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エンパイアウォー⑥~弱肉強食ファランクス

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「関ヶ原で待ち受けとるのは2つ。軍神『上杉謙信』と、大帝剣『弥助アレキサンダー』の軍勢や」
 この所、立て続けにグリモアの報せを聞き続けているという各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)。寝不足なのか、トンボ眼鏡の下の眼を擦った。
「今回は、大帝剣『弥助アレキサンダー』軍の方を、お願いしたいんよ」
 大帝剣『弥助アレキサンダー』が所持する『大帝の剣』には、広範囲の洗脳能力がある。
「で、畿内全域の農民らが、弥助アレキサンダーの洗脳で幕府軍を迎撃しようとしとる訳や」
 農民兵は、日野富子の金子で整えられた『長槍』と『大盾』を装備している。
「彼らの陣形は、右手で長槍を構え、左手の盾で左隣の仲間を守る『ファランクス』や。『アレキサンダー』って大王が活躍しとった頃の歴史を知っとるなら、聞いた事あるかもしれんね」
 本来、サムライエンパイアでは見られぬ陣形だ。一般の幕府軍では突破は不可能。猟兵の活躍が無ければ、幕府軍の半数はこの関ヶ原の地で壊滅してしまう。
「ちなみに、残り半分は上杉軍にやられてまう……このままやったらね」
 弥助・アレキサンダーの『ファランクス』は、16×16の256名で1部隊。この部隊の中央に、指揮官であるオブリビオンがいる。
「指揮官は、大帝の剣の洗脳能力を農民兵に伝達し、ファランクスを組ませる中継機の役割なんやて」
 つまり、指揮官のオブリビオンさえ撃破すれば、その部隊は戦闘意欲を失い、降伏してくるだろう。
「降伏ってゆうたんは……ファランクス組んどる農民兵は、オブリビオンやない一般人やさかい。可能な限り、殺さずに部隊中央の指揮官をやっつけて欲しいかなぁ」
 農民兵の攻撃が、歴戦たる猟兵に届く事はほぼないだろう。だが、突破方法を工夫しなければ、ボスとの戦闘が不利になる可能性がある。
「ついでに『事故』ってしもたら、後味悪ぅなるしね」
 指揮官を務めるオブリビオンの名は「血花の紅鬼姫『真千代』」。生前、強者を追い求め戦い続けた羅刹の女武者という。
「猟兵の噂も聞いとるようや。ファランクスさえ突破出来れば、好敵手となり得るか、嬉々として挑んでくるやろね」
 ちなみに、オブリビオンとなって、弱肉強食の思考が極端になっている。「弱い」農民兵など、どれだけ犠牲になった所で全く顧みる事は無いだろう。
 島原への道行も半ば。まずは、関ヶ原を首尾よく突破出来るよう――猟兵達の健闘を祈る。


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 エンパイアウォー5作目。今回は「⑥関ヶ原のファランクス」です。関ヶ原突破の為にも、頑張って下さいね!

 256名ものファランクス兵の中央に居る指揮官オブリビオンを撃破するのが目的です。
 ファランクス兵は一般人なので、出来るだけ殺害しないような工夫があると良いでしょう。『事故』ってしまっても成否判定には影響ありませんが、後味が悪くなるのは確実です。

 指揮官を務めるオブリビオンの名は「血花の紅鬼姫『真千代』」。強者を追い求めた羅刹の女武者です。
 ファランクスさえ突破出来れば、猟兵が好敵手となり得るか、嬉々として挑んできます。
 ちなみに、強者は好みますが、「弱い」農民兵など、どれだけ犠牲になろうと全く構いませんので、ファランクス突破の作戦を練ってみて下さいね。

 それでは、猟兵の皆さんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『血花の紅鬼姫『真千代』』

POW   :    一槍羅刹
自身に【殺気】をまとい、高速移動と【長槍の刺突による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    血花の紅備え
戦闘用の、自身と同じ強さの【紅備えの徒武者】と【紅備えの騎馬武者】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    血花の紅鬼姫
全身を【過去殺した者達の血】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。

