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エンパイアウォー⑧~飢鬼迫る

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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 有り体に言うのなら地獄であった。村の人々は逃げ惑う。何からと言えば水晶屍人からだ。彼らは住人達を無差別に襲い、そして喰らう。
「助けてくれ」
 町のあちこちから聞こえる声に答えるものはいない。何故ならば食われたか、齧られて同じく水晶屍人になったか。……そして、連れ去られたかのどれかだ。
 水晶屍人達が拐かすその先もなお地獄である。行き先は鳥取城。かつて悪名高き飢え殺しが行われた城であり、今だ城内にはその時の怨念が渦巻いているという。


「エンパイア・ウォーの続報です」
 自動・販売機(何の変哲もないただの自動販売機・f14256)がいつもと変わらぬ様子で説明を開始する。
「幕府軍は関ヶ原にまで無事に差し掛かること出来ました。しかしこの先でも変わらず小田郡の妨害が続きます。関ヶ原からは軍を3つに分けて進軍する予定ですが、そのうちの山陰側での敵の作戦の妨害の依頼をします」
 自動販売機の合成音声はいつも通りである。
「安倍晴明の操る水晶屍人が鳥取城付近の村を襲い、その住民の一部を連れ去り鳥取城へと連れ去ります。連れ去られた住人は鳥取城で行われた飢え殺し、食料補給を断たれて陥落した城の怨念を受け強力な水晶屍人を作成する計画のようです」
 淡々と流される情報だが、背景には悲劇がある。
「これを避けるためにはこの水晶屍人による町への襲撃を迎撃し、この計画の打破を必要とします。失敗してしまえば猟兵や幕府軍をすべて倒しても余力が残るほどの強化型水晶屍人が量産されることになるでしょう」
 そうなれば、最早織田信長の野望を止めることはできなくなるだろう。
「村を襲撃するのはこの強化型水晶屍人が10体程度。被害を少なくしての撃破が望まれます」
 自動販売機は猟兵達を送り出す。
「それでは……それでは今日も良い一日を」


西灰三
いつもお世話になっています。
今回もエンパイア・ウォーのシナリオをお送りします。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

ほぼ純戦です。
それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『水晶屍人』

POW   :    屍人爪牙
【牙での噛みつきや鋭い爪の一撃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    屍人乱撃
【簡易な武器や農具を使った振り回し攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    水晶閃光
【肩の水晶】の霊を召喚する。これは【眩い閃光】や【視界を奪うこと】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:小日向 マキナ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紫谷・康行
俺の世界でも
食料が生産できなくなったり
環境維持装置が壊れた船の話は聞いたことがあったね
閉鎖系故の問題だろうし
何より、人が人らしく生きるためには環境が必要だろう

それはいつもと変わらない
一人でも助けられるのなら救おう

悪意に返すものは善意だろうからね

村の外れに位置し
水晶屍人を村から遠ざけるように戦う
世界の果てから吹く風を吹かせて
どこか遠くへ追い払うように

死人なら臭いで、水晶なら光の反射などで早めに気配が掴めないだろうか

見つけたらその場所へ行き
仲間のサポートも兼ね足を狙い屍人を足止めして村に入らないようにしようとする

仲間がいるなら倒すのを任せ
自分が倒す必要があるなら風の刃を重ねて相手を両断しようとする


アイリ・フラジャイル
自販機に呼ばれたら行かなきゃね
いつもお世話になってるし!

敵を進軍させなければいいのね……分かった、アレを使うわ
かつて使ったアレのちょっとした応用で勝負よ
いつもの便利なリゾルバーを召喚、動き回る敵が10体前後なら
全自動水晶屍兵獲りマシン(爆音)で奴らを捕獲して一纏めにしてやる
網は水晶屍兵を傷つけるよう工夫して
蠢いたら全身がバラバラになる有刺鉄線を仕込んで
それを投げつけ動きを封じるわ
掴まえたらウインチで引っ張って
可能な限り一ヶ所へ集めるわ
ちゃんと連携しながらね――後は攻撃し放題よ!

もし村へ進む奴がいたって、今回は爆音仕様――つまり射程が長い
逃がしはしない、捕まえたら後ろから黄金竜の牙でバッサリよ!




