エンパイアウォー⑲~傲慢なる渡来人
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サムライエンパイアで繰り広げられる『エンパイア・ウォー』。
現状、織田信長を撃破する為、進軍を行う徳川幕府軍を守りつつ、猟兵達は信長軍との交戦を続けている状況である。
徳川幕府軍は現在、関ヶ原に至り、交戦を繰り広げているが、果たして……。
安芸国厳島神社。
そこに、蛇神に跨り、マスケット銃を担いだ侵略渡来人『コルテス』の姿はあった。
「……何だ? 戦況になど、私は何の興味も無いぞ」
まるで戦いには興味を持たぬその男は、神社の建物で高みの見物をしていた。
やってくる者をこの世界の人間と疑わぬコルテスは、下等生物だと切り捨ててみせる。
「私はお前らを知的生物に定義していない」
彼はサムライエンパイア全土で起きている戦いなど見向きもせず、神社の供物漁りなどしていたらしい。
「全く、使えん奴らだ……」
悪態づくコルテスは自ら直接攻撃されるとは思っていなかったらしい。
だから、信長軍の連中を不甲斐なく感じたのだろう。
「ほら、ケツァルコアトル、我に隷属する喜びに震えながら奴らを殲滅してくるがいい」
あくまで、自らが動く考えのないコルテス。
慢心した彼は戦いすらも隷属したケツァルコアトルに任せ、やってきた猟兵達から視線を反らしていたのだった。
●
グリモアベース。
目まぐるしく変わっていく戦況。
それだけ、猟兵達による快進撃が続いている……と捉えるべきなのか、それとも。
「侵略渡来人『コルテス』。その居場所が判明したのだけれど……」
長い金髪を独特の纏め方をしたエルフの少女、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)はせっかく見つかった幹部らしき敵の説明を行うが、浮かない表情をしていて。
「彼は戦いの仕方を忘れているようよ」
これまでの世界においてもコルテスはほとんど戦わず、侵略した地の最大戦力を利用し、自らは高みの見物を行っていたと思われる。
あまりにも傲慢な敵であるがゆえに、付け入る隙がある。
「だから、予想もできないようなユーベルコードを使えば、攻撃事態は簡単よ」
その一方で、わかりやすい戦法による攻撃はコルテスに反撃の機会を与えてしまう。
正面からの突撃の他、すでに2度目となっている攻撃が該当し、反撃は非常に強力で対策なしではとても耐えられはしないだろう。
「戦いに不慣れな敵だけれど、強力な力を持っているからこそ、戦法を一工夫させる必要があるわ」
侵略渡来人『コルテス』。
そいつは御しやすい敵なのか、はたまた……。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
エンパイア・ウォー、侵略渡来人『コルテス』との一戦です。
こちらのシナリオは、1章構成のボス戦です。
以下の特殊ルールが適用されます。
●特殊ルール
コルテスは、自分が直接攻撃される事を想像もしていませんでした。
コルテスが、自分の力で直接戦ったのは、侵略を開始した最初の数回のみで、以降は『侵略して滅ぼした世界の戦力』を利用して、安全圏から楽しく侵略と虐殺を繰り返してきたからです。
コルテスは『戦闘の仕方を忘れて』います。
その為、予想できないようなユーベルコードの攻撃に対しては、一方的に攻撃されてしまいます。
真正面から切りかかるとか、わかりやすい正拳突きのような、予想が出来る攻撃、或いは『そのシナリオ中に、似たような攻撃方法を既に受けている』場合は、
「その攻撃は、既に思い出した」
といって、激烈な反撃を行ってきます。
●シナリオフレームについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイア・ウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●執筆予定
できるだけ早く、全参加者一括執筆予定です。
これまでの戦争シナリオから、以下のパターンになることが多いです。
10名様以上で優先執筆。
6~9名様で、他作業の予定に組み込みつつ執筆。
5名様未満で、最初参加者失効前日(だいたい3日後くらい)まで待って執筆。未クリアーで個別参加、完結を目指します。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:シャル
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フィン・スターニス
自身が攻撃されるとは、微塵も考えていない様ですね。
慢心をしているのならば、その隙を突かせて頂きましょう。
この世界、そう簡単には侵略等させません。
敵から約2km以内で、視認できるギリギリの位置で待機。
タイミングを見計らい、
第三災禍・黄の拒絶による暗殺を試みます。
いつもなら自身を転移させますが、
今回は、私はこの場を動かずに、突き入れた薙刀の刃のみを転移させます。
全力魔法で、雷の属性攻撃を付与。
先制攻撃で不意を突き、鎧砕きを乗せて、急所と思われる所を見切り串刺します。
突き入れたら、雷撃を周囲へ展開(鎧無視攻撃、範囲攻撃、マヒ攻撃)し、
命中の成否にかかわらず、反撃を受ける前に、即座に撤退します。
ニュイ・ルミエール
アドリブ歓迎
へええ……下等生物、ね
いいわあ、相手してあげる♪
無尽叢生
地から粘液の茨を茂らせ進行を阻みつつ群生奥地へ誘う
きゃあ~こわぁい♪こないでえ~っ!
