エンパイアウォー⑲~忘却のコンキスタドール
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「あのような存在を乗騎に、か……並ではあるまい」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)はしみじみと呟くと、会話を続けた。
「侵略渡来人『コルテス』、というのがヤツの名前らしいの。今現在、厳島神社にいることが判明しておる」
コルテスは神社の建物で、高みの見物をしている。敵であろうと味方であろうと下等生物と見下しているのだ、そんなコルテスからすればこちらと戦うなど無意味なこと――当然と言えば当然の行動であった。
そこで、ガングランは小さく鼻を鳴らす。
「ふん! だが、いかに強き乗騎を、強大な力を持とうとあのような傲慢さでは宝の持ち腐れよ」
コルテスが自分の力で直接戦ったのは、侵略を開始した最初の数回のみ。それ以降は『侵略して滅ぼした世界の戦力』を利用して、安全圏から楽しく侵略と虐殺を繰り返してきた。その傲慢、慢心から来る油断がコルテスを戦いから遠ざけた――その結果が、これだ。
「ヤツめ、戦い方を忘れておる。慢心するにもほどがあるわい」
だからこそ、予想も付かないような戦闘方法への対処が遅れる。戦闘において、これは致命的な『隙』になるのだ。
「だが、わかりやすく単純な攻撃。それに一度見た攻撃に関しては思い出し、対処してくる。そうなると、元より強大な力を持つ敵じゃ。猛反撃を食らうじゃろうな」
ようは相手が予想もつかない戦闘方法を考え、駆使し、倒してしまうのが上策ということだ。
「戦場は厳島神社となる。高みの見物をしておるヤツに、思い出させてやるがいい――戦場とは、命の奪い合いの場だということをな」
波多野志郎
コルテス将軍か……コルテスかー……あ、どうも波多野志郎です。
今回はエンパイアウォーにて、コルテスと戦っていただきます。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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慢心した侵略者を、いかに倒すのか? 猟兵のユーベルコードの多種多様性、使い方が問われる戦闘です。
それでは厳島神社にて、皆様の活躍をお待ちいたしております。
第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:シャル
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
化野・風音
……ふむ
ヒトの持つ欲、快楽を求める在り方
悪くない……と言いたいところですが。ええ。ええ、ええ
あなたは良くありませんね
侵略は結構
それで勝利し、世を覆すのも結構
ですがそれを外から来たもの、ましてや「過去」ごときが行おうなどとは虫唾が走ります
生きては帰れませんよ
戦い方を忘れているとなれば、警戒心も落ちているでしょう
敵意も殺意もないままに姿を見せてカーテシー
貴人をもてなすのですから、当然ですね?
笑顔を向けて発動するは≪外法・化野転写≫
突然、情景が変われば、ましてやそこが迷い路であればあなたごときは冷静な判断はできますまい
そこへ幻に紛れて【破魔】と【呪詛】の力をそれぞれ乗せた霊符を叩きつけてさしあげます
月夜・玲
傲慢……か
そのくせ実力はあるっていうのは厄介な話だね
戦い方を思い出す前に速攻を仕掛けて、ダメージを与えてしまおうか
その慢心を打ち砕いてあげる
●戦闘
『忍び足』で足音を消しながら移動
《RE》Incarnationと空の記憶を抜剣
ある程度近付いたら【雷鳴・解放】を使用して攻撃体制へ
擬似UDCをその身に纏い、高速移動で稲妻のようにコルテスの背後に移動して一気に畳み掛ける
稲妻を纏った斬撃を両剣から『なぎ払い』ながら放ち、『2回攻撃』!
連続攻撃を仕掛けた後はヒットアンドアウェイで、退避しそのまま離脱
私の寿命を掛けるんだよ、しっかり痺れて貰うよ!
雷のUDC、その力を受けてみて
●アドリブ等歓迎
グレース・マクローリン
【WIZ】
ひゃはっ!骨も残さずグチャグチャにしてやるぜ!
てな訳で
【動物使い】のアタシがUCで生み出した【怪力】でその姿を見る者に【恐怖を与える】【吸血】で【生命力吸収】する【大食い】な【鎧砕き】で服の中に侵入し首筋や頸動脈を狙って【暗殺】を仕掛けてくる【毒使い】な上に【野生の勘】に優れた【逃げ足】も早い【毒耐性】【火炎耐性】【電撃耐性】【氷結耐性】【激痛耐性】を兼ね備えた、一匹一匹が死ぬ度に【呪詛】を撒き散らす黒いテカテカしたアレ220匹と勝負だよ。頑張っておくれ。
術者を叩こうと突っ込んでくるようなら【第六感】で【見切り】して【投擲】で手製のIEDをケツァルの口の中に放り込んでやるけどね。
落浜・語
【ヤド箱】
茶番が通用すりゃ儲けもの、だろ。
だけどまぁ、通用するって信じてる。
『人形行列』を使用。
予め一つだけ召喚し、津雲さんへ。
「いや、先にってちょっと!?」
打ち合わせ等していないように【演技】し騙る。
自滅したように見せた時も少しオーバー気味に慌てて本当だと思わせる。
津雲さんのUC発動と同時に残りの人形を召喚。迷宮のなかにコルテス共々閉じ込める。
合図で爆破
「油断大敵火がボーボー、と。傲慢なコンキスタドールは火炙りでどうぞ」
250体超の連続爆破を食らえ。
はいはい、下等生物下等生物。それにしてやられるって、なぁどんな気分?
