エンパイアウォー⑲~傲慢にして慢心せしは異国の侵略者
●侵略渡来人
「侵略渡来人・コルテスの居場所が分かりました」
紫紺の瞳を猟兵たちに向け、一瞥するアリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)。
彼女はグリモアを浮かべながら、電脳マップを展開する。
赤い光点が敵の居場所を示していた。
「彼は非常に強力なオブリビオンですが欠点を有します」
彼女は淡々と分析された結果を提示する。
コルテスは、直接的な攻撃をされた事がなかったと言う。
最初の数回のみ自らの力で侵略を行った。
だが、それ以降は侵略した世界の力で侵略を繰り返してきたのだ。
自分は安全な場所で、楽しく、面白く、愉快に殺戮を楽しんできた。
それ故にコルテスは戦い方を忘れている。
戦う方法を忘れているのだ。
「その為に予想不能な一撃には一方的にダメージを受けるようです」
しかし、と言葉を付け加える。
予想不能な一撃は2度は使えない、と言う事。
そして、予想可能な攻撃に対しては非常に強く、一方的に返されるであろうと言う事。
「創意工夫して一方的な攻撃を加え続ければむしろ楽勝な相手でもあります」
何せ相手は傲慢故に慢心しているのですから、と銀糸の少女は言った。
つまる所、相手は油断している、と言うこと。
「とはいえこちらも油断していては意味がありません、相手の油断を突いて早々に片付けてください」
転送の為のゲートが開かれる。
開かれた場所は厳島神社。
そこにコルテスはいる。
「イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」
いつもの言葉にいつもの信頼を乗せて。
銀糸の少女は猟兵たちを送り出す。
●傲慢にして慢心せし侵略者
「なんだ……全く使えん奴らだ」
やれやれ、とため息をついて、コルテスは自らの乗騎であるケツァルコアトルの首をそちらに向けさせた。
そこに信頼や親愛は見えず、まさしく道具としての扱いがあった。
そうされるケツァルコアトルも、もはや彼の道具に成り下がっている事も。
「下等生物どもが群れてこの俺に歯向かうとは、不遜にも程があると言うものだ。……なんだその目は? 悪いが俺は貴様らに幾ばくの知性があるだなんて認めていないぞ」
ケツァルコアトルが顎(あぎと)を開き、猟兵たちを威嚇する。
さも、当然とばかりにコルテスは、それに蹴りをいれる。
「下等生物がたまたま俺たちに姿が似ていた程度で良い気になりおって。まぁいい。いつもどおりに皆殺しにしてやろう」
虎河豚天
虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
うわあああああああ戦争だあああああああああ。
できないまま消えていったシナリオフレームたちがいた……残念。
四度目のボス戦です。ちょっと展開早いってば。
と言う事でOPで説明した通りなので創意工夫して挑んでください。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヨナルデ・パズトーリ
皆殺し、か
カカカ!ふざけるなよ下郎!
妾の好敵手、妾の兄、妾の伴侶と同じ名を持つ者を愚弄し奴と同じ様に民を
苦しめた貴様こそ幾度蘇ろうと皆殺しにしてやろう!
妾、テスカトリポカの手でな!