実りだす柘榴状の捕食果から黒煙
視界を昏ませより深く決して戻れぬ所まで
あらら?もうヘタレてしまったのお?
こっちよ!もっと頑張っておじ様っ♪
混沌弱体化
毒素を涵養させる
立てなくなった時には既に遅い
アッハ♥やあっと気がついた?この闇はね、瘴気の渦なの♪
蠢く闇
擡げる無尽の捕食器
ここは私の餐台、貴方はもう胃袋の中
ふふっねえ?ねえどんな気分?(頬を撫で艶然と嘲笑
挑発に乗ってまんまと罠に嵌められた上等生物のお・じ・さ・ま♥
飢渇
あはは♥それじゃあいただきまあす♪
月夜・玲
むう、随分と偉そうな態度……嫌な感じ
気に食わないやつだねぇ
ケツァルコアトルも気の毒に、助けてあげる事はできないけれど解放してあげたいよね
それに私たちを無視してくれちゃって
だけど、何時まで私たちを無視しておけるかな?
君が知るよりもっと、私たちは手強いよ?
●戦闘
《RE》Incarnationを抜剣して突撃
単調に突撃すると見せかけて、途中で方向転換
ちょっと距離を取って【神器複製】を起動
49本の複製神器を『念動力』で操って攻撃
それぞれに別々の軌道を取らせてコルテスに向かって連続攻撃!
360度、全方位から切り刻ませる
さあ、複製神器達。
あのふざけたおじさんを蹂躙し、惑わし、切り刻め!
●アドリブ等歓迎
レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
ふんふん、変わり手かにゃあ。ご先祖様の力は色々と変わってるから引き出しは十分にゃけど。
今回のは「触れる」あたりがだぶるかもにゃあ?油断に油断を。お姫様への供物に猫演技で売り込み奇襲作戦にゃ!。
子猫に変身し肉球で足音を消し接近。髭感知で動きを見切り「盾たる肉球」「武器たる爪」で「盾受け」「武器受け」。まるで遊ぶ様に攻撃を受け流し。
敵に触れたら28代目様の首輪の力で【ソウルアクセス】。精神世界に侵入し、くいっと招き手で精神に潜むトラウマを呼び、具現化して気絶攻撃するにゃ!(供物選びの失敗や落馬あたりかにゃ?:トラウマ内容はおまかせ)
精神世界の中でも怪我するし長居は無用にゃ。
闇之雲・夜太狼
文明人として、まずは対話を試みなくちゃね!
だからこっち向いてよー!
俺たちが知的生物じゃないとか、コルテスちゃんは肝っ玉は小さいのに、態度と口は大きいんだね!
でもさ、あれれ?おっかしいな~?
知的生物じゃないはずの俺の言葉が通じてるみたいだよ?
あ、そっか!
自分一人じゃ何もできないから人任せにしてたら、俺たちと同レベルに成り下がっちゃったんだね!
かわいそうに
と【挑発】しきってからCODE:WC!
振り返らなければそのまま飛来物(何が来るかな?)をぶつけて、
意識が逸れたらその隙を見逃さずESを【クイックドロウ】で構えて、雷の【属性攻撃】!
