれば、必然的に彼女らとぶつかるだろうね」
だがその前段階として、巨大鉄甲船への侵入方法を講ずる必要がある。流石に敵船へ直接転移することは厳しく、近隣の漁村から船を借りたり、自前の移動手段を考えねばならないだろう。
「ただその手際が鮮やかだったり、相手の思いもよらぬ方法で侵入に成功すれば、その分有利に立ち回れるだろうね」
侵入に成功さえすれば、後は通常の戦闘と同様だ。巨大な鉄甲船、船内の空間も戦闘に耐えうるだけの広さを持っている。軍旗も目立つ場所にある為、迷うという事も無いだろう。
「事前情報としてはこんなところだろうね。それじゃあ、よろしく頼んだよ?」
そうして一通りの説明を終えると、ユエインは猟兵たちを送り出すのであった。
月見月
どうも皆様、月見月でございます。
今回は敵船へと乗り込み、軍旗を目指し船上戦を行って頂きます。
それでは以下補足です。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●成功条件
村上軍旗の奪取。
●採用について
参加頂ける人数にもよりますが今回は戦争シナリオの為、成功数に達した場合プレイングの締切、返却を行う場合がございます。
御了承の程、よろしくお願い致します。
●戦場
日野富子配下の巨大鉄甲船団、その内の一隻。
海上での移動手段を確保して接近、乗船した後は集団敵を蹴散らしながら、村上軍旗の奪取を行ってください。船内の広さは十分にありますが、船らしく内部は通路が入り組んでいます。
船内は村上水軍の亡霊が動き回っていますが、戦闘に影響は与えません。その変わり、軍旗が降ろされる以外の方法で消滅することもありません。
●集団敵
『異国の少女剣士』が十人前後。彼らは船内に散っており、侵入を察知し次第猟兵の排除を試みてきます。揺れ動く船上の環境にも慣れており、通常と変わらぬ戦闘力を発揮します。
それではどうぞよろしくお願い致します。
第1章 集団戦
『異国の少女剣士』
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POW : 跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD : 縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ : 憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:ちーと
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
パル・オールドシェル
対水上艦隊戦ですか。
宇宙生まれの僕にとって、これは記録にない戦術です。が。
やるべきことは対艦戦闘、そこに相違は無いはずです。
徳川艦隊将兵の"祈り"を請いましょう。
僕らは必ず勝利し、戦友諸君の血路を開く。船同士の戦いであれば、星海の世界で艦隊戦を重ねた解放軍の右に出るものはそれこそ銀河帝国くらい。
惑星の海しか知らぬムラカミ・フリートに負ける道理は無いのですから!
さあ、我らが解放軍の誇る栄光の無敵艦隊よ! 高高度からの強襲降下にて敵艦に衝角突撃を!
これでも沈まぬ船ならば、移乗攻撃にて直接軍旗を奪いましょう!
もし敵が着弾の衝撃に耐えるなら盾、アイギスMk-Ⅸを前面に出し攻撃を防いで強行突破を!