『殺気』を抑え『迷彩』で『目立たない』様に海や森の多い厳島神社の『地形を
利用』して海等に隠れ『暗殺』の要領で隙を伺う
隙を『見切り』UC発動し『先制攻撃』
『空中戦』で肉薄し『怪力』により振るわれる『鎧無視攻撃』で傷をつけ
其の『傷をえぐる』様に『零距離射撃』の『呪詛』の籠った『全力魔法』を
叩き込む形での『二回攻撃』を放つ
敵の攻撃は動きを『野生の勘』で『見切り』『残像』で回避
当った場合『捨て身の一撃』の『カウンター』
●テスカトリポカ
「皆殺し、か……」
「ああ、そうだとも。下等ども」
ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)はゆらり、と歩む。
その身に秘めたる思い。
それは怒り、憤怒、激怒、否どれも当てはまらぬ。
それらの言葉なぞで形容できるほどに、彼女は怒り狂っていた。
「カカカッ!!」
呵々大笑する。
それには何の熱量もなくコルテスは見返す。
当たり前だろう? だって下等生物が笑った所で興味のある事例でもなし。
「よかろう、下郎――――!!」
その怒りの気配が、少女の殺意が、少女の気が、存在そのものが揺らぐ。
消える、消える、消える。
――――果たしてヨナルデ・パズトーリはいずこにいったか。
「……なんだ、逃げたか」
つまらん下等生物だ、と吐き捨てる。
足蹴にしたケツァルコアトルが鳴く。
「なんだ、何が不満だ」
それは侮るな、という警告。
それは油断するな、という訓戒。
だが、そんなものはこの男には届かない、届かない、届かない。
「はっ、下等如きがこの俺に何が出来ると言うのだ。虫の方がまだ幾ばくか何かできよう」
刹那、背後が揺らぐ。
その黒曜の一撃、殺意も気配も何の前触れもなく。
まるでそこにあったのが必然とも言わんばかりが如く。
コルテスの首を薙いだ。
「ぐおッ!?」
流石の強襲の一撃。
一撃されているとも気づけば紙一重の回避も行う。
しかし、それは正に紙一重。
その一撃はコルテスの首を刎ねるには至らず。
されど深々とコルテスの骸に恐るべき傷跡を残す。
斧での一撃、そこから放たれるのは傷口を抉るような呪詛。
如何なる守りも無意味な呪詛が傷口から溢れコルテスを呪う。
「ぐおおおおッ?! な、これは……思い、出した……?! きさ、まッ!!」
「今更気づいたか下郎!!」
ヨナルデの緑色の髪が揺れて舞う。
その瞳には怒りの炎が燃えたぎる。
「妾の好敵手ッ!! 妾の兄ッ!! 妾の伴侶ッ!!」
そうだ、コルテスが足蹴にするソレは。
「それと同じ名を持つ者を足蹴にし、愚弄しッ!!」
そうだ、そもそも"彼"の名は。
「奴と同じように民を苦しめた貴様こそ、幾度と蘇ろうと皆殺しにしてやろうッ!!」
そして、そうだ、彼女は、彼女こそは。
「妾、テスカトリポカの手でなぁッ!!」
「思い出したぞ、テスカトリポカぁッ!! 下等ごときが俺に傷をつけるとはなぁ!!」
ケツァルコアトルの牙が襲いかかる。
しかし、黒曜の刃はそれを阻む。
――――かつて、彼女と争ったソレにはかつてのような威はない。
「落ちぶれたり、零ちた神よッ!!」
テスカトリポカたるヨナルデには、そんなものは、届かない。
大成功
🔵🔵🔵
ファン・ティンタン
【SPD】戦端を切り開け!
【ヤド箱】で
さ、敵は絶賛慢心中
現場経験の大切さ、叩き込もうか
【白刃の矢】
敵と同系統のUCではあるけれど…
常々これ程の遠方を気にし続ける緊張感、果たしてヤツに有るかな?
射程の余裕を持って、敵から2km位の位置に陣取り準備
流星剣(ステラ)と自身に魔【力溜め】を続け機を窺う
魔力で強化した【怪力】をもって全力【投擲】
剣に憑依した阿山の視界を左目で共有し敵への視通確保
投擲後、自身は物陰へ
剣が敵に直接着弾せずとも、本命はステラに任せてるからOK
奇襲後の剣は事前に注いだ魔力を変換した【オーラ防御】で守りつつ【念動力】の遠隔操作で回収
後は慢心せず、敵視界に入らぬよう速やかに撤退しよう
櫻庭・阿山
【ヤド箱】ファン、ステラと参加
あたしらが下等生物かどうか、その身で味わいな!
どれだけ力が強かろうと、周りが見えてなきゃあ意味が無いのさ
【憑目神】
予めステラの本体(流星剣)に憑依して戦闘力を強化しておく
人数を誤認させられるから一石二鳥さね
ファンと【視力】を共有して、隠れていても剣の居場所が分かるようにもしておくよ
着弾と同時に傷口から【生命力吸収】しつつ、霊体状態でべろべろばーでもして煽ってやるよ
「あっはっは、ざまあない! さあて次弾はどこからくるかねぇ?」
冷静さを欠かせられれば儲け物さ
撤退時は剣を霊体で覆い、マスケット銃を防ぐ事に徹するよ
すぐ回収して貰えるなら奴隷神に噛まれる恐れはないだろうから
ステラ・アルゲン
【ヤド箱】ファン、阿山殿と参加
侵略者、皆殺し……
この世に存在するものは皆等しいもの
それを見下し踏み躙るならばお前を斬り捨てるまでだ!
