5
年明けに美味しい怪人の襲撃なのじゃ!

#キマイラフューチャー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


0





「貴様らに聞く。果たして我々は食われるだけの存在か否か」
 頭部が餅巾着になった和装の怪人が、目の前に居る怪人に、問いかける。
 腰に下げた白木の刀は遠目にも業物と目される。
 その挙動にスキはない。落ち着いた風情を持つ、武と和の怪人であった。
「否――断じて否であるっ! 我々は喰われるだけの存在ではない! 故に、我々は――」
「ぎゃー!」
「ひぃー!」
「来んな、来んな猫ー!」
「――貴様ら、人の話を聞かんかァーッ!!!」
 怪人、餅巾着侍が喝を入れようとするが、目の前の怪人達はそれどころではない。
 マグロ怪人、ツーナー達はただひたすらに、猫に追いかけられノンストップであった。


「――あー、うん。と言う訳でじゃ。今回は予知したものの、何ていうか訳が分からん」
 エルナちゃんはこめかみを抑えながら言う。居合わせた猟兵達も、物凄い微妙な表情をしていた。
「……えーと、分からんかった、もしくは頭が理解を拒絶した者のために、もう一度だけ説明する。あちきが予知した怪人軍団から、何故か『果たし状』が届いた」
 果たし状。要は、決闘の相手に送る文である。和の文化であろう。
「内容を読むとだな……――『前略。猟兵エルナちゃんとやら、貴殿を和を愛す猟兵の一人として見込み、ここに決闘を申し込むものである。ついては仲間を集められたし、我が怪人らと戦わん。もしも来られぬ場合、我らはキマイラどもを逆に食らうであろう。敬具』――だそうだ」
 要は決闘するから猟兵集めて来いとのことだった。
「送り主は餅巾着侍というらしい。どうやらこないだの機関車怪人の知り合いで、その関係で猟兵のことも知ったようじゃな」
 オブリビオンにも横の繋がりってあるのか――怪人なら、もしかしたらあるのかもしれない。
「あー、ちなみに当然ながら、あちきはグリモア猟兵だからな。この決闘には参加できん。
 じゃから、お前さん達でとりあえずぶちのめして来てくれんか。面倒いし」
 はー、と大きなため息をつくエルナちゃん。
「ちなみに、決闘の場所に選ばれたのはとある公園じゃ。広さは野球が出来るくらい広い。
 一部の者には"マッサージ触手"の公園で通じるんじゃないかのー……」
 "マッサージ触手"?――一部ではない猟兵から疑問があがるが、エルナちゃんからの回答はなかった。
 地の文から、一言で言うと、そう言ったコンコンポイントのある公園があるのだ。
「んで、決闘のために公園を借りたいと申請したら、何故か観客席が設けられてしまった。
 まぁ観客が大勢詰めかけるみたいじゃな。猟兵と怪人の戦いはキマイラ達にとって娯楽でしかないからのー……」
 と、ぐったりとした様子で言うエルナちゃん。猟兵達も同じ気持ちである。
 何故なら――。
「……正月早々、こんな妙な怪人とキマイラ達のテンションに付き合わされるのはのー……。
 お前さんら、さっさと片付けて正月を楽しまんかの……」
 全員、全くの同意といったように頷いたのだった。
 ――猟兵に、正月休みを下さい。


守護運命の人
 守護運命の人です。明けまして6本目です。
 はじめましての人は、はじめまして。
 お久しぶりの方は、お久しぶりです。
 「あけおめヒャッハー!」の方は、「ことよろボンバー!」です。

 今回も宜しくおねがいします。

 今回はキマイラフューチャー世界にて、美味しそうな怪人集団との決闘シナリオを考えてみました。
 またヒーローシナリオですよ。しかもネタ多めの!
 はい。またヒーローショーのように、是非ヒロイックに戦ってみせてください!

 また、3章の日常編では、エルナちゃんも登場することが出来ます。
 登場させたい場合は、プレイングにその旨をご記載ください。

 さらに、3章日常編では、プレイングをおまかせ丸投げしてくださってもOKとします。
 こちらの方でキャラクターを見て、エルナちゃんが面白そうだと思った感じに連行して遊ぶ系の内容のリプレイを提出させていただきます。
 ただ、下記注意点はよくご覧ください。

 それでは、皆様の色々な意味で熱いプレイングをお待ちしております!

●上記、日常編おまかせの場合の注意点!
 キャラクターの口調は基本、設定された口調設定に従います。
 掲示板でのキャラ発言などはあまり見ません。
 詳しいキャラ設定や口調などをプレイングに載せてもらえると、反映されやすいです。
 特に、どのようなリアクションをするか、という辺りの記述はあると助かります。
 あまりに適用が難しすぎると思った場合は、採用を見送ることもあります。(極力ないようにしますが)
36




第1章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「――こちら、"マッサージ触手公園特設コロシアム"から中継でお送りしております。
 私も開戦を今か今かと待ちわびるファンの熱気に宛てられそうなほどの、鳴り止まぬ歓声です――」
 実況が鳴り響く公園。完全に興行と化した、猟兵VS怪人の戦いの姿があった。
「……ふむ、揃ったようだな……猟兵ども……!」
 餅巾着の怪人が、揃って対峙する猟兵達に告げた。
 が、周りにはマグロ怪人ツーナー達が相変わらず猫に追い立てられている。なんとシュールな光景であろうか。
「此度の戦、いざ尋常に――貴様らの全力をもちて参られい!!」
 餅巾着侍は、白木の鞘から刀を抜刀する。そして八相の構え。
 ――すると、その足元から――きらめく瞳。
 マグロ怪人ツーナーたちは、キュインという効果音を立ててハッとする。餅巾着侍の袴の裾から出てきたのは……大量の猫。
「さあ! 食われたくなくば戦え、我が怪人の精鋭たちよ!」
「ひ、ヒィイイイ!!??」
 追加の猫に驚き、ツーナーたちは猟兵たちの方へ遮二無二特攻をしかけてきた。
 ――いいのか、そんな部下操縦法で。
弥久・銀花
マッサージ触手の公園……、あそこですか……。 (銀花はマッサージ触手の第一発見者にして第一被害者です)

今回はコンコンしないでおきましょう、衆人環視の前であんなマッサージをされるなんて真っ平御免です (/// ///)




