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エンパイアウォー⑦~紫電を纏う藤の壁

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●その名は軍神車懸かりの陣
 関ヶ原では、軍神の用意した陣が張られていた。上杉謙信を中心に成すその陣形は、軍神の異名をとる上杉謙信だからこそ可能にした『超防御型攻撃陣形』だ。
 この陣形を崩さない限り、上杉謙信を打ち倒すことは出来ない。この戦いが長引けば、幕府軍の損害は想像に難くないだろう。

●グリモアベース
「……というわけで、皆サンにはこの軍神車懸かりの陣を構成するオブリビオンの一群の撃破をお願いしたいっす」
 花房・英(サイボーグのグールドライバー・f18794)は、適当な切り出しで気だるげに説明を始めた。
「上杉謙信率いる上杉軍精鋭部隊が、関ヶ原で幕府軍を蹂躙しようとしようとしてるのは、ご存じの通りっす。軍神車懸かりの陣は、上杉謙信を中心に、オブリビオンが円陣を組んで敵陣に突入」
 グローブをはめた手で、ついと中空をなぞり陣形を映し出す。
「そうっすね……こう、風車みたいな感じで回転しながら、最前線の兵士をぐるぐる交代させる陣形っす。上杉謙信がずば抜けた統率力を持つからこそ、実現できた陣形っすね。こっちとしては、常に万全の上杉軍と戦わなきゃならないのに、あっちは充分な回復とバフの時間を得ることができるんだから、チートみたいなもんだよな……」
 映し出した陣形を、説明に合わせて動かしながら、英はため息を零す。
「最初に話した通り、皆サンには最前線のオブリビオンの撃破をお願いするっす。あっちは陣形の効果で、最高のコンディションで襲いかかってくるから。並大抵の攻撃じゃ耐えきった上で回復されるんで、そのつもりで」
 淡々と、英の説明は続く。段々、話すのが怠くなってきたのかぞんざいな物言いになっている。
「成功のポイントは、敵の防御を撃ち抜くような大ダメージの攻撃で、一体ずつ確実に撃破してくこと。なんで、一人で複数相手にせず、一体を確実に仕留めてもらう感じで。一撃で撃破できなかった場合は、回復する前に連携攻撃なりなんなりで撃破できないと、元の木阿弥になるかもしれないんで」
 そこまで話しきり、英は展開していた映像を消す。
「あと、使うユーベルコードによっては、守りが鉄壁になる相手なんで注意して。まぁ、皆サンなら大丈夫っすよね。それじゃ、転送するんで準備出来た人から前にどうぞ」
 雑な案内だが、仕事はきっちりするつもりなのだろう。その声音は、真剣そのものであった。


105
●ご案内
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●ご挨拶
 105と申します。
 よろしくお願いいたします。

●特殊ルール
 軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
 つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。

●プレイング
 オープニング公開から、受け付けます。
 シナリオの性質上、~6名様程度のご案内となる見込みです。
 ご参加、お待ちしております!
68




第1章 集団戦 『荒ぶるカマシシ』

POW   :    アオの寒立ち
全身を【覆う和毛を硬質の毛皮】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    神鳴り
自身に【紫電】をまとい、高速移動と【電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    影より出づる藤波
【自身の影】から【召喚した藤の花】を放ち、【絡みつく蔓】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:笠見諒

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●軍神車懸かりの陣
 関ヶ原の合戦場は、中央に上杉謙信を据えて風車状に陣を引く上杉謙信軍と猟兵たちとがぶつかり合っていた。たくさんのオブリビオンが陣形を動かしながら、猟兵と対峙している。

 バチリと爆ぜる紫電を放つカマシシもまた、猟兵たちと対峙しているのであった。じゃり、と蹄が地面を踏みしめる音がする。それが、合戦開始の合図となった。
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
【POW】判定

【アブソリュート・ペネトレイション】で超巨大ドリルアームを生み出し、カッチカチなカマシシを【串刺し】にしてやるぜ!
超防御力と陣形効果で貫くのはかなり厳しいかもしれねぇが…気にせず【怪力】でどんどん押し込みまくって、陣形の外側まで押し出すぜ!

