エンパイアウォー⑨~灼熱のニャーニャーニャー
●灼熱の山陽道
「さぁさどんどん熱くなれニャ」
『富士の噴火のエネルギーを蓄えた霊玉』を持つオブリビオン『猫又』たちが、儀式を行っている。
これらは、侵略渡来人・コルテスが長州藩士を生贄にして、骸の海から呼び寄せたオブリビオンたちだ。
「ふう、ずいぶん熱くなってきたニャ」
「何か楽しいニャ。とにかく、もっともっと熱くするニャ」
猫又たちの言うように、山陽道はかなり気温が上昇している。
現在35度を超えており、この様子ではまだまだ気温が上昇してしまうだろう。
「そうそう、南米原産の風土病も撒き散らすニャ」
「ニャニャニャ、楽しそうニャ!」
オブリビオンたちは、実に楽し気に、儀式にいそしんだ。
●灼熱のニャーニャーニャー
「酷いよ……」
いつになく険しい表情でルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は説明を始めた。
「幕府軍が関ヶ原に集結したのは、みんな知ってるかな?」
幕府軍は、関ヶ原で幕府軍を待ち受ける信長軍を突破し、さらに山陽道、山陰道、南海道の3手に別れて進軍することになると言うことだ。
ところが、である。
「侵略渡来人・コルテスは長州藩の毛利一族を手駒にして、たくさんのオブリビオンを生み出したようなんだよ」
そうやって、幕府軍の迎撃準備を整えているのだ。
「その作戦は、山陽道周辺の気温を極限まで上昇させて、進軍してくる幕府軍を、熱波によって茹で殺す……んだって。あんまりだよね。ひどすぎる作戦だよ」
現在、山陽道の平均気温は夜間でも35度を超えており、このままいけば平均気温が50度を超える殺人的な暑さとなるだろう。
「それに、その上だよ? 『南米原産の風土病』を蔓延させて、幕府軍に死を撒き散らすんだって」
このような非道な作戦を見過ごすことはできない。
もし敵の作戦を阻止できなければ、幕府軍に多大な被害が出てしまう。
「風土病は、高温じゃなきゃ死滅するんだって。だから、熱波を生み出しているオブリビオンを撃破出来たら、一緒に阻止できるんだよ」
今回ルビナが予知したのは、山陽道で儀式を行う猫又達だ。
猫又達は富士の噴火のエネルギーを蓄えた霊玉を使用して儀式を行っている。
「だから、集団で儀式を行っている猫又達をやっつけて、霊玉を砕いてきて!」
ルビナが祈るように猟兵たちを見た。
「みんななら、きっと大丈夫。お願い! 熱波地獄を阻止して!」
そう言って、説明を終えた。
陵かなめ
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
⑨コルテスによって熱波地獄となった山陽道を助けに行きましょう。
オープニングが公開された時点からプレイングを受け付けますので、よろしくお願いします。
それでは、プレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『猫又』
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POW : バリバリ引っ掻くニャ
【両手の鋭い爪による引っ掻き攻撃】が命中した対象を切断する。
SPD : 猫の本領発揮なのニャ
【両手を地に付ける】事で【四足の型・高速戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : これが猫又の妖術なのニャ
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
イラスト:風鈴
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
月夜・玲
あっつい……あーつーいー
いやもう、シンプルにきっつい作戦だね……
それだけでもキツいのに風土病の追撃もあるとか、何というか相手を殲滅する事に手馴れてるって感じがするね
コルテス……か厄介な敵だね
とりあえず、こいつ等を早く倒してなんとかしないとね
●戦闘
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜剣
両剣にエネルギーをチャージしながら近接攻撃
敵を多く引き付けるように少し隙も見せながら、敵の攻撃は『武器受け』したり『オーラ防御』で直撃を避けていこう
ある程度敵が集まってきたら、【エナジー開放】を使用
両剣に溜まったエネルギーを開放して、2剣による『2回攻撃』で一気に焼き尽くしてあげる!
アドリブ等歓迎
フローリアン・ロイス
というか、既に充分暑い。
灼熱の気温とか風土病とか、一息に殺す、みたいなのも怖いけどさ、
倒すのが早ければ、涼しくなるのも早いかも知れないでしょ。
(それとも一瞬で元の気温に戻るのかな?)