事前に肉体を解除し【流星剣】たる器物状態で行く
阿山殿の憑依を剣に受け入れ【全力魔法】で【力溜め】
この状態ならファンだけと人数を誤解させられる
投擲後敵へ当たるように風の【属性攻撃】で軌道を調整
騎馬突撃ならまっすぐ進むだろうから動きも読みやすいだろう
敵に当たれば【凶つ星】で溜め込んだ力と共に【鎧砕き】の不意の一撃を与えようか!
普段は自身で剣を投げて投擲する技
2人の力が合わさった事で通常とはかけ離れた技となっている
奇襲後はすぐに器物状態に戻りファンに回収してもらおう
●その剣の名は
「……侵略者、皆殺し、か」
ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)はその身を変じさせる。
その刃は星の剣、その柄は星の柄、その身は星の体現。
それこそはステラ・アルゲンの真の正体。
彼方より来たりて、星を鍛ち、想念を束ねし幻想の結晶。
流れ墜ちたる星の剣。
「周りの見えてないあの野郎に下等生物かどうか思い知らせてやろうじゃないか」
長き刻を生きた櫻庭・阿山(無数の瞳を持つ魔妖・f14179)がその身を霊体化させる。
自らの身を変じさせ、霊体と化し、為すは星の剣の宿り神。
取り憑きたるは付喪神。
流星の剣が彼女の霊力によって賦活し、強化される。
一つは二人、二人は一つ。
星の神秘と、古き力は今一つとなる。
「さ、敵は絶賛慢心中。現場経験の大切さ、叩き込もうか」
星の剣を手に取るはファン・ティンタン(天津華・f07547)。
すでに彼女の、否、"彼女たちの瞳"は捉えている。
阿山は義眼のヤドリガミ。
それ故に"視る"ことは得意中の得意分野。
本来なれば届かぬ彼方の事までもすべてはつまびらき。
放つ放つは白羽の矢、否、"白刃"の矢。
是、2500m先まで射抜きたる刃の矢。
「――――これ程の距離、警戒し続けるほどの緊張感など、奴にはない」
それは断言。油断大敵とはよく言うが。
勝って兜の緒を締めよ、ともよく言うが。
本来、警戒すべき事柄の一つ、"狙撃"。
それが今剣によって為される。
魔力が乳白色の腕を伝って増力する。
その細腕に在りえぬほどの力がこめられる。
振りかぶった手が今、その剣を放つ。
一瞬にして刹那、破裂音が響く。
一瞬の音超え、それ故に。
「なんだ……?」
音が聞こえた時点で最早手遅れ。
破裂音に振り返った時点ですでに星の刃はコルテスの身に突き立った。
「が、ぁッ!?」
どくどく、と鮮血がその身を伝う。
食い込んだ刃から流れ出す血液以上に流れ出るものがあった。
それは命の鼓動、それは命の輝き。
「あっはっはッ!! ざまあないッ!! さあて次はどこから来るかねぇ!?」
宿りし阿山がその力を奪い取る原因。
溢れる生命力を刃を介して奪い取る。
「き、さまぁッ!!」
その剣を引き抜き、投げ捨てる。
だが最早霊体と化して阿山は刃に宿る。
どこからの攻撃か、と視線を巡らせる
「油断大敵とよく言うだろう」
その声は背後から響いた。
投げ捨てたはずの星の剣を手にした騎士が、その背を一閃した。
阿山の霊力によって賦活されたその一閃は普段を越えた強力にして壮絶なる一撃。
その背に刃で振るったとは思えぬ傷が走る。
「お、のれぇッ?! 狙撃、かッ!?」
そこに至って漸く、"遠方から狙い撃つ"攻撃を"思い出した"。
手にしたマスケットが背後の騎士を撃とうとするが、すでにその騎士の姿はない。
本体が星の剣、故に肉体に価値はない。
コルテスが気づいた頃にはすでに剣もなく。
「さっさと撤退」
ファンは阿山とステラが宿った剣を片手にすでに逃げおおせていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
二天堂・たま
予測の出来ない攻撃が有効…慢心に過ぎたる侵略者か。
ならば敵が想像しない攻撃を使うとしよう。
だがまずはこちらの攻撃が届く距離まで進まねばならん。
フェイントや残像を駆使して敵の攻撃をかいくぐっていく。
UC:ピヨの波動を受けた者は、思わず「ぴよーっ」と叫び返してしまうのだ。
騎乗しているケツァルコアトルが「ぴよーっ」と叫んだら目を丸くして驚くだろう…。
そしてキミ自身も「ぴよーっ」と叫び返していただこう。
流血するでもなく、炎や雷を起こすでもない攻撃だ。今まで見たことも受けたことも無いのだろう?