外に出しちまえばバフ効果も消えるだろ。後は超全力で貫くだけだ!
無敵の防御で守るつもりだろうが…こっちは無敵の防御をも貫く超無敵のドリルだぜ! 貫かれたくなけりゃ、テメェも【気合い】入れて…耐えてみせろ!




 アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は、紫電を纏うカマシシを前に燃えていた。
「【Select……BUILD ACTION!】無敵だろうが何だろうが……全部ぶち破ってやるぜ!!」
 熱い掛け声とともに彼の手に現れるのは、彼にとってこの世で最強の武器。いかなる防御をも突き破る無敵のドリルアームだ。

「いくぜ、カマシシ!!そのカッチカチのボディを串刺しにしてやるぜ!!」

 地面がめり込むほどの勢いをもって、アーサーは一体のカマシシへと突撃していく。

 熱く燃えていようとも、彼は実に冷静であった。

「(超防御力と陣形効果で貫くのはかなり厳しいかもしれねぇが……)」

 相手の能力を的確に分析していた。だが、それでも彼は戦法を曲げなかった。……実はこの力、疑念が生まれれば一気に弱体化してしまう。それでも彼は相手の装甲など気にせず、怪力でどんどん押し込みまくってやる!と作戦を曲げなかった。そして彼は自身の最強の武器に、最強の己に何の疑いも抱かない。なぜなら、彼はドーンブレイカ――闇をぶち破る光の戦士なのだ。ここで彼が引けば、邪悪なるオブリビオンの魔の手が、何れ力なき人々に迫ってしまうだろう。そんなことはあってはならないことだ。故に、彼は己の力を信じて決して引かぬ。

 激しくカマシシとぶつかり合うアーサーのドリルアーム。滑らかな和毛を硬質の毛皮に変えたカマシシとの間には火花が散る。力と力の勝負だった。しばらくの膠着。自身が全く動けないカマシシの地面が、少しずつ削れてじわじわと押し出されていく。

 そして、あえて繰り返す。彼は実に冷静だった、と。

「……――陣形の外側まで押し出すぜ!」

 無敵の防御で守るつもりなら、無敵の防御をも貫く超無敵のドリルをぶち込むのみ!!
 一度崩れた均衡は、呆気なく崩れてカマシシは土煙を上げながら陣形の外へと押しやられていく。強化の効果を失い、硬質の毛皮が和毛へと戻っていく。

「っし!後は超全力で貫くだけだ!」

 にぃ、とアーサーがマスクの下で笑う。力勝負からの串刺しは一撃必殺。軍配はアーサーに上がったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セルマ・エンフィールド
軍神とやらの方へ向かう他の猟兵のためにも、やるとしましょうか。

あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になる、といえば強そうですが……その実は全く動けない諸刃の剣。
一緒に攻撃するものとの連携や後続が来ることを考えるとずっとその状態ではいられないでしょう。そこを狙います。

まずは敢えて見える程度に純度を落とした【褪せぬ氷晶】で作った氷の槍を飛ばして敵を狙います。
敵の毛皮が硬質になったら見えないほど透き通った氷の刃を作成、敵が無敵状態で『時間稼ぎ』をしている間にこちらも氷の刃を研ぎ澄まし、大きくさせていきます。
敵の毛皮の質感が変わり、硬質でなくなったことを『視力』で確認した瞬間に氷の刃で首を狙い仕留めましょう。




 セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)は、敵陣から距離を取りフィンブルヴェトを背に携えて戦場を見渡す。