●青海を行く鉄甲、星界を往く白鋼
「星の光ではなく、水の煌めきが満ちる戦場……これが対水上艦隊戦、ですか」
陽光を反射し輝く海原をゴーグルのレンズ越しに眺めながら、パル・オールドシェル(古き戦友・f10995)はそう呟いた。彼女はいま、南海道を進む徳川艦隊の一隻に乗船しており、船首に仁王立つパルの横では御付の徳川海兵が険しい表情を浮かべて佇んでいる。
彼らの視線の先には、行く手を阻むように巨大な黒影が陣取っていた。
「宇宙生まれの僕にとって、これは記録にない戦術です……が、やるべきことは対艦戦闘。そこに相違は無いはずです。そうでなければ、長い時間を経ても『船』を『艦』と呼び続けはしないでしょうから」
「で、ありますか。ならば心強いものです……残念ながら、我らではあの巨大鉄甲船に抗することは出来ませぬ。猟兵の皆様方にお頼みすることしか」
徳川軍の最優先目標は、一兵でも多くの兵を島原の魔空安土城へ送り届ける事。その道中で兵を失うことは許されない。だが、それ以上に彼らは武士であり戦人である。自らの無力さを痛感させられれば、忸怩たる想いを抱くのも無理はない。
「……いいえ。それは違いますよ、『戦友』殿」
「では、我らにも出来る事がある、と?」
従兵の言葉に対し、静かに頷くパル。彼女はくるりと振り向くと、傍の海兵だけでなく甲板で動き回る船員たち全てに響き渡るよう、声を張り上げる。
「僕らは必ず勝利し、戦友諸君の血路を開く。船同士の戦いであれば、星海の世界で艦隊戦を重ねた解放軍の右に出るものは……それこそ往時の銀河帝国主力艦隊くらい」
あの世界の戦いと比べれば規模や技術、威力は雲泥の差なのだ。よしんば、それと同等の相手であったとしても問題にはなり得ない。何故ならかつての解放軍同様徳川軍将兵が肩を並べ、何より既に彼女らは一度勝利しているのだから。
「ゆえに惑星の海しか知らぬムラカミ・フリートに、負ける道理は無いのですからっ!」
手を止めた船員たちのどれ程が内容を理解できたのか、それは定かではない。しかし、彼らとて船乗りである。それが確かな経験に裏打ちされた自信であると直感で理解していた。
「貴方たちが信じて祈る限り、僕らは必ず勝利する。その想いは決して無力でも、無為なものなどではないのだから!」
そう言葉を締めくくると同時に、船上に天を突かんばかりの雄叫びが湧き上がる。これこそ正に戦いの始まりを告げる、開戦の号砲であった。
「さぁ、我ら解放軍が誇る栄光の無敵艦隊……抜錨です」
そう宣言するや、パルの姿が掻き消える。徳川海兵らの祈りが彼女と共に天上高くへと導かれ、確かな力を伴ってカタチを為す。海上に浮かぶのが黒き鋼鉄であれば、蒼空に現出せしは真白き銀光。それは切っ先も鋭き衝角を備えた星間航行艦隊であった。それらは艦首を直下へと向けるや一斉にエンジンを点火、進軍を開始する。
「高高度落下の位置エネルギーすら加わった、大質量群による衝角突撃。如何な村上水軍とは言え!」
どれほど重厚な鋼鉄とは言え、小惑星の落着も斯くやという衝撃に鉄甲船は大きく身を沈め、その余波は波涛となって周囲へと広がってゆく。だがそんな最中でも、パルは敵から視線を逸らすことは無かった。
「成程、村上水軍の怨念……科学やサイキック、フォースともまた違った力ですか。中々に侮れませんね」
鉄甲船の被害は確かに甚大だったはずだ。だが船体はまるで不可視の力によって押し上げられるかのように浮上し、ひしゃげた装甲版も瞬く間に修復し始める。彼らも名にし負う村上水軍、船と船の対決で後れを取るつもりはないようだ――それこそ、軍旗が降ろされでもしない限りは。
「であれば、此処より先は接舷戦闘と参りましょう。こちらでも、劣るつもりは毛頭ありません!」
女神の名を冠す大盾と突撃槍を手に、無人艦から飛び降りるパル。泡を食ったように飛び出してきた剣士と真っ向からぶつかり合いながら、彼女は軍旗目指して船上を突き進むのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アイリ・フラジャイル
アドリブ連携歓迎
村上水軍の船ね
この時代のものなら、あるいは
世界知識より弱点を探り
この時代に無い海上戦力への
決定的なカウンターパートを
コール・リゾルブで召喚
対艦突撃強襲潜水艇――つまり
衝角代わりにドリルを付けた潜水艦で
水中から突撃するわ
刺さると回転しちゃう? 大丈夫よ
バランスを取る為に全体にスクリュー付けて
そのスクリューも鋼鉄の刃、触れれば斬れるわ
そのまま艦底部に穴を開け甲板まで突入
他にも行く人がいたら乗せるわ
さあ白兵戦の時間よ!