見せかけの時以外でこちらへの攻撃は、奏剣も使いつつ対応し必要に応じ【かばう】
勘解由小路・津雲
【ヤド箱】
さて、即席の茶番が上手くいくといいが。
【作戦】
語の「人形行列」の「人形」を手に、コルテスに近づく。「語、まずはおれが行くぜ!」
相手の攻撃をかわしたり、「オーラ防御」で防いだりしつつ、「人形」を相手に投げつける、ふりをする。
しかし、そこで攻撃を食らい、人形は爆発、攻撃は自滅に終わる、ように見せかける。
本番はここから。爆発する直前、【八陣の迷宮】を発動。爆発を防ぐとともに、コルテスを語りの人形の残り(大量)と共に密室に閉じ込める。
そして爆発の煙の中から姿をあらわし「やった、と思ったかい? 語、今だ!」の合図で爆発を。
「下等生物にしてやられる気分は、いかがかな?」
吾唐木・貫二
【アドリブ、連携、改変歓迎】
もはや言葉はいらねぇ……テメェはここでブッ潰す
流石に侮ってボコられたくはねェからよ
最初から全開でいくぜ
まず『涙の痛みを拭う者』を経由して『Tears pein/to lament』発動
そこから『厄災の騎士』『邪鬼葬送』『ブラッド・ガイスト』で全武装を強化
真正面から巨大焔剣にした『聖戦の騎士』で斬りかかる
勿論、これは見せ札だとも
相手の反撃の騎乗突撃に合わせてカウンターで『極限浄化術式』を急所に叩き込む(使用技能:捨て身の一撃、カウンター、覚悟、鎧砕き、咄嗟の一撃、鎧無視攻撃、戦闘知識、だまし討ち、属性攻撃)
テメェみてェな際限の無ェ邪悪なヤロウにゃコイツがよく効くだろ?
秋月・信子
・Wiz
コルテス…確か先住民を残酷な旧来の宗教の因習や鞏固な身分制から解放した一方、先住民の文化・伝統・宗教を徹底的に粉砕し隷属と搾取を行った征服者(コンキスタドール)…
それをサムライエンパイアで再現させる事は…させません!
ですが、銃使いなら銃撃を予測されるかも…いえ、これなら予測できないはず!
行って…【影の使い魔の召喚】!
コルテスを攻撃せず、囲みなさい!
そして撃ち出すは…相反の魔弾
影の使い魔達には【オーラ防御】を施しそれと相反し跳ね返る特性を宿した魔弾…影の使い魔達で跳弾させる結界内の【範囲攻撃】あらゆる角度からの【誘導弾】(オールレンジファイア)!
ケツァルコアトルも翻弄しなさい、影達よ!!
フェルト・フィルファーデン
……まさに見下げ果てた外道ね。ええ、アナタを縛るその背中の畜生ごと、終わらせてあげる。
まずUCを発動。対象はもちろんコルテスよ。こんな奴ですもの。是迄数え切れないくらい恐怖を与えているはず。ならば数は充分よね?
気付かれないようコルテスの視界外の上空と海中に呪剣を紡ぎ無数に展開。
その間騎士(絡繰人形)の盾で【盾受け】し守りに徹しつつ思惑に気付かれないよう【時間稼ぎ】よ。
無害であるように演じ油断させ憂さ晴らしにちょうどいいと思わせる。痛みは【激痛耐性】で耐え抜くわ。
準備が出来たら逃げつつ軽く【挑発】するわ。弱ったフリをしてね。
上手く釣れたら全ての呪剣を放つ。
……ごめんなさい。こんな方法しかなくて。
レナータ・バルダーヌ
ちょっと待ってください!
お腹が減っては何とやらと言いますし、まずはお昼にしましょう。
この国ではゴボウ食も一般的と聞いて、お料理もリサーチ済みです。
片手でも食べやすいゴボウの炊きこみおむすびを作ってきたので、一緒に【愉快なゴボウさんディナー!】です!
(説明しよう!謎のゴボウ生物『愉快なゴボウさん』の登場で戦場の厳かな雰囲気がブレイクされると、行き場を失ったシリアス力が拡散し一帯が混沌と化すが、このときゴボウ料理を楽しんでいる者からはゴボウ力学的反作用が生じ違和感なく行動できるのだ!)
『アンタらもどうだい?なに、うまいゴボウを前に敵も味方もないぜ』
ゴボウさん……!
でも、コルテスさんは渡来人では?
氏神・鹿糸
鷲穂(f02320)と
故郷でこんなことが起きるなんて…悲しいわね。
燃やし尽くしてしまいたいけど…鷲穂の手前怒りの炎は鎮めてあげる。
最初は私ね。
見たことの無い攻撃…どんな花がお好みかしら!
『幻想種の開花』で巨大なハエジゴクを想像するわ。
傲慢なトカゲには、綺麗な花は必要ないわね。
空を飛んでも無駄よ、成長し続けて喰らい付いてやるのよ。
【空中浮遊】で植物と共に後を追いつつ、追い詰めていくわ。
それにしても…神社を根城にするなんて、ひどい驕りだわ。
女神たちだってビックリよね。
ハエジゴクで侵略者を捉えたら、[グラップル]で逃がしはしない。
後は鷲穂、任せるわね。
明石・鷲穂
鹿糸(f00815)と連携だ
故郷が戦火の渦となれば、負けてらんないからなあ。
俺は炎は苦手だからよ、あんまり気張り過ぎるなよ。
UCは降魔成道。
だがギリギリまで発動は控えて【力溜め】。
初戦は鹿糸に任せよう。
危なかったら【武器受け】と【激痛耐性】で【かばう】ことにするぞ。
鹿糸が敵の動きを抑えたらUC発動。
俺の降魔、山羊の頭を持つ悪魔だ。
異国の騎手…それも幻想種の騎手となれば油断はできないよなぁ。
一撃に込めてカタをつける。
降魔共々に、雷【属性攻撃】を込めて【怪力】で槍を【投擲】。
これは、慈悲だ。
西国に、過去に還れ、コンキスタドール。
俺たちの故郷に、侵略はいらない。
雷陣・通
真正面から正拳じゃあ倒せない相手か
ならば――搦め手で行かせてもらう!
『稲妻舞空術』でまず回り込むようにして先制攻撃
その後は視力で見切りつつ相手の周りを回転
残像が残るほどの速度――それ以上の速度で回転することで相手に電磁力を帯びさせて
――吹き飛ばす
「知ってるか! 螺旋に電気を流せば磁石になると」
俺のこの身をコイルと化して全ての電力を注ぎ螺旋を描け!