「軍神とやらの方へ向かう他の猟兵のためにも、やるとしましょうか」

 一度言葉にして、セルマの双眸は倒すべきカマシシを視界に捕える。

「(あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になる、といえば強そうですが……その実は全く動けない諸刃の剣)」
 ならば。
「一緒に攻撃するものとの連携や後続が来ることを考えるとずっとその状態ではいられないでしょう」
 狙うは、そのタイミング。そう決めて、セルマは掌を空に向けて『褪せぬ氷晶』で氷の槍を生み出していく。

 『褪せぬ氷晶』は本来見えないほどに透き通った氷を作りだし放つ技だが、セルマは敢えて見える程度に純度を落とした氷の槍を作成した。くい、と手首を振れば生み出した氷の槍は、戦場のカマシシ目掛けて真っ直ぐに飛んでいく。
 気配を察知したカマシシは、和毛を硬質の毛皮へと変化させて飛んできた氷の槍を受け止めた。セルマは氷の槍を、折れない程度に手加減してカマシシの毛皮へと押し当て続ける。――まるで力勝負していると思わせるように。数分とも数十分ともとれる時間を、じりじりと押しあう槍とカマシシ。そして、勝負がつく。氷の槍が砕けたのだ。

「……さて、そろそろいいでしょうか」

 そのやり取りを見つめていたセルマが呟いた時。セルマの上空が、太陽の光を受けてきらりと光った。その光は、氷の槍が砕けたのを認めて硬質化した毛皮を和毛へと転じさせたカマシシの首元を狙い、一直線に走る。
 あえて見えるように氷の槍を作りだし、あえて時間を稼ぎ。そうしてセルマは、新しい氷の槍を生み出していたのだ。見えないほどに透き通った氷の槍を!

「うまくいきましたね」

 ドオン、と音を立てて倒れるカマシシを目視で確認。特に感慨に浸るでもなく、セルマは静かに次の獲物へと視線を移した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

岡森・椛
アウラ、頑張ろうね!(ぐぐっと気合いを入れる精霊アウラ

同時に複数の敵を相手にする事は絶対避ける
この固い陣形を撃破する為に各個撃破で確実に倒す

一緒に戦う猟兵の方達としっかり声を掛け合って連携し、攻撃対象を揃えてダメージを分散させない
一撃で倒せない場合は、弱った個体に対して素早く攻撃を重ねて、回復を挟ませずに素早く仕留めていく事を心掛ける

最大限に力を高めた【科戸の風】で攻撃
アウラの力を借りて風車を撃ち壊す程の神の風を吹かせる

影より出づる藤波も、召喚された藤を見逃さず、間髪入れないで突風で押し流す
藤の花は綺麗だけどここで負ける訳にはいかないの
科戸の風で舞い散らせて、迅速に戦場後方へと退場してもらうね


リューイン・ランサード
謙信さんを倒す為、この陣形を打ち破ります。
カマシシさん、お覚悟。

翼を広げて空中から挑みます。

敵の攻撃(絡みつく蔓)には【空中戦、見切り、第六感】で動きを読んで躱し、囲まれそうになればビームシールドによる【盾受け、カウンター】で蔓を焼き払って対処します。

自分の攻撃ではUC:スターランサー発動。
カマシシさんは一撃で倒さないといけません。
なので230本ある光線を一つに束ねて巨大な光の槍と化し、更に【光の属性攻撃、全力魔法、高速詠唱】で強化します。
放つ時は【見切り、第六感、追跡、スナイパー】でカマシシさんの動きを読み、カマシシさんの全身を消滅させるように狙いを付けて発射します。




 普段見せる愛らしく穏やかな顔(かんばせ)も、今は真剣そのもの。岡森・椛(秋望・f08841)は、ぐっと拳を握ると相棒の精霊アウラに声を掛ける。
「アウラ、頑張ろうね!」
 その声に応えるように、精霊アウラもまた、ぐぐっと気合いを入れる。