 ふらり、と村の外に杖を携え現れたのは紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)、ある意味仙人にも見えるその姿は、異界のそして星すら無き国からの来客である。人々は無数の船に住み、その中にはその城と同じように食料供給が断たれて滅んだものがあるという。
(「閉鎖系故の問題か……」)
 戦時であり、敵性組織の暗躍もあったのかも知れないが、何よりそれを失うということは。
(「何より、人が人らしく生きるためには環境が必要だろう?」)
 そうでなくってしまったからかの城には怨念が渦巻いている。そこで紡がれた声なき言葉から作られた兵器がなお悲劇を呼ぶのなら止めねばならない。
「どうしたの? ぼーっとしちゃって」
「いや、何でもないさ。いつも通りに始めよう」
 アイリ・フラジャイル(夢見る戦争人形・f08078)の問いかけに康行は淡々と答える。
(「そう、いつもと同じように。変わらず、一人でも助けられるのなら救おう」)
 康行が杖をやってくる水晶屍人に向ければ、風が起こりその進行を妨げる。
「……ねえ、ちょっと聞きたいんだけど」
「ん?」
「その風で相手を固められる?」
「できるけど、やるかい?」
「お願い」
 康行がアイリの依頼に答えて三々五々に現れる敵を一箇所に風で誘導する。その間にアイリは村とは反対方向に動き、リゾルバーを召喚する。その形状は漁網とそれを巻き上げる機械に似ている。無論その構造であるのならやることは一つ。固まった水晶屍人達を捉えることである。
「そこから先へは行かせないわよ! 発射!」
 網が空中で大きく広がり、相手をガッチリと捕まえる。網には棘が仕込まれており水晶屍人が逃げようとすればするほどその身に傷がつく寸法だ。更に彼女は爆音を上げながら網を巻き上げて敵を村から引き離す。
「ここまで持って来れれば安心ね、自販機の頼みだし片付けないと」
 黄金の牙を抜き、アイリは構える。あのグリモア猟兵にはそれなりに恩がある。果たせば少しばかりはサービスしてくれるだろうか。新たに現れた猟兵達と協力し、水晶屍人を攻略していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マクベス・メインクーン
屍人の作り方えぐいな…
戦力増やされんのは困るし
そもそも戦争に一般人巻き添えにしてんじゃねぇよ
一匹残らずぶっ潰す!

敵が来たら村に入る前に【先制攻撃】でUC発動させて閉じ込める
村人に手出したかったらまずこっから出てみろよ
出口から出てきた奴から
小刀2本に宿した炎【属性攻撃】で斬り裂いて火葬してやるよ
足りなきゃ【2回攻撃】で更に【傷口をえぐる】で追撃

敵からの攻撃は【フェイント】で撹乱させて回避
攻撃食らった場合は激痛耐性で耐えるけどな
敵のUCは水の【オーラ防御】で光を屈折させて防ぐ

※アドリブ・共闘OK




(「屍人の作り方えぐいな……」)
 目の前で網によって固められているその姿を見てマクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)は内心で零す。あれが怨念で作られるとするのなら逃すわけには行かない。彼らを中心とするようにサラマンダーから力を借り、迷宮を作っていく。これならば水晶屍人達が網から抜けても簡単には外に出られないだろう。
「ふう、後はここで待って……って、え?」
 迷宮の中に猟兵達が次々と飛び込んでいく。恐らくこの中に閉じ込めている内に確実に決着を付けるためと判断したからだろう。
「えーと」
 一人ぽつんと出口を塞ぐように残されるマクベス。必要な役割とは分かってはいるがちょっと寂しい。
「………」
 なんか暇つぶしにナイフを弄ぶ。出てこないほうが良いと言えば良いのだけど。しかし出てこない。
「オレも行ったほうが……のわっ!?」
 しびれを切らせて首を迷宮内に入れた所、体に火のついた水晶屍人がこんにちは。危うく尻餅を付きかけるものの、くるりとバク転して逆方向へ斬りかかる
「……驚かすんじゃねぇよ」
 ナイフが裂いた箇所からも炎が生まれ、水晶屍人は燃えて倒れる。彼は冷や汗を拭くと迷宮の中を見る。この調子なら村民が巻き込まれることもないだろう。
「……もしかして相当中で暴れてるのか?」
 マクベスは猟兵達が迷宮から出てくるのを待ちつつ、状況を伺うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
安倍晴明も厄介な事をしてくれるね
なんというか、陰陽師ってこういうのを祓うイメージだったけど
オブリビオンになると反転しちゃうのかな……
まあいいか、これ以上被害が出ないようにお仕事頑張ろ

まずは周囲の様子を見て、襲われてる村人が居ないか確認しないとね
敵の戦力を増やす訳にもいかないし、第一後味悪いしね
村人を襲おうとしている水晶屍人を発見したら、行く手を阻むように戦闘開始だ

●戦闘
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜剣
【I.S.T.起動】を発動し余計な装備をパージ
身軽になって『2回攻撃』『なぎ払い』で水晶屍人に連続攻撃
倒れるまで切り刻んであげるよ!
此処から先には進ませないよ

アドリブ等歓迎


宮落・ライア
やってる事が陰陽師と言うより死霊術師じゃないかなこれじゃあ。
まぁいいさ。代価(代償)はきっちり貰うから。
で、ボクは何体斬ればいいのかな?