後は吹き飛んだか動けないコルテス相手に空中をスライディング
そのまま蹴っ飛ばす!
「奪うだけのお前じゃ分からないだろ、学ぶってことが!」
「そうこれが――ライトニング・ソレノイド・クラッシュ!」
一矢――決めるぜ
陰白・幽
うーむ、すごく綺麗そうな場所だけど……今はのんびりしている暇はないよね〜よし、頑張るぞ〜。
戦いでは鋼糸を使って動けば引っかかるような罠を用意したり武器や乗ってる生き物を縛るとかして動きを封じる攻撃をしたり、鎖で敵をつくように動くよ〜。
簡単な攻撃だし防がれたりすぐになれるだろうけど……、そうなったら棘付き鉄球を敵に向かって飛ばすように殴ってぶつけていくよ……敵に向かう鉄球の陰に隠れて永眠龍の夢現を使って敵の後ろに現れて鉄球にぶつけるように蹴飛ばしていくよ〜
まさか僕自身が攻撃が当たる場所にボクが現れるとは思わないと思うよ〜
う〜む、ボクは疲れたから少し寝よ〜っと、おやすみ〜。
イヴ・クロノサージュ
アドリブ◎
――
●心情
コルテスの御爺ちゃんは、とっても……戦闘能力が高い……
味方の猟兵さんと被るUCは……
とても…危険……
万全な対策をして……挑むの……
●戦闘
搭乗:宇宙戦艦クロノトロン=ユニット
方針:異空間から攻撃
SSW特有の攻撃を仕掛けます
近未来の戦闘方針は、流石のコルテス様も知らないでしょう
UCミュスティカァ・ジャンプを使用し
ワープで転々としながら砲撃
サムライエンパイアの遥か上空より
遠距離ビーム砲撃(通常攻撃)
極太ビームは【全力魔法】【属性攻撃=熱】【範囲攻撃】
対艦用なので直撃すれば人間サイズは消滅する威力
掠めるだけで、その身を焦がすでしょう
【援護射撃】みたいな感じで連携取れれば、いいな……
セゲル・スヴェアボルグ
ショールムと参加(f21142)
有無を言わさず拘束されちまうが、まぁ近づければ問題ない。
ケツァルコアトルを睨みつけてやればいい。血もくれてやる。
そうすれば俺のUCの発動条件は揃うからな。
序列はケツァルコアトル、俺、ショールムの順になる。
どちらの指示にも逆らうことは出来んだろう。
ケツァルコアトルとは既に戦っているだろし、
コルテスに戦わせても意味はないか。
戦闘は我々が行うしか無かろう。
このままではまともに戦えんが、まぁ壁ぐらいにはなれるか。
拘束が解けたら攻撃あるのみ。
乗騎するものがなければ、騎馬突撃もできまいて。
どうしても突っ込んでくるというのなら突撃槍で応戦しよう。
無論、突撃せずに投擲するがな。
ショールム・メルストロム
セゲルさん(f00533)と参加
まずはUCをセゲルさんに向けて放ちます。
主を再びこのような姿に貶めるのは
決して本意ではないのですが致し方ありませんよね。
但し、調教と洗脳は施しません。
セゲルさんのUCが使えなくなっては意味がない。
要はセゲルさんはコルテスへ近づくための手土産です。
無論、我が主を本当に手渡す気などないですが。
ケツァルコアトルのコントロールさえ奪えれば僥倖。
壁にでも使ってあげますよ。
尻尾をつかんで武器代わりに振り回してもいいかもしれませんね。
力仕事ならお任せを。
忘れないうちにセゲルさんの拘束も解いておかないと流石にまずい。
流石に以前のような肉壁になられたら後味が悪すぎますから。
フィオレッタ・アネリ
もーっ、そういう態度のヒトって、後で痛いメに遭うのがお約束なんだからね!
まずは先制!
狙われる前に《カルペ・ディエム》で創造した一面の春の花々を
《ファヴォーニオ》で大気を操り、花の嵐にして攻撃
乱気流でコルテスさんの体勢を崩しつつ、花で視界を塞いで
弾込めを妨害するね
そしたら花に紛れて【目立たない】ように気配を消しながら
『スカイステッパー』でコルテスさんよりずっと上空に翔んで…
ゼフィール、お願い!
【浮遊】で自分をコントロールしながら
一緒に翔んだ精霊竜『ゼフィール』をしなやかな細身の槍に変え
落下にまかせて、全力で【串刺し】しちゃう!
油断してた?
まさか自分より上から攻撃されるなんて思ってなかったでしょ!
ベリル・モルガナイト
私。貴方のような。方は。気に入らない。わ
油断。しているのなら。遠慮なく。その隙を。突かせて。もらいましょう
私は。盾
私の。後ろに。あるのは。たくさんの。守るべき。人たち
貴方の。侵略なんて。くだらない。自己満足に。晒させる。わけには。いかない
ユーベルコードを。発動して。周囲の。壁や。床を。宝石の。盾へと。変換
無数の。盾に。押し潰される。経験は。おあり。かしら?