私は猫さんをあの汗臭そうな半魚人? から引き離す事を優先します。
あんなのに齧り付いたら病気になってしまいそうです。

なので此処に取り出だしたるはマタタビの粉末の入った巾着袋。
この袋に長い糸を結びつけて準備良しです。

人狼咆哮で猫さんを一旦追い払ったら、マグロ怪人(の褌の腰後ろの辺り)にこの糸を結び付けます。

では、ネコさんが疲れるまで無限のスタミナを発揮して公園を走り回って下さい。




「マッサージ触手の公園……」
 そのマッサージ触手の第一発見者にして、第一被害者である弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は、何でまたここなのか――と脱力する。
 ――今回はコンコンしないでおきましょう。銀花は前にコンコンしたポイントを睨みつけながら、心に決める。
 衆人環視の前で、あんなマッサージをされるなんて真っ平御免であった。お嫁に行けなくなる、という奴だ。
(――まぁ、それはともかくとして……なんですか、あの汗臭そうな半魚人は?)
 猫から逃げるあまり暴走するマグロ怪人ツーナーを見て、猫を気の毒に見る銀花――あんなのに齧り付いたら、ネコさんが病気になってしまいそうです。彼女は思う。
 なので、彼女が取り出だしたるは――マタタビの粉末の入った巾着袋。
(この袋に長い糸を結びつけて――準備良しです)
 さあ、怪人がやってくる。銀花はその怪人を見て――そして、人狼として、咆哮を上げた。
 ぎにゃん!?――と、銀花の咆哮に震え上がった猫は、怪人を追いかけるのをやめて、蜘蛛の子を散らすように散っていく。
「た、助かった……?」
「助かってませんよ?」
 ――その一瞬のスキ。素早く近づいた銀花は、怪人――の褌に、先程の糸を結び付けたのだった。
「――ハッ!!??」
 ――……先程以上に熱くなった猫の視線に、例のキュインという効果音を発生させる怪人。
 事の重大さを理解した怪人は、再び全力で走り出す。
「では、ネコさんが疲れるまで無限のスタミナを発揮して公園を走り回って下さい」
 笑顔でそれを見送る銀花――なんという、酷い所業であろうか。
 怪人は必死の形相で逃げる、逃げる。銀花はその状況を目で追っていた――。
「――……ん?」
 しかし、やがて違和感へと辿り着く。
 ――視線を、感じる。
(えーと、ごめんなさい。これはもしかしなくても、えーと……)
 ゆっくりと、後ろを振り向く銀花。
 ――目を輝かせた、猫の群れ。群れ。群れ。
(――マタタビの香り、私に残ってます……??)
 ネコさんに笑顔を振り向いてみる。一層、その目が輝いた。
 ――咆哮をあげる暇もない。銀花は全力で逃げた。その後を、ネコが全力で追いかける。
(うん、回りくどいことやるんじゃなかったですね!)
 後悔先に立たず。その言葉の意味を噛みしめる銀花であった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アンナ・フランツウェイ
こっちにくるな変人!というわけでマグロ怪人を断罪もとい倒す。

超高速の連続攻撃を使うが、回避されても中断出来ない。ならば攻撃を防ぎ隙が出来た所を強力なユーべルコードで倒す。

怪人が突っ込んできたら見切りで攻撃の軌道を見極めてから鮮血の鋼鉄処女を前に展開、武器受けでこれに攻撃させ防いだらその隙に怪人の背後に回り込む。…このアイアンメイデン、防御にしか使った事が無いような。

回りこめたら断罪式・瑠璃唐花のギロチンの刃で攻撃する。アンタみたいな怪人は私でも食わんわ!




「こっちにくるな、変人!」
「猫に言ってくれぇエエエァアアアア!!?!」
 突っ込んできた怪人の超高速連続攻撃を、鮮血の鋼鉄処女を前に出して盾にして防いでいるのは、アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)だった。
 必死すぎて猫が迫っているのに、前に進めない。怪人は焦るあまりに超高速でアンナを攻撃していた。
「キェエエァアアア!?! 食われるぅうううう!! どけぇええええ!!」
 非常にうるさい。こんなのと関わってたら、頭が痛くなる――この煩くて奇妙な格好のマグロ怪人は断罪、もとい倒す。アンナの心に決意が灯る。
「退くのは――アンタの方!」
 ――怪人が後方の猫に気を取られた一瞬。ユーベルコードを叩き込むスキが出来た。
 超高速の連続攻撃。回避されても中断出来ない。これらの要素から導き出される結論は――。
(――攻撃を防ぎ、隙が出来た所を強力なユーべルコードで倒す)
 ――怪人の背後に回り込む。アンナ……その時点で、彼女の断罪は完了していた。
「アンタみたいな怪人は私でも食わんわ!」
 ――ざんっ、と巨大な刃の通り抜ける音が響き、そして無音。
 断罪式・瑠璃唐花――襲いかかるギロチンの刃は、的確に怪人の首を吹き飛ばしていた。ドシャァッ――と、アンナの後方に落ちる。
(……そういえばこのアイアンメイデン、防御にしか使った事が無いような……)
 ――初回はちゃんと攻撃にも用いていたよ、と地の文は言います。安心しなさい。
(そうだっけ。よく覚えてない)
 後方に跳んでいった怪人の首、それを追う猫の姿を目線で追うこともなく、アンナは前を向いた。
 ――まだあの怪人はうじゃうじゃいる。骨が折れそうだと、少し溜息を吐くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 決闘か、いいだろう。そして、正々堂々と戦いを申し込むその意気込み、断ったら住人に危害を加えるという点を除けば、怪人としては誠に感銘深い。その意気込みに応え、元武将の我が挑んでやろう。
 我は『剣刃一閃』を用いて怪人を切り伏せる。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情かつ殆ど無言で攻撃を仕掛けるぞ。
 しかし、最初の相手はマグロか。どうやら、正月の御馳走まで用意されているとは、敵の心遣いに感謝せねばなるまい。せっかくなので、我は猫耳を付けておくとしよう。そして、『剣刃一閃』で切り落としては食していくとしよう。味はマスター殿の一任する。
 快い決闘に豪勢な食事……、今年は良い年になりそうだ!




