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平和で楽しい世界に愛憎のタネを

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●ちょっと変わったヒーローショー
 キマイラフューチャー。
 土地を第一次産業に充てる必要がない為か、他の住宅に漏れずそのイベント会場もだだっ広かった。
 会場の入り口にはでかでかとレトロな幟がはためいている。
『嫁姑戦隊ナカイインジャー』
 ヒーローショーの閑散さが察せられるような、謎のタイトルが幟には印字されていた。
「あらいらっしゃい」
 中流家庭のリビングを完全再現した舞台の上では、綺麗なひっつめ髪をしたお姑さんが、息子夫婦を出迎えているところだった。
「嫌だ、夜芽さんまで来たの? 今日は永雄のお誕生日パーティーなんだから、永雄の分しかケーキを用意していないのよ。ごめんなさ~い♪」
 何が楽しいのかケラケラ笑うお姑さんと、俯いて嫁いびりに耐えるお嫁さん、空気そのものの旦那……。
 テーブルの上には、確かにせいぜい2人分だと思われる、ちいさめのホールケーキ。
 さてここからどう話が展開していくのかと、少ない観客達が真剣に舞台を見つめていたが、次の瞬間。
 ——ドドドドドドド!!
 なんと、巨大なクリスマスケーキ型のオブリビオンが、集団でイベント会場に乱入してきた。
「……お嫁さんの食べるケーキ、あるじゃん」
 楽しく平和な日常を送っているせいか、いまいち危機感のない観客の子どもが、ボソッと呟いた。


「……クリスマスケーキ、見た目は美味しそうですのに、突撃するのが何とも傍迷惑ですこと」
 椀種・クルトン(浮き実の憂き身・f00365)が、心底残念そうに説明を始めた。
「キマイラフューチャーのイベント会場でヒーローショーが行われるのですが、オブリビオン『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』が山程現れて、せっかくのショーを台無しにしてしまいますの」
 どうか、ヒーローショーを楽しみにしているお客さんの為にも、売れ残ったクリスマスのケーキ怪人を殲滅して欲しい。
「クリスマスのケーキ怪人が使ってくるユーベルコード をよくお確かめになって、手早く掃討していただければ嬉しく存じますわ」
 そこまで言い終わると、クルトンは最後に付け加える。
「無事にオブリビオンの脅威がなくなった暁には、皆様、件のヒーローショーへご出演なさってはいかがでしょうか?」
 ヒーローショーの配役は、かねがね予知の通りらしい。
「何せ、オブリビオンの襲撃によって演者さんも恐ろしい思いをなさるわけですので、皆様が代わって差し上げたら、とてもお喜びになるかと存じます♪」
 自分もさも楽しみな様子で、話を締めくくるクルトンだった。


雨都瑣枝
 ご覧くださりありがとうございます、雨都です。

●第1章と第2章について
 戦闘が発生します。
 第1章の敵は『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』。
 個体によるデコレーションや中身の違いを楽しむぐらいのお気持ちで、気軽に蹴散らしてやってください。
 第2章では、皆様もステータス画面で一度はご覧になったであろうあの敵さんが1体出てきます。
 相手の使うユーベルコード をよくお確かめの上で対策を立てて、撃破なさってください。

●第3章について
 イベント会場の舞台でヒーローショーを演じる事ができます。
 タイトルは『嫁姑戦隊ナカイインジャー』。
 ナカイインジャーの続きは敵がいなくなった後に判明するので、皆様で力を合わせて、面白い演劇をなさって下さい。
 ガチガチに擦り合わせなくてもやる気さえあればアドリブで何とかなります。

 皆様のプレイングお待ちしています。
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第1章 集団戦 『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』

POW   :    恨みのローソク
【ケーキの飾りのロウソク 】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ふかふかボディ
自身の肉体を【スポンジケーキ 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    生クリームブラスト
【両掌 】から【生クリーム】を放ち、【ベトベト感】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

河南・聖
え、ナカイインジャー?
めっちゃ仲悪そうなんですけど。
ここからどうやって仲良くなるんでしょう
いや、ナカイインジャーだから仲良くなるんだろうと思わせてという可能性も……?
続きが気になるじゃないですか!さっさと怪人なんか蹴散らして続きを……!

で、ケーキですか。
ケーキといえば……入刀。
よし、バキュームスフィアで動きを止めたのちにぶった斬りましょう。
そうと決まれば、出番です!黒狼牙!


八幡・茜
クリスマスケーキ! 甘くて美味しいのに余ってしまうなんて悲しいわね。
ふふふ、でも大丈夫よ! この美人なおねーさんがちゃんと処分してあげるから!

パイ投げっていうやつ? おねーさん一度やってみたかったのよ。
フォックスファイアでケーキを頭部を粉砕すればきっといい感じにパイ投げ感がでるとおもうのよね! だからひたすら頭部を狙って炎を誘導するわ!
倒れたら頭を踏みつけてみるのもいいかも! 水たまりを踏んだみたいにぴしゃってなるかもしれないし!
相手も手から生クリーム出すみたいだし、お相子よね!

会場には子供もいるみたいだし、いえーい! 美人のおねーさんよ! いえーい! ってやって盛り上げてみるのもいいわね!




 イベント会場。
「え、ナカイインジャー? めっちゃ仲悪そうなんですけど」
 河南・聖(始まりの白き翼・f00831)は、戦隊ヒーローの名前とストーリーのアンバランスさに思わずツッコミを入れていた。
「ここからどうやって仲良くなるんでしょう……いや、ナカイインジャーだから仲良くなるんだろうと思わせてという可能性も……?」
 それでいて、聖にとっては興味を引かれる内容だったらしく、テレビで2時間サスペンスを見るが如く、懸命に推理しているのが微笑ましい。
「続きが気になるじゃないですか! さっさと怪人なんか蹴散らして続きを……!」
 売れ残りクリスマスケーキの怪人達は、聖の剣幕に多少たじろぎながらも、恨みのローソク燃える頭を振りかざしてきた。
「で、ケーキですか。ケーキといえば……入刀」
 負けじと聖は両掌から魔力由来の真空球を放って、その中へケーキ怪人を閉じ込める。
「そうと決まれば、出番です! 黒狼牙!」
 間髪入れずに抜き払うは、ダークセイヴァーの空を切り取ったかのような黒狼牙。
 ——グシャッ!
 漆黒の刀身はどんなケーキナイフよりも重く鋭く、ケーキ怪人の身体を切り裂いたのだった。
 一方。
「クリスマスケーキ! 甘くて美味しいのに余ってしまうなんて悲しいわね」
 八幡・茜(妖狐の戦巫女・f04526)は、流石に今時の女子らしい感性で、売れ残ったクリスマスケーキの怪人へ同情的だ。
 絹を撚ったような銀髪と涼やかな青い瞳が綺麗な妖狐の女性。
「ふふふ、でも大丈夫よ! この美人なおねーさんがちゃんと処分してあげるから!」
 茜はいつもの自称を口にして、自信たっぷりな笑みと共に怪人達へ向き直る。
「パイ投げっていうやつ? おねーさん一度やってみたかったのよ」
 そう言って両手から放つは17個にもなる狐火。
「きっといい感じにパイ投げ感がでるとおもうのよね!」
 バチバチバチッ!
 これらを念によって誘導し、ケーキ製の頭を次々粉砕する様は、なるほど見た目にも派手で爽快感がある。
 果たしてケーキ怪人がお肌に優しい成分で出来ているかは定かじゃないが、きっと事切れれば大地に還っていく素敵成分になるし、食べようと思えば食べられるだろう。
「相手も手から生クリーム出すみたいだし、お相子よね!」
 倒れた怪人の頭をグシャと踏みつけ、可愛いぽっくり下駄を白いクリーム塗れにする茜が、どこか女王様然として映るのは気のせいか。
「いえーい! 美人のおねーさんよ! いえーい!」
 ともあれ、怪人の数を一気に10体以上減らした事で、会場の子どもの歓声を欲しいままにする茜だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