軍の体力の消耗を防ぐ為に、張り切らないとね。
猫又たちは傭兵が現れたら、戦い優先だろうか。
それなら、儀式を中断できて好都合。
戦う中で、霊玉にちょっと小石を投げたり、剣先で突いたりしたら
猫又たち、慌ててくれないかな。
あくまで儀式優先なら、まあ、集まってるところを纏めて攻撃するだけだね。
そんなわけで、基本、剣やマントでフェイント掛けつつ、複数の猫又を巻き込むようにUC攻撃。
霊玉持ち逃げしそうな猫又が居ないか注意しとくね。
駒鳥・了
ちょおおお
念のために水着で来たけどそれでもあっっつい!
こりゃお侍さんたち蒸し焼きになっちゃうじゃん
やーもう細かい事はナシ!
一刻も早く涼しくするため
オレちゃんことアキで成敗するんだよ!
スピードは得意だけど今回はまずは止める!
鈴の音と第六感と気配を頼りに動きを読む!
そして属性攻撃として薄い氷の刃を投擲!
動きの鈍化を狙うよ
そして日本刀で切り込み!
止められたらUCでオレちゃんもう一人追加して連携!
残像でもっと増えちゃうもんね
って流石に早いな!
敵の正面捉えたら属性攻撃の風を思いっきり叩き込む!
これで相棒が上手く斬ってくれるでしょ
連携アドリブ歓迎なんだよ!
終わったら海でも入りたいよ!
このへんにあったっけ?
ケイラ・ローク
戦争屋さんが戦うのも死ぬのも稼業だから仕方ない時もあるかもしれないけど…
あ、エンパイアには戦争屋はいないんだっけ
とにかく悪者一人の為にエンパイアに住んでる人が被害こうむるなんて、しかもナンベイの病気撒くとかホント最悪過ぎ!
その手先がよりによって猫又…ねこまたキマイラとしてはやるせないよ
UCガキチマイラで左手と尻尾の先を変化させ食いつかせる
右手はダガーで攻撃
儀式に集中してるタイミングを狙って不意打ちしたいけど失敗厳禁、そこは居合わせた猟兵さんと合わせるね
猫又にも霊玉にも大暴れするつもりで攻撃
親でも子でも死んだら悲しいのよ!
あたし達みたいな孤児が増えるのはいやなの!
こんな儀式ぶっ壊してやるんだわ!
●灼熱の山陽道
現場の山陽道周辺は、聞いていた通りとても暑かった。これが儀式により更に気温が上昇すると言うのだからたまらない。
「というか、既に充分暑い」
フローリアン・ロイス(導き給え・f17729)はパタパタと手で胸元を扇ぎながら周辺を見た。
「あっつい……あーつーいー」
「ちょおおお、あっっつい!」
月夜・玲(頂の探究者・f01605)と駒鳥・了(I, said the Rook・f17343)も表情を曇らせ、よどんだ瞳を覗かせる。今この段階でも、気分の沈む暑さだ。これがさらに上昇するとなると……。
「こりゃお侍さんたち蒸し焼きになっちゃうじゃん」
水着姿の了が首をぶんぶんと振った。
「やーもう細かい事はナシ! 一刻も早く涼しくするため、オレちゃんことアキで成敗するんだよ!」
その意見には、猟兵たち皆が賛成する。
「とにかく悪者一人の為にエンパイアに住んでる人が被害こうむるなんて、しかもナンベイの病気撒くとかホント最悪過ぎ!」
ケイラ・ローク(トパーズとアメジスト・f18523)は眉をひそめてそう言った。しかも、その手先がよりによって猫又だというからやるせない。ねこまたのキマイラとしては放っておけない事件だ。
玲も神妙に頷く。この暑さは、シンプルにきつい作戦だと思う。それだけでも辛いのに、風土病の追撃もあると言うのだからたまらないのだ。
「何というか相手を殲滅する事に手馴れてるって感じがするね」
この作戦元は侵略渡来人・コルテスとのこと。
「コルテス……か厄介な敵だね」
考えるように、玲がぽつりと呟く。
「まあまあ、灼熱の気温とか風土病とか、一息に殺す、みたいなのも怖いけどさ、倒すのが早ければ、涼しくなるのも早いかも知れないでしょ」