「決闘か、いいだろう……」
 竹城・落葉(一般的な剣客・f00809)は怪人、餅巾着侍の正々堂々と戦いを申し込むその意気込みに、感慨深く呟く。
 ――断ったら住人に危害を加えるという点を除けば、怪人としては誠に感銘深い。
「その意気込みに応え、元武将の我が挑んでやろう。さあ、来るがいい」
「き、きぇええええー!!?」
 その一瞬。怪人の身体が2つに頒かたれる。
 一体の怪人とすれ違いざま、刀を素早く振り抜き、怪人を絶命させた落葉。その太刀筋、冷酷無情。
 ――いつの間にか、その頭に猫耳。とても可愛いが、怪人にとっては天敵オブ天敵。怪人たちは猫に追われ、突撃する。
 無表情、無言で刀を振り裁きつづける落葉。怪人の多くが、捌かれていく。
 一体、また一体と捌かれていく。それはまるで精肉作業か何かのようにルーチンワークにも見えた。
「しかし、最初の相手はマグロか。どうやら、正月の御馳走まで用意されているとは、敵の心遣いに感謝せねばなるまい」
 再び一閃。そして一閃して、出来たマグロの切り身を、指で引っ掴んで――躊躇いなく、食す。
 ――濃厚なマグロ味。ああ、醤油が欲しい。醤油を持ってこい。
「快い決闘に豪勢な食事……ああ、今年は良い年になりそうだな!!」
 次々とマグロ怪人を蹂躙していく落葉。恐れおののく怪人を彼女は切り裁き、そして食していった。
 ――お腹、壊さないか心配です。大丈夫かな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキノ・サーメッティア
前門の猟兵、後門の猫ですねー
猫ちゃんかわ…いい?
なんだかご馳走を前にした鬼気迫る物があるけど…
上司に恵まれず、逃げ場も無くされて、可哀想ではあるが…
だが、「来るな変態!」である

シャルドンナ—による赤褌(股間)を狙って撃つ
動きを止めた奴が居たら…
「猫さん、やっておしまいなさい!」
怪人ツーナー達が文字通りに動きを止めた奴を
(猫の)餌食にさせてあげるの
このツナ怪人達、悲鳴しかあげてないな…
ともかく、狙えるのなら急所を狙って撃っちゃうよー

敗因はただ一つ、シンプルな答え…
『上司に恵まれなかった』
これであろう




「前門の猟兵、後門の猫ですねー。猫ちゃんかわ……いい?」
 なんだか、ご馳走を前にした鬼気迫る物があるけど――ユキノ・サーメッティア(ミレナリィドールのマジックナイト・f00911)は冷静に状況を分析して思う。
 ――上司に恵まれず、逃げ場も無くされて、可哀想ではあるが……だが、そこはこう言うしか無い。
「来るな変態!」
「ッ――!!」
 ユキノは容赦のないエイミングで、雷の力を持つ精霊銃、シャルドンナーから放たれる加速弾丸を――急所を狙って撃つ。
 ――そう、股間を。そんなもの、痛いで済みません。崩れ落ちる怪人達。南無。
「猫さん、やっておしまいなさい!」
「ぎぁああああああああああああああ!!!」
 そして崩れ落ちて動けなくなった怪人は、片っ端から猫の餌食になっていった。
 ……なんて、なんて容赦のない作戦であろうか。しかし効果的だ。素晴らしい。
「このツナ怪人達、悲鳴しかあげてないな……」
 容赦なく急所狙いを敢行しながら、ユキノはなんでもないように言った。
 それは、悲鳴しかあげれないんだと思いますよ、きっと。
 彼らの敗因はただ一つ、シンプルな答え……――。
(――上司に恵まれなかった……――これであろう)
 ユキノの容赦ない射撃は続く。犠牲になっていく怪人。
 阿鼻叫喚。これ以上に形容する言葉は、ない。怪人よ、南無。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・クリスティア
あのすいません!ツッコミどころ多すぎやしませんかね!?
と言うかここ!前回のあの場所じゃないですか!?なんでまたここ!?
……あ、今回イソギンチャクじゃないんですね。そこはちょっと安心かも。

さてさて気を取り直しまして。
公園ならば遊具の類はあるでしょう。
地形の利用、目立たない技能でその陰に隠れさせてもらって。
敵の数は多そうですし、これを使いましょう、炎爆弾。
纏めて焼きマグロにして差し上げましょう!
……美味しいんですかね、コレ。
いえ食べませんけども、はい。

私は援護が本領、接近戦は苦手ですからね。
狙われたら逃げの一手です。パラライズナイフで時間を稼ぎつつ、仕上げは他の皆さんにお任せしますよ。




「あのすいません! ツッコミどころ多すぎやしませんかね!?」
 ――と言うかここ! 前回のあの場所じゃないですか!? なんでまたここ!?
 前回、イソギンチャク怪人にひどい目に合わされた記憶を思い返して、プチ錯乱するシャルロット・クリスティア(マージガンナー・f00330)。
 でも今回はイソギンチャクじゃないことに、ちょっとだけ安心していた。
 さてさて、気を取り直すシャルロット。公園ならば、とばかりに土管を使ったトンネル遊具の陰に隠れることにする。
「敵の数は多そうですし、これを使いましょう――炎爆弾」
 爆炎のルーンを込めた弾丸を選び、彼女はエンハンスドライフルに装填する。
 そして、じっと射撃の機を待つ――ツーナー達の動きが、集まる。その瞬間を彼女は待っていた。
 ――来た。
「――纏めて、焼きマグロにして差し上げましょう!」
 隠した場所から身を少し晒し、一瞬を見逃さない。
 ――狙い定め-ロック・オン-。
 ――――撃つ-ファイア-。
 ゴゥッ、と爆炎。集まった怪人たちは、巨大な炎に焼き焦がされ、次々に倒れ、絶命。
(……美味しいんですかね、コレ。いえ食べませんけども、はい)
 ――でも、マグロを焼いたような凄くいい匂いがしてくる。お腹が鳴るかも。
 匂いに少しだけ反応しつつ。ライフルを担ぎ、狙撃手として次の隠れ場所へと素早く移動するシャルロット。
「私は援護が本領、接近戦は苦手ですからね」
 ――仕上げは他の皆さんにお任せしますよ。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイル・コーウィン
こういうのをシュールっていうのかしら?
まあ、いいわ。私は私の目的のために戦うだけよ!