暗黒騎士・アングラング
待てぇい! 我々以上に目立つなんて許さんぞ。
私は秘密結社オリュンポスのアングラング。暗黒騎士だ。
時期遅れのネタはさっさと引導を渡してくれる。

舞台を盛り上げるためにも、ここはまだ私の剣術を見せる時ではない……
【サイコキネシス】で風を引き起こし、ロウソクの火を吹き消してやる。
オリュンポスの仲間がいれば、うまく戦ってくれるだろう。
が、とにかく我々の存在感をアピールしてキマイラたちにもオリュンポスの恐ろしさを知らしめるのだ!
……それにしても、「秘密」結社が目立っていいのだろうか?



「待てぇい! 我々以上に目立つなんて許さんぞ」
 カッコよく大見得を切って登場したのは、暗黒騎士・アングラング(光と闇の剣を自在に操る暗黒宇宙騎士・f08676)。
「私は秘密結社オリュンポスのアングラング。暗黒騎士だ。時期遅れのネタはさっさと引導を渡してくれる」
 秘密結社オリュンポスの空気へ入団当時からばっちり馴染んでいた、残念系イケメンフォースナイトである。
「舞台を盛り上げるためにも、ここはまだ私の剣術を見せる時ではない……」
 勿体ぶって剣技を出し惜しみするアングラングは、代わりに不可視のサイキックエナジーを解放。
 まるで風のように、ケーキ怪人のロウソクの火を搔き消してみせた。
「おぉーっ!」
 キマイラの子ども達が拍手する。
(「とにかく我々の存在感をアピールしてキマイラたちにもオリュンポスの恐ろしさを知らしめるのだ!」)
 そんなアングラングの目論見通り、子ども達は、売れ残ったクリスマスケーキの怪人へ立ち向かうオリュンポス団員の彼を憧れの眼差しで見つめている。
「……それにしても、『秘密』結社が目立っていいのだろうか?」
 引き続きサイコキネシスでケーキ頭を吹っ飛ばしつつ、ふと疑問に思うアングラングだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルテミス・カリスト
【オリュンポス】

「イベントを滅茶苦茶にしようとする悪の怪人は、
秘密結社オリュンポスに所属する、この正義の騎士アルテミスが退治します!
お嫁さんにケーキを食べさせない台本のためにも、クリスマスケーキ怪人たちは正義の騎士の私が倒します!
……あれ?お嫁さんにはケーキ、あげた方がいいんじゃ……?」

自分で自分の名乗りに疑問符を浮かべながらも
大剣を抜いてクリスマスケーキ怪人と戦います。

受けてください、白花繚乱!

武器が花びらに変化し、怪人たちを貫きます。
……が、技の制御に失敗し、ついでに服と鎧も花びらになってしまい、身体の大事なところを花びらで隠しているだけの格好になってしまうのでした。

「きゃああっ!」



「イベントを滅茶苦茶にしようとする悪の怪人は、秘密結社オリュンポスに所属する、この正義の騎士アルテミスが退治します!」
 アングラングに続こうと、騎士の大剣で怪人へ斬りかかるのはアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)。
「お嫁さんにケーキを食べさせない台本のためにも、クリスマスケーキ怪人たちは正義の騎士の私が倒します!」
 そこまで言い切って、ふと自らの宣言に疑問が湧いたのか、
「……あれ? お嫁さんにはケーキ、あげた方がいいんじゃ……?」
 こてんと首を傾げるアルテミスだが、怪人をバッタバッタと薙ぎ倒す鮮やかな剣捌きは留まるところを知らない。
「受けてください、白花繚乱!」
 遂には、眩しい刀身もカリスト家の家紋が彫られた柄も全部を花びらに変えて、売れ残ったクリスマスケーキの怪人達を次々と刺し貫いた。
「あら……?」
 しかし技の制御をしくじったのか、騎士の服や軽金属鎧までも花びらにしてしまい、舞う花びらが無ければ胸や股座まで見えそうなぐらい、危うい格好になるアルテミス。
「おおおお!!」
「きゃああっ!」
 観客のキマイラ男性が鼻息を荒くする中、アルテミスは悲鳴をあげて羞らい、しゃがみこんでしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『いいねリス』

POW   :    強いっていいね! いいね!ボム
【いいね! 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【いいね!ボム】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    足がはやいんだね! いいね!ビーム
レベル分の1秒で【いいね!ビーム 】を発射できる。
WIZ   :    いいね!って思ったらみんなあつまれー!
戦闘用の、自身と同じ強さの【共感者】と【いいねリスの分身】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠青景・黒影です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●愛を届けに来た不審者
「まぁでも、来たなら来たで働いていただこうかしら。そのケーキを4等分に切り分けて頂戴」
 お姑さんは揺り椅子にゆったりと腰掛けて命令する。
『どうして、私は自分が食べられもしない誕生日ケーキを切り分けているのかしら』
 心の声がスピーカーから流れている間、お嫁さんは甲斐甲斐しくケーキにナイフを入れていた。
「ビール」
 旦那は嫁の方を向いて一言言うのみで、ソファに踏ん反り返っている。
「はいはい」
 お嫁さんは色々諦めた顔で台所へ立とうとしたその時。
 ぴんぽーん♪
 ドアチャイムが鳴った。
「どちら様でしょうか?」
 お嫁さんが扉を開けた瞬間、
「夜芽さん! 逃げて!!」
「夜芽!」
 お姑さんが金切り声を上げて、旦那も腰を浮かせ駆けつけた。
 何故ならお嫁さんの前には、一体どこから入り込んだのか、本来の演者ではない『いいねリス』が立っていたからだ。
「何あのリス、可愛い!」
「サプライズの誕生日プレゼントとか?」
 そして、やっぱり観客のキマイラ達は、どこか呑気であった。
八幡・茜
この状況で演劇を続けているなんて、プロね!
じゃーおねーさんも演劇にのって、この場を何とかしないといけないわね!