攻撃に失敗したら迷わず逃げるよ
だっておちょくりに来ただけだも~ん♪
クネウス・ウィギンシティ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
アドリブ&絡み歓迎
「現役の戦術ドクトリンをその身に刻んであげましょう」
【WIZ】湾曲レーザー連射
●準備
【スナイパー】として、周辺の【地形の利用】&光学【迷彩】で山岳地帯や草叢に潜伏。
●戦闘
「CODE:FAILNAUGHT。湾曲レーザー連続掃射開始」
空中のあらぬ方向(コルテスやケツァルコアトルを避け)湾曲レーザーを連射。
「狙いは『コルテス』、貴方自身です」
連射した湾曲レーザーをコルテスの直上から浴びせます。
●反撃対策
「左腕一本ぐらいならば……」
反撃が来る場合は、機械化した左腕で【武器受け】&【激痛耐性】でダメージ覚悟で防御します。
桜井・夕月
ひとまずさ、まぁ、あれだ。
地面に落ちてくれる?
○WIZ
自分の攻撃は通り辛いと思うので、ケツァルコアトルの牽制やほかの猟兵への回復中心の援護射撃を中心に動く予定
【スナイパー】で【援護射撃】
基本コルテスではなくケツァルコアトルを狙って攻撃
特に目を狙うかな、見えなく出来れば上出来、行動不能に出来れば最高、……隷属から生きて解放できないのが残念だけど
【情報収集】をちゃんとして戦況を把握しながら動ける様にしたい
可能なら【地形を利用】し相手の足場を崩したり【第六感】で逃げやすい様【目立たない】位置取りを
回復属性の魔弾と途中で起動が変わる魔弾、ただの実弾を混ぜて使用
少しでも読まれにくくする
共闘アドリブ大歓迎
緋縅・善蔵
【オーラ防御】と【力溜め】と〔VRB〕で攻守を底上げ。
他の猟兵が攻撃してる最中に【迷彩】で接近し、【2回攻撃】の【一斉発射】で無防備な所を横から痛撃。
後に最大レベルの〔支援要請〕で無人機を要請。
味方の交戦中に敵死角へ移動し、屠龍を使いVRBのマッハを越える勢いでコルテスを【串刺し】からの〔斬鐡〕で大ダメージを図る。
隷属してる龍の動きにも気を払い、尾で払われたり喰われたりせぬよう注意。
コルテスに気付かれたら最大限の【第六感】と【見切り】で回避を図り、龍の上から動かないようなら【踏みつけ】てコケにする。
動きを理解されてたら遠距離から【2回攻撃】の射撃。
【激痛耐性】で耐えるが【戦場の亡霊】にも頼る
黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆行動
おやおや、竜種の付属品風情が何やら粋がってますね
そもそも征服者等と言う過ぎた名は魔女である私に返上して頂きましょうか?
【空中戦】の要領で不規則かつ軽やかに【第六感】の感じるままに跳躍しながら【水泳】?し
ぽよよんと厳島神社の水上で戦いを挑みましょう
はい、跳躍する際には【毒使い】で生成した五感を鈍らせる神経毒を【念動力】で風をお越して散布し
隙を見せたらこの魅惑のボディを震わせて【誘惑】し
【気合い】充分の【黒竜の接吻】による神をも殺す致死毒を体内に送り込みますよ
うふふ、キスのついでにケツァルコアトルからも【生命力吸収】もしてしまいましょうか
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK
クラウン・アンダーウッド
アドリブ・連携 大歓迎
さぁさぁ、盛り上がっていこうじゃないか!