さて、マグロ怪人達は猫が嫌いみたいだし、それを利用しない手は無いわね。
私はヤドリガミだけど見た目はどう見ても猫のキマイラ、そう猫よ。
両手を猫っぽく構え、猫っぽい口調で演技をしながら怪人達を脅かすわ。

「にゃー!! マグロは食べちゃうぞーだにゃー!!」

逃げる怪人の姿は滑稽で楽しいわね、ふふっ。
さあさあ、もっと脅かして……って水は駄目よ、水は!
びしょ濡れになっちゃ……にゃああっ!?




「こういうのをシュールっていうのかしら?」
 アイル・コーウィン(猫耳トレジャーハンター・f02316)は逃げ惑いながら、猟兵達に向かってくるマグロ怪人たちを興味深く眺める。
「まあ、いいわ。私は私の目的のために戦うだけよ!」
 目的とはなんだろうか? ともあれ、彼女は自らの容姿を最大限活かすことを考え、実行に移す。
 すなわち――見た目はどう見ても猫のキマイラである彼女、そう猫である。
「にゃー!! マグロは食べちゃうぞーだにゃー!!」
「ひ、ひぎぃいいい!? 猫が増えたぁあああ!?」
 怪人たちはビビり上がり、アイルと大きく距離を取るのだった。
 気を良くした彼女。両手を猫っぽく構え、猫っぽい口調で演技をしながら怪人達を脅かす。脅かす。脅かし続ける。
「逃げる怪人の姿は滑稽で楽しいわね、ふふっ」
 余裕を持って微笑む彼女、もう一度、怪人たちをおどかしてやろうとした、その瞬間――。
 ――ピチャッ、と水の音。
(――水?)
 アイルは、その音が跳んできた方角を見る。
 さきほど逃げた怪人達は、水鉄砲を構えていた。それを――乱射する。
「喰らえ、猫ォォオオオーッ!!」
「って水は駄目よ、水は!? びしょ濡れになっちゃ……にゃああっ!?」
 凄まじい勢いでとんでくる水鉄砲を、全て間一髪のところで回避していくアイル。
 その水鉄砲を撃ってくる怪人達に接近し、とりあえず全部ダガーで突き、黙らせていった。
「はー、びっくりしたわ……」
 アイルはほっと胸を撫で下ろす……水浸しにならなくて、済んだ――。
 それが、気の緩みではあったのかもしれない。
「ふにゃあっ!!?」
 一歩踏み出した瞬間、その水鉄砲で水浸しになった場所を踏んで、アイルはつるりと滑った。そして、ばしゃり。
 結局、水は被ってしまうのであった。びしょ濡れになる、アイル。
 ――その様子に男性客の歓声があがる……胸も大きいし、男性ウケはするのだろう。
(うーん、盛り上がったみたいけど、少し複雑だわ……あー、びしょ濡れ……)
 アイル的には不本意である、当然ではある。アイルは立ち上がり、盛り上がる観客はひとまずおいておいて、当たりを見渡すことにした。
 怪人たちはもうアイルにちょっかいをかけようとはしていないようだった。故に、作戦は概ね成功していた。
 観客のウケも良かったし、これはこれでいい結果とは言えるだろう……。
 ――本人が納得するかはともかくとして、だったが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リアーナ・シルヴァネール
◎オーディエンスは多い方が良いわ
私が戦うのは己の価値を証明する為、沢山の観客を魅了して敵を粉砕出来るなら、それは価値の証明になるはず
見られるの…本当は嫌いじゃないし…(小声)

◎怪人なんて、私にとっては踏み台にしかならないの
戦いは華麗に艶やかに。
スカイステッパーで空中を舞うように飛びながら二丁拳銃の早撃ちで弾丸の雨を降らせて怪人を蜂の巣にしてやるわ。
跳躍限界が来たら怪人を踏み付け、踏み台にして再び舞い上がりバレットダンス、最後の1匹が死に絶えるまで私の舞は終わらないわよ。

◎サービスもしないとね?
空中を舞う時は観客の視線を意識してアピールや投げキッスのサービスもする。
コレ、クセになりそうかも。




「オーディエンスは――多い方が良いわ」
 リアーナ・シルヴァネール(空を舞う銃姫・f07102)は、公園に満ちる観客の歓声を浴びて、呼吸を整える。
(――私が戦うのは己の価値を証明する為、沢山の観客を魅了して敵を粉砕出来るなら、それは価値の証明になるはず――) 
 ――見られるの……本当は嫌いじゃないし……――小声で言ったその言葉は、他の猟兵や観客には届いていない。
 猫に追い立てられた怪人、ツーナー達が遮二無二突撃してくる。
 それを眺めた彼女は、ふっと一息吐く――その群れに向かって、跳躍。
 空を蹴り、宙に舞い上がるリアーナ。彼女は拳銃を構え、素早くその怪人たちへと向ける。
 ――弾丸の雨は、怪人を蜂の巣にする。絶命し、倒れていく怪人たちの上空で、再度宙を蹴る。
 次の怪人の群れに対し、再びの弾丸の雨。複数の怪人が倒れ、そして再度跳躍。
 それが、繰り返されていく。時には、怪人を足場にして、彼女は硝煙と銃弾で、自らの空中演舞を彩っていく。
「ひゃー! 美しいですー!!」
「きゃー、リアーナ様ー!!」
 その妙技に、男女問わず観客の興奮した声が響く。リアーナの心に、どこか熱いものが灯る。
(コレ、クセになりそうかも――)
 怪人の首を踏みつけ、サマーソルトの要領で顎を蹴り上げながら――観客席に向け、投げキッス。
 その投げキッスで撃ち抜かれたように、熱狂した観客たちは崩折れていく。リアーナはそれに気をよくして、次の標的へと空を蹴り、跳躍していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

弥久・銀花
ちょっと、こっちの方に走って来ないで下さい。

同じフィールド、同じ獣から逃げているので、逃走ルートが似通ってしまいましたね。

ですがこんな汗臭い半魚人と仲良くランニングなんて真っ平御免です。

追い越して私を追う猫をこいつに押し付けます!

んううううう! (全力疾走しています)


ふう、撒きましたか……、ん? (立ち止まった所はマッサージ触手発生地点)


きゃぁぁぁぁ!?