 椛は、この世界が好きだ。いつかの依頼で見た花嫁行列は、とても素敵だった。桜の巨木に守られた街を守ったこともある。その後に食べたお団子は、やはりとても美味しくて思わず笑顔になった。どちらも守れたことが、嬉しかった。

 そんな世界を、椛は守りたい。

「藤の花は綺麗だけど……ここで負ける訳にはいかないの」

 目の前に現れたカマシシと対峙して、椛は力強く言う。周囲の猟兵の動きにちらりと目を配りながらも、椛は目の前のカマシシをきっと見据える。同時に複数の敵を相手にする事だけは絶対に避けて、各個撃破で確実に倒す。

 ――だから、私の相手はあなた!

「行こう、アウラ!」

 椛の声に、アウラがくるりと回り魔法の杖へと姿を変える。それはぴったりと椛の手に収まる。アウラに気持ちを集中させれば、杖の姿となったアウラが淡く輝き始める。最大限まで力を高めて、アウラが放つのは『科戸の風』――罪や汚れを払う風は、八重雲をも吹き飛ばす勢いをもってカマシシを襲う。カマシシも負けじと、自身の影から藤の花を呼び出してその蔦を椛へと伸ばそうとする。

「させない……っ」

 更に放つ突風は、藤の花を散らし蔦を椛から逸らす。間髪入れずに、二度、三度。風車をも打ち壊す強力な神風は、対峙していたカマシシを吹き飛ばしついに戦線への復帰を阻む。のみならず、結果的に他のカマシシをも吹き飛ばした。

 ――そんな体勢を崩した一体のカマシシに、強烈な光の柱が降り注いだ。

「――いい、風ですね」

 椛が上空を見上げれば、竜の翼を広げた少年の姿がある。静かな眼差しで、地上を見下ろすのはリューイン・ランサード(今はまだ何者でもない・f13950)だ。

「僕も、頑張らなくては」

 戦いはあまり好きではない。初めての実戦の事が、やはり時には頭を過る。それでも、穏やかに凪いだ藍色の瞳を一度戦場を見渡すように動かして。それから、一番手近なカマシシへと視線を落とす。バチリ、とカマシシと視線がぶつかった。

「謙信さんを倒す為、この陣形を打ち破ります」

 地上からリューインの足を狙って、蔦が走ってくる。その軌道を見切り、空中でひらりと身を躱し追いすがる蔦をビームシールドで焼き払った。鍛錬の成果を十二分に感じられる動きが出来た。

「それでは、次は僕の番ですね」

 ルーンソードを掲げて、光を一点に収束させる。

「(カマシシさんは、一撃で倒さないといけません)」

 更に、光を収束させる。十本、百本……そうして集めた光の矢の束は、二百三十本分。巨大な光の槍となっていた。そこへ、高速で魔力を注ぎ込み更に輝きを増す。その光は、太陽にも匹敵するような眩さ。リューインの視線の先のカマシシが、じり、と一歩下がる。

「カマシシさん、お覚悟」

 そうして放たれる光は、必中の槍。カマシシの体を覆って余りある光の束が、カマシシへ降り注いだ。

「……少しやりすぎたかもしれません」

 ――煙が晴れた後、カマシシのいた場所にはクレーターが出来ていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルベル・ノウフィル
アドリブ連携歓迎
「僕には僕に出来ることを、でございます」

早業活用
UC:火翔
「そんな蔓で飛翔する僕を捉えられるものですか」
大空は僕のもの!(!?)
らーらーらららーらー♪ ららららー

自在に高速飛翔し、刈り取れる敵一体を鹿と見定めて急降下
鳥が獲物を獲るように妖刀墨染で一体確実に仕留めましょう
「墨染、どれを狩りましょうか」
「ああ、あれにいたしましょう、僕の好みでございます」
「だって、ちょっと負傷したからってすごすごと後ろに下がろうとしていて…ね」