放っといても近付いて斬り付けてくるなら
壁を背にして後ろを取らせず
攻撃を黄金竜の牙で受けて己を鼓舞しつつ
機を見て残像で攻撃を躱し
鎧ごと砕く一撃で勝負をかける
旗は焼き尽くす
●海底強襲、刃を内包せし巨鉄
「……どうやら、上は派手にやっている様ね。でも、相手の注意がそちらに向いているのであれば好都合かしら」
巨船と巨船がぶつかり合い、余波で海面が荒れ狂う南海道航路。だがそれも海面より上での話だ。水中であればその影響は最小限に抑え込まれる。
目に見えぬ潮の流れを細かに感じ取りながら、一隻の潜水艦が海中を突き進んでいた。それこそ異能によって生み出された局地魔導兵装リゾルバーが対艦突撃強襲潜水艇であり、その操縦席に収まる少女が此れを呼び出したアイリ・フラジャイル(夢見る戦争人形・f08078)に他ならなかった。
「村上水軍の鉄甲船。日野富子の財力に怨念も相まって確かに強力だけれども……飽く迄この時代としては、ね」
彼女の駆る船は静音性、隠密性など通常のそれと比べるべくもないが……そも、相手は海面下からの強襲など想像だにせぬ時代の船。これでも十二分に事足りる。
「和船には竜骨が無いけれど、代わりに航があるはず。すぐ修復はされるだろうけど、そこが壊れされたら動きも鈍るわよね?」
アイリが船を操作すると艦首回転衝角が起動、前へと進む力が増し船体がぐんと引っ張られたかと思うや、急速に速度を増してゆく。
「鋼鉄刃も展開完了……さぁ、行くわよ!」
ドリルの隙間より鋼鉄刃がせり出したと思うや、潜水艇はそのままに船底と接触。分厚い装甲を貫き穿ち、鋼鉄の刃で進路を切り開きながら鉄甲船内部へと侵入する。そのままの勢いで甲板へと進出する……予定だったのだが、潜水艇後部が修復を始めていた鉄甲船に半ば取り込まれ、ガクンとその動きを止めてしまった。
「っと、そう上手くはいかないようね。いいわ、ならここからは白兵戦の時間よ!」
潜水艇ではこれ以上の侵入は不可能。そう判断したアイリが操縦席から降り、船内の床へと足をつけた……瞬間。
「……ほう。一応、斬り合うつもりはあったと。それは善裁。ではまず一手」
「っ!? 予想以上に早いお出ましのようね! てっきり、主戦場は甲板だと思っていたのだけれど?」
響く宣戦の言葉と、同時に放たれた初手必殺の一閃。それを凌ぐことが出来たのは、ひとえに閉所での戦闘を想定していたが故。手にした黄金竜の牙で斬撃を弾きながら、彼女は壁を背に襲撃者へと向き直る。
「ああ、そうだとも。しかし、目を引くのは結構だが、度が過ぎれば不審の一つも呼ぼうというものだ」
エンパイアとは趣の異なる衣装を身に纏った、うら若い剣士の少女。言葉を交わしながらも、アイリは相手の様子を観察する。
(接近時に足音がしなかったわね……得物もそこまで刃渡りがないし、一撃の威力ではなく速度重視の剣術といったところかしら)
「そう急くな。我が剣技、すぐに馳走してみせよう……破っ!」
その視線に気付きつつも、少女剣士は惜しむことなく自らの技を披露して見せた。掛け声と共に、瞬時に掻き消える姿。驚きにアイリが眼を見張ったと思うや、彼女は左肩に走った痛みに気付く。
「影すら踏ませぬ歩法の極み、縮地術。さぁ、捉えられるか!」
瞬間移動と言っても良い速度の斬撃、少女剣士はそれを間髪入れずに浴びせかける。致命打を避けつつも細かな傷が増えてゆく中、アイリは己を鼓舞しながら突破口を見出すべく試行を巡らせてゆく。
(速さだけなら相手の方が上。でも、一撃当てられさえすれば……ならっ!)