 ――その頃、銀花は走っていた。
 理由は、猫から逃げるために。割と切実に全力疾走である。
 咆哮する間は先も言ったが、ない。全力で吠えることさえできれば追い散らせるだろうけど、脚をとめたらねこまみれになることだろう。
(――あ)
 そして、走っていて気づく。並走しようする陰に。
 ――それは、ヘンタイ……もとい、マグロ怪人。
「ちょっと、こっちの方に走って来ないで下さい」
「そんなこと言うなよぉおお!?! 一緒に逃げさせてくれぇええ!!」
 何か切実な様子で言われる。猟兵への恨みはどうした、怪人。
 ――同じフィールド、同じ獣から逃げているので、逃走ルートが似通ってしまいましたね――銀花は思う。思って、
(ですがこんな汗臭い半魚人と仲良くランニングなんて真っ平御免です――んううううう!)
 銀花は、加速する。追い越して、自分を追う猫を押し付ける作戦に出た。
「や、やめろぉおおおおお!!」
 怪人もまた、全力疾走を始める。二人共、必死であった。
 ――そして、軍配があがったのは、銀花の方。
「ぐあああああああああっ!?!」
 とんでもない量の猫に襲われひどい目に会う、怪人ツーナー。
 それを遠巻きに、見る銀花は、走り疲れた銀花はふう、と安堵の溜息を吐く。
「ふう、撒きましたか……――ん?」
 その、自分が立ち止まった所――見覚えがある。
 ――ここは、そういえば――マッサージ触手の、発生地点?
「!!」
 とっさに銀花は嫌な予感がして、足元を見た。
 ――猫が一匹、地面をてしてしとコンコンしていた――何故だ。このタイミングで。
「ちょっ、何してるんで――きゃぁぁぁぁ!?」
 ――うねうね、うねうね。
 例のマッサージの悪魔、パイプ触手が姿を現していた。猫はその異様さに神速で逃げ出していた。
 即ち、この場には銀花しかいないわけで――。
「いやぁああああ!? こんな時にやめてぇー!?」
 ――お嫁に行けなく、なりそうです。
 パイプ触手に懇願しても、機械に思考なし。
 ――哀れ、絡められた銀花は、先の全力疾走でぱんぱんに張った脚と腰を重点的に、うねうねもみもみと揉み解されてしまうのだった。
(――あ、あぁー! 恥ずかしいけど、なんで気持ちいいの、この触手のマッサージはー!!)
 銀花は心の中で叫ぶ。そうでなければ別に強く抵抗もできるのに、と。
 ――マッサージの気持ちよさで蒸気した頬に、恥ずかしさの籠もった表情――男性客、スタンディングオベーション。
 彼女の気持ちはよそにして、会場はその光景に盛り上がっていた――。
 ――銀花、強く生きるんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『餅巾着侍』

POW   :    御澱流・田楽刺し
【長巻を用いた鋭い刺突攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【煮え滾る味噌だれ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    御澱流・チカラモチ
自身の肉体を【つきたての餅めいた形質】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ちくわと鉄アレイ
【伝説的なニンジャマスター】の霊を召喚する。これは【食べると体力を回復出来るちくわ】や【当たるとダメージを受ける鉄アレイ】で攻撃する能力を持つ。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハヤト・ヘミングです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「…………やられたか、我が怪人たちよ」
 ――焼かれ、斬られ、撃たれ、捌かれ。
 キマイラのスタッフにより、美味しく頂かれていくマグロ怪人ツーナーを見て、餅巾着侍は呟いた。
「仕方あるまい……我がお相手致す」
 白木の刀を抜き放ち――猟兵達に徐ろに近づいてくる、餅巾着侍。
 一人では在るが――その迫力、幽鬼より存在感があり、そしておどろおどろしい。
「我を食らえる覚悟がある者のみ、前に出られよ。弱者は必要なし!」
 餅巾着侍の啖呵に、会場が盛り上がる。
 ――さあ、決戦だ。早く倒して、正月休みを堪能するのだ。
リアーナ・シルヴァネール
◎え?食べる?食べ物なの?
侍なのか餅巾着なのかハッキリしなさいよ!
もう、訳が分からない怪人だわ…

◎サービスシーンはまだあるのよ?
何にせよ敵は倒すだけ、会場を盛り上げるサービスシーン…切り札もまだあるから。
まずは斜め前方に跳躍、空中から弾丸の雨を降らしつつ牽制して距離を詰めるわ。
着地の隙を狙われても見切りで回避しながら服を脱ぎ捨てて、ボンテージ姿になって一足飛びに懐へ入り迅影脚を叩き込む。

◎脚技が得意なの、私
迅影脚の蹴りが入ったらそのまま蹴倒し、踏み付けながら或いは組みついて脚で拘束(グラップル技能)しながら零距離射撃で弾丸を浴びせまくるわ。
弾力性のある身体には難しい戦法?やってみる価値はあるわ