複数の[応援特化型人形]による人形楽団の◆楽器演奏による◆パフォーマンスで周囲の味方を◆鼓舞する。
からくり人形と共に◆空中戦◆空中浮遊による空中機動で戦闘を開始する。
複数の[からくり人形]を使い分け、炎を纏った[投げナイフ]を持たせて、相手を翻弄させる。この際、人形の一体に器物[懐中時計]を持たせる。
クラウンが接近して、[投げナイフ]で攻撃。相手の大技を誘い、わざと受けて殺られたように見せる。隙を見せたら器物から復活。[ガントレット]の◆怪力をもって抱き締める様に拘束し、UCで盛大に火炙りにする。
リカルド・マスケラス
連携、アドリブおまかせっす
「コルテス、アンタの作戦はだいぶ防がせてもらったっすよ。だから、今度はアンタの番っすよ」
富士山鳴動に霊玉奪還戦、色々と予知させてもらったっすからね。今度は自分が動いてアンタを止める番っす
戦法は宇宙バイクの【操縦】による突撃、というのはフェイク
「アンタにはこの程度の攻撃で十分っすよ」
ビーム砲で牽制もかけながらコケにするように【挑発】する。本当の狙いは苛烈な反撃をわざと誘発することで、【視(る)力】を込めた【鏡魔眼の術】によって攻撃を反射し、コルテス自身へと攻撃を返すこと
「自分の行いをその身に受けて、骸の海で反省するがいいっすよ」
●
サムライエンパイア、安芸国厳島神社。
そこに集まる猟兵達の姿を、そいつは社の上から見下ろして。
「……何だ? 戦況になど、私は何の興味も無いぞ」
マスケット銃を抱え、蛇神に跨る男、侵略渡来人『コルテス』。
そいつは自らを討伐に来た猟兵達ですらもまるで興味を抱くことなく、明後日の方角を見続けている。
「文明人として、まずは対話を試みなくちゃね! だから、こっち向いてよー!」
紫がかった黒髪と赤目の人狼少年、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)が呼びかけるも、コルテスは微動だにせず。
「何度も言っているが、お前らエンパイア人は、たまたま私達コンキスタドールに姿が似ているだけの下等生物」
この場にやってきたのが現地民だと疑わず、確認すらもしない。
「むう、随分と偉そうな態度……嫌な感じ」
一房だけ青い黒髪の女性、月夜・玲(頂の探究者・f01605)は素直に気に食わないやつだと、目の前の敵へと印象を抱く。
その態度に、2人のブラックタール達が反応を見せて。
「おやおや、竜種の付属品風情が何やら粋がってますね」
黒いスライムに顔が浮かぶ黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)は笑顔を崩さずに、コルテスを見上げる。
「へええ……下等生物、ね。いいわあ、相手してあげる♪」
こちらは、水色のスライムを思わせる姿のニュイ・ルミエール(神さまの遊び場・f07518)は怪しげな笑みを浮かべていた。
完全に舐め切った態度の敵へ、宇宙バイクに跨る青年……と思いきや、その前面に張り付いた白い狐面が本体であるリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が告げる。
「コルテス、アンタの作戦はだいぶ防がせてもらったっすよ。だから、今度はアンタの番っすよ」
富士山鳴動に霊玉奪還戦。
グリモア猟兵でもあるリカルドは、色々と予知させてもらったとのこと。
「今度は自分が動いてアンタを止める番っす」
「全く、使えん奴らだ……」
コルテスが耳を傾けていたのは、作戦が防がれたという一点。
自らの与えた策すらも果たせなかったことに、敵は配下オブリビオンの弱さが原因と疑わない。
「ひとまずさ、まぁ、あれだ。地面に落ちてくれる?」
普段はぐうたらな上にお人好しな桜井・夕月(もふもふ信者の暴走黒獣・f00358)だが、彼女の中ではあれは『外れた存在』だった。
「自身が攻撃されるとは、微塵も考えていない様ですね」
両目を布帯で隠す無表情な少女、フィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)は、慢心した相手の隙を突くべく、敵から距離を取り始める。