いいねリスのお嫁さん設定でいこうかしら
だめよ、あなた
ここはお隣さんのお家でしょう? 早く帰りましょう? 今夜は二人で激しく燃え上がるって約束だったじゃない!
と言ってしなだれかかるとしましょう。なんだかモフモフしてて気持ちよさそうだし!
拒否されたら、酷いわ! でも、そんなところも好き! って言ってフォックスファイアで燃やすわね。
拒否されなくても、好き! って言って燃やすけどね!

ふふふ、こんな美人なおねーさんと燃え上がることができるなんて幸せなリスね!
おねーさんも張り切って燃やしちゃうわ!



(「この状況で演劇を続けているなんて、プロね! じゃーおねーさんも演劇にのって、この場を何とかしないといけないわね!」)
 八幡・茜は、売れ残ったクリスマスケーキの怪人達の残骸でギチギチな舞台袖と、スタッフが必死に戦いの痕を拭った舞台を見比べて、感心していた。
「だめよ、あなた。ここはお隣さんのお家でしょう? 早く帰りましょう?」
 どうやらいいねリスのお嫁さん設定で、いいねリスは酔っ払って家を間違えた事にするつもりらしい。
 見事に自然な闖入者設定だ。
「今夜は二人で激しく燃え上がるって約束だったじゃない!」
 そう訴えてしなだれかかる茜。
 当人はいいねリスのモフモフした体毛をたのしんでいるが、茜自身、ふさふさの狐耳と尻尾を有している為、周りから見ても案外お似合いのふわもふ夫婦に見えるかもしれない。
「いいね!」
 果たしてそれは了承の言葉だったのか、いいねリスは茜へ赤いハートを飛ばすと、
 ちゅどーーん!!
 続けざまにいいねボムをぶつけて盛大に爆発させた。
「酷いわ! でも、そんなところも好き!」
 爆炎には炎で対抗しようと、茜も狐火を操って、いいねリスの体毛を轟々と燃え上がらせた。
「ふふふ、こんな美人なおねーさんと燃え上がることができるなんて幸せなリスね! おねーさんも張り切って燃やしちゃうわ!」
 隣人夫婦の熱い愛の交歓は、客のキマイラ達を沸かせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

河南・聖
いやぁ、ほんとこんなイレギュラーでも演技ができるなんて役者の鑑ですね!っていうかこの状況で即興で設定考えて役に入っちゃう茜おねーさんも凄いです
じゃあ私も何か……いいねリスの娘役?はたまた不倫相手?
うん、その場のノリで!(アドリブ歓迎!)

っていうか皆結構目立ってますね
やっぱりヒーローショーですし、もっと派手に立ち回った方がいいでしょうか

派手……
……来て、ペガサス!
そしてヒカリ、ランス形態お願い!
……よし、じゃあここからはペガサスナイト聖さんで行っちゃいますか!
まだ練習段階なので不安はありますけど

距離を取ってブレイズドラゴン、からの一気に距離を詰めて武器攻撃
の繰り返しで行きましょう!



(「いやぁ、ほんとこんなイレギュラーでも演技ができるなんて役者の鑑ですね!」)
 河南・聖(始まりの白き翼・f00831)も、茜同様に役者達の肝の据わりようを内心褒めていた。
「っていうかこの状況で即興で設定考えて役に入っちゃう茜おねーさんも凄いです」
 そこまで考えて、うーむと首を捻る聖。
(「じゃあ私も何か……いいねリスの娘役? はたまた不倫相手?」)
 その場のノリと勢いで彼女が出した結論は、
「ちょっと、どういう事よ。奥さんとは別れてくれるって言ったじゃない!」
 いいねリスの不倫相手役だった。
「あら、その場しのぎの言葉に騙されるなんてまだまだ子どもね! そんなんじゃこの美人のおねーさんには勝てないわよ!」
 茜もすかさず本妻の余裕を見せ、アドリブで返す。
「そんな! あなたと一緒になれないならあなたを殺して私も死にます!」
(「っていうか皆結構目立ってますね。やっぱりヒーローショーですし、もっと派手に立ち回った方がいいでしょうか」)
 聖は、観客に判りやすいよういいねリスが攻撃対象だと告げるや、
「派手…………来て、ペガサス! そしてヒカリ、ランス形態お願い!」
 大きな純白のペガサスに跨り、ヒカリが変化したドラゴンランスを手に、特攻をかけた。
「……よし、じゃあここからはペガサスナイト聖さんで行っちゃいますか!」
 いいねリスの腹部を槍で貫いた後は、ブレイズドラゴンも織り交ぜて着実にダメージを重ねていく聖。
 狐火と紅蓮の竜、女達の愛に焼き尽くされたいいねリスは、自ら『火宅』を体現していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

青景・黒影
なんだこれ(なんだこれ)
なんか凄まじく暴走してるねー、あのリス。いや、みんなもかな?
まぁ、あんなのを見つけちゃったボクにも責任あるし。お手伝いしよっか。

【研究所の研究員】
奥さんっぽい人と、愛人っぽい人を連れているいいねリスだけど、実は謎の実験施設から逃げ出した実験動物で、ボクはそこの研究員。って設定で。
「やっと見つけたよ。さぁ、周りに迷惑をかけるまえに帰ろう?」
「(前二人の猟兵らを見て)あーぁ、もう被害者が出ちゃったか。しかたないなー、もー。」
「これからキミを適切に処理する。」
攻撃はボクじゃなくて別人格の紫陰がやるんだけどね。