●ぴよ
「予測の出来ない攻撃が有効……いやはや、慢心に過ぎたるぞ侵略者よ」
コルテスの前に立つは猫。
そう、畜生である。
「喋る愛玩動物か。家畜程度の価値はあるか? 否、ないな」
二天堂・たま(神速の料理人・f14723)を前にコルテスは告げる。
マスケットに弾がこめられる。
「やれやれ……慢心もすぎれば毒以上に有害であると言う事を教えてやろう」
「下等が俺にどんな授業をしてくれるのだと言うのだ」
嘲笑う。
この男はすべてを見下し、すべてを嘲笑する。
それ程までにすべてが上手く行き過ぎていた。
「ぴよぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
猫は吼える。たまは吼える。
渾身裂帛の気合と気迫を込めて吼える。
放たれたるは常識を塗り潰し、常識をすり潰すピヨの波動。
猫から放たれるソレではない。
猫はにゃあ、と鳴くものであるからにして。
『ぴよおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?』
「ぴよおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?」
それは叫び返してしまう裂帛の波動。
同時にそれは鼓膜に対して入る音響攻撃。
込められた気迫がコルテスの身に高圧衝撃として叩きつけられる。
圧力によって猟兵たちに傷つけられた傷より血が吹き出す。
コルテスが吐血した。
「……思い、だしたぞ……!!」
「……。…………」
その攻撃で、コルテスは思い出した。
彼の濃厚な戦闘経験が、思い出させた。
だが、だがしかし。
「そんなもの思い出すとかキミ、今まで何してきたんだね?」
予想外だよ、その結果。
思わずたまは呟いた。
大成功
🔵🔵🔵
アララギ・イチイ
予想不能な一撃ねぇ
こんなUCとか予測不能に出来ないかしらぁ?
【選択UC】使用よぉ
心臓を抉り、血肉の全てを生贄(代償)に発動よぉ
(後ほど再生するので安心
※以下、テスカトリポカ
コアトルを見て大爆笑
そんな腑抜けだから怨敵スペイン人などに道具にされるのだ
アステカの戦士として戦う我の生き様を見よ
未来予知とその結果を知る能力で敵の騎馬突撃の動きを【見切り】、【早業】で回避、相手の予測を上回る(予知にて未来を見る方法で判断)場所から【フェイント】を交えた奇襲、コルテスに突き立てる
なお、事前に戦闘人形達を放出、自律モード
上記の攻撃後、全武装の【一斉射撃・範囲攻撃】の【スナイパー】射撃、上記と合わせ2段構え戦法
●召喚されすは
「予測不能な一撃ねぇ……」
アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)は戦闘人形を放出する。
自律稼働する戦闘人形たちが武装を構える。
全武装使用許可(オールウェポンズフリー)。
「こんなの、どうかしらぁ」
コルテスの目の前に立つ少女は自らの血肉を刳り、胸元に手を突きこむ。
どくん、どくん、と脈打つソレが虚空に晒される。
「なんだ、殊勝にも自害か。下等には上等ではないか」
猟兵たちに傷つけられ、なおもこの男は慢心し続ける。
思い出した事柄であれば、対応できるから。
まだまだ忘れている事が多くあると言うのに。
「――――召喚」
『応ともよ』
その心臓を代償に、それは蘇る。
その血肉を代償に、それは顕現する。
ジャガーの身を借りて、それは虚空に躍り出る。
『クッハハハハハハハハハハハハハハッ!! 久しき現世に出てみれば久方のいくさ場がこれか、無様であるのぅ、ケツァルコアトルよッ!!』
『グガ、ガァッ!!』
叫びたるはテスカトリポカ、神話にて謳われし者。
ジャガーの化身と化したソレが黒曜の鏡の力によって攻め立てる。
あらゆる攻撃が、あらゆる手段がジャガーには届かない。
『そんな腑抜けだから怨敵のスペイン人などに道具にされるのだッ!! アステカの戦人として戦う我のこの姿、この生き様、とくと目に焼き付けよッ!!』
コルテスにその牙が食い込んだ。
ぶちぶち、と言う引きちぎれる音が響く。
「……そ、うかッ!! テスカトリポカ、未来予知の鏡……ッ!?」
『今更気づいても遅いわ下郎ッ!!』
「おまけも持っていくといいわぁ」
フギン・ムニンが手にした武装を構える。
全武装使用許可が出ている故に。
人形たちは情けも容赦も躊躇もなく、一斉射撃を行う。
鉄火の雨が叩きつけられ、紅蓮の炎が焼き尽くす。
「ぐ、ぅ……おのれ、おのれおのれェッ!?」
だが、"また一つ"思い出した。
コルテスは、また一つ"昔の強さ"に戻りつつある。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィサラ・ヴァイン
神を従えたから、自分がその上に立っているとでも…?