方針を決めるや、彼女は得物を手に勝負へと打って出た。残像を引く斬撃に対し、少女剣士も己の腕に自信があるのか敢えてそれに乗ってくる。交差は一瞬、少女剣士はアイリが振るった得物を打ち払い、己の勝利を確信し……。
「な、にっ……二刀、だと!?」
「武器が一つ限りだなんて言った覚えはないわよ? 重さと威力はこっちの方が上。さぁ、耐えきれるかしら!」
それが金色の牙剣でなく、残像に紛れ込ませた刺刀であると気付いた時にはもう手遅れ。鎧すら砕く一撃は深々と相手の腹部を切り裂き、装束を鮮血で染め上げた。
「驕れる者は、というのはこの国の諺か。なるほど……美事、なり……っ!」
敗北すれどもその姿はどこか満足げで。ばったりと倒れ伏して絶命した相手を一瞥しながら、アイリは船内通路の先を見やる。
「物言いからして、甲板は大分上かしら。道中、このレベルの相手とそう何度も切り結びたくないものね」
だが、進まねば戦況が好転することは無い。彼女は短く息を吐き気を引き締め直すと、甲板を目指し駆け出すのであった。
成功
🔵🔵🔴
セルマ・エンフィールド
あれが建造させた船ですし、絢爛豪華な、と思いましたが……普通ですね。
空から甲板に乗り込む人が多そうな気がしますし、私は下から乗り込みましょうか。
【褪せぬ氷晶】を使用、氷の板を筏のようにして船に近づきます。
船に接近したら側面の薄いところに【褪せぬ氷晶】で作った氷の槍で派手に穴を空け修復する前に侵入を。
敵と遭遇したら【褪せぬ氷晶】で作った複数の見えない氷の刃を辺りに浮かべ、自在に跳び回れないよしつつ銃撃を。
傷つくことを覚悟で懐に飛び込んできたならフィンブルヴェトでの「武器受け」から流れるように銃剣での「串刺し」「零距離射撃」での「カウンター」を。
近接戦闘ができない、と言った覚えはありません。
●陽光すらも、凍てつけ氷晶
「『アレ』が建造させた船ですし、さぞや絢爛豪華な、と思いましたが……」
ゆらゆらと揺れる波間、白く泡立つ海面の上にセルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)は沈むことなく立っていた。目に見えないほど透き通った氷の板を筏代わりとして、彼女はゆっくりと鉄甲船へと近づいてゆく。
「大きさを除けば極々普通ですね。寧ろ、戦況の方が派手というか、奇妙と言いますか」
これといった動力も無い為、下手をすれば早々に見つかり迎撃を受けそうなものだったが、その心配はなさそうである。眼前では鉄甲船に星間航行船が艦隊規模で突き刺さり、見えはしないものの海中でも一悶着発生している。相手としては筏一つにかかずらっている余裕はないのだろう。
「それでも沈まないのは敵ながら流石と言うべきでしょうか……ただ、穴を一つ開けるくらいであれば」
筏が鉄甲船側面へ十分に接近すると、掌に巨大な氷槍を形成。それを投擲するや、凍てつき剛性を失った装甲を崩壊させ、内部への侵入経路を確保する。素早く中へと飛び移ったセルマは、周囲を一瞥して状況を把握する。
「位置としては船内中層、甲板まではそう距離は無いようですね……尤も」
敵と遭遇しなければ、ですが。そう一人ごちると同時に、彼女はがちゃりと愛銃を構え間髪入れずに引き金を引く。火薬の炸裂音と共に飛びだした弾丸は、そのまま一直線に船内通路を飛翔し。
「玉弾き程度、造作も無し。そも、このような船内ではな」
「ふむ、火縄使いか……最上は剣士だが、まぁ良かろう」
キンという甲高い音と共に、断ち割られた。セルマの狙った先に居たのは、護衛である異国の少女剣士。その数二名。壁や天井と言わず、縦横無尽に駆け回りながら急速にセルマ目掛けて距離を詰めてきていた。
(二名、ですか。せめて分散していれば、まだやり易かったのですが)