イラスト:九重セト

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はピオニー・アルムガルトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

支倉・新兵
一般人を傷付けないよう指揮官だけを撃ち抜く、か
…問題ない、寧ろこういうのは狙撃屋の得意分野だ

遠距離…可能なら高所に陣取り身を隠して狙撃体勢へ(目立たない、迷彩)

戦術ドローン群を放ち、各種デバイスで演算する事で周囲の地形やファランクス陣形といった戦場の状況を把握(視力、情報収集)

弾道計算の後UC【跳弾狙撃】での長距離狙撃、密集陣形の隙間を縫い指揮官を撃ち抜いてやろう(スナイパー、先制攻撃、暗殺)
大盾や長槍? ああ、頑丈で大きい…跳弾のいい中継地点だね(地形の利用、戦闘知識)

一発当てれば跳弾で此方の狙撃点も分からない中陣形も崩れるだろう…浮足立つ所に追撃を…悪いが一方的に終わらせる(恐怖を与える)



 関ヶ原に陣取るの信長軍の一角が、大帝剣『弥助アレキサンダー』麾下のファランクス部隊。16×16の256名で陣形を組み、自隊を大盾で守りながら、敵を槍衾にする。
 更に厄介なのが、ファランクスを構成するのが魔軍将に洗脳された農民兵という事だ。
「一般人を傷付けないよう指揮官だけを撃ち抜く、か」
 目標となるファランクス部隊を遠目に、支倉・新兵(狙撃猟兵・f14461)は独りごちる。すぐに、不敵に黒い眼を細めた。
「……問題ない、寧ろこういうのは狙撃屋の得意分野だ」
 まずは偵察。戦術ドローン群【ハミングバード】を放ち、腕時計型デバイスと連携して、周辺の地形やファランクス陣形の方向など、戦場の把握に努める。
 続いて、狙撃ポイントを求めて首を巡らせる新兵。高所の方が良かったが、敵部隊がいるのは平野のど真ん中だ。せめて、自重に耐える喬木に上り、自らに迷彩を施す。
「射程約1000m……余裕だな」
 新兵の跳弾狙撃は1200m先まで捉える。後は、密集陣形の隙間を縫い、指揮官を撃ち抜いてやれば良い。
「……」
 だが、その為には指揮官を『視認』しなければならない。視力自体は、サングラス型ターゲッティングデバイスが補助してくれるが……大盾に遮られ、部隊の中心まで見通せないのは明白だった。
「弾道、入射角……オールグリーン」
 それでも沈着なまま、新兵はスコープ越しにファランクスに照準を合わせ、弾道を計算。
(「大盾も長槍も、所詮は頑丈で大きい……跳弾の中継地点だね」)
 ――――!!
 果たして、新兵は狙撃を敢行。ざわりとファランクス全体が揺れる。跳弾を目晦ましに、狙撃ポイントも不明となれば、恐怖で陣形も崩れる筈。後は浮足立つ所を追撃すれば……。
『ガタガタするんじゃないよ! 大盾の構えさえ崩さなけりゃ、どうって事は無い!』
 戦術ドローン越しに聞こえたのは、荒っぽい号令。
『あたし達は、織田信長の天下布武に集った強者だ! 幕府の弱虫共に、この陣が崩せる筈がない!』
 ウオォォォォッ!
 鬨の声が轟き、ファランクスの動揺が急速に鎮まっていく。
『総ては、我らが主、弥助アレキサンダーの御為に!』
 指揮官という要が健在な限り、彼らは一般人であっても雑兵に非ず。大帝の剣の洗脳の程を甘く見ていたと言わざるを得ない。
「……っ」
 ドローンも破壊されたか、女武者の声はもう聞こえない。唇を噛む新兵だが、まだ出来る事はある。
 続いてファランクスに挑む同胞を援護すべく、改めて、狙撃態勢を構え直した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