他にも、鋼の身体に鋼鉄の鎧を纏うクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)はスナイパーとして、厳島神社周辺から程近い傾斜の山に潜み、迷彩を施して狙撃のタイミングをはかる。
こちらも迷彩を使う、戦場傭兵の緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)。
全身鎧を纏った彼は逆に敵へと接近し、【オーラ防御】と【力溜め】、さらに紅蓮の闘気を纏って戦闘力を底上げしながら、仲間の攻撃開始と相手の隙を窺う。
「何時まで、私たちを無視しておけるかな?」
玲はいつまでも猟兵達を見ようとしないコルテスに対して、黒剣を抜いて。
「君が知るよりもっと、私たちは手強いよ?」
なおも、コルテスは敵視もしない。
猟兵達の存在すらも、気にも留めぬ敵は隙だらけ。
攻撃の暇は十分にあるが、そいつはいかなる攻撃でも自らが判別できる攻撃には強力な反撃を叩き込んでくるという。
「ふんふん、変わり手かにゃあ」
全身白い毛並みの仔猫、レフティ・リトルキャット(フェアリーのリトルキャット・f15935)は攻撃手段について考える。
彼のご先祖の力は色々と変わっており、引き出しは十分。奇襲を仕掛けようと、仔猫の姿をとったレフティは敵へと近づいていく。
そんな猟兵達を、コルテスはまるで害虫でも駆除するような物言いで、跨る蛇神へと告げる。
「ほら、ケツァルコアトル、我に隷属する喜びに震えながら奴らを殲滅してくるがいい」
一声嘶くケツァルコアトルはコルテスによる『隷属の呪い』と『コルテスが死ぬと自らも死ぬ呪い』をかけられ、生きている間ずっと自由になることはない。
「ケツァルコアトルも気の毒に、助けてあげる事はできないけれど解放してあげたいよね」
ただただ命じられるままに動くことしかできぬ蛇神を哀れみ、せめて死を与えることで解放してあげたいと考える。
ケツァルコアトルに乗り、社から降りてくるコルテス。
未だ戦いには消極的だが、攻撃を加えられ続ければ少しはその気も変わるかもしれない。
「さぁさぁ、盛り上がっていこうじゃないか!」
奇術師を思わせる姿の人形遣い、クラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)は、懐中時計のヤドリガミらしく戦闘開始の合図をしてみせた。
それと同時に、猟兵達はこの不遜な態度の侵略渡来人に、絶対に見切られることのないような独自のユーベルコードや戦法で、攻撃を開始するのである。
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侵略渡来人『コルテス』と交戦する猟兵達。
相手があまりに無防備すぎることもあり、攻撃には慎重になるメンバーも多いが、そんな中でクラウンは複数の『応援特化型人形』を操り、楽器演奏によるパフォーマンスで仲間達を鼓舞していく。
賑やかに演奏が鳴り響く中、真っ先に仕掛けていったのは、夜太狼だ。
「俺たちが知的生物じゃないとか、コルテスちゃんは肝っ玉は小さいのに、態度と口は大きいんだね!」
夜太狼は無邪気に見えて、それでいて薄暗い笑みを浮かべて語り掛ける。
「でもさ、あれれ? おっかしいな~? 知的生物じゃないはずの俺の言葉が通じてるみたいだよ?」
夜太狼が挑発する間、狙撃を行うメンバー達はじっと仕掛けるタイミングを待つ。
夕月は周辺の状況、戦況を合わせて把握するよう努めると、狙撃に当たるメンバーは何人がいるようだ。
彼らもそうだが、近距離から仕掛ける他メンバーの接近する隙も作ることができる。
(「私の攻撃は通りづらいだろうけれど……」)
それでも、狙うことができればと、夕月はスパイパーライフル型のガジェット『月牙』から弾丸を飛ばす。
夕月が狙うは、コルテスの乗るケツァルコアトルの目だ。
(「行動不能に出来れば最高、……隷属から生きて解放できないのが残念だけど」)