盾を。いくつも。重ねて。避けられないように。大きく。広く。展開
真上から。一気に。【シールドバッシュ】の。要領も。活かしながら。押し潰す。わ
【アドリブ、他の方との連携は歓迎】
アヴァロマリア・イーシュヴァリエ
予想もつかない戦闘方法……それなら、「海」と戦ったことは、ない……よね、きっと。
厳島神社って周りは水でいっぱいだけど、底は地面なんだし無機物には困らない、はず。
元からある水に紛れて、マリアの「海」で襲いかかれば……びっくりするかな? 上手くいくといいんだけど……
・『海たる水に満ちよ』で水底の地面や石などの無機物を海と海棲生物へと変換し、コルテスの不意を突く。
・その際念動力で元々ある大量の水も操ることで本命のUCによる「海」を隠し2種の水攻めによる質量攻撃と「海」内の鮫などの凶暴な海棲生物による奇襲でコルテスを攻める三段構えで攻める
何処の世界の人か知らないけど……マリア、おじさんのこと、嫌いよ
メイスン・ドットハック
【SPD】
こいつはいわゆる火事場泥棒というやつかのー
お好み焼きの聖地に居座る盗人は叩きださねばのー
傲慢に余裕ぶっている隙に、【ハッキング】【情報収集】を駆使して電脳ハッキングで空間を経由してコルテスの遺伝子構造を調べる
その調査を元にUC「木を隠すなら森の中」でケツアルコアトルの模倣体を作成
コルテスに撃たせるように隠れ挑発
罠はマスケット銃で撃たれることで発動、効果はコンキスタドールの遺伝子を破壊する毒素を有する毒ガスを発生させる効果
【罠使い】【破壊工作】も駆使して、【暗号作成】によるプログラミン化でより効率よく、凶悪な電脳ウイルスを作り上げておいてプレゼントする
アドリブ絡みOK
ヒルデガルト・アオスライセン
精進せぬ廃退者、踏み台にもなりません
先にざっと周辺地形だけ確認しておきます
マスケット銃を敢えて耐えます、ふざけた年上を挑発する為です
鼻で笑う様な反応で引き付けたい
10秒装填の間に光の法術壁と力場と盾を束ね
狙えたら集中して弾丸をガントレットで銃弾を弾きます
空中が得手と見せかけて地中から蹴り上げましょう
一度視界を切って
囮用に身代わりを使い、自律飛行する大剣に載せ
地形確認時に定めた逃走ループルートを走らせて、神社内外問わずひたすら回避させます
射線を遮れれば数秒保つと思います
私は機構盾で地中を割り進み
意識が逸れている間を狙って真下から魂砕きで奇襲します
別にリベンジ印がなくても蹴り潰します
※諸々ご自由に
●相乗効果
厳島神社――海の上に立つその社は、古くから荘厳な光景と厚い信仰で知られていた。その祭神が天照大御神……太陽に関わる神と関係が深い事を、ここを根城にしていた侵略渡来人コルテスが知っていたかどうかは定かではない。
「うーむ、すごく綺麗そうな場所だけど……今はのんびりしている暇はないよね〜よし、頑張るぞ〜」
日の光で煌めく海を見て、陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)が呟く。ここを戦場にしなくてはいけないのだ、風光明媚な観光地だとしてもお気楽ではいられない。
その想いが特に強いのは、氏神・鹿糸(四季の檻・f00815)だ。
「故郷でこんなことが起きるなんて……悲しいわね」
「故郷が戦火の渦となれば、負けてらんないからなあ。俺は炎は苦手だからよ、あんまり気張り過ぎるなよ」
明石・鷲穂(門前の山羊・f02320)の気遣いがあるからこそ、鹿糸は今すぐにでも燃やし尽くしてしまい衝動を押し殺す事に成功していた。
「ふん、ぞろぞろと何事だ? 下等生物どもめ」
社の屋根、ケツァルコアトルの背に乗ったままのコルテスの言葉に猟兵達は息を呑んだ。その傲岸な態度にではない、放つ威圧にだ。その乗騎も含め、コルテスの気迫のない姿から受ける圧力は凄まじい――だからこそ、秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は悟った。
――コレに、本気を出させてはいけない、と。
「コルテス……確か先住民を残酷な旧来の宗教の因習や鞏固な身分制から解放した一方、先住民の文化・伝統・宗教を徹底的に粉砕し隷属と搾取を行った征服者(コンキスタドール)……それをサムライエンパイアで再現させる事は……させません!」
「征服者か……勘違いがあるようだな」
信子の言葉に、面白くもなさそうにコルテスは視線を向ける。そして、太陽が東から昇るのと同じ事のように、言ってのけた。
「この世の価値のあるモノ全てが、最初から大いなる神、偉大なる王、麗しの姫君に捧げるべきモノ。征服? 間借りしているだけのクズが、思い上がるな」
コルテスの言葉に怒りはない。何を当然な事を、という呆れが滲むのみ――もはや、視点自体が違った。
「だから、去れ下等生物ども。私は宝物の吟味で忙しい――」
そんなコルテスの言葉が、途中で遮られた。遮ったのは、レナータ・バルダーヌ(復讐の輪廻・f13031)だった。
「ちょっと待ってください! お腹が減っては何とやらと言いますし、まずはお昼にしましょう」
「ん? もうそんな時間か」
無防備に近寄るレナータに、コルテスは警戒しない。驚異と感じていないからだ。
「この国ではゴボウ食も一般的と聞いて、お料理もリサーチ済みです。片手でも食べやすいゴボウの炊きこみおむすびを作ってきたので、一緒に【愉快なゴボウさんディナー!】です!」
おむすびを差し出すレナータの周囲にいたのは、愉快なゴボウさんたちだ。
説明しよう! 謎のゴボウ生物『愉快なゴボウさん』の登場で戦場の厳かな雰囲気がブレイクされると、行き場を失ったシリアス力が拡散し一帯が混沌と化すが、このときゴボウ料理を楽しんでいる者からはゴボウ力学的反作用が生じ違和感なく行動できるのだ!