カイ・シュリック
アドリブ連携歓迎

罪のない人々を洗脳し利用する……卑劣な作戦だな……
一つ一つ対処していくしかないか

農民には攻撃しないように気をつけて
本来のファランクスは右側の守りも固めていたそうだが、彼らはそんな事はなさそうか
それなら隊の右側から翼で飛んで突破しよう
槍に当たらない位の高度で一気に飛ぶぞ

指揮官の元まで辿り着いたら戦闘だ
従者を呼び出す前に【暗殺・だまし討ち・フェイント】も混じえたUCで一気に拘束を狙う
従者が呼ばれても動けない指揮官を優先して狙おうか
上手く拘束するか従者を倒す必要があるなら焼鏝で応戦しよう
【傷口をえぐる】ように攻撃し確実にダメージを与えるぞ
向こうの攻撃には【オーラ防御】で耐えよう


薄荷・千夜子
隊列を組んでいるというのなら、その上から突破させてもらいましょう
笛を鳴らし、UC『彗翔一閃』を使用
相棒である巨大化した鷹の彗に騎乗し、攻撃の届かない上空から接敵します

「これ以上、好きにはさせませんよ!貴女の相手は我々です!」
うまく接敵できれば、農民兵を巻き込まないように真千代を引きつけましょう
[祭花炎扇]を振るうことで【属性攻撃:炎】【範囲攻撃】【破魔】で浄化の炎を真千代、従者を巻き込むように放ちます
敵からの攻撃は空中を旋回しつつ【空中戦】【見切り】でうまく回避が出来れば
彗には、攻撃回避ともに[飛星流克]による【援護射撃】をさせつつ空中という優位点を利用して立ち回ります


アストレア・ゼノ
◆SPD/アドリブ歓迎
洗脳された農民達に被害を出さない為にも、
なるべく短時間で決着を付けるべきだろうな

【竜言語・騎竜召喚】で呼んだドラゴンに跨り
農民達の頭上を一気に飛び越え指揮官を狙おう

まともに武者達を相手にするよりも
本体である羅刹を狙うべきだろうが、
それは相手もよく分かっていて一筋縄では行かないはずだ

まずは空から騎竜を飛び掛からせて羅刹を襲い、
武者達に阻まれた所を【槍投げ】で追撃するが、
それでも相手に槍を躱されたり跳ね除けられたりした場合は
槍から竜へと戻ったグウェンが
火炎の【属性攻撃】のブレスをお見舞いしてやる