しかしながら、ケツァルコアトル自身は主の命で十分な戦闘態勢に入っている。
直感で身をよじらせ、夕月の弾丸の直撃を避けてしまっていた。
「現役の戦術ドクトリンをその身に刻んであげましょう」
クネウスも好機と判断し、ユーベルコードを発動させる。
「CODE:FAILNAUGHT。湾曲レーザー連続掃射開始」
アームドフォートから連射していくのは、あらぬ方向へと飛んでいく幾筋のレーザー群。
コルテス、ケツァルコアトルを避けて飛ぶレーザーだが、クネウスはそれら全ての軌道を計算して発射している。
やがて、湾曲レーザー全てがコルテスの真上に集まって。
「狙いは『コルテス』、貴方自身です」
クネウスの宣言通り、驕り高ぶる侵略渡来人へと降り注いでいく。
「……何かしたのか」
確実にダメージは与えているはずなのに、どうもコルテスの反応は鈍い。
まるで、自分がダメージを受ける感覚すらないような。そんな印象を抱かせる。
「この世界、そう簡単には侵略等させません」
フィンも狙撃を試みるようにも見えるが、彼女の攻撃は一風異なる。
視認できるギリギリの位置まで十分に距離をとったフィンは、詠唱を始めて。
「封印解除。黄色の魔力を糧とし、第三の災い、此処に発現せよ!」
普段、このユーベルコード【第三災禍・黄の拒絶】によって転移させるのはフィン自身なのだが、今回は彼女が動くことはなく、突き出す薙刀の刃のみを転移させ、敵の体を傷つけようとする。
敵の不意を突いたこの攻撃は1度きり。2度目はないとフィンもわかっている。
敵の胸部を串刺しにしたフィンはその周囲に雷撃を展開し、コルテスを満足に動けぬよう雷によって麻痺させようとする。
「……ここまでですね」
一通り攻撃を浴びせたフィンは、反撃を受けぬようにとすぐさま戦線を離脱していく。
攻撃のタイミングは1度と自認するメンバーは、一気に仕掛ける。
仔猫になって近づいていたレフティ。
(「ご先祖様の力は色々と変わってるから、引き出しは十分にゃけど」)
攻撃手段は数あれども、他の猟兵と『触れる』という行為がだぶってしまうのではとレフティは考えて。
「油断に油断を。お姫様への供物に猫演技で売り込み奇襲作戦にゃ!」
そんなわけでレフティは仲間達の狙撃のタイミング、肉球で足音を消しながら接近していた。
攻撃を受けてなお、呆けた感もあるコルテス目がけ、レフティは攻撃を仕掛ける。
しかし、コルテスはまるで抵抗を見せず、彼はあっさりと敵に触れることができて。
「我が肉球を以て、開け魂の扉」
28代目様の首輪の力で、敵の精神世界への侵入していくレフティ。
そこに潜むトラウマを、レフティは呼び寄せて。
「むう、これは……」
それは、コルテスが生前、アステカ人による暴動から命からがらテノチティトランを逃げ出した出来事。
その後、アステカを征服したコルテスだが、少なからず命の危険にさらされた1件は深層意識に残っていたのだろう。
「意外だったのにゃ」
気絶攻撃をと仕掛けたレフティだったが、さすがにそう簡単に倒れる相手ではない。
長居は無用と、レフティは自らに怪我が及ぶ前に精神世界から脱出していく。
一方、コルテスがトラウマを呼び起こす間に、海側からミコが仕掛けていた。
「そもそも、征服者等と言う過ぎた名は魔女である私に返上して頂きましょうか?」
数多の竜種を蒐集するミコにとって、蛇神だけを使役するコルテスにはもったいない名だと感じているのだろう。
そのミコは第六感の感じるままに、水上を跳躍するように水泳し、敵へと近づく。
跳躍する際、ミコは五感を鈍らせる神経毒を生成し、それを念動力で起こした風によって散布し、コルテスの体を包み込んでいく。
一方、同じブラックタールのニュイは、粘液の茨を茂らせ、敵を誘い込もうとしていて。
「きゃあ~、こわぁい♪ こないでえ~っ!」
ただ、コルテスは能動的に動く素振りはほとんどない。
誘い込みをしていたニュイもそれを感じたらしく、少し戦法を変えようと考えていたようだ。
多種多彩な攻撃で攻める猟兵達。