狙撃手は装填と射撃を繰り返しながら、床を蹴って飛び退る。こちらは射線を限定される一方、相手は天地左右を問わず動き回れる。船内地形の把握も出来ていない以上、長期戦は不利でしかない。セルマは銃撃を行う傍ら、反撃の準備を着々と進めてゆく。
「この程度か……然らば、そろそろ仕舞いにしよう」
一方の少女剣士たちは狙撃以上の隠し玉が無いと踏むや、早々に始末をつけるべく吶喊してきた。それでも気を抜かず、ジグザグに動き回り狙いを定められぬよう心掛ける念の入れよう。だが、それは。
「逆説的に、そちらの軌道も読めるという事に他なりません」
「何を、狙撃の射線は切っていると……ぐっ!?」
壁を蹴った足裏が、見えない何かに貫かれた。体勢を崩した瞬間、手足の腱を切り裂かれた。先頭を駆けていた剣士が一瞬にして血だるまとなる。目を剥く相手が見たのは、鮮血によって輪郭を浮かび上がらせた氷の刃。そして機動力を失った剣士など、狙撃手にとって格好の獲物だ。
「まず、一つ」
「っ、わざわざ虎穴に踏み込む道理なし!」
眉間を射抜かれた剣士は、文字通り弾かれたように仰向けで斃れた。後続の剣士は二の轍を踏むまいと、仕切り直しの為に甲板目掛けて脱兎のごとく駆け抜けてゆく。セルマとしても最終目的が軍旗の奪取である以上、後を追わざるを得ない。
甲板へと飛び出した瞬間に感じたのは、むっとした熱気と鼻を突く磯の香り。だがその中に混じった殺気は、どこまでも底冷えする冷たさを帯びていた。
「さぁ、ここならば斯様な罠も仕掛けられまい」
「だと思いますか?」
言葉はそれきり、後は刃弾を交えるのみ。場を変えた戦いは、先ほどとは逆に剣士優勢にて推移してゆく。セルマも不可視の氷刃を置いてゆくのだが、如何せん先ほどと違い空間が広すぎた。更に手の内を見られていた事も不利に働き、徐々に甲板端へと追い詰められてゆく。
「先ほどは不意を打たれたが、威力そのものはさしたる脅威でなし。在ると分かりさえすれば!」
セルマが迎撃に放った氷刃を浴びながらも、少女剣士は懐深くまで踏み込んで来た。振るわれる一刀をマスケット銃で防ぐも、小柄な体がぐっと後ろへ仰け反る。小細工が無いならばこのまま押し切れる、そう確信した少女剣士だったが。
「確かに私は狙撃手ですが……近接戦闘ができない、と言った覚えはありません」
するり、と銃身が傾ぐや刃が滑らされ、斬撃がいなされた。そのままくるりと半回転した銃の先には磨き抜かれた剣が備え付けられており、その矛先は相手の胸元へと吸い込まれ。
「これで、二つ」
心の臓を穿つ感触を、銃身越しに感じ取る。崩れ落ちた相手から刃を引き抜きつつ、セルマは鉄甲船の最上部へ視線を向けた。
「あれが、村上軍旗ですか」
その先には、無骨な軍旗が潮風にはためいているのであった。
大成功
🔵🔵🔵
落浜・語
【ヤド箱】で参加
なんでもありだな、今回は。
いや、今までも大概なんでもありか…。
じゃぁ、櫻庭さんよろしくお願いします。
櫻庭さんの移動に便乗させて貰って船の上へ。
その時点で『人形行列』を使用。まだ数の多そうな方へ人形をけしかける。
船はそれなりに丈夫だって言うし、まぁ、多分大丈夫だろう。265体を連続性爆発させ【範囲攻撃】で、纏めて吹っ飛ばし、道を作る。
こっちも色々急ぎなんでね。雑だろうがなんだろうが、ちゃっちゃか片付けさせてもらおうか。
旗を下ろすのは、誰かが行けるうちは任せて援護をメインに。
アドリブ、連携可
ステラ・アルゲン
【ヤド箱】
海上戦……あまり海は過去の事を思い出して苦手ですが、まぁ今回落ちるのは船の上
海に落ちなければ大丈夫です
【希望の星】を発動(姿が白の聖女へ、瞳孔が白になる)
敵に見つからないくらいの高度まで飛び上がり、そのまま船の真上へ
そして身に【オーラ防御】を纏わせ防御力を上げ、船の上の敵陣のど真ん中に剣を突き立てるように落ちる
まさしく流星の如く勢いよく急降下しようか!
落ちた衝撃と共に落下中に【力溜め】した【全力魔法】で炎【属性攻撃】を敵に与えようか
私1人ではないぞ?