羅刹が傷を負って武者達が消え去れば、
改めて騎竜を突進させて鋭い牙と爪で襲い掛かろう



(「罪のない人々を洗脳し利用する……卑劣な作戦だな……」)
 嫌悪感に、顔を顰めるカイ・シュリック(紫苑の殺戮代行者・f02556)。農民を解放するには、1つ1つの部隊に対処していくしかない……先んじて、猟兵の狙撃が始まるまで、ファランクスを観察していたカイは、なるほどと小さく呟く。
「本来のファランクスは、右側の守りも固めていたそうだが……彼らはそうではなさそうか」
 彼らの陣形は、右手で長槍を構え左手の盾で左隣の仲間を守る――右側が疎かなのは、ファランクスに馴染みのない農民である故か。
 ならば、隊の右側から突破すれば良い。
「槍に当たらない高度で一気に飛ぶぞ」
「私も行きます」
 黒茶の翼を広げるカイに続き、薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)は笛を鳴らす。
「彗、力を貸して」
 相棒の美しき鷹に乗り、千夜子も速やかにファランクスを越える。
「これ以上、好きにはさせませんよ! 貴女の相手は我々です!」
 果たして、ファランクスの中央に立つのは、血に塗れた長槍を手にする女武者――血花の紅鬼姫『真千代』。
「へぇ、そんなにでかい鷹いるなんてな……だったら、こっちも数を揃えて公平ってもんさ!」
「させるものか!」
 鷹に騎乗する千夜子より更に上空、太陽を背に滞空していたカイより手枷、猿轡、そして、拘束ロープが次々と。
「チィッ!」
 舌打ちして身を翻す真千代。手枷と拘束ロープにその身を戒められるも、辛うじて猿轡を振り払う。
「来い! 『血花の紅備え』!」
 オオオオッ!
 鬨の声上げて現れたのは、紅備えの徒武者と騎馬武者。徒武者が真千代を庇って仁王立ちし、騎馬武者は長槍を一閃!
 ――――!!
 衝撃波を巻き起こし、上空の2人を襲う。咄嗟に散って回避すれば、騎馬武者も衝撃波と馬を巧みに操り、猟兵達を牽制する。
(「こちらの攻撃が、指揮官に命中さえすれば」)
 空中戦に明るくないカイは、思い切りよく着地。焼鏝を真千代に振るわんとして。
「……っ!?」
 よもや、絶妙の位置に移動し徒武者を盾にしようとは。そう、『血花の紅備え』の代償は『動けない』ではない。『戦えない』だ。
 天と地で睨み合う猟兵とオブリビオン――だが、膠着の暇もなく、轟く竜の咆哮!
「私は眩き槍の騎士! いざ、尋常に勝負せよ!」
 幻影のドラゴンに騎乗し、アストレア・ゼノ(眩き槍の騎士・f01276)は凛々しく名乗りを上げる。
(「やはり、一筋縄ではいかないようだな」)
 本体である真千代を狙うべきはアストレアも承知しているが、己が狙われる事は敵もよく判っているだろう。
 ――――!!
 急降下した飛竜を武者達が庇うのを見越し、アストレアは槍を投擲!
「まだだ!」
 かわされた槍が仔竜に変じるや、炎のブレスを吐く。
 同時――千夜子が花火描かれた扇を振えば、ゴウと浄化の炎が渦を巻く。螺旋を描いて武者共を巻き込み、真千代にも迫らんと。
 相次ぐ炎上こそ好機。血錆の熱帯びた焼鏝を握り直し、カイは一気に飛び掛かる。
 ビシィッ!
 いまだロープ食い込む細身を抉るように、強かに打擲した瞬間、今しも長槍を振り抜かんとした武者共が音もなく掻き消える。
「彗!」
 千夜子が叫び、滑空する鷹の脚から矢が射出される。援護射撃から悔しげに飛び退いた真千代へ、突撃を敢行したアストレアの騎竜の鋭い爪牙が閃いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鞍馬・景正
実質、百姓たちを人質に取られているようなものですか。
難しい戦ですが、一人の命も奪わずに参りましょう。