気持ちを切り替えるようにフローリアンが皆に言った。
「軍の体力の消耗を防ぐ為に、張り切らないとね」
ともあれ、まずは儀式を止めること。目の前の猫又達を何とかしなければならない。
猟兵たちは儀式を行う猫又達へと走り出した。
●初撃
「さぁさどんどん熱くなれニャ」
山陽道では、猫又達が儀式を執り行っていた。
「儀式に集中してる、不意打ちできるかな?」
ケイラがユーベルコードを構えながら仲間を見る。
猫又達はまだ猟兵の接近に気づいていない。
フローリアンが剣を構えた。
「こちらに気づいてからは戦いを優先するかもしれないけど、今踏み込んだらまとめて攻撃できそうだよ」
今なら一気に踏み込んで、こちらに有利に戦えそうだ。
頷いたケイラが一気に加速する。
ガチキマイラを発動し左手をライオンの頭部に変形させると、敵の儀式のど真ん中に飛び出して一匹の猫又に食いつかせた。
「ニャニャニャ!」
手元で猫又が暴れ狂う。だが放さない。食いついた個所から生命力を吸い取り排除する。
「まずは一太刀だね。さて、これで儀式を中断するかな?」
続けてフローリアンがひらり敵の前に躍り出て、剣を使い敵に斬りかかった。
「ニャ! 誰ニャ?!」
猫又達がようやく一斉に振り返る。
しかし敵が行動を起こす前に、玲もその渦中へと身を投じた。
黒剣《RE》IncarnationとフォースセイバーBlue Birdを抜剣し、両手を大きく動かしながら剣を振るう。
「私たちが誰か気になるのかな? そんな暇はないと思うよ」
言いながら《RE》Incarnationで近くの猫又の体を斬りつけた。ザクリと敵を斬る感触が手に伝わってくる。
「んニャ?! 危ないニャ!」
猫又達がようやく襲撃を理解し、散り散りに跳ぼうと地面を蹴った。
「おっと、オレちゃんから逃げられると思うなよ!」
了の中の人格アキがその気配に気づき、薄い氷の刃を投擲する。
「ニャニャ?!」
刃を避けるように数体の猫又が急ブレーキをかけた。そこに、日本刀で切り込みに行く。
逃げ場を失った猫又達が、ニャーニャーと鳴いて頭を抱えた。
「そこ、動きが止まってるじゃん」
アキが日本刀を一閃。
一体の猫又が真っ二つに斬り裂かれた。
儀式の中央に霊玉を抱える猫又が一体。他、儀式で集まっていた猫又達がバラバラになって唸り声をあげる。
初撃は成功した。儀式は中断され、敵にある程度のダメージを負わせることができたのだ。
――残る猫又達を撃破し、霊玉を破壊する。
目標を確認し、猟兵たちは休むことなく敵に向かって行った。
●儀式崩壊
手元には徐々にエネルギーが蓄積されていく二つの剣。玲は両剣を巧みに操りながら、エネルギーをチャージし続けていた。
周辺には数体の敵の姿がある。
「猫の本領発揮なのニャ」
両手を地に付け猛スピードで攻撃を仕掛けてくる敵を見て、玲は剣を繰った。最初の攻撃を剣で受け流し、次に来た鋭い爪をオーラで防御する。決して敵の攻撃を直撃させない。都度、敵の攻撃をうまく捌きながら、戦場を駆けた。
「そろそろ頃合いだね」
そして玲の声が響く。手にしている両剣に、十分なエネルギーが満ちたのだ。
「ニャ?」
猫又が首を傾げる。
「エネルギー解放、広域放射!」
瞬間、手にした二つの剣が莫大なエネルギーを放出した。
ユーベルコード・エナジー開放発動。
両剣に蓄積したエネルギーを一斉に解き放ったのだ。
向かってきた猫又はもちろん、周辺にいる敵にも高威力のエネルギーを浴びせかける。一筋のエネルギーが地表を焼いた。猫又達はそれを見て、右往左往しながら逃げ惑う。
「逃がさないよ、一気に焼き尽くしてあげる!」
玲の両剣から放出されるエネルギー量がさらに増え、猫又達に襲い掛かった。エネルギーは敵の体を貫き、ことごとく焼き尽くす。2体、3体と、エネルギーの熱に焼かれ敵が消えていった。