……考えてはいけない、感じるのだ。ユーベルコードとは、無限の可能性。こういう類のユーベルコードがあるったらあるのだ。
『アンタらもどうだい? なに、うまいゴボウを前に敵も味方もないぜ』
「ゴボウさん……! でも、コルテスさんは渡来人では?」
『……あ』
レナータと愉快なゴボウさんたちが、揃ってコルテスを見た。コルテスはわなわなと肩を震わせて、叫んだ。
「木の根を食わせるつもるか!? どういう魂胆だぁ、キサマぁ!!」
なお、コルテスの分はケツァルコアトルが美味しくいただきました。
ただ、烈火のごとく怒ったコルテスの反応が遅れる。だからこそ、その不意打ちに反応できなかった。
「予想もつかない戦闘方法……それなら、「海」と戦ったことは、ない……よね、きっと」
ドドドドド……と海の底から、地響きが木霊する。アヴァロマリア・イーシュヴァリエ(救世の極光・f13378)は、『海たる水に満ちよ』(オン・ヤム・スヴァーハ)を発動。厳島神社周辺の水底の地面や石などの無機物を海と海棲生物へと変換していった。
「何処の世界の人か知らないけど……マリア、おじさんのこと、嫌いよ」
そして、アヴァロマリアの念動力が海の水を豪快に操る。立ち上がる海の壁、その中に潜む凶暴な海棲生物による奇襲が津波のごとくコルテスへと襲いかかった。
「食っとる場合か! 飛べ、ケツァル――」
コルテスの言葉が、文字通り海に飲み込まれた。そのまま乗騎と共に、押し流されていく。もしも、目の前に揃った猟兵が敵であると正しく認識していれば、対応可能であっただろう。
しかし、戦い方を忘れたコルテスにとって予想不可能な攻撃に反応する余地がない。いや、そもそもがだ。
レナータもアヴァロマリアも、連携を事前に打ち合わせていた訳ではない。だからこそ、組み合わせの相乗効果がどうなるかなど、自分達でも予想出来ないのだ。
まさに予測不能――怒涛の猟兵達の攻勢が始まった。
●花と光の乱舞
「ぐ、この……!?」
コルテスがケツァルコアトルの手綱を引いて、空中で踏ん張った。建物から、海へと引き潮で連れ出されていたが、すぐに戻ろうとコルテスが神社側を振り返る。
「やってくれたな、下等生物!」
「もーっ、そういう態度のヒトって、後で痛いメに遭うのがお約束なんだからね!」
コルテスの視界に入ったのは、フィオレッタ・アネリ(春の雛鳥・f18638)の奇跡《カルペ・ディエム》によって生み出された可憐な花群だ。精霊魔術《ファヴォーニオ》によって巻き起こされた花の嵐にして攻撃を放った。
「海の上で、こんな!」
コルテスが花吹雪の中で、舌打ちする。こんなものなど、物の数ではない。ケツァルコアトルで急上昇をしようとした、その時だ。
(「コルテスの御爺ちゃんは、とっても……戦闘能力が高い……味方の猟兵さんと被るUCは……とても……危険……万全な対策をして……挑むの……」)
その上空、機械の翼を広げて待ち受けていたのはイヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)だ。
『《宇宙戦艦》クロノトロン=ユニットから通達、異空間ワープ移動を行います。皆さん衝撃に備えて下さい!――ミュスティカァ・ジャンプ!』
イヴの機械的な警告の直後空間が歪み、宇宙戦艦クロノトロン=ユニットがサムライエンパイアの遥か上空より遠距離ビーム砲撃を艦砲した。ジュア! と海の表面が蒸発するほどの高エネルギーの極太ビームは、かすめるだけでも凶悪な威力を持つ。コルテスに操られたケツァルコアトルの反応では、対応しきれない。
「何だ、これは!?」
「コルテスの御爺ちゃんでも……近未来の戦闘方針は……知らないでしょう……?」
状況が飲み込めないコルテスの頭上、フィオレッタがスカイステッパーで飛び――共にに翔んだ精霊竜『ゼフィール』をしなやかな細身の槍に変えて掴んだ。
「ゼフィール、お願い!」
落下とともに放ったフィオレッタの刺突が、コルテスを襲った。コルテスは紙一重で、マスケット銃で受け止める!
「油断してた? まさか自分より上から攻撃されるなんて思ってなかったでしょ!」
「猪口才な!」」
フィオレッタは、即座に横へ跳ぶ。その瞬間、イヴのクロノトロン=ユニットによる極太ビームがコルテスに直撃した。
●海蛆と術式と
強引に極太ビームから、コルテスが離脱する。水蒸気に紛れ、海面スレスレを飛ぶケツァルコアトル――その前に立ちふさがったのは、グレース・マクローリン(副業海賊・f12443)だった。
「ひゃはっ! 骨も残さずグチャグチャにしてやるぜ!」
……いや、より正確には影喰ひ海蛆(カゲクヒフナムシ)によって召喚された黒いテカテカしたアレ220匹を引き連れた、グレースである。
「気色悪いわ!?」
「あー、頑張っておくれ」
海の影から襲いかかる海蛆の群れを、ケツァルコアトルが引き裂いていく。一匹一匹が死ぬ度に【呪詛】を撒き散らすが、蛇竜は構わない――それこそ、神の名が持つ意地でボロ布のように蹴散らしていった。
「もはや言葉はいらねぇ……テメェはここでブッ潰す。流石に侮ってボコられたくはねェからよ、最初から全開でいくぜ」
そして、そこへ吾唐木・貫二(BRASS EATER・f03189)が加わる。涙の痛みを拭う者(ティアーズペイン)によって自身の融合する機械神を召喚、MAG EATER(マグ・イーター)によって刻印をその身に刻んでいく。
貫二はそれに加え、厄災の騎士(ブラスレイター)によって装備武器を厄災騎装へ変換。邪鬼葬送(ジャキソウソウ)によって高速機動モードへ――ブラッド・ガイストで己の血を代償に殺戮捕食態を開放!