味方猟兵がいれば彩花を投げて支援したり念動力のトンネル掘りで敵の足場崩しを披露したいですね
「頼もしい味方の皆様、いずれも実に見事な戦いぶりでございます」


西条・霧華
「一丸となる強みは私達も持っています。想いを込めて、戦うだけです。」

【残像】を纏って眩惑し、【破魔】と【鎧砕き】の力を籠めた[籠釣瓶妙法村正]にて『幻想華』
敵の攻撃は【見切り】、【武器受け】しつつ【オーラ防御】と【覚悟】を以て受け止め、返す刀で【カウンター】を狙います

【破魔】と【鎧砕き】で陣形効果と防御力を弱体化させ、『幻想華』と【カウンター】によるダメージを底上げします
二段構えの攻撃ですが、これでも倒し切れない場合は再びの『幻想華』にて追撃します
また攻防何方に於いても【視力】によって動きを【見切り】、より効果的なタイミングで攻撃を当てていきます

この戦いで皆を護る為に、【覚悟】を持って戦います




 空を飛ぶルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)の藍色の髪を、地上を吹き荒れる神風がばさりと揺らす。視線の先では、光の柱が落ちたところだった。

「僕には僕に出来ることを、でございます」

 その光景を見て頷きながら、地上から這い伸びてきた蔦をひらりと躱す。纏う青いマントが、優雅に揺れた。

「そんな蔓で飛翔する僕を捉えられるものですか。この大空は、僕のもの!」

 関ヶ原に広がるこの大空はルベルのもの。本人がそう言っているのだから、多分そうなのだ。
 精霊を友に持つ同僚のエルフが、自身を案じて貸してくれた火精霊の力で翼を宿し。軽やかに鼻歌を歌いながら、ルベルは獲物を見定める鷹のように上空を舞う。

「おや」

 そんなルベルの視界に、仲間の姿が飛び込んで来た。
 刀を携えた少女――西条・霧華(幻想のリナリア・f03198)だ。居合の構えから、地上を駆けカマシシに躍りかかる。美しい所作から放たれる一撃は、紫電を纏ったカマシシを正確に捉えていた。最後の抵抗に放たれる紫電を、籠釣瓶妙法村正にオーラを纏い弾き返せば、そのまま返す刀で追撃を見舞う。見事な手腕だった。
「頼もしい味方の皆様、いずれも実に見事な戦いぶりでございます。僕も、負けていられませんね」

 霧華の背後から、電撃を放とうとする別のカマシシに彩花を投げつければ、札は生奪の刃となりカマシシの背へと吸い込まれていく。気配に振り向いた霧華が、籠釣瓶妙法村正を振り抜いてトドメを刺した。謝意を伝えるように、霧華の視線がルベルへと届く。にこり、と微笑みその視線に応えてルベルは次へと狙いを定める。

「……一丸となる強みは私達も持っています。想いを込めて、戦うだけです」

 別の場所から近づいてくるカマシシに霧華は強く言い放ち、籠釣瓶妙法村正を鞘に収める。不動の構えで、それを待ち構えた。


「――さて墨染、どれを狩りましょうか」

 再び高速飛翔しながら、地上を見定めるルベル。ふと、後退する一体のカマシシが視界を横切った。

「ああ、あれにいたしましょう、僕の好みでございます。だって、ちょっと負傷したからってすごすごと後ろに下がろうとしていて……ね」

 ルベルの手にした黒刀の妖気が、膨大に膨れ上がる。すぐさま後退するカマシシに向かって急降下。その姿は、獲物を狩る鷹の如し。

 ――カマシシが気配に気づいた時には、もう、遅い。

 突き下ろされる墨染が、地面まで届きカマシシを貫いた。動かなくなったことを確認して、ルベルは墨染を引き抜く。

「ふう、これでこの辺りは突き崩せたでしょうか」

 己の背程もある墨染を一振りし、ルベルは再び戦場を見渡すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月13日


挿絵イラスト