攻撃方法はそうだなぁ、リスの大切なものを傷つけて怒らせてから、かな。



「なんだこれ」
(「なんだこれ」)
 青景・黒影(くるりくらり・f00707)が戦場と化した舞台へ駆けつけた時も、まだいいねリスを挟んだ愁嘆場という名の激戦は続いていた。
「美人のおねーさんには判るわ! 本物のいいねリスはあなたよ!」
 ボワッ!
「いいえ、こっちが本物に決まってます!」
 ズバッ——!
 今は、召喚されて数が増えたいいねリスの分身達を前に、どれが本物か当てるフリをして本妻と愛人が攻撃しているようだ。
 思わず黒影が呆然とするのも無理はない。
「なんか凄まじく暴走してるねー、あのリス。いや、みんなもかな?」
 それでも黒影は、あくまで人当たりの好さそうな口振りで、猟兵達へ助力を申し出る。
「まぁ、あんなのを見つけちゃったボクにも責任あるし。お手伝いしよっか」
 加えて、自らもナカイインジャーの登場人物として自然な演技をする事も忘れなかった。
「やっと見つけたよ。さぁ、周りに迷惑をかけるまえに帰ろう?」
 柔らかな物言いと多少の押しの強さは黒影の人格の賜物か。
 どうやら、いいねリスは謎の実験施設から逃げ出した実験動物であり、黒影は担当研究員という設定らしい。
 いいねリスに脱走設定をつけた事で、前述の本妻愛人騒動から見え隠れしていた彼の性欲の怪物ぶりを言外に仄めかす——何とも上手い落とし所である。
「あーぁ、もう被害者が出ちゃったか。しかたないなー、もー」
 黒影のセリフが意味深に響いた。
「これからキミを適切に処理する」
 かように舞台と観客を盛り上げてから、別人格の紫陰へ身体を空け渡す黒影。
「まずは、リスの大切なものを傷つけて怒らせてから、かな……いっておいで、紫陰」
「大切なものって言うと本妻のおねーさんね!」
「愛人の私ですー!」
 茜と聖がノリノリで角突き合わせるも、まさか仲間の猟兵を撃つわけにはいかない。
 紫陰は鋭い眼光でいいねリスの分身を射抜くや、強い殺意を向ける。
 ——ズドン!
 弾丸状に練られたオーラは分身のお腹へ吸い込まれるように飛んで、そのふわもふを容赦なく撃ち貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マスター・カオス
フハハハ…我が名は、グランドフォースに導かれし、世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!!

謎の実験施設から逃亡したリスは、実は、悪の組織から逃げ出した存在だった。研究員の奮闘にも関わらず、時すでに遅し、追手は既に迫っていたのだったという感じで

「さぁ、オリュンポス戦闘員たちよ!リス共々、本妻も愛人も時間をかけ過ぎた研究員もまとめて連行しろ!」

反論に対してソレっぽい雰囲気で無意味に意味ありげな台詞を吐く

「キミたちは知りすぎてしまったのだよ、このリスの秘密をなっ!」
「それに、リスだけに実験動物(モルモット)が増える分には全く困らないからな!」

「ふっ、あくまでも抵抗するか!」



「フハハハ……我が名は、グランドフォースに導かれし、世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!!」
 さて。マスター・カオス(秘密結社オリュンポスの大幹部・f00535)は、いつもの前口上と共に威厳のある佇まいで悠々と登場。
「マスター! 流石貴君はここぞというタイミングで現れるな」
「マスター・カオスさん……あの、良かったら私に何か服を」
 部下のアングラングとアルテミスを歓喜させた。
「さぁ、オリュンポス戦闘員たちよ! リス共々、本妻も愛人も時間をかけ過ぎた研究員もまとめて連行しろ!」
 カオス右手を掲げて号令するや、白い仮面と黒タイツ姿の戦闘員を18人も喚び出す。
「いいねリス!」
 ここからは女達と研究員、そしてオリュンポス戦闘員によるいいねリスの奪い合い——に見せかけて、皆上手く演技を織り交ぜながらいいねリスへ攻撃を命中させた。
「フハハハ……運の悪い奴よ。実験施設から逃亡してすぐに、組織の大幹部たる私が視察に訪れるとはな!」
 いいねリスのいた実験施設とは、悪の組織の傘下だった設定のようだ。
 実験対象を連れ戻すなり始末するなり奮闘する研究員の努力も虚しく、時すでに遅し。
 追っ手として組織の大幹部自ら、いいねリスの脱走を揉み消しにかかった——といったところか。
「どうして私たちまで連れてくんです!?」
「キミたちは知りすぎてしまったのだよ、このリスの秘密をなっ!」
 聖の反論には、無意味に意味ありげなセリフを返すカオス。
「それに、リスだけに実験動物(モルモット)が増える分には全く困らないからな!」
「いいね!」
 カオスと戦闘員らの集中攻撃を喰らうも、いいねリスは再び分身らを召喚して反撃。
「ふっ、あくまでも抵抗するか!」
 戦闘員達とふわもふ軍団の大混戦は続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリシア・マクリントック
こんなにも傷ついていかわいそう……私の愛で癒してあげます。
そういうわけで私のいいねリスで争いを望むわけではないことを伝えましょう。
それでも戦うというのなら……容赦は致しません!変身!
「貴方も闇のいいねリスだったのですね……残念です」

ビームならばまっすぐこちらを狙うのでしょう。いくら素早くても軌道がわかれば躱すのは無理でも防御するくらいはできるはず……マリアと連携して狙いを分散させつつ、致命傷を受ける前に必殺の一撃を当てたいところですね。

私とこの光のいいねリスが世界を愛で満たしてみせます!



「ああ、こんなにも傷ついていかわいそう……私の愛で癒してあげます」
 アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は、すわ第3の女登場かといった物言いでいいねリスへ近づいていく。
「届いて……私の想い!」
 アリシアが心を込めて召喚したのは、なんとこちらもピンクのハートを抱えたいいねリス。
 アリシアのいいねリスは、傷ついたいいねリスへハートを手渡して想いを——アリシア個人が争いを望むわけではない事を伝える。
「いいね!」
 ちゅどーん!
 だが、相手はやはりオブリビオン。
 いいねリスはいいねリスの想いへ『いいね! ボム』で応えた。
「貴方も闇のいいねリスだったのですね……残念です」
 アリシアは落胆する気持ちを怒りに変えて、セイバークロスを展開、早着替えの腕を遺憾なく発揮して変身。
「私とこの光のいいねリスが世界を愛で満たしてみせます!」
 狼のマリアとバラバラに動く事で『いいね! ビーム』の対象から外れるのを狙いつつ、セイバーエッジを振り下ろし、必殺の一撃をいいねリスへお見舞いした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗黒騎士・アングラング
いいねリスがここに現れたのは、偶然ではない。
そこの姑は、実は悪の組織の裏切り者だったのだ!
組織の秘密を心あるものに伝えるため、ひっそりと仲間のリスと合流する機会を待っていたのだろう!
誕生日パーティにも小さなケーキしか用意しない倹約ぶりで我々から隠れていたのだろうが、そうはいかんぞ。

……どうだ、よくあるだろう。悪そうに見えた人が実はいい人だった展開も、後半にとつぜん全部セリフで説明してしまうのも!
そういうわけで、まずはリスから手にかけてやろう! 光と闇の二刀流、見せてやる!
(戦闘のプレイングを書くスペースがなくなった)(アルテミスさんのプレイングへ続く)(続いちゃった)


アルテミス・カリスト
アングラングさんの台詞を受けて

「お姑さんが悪の組織の裏切り者?!
ということは、あの四等分しようとしていたケーキの中に、レジスタンスのメンバーである永雄さんへのメッセージがっ?!
夜芽さんに冷たくあたっていたのは、レジスタンス活動に巻き込まないためだったのですね!」

勝手に一人で納得します。

「となれば正義の騎士としては、お姑さんを守らねばなりません!
……たとえ、マスター・カオスさんとアングラング卿と戦うことになろうとも!」

剣を構え、アングラング卿と向き合います。

「同じ秘密結社に属しているとはいえ、貴方とはいつかこうなると思っていました。
いざ、尋常に勝負です!」

という演技に巻き込みリスを攻撃します。


八幡・茜
ピオニーさんと一緒

ここは盛大にのっていきましょう!
出たわね! 悪の秘密結社の大幹部!
この時を待っていたわ! 今こそ真の姿「もふっとふわふわ」となってあなたを倒すわ!
といってピオニーさんと背中合わせで魔法少女のような変身ポーズをとるわ、姿とかは特に何も変わらないけれど!
変身後は、二人はもふもふ! ってドヤるわ!