◆対ファランクス
遠目から【視力】で陣形を観察。
初めて見る陣構えですが、盾を構えられぬ右側と背後が弱点と見ました。

【鬼騎乗崩】で愛馬に【騎乗】し、敵右翼に回り込んで矢を射掛けて参ります。

無論、鏃の位置にはタンポを付けた稽古用の矢。
騎射しながら後方に迂回し、方向転換も出来ず無防備であろう背後に同じくタンポ槍での【気絶攻撃】を。

そして兵たちを崩し、道を切り拓いていきます。

◆対指揮官
視認すれば馬を奔らせ、刺突の瞬間を【見切り】、寸前で飛翔して頭上を奪い、【怪力】を込めた馬上抜刀で仕留めるとしましょう。



 実質、農民達が人質に取られているようなもの。難しい戦と考える鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)だが、冷静に陣を観察する。
「私も初めて見る陣構えですが、盾を構えられぬ右側と背後が弱点と見ました」
 すぐさま、愛馬「夙夜」に騎乗。全身を具足で覆い、得物を構える。
「弓馬刀槍、すべてが合わさった武士の神髄をお見せしましょう」
 ――――!!
 馬首を巡らせ、一気に敵の右翼へ回り込む。射掛けた矢はタンポを付けた稽古用。骨折するかもしれないが、命に別状はあるまい。
 そのまま、素早く回り込み、後方からはタンポ槍を振う景正。農民兵を気絶させながら道を拓いていく。
 弱点を打たれながら、ファランクスが恐慌に陥っていないのは、強力な洗脳故か。
 弥助アレキサンダーが所持する『大帝の剣』の恐ろしさを実感しながら――視界に女、武者の姿を捉えた瞬間、突撃する。
 既に猟兵と戦い、その身を拘束されている真千代だが、片腕で長槍を振り回して凄惨に笑む。
「もう1人か……あんたは愉しませてくれるのかい?」
 跳ね上げられた長槍を受けようとした瞬間、肌焙る殺気に咄嗟に天翔ける景正。衝撃波をかわし、膂力込めた斬撃を頭上より――。
 ガツゥッ!!
 渾身の一撃が地面を抉る。と思う間もなく、繰り出された刺突を辛うじて見切った。
 丁々発止の攻防が暫し――剣戟の音響く中、その打ち合う速度はどんどん増していく。
「嗚呼……ぞくぞくするねぇ」
 一槍羅刹はオブリビオンにも命懸けの技の筈ながら、真千代の笑みは変わらない。
 だが、景正と真千代の決着がつく前に――堂々たる口上が響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
POW重視

異界の戦術で百姓を盾にするとは卑劣な輩じゃ
なるべく殺さずにするには…一騎打ちあるのみよ

UC「黄金勇霊装」発動
黄金の甲冑を纏い勇気に比例した戦闘力を得たら飛翔能力で高く飛び視力活用にて戦場を一望
敵将の姿を発見したら飛翔能力とダッシュで百姓部隊を越えて一気に飛び一騎打ちを持ちかける
「わらわは肥前の女武者・鍋島小百合子!貴様の首をもらい受ける!」
相手が殺気を纏うならばわらわは勇気を振り絞り百姓を巻き込まぬよう戦闘に臨む
残像を纏いつつ飛翔能力とダッシュの併せで敵の高速移動についていきつつ薙刀での一撃を叩き込む(なぎ払い、鎧砕き併用)
敵からの攻撃は残像を用いた回避か薙刀による武器受けで防御



「わらわは肥前の女武者・鍋島小百合子! 貴様の首をもらい受ける!」
 鎧具足とは又異なる、異界の黄金甲冑を纏い、鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は上空より真千代を見下ろす。
(「異界の戦術で農民を盾にするとは、卑劣な輩じゃ。他に犠牲を出さぬには……一騎打ちあるのみよ」)
「……これで何人目やら」
 ――――!!
 今の今まで、打ち合っていた太刀を一気に押しやるや、ダンッと地を蹴る真千代。
「……っ」
 膨れ上がる殺気に一歩も退かぬ意気を奮い立たせ、小百合子の薙刀が唸りを上げる。
 速度ならば負けはしない。目まぐるしく跳躍する敵を相手取り、空中戦の要領で薙ぎ払い、具足を穿つ。
 ――――!!
 薙刀が交錯し、時間差の衝撃波が残像を消し飛ばす。
「く、くく……ハハッ」
 どれ程の時間が過ぎたか――とうとう、全身血みどろに『血花の紅鬼姫』の二つ名に相応しき形相で、真千代は長槍を構え直す。
「流石に、そろそろ、ケリを付けないとねぇ」
 気が付けば、周囲に農民兵の姿はない。相次ぐ戦いの間に、真千代も洗脳の中継役を果たせなくなったか。正気に返った農民達が戦いに巻き込まれぬよう、他の猟兵達が保護したようだ。
「そうじゃな……それも悪くあるまい」
 片や薙刀、片や長槍――向かい合う女武者双方から闘気と殺気が膨れ上がる!
 ――――!!
 ぶつかり合う寸前、ほんの僅かに下がった槍の切っ先を、薙刀が力一杯に打ち払う。
「……が……」
「貴様、まさか……!?」
 袈裟懸けに薙ぎ、血が飛沫く。だが、その一撃の瞬間、真千代の口から血が溢れ出たのを、小百合子は確かに見た。
 小百合の一撃と、真千代の寿命が尽きたのと、果たしてどちらが先だったのか。
「……」
 真千代は何も言わない。只、ニヤリと嗤い――ゆうらりと、崩れ落ちた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月15日


挿絵イラスト