相手の攻撃は牙か爪。数も10体かそこらなら余裕も出来る。
死人を斬り損ねるほどなまくらな腕はしてないさ。
牙で来るなら上顎、下顎を切り離すように横一文字で頭部を切断。
爪なら、気をつけるのは爪の先だけ。手首を切り落とせれば脅威じゃなくなる。
相手が屍だとどれだけ切れば動かなくなるのか分かりづらいな。

死者に死を。死に安寧を。安寧は弔いと共に。




「安倍晴明も厄介な事をしてくれるね」
 迷宮の中を宮落・ライア(ノゾム者・f05053)と並走していた月夜・玲(頂の探究者・f01605)が零す。
「なんというか、陰陽師ってこういうのを祓うイメージだったけど」
「やってる事が陰陽師と言うより死霊術師だよね、これじゃあ」
 少なくともいくつかの世界で知られている安倍晴明や陰陽師と呼ばれるのは、どちらかといえば聖職者に寄った、あるいは英雄の一種として数えられる事が多い存在である。
「オブリビオンになると反転しちゃうのかな……」
 生前の人物とオブリビオンとして蘇った時の人格に差が出てくることがあるというのは猟兵達には周知されている情報ではある。この場合は死霊を扱う術を生前から持っており、蘇ってから使うようになった、と言う可能性もある。
「まあいいさ、代価は会ったときにきっちり貰うから。……で、ボク達は何体斬ればいいのかな?」
「ノルマは2・3体くらい? 多ければそれだけ被害を小さくできるけど」
 他にもこの迷宮に突入した猟兵の事を考えればそれくらいで充分だろう。この場所なら他に影響が出ることも無さそうだ。
「分かった。……さっそくお出ました」
 飾り気のないシンプルな刀を引き抜き、ライアは立ち止まる。切っ先を敵に向ける彼女の後ろで玲も彼女とは別方向を向いて立ち止まる。彼女たちのそれぞれの前に水晶屍人が1体ずつ姿を見せていた。
「これならノルマをこなすのも早そうだね」
「そっちは任せたよ」
 彼女らは眼前の相手に向かう。玲は2つの剣を抜き、余分な装備を地面に落とす。
「Imitation sacred treasure……今こそその力を此処に!」
 目にも留まらぬ速さで剣を腕の延長線上のように扱い、相手を無数の剣戟で圧倒していく。いかに皮膚が固くてもいずれただの死体となるだろう。他方ライアも順調だ。
「さて……死人を切りそこねるほどなまくらな腕はしてないけど」
 襲いかかってくる水晶屍人の手首を動じる事無く切り落とす。ついで返す刃で肩口まで切り捨てる。
「相手が屍だとどれだけ切れば動かなくなるのか分かりづらいな」
 一般的な人間型の敵ならこの時点で出血により動きを止めているはずである。それでも構わず水晶屍人はその牙で噛みつこうとしてくる。ライアはその顎に目掛けて白い骨のような剣を叩き込む。
「死者に死を。死に安寧を。安寧は弔いと共に」
 相手の上顎と下顎を切り離した後、真上から剣を振り下ろし水晶屍人の体を破壊する。彼女の後ろでももう一体が片付いた音がする。二人は残る敵を探すために再び迷宮を探索する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
安倍晴明
本当に、貴方はヒトなのか……?