「邪魔をするな!!」
コルテスはケツァルコアトルを加速させる。貫二は真正面から巨大焔剣にした聖戦の騎士(ローターリッター・ツヴァイ)によって迎撃した。
――鈍い爆発音と撒き散らされる炎。ケツァルコアトルの一撃が、巨大焔剣を破壊したのだ。
だが――。
「勿論、これは見せ札だとも」
貫二は笑う、黒装夜刃へと全身の刻印を一気に集中――なお自身へ牙を剥くケツァルコアトルへ繰り出した。
「光射す世界に汝等、暗黒住まう場所なし!! 微睡み! 揺蕩い! 夢(む)へ還れ!! パンゲア・ゼロ・ブラスト!!」
零距離で発動する、極限浄化術式(パンゲア・ゼロ・ブラスト)――極限低温と極限斥力の術式を纏う掌底が、ケツァルコアトルごとコルテスをのけぞらせた。
「ぐ、この程度――」
「お釣りはいらない、これもとっておきな」
グレースがスマホを操る。直後、ケツァルコアトルの口に放り投げられたグレースの手製IEDが、爆発した。
●ヤドリガミの箱庭
ケツァルコアトルが、のたうち回る。それを陸地から見て、勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)が呟いた。
「さて、即席の茶番が上手くいくといいが」
「茶番が通用すりゃ儲けもの、だろ。だけどまぁ、通用するって信じてる」
落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)の背を押す信頼に、津雲はひとつうなずきを返す。
まず、語が人形行列(アルイミオヤクソク)を発動。一体の人形を召喚した。その人形を手に取り、津雲は言い切る。
「語、まずはおれが行くぜ!」
「いや、先にってちょっと!?」
浅い海を駆け始めた津雲を語は慌てて止める――振りをした。打ち合わせなどしていない即興、そう思わせるためだ。
「チィ、その薄汚い人形で何をする気だ!」
いい加減、コルテスも猟兵達の行動が予測できなくても自分を害するものだと理解し始めた。怒りと共にマスケット銃を構え、射撃した。
オーラを込めた人形を津雲は投げつける。空中で銃弾と人形が激突、爆発を撒き散らした。
「ふん、そう何度も――」
やられてたまるか、というコルテスの言葉に、津雲の詠唱が重なった。
「休・生・傷・杜・景・死・驚・開。今や三吉門は閉ざされ、汝に開かれたるは死門のみ」
バババババババババババババババ! と津雲の霊符が、展開していく。八陣の迷宮(ハチジンノメイキュウ)が、コルテスの周囲に符の迷宮を築いていく。そして、その迷宮の影から現れたのは語の人形行列(アルイミオヤクソク)によって召喚されていた、人形の群れだ。
「油断大敵火がボーボー、と。傲慢なコンキスタドールは火炙りでどうぞ――250体超の連続爆破を食らえ」
語の宣言と同時に、連鎖して爆発する人形達が大爆発を巻き起こす! 八陣の迷宮(ハチジンノメイキュウ)によって、爆風は逃げ場がない――コルテスとケツァルコアトルが爆炎の飲み込まれた。
「こ、の、下等生物共があああああああああああああ!!」
「はいはい、下等生物下等生物。それにしてやられるって、なぁどんな気分?」
「下等生物にしてやられる気分は、いかがかな?」
息の合った二人からの煽りに、コルテスが完全にブチ切れる。思う様に、マスケット銃を乱射した。
●盾たる者達の奮闘
コルテスの銃弾の雨が、周囲を薙ぎ払っていく。だが、その銃弾を敢えてヒルデガルト・アオスライセン(リベリアス・f15994)は受けきってみせた。
「精進せぬ廃退者、踏み台にもなりません」
ガントレットで受け、軌道をそらす。ヒルデガルトは鼻で笑って見せたが、銃弾一発でさえ腕の心まで痺れる重みと鋭さがあった。まともに受ければ、痛いではすまなかったろう。
だが、優雅でさえあるヒルデガルトの嘲笑はそれを欠片も匂わせない。その態度が、コルテスには許せなかった。
「誰を見下している、下等生物!」
怒りを込めて、コルテスがケツァルコアトルを飛翔させる――その出鼻を挫いたのは、ベリル・モルガナイト(宝石の守護騎士・f09325)だ。
「私。貴方のような。方は。気に入らない。わ。油断。しているのなら。遠慮なく。その隙を。突かせて。もらいましょう」
ベリルの周囲に展開するのは、其れは誉れ堅き薄紅の城塞(モルガナイト・シタデル)によって召喚された守る意思に応じて強度が増す宝石の盾だ。視界を埋め尽くす盾の群れを引き連れ、ベリルは告げた。
「私の。後ろに。あるのは。たくさんの。守るべき。人たち。貴方の。侵略なんて。くだらない。自己満足に。晒させる。わけには。いかない」
「キサマラのつまらぬ尺度で、私の行動を計るか! 傲慢な!」
コルテスは、真っ直ぐに其れは誉れ堅き薄紅の城塞(モルガナイト・シタデル)へと突撃する! 壁があったら避ける? 有り得ない! それは弱者の考えだ。己を阻める壁など存在しない、超弩級の傲慢がなせる考えだった。
ベリルは、それを盾達によって受け止める。シールドバッシュの要領で、上から押し潰すように!