後はやられたー! 勝手に自分で吹っ飛んだあと
くっ、やっぱり今はまだ敵わない……ならば、せめて、愛人さんや私……そして研究員さんを弄んだこの性欲の怪物を倒さなくちゃ!
と言ってリスをフォックスファイアで焼くわね!

みんなー! この美人のおねーさんに力をかしてー! って観客にアピルのも忘れないわ!


ピオニー・アルムガルト
八幡 茜さんとコンビで参加だ!

初めはちょっと状況に戸惑ったけど、まあノリでやっときゃ何とかなる感じかしら?
ふたりはもっふもふ!もふきゅあ!!
黒き黒煙に燃え盛る炎!私はもっふとブラックウルフ!と口上。
(茜さんと背中合わせで)魔法少女のような変身ポーズ。BGM・効果音ぐらい無いと寂しいので、後ろ手にセルフでラジカセ再生ONしようかしら。
茜さんが吹っ飛んだら『やりやがったわね!このげっ歯類!!』と飛び掛かるが無意味に私も吹っ飛びばったんきゅー。
子供たちの声援があればもう少し頑張れると思うわ!



「出たわね! 悪の秘密結社の大幹部!」
 研究員や悪の組織の登場、更には光と闇のいいねリスの戦いを目の当たりにして、八幡・茜のテンションは最高潮に達していた。
(「もふもふし合った仲の茜さんの頼みとあらば、どこへだって駆けつけるわ!」)
 ピオニー・アルムガルト(人狼のウィザード・f07501)も、最初こそ舞台のカオスさに戸惑っていたものの、大事なのはノリだと思い直して気合充分。
 スレンダーな肢体とふさふさした藍色の尻尾、理知的な金色の瞳が特徴的な、人狼の女性だ。
「この時を待っていたわ! 今こそ真の姿『もふっともふきゅあ』となってあなたを倒すわ!」
 ピオニーと背中合わせになって、あたかも魔法少女みたいな変身ポーズを決める茜。
「赤き鈴なりに立ち昇る狐火! 私はふわっとレッドフォックス!」
「黒き黒煙に燃え盛る炎! 私はもっふとブラックウルフ!」
 口上を述べて同じポーズを取るピオニーは、後ろ手にラジカセを隠し持ち、魔法少女の変身シーンに相応しいBGMと効果音をしっかり流していた。
「「ふたりはもっふもふ! もふきゅあ!!」」
 声を揃えて可愛くドヤ顔しているところを見ると、可憐に変身したつもりのようだ。
「やられたー!」
 そして、黒タイツ戦闘員へ攻撃を弾かれたフリして吹っ飛ぶ茜。
「やりやがったわね! このげっ歯類!!」
 ピオニーが怒りに任せていいねリスの分身へと飛び掛かるが、こちらも無意味にぶっ飛ばされてばったんきゅー。
「くっ、やっぱり今はまだ敵わない……」
 ふらふらと、立つのも辛そうな演技をして起き上がる茜と、彼女を支えるピオニー。
「ならば、せめて、愛人さんや私……そして研究員さんを弄んだこの性欲の怪物を倒さなくちゃ!」
 ここで2人は攻撃対象をいいねリスへとチェンジ。
「みんなー! この美人のおねーさんたちに力をかしてー!」
 観客から元気もとい力を受け取るパフォーマンスののち、茜は渾身の狐火を放つ。
「ありがとう、みんな! みんなの声援のお陰で、もう少し頑張れるわ!」
 ピオニーも子ども達へ手を振り返してから、炎属性の魔法の矢を連射。
 もふきゅあ達の息の合った連携で、いいねリスをこんがりと香ばしく焼き尽くした。
 他方。
「いいねリスがここに現れたのは、実のところ偶然ではない……」
 暗黒騎士・アングラングは、カオスの助太刀に力づけられたのか、余裕のある立ち振る舞いで勿体ぶってみせた。
「そこの姑は、実は悪の組織の裏切り者だったのだ!」
「えぇ〜っ、お姑さんが悪の組織の裏切り者?!」
 指差されたお姑さん以上に、上司のカオスや相棒のアルテミス・カリストの方が驚愕しているのはご愛嬌。
「組織の秘密を心あるものに伝えるため、ひっそりと仲間のリスと合流する機会を待っていたのだろう!」
「ということは、あの四等分しようとしていたケーキの中に、レジスタンスのメンバーである永雄さんへのメッセージがっ?!」
 誕生日パーティーを偽装しての極秘情報のやり取りとは、なかなか凝った設定である。
「夜芽さんに冷たくあたっていたのは、レジスタンス活動に巻き込まないためだったのですね!」
 必死にクローゼットから拝借した服を着ながら、ひとり納得するアルテミス。
「その通りだ。誕生日パーティにも小さなケーキしか用意しない倹約ぶりで我々から隠れていたのだろうが、そうはいかんぞ」
 アルテミスとの息の合った状況説明に満足して、ニヤリと不敵に笑うアングラング。
「……どうだ、よくあるだろう。悪そうに見えた人が実はいい人だった展開も、後半に突然全部セリフで説明してしまうのも!」
 確かに古典の特撮ヒーローのノリをなぞっていると言えなくもない。その内不思議な事が起こりそうだ。
「となれば正義の騎士としては、お姑さんを守らねばなりません! ……たとえ、マスター・カオスさんとアングラング卿と戦うことになろうとも!」
 だが、その前に悪の組織を華麗に裏切ったアルテミスが、騎士の大剣を構えてアングラングの前へ立ちはだかる。
「同じ秘密結社に属しているとはいえ、貴方とはいつかこうなると思っていました。いざ、尋常に勝負です!」
「そういうわけなら、まずは貴君から手にかけてやろう! 光と闇の二刀流、見せてやる!」
 2人は、互いに剣を交えたように見せかけ、返す刀でいいねリスを攻撃。
 慌てて服を着たせいかスカートがストンとずり落ちてしまい、やっぱり恥ずかしい格好のまま渾身の一撃を見舞うのはアルテミス。
 アングラングはそれぞれの手に光のフォースセイバーと呪われた黒剣を掴み、いいねリスへ肉薄。
 十余年にわたる修練で身につけた剣技を超高速連続斬撃という形で披露、そのふわもふを容赦なく斬り刻んだ。
「……イ、イネ……!」
 演技力の高い猟兵達に散々傷めつけられたいいねリスは、最後まで何かを褒め称えながら、遂に息を引き取った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ヒーローショー、開幕!』