阿山殿たちがワープして来やすいよう周囲の敵を倒しておく
仲間と合流したら彼らと協力して旗への道を斬り開く
さぁ旗を降ろさせてもらおうか!
櫻庭・阿山
【ヤド箱】で
ステラに任せれば上手くやってくれるはずさ
さあて乗り込むよ、語!
【侵々奇影】
タイミングはステラが船に着弾し、敵を吹き飛ばすのと同時さね
語を連れてステラの傍へとワープし奇襲をかける
戦闘でももちろん【侵々奇影】を使うよ。瞬間移動には瞬間移動さ!
瞬間移動した敵が現れるタイミングを自慢の【視力】で見切り、語の人形のとこに送って爆裂させてやるさね
他にも爆風の真っただ中に他の敵を送って巻き込んだり、味方が攻撃される際に敵の位置を少しだけズラして攻撃を外させたりで撹乱するよ
旗は隙があれば狙うとして、邪魔者の排除を優先するさ
お盆の季節だ。里帰りが済んだらあの世へ帰りな、亡霊ども!
※アドリブ、連携歓迎
●星は流れ、影人は爆ぜ、旗は墜つる。
「なんでもありだな、今回は。いや、今までも大概なんでもありだったが……まぁ、人様のことはとやかく言えないがな」
「なに、ステラに任せれば上手くやってくれるはずさ。一度乗ってしまえば、やるべき事は変わらない。いつも通り、切った張ったの大立ち回りさね」
氷の狙撃手が甲板で立ちまわっていたのと同じころ。鉄甲船での戦いを小舟の上で眺めていたのは落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)と櫻庭・阿山(無数の瞳を持つ魔妖・f14179)の二人であった。語が若干不安げな様子の一方、阿山はぎょろりと周囲に浮遊する義眼を蠢かせる。それらが見やるは鉄甲船……ではなく、その遥か上。
「随分派手な先駆けもあったようだけど……同じ星なら、負ける訳にはいかないってもんだろう?」
そう漏らす彼女の視線は、蒼空の彼方へと吸い込まれてゆき……。
「海上戦……あまり海は過去の事を思い出して苦手ですが」
鉄甲船が豆粒ほどに見えるほどの上空。其処にステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)は存在していた。彼女は眼下に広がる海原と敵船を見やりながら、僅かに苦笑を浮かべる。
「まぁ、今回落ちるのは船の上。宇宙戦艦の落下にも耐えたのですから、今更こちらの攻撃で沈む心配もないでしょう。ええ、海に落ちなければ大丈夫です」
今の彼女であれば海に落ちたとて復帰も容易だろうが、それと苦手意識は別物だ。幸い、相手の船の耐久力は尋常ではない。狙いさえ外さなければ問題はないはずだ。
「さて、余り語殿や阿山殿をお待たせするものでもありませんからね。こちらもそろそろ始めましょう」
そういうや、ステラの姿に変化が生じる。元より白と蒼を基調とした姿なれど、装束がより銀交じりの白へと染め上げられ、瞳の色も純白へと変わってゆく。隕鉄の剣を携え、星の如き眩さを纏ったその姿は、かつて在りし日の如く輝きを増す。
「我は剣にして星。願いを叶え、迷いし者を導く、災厄より生まれし……希望の星なり!」
とん、と虚空を蹴ると、その体は真下へと落下してゆく。始めは単なる落下速度で、だがほんの数秒後には電光石火の勢いにまで加速。見る間に視界いっぱいに広がる甲板に臆することなく、彼女は愛剣を構えたまま流星の如く吶喊し。
「確かに、船は無事だろうが……上に立つ者まで、無傷とはいくまい!」
些かも速度を落とすことなく、煌めく星は甲板中央部へと着弾した。周囲に吹き荒れる衝撃波は摩擦熱にも帯びた熱気を纏い、戦闘中であった少女剣士は元より、村上水軍の怨霊ごと吹き散らしていった。
「……おや。これはまた運が良いのか悪いのか。隕石の直撃を受けるなど、そうそう無いだろうに」