勘違いも甚だしい。それに…
神が頂点だなんて、いつから錯覚してました?
[動物と話す]でケツァルコアトルと話すよ
私はそこの男みたいに優しくない
楯突くなら、そのまま【神送り】で殺すよ
仮にも神なら、不死を侵す毒の危険性は理解できるでしょ?
[恐怖を与える]事で神を【強迫】するよ
あなたは本当の神でしょ。そしてあれは簒奪者。…神としての誇りを見せてください。
ケツァルコアトルに叛旗を翻させ、コルテスに対処をさせるよ
その隙に[目立たない]ようコルテス本人を[神送り]で[暗殺]するよ
人って、毒蛇に噛まれると死ぬんですよ(毒使い)
知ってます?
知的生物のコルテスさん?
リミティア・スカイクラッド
侵略渡来人……弱者を蹂躙するのは手慣れていても、対等の戦いには慣れていないようですね
相手はマスケット銃の装填に10秒かかるようですから
装填が完了する直前にUCを使用
時間をループさせて装填開始時の状況に戻します
随分時間がかかっていますね。銃の撃ち方も忘れてしまったのでしょうか
挑発しながらポケットからMagi-Phoneを取り出し
文明的な征服者を気取っているようですが、こんなものはご存知ですか?
カメラ機能のフラッシュで目を眩ませた直後、宝石剣の「封印を解く」と「全力魔法」の斬撃を叩き込みます
強大な力を持ちながら、慢心故に戦い方すら忘れてしまう
そんな憐れな存在が知的生物なら、リムは下等で良かったです
●神送りとエンドレス・エイト
「神を従えたから、自分がその上に立っているとでも……?」
「違うな。神を愚かにも"自称"する異端なる下等を足蹴にしただけだ」
ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)はケツァルコアトルを見やる。
隷属の呪いによって縛られ、コルテスと共に死する事を強要された神。
如何なる手を以てしても、それが反旗を翻す事はない。
そう、決して。最早彼らは一蓮托生にて比翼連理。
……否、正しくはない。コルテスが死ねば彼は死ぬ。
されど彼は死んでもコルテスは死なない。
故にケツァルコアトルは道具にしか過ぎない。
けれど、彼は決してコルテスには牙を剥くことはない。
牙が抜けた、腑抜けた、そういうわけではない。
むしろ慢心し、油断し、全てを嘲るこの男・コルテス。
その男は本来であれば、神を調伏し、隷属され、反旗すら翻せぬようにするだけの力を持った男である証左。
それを幾度と繰り返す内に全てを忘れ、享楽にふけるようになったがゆえの今がある。
これは無理そうだ、と悟ったヴィサラ・ヴァインはその帽子を脱ぎ去る。
――――その眼差しは毒。
――――その牙は毒。
――――神代の時代より謳われ続ける神秘の一端。
かつて、多くの不死はとある毒の前に倒れたと言う。
それと同等の神代すら犯す神秘なる毒。
蛇髪が牙を剥き、かつての神とコルテスに襲いかかる。
その毒は灼熱の痛みを与え、焼く。
「ぐ、ぬ、ぉおおっ?! おおおおっ?!」
毒が彼の身を内側から灼き殺す。
そうしてやっと彼は"毒"と言う手段を思い出すに至るのだ。
「き、さまッ!!」
マスケットに弾を込めた。
狙いをヴィサラに定める。
ヴィサラは決して動かない。"それが無駄であることを知っている"から。
カチリ、とトリガーが引かれた。
「……何故だ?!」
マスケットに再度弾を込める。
カチリ、とトリガーがまた無駄に引かれる。
「随分時間がかかっていますね」
ヴィサラ・ヴァインは知っていた。
この場に彼女がいることを知っていた。
故に彼女がそういうことが出来る事を知っていた。
リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は魔女である。
時間の回帰、時間のループ、終わらない無限連鎖。
「銃の撃ち方も忘れてしまったのですか?」
リミティアはポケットからMagi-Phoneを取り出す。
文明の最先端を往く道具。
自身が文明的の最先端を往くと気取った侵略者の持たざるもの。
「こんなものも……ご存知ないようで。それで本当に文明者気取りです?」
パシャリ、と写真のフラッシュが走り、その閃光に目がくらむ。
同時、ヴィサラとリミティアは踏み込んだ。
リミティアの宝石剣から魔力が解き放たれ、全身全霊の魔力斬撃がその身を引き裂く。
ヴィサラの蛇髪が噛み付き、さらなる灼けつく毒がその身を苛む。
「強大な力を持ちながら、慢心故に戦い方すら忘れる」
「強大な力を持ちながら、慢心故に毒蛇に噛まれたら死ぬ事すら忘れる」
ヴィサラが言い、リミティアが言う。
「戦い方、知ってます? 自称・知的生物のコルテスさん」
「そんな憐れな生物が知的生物なら、リムは心底下等生物で良かったです」
少女二人、憐れみをこめて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
…ふむ、かなり侮られてる…これは好都合…
…箒に乗って空中戦……マスケットを避けつつケツァルコアトルとの追いかけっこになるかな…
…まさか、知性のない下等生物に追いつけません、とか情けないことはいわないよね…?
…小回りを重視した機動戦で時間を稼いでいる間に遅発連動術式【クロノス】により空間に【空より降りたる静謐の魔剣】を発動待機状態で多数設置…
…コルテスの接近と同時に剣が実体化、さらに剣の命中・凍結と連動して他の剣がコルテスへと発射されるように仕込んでおく…
…後はコルテスを設置地点に誘導……そこでコルテスを引っ掛ける…
…侮ってくれてありがとう…おかげで「下等生物」でもお前を罠に嵌めて倒せるからね…
●鬼ごっこ
「……ふむ、侮られてる……これは好都合」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は箒に乗る。
頭上からコルテスを見下ろす。
「空から俺を見下しとは……下等にしては良い度胸だなぁッ!!」
下等生物に見下される、これほどの事があっていいものか。
ケツァルコアトルに乗って空を走る。
「……まさか、知性のない下等生物に追いつけません、とか言わないよね……?」
それをさらに煽るメンカル。
その挑発は非常に有効だ、感動的だ。意味がありすぎた。
マスケットに弾をこめて放つ、放つ。
されど激昂するその身では届かない、その速度に追いつかない。
空中の高機動戦。
全く無意味な鬼ごっこ。
激昂したコルテスは全く気づかない。
遅延した発動術式が至る所に仕掛けられていることに。
そして、遂にその時が来たる。
あえてゆっくり、と移動した所に。
「なんだ、もう疲れたのか!? 所詮は下等、今食い殺されると言う感覚を味あわせてやろうッ!!」
超高速で飛来するコルテスとケツァルコアトル。
遅発した術式が起動する。連動した術式が起動する。
突然に現れたるは静謐なる氷の魔剣。
それが超高速で突撃するコルテスの前に突然と現れる。
否、前々から仕掛けられていたそれにコルテスが気づかなかっただけ。
それが深々とコルテスの身に食い込んだ。
「ごぼッ……」
悲鳴すら声にならず、血が喉からこぼれ落ちる。
「……おまけ」
さらに至る所に仕掛けた遅延術式が発動する。