POW   :    力のイェーガーになる

SPD   :    技のイェーガーになる

WIZ   :    心のイェーガーになる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『嫁姑戦隊ナカイインジャー』脚本
 お姑さん:あら、誰か来たみたいね。
 旦那:(ビールを煽る)んー。
 お姑さん:夜芽さん。
 お嫁さん:(慌ててナイフを置いて立ち上がり)はい、どちら様でしょうか。
 ——玄関。夜芽が扉を開けた向こうでは若い女性が立っている。
 お嫁さん:どちら様で……?
 女:二郷と申します。永雄さん、ご在宅ですか?
 旦那:(のろのろと玄関まで歩いてくると、女を見て驚愕)あっ!?
 女:(永雄を見て笑顔になる)来ちゃった!
(以下、突如現れた自称愛人を名乗るストーカーへ嫁姑が結託して立ち向かい、旦那を守り抜く筋書きが綴られている)
「う~~ん」
 舞台袖にいた脚本家は、今しがた繰り広げられた猟兵達の大立ち回りを見て、迷っていた。
「ナカイインジャーもそれはそれで面白くするつもりで描いたけど、今のいいねリスと猟兵達の演技を見てしまうとねぇ」
「はぁ」
 監督が気のない返事をするのへも構わず、続ける脚本家。
「どうだろう。猟兵達が即興で演じてくれた設定を取り入れ、『いいねリスの遺した遺産争い』に続けてみては」
 魔法少女の相方がいる本妻、幼く聡明な愛人、実験施設の研究員に悪の組織の個性的な面々、光のいいねリス使い……。
「彼らならきっと面白おかしく色んな理由をつけて遺産争いを演じてくれるに違いない! 運が良ければ新たな配役が飛び入り参加してくれるかもしれない!」
 元の脚本に沿ってナカイインジャーの配役を演じるか、いいねリスの遺産争いに個性的な配役で参戦するか、どうぞお好きな方を選んでヒーローショーを楽しんで欲しい。
 ちなみに、今回テレポートを担った白フェアリーをショーに巻き込む事も可能だ。
 彼女用の配役を思いつくなら割り振っても良いし、ただただ巻き込みたいけど配役が思いつかない——という場合は本人に任せても構わない。
河南・光
あら、事件は解決したみたいね
ま、『神』の関わる案件でも無し、あんまり気が進まなかったからこれはこれで良しね。さー帰ろ……

え、何?やっと見つけたって……
は?愛人役で舞台に出てた猟兵が?
「気になってた脚本も読めましたし、いいねリスも退治できました。これにて一件落着という事で愛人は潔く身を引かせていただきます」って言ってどっか行っちゃった?!
いやそれ私じゃないから!人違い!

いや、そんな「今更愛人役が居ないと困る」とか言われても……
はぁ
……で?その愛人ってどんな役なワケ?
言っとくけどどうなっても知らないから
……ふんふん、要は丁寧語で何かそれっぽい事やればいいわけね
で、遺産争い?OKやってみましょ



●舞台袖の攻防
 さて。
「あら、事件は解決したみたいね」
 舞台袖に潜り込んで、大道具が設営されていく様子をこっそり覗き見ているのは、河南・光(神殺し・f12216)。
 上品そうな黒髪と意思の強い紫の瞳が可愛らしい、UDCメカニックの少女。
「ま、『神』の関わる案件でも無し、あんまり気が進まなかったからこれはこれで良しね。さー帰ろ……」
 邪神案件でなければ気分が乗らないと踵を返す光だが。
「あ、キミキミ! やっと見つけたよー」
「え、何?」
 ナカイインジャーの脚本家に呼び止められ、帰るタイミングを失った。
「いいねリスの愛人役、大事な役だから急に降りると言われても困るんだよねー。猟兵さんの希望は聞いてあげたいけどもさ」
「……は?? 愛人役で舞台に出てた猟兵が?」
 脚本家の要領を得ない説明を聞いて、光の胸が早鐘を打つ。
(「見間違えるほど私にそっくりな猟兵って、まさか——」)
 だが、とかく押しの強い脚本家は、光を感傷に浸る余裕すら与えず捲し立ててきた。
 彼の説明によると、さっきまでいいねリスの愛人役をしていた猟兵は、
『気になってた脚本も読めましたし、いいねリスも退治できました。これにて一件落着という事で愛人は潔く身を引かせていただきます』
 そんな手紙だけを置いてさっさと帰ってしまったらしい。
「いやそれ私じゃないから! 人違い!」
「今更愛人役が居ないと困るんだよー!」
「いや、そんなこと言われても……はぁ」
 妙な押し問答に疲れ果てた光は、これなら舞台に立った方が早いと、諦めの境地で愛人役を引き受ける。
「……で? その愛人ってどんな役なワケ? 言っとくけどどうなっても知らないから」
「あああありがとう助かるよー! 今日からキミは愛人役二号だ!」
「ややこしいわ!」
 ズビシッと鋭いツッコミを入れつつ、光は衣装に着替える間、脚本家から即興劇についてレクチャーを受けた。
「……ふんふん、要は丁寧語で何かそれっぽい事やればいいわけね」
 横髪をくるくると弄びつつ、自信ありそうな笑みを浮かべる光。
「で、テーマは遺産争いね? OKやってみましょ」
 『いいねリスの遺産争い』、いざ、開演。

成功 🔵​🔵​🔴​

涼風・穹
(スーツに眼鏡といういかにもな勤め人風の格好で登場)
すいませ~ん
税務署"の方から"来ました
遺産の相続人の方は相続税の支払いをお願いします
それと、遺産を相続する場合、もし故人に借金があればそちらも肩代わりする必要がありますね
他に、もし故人に隠し子でもいれば相続権が…

まあそんな感じで相続問題に面倒ごとを追加しておきます
そして『贋作者』で遺産の偽物を作成して本物とすり替えます
こういう場合は造りが粗くていかにも偽物っぽい方が分かり易くて舞台映えするだろうしな
そして適当なタイミングで黒マントに仮面を着けた怪盗としての本性を現し、本物の遺産を頂戴します
諸君らの幸せの為にはこのようなものは無い方が良いのだよ


八幡・茜
わくわくが止まらないわね!

ピオニーさんの愛の告白を受けて
性欲リスにあんなもふもふや、そんなもふもふをされて穢れた、私のもふもふでも愛してくれるの?
と泣き崩れようかしら

それからなんやかんやで立ち直って、真実の愛に目覚めたスーパーもふきゅあに変身よ! 何も変わらないけど!
これが、最後の変身!
みんなー! この美人のおねーさんたちにみんなの愛もちょうだいー! って観客も煽るとしましょう

力が漲る。これが、真実の愛……なのね! はっ?! 真実の愛に気づくことこそがリスの遺産……そう、あの人は大切なものを残して逝ってくれたのね……
姑さんも、嫁さんも、旦那さんもカオス軍団の人たちも、みんなで愛を叫びましょう!