「邪魔だ!!」
ケツァルコアトルは止まらない。だが、速度は確実に落ちる――ベリルにとって、それで十分だった。
「私は。貴方と。違う。一人では。ないもの」
直後、海が割れた。ヒルデガルトがエングレイブエッジによって大地と海をバターのように切り裂き、下から攻めたのだ。
「せーの!」
空中でヒルデガルトが回転。悪を光の塵に粉砕する重い蹴り、魂砕き(アンデッドバスター)による蹴撃が、ケツァルコアトルごとコルテスを上空へと蹴り上げた。
●銃弾と鋼糸の結界
「ぐ、お!?」
空中で、大きく跳ね飛ばされる――コルテスが強くケツァルコアトルの手綱を引こうとした、その時だ。
「行って……影の使い魔の召喚(シャドウ・サーヴァント)! コルテスを攻撃せず、囲みなさい!」
コルテスとケツァルコアトルを、信子が召喚した形を自在に変える事ができる影の使い魔達で囲んだ。何事か、とコルテスが身構えた瞬間、信子はショルダーホルスターから引き抜いたハンドガンの引き金を連続で引いた。
同意に、影の使い魔達がオーラで包まれる。銃弾は影の使い魔達で跳弾させる結界と化した。
「なん、だ、と!?」
「ケツァルコアトルも翻弄しなさい、影達よ!!」
まさに、あらゆる角度からの【誘導弾】(オールレンジファイア)だ。コルテスが反応できず、ケツァルコアトルも間に合わない――その銃弾が踊る戦場に、幽も散歩に行くような軽い足取りで踏みこんだ。
「よいしょっと」
軽い言葉と裏腹に、幽の繰り出した龍破の鉄球の一撃がコルテス達を吹き飛ばした。銃弾を次々に受けながら吹き飛んだ先にあったのは、幽が準備していた竜繰鋼糸による結界だった。
「眠れる我を……今ここに……」
そして、龍破の鉄球を投擲した幽がかき消える。鋼糸に絡め取られたコルテスは龍破の鉄球を受け止めようとしたが、瞬間移動によって背後に現れた幽の蹴りが強打した。
「後ろ、だと!?」
予想できずにまともに食らい、コルテスは体勢を崩す。ケツァルコアトルが瞬時に、その場から逃れようと飛んだ。
「う〜む、ボクは疲れたから少し寝よ〜っと、おやすみ〜」
幽は鋼糸をハンモックに、ニャンマクラ~を抱き枕に睡魔へと身を委ねた。
●――雷がごとく
上昇しようとするコルテスを、信子は影の使い魔達と銃弾で足止めする。簡単に、包囲を崩すつもりは一切なかった。
「お願い!」
まだ、コルテスには油断が在る――その隙を逃せば、返り討ちもありえるのだ。信子の鋭い声に、月夜・玲(頂の探究者・f01605)はうなずく。
「傲慢……か。そのくせ実力はあるっていうのは厄介な話だね。戦い方を思い出す前に速攻を仕掛けて、ダメージを与えてしまおうか」
千載一遇にして、唯一の勝算。これを逃すつもりは、玲にはなかった。
「真正面から正拳じゃあ倒せない相手か。ならば――搦め手で行かせてもらう!」
先に動いたのは、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)だ。稲妻舞空術(ライトニング・スカイ・オブ・サンダークラウド)によって迸る雷電をまとい、通が飛ぶ。放電光を残し、回り込んだ通は残像が残るほどの速度――それ以上の速度で回転する!
「知ってるか! 螺旋に電気を流せば磁石になると」
通は自身をコイルコイルと化して全ての電力を注ぎ、螺旋を描いた。まさに、螺旋の槍――電磁力を帯びたコルテスが吹き飛ばされると、それ以上の速度で通は追いかけた。
「ぐ、お、反発、して――!?」
「奪うだけのお前じゃ分からないだろ、学ぶってことが!」
通は踏ん張る事も出来ないコルテスへ、空中でスライディング。その蹴り足が、傲慢たる侵略者を捉えた。
「一矢――決めるぜ」
ドォ! と通の蹴りが、コルテスをケツァルコアトルと共に吹き飛ばす!
「そうこれが――ライトニング・ソレノイド・クラッシュ!」
コルテスとケツァルコアトルが、更に押し上げられた。それを待ち受けていたのは、玲だ。
「私の寿命を掛けるんだよ、しっかり痺れて貰うよ!」
バチン! と雷鳴・解放(ライトニング・リリース)によって可能とする雷鳴がごとき速度で、玲はコルテスを迎え撃った。
Blue BirdとKey of Chaos、I.S.Tを利用した二振りを電光で閃かせ十字に振るう。玲の斬撃が、加速によって迫るコルテスを大きく切り裂いた。
●傲慢の反撃さえも
「ぐ、が、あああああああああああああああああああああああああああ!!」
それは悲鳴ではなく、怒りの咆哮だった。弾を詰め込んだマスケット銃の乱射、コルテスのマスケット銃撃ちが放たれた。落下しながらの銃撃は、怒りに任せでたらめに撃ち放たれる!
「う……!」
フェルト・フィルファーデン(糸遣いの妖精姫・f01031)が、fairy knights doll-04 Lance&shieldの盾で銃弾を受け止める。左中指の操作に答えた騎士人形の盾は受け止める事に成功するが、傲慢の銃弾は構わない――小さなフェルトごと、吹き飛ばした。
「あの羽虫を喰らえ、ケツァルコアトル!」
着実に落とす、コルテスの指示にケツァルコアトルがその牙を剥いた。迫るケツァルコアトルの口は、フェルトを一飲みに出来るほど大きい――だが、フェルトはむしろ冷静に告げた。
「……まさに見下げ果てた外道ね。ええ、アナタを縛るその背中の畜生ごと、終わらせてあげる」
弱ったフリをして見せたのだ――フェルトは、即座に【模倣再演/呪剣よ、舞い踊れ】(イミテーションリバイバル・カースドブレイド)を展開した。
コルテスがが是迄与えた恐怖の数だけ精製される呪剣――それは、フェルトが再現できる最大数を優に超えるものだった。
「ああ、本当にどうしようもない外道ね……ごめんなさい。こんな方法しかなくて」
「――いいえ、これで十分です」
フェルトの後を継いだのは、化野・風音(あだしのの怪・f11615)だ。呪剣の群れを前にコルテスの前へ歩み出た風音は、片足を斜め後ろへもう片方の足の膝を軽く曲げ背筋を伸ばしたまま礼をする。
「……ほう、カーテシーか。下等生物にしては礼を知っている」
「ええ、貴人をもてなすのですから、当然ですね?」
風音の言葉に、コルテスは当然という態度だ。戦場だというのに、宮廷で下人を前にしたように見下して来る――そう、自分が窮地にあろうと、だ。