周囲至る所に仕掛けられた剣、その数265本。
その全てが殺到するようにコルテスに突き刺さり、突き立ち、その身を貫く。
全身をハリネズミかの如く貫かれ血が吹き出る。
「……侮ってくれてありがとう……おかげで"下等生物"でもお前を罠にはめれるからね……」
「……ぐ、ぉぉぉっ……下等、がぁ……!!」
ここまで、されてなお、己の増上慢を捨てられぬ。
それこそが、この男の強さであり、弱さなのかもしれなかった。
大成功
🔵🔵🔵
死之宮・謡
アドリブ歓迎
やれやれ、戦闘経験も薄い、戦闘方法も古い、考え方も古い…塵だね…珍しく、心が躍らないや…
まぁ良いや、雑魚にはさっさと退場願おうか…(口調とは裏腹に昏く澄んだ瞳で)
先ずはクレイアスターかな?唯の弓だと思って見下してきた角(コルテスのこと)を侵食の「呪詛」と生命力吸収を籠めて「属性攻撃:闇」を「全力魔法」で成形した黒矢を叩き込む
それでもって【機械仕掛け】を発動。超未来的な姿になって叩き潰す。身体に合わせて闇呪宝玉を槍のカタチにしてぶっ潰す…
相手の動きは「見切り」或いは「全力魔法」で妨害
対応の暇は与えない…
一切の慈悲なく油断なく…
私が上で貴様が下だ…這い蹲り…
死ね…
●死を謡う
「やれやれ、戦闘経験も薄い」
コルテスの放つ牙兵団を無造作な黒矢の雨あられが撃ち抜いた。
ゆうゆうと歩み続けるは暴虐な死の気配。
「戦闘方法も古い」
コルテスの放つマスケットの一撃が剣によって切り払われた。
ゆうゆうと歩み続けるは暴虐な力の気配。
「挙げ句考え方も古い」
コルテスがケツァルコアトルを繰り出すも、それが一蹴され、踏みにじられる。
その口に剣が突き立てられ、顎が無理やり閉じられる。
ゆうゆうとコルテスの前に立つのは暴虐な負の気配。
「……珍しく心が躍らない……」
「貴様ら下等を愉しませる趣味も俺にはないな」
その尽くが一蹴されていると言うのにこの男は何ら気にもとめない。
猟兵を相手にして様々なことを思い出してきたからだ。
されど、この男はまだなお、慢心し、油断を続ける。
"真正面から切り込んできた"ものなど、これ一人しかいないと言うのに。
「まぁ良いや……雑魚にはさっさとご退場願おう……」
死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)の姿が変わる。
それは――――機械であった。
巨大な力の象徴、神すら滅ぼす巨大な機械神。
あらゆるものを討ち滅ぼし、殺す戦闘マシーン。
その秘術の一つ、闇の呪詛をまとった宝玉が槍と化す。
「――教えてやろう」
その槍がコルテスを押しつぶした。
かろうじて逃げたが、足は最早使い物にならないほどに潰れていた。
零落した神はすでに物言わぬ肉塊と化していた。
「私が上で、貴様が下だ」
「おのれ……おのれ、おのれぇッ!!」
圧倒的な力の差、武威の差を、謡と言う女はここに示した。
大成功
🔵🔵🔵
甲斐・ツカサ
色んな世界の力を使うのは、良いよ。
オレ達だってやってる事だし。
でも、その竜の扱いを見てると、そこに何の愛着も感じられない。
それは許せないね!
同じ手が二度と通用しないなら、一度に使える力を強くした方が良いよね。
新たな世界には友愛を。
そして侵略には抵抗を。
コルテスがしていたのとは別の方法で未知の世界と交わり、コルテスの方法とは真っ向から対立する、手を携えて抗う物語。
それは過去二つの世界で勝利して、今も多くの世界で続いているオレ達の物語!
そんな、仲間には届き、コルテスには絶対に受け入れられない物語でみんなの一度きりをさらに強力に!