一つたりとも攻撃が被ることはなく、順調にコルテスの体を痛めつけていく。
仲間達の攻撃に気を取られる敵目掛け、迷彩で接近した善蔵が展開した武装を一気に一斉掃射させていく。
「なるほど、潜伏からの強襲……」
無防備なコルテスは銃弾を浴びつつ、ぶつぶつと呟く。まるで、戦い方を少しずつ思い出しているかのように。
善蔵は支援要請によって無人機を呼び寄せ、次なる攻撃に備えていたようだ。
その間、リカルドは時折、コルテスへと宇宙バイクで突撃仕掛け、それていくという行為を繰り返す。
どうやら、リカルドは何かを仕掛けるタイミングを計っていたらしい。
「あ、そっか!」
そこで、夜太狼が戻ってきて、再度敵を煽る。
「自分一人じゃ何もできないから人任せにしてたら、俺たちと同レベルに成り下がっちゃったんだね! かわいそうに」
煽る夜太狼へと、コルテスが視線を投げかける。
挑発が効いているのかはわかりづらいが、折角の攻撃の機会と夜太狼はコルテスに問いかけた。
「ところでさ、あれはなんだろうね?」
「……?」
疑いの目を向ける敵は振り返ろうとはしない。
すると、死角に創った空間の亀裂からそこに飛んできたのは、アステカの太陽の暦石。
しっかりとそれを敵にぶつけた夜太狼は一通りおちょくったのに満足し、その場から逃げていく。
「なかなか、思い出せぬものだな」
暦石をぶつけられたコルテスは時折、呆けたように言葉を紡ぐ。
まれに、乗っているケツァルコアトルが応戦はすれども、コルテス自身が率先して反撃する様子がなく、ケツァルコアトルもどうすべきか戸惑いも見せていたようである。
そこに、玲が『《RE》Incarnation』を抜いて突撃していく。
単純な突撃と見せかけた玲は途中で方向転換して少し距離を取り、ユーベルコードを使う。
「さあ、複製神器達」
玲は50本弱の複製神器へと呼び掛けて。
「あのふざけたおじさんを蹂躙し、惑わし、切り刻め!」
それらを念動力で操って攻撃し、玲は全方位、360度全方位からコルテスの体を切り刻ませていく。
「下等な生物どもがこの私に……」
マスケット銃を玲へと向けようとするも、それでもコルテスは発砲する様子がない。
すでに全身がボロボロになってきているコルテスへ、猟兵達はなおも攻撃を畳みかけるのである。
●
ここまで、コルテスは表立って攻撃してきてはいない。
乗っているケツァルコアトルが防戦したり、まれにしっぽや噛みつきで自衛したりしているくらいのものだろうか。
猟兵としては敵が呆けた状況のまま、勝負を決めたいところ。
仲間達を鼓舞する音楽を日々かけていたクラウンも、ここぞと空中からからくり人形と共に襲い掛かる。
浮遊しながらも、空中機動によって複数のからくり人形を使い分け、炎を纏った『投げナイフ』によって相手を翻弄しようとした。
その際、クラウンが人形の1体に器物『懐中時計』を持たせていたようだ。
1度で攻撃を止める猟兵も多いが、敢えて2撃目以降も仕掛けようとするメンバーもいる。
山から狙撃を行っていたクネウスはさらに、湾曲レーザーを連射していく。
先ほどとは少しばかり軌道を変えて攻撃していたのだが……。
ここで、コルテスの目の色が変わる。
「……その攻撃は、既に思い出した」
彼は遠距離にいるはずのクネウスをしっかりと捕捉してみせ、それまで扱いすら忘れていたマスケット銃の引き金を引いた。
クネウスもすぐ危機を察して、機械化した左腕で受け止める。
「左腕一本ぐらいならば……」
数百m程度であれば、敵も射程内といったところか。
飛んできた弾丸をクネウスは受け止めるが、銃の性能上、狙いがぶれるのが幸運であったというべきか。クネウスも激痛に耐えながらも、何とか堪えていたようだ。
善蔵はというと、呼び寄せた無人機と合わせ、コルテスを攻め立てる。
近づけば、ケツァルコアトルの尾による払いのけや噛みつきも食らいかねない。
善蔵は敵の行動に細心の注意を払いつつも、蛇神の上から降りないコルテスの頭上から踏みつけてみせた。
続けて、接近するのはクラウンだ。
彼は投げナイフで切りかかり続けていたのだが、程なくしてコルテスもそれに慣れたのか。