怨念で強くなる水晶屍人
その為に飢え殺しをしようと?
何を、言っているんだグリモア猟兵は
……絶対に止めなければ

……貴方の、踏み躙られた想いを
この光の花に乗せて、その呪いを解きましょう
UC発動
【破魔、祈り】も籠めた【全力魔法】の【衝撃波】で【なぎ払う】よ
怨念で強くなっているなら必ず効くはず
敵WIZ攻撃も霊だから、聖属性はよく効くだろう

目には頼らない
それだけ大きな水晶を抱えているならかならず音がするはずだ
【第六感聞き耳】で大まかな位置を把握
そこにUCをぶち込み続けよう

直接攻撃は光の鎖で早業武器受けからのカウンターなぎ払い
呪詛耐性のオーラ防御常時発動


アルトリウス・セレスタイト
自分が相手取るのを仮に自分と五分程度の戦力と想定すれば
つまり、自分を殺し切れる程度であれば、問題なく殲滅できそうか

破天で掃討
高速詠唱による間断無い生成で体内に魔弾を装填
溢れる分はオーラで押し留め、それら全て統合し自身と周囲の球形空間を巨大な死の魔弾と化す

己が死であれば、爪牙も刃も死に絶えよう

そのまま、『超克』により供給する魔職を最大の出力で注ぎ込み魔弾の生成を継続
纏う死の魔弾を保持したまま、生成分を目標へ掃射
爆ぜる魔弾の嵐で蹂躙する面制圧飽和攻撃
纏めて吹き飛ばし回避の余地を奪い、攻撃の密度速度で反撃の機を奪う

攻撃の物量で全て圧殺する




 鈴木・志乃(オレンジ・f12101)の脳裏には怒りと疑問が渦巻いていた。
(「安倍晴明。本当に、貴方はヒトなのか……?」)
 志乃は既にその人物に操られた水晶屍人と交戦して来ている。無論、その時には何も思わなかった訳ではない。だがそうだとしても。
(「飢え殺し……怨念で水晶屍人を強くするために?」)
 ここに来る前の機械のグリモア猟兵の言葉に、自分の耳を疑った。あまりにそれは人の道を外れているのではないか、と。
「敵だ」
 彼女の思考はアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)の言葉に止められる。はっと彼女が顔を上げれば既にアルトリウスが水晶屍人の前にまで出ていた。
「行き止まりだ」
 敵が一体で現れているのに反応し、アルトリウスは青い魔弾を無造作にばら撒く。瞬間、出来損ないの死体は完全な死体となり動きを停止する。あっという間に戦闘が終了した事に志乃は思わず謝りの言葉を述べてしまう。
「……すみません」
「困り事か」
「え?」
「できることがあるのなら可能な範囲で協力しよう」
 まるで機械のような印象を持つ猟兵が放つ言葉としては、かなり不似合いである。彼女は思わず自身の中に渦巻いていた疑問の形をした怒りを彼に伝えてしまう。
「安倍晴明とやらが人であるかどうかは情報がない。そして水晶屍人を最適化するために過去の事象を使うと言う事は、安倍晴明にそのような事をさせる理由がある」
 淡々と当然のように言うアルトリウスに毒気を抜かれる志乃。
「理由……。そうですね怒りに逸っているだけではいけません。……絶対に止めなければ」
 ありがとうございます、と前を向いた志乃の後ろでアルトリウスは呟く。
「これが怒りというものか」
 敵を1体倒した所で、志乃が耳を澄ませる。それは歌い手でありある種の聖職者でもある霊体の声を聞く能力。
「この通路の先に二体程いるみたいですね」
「分かった、では行こう」
「ここから先は私に仕事させてもらえませんか?」
 前を行こうとするアルトリウスをすり抜けて志乃が前に出る。先程見えた彼の術は、直接的な死の概念を相手に付与するものに見えた。それでも決着は付くのだろうが、死者の無念を解きほぐすにはいささか直接的すぎる。
「では俺は警戒に当たる。応援が必要なら言ってくれ」
 彼女の言葉を聞き入れたアルトリウスは後方に付く。そして二人がある角に差し掛かると志乃の動きが止まる。どうやら曲がり角のすぐそこに水晶屍人がいるらしい。
(「……貴方の、踏み躙られた想いを。この光の花に乗せて、その呪いを解きましょう」)
 彼女は壁の向こう側に向かって送り火を飛ばす。それは死体に縛り付けられている魂を祓う聖なる火。彼女は耳を頼りに、それがこの世を去るまで撃ち続ける。
「迷宮が開くか」
 アルトリウスが呟いた通り、迷宮が消失していく。志乃の開けた視界ではちょうど水晶屍人が消失するところであった。そして見渡す付近にもその姿は無く猟兵が立っているだけであった。


 猟兵達は水晶屍人を撃退したのを確認すると、村へ事の顛末を伝えてから帰投する。事を仕掛けた安倍晴明とは、遠くない内に決着を付ける時が来るだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月13日


挿絵イラスト