ケツァルコアトルにも、コルテスに抗う力が生まれてくれれば良いなあ…
●世界を繋ぐ力
「色んな世界の力を使う……それは良いよ」
甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)は世界を旅する冒険家。
様々な世界を往く冒険家、それ故に数多の業を知り、数多の業を持つ。
「オレ達だってやってる事だしね……だけど……」
隷属された奴隷の如き竜。
否、奴隷のほうがよっぽどマシだろう。
そこにあるのは最早道具、畜生としてすら扱われぬ憐れな零落した神。
否、道具のほうが幾分、マシだろう。
だって愛着のある道具は、長く使い込まれるのだから。
零落した神は道具以下である。
そこに愛着すら何もないのだから。
「だから、それが許せないッ!!」
「それの何が悪い下等ッ!!」
だからこそ、甲斐・ツカサは"世界を繋ぐ"。
新たな世界に悪意をぶつけたコルテス。
新たな世界に友愛をぶつけたツカサ。
新たな世界に侵略を持って入ったコルテス。
新たな世界に言葉を持って入ったツカサ。
それは様々な冒険譚。
力による支配、それに抗う人たちがいた。
力による征服、それに抗う人たちがいた。
戦いと言う力と戦う為に、手を取り、手を携えて抗った人々の物語。
星々の瞬く世界にて大いなる力を持った皇帝たちに抗った人々がいた。
世界を割り、すべてを堕落に沈めようとした首領たちに抗った人々がいた。
そして、今もなお、天下全てを得ようとする武将に抗い続ける人々がいる。
――――暗雲に閉ざされた世界で理不尽な暴虐な支配に抗う人々がいる。
――――圧倒する存在なる竜の軛から解き放たれようと抗う人々がいる。
――――迷宮奥底に眠る災いを取り除こうと学びながら戦い続け抗う人々がいる。
――――陰惨にして邪悪なる神々の復活に対して戦い続ける抗う人々がいる。
――――悪に立ち向かい、正義を掲げその正義を信じて抗う人々がいる。
――――不思議な箱庭の中で恐怖に追われながらもその命を燃やして抗う人々がいる。
そんな無数の世界から織り紡がれる物語、冒険譚、奇跡の軌跡。
今もなお、紡がれ続ける伝説の一端、いつか語り継がれるであろう伝説の始まり。
それは昔々に始まりを告げた黎明の物語。ひよこから始まったお話。
それは今日も続いている天なる白昼照らす冒険譚。雛が大人になったお話。
それは明日もまた続いている夢と希望に満ちている寝物語。大人が子供に語り継ぐお話。
全ての世界が紡いだソレが、ツカサの短剣に宿る。
それは、それ一つではあまりにも不甲斐なく、あまりにも弱々しい小さな刃。
されど、今その手に持った剣には、無限に連なる無限の物語が宿る。
星々の彼方の超技術がそこに宿っていた。
行き着く未来の果ての超技術がそこに宿っていた。
勇猛なる武将の、兵の、剣客たちの技巧がそこに宿っていた。
暗雲に閉ざされし世界の生粋の魔術がそこに宿っていた。
蒸気の力で生み出される圧倒的な力がそこに宿っていた。
英雄たちの剣が、英雄たちの魔術がそこに宿っていた。
邪神たちに立ち向かう人々の勇気がそこに宿っていた。
ヒーローたちの燃え盛る正義がそこに宿っていた。
不思議な世界を訪れた人々の決意がそこに宿っていた。
「たった一度きり――――だけれど、何度も続いていく奇跡の一片!!」
「なんだ……なんだ、その輝き……ッ!! 俺は知らん、知らんぞ、"その輝き"をッ!!」
何度も世界を侵略し、犯してきたコルテス。
故にその経験は豊富、されど、そのコルテスにもわからぬものが、見えぬものが。
今そこに存在していた。そう、決して彼には分からないもの。
「これが、今も多くの世界で続いているオレ達の――――物語だぁッ!!」
その刃は、願いで出来ていた。今日も誰かと幸せに生きられるようにと言う願い。
その刃は、祈りで出来ていた。今日も世界が平和で穏やかでありますようにと言う願い。
その刃は、希望で出来ていた。明日も良い日でありますようにと言う未来への希望。
その剣は願いで鍛たれ、祈りで焼入れを施され、希望で束ねられた世界の結晶、その一片。
刃より放たれた都合、36色の光の奔流がコルテスを飲み込み、そして消し去った。
侵略することでしか束ねられなかった男。
手を差し出して繋ぐ事で束ねていった少年。
少年の放つ光の輝き、それを男は最期まで"思い出す事"はなかった。
――――何故ならば、そんなものは"知らない"からだ。
そして、知る事もなく、男は骸の海へと還された。
大成功
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