当のステラは床材に刺さった剣を抜きつつ、予想外の戦果に眉を上げる。蒼銀の刃と床板の間には、全身焼け焦げた少女剣士の骸が縫い止められていた。現在進行形で戦闘中だったのだ、戦艦サイズならともかく人間大の物体には気付けなかったのだろう。
「っち、また新手か……! だが、剣士であるのは僥倖だな」
「奇天烈な手合いは食傷気味だったのでな。多勢に無勢は戦の習い、卑怯とは言ってくれるなよ?」
焦熱の旋風を凌ぎ切った他の剣士たちが、ステラを取り囲む様に陣形を整える。仲間の死よりも、価値ある敵手の方が彼女らにとって重要なのだろう。臆することなくにじり寄ってくる相手へ、ステラは一点だけ内容を訂正する。
「何か勘違いしているようだが……私は一人ではないぞ?」
期待に添えられるかどうかは、保証しないがな。彼女の言葉に少女剣士たちが形容しがたい危険を察知した、一瞬後。
「そうそう。己の影から逃れ得るヤツなんざ、どこにもいやあしないのさ。さあて乗り込むよ、語! 派手にかましてやりな!」
「はいはいっと。運んでくれてありがとうございます、櫻庭さん。それじゃあ、アルゲンさんに続いてやってみますかね」
ステラの足元、陽光に伸びる黒影から二つの人影が飛び出してきた。それは小舟の上で様子を伺っていた阿山と語である。ステラによる降下強襲によって基点を穿ち、阿山が影を媒介として一気に距離を詰め軍旗を狙う、というのが彼らの戦術であった。
「何を企んでいようが、させるつもりはない!」
しかし、増えたとしてもたかだか三人。対する少女剣士たちは未だその倍の数を残している。相手が体制を整える前に、一太刀浴びせかけんと斬りかかるその眼前で。
「こっちも色々急ぎなんでね。雑だろうがなんだろうが、ちゃっちゃか片付けさせてもらおうか。アルゲンさんのも耐え切ったみたいだし、遠慮はいらないよなぁ?」
ぼこりと飛び出した人影が増殖した。それらは語によって操られた文楽人形の複製体、総数は265にも昇る。次から次へと増える個体に押し出されるように、前方へ撒き散らされる人形たち。それらへ先陣を切っていた少女剣士の刃が触れた、瞬間。
「なっ、これは爆や……!?」
先ほどの衝撃波に劣らぬ爆発が甲板を舐めつくした。燃焼により酸素を奪い取り、爆炎は肌を焼け爛らせる。先走った剣士の姿が見えぬのは、熱と爆轟によって粉微塵となったためか。立て続けの大火力に剣士たちのダメージも少なくないものの、二度目となれば対応する者も出てくる。
「相手の狙いは軍旗だ! あれを奪われれば戦も何もないっ!」
「機動力であればまだこちらが上。足を止めるな、攪乱しろ!」
ある者は剣撃で以て爆発を斬り抜け、またある者は縮地の歩法によって掻い潜り、すぐさま反撃へと打って出てきた。狙うは与し易い相手。ステラはあからさまに手練れの騎士、語の周囲には未だ火薬人形の群れ、となれば畢竟その矛先は阿山へと向かう。
「なるほど、足の速さに瞬間移動が自慢、と。まぁ確かにそいつは厄介だけれどもね」
ふっと剣士の姿が掻き消え、瞬きひとつ分の時間で阿山の背後へと姿を現す。瞬間移動である以上、どこに動いたかは察知できない。ここまで肉薄すれば、動きに対応できる余裕もない。続く剣士の斬撃は正真正銘、必中必殺――尤も。
「生憎とあたしに死角なんてないし……幾ら速くたって、無影の域って訳じゃあないんだろう?」
本当に見えていなければ、であるが。得物を振りかぶった剣士は、視線が合ってしまった。それも、一つではない。周囲に浮遊する眼球、阿山の体中から生えた目玉。それらの視線が全て剣士へと向けられていた。
「っちぃ、不味……!?」
「おっと、逃がしゃしないさ。もう影は踏んでいるんだからねぇ」
咄嗟に飛び退ろうとしてももう遅い。阿山が相手の影へと触れるや、どぷりとその姿が黒の中へと飲み込まれていった。生憎、彼女にはトドメを刺すだけの火力が無い。しかし、それを補うために仲間というものが存在するのだ。