ピオニー・アルムガルト
引き続き八幡・茜さんと参加だ!

物語のゴールがまだ遠いのは気のせいかしら…まあいいか、せっかく加速したのにアクセルを緩める道理はないわよね!

リスを倒した後をチャンスと見てここで一大告白!
実は私は茜さんの事を愛していた。愛していたからこそ長い間コンビを組みいい大人にもなるのに魔法少女をやって来れたの…!
穢れている?茜さんのもふもふだから良いんじゃない!!私のもふもふも愛して欲しいの!!
泣き崩れる茜さんを立ち上がらせ、2人、リスの残した遺産――真実の愛への戦いに挑むのであった…『ふたりはもふっきゅあ!!』。
良いわね…超感動大作よ!愛を叫び気持ちの限り観客に精一杯手を振りましょう!!


アリシア・マクリントック
いいねリスの遺産……閃きました。いいねリスを生み出す技術こそ、その遺産だったのです。
その技術の研究を進めれば世界を愛で満たせる……そんな感じでどうでしょうか。

「闇のいいねリスは独りよがりな愛を押し付ける失敗作でしたが、光のいいねリスであれば真の愛を伝えることができます!」
マリアといいねリスが仲良くじゃれあっている姿を見せて、言葉や種族を越えた真実の愛をアピールしましょう。
「……ですが、私とこの子だけでは世界中を愛で満たすことは叶いません。」
「研究を引き継いで、この子の仲間を増やす手伝いをしていただけないでしょうか。」



●開演
 ——いいねリスの遺産、それは『ト』。
 見た目は白いハート型の宝石だが、人の体温に数秒触れるだけで鮮やかな赤色に姿を変える性質を持っていた。
「物語のゴールがまだ遠いのは気のせいかしら……」
 ピオニー・アルムガルトは、今までの展開や現在流れているナレーションのぶっ飛びぷりに正直な感想を洩らす。
「まあいいか、せっかく加速したのにアクセルを緩める道理はないわよね!」
「うんうん、わくわくが止まらないわね!」
 それでも八幡・茜と楽しそうに語り合う様は、役柄を超えて名実共に相棒となりつつあるようだ。
 その傍らでは。
「いいねリスの遺産……閃きました。いいねリスを生み出す技術こそ、その遺産だったのです」
 と、アリシア・マクリントックが『ト』の詳細な設定を考えていた。
「いいねリスを生み出す技術——なんか色んな意味で凄そうですね。ハウツー本?」
 女の子侍らせる為に研究所逃げ出したぐらいだし——光がいささかズレたツッコみを見舞う。
「それに、旦那様がお亡くなりになってからご懐妊発覚とかもよく2時間サスペンスで見ますから、いいねリスを生み出す遺産ってますます意味深長な」
「いいねリスが遺した技術の研究を進めれば世界を愛で満たせる……そんな感じでどうでしょうか」
 真面目なアリシアがトの有用性を、ますます誤解を深める光へ伝えたところで、いざ開幕。
 本妻と相方は舞台へ上がると、まるで最重要アイテムを見つけた冒険者のように驚きを全身で表現してみせた。
「こ、これがいいねリスの遺産……!」
「なんて神々しい宝石なの……!」
 早々にクライマックスまでテンション爆上げする魔法少女達。
「闇のいいねリスは独りよがりな愛を押し付ける失敗作でしたが、光のいいねリスであれば真の愛を伝えることができます!」
 一方、懸命に『光のいいねリス』こそトの所持者に相応しいと訴えるのはアリシア。
 側では狼のマリアと『光のいいねリス』が、大層仲良くじゃれあっている。
 言葉や種族を越えた真実の愛を観客へアピールするに相応しい光景だった。
「……ですが、私とこの子だけでは世界中を愛で満たすことは叶いません」
 アリシアは『光のいいねリス』を背中からそっと抱きしめ、言葉を紡ぐ。
「どうか、研究を引き継いで——」
 その時。
 ぴんぽーん。
 チャイムが誰かの到来を告げた。
「すいませ~ん」
「は〜い」
 光が玄関へ急ぐ。
「どちら様でしょうか……?」
 パリッとしたスーツに身を包み眼鏡をかけた、いかにも勤め人風な格好で登場したのは、涼風・穹。
「税務署『の方から』来ました」
 これはこれでいかにもな詐欺師が使う詭弁だったりするが、興奮の最中にいるいいねリス遺族達は気づかない。
「遺産の相続人の方は相続税の支払いをお願いします」
「そうぞくぜい……?」
 それどころか、穹から聞かされて初めて、相続税の存在に思い至った。
 遺産相続とは決してプラスな面ばかりではないのだ。
「それと、遺産を相続する場合、もし故人に借金があればそちらも肩代わりする必要がありますね」
 遺産相続とは決してプラスな面ばかりではないのだ。大事な事なので2回言いました。
「嫌だ、借金あったらどうしましょう! 愛人ってお金かかるって言うし!」
「あらご挨拶ですねー! 奥様こそ自分磨きに幾らお使いになりました?」
 またも険悪になる本妻と愛人。
「他に、もし故人に隠し子でもいれば相続権が……」
 あくまでも事務的な物言いながら、次々と相続問題へ面倒ごとを追加していく穹の手際の良さは華麗ですらあった。
「いいねリスに隠し子!?」
 茜と光、ピオニー、アリシアが互いに探るような視線を交わしてから、何故か最後は『光のいいねリス』を見やる。
 女達が疑心暗鬼に陥る中、とうとう穹が密やかに——実際は観客の誰もが気づくよう大胆に——行動を起こす。
 『贋作者』を用いて作り上げた遺産の偽物を、本物と摩り替えたのだ。
(「こういう場合は造りが粗くていかにも偽物っぽい方が、分かり易くて舞台映えするだろうしな」)
 と、演者自ら心を砕いて小道具を自作、小細工する辺り、良い演出家な穹である。
「きゃぁぁ、ハートが青色に!」
 摩り替えに気づいた光が悲鳴をあげる。
 すると、穹は黒マントと仮面を着けた判り易い怪盗ルックになって本性を現し、本物の遺産をまんまとせしめた。
「諸君らの幸せの為にはこのようなものは無い方が良いのだよ 」
 高笑いして去っていく穹。意外とキザなセリフも似合うものである。
「どうしよう、ピオニーさん! 早く取り戻さなきゃ!」
 怪盗にまんまとしてやられて、慌てる茜だが。
「もう、いいじゃない。茜さん」
「え……?」
 彼女の肩を背後からぐっと掴んだピオニーは、何故か冷静だった。
「どうして! いいねリスが増えれば世界は愛ともふもふで満たされ……」
「愛してるのっ!」
 ピオニーが声を振り絞って叫べば、虚をつかれたかのように茜は言葉を失った。
「え……?」
「ずっと前から茜さんの事を愛してたわ。愛していたからこそ長い間コンビを組み、いい大人にもなるのに魔法少女をやって来れたの……!」
 何だか別の意味で胸が痛くなる告白を受けて、思わずはらはらと涙を流す茜。
「ピオニーさん……もう、遅いわ」
 そのままがくりと膝をついて泣き崩れた。
「私は、あの性欲リスにあんなもふもふやそんなもふもふをされて、すっかり穢れてしまったのよ……!」
「そこまで穢されてなくない?」
 すっかり傍観者な光がツッコむ。
「穢れている? そんなの関係ないわ! 茜さんのもふもふだから良いんじゃない!!」
 泣きじゃくる茜の手を取り立ち上がらせて、ピオニーも叫ぶ。
「こんな私でもいいの? 穢れた私のもふもふでも愛してくれるの?」
「もちろんよ! 私のもふもふも愛して欲しいの!!」
 美女2人が抱き締め合う感動的な場面を目にして、観客達も沸き立つ。
 ——ついに真実の愛へ目覚めた2人は、新たな未来を切り拓くため、最後の変身に懸ける。
「みんなー! この美人のおねーさんたちにみんなの愛もちょうだいー!」
 茜とピオニーが客席へ向かって手を振れば、観客達は割れんばかりの歓声で応えてくれた。
「変身! スーパーもふきゅあ!!」
 背中合わせの変身ポーズにも自然と力が入る2人。
「力が漲る。これが、真実の愛……なのね!」
 晴れやかな笑顔になった茜へスポットライトが当たる。
「はっ?! 真実の愛に気づくことこそがいいねリスの遺産……そう、あの人は本当に大切なものを残して逝ってくれたのね……」
 ふっと怪盗の去り際の言葉が蘇る。
『諸君らの幸せの為にはこのようなものは無い方が良いのだよ 』
 ——そう、これはいいねリスに骨抜きにされて愛人と修羅場まで繰り広げていたレッドフォックスが、ブラックウルフの真実の愛に気づいて手を取り合う物語。
 今こそ2人は、人生という大いなる戦いへ挑むのであった。
 『ふたりはもふっきゅあ!!』完。
「良いわね……超感動大作よ!」
 終幕時、観客へ手を振りながら、内心感動に打ち震えるピオニー。
「さあ、姑さんも、お嫁さんも、旦那さんもオリュンポスの人たちも、みんなで愛を叫びましょう!」
 演者を促す茜も即興劇が成功して嬉しそうだ。
 ここで、舞台は暗転する。
「待ってください!」
 波止場。今にも飛び立とうとする穹を、シルクワンピースを風に靡かせたアリシアが引き止める。
「お願いです、怪盗さん……『ト』はただの宝石ではありません」
「……」
「『ト』に秘められた技術を引き継いで、この子の仲間を増やす手伝いをしていただけないでしょうか」
 涙声になるアリシアの方を振り返る事もなく、穹は短く告げた。
「俺は金になる芸術品にしか興味はない」
「そんな……!」
 穹がパッと飛び上がり、天から垂れ下がる縄梯子を掴む。
「だから死蔵はさせない」
 プロペラ機らしき音響が大きくなる中、確かに怪盗の声がアリシアの耳を打った。
「ありがとう……!」
 いつか、その時がくれば、世界は愛で満たされるのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
「うっわー、結婚なんてするもんじゃないっすねー」
とか、思っちゃうっすけど、それじゃ子供の教育には良くないっすね