「え? 食べる? 食べ物なの?」
 リアーナは餅巾着侍の台詞に首を傾げつつ、しかし前に出る。
「ほう、貴様が一番槍、という訳か……――ククク、我はそう簡単に田楽にはならんぞ!」
「侍なのか餅巾着なのか田楽なのか、ハッキリしなさいよ!」
 ――もう、訳が分からない怪人だわ……――少し疲れたような面持ちでリアーナは額に手を当てる。
 とはいえ、相手はボス級オブリビオン。油断は禁物とばかりに、リアーナは構える。
 餅巾着侍は上段に刀を構えると――
「参る!!」
 ――ぐいんと一気に身体が"伸びた"餅巾着侍が放った剣撃が、リアーナが跳躍した後の場所で、空を斬る。
(――なるほど、たしかに餅……というより、ゴムかしら??)
 一気に伸縮した身体を瞬間的に元の位置まで戻す餅巾着侍を見て、リアーナは感心する。
 なるほど、奴はあのように遠距離攻撃が出来るのだ。甘く見ないで正解であった。
(でも、何にせよ敵は倒すだけ……会場を盛り上げるサービスシーン――切り札もまだあるから)
 跳躍したリアーナは、空中で宙返りをしながら、既に抜いていた二丁拳銃を侍へと向ける。
 ――降りしきる弾丸の雨。しかしこれを餅巾着侍は、縦横無尽に刀を振り回し、弾いていく。
「甘いぞ! きなこ餅のように甘いッ!!」
 そして、着地の隙――餅巾着侍は再び伸縮自在の身体で剣撃を放つ。
 ――斬った。侍の鞘へ収める音が、響く。
「取ったぞ、猟兵――……何ッ!?」
 しかし、斬ったと思った地点にあったのは、リアーナがスカートが断ち切られたいつも身につけているドレスのみ。
 餅巾着侍は周囲を見回す――リアーナの姿はない。
「上よ」
 短いリアーナの声。見上げた餅巾着侍の眼前に迫るのは――靴底。
「ごあぁあああああああっ!!?」
 踵落とし気味に迅影脚がヒットし、そのまま餅巾着侍は踏み付けられ、地面へと倒れる。
 すかさず、リアーナの拳銃が火を吹く。その無防備な背中に、零距離で銃弾が炸裂する。
「――くっ、猟兵、この餅巾着を舐めるでないぞぉっ!!」
「!!」
 突如――リアーナは飛び退る。
 ――彼女には、銃弾の着弾する音が鈍くなったのが聞こえたのだ。嫌な予感がした。
 そしてそれは的中する。発射をやめる寸前、鈍く着弾した弾丸が、跳ね返って先程彼女が居た場所を襲ったのだ。
「――凄い弾力じゃない」
「お褒め頂き、恐悦至極。貴様の攻撃もいささか美麗であった、更に眼福であった」
 にゅるん、と音がしそうな軟体的な立ち上がり方で立ち上がった餅巾着侍は、再び刀を構えるのだった。
 ――戦いはまだ始まったばかり。だが、いい有効打は与えられたらしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 ふっ、良い度胸だ。なら、元武将の我が食してやろう。覚悟せよ!
 我は『剣刃一閃』で怪人を切り伏せる。また、【2回攻撃】【だまし討ち】【残像】といった技能をフル活用して怒涛の攻撃を仕掛けよう。上手くいけば、有効打を与えられる筈だ。
 戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情かつ殆ど無言で攻撃を仕掛けるぞ。あと、切りつけた部分は可能なら食しておこう。その場合、味はマスター殿に一任するぞ。勿論、怪人を倒すのを優先する。




「ふっ、良い度胸だ――」
「――むっ!」
 ――刀を構えた餅巾着侍は、既の所でそれを防ぐ。甲高い剣戟の音。
 仕掛けていたのは落葉であった。それは、落葉の振るう刀。
「まだ食われるわけにはいかぬ! 我を食らうのは強者のみ!」
「なら、元武将の我が食してやろう。覚悟せよ!」
 踏み込み、二閃目。これを、餅巾着侍は――隠し持っていた武器で防いだ。
 ――それは、長巻と呼ばれる武器――。
 長巻は一般的に、柄を長くとることで取り回しやすさを重視した、太刀から発展した武器である。
 そのフォルムは柄の短い薙刀のようではあるが、これは太刀を軽く取り回しやすくする工夫の上で長くなった柄であるため、扱い方としては太刀の扱い方が正しい。
「本気を出さねばなるまいな!」
「それが、貴様の得物か……来い――!」
 白木の刀を放り出すと、餅巾着侍はもう一振りの長巻を取り出し、二刀流する。
 ――それは彼が追い込まれている証拠でもあったのだが、彼女の知る由もない――直ぐ様、刀の一刀流と、長巻の二刀流が交錯する。
 落葉は、時に長巻の刺突を残像で躱し、時に刀で滑らせ、的確に捌いていく。
 対する餅巾着侍も、落葉の刀に刃を合わせ、時には長巻の長い柄まで使って防ぎ、致命傷を避けていく。
 ――しかし、その高速戦闘の末、ついに一太刀が決まる。
「――ぐおぉおおおっ!!」
 苦悶の声。それは、餅巾着侍のものであった。
 彼は頭の餅巾着の端を欠片に斬られ、その熱く柔らかくなったモチを血のように飛ばした。
 ――そして、神速でその餅と揚げの欠片を摘んだ落葉は、それを口に運ぶ。
「――よき出汁の味のする揚げ。そして熱きまったりとした餅よ。よもや剣技だけでなく、味もこれほど一流とは――」
「食レポ、感激痛み入るぞ、強者――だが、まだ終わったわけではない!!」
 ――長巻の刺突。それを餅を食しながら落葉は、それを刀でいなした。
(ふむ、しかし全て食すにはいささか我の体力がおぼつかぬな……今は引くか)
 口の中で咀嚼しながら、落葉は次の猟兵が仕掛けるのを目の端で追いながら、退くことを選んだのだった。
 ――ところで、本当にそんなの食べてお腹壊さない? 大丈夫……?

大成功 🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花
うぁぁ…… (顔を真っ赤にして、残った左目をギュッと瞑り、口元で両手を組み、指を噛んで、体を軽く丸めて横向きに寝そべった姿勢です、勢いは衰えたもののまだマッサージ中。)

ぁ……? (餅巾着侍を見つけました。)


ふふふ、この恥辱の恨み、ぶつける相手が生きててくれて嬉しいです。

視線や体の向きがこちらから逸れた瞬間を狙って……、今っ! (ビリィッ! と布地が裂ける様な音が鳴りました)

走りながら左手を刀の柄に添えて間合いを詰めます。

こっちに気付いた様ですが反応が遅い! 鋭刃線閃!


あれ? 何だか涼しい……、きゃー?! (スカートは触手にまだマッサージされています、取り返しに行くと二の舞になります。)