「語、そいつは頼んだよ! どうやら、あたしがあれを狙った方が良さそうだ」
「了解、露払いはしっかりやっておくんで、そっちは任せた!」
剣士が次に飛び出したのは、文楽人形の目の前。悲鳴を上げる間も与えず爆破しつつ、語は人形群を軍旗が掲げられた帆柱の方向へと突撃させる。連鎖的に吹き飛ぶ人形たちによって障害物は脆くも崩れ、爆煙に紛れて阿山は目標目掛け一直線に突き進んでゆく。
「半数は護衛役を足止めしろ、残りは奴を追え!」
残った四人の内、二名は語とステラの動きを封じるべくその場に残り、残る二名が後を追う。帆柱に掛かった荒縄を引っ掴み、身軽な身のこなしで這い上がってゆく阿山だが、この状況下に限れば剣士たちの方に些か分があった。
「宙を駆けるは我らが得手よ! 這い上がる無様な姿、即刻地へと墜としてくれる!」
彼女らは足場に囚われる事無く、自在に空中を移動できるのだ。その差は移動速度へ如実に表れる。剣士たちは次々と阿山の背へ刃を振るう一方、彼女もまた影を操り相手の目算を狂わせ致命打を避けてゆく。それでも細かな傷は増えてゆくが、しかして阿山が怯むことは無い。
「空が飛べるって? それがどうした、こっちだってね……あの子は墜ちるだけの星じゃあないのさ!」
「……すみません、排除に手間取り遅れました。ですが、もう大丈夫です」
天を走り抜ける者ならば、此方にも居る。剣士の片割れが、直下より突撃してきたステラによって切り裂かれた。胴を寸断された剣士は、そのまま地面へと落下してゆく。思わず下を見たもう一人の剣士は、足止めの仲間が既に打ち倒されている様子を認めた。つまり、残る敵はこの者ただ独り。
「もうこの戦いも決着といこう。さぁ、道を切り開き、旗を降ろさせて貰おうか!」
「お、のれぇえええっ!」
強烈な怒気と共に、ステラと切り結ぶ少女剣士。だが彼女らの『跳躍』と違い、ステラのそれは『飛翔』である。空中においてその差は大きく、今度は逆に剣士側が追いつめられてゆく。それでも尚、剣士は技量を尽くして抗戦する、が。
「もし、そのまま地上で戦っていれば。まだ勝機があったかもしれないがな」
「ぁっ…………」
ステラの哀れみ交じりの声が決着を告げる。途端に、少女剣士の体が浮力を失い落下を始めた。跳躍回数、その限度へと至ってしまったのである。しかし、彼女の身体能力であれば難なく着地できるだろう。だが、少女剣士はきちんと覚えていた。下で待ち受ける者のことを。
「試合じゃあ卑怯かもしれないが、こいつは戦争なんでな。悪いが、確実にいかせてもらうぜ」
少女剣士の視界一杯に広がる、文楽人形の群れ。語がそっと繰糸を爪弾いた瞬間、一斉に起爆装置が作動し、最後の敵の姿は紅蓮の中へと消えていった。
これでもう、猟兵たちを遮る者は居ない。仲間の援護の下、阿山は帆柱の頂上まで辿りつくと、そこに備えられた軍旗へと手を掛ける。
「お盆の季節も、もうそろそろ終わりさ。里帰りが済んだら……とっととあの世へ帰りな、亡霊どもッ!」
そうして、躊躇うことなく阿山は村上軍旗を支柱より毟り取った。その瞬間、鉄甲船のあちらこちらより叫び声が上がる。それは消滅を嘆く怨嗟の如く、敗北を惜しむ悔しさの様な、そして相手の武威に感服した戦人の心意気を思わせる声音だった。
徐々に行き足を止め、停止する巨大鉄甲船。その内部にはもう護衛の剣士も、船を動かす村上水軍の姿も無い。目的を達することが出来たのだと安堵する猟兵たちの元へ、徳川水軍の船がゆっくりと近づいてくる。
彼らは猟兵たちの勝利を寿ぐように、割れんばかりの鬨の声を上げて出迎えてくれるのであった。
大成功
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