とりあえず、展開がグダグダしてきたら旦那さんに憑依する。
「男なら、黙って仕事。マスターハズバンド」
寡黙に仕事をする一家の大黒柱をイメージしたヒーローを演じる
「すまない、二郷君。私には愛する家族がいる。守るべき家庭がある。気の想いには応えられない」
ストーカーを撃退したり、広がり過ぎた風呂敷をまとめる役目に。で、仮面を取ったら家庭のことに口出ししない夫に戻る
『家では何もしていないように見えるお父さんも、家庭を守るために奮闘しているのだ』
無茶な展開になればなるほどジャスティス・ペインが輝く



●同時公演、嫁姑戦隊ナカイインジャー
「うっわー、結婚なんてするもんじゃないっすねー」
 リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は、ついつい本音をぽろっと洩らしたが、
「それじゃ子供の教育には良くないっすね」
 珍しく真面目に思い直して、ヒーローショー『嫁姑戦隊ナカイインジャー』へ参戦する。
 本体がヒーローマスクであるリカルドは、ストーカーから襲撃された旦那の背後へ、依り代の肉体を借りて接近。
 そして、ひょいと旦那の頭上から顔面へダイブ、憑依に成功した。
「すまない、二郷君。私には愛する家族がいる。守るべき家庭がある。君の想いには応えられない」
 どことなくキリッとした雰囲気の仮面を被った旦那の口を借りて、リカルドが喋る。
「あなた!」
「さすがうちの永雄だわ! これからも夜芽さんを大事にするのよ!」
 ストーカーを撃退した旦那を見て、お嫁さんもお姑さんも大感激。
「そんな! 酷いわ永雄さん!!」
 二郷は泣きながら玄関を飛び出していく。
「お隣のいいねリスさん宅は、愛人を作る甲斐性があって、お亡くなりになった後もご遺族が争ったり隠し子疑惑が生まれたり怪盗が狙ったりするぐらいお金持ちらしいのに! 永雄さんの意気地なしー!」
 最後に、事実ながらカオスな捨て台詞を残して。
「へ~ぇ、そんなにお金持ちになってたの。あのいいねリス」
「お義母様、お義母様と永雄さんは悪の組織の元構成員なのでしょ? いいねリスの家族みたいなものじゃないですか、取り分無いんですか?」
「そうね、上層部にかけ合ってみましょうか」
 何故か、それを聞いた嫁姑が無茶苦茶な論理で結託し、目を輝かせるも、そんな事ぐらいでリカルドは動じない。
「男なら、黙って仕事。マスターハズバンド」
 安心して仮面を取れば、家庭の事には口出しせずひたすら寡黙に仕事をする一家の大黒柱に戻る。それだけだ。
『家では何もしていないように見えるお父さんも、家庭を守るために奮闘しているのだ』
 ナレーションが良い感じに旦那を持ち上げて、『嫁姑戦隊ナカイインジャー』完。
 元よりだらしがなくて女好きなリカルドが、演技とはいえ真面目に家族を大切にする良いお父さんとして振る舞ったのだ。
 それが困っている人を見捨てられない性格故の行動だっただけに、彼の肉体はジャスティス・ペインによってバッチリ強化されている事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日
宿敵 『いいねリス』 を撃破!


挿絵イラスト