 ――その、少し前。
「うぁぁ……」
 顔を真っ赤にして――左目を、ギュッと瞑って――体を軽く丸めて――口元で両手を組み、指を噛んで――。
 そんな、横向きに寝そべった姿勢で、銀花は耐えていた。
 ――何に? と言われれば、マッサージに。
 一応凝りは解れたので、あとは仕上げ。マッサージも佳境に差し掛かり、緩くなっていたが――。
「ぁ……?」
 彼女の目に、猟兵の一人だろう侍と剣戟を交わす、餅巾着侍が映る。
 ――瞬間、彼女の目に闘志と、怨念――そして、憤怒が宿る。
「――ふふふ、この恥辱の恨み、ぶつける相手が生きててくれて嬉しいです――!」
 視線や体の向きがこちらから逸れた瞬間を狙って――
「今ッ!」
 ――ビリィッ!
 何か破ける音が鳴った気がするが、今の彼女はそんなこと、気にも留めていなかった。
 一直線に走りながら、左手を刀の柄に添えて、餅巾着侍へと間合いを詰め――!
「むっ!?」
 ――こっちに気付いた様ですが、反応が遅い――銀花は相手が構えるよりも前に、愛刀を振り抜いた――!
「研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 鋭刃線閃!」
「ぬぐぉああああああっ!?!」
 ――縦横無尽に振るわれる白嵐玉椿。それは身体の弾力を無視したかのような切れ味で、餅巾着侍の身体を捌いた。
 崩れ落ちる、餅巾着侍――銀花はそれを尻目に、カチリ、と納刀。
「成敗――!」
 銀花、怒りの一撃は餅巾着侍に手痛い傷を負わせることが出来た。あたりには、飛び散った餅の破片。
 ――しかし。
「貴様も強者であるか――飾りなき下着姿の侍よ」
「――――…………え?」
 あれ――? 何だか涼しい――? 銀花、恐る恐る、目線を下に。
 ――――銀花の趣味が垣間見える、飾り気のなくシンプルなショーツ、御開帳。
 銀花、顔が赤く噴火、再び。
「きゃー?!」
「眼福であるが、俗にいう幸運助平であったか――世は、真に妙よな。幼女を好む、かの機関車怪人が聞けば、どう言うか――」
 餅巾着侍は軟体じみた、にゅるりとした動きでその場から離れるように立ち上がり、妙に感慨深そうに言うが、銀花はそれどころではない。
 きょろきょろと探し、自分のスカートを探す。確か、破れるような音がしたと記憶にあった。
 ――スカートは触手にまだマッサージされていた。取り返しに行くと二の舞になるが――。
「――オナゴの痴態を眺めるのは武士らしくなき。強者たる女侍よ、幸あれ」
「いやあああーー……――」
 意外に紳士的な餅巾着侍の背中――迷わず取りに行った銀花、残念ながらマッサージ延長決定。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・クリスティア
……もち、きんちゃく……?
餅はこの間はじめて頂きましたが、巾着とは……?お財布ですか……??
(カルチャーギャップ発動中)
……後で調べましょう!!

ともあれ、やることは基本的に一緒です。隠れて狙撃ですね。
むしろこちらが複数のまま、相手が単体となれば、強敵とは言えむしろ潜伏には好都合でしょう。
増えたとしても……
氷結弾で、出てきたところを狙撃して、動きを止めさせてもらいますよ!
バックアップはお任せください。前衛の皆さんが大暴れしやすいように、全力で援護しますので!


ユキノ・サーメッティア
そこのパワハラ怪人!
お前を喰う気はしないけど、勝負!
あ、でも周りのキマイラ達なら食べてくれるかもよ?
ツナ怪人達を頂いたぐらいの人達だし

餠巾着と言うからには…、よし煮込もう
UC『トリニティ・エンハンス』にで水属性の攻撃強化!
水は水でもお湯だけどねっ

「POW」攻撃に対して
【見切り】しつつも【残像】で避けようとして
【カウンター】で斬り返す

こちらが攻撃するときに【生命力吸収】しながら
…ん?これもある意味で食べてることになるのか?
ついでに、【衝撃波】でお餅をよく叩いてあげましょう


テラ・ウィンディア
此処がきまいらふゅーちゃーか!(地味にこの世界では初めて依頼参加

そして貴様!面白い頭の癖に…分かるぞ
その立ち方で…銀河帝国の帝国兵にも負けない実力を持ってるって事がな

だが…それでもおれは負けん!我が竜騎士の技の冴え…我が全霊!我が武!馳走してやる!

……だが、お前凄い良い匂いだな

属性攻撃
剣と槍…足に炎を纏わせ

見切り第六感
冷徹に侍の動きを見据え癖と直感による回避
或いは己が肉を切り餅を断つ好機を見据え

槍と剣を駆使しての猛攻
そして空中戦で飛び回り多角的かつ幻惑的に襲い掛かる

そして好機を見つければメテオブラスト

おれも勉強してるぞ!お餅は焼くものだとな!(色々惜しいが元々焼いてばかりなので問題なし!