即座に、風音を中心に風景が変わっていく。それは豪華絢爛とは程遠い、無限に広がる人骨が転がる荒野の幻影――風音の外法・化野転写(ゲホウ・ムジョウナルウツシヨ)だった。
「ふん、悪趣味な――ケツァルコアトル!」
面白くもない、と飛び立とうとするコルテスとその乗騎だが、それを呪剣と呪符の群れが阻んだ。
「……ふむ。ヒトの持つ欲、快楽を求める在り方。悪くない……と言いたいところですが。ええ。ええ、ええ。あなたは良くありませんね」
歌うように、風音は告げる。そこにあるのは、冷たい刃がごとき殺意だ。
「侵略は結構。それで勝利し、世を覆すのも結構。ですがそれを外から来たもの、ましてや「過去」ごときが行おうなどとは虫唾が走ります。生きては帰れませんよ」
「――知るか! 下等生物どもが!」
立ち塞がるなら砕くのみ、コルテスは死の荒野の迷宮をフェルトの呪剣と風音の呪符の軍勢を相手に真っ向から迎撃した。
●紛い物と本物と――――
「こいつはいわゆる火事場泥棒というやつかのー。お好み焼きの聖地に居座る盗人は叩きださねばのー」
電脳ハッキングで空間を経由して情報を引き抜いていたメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は、ふと画面に出た情報に気付いた。
「お、出てくるようじゃのぅ」
「そうか」
メイスンの言葉に、セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)が短く答える。風音の外法・化野転写(ゲホウ・ムジョウナルウツシヨ)を一気に離脱したコルテスが、上空にその姿を現したのは同時だった。
「ま、引っかかった方が間抜けという奴じゃけーのー」
木を隠すなら森の中(ライアー・フェイク)で生み出したケツァルコアトルの模倣体を生成、メイスンは仕込みは終わったと物陰へ。深い傷を負っていたコルテスは、その模倣体にブチ切れた。
「人の乗騎を真似るか!」
目障りだ、とコルテスはケツァルコアトルで襲いかかる。ニ体のケツァルコアトルは絡み合いながら牙を向け合う――コルテスはゴリと模倣体の額にマスケット銃を押し付けた。
「死ね、まがい物」
ドン! とコルテスの銃弾が、模倣体を撃ち抜いた。簡単に砕け散った模倣体だが、本当の役目はここからだった。
「ぐ、ふ……毒、か!?」
「コンキスタドールの遺伝子を破壊する毒素を有する毒ガスじゃ。プログラム化で凶悪な電脳ウイルスにしておいたからの。遠慮なく、もらってくれてようのじゃよ?」
小首を傾げて言うメイスンに、コルテスは怒りを込めた視線を向ける。
「舐めるなぁ!! 下等生物!」
「ま、殺すのには足りんじゃろうな」
それも折込済みだ――時間が稼げれば、それでいい。
「主を再びこのような姿に貶めるのは、決して本意ではないのですが致し方ありませんよね」
ショールム・メルストロム(家畜之神・f21142)の只従順ナル家畜タレ(タダジュウジュンナルカチクタレ)の拘束具が向かう先は、セゲルだ。自身を拘束するソレを、セゲルは事も無げに言ってのける。
「このままではまともに戦えんが、まぁ壁ぐらいにはなれるか」
「流石に以前のような肉壁になられたら後味が悪すぎます……」
ショールムの言葉の途中で、ケツァルコアトルが迫った。自ら動けなくなったのなら、むしろ好機だ。蛇竜は、すかさず迫った。
「忠なれば即ち二心無し。逆らわない方が身のためだぞ?」
だが、セゲルの竜人の炯々とした眼光がその動きを制した。ジャラララララララララララ! と承従タル対者(チェナレ・ロイヤリティエット)によるセゲルを主と認識し、服従させる不可視の鎖がケツァルコアトルの支配権を奪ったのだ。
「ふざけるな! この程度で!」
「――ま、一瞬で十分だ」
「ですね」
すぐさまケツァルコアトルの支配権を取り戻そうとしたコルテスへ、セゲルの応龍槍【ギュールグルド】とショールムのドラゴンランスによる投擲が放たれた。コルテスはケツァルコアトルを大きくのけぞらせ、盾にする――ドラゴニアンと神の主従による投擲が、神の名を持つ蛇竜を刺し貫いた。
●故郷を守る、そのために――
セゲルとショールムの投擲によって、ケツァルコアトルが絶命する。砂浜に落とされたコルテスが、怒鳴り散らしながら立ち上がった。
「この、私を! こんな、こんな、薄汚い地に、直接立たせたなぁ!? この、不遜な下等生物どもがあああああああああああああああああああ!!」
自身の足で立つ事すらおぞましい――そう言い放つコルテスへ、鹿糸はむしろ逆に怒りを内に秘めて言い放った。
「……どんな花がお好みかしら!」
鹿糸の幻想種の開花(フラワメント・イマジネイション)によって創造されたのは、巨大なハエジゴクだ。その醜い姿を見上げ、満足気に鹿糸は微笑する。
「傲慢な無礼者には、綺麗な花は必要ないわね」
「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
迫るハエジゴクに、コルテスはマスケット銃を撃ち込んでいく。しかし、鹿糸の創造に――想像に追いつかない。
「それにしても…神社を根城にするなんて、ひどい驕りだわ。女神たちだってビックリよね」
巨大ハエジゴクに捕まっていくコルテスを見上げ、鹿糸は嫌悪を隠さずに言う。故郷を踏みにじる侵略者へかける情けなど、鹿糸には欠片もなかった。
「後は鷲穂、任せるわね」
「おう。是れ開悟に至りて――天魔に乞う」
鷲穂の降魔成道(ゴウマジョウドウ)によって、背後に山羊の頭を持つ巨人が現れる。これこそが鷲穂の降魔、山羊の頭を持つ悪魔だ。
鷲穂と悪魔の動きは、連動している。鷲穂が降魔杵に雷を宿すと、槍に変えて振りかぶった。
「これは、慈悲だ。西国に、過去に還れ、コンキスタドール。俺たちの故郷に、侵略はいらない」
コルテスが何かを言い返すより早く、鷲穂と山羊の頭を持つ悪魔が雷の槍を投擲した。もうこれ以上聞くべき事はない、故郷を守るそのために侵略者を雷の槍が貫いた……。
――猟兵達でさえ想像できなかった相乗効果の結果、コルテスは打ち倒された。
それでも、誰もが思わずにはいられなかっただろう。この傲慢ささえなければ――そう思わずにはいられない、強敵であった事は間違いなかった……。
大成功
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