「ふむ、久々にあれをやってみようか」
何か思い出したコルテスはケツァルコアトルを騎馬に見立て、クラウン目がけて突撃していく。
「ふふ……」
それを受けてしまったクラウンは不敵に笑ったものの、その場へと崩れ落ちてしまった。
仲間が倒れれば、善蔵も慎重にならざるを得ない。
彼は距離をとってライフルで連続射撃をしていくが、距離を詰めてきたケツァルコアトルは善蔵の体を食らいつく。
激痛に耐えきったのはいいものの、ユーベルコードを封じられた善蔵は【戦場の亡霊】に頼れず、打つ手がなくなってしまっていた。
そこで、夕月が魔弾を発砲していく。
「それも、すでに思い出して……ん?」
先ほど見た攻撃とコルテスは感じたものの、夕月が発する魔弾には回復属性のものも含まれており、善蔵の体力を持ち直させる。
さらに、リカルドが今度こそ特攻してきて。
「アンタには、この程度の攻撃で十分っすよ」
ビームを掃射しつつ、敵をコケにするリカルド。
しばらく同じ攻撃を続けていれば、敵も対応してくる。
「バカめ、幾度もくらうものか……」
マスケット銃をリカルドへと差し向け、発射してこようとしたのだが、リカルドの狙いはカウンターにある。
「攻撃は無駄っす。全て己自身に返るんすから」
視る力を籠め、リカルドはその弾丸を反射し、コルテスの体を逆に射抜いてしまう。
「自分の行いをその身に受けて、骸の海で反省するがいいっすよ」
「なに……?」
リカルドの反射した弾丸を受け、僅かに眉を吊り上げるコルテスに近づくのは、倒れていたはずのクラウンだ。
前述のとおり、懐中時計のヤドリガミである彼は本体を人形に持たせていたことでそこから復活し、『ガントレット』を使った怪力で敵を抱きしめるように拘束して。
「お楽しみはこれからだ!」
盛大に、彼は敵の体を燃え上がらせていく。
「ぬぐ……」
さらに、近づくミコがコルテスへと接近し、軽くキスして見せてその体に神をも殺す致死毒を流し込んでいく。
「ついでに、失敬」
さらに、ミコは乗騎となっているケツァルコアトルからも、しっかり体力を奪うことも忘れない。
ニュイもようやく敵を罠にかからせ、実り出す柘榴状の捕食果から黒煙を発していく。
それに包まれ、コルテスの視界がどんどん歪む。
対して、ニュイはうまく敵が自らの策にかかったことで上機嫌になって。
「あらら? もうヘタレてしまったのお? こっちよ! もっと頑張って、おじ様っ♪」
さらに、ニュイはこの場で毒素を養成していき、コルテスの体の中へと少しずつ染み込ませていく。
「アッハ♥ やあっと気がついた? この闇はね、瘴気の渦なの♪」
少しずつ、コルテスは自らの体の自由が利かなくなってきているはずだ。
その間に死角へと移動していた善蔵は巨大な剣『屠龍』を抜き、音速を超えるスピードでコルテスの体を串刺しにして。
「千技一刀の下に斬り捨てる」
刃に力を込め、コルテスの体を断ち切る。
一方で、ニュイの捕食はさらに進む。
無尽の捕食器がもたげ、全身から血を流すコルテスを飲み込んでしまった。
「ここは私の餐台、貴方はもう胃袋の中。ふふっ、ねえ? ねえ、どんな気分?」
コルテスの頬を撫で、ニュイは艶然と嘲笑する。
もはや、外部からは干渉もできなくなった状況もあり、彼女は勝利を確信していた。
「まんまと罠に嵌められた上等生物のお・じ・さ・ま♥」
「下等生物が……愚かな……」
しかしながら、最後の最後まで、傲慢な態度を崩さぬ敵。
それでも、ニュイは自らの優位を疑わず。
「あはは♥ それじゃあ、いただきまあす♪」
乾くことのない飢えと渇きを持って、ニュイはコルテスの体を食べ尽くしていく。
命を共にするケツァルコアトルが崩れ落ちたことで、猟兵達は敵の殲滅を確信したのだった。
侵略渡来人『コルテス』。
最後の最後まで不遜な態度を保ったまま倒れた敵に複雑な思いを抱きながらも、猟兵達は次なる戦場を目指すのである。
大成功
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