ひらひらとマントをはためかせ、フローリアンは敵の只中を走り抜ける。
「逃がさないニャ! すぐやっつけるニャ!」
「そうニャ! そうニャ!」
複数の敵が自信満々で追いかけてきた。
対するフローリアンは、剣でけん制し、時にマントでフェイントをかけ、敵を翻弄する。
そして――。
「《光》よ、我が内と剣より来たれ」
そろそろかと、詠唱を開始する。
「瞳の虹を映し、世界にも虹を蒔け。蒔かれた虹は花弁となれ」
自分に攻撃を仕掛けてくる敵の位置を見ながら、ユーベルコード・舞い裂け、虹を発動させた。
「我が敵を裂いて舞え」
装備武器を無数の魔力で出来た虹の花びらに変え、周辺の敵に向かって攻撃を仕掛ける。フローリアンを狙っていた猫又達は、全て射程圏内に捉えた。
無数の花びらが舞い、敵の体を斬り刻んでいく。
「ニャ! 痛いニャ! に、逃げられないニャ!」
あっという間に虹の花びらに囲まれ、攻撃から逃れられない猫又達が悲鳴を上げ消えていった。
敵は猛然と地面を蹴り、勢いを増して襲い掛かって来る。その速度は確かに速かった。
だが、目で追えないほどではない。
薄い氷の刃を準備し、アキは感覚を研ぎ澄ませた。敵の飾り鈴の音、自らの第六感、そして敵が走る気配。すべてを感じながら、一点を狙う。
「ここだよ!」
敵が進もうとする、ほんのわずかな先を見極め氷の刃を投擲した。
「ニャ?!」
走り続けていた猫又が一瞬速度を落とす。
その瞬間、オルタナティブ・ダブルを発動させた。
「オレちゃんもう一人追加するもんね!」
「よう、相棒! よろしく頼むな!」
アキたちは片手で軽くハイタッチしてから、ぐんと走るスピードを上げる。
一人は敵の正面に出て、風の属性攻撃を叩き込んだ。
「ニャ?! ま、前が見えないニャ!」
「飛ばされちゃうニャ!」
周辺に居た猫又達が顔をかばうように防御の姿勢を取る。
完全に敵の足が止まった、この瞬間だ。
オルタナティブ・ダブルで現れたもう一人のアキが敵の体を斬り捨てた。
「よし! やったね!」
二人のアキは握った拳を軽くぶつけ合って、成功を喜んだ。
儀式を行っていた猫又達は、猟兵たちの手により壊滅間近だった。
「ニャニャニャ! この儀式を邪魔するなんて酷いニャ!」
霊玉を護る猫又がブーブーと口をとがらせる。
それを見たケイラは声を上げた。
「親でも子でも死んだら悲しいのよ!」
ライオンの頭部に変形させた左手を振り上げ、猛然と敵に襲い掛かる。
「あたし達みたいな孤児が増えるのはいやなの!」
「知ったことかニャ!」
猫又は何とかその攻撃から逃れようと、霊玉を抱え走り出した。
「逃げられると思ったかい?」
それを見たフローリアンが花びらを飛ばして援護する。玲と了も、敵を逃がさぬよう位置を取った。
「ニャ?!」
猫又が行く先を失ってたたらを踏む。
ケイラは再び左手を構え、敵の懐に飛び込んだ。
「こんな儀式ぶっ壊してやるんだわ!」
ライオンの頭部が大きく口を開けて敵の体に食らいつき、生命力を奪っていく。
「ニャ……ニャ……」
勢いを無くした敵の腕の中、霊玉が見えた。
「これも、壊すよ!」
ケイラが右手に握り締めたダガーを振り上げる。
そして、霊玉めがけて勢いよく振り下ろした。ダガーの切っ先が突き刺さり、その勢いで霊玉を砕く。
腕の中の敵は力を失い消滅した。
崩れた霊玉が地面に落ちる。
最後の欠片も残さぬよう、ケイラは霊玉を踏み砕いた。
「あー、あっっっつかった! 海でも入りたいよ!」
了がサングラスに手をかけ周辺を見回す。
「このへんにあったっけ?」
涼める海が近くにあるといいけれど――。
ともあれ、猟兵たちは敵の儀式を見事阻止した。
大成功
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