「……もち、きんちゃく……?」
 遊具の陰に隠れ、遠目に餅巾着侍を見据えるシャルロットは首を傾げて、疑問に想う。
 ダークセイヴァー世界出身で、アルダワ魔法学園に身を寄せている彼女。当然、和の文化には疎い。
「餅はこの間はじめて頂きましたが、巾着とは……? お財布ですか……??」
「餅巾着とは、薄揚げの袋の中にその餅を入れし食物よ、勉学せよ猟兵」
 ――!? シャルロットが驚いて振り向いた先。そこに餅巾着侍はいつの間にか存在し、餅巾着の解説をしていた。
 後で調べる手間は省けた。省けたが、何故ここにいるのか。先程の餅巾着侍を見る。
 ――すると、その餅巾着侍は着物の縁を掴むと、一気に引き剥がす。その下からは、忍者が現れていた。
「餅巾着侍かと思ったか!? 俺だよ!!」
「あれは伝説的なニンジャマスターの霊である。我の友人よ。引っかかったな、ピンクのフリルの猟兵よ」
「何でそれ広まってるんですかッッッ!?!」
「――衆人環視とは、怖いものだな」
 シャルロット、顔を真っ赤にして抗議するが、餅巾着侍はどこ吹く風と言った風情で言ってのける。いい性格をしている。
 しかしここまで近づかれてしまっては、狙撃どころではない。シャルロットがそんなことを考えていると――
「そこのパワハラ怪人!」
「ぬうっ!?」
 上空から大量の水の襲撃を受けて、餅巾着侍は後方へと跳んで下がる。
 シャルロットが見た先に居たのは、ユキノ。
「お前を喰う気はしないけど、勝負!」
 ユキノは愛用の剣、ツェーレヒュムネに大量の水を纏わせて、スキを見て突撃してきたのだ。
 その水は少し炎の魔力も混ぜ、全てがお湯となっていた。つまり、餅巾着を煮込む構えであった。
「あ、でも周りのキマイラ達なら食べてくれるかもよ? ツナ怪人達を頂いたぐらいの人達だし」
「強者でない者に食わす餅などありはせん! 栗きんとんでも食わせておけ!」
 煮込んだあとのことはあまり考えていない顔で、ユキノは言う。
 対する餅巾着侍は餅巾着侍で、頓珍漢な抗議をしてくるのだが。
 ――更に、もう一人落ちてくる。
「そこの貴様、これでもくらえ!」
「ぬおっ!?」
 今度は爆炎。餅巾着侍は長巻でガードしつつ、更に後方へと吹き飛ばされる。
 紅龍槍『廣利王』を先端に急降下してきたのは、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)であった。
「面白い頭の癖に……分かるぞ。その立ち方で……銀河帝国の帝国兵にも負けない実力を持ってるって事がな」
「その例えの意味は分からず。しかし、貴様が強者であることは認識したぞ」
 吹き飛ばされた餅巾着侍は、長巻の二刀流を構え直し、対峙する。
 水の剣を構えるユキノと、炎の槍を構えるテラ。似たような歳格好の二人が、並び立った。
(――この場合、邪魔者は――!)
 その三名の戦いが始まる直前、シャルロットはライフルを構えた。選択した弾丸は、氷結弾――!
 低く構え、目標に向かって――射撃-ショット-。
「凍てぇっ!?」
 目標とされたのは、先程餅巾着侍に化けていたマスターニンジャの霊。
 霊体すら氷結させるシャルロットの氷結弾は、その脚と、鉄アレイを投げる片腕を封じ込める。
「許してくれぇ! 俺は召喚されたら投げるしかないんだよぉ!」
「何をしとる――とは言わんぞ、それも詮無きことだ」
 そして、シャルロット達の方へ飛んでくるのは、回復効果を持つちくわのみ。
「バックアップはお任せください。前衛の皆さんが大暴れしやすいように、全力で援護しますので!」
「よし、煮込もう。餠巾着と言うからには。キミも大丈夫?」
「これが"きまいらふゅーちゃー"か……いいだろう、おれは負けん!
 我が竜騎士の技の冴え……我が全霊! 我が武! 馳走してやる!」
 くるくると槍を回して、テラは構える。そのやや後方にお湯を纏わせた剣を構えるユキノ、そして氷結弾を放つシャルロットが、遊具の陰に。
 その三名と相対して、最悪の状況である餅巾着侍は――
「――良きかな。三者とも強者である。これは――頂き甲斐があるというもの!!」
「「――!!」」
 ――大きく開いた間合いをも一瞬で詰める、神速の突き。それをテラとユキノは跳んで回避する。
 そこからは、凄まじい戦いであった。
 ――長巻の刺突――しかしそれが貫くのはユキノの残像。
 ――左からお湯の塊が襲う――しかし刀を突き刺すと、味噌だれがお湯を押し返す。
 ――宙からの槍を先端とした急降下突撃――それを軟体の身体を利用して、ぐにゃりと湾曲して刺突される場所から逃れる。
 ――そして、ぐにゃりと曲がった身体が回転しながら、長巻が振るわれる――それを直感で気づき、宙返りしながら星刃剣を振るっていなす。
 ――そのスキを見た、氷結弾の狙撃――長巻の刀身が、それを弾くのではなく、突き刺して刻まれたルーンを味噌漬けにし、破壊する。
 凄まじい速度での攻防……――しかし、その均衡は唐突に破れる。
「――あ、コレだ!!」
 ユキノが突然の発想を得て、水の剣を地面へと突き立てた。
 ――次の瞬間、餅巾着侍の下から、間欠泉のようにお湯が吹き出た。
「――何とぉおおおおっ!?」
「好機! おれも勉強してるぞ!」
 吹き出たお湯に吹き飛ばされる餅巾着侍。その好機を逃すテラではなかった。
 一気に空中で詰め寄り、脚に炎を纏わせて――その周囲の風景が、歪む。
「お餅は焼くものだとな!」
「ぅぉおおおおおおおっ――?!」
 色々惜しいテラの発言ではあるが、まあ仕方ない。文化的な差というやつである。
 炎と、重力波――風景が歪んだ原因はこれであった――を纏ったテラの蹴りが侍を叩き落とし、地面にめり込ませる。
「――動きを止めさせてもらいますよ!」
 そして、そこに着弾するシャルロットの氷結弾。侍の身体は大部分が氷結し、地面へと縫い留められた。
「……ん? ところで私さっき生命力吸収したんだけど、これもある意味で食べてることになるのかな?」
「え?! いや、おれが知るか!?」
 その氷結した侍を見つつ、ユキノとテラは二人でそう語り合い、トドメには持っていかない。
 シャルロットもまた、侍にトドメは刺そうとしなかった。
 ――既に固めた地点に、別の猟兵が居たからだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アンナ・フランツウェイ
コイツをサッサと倒し正月休みもらおう。あと私はヒーローじゃなくて処刑人。どちらかと言うとダークヒーロー。

餅巾着侍の攻撃は見切りで攻撃を見切って回避を行う。奴が焦ってユーべルコード御澱流・チカラモチを使うまで回避を続ける。

餅巾着侍がユーべルコードで伸びたら、伸びた場所目がけて断罪式・薊ノ花で攻撃力を重視し切り付ける。命中したら傷口をえぐるも使用し、鋸を思いっきり引く。 体が餅みたいで伸縮性と弾力性が合っても、鋸の刃ならかえって切断しやすいかも。




 地面へと、氷結され縫い留められた餅巾着侍――。
 彼の前に立つのは、アンナであった。
「――コイツをサッサと倒し正月休みもらおう」
 コイツ自体には興味ない、とばかりに、アンナは氷漬けにされた餅巾着侍を見下ろした。
「――そうか、猟兵の強者よ。我を下し、ヒーローとなるか」
「私はヒーローじゃなくて処刑人。どちらかと言うと、ダークヒーロー」
 ふっ――口はないが、餅巾着侍は薄っすらと笑った。
 彼の餅の熱はまだ、冷めきっては居ない。アンナは油断せず、ただただ彼を見下ろしていた。
「油断なきはダークヒーロー……冷徹なる覇者とでも言うべき存在が故か、面白い!!」
 氷をその熱で溶かし、砕き――拘束から逃れ、中へと舞い上がる餅巾着侍。
 他の猟兵も、アンナも。その捕まった事自体が罠だと分かっていた。だからこそ、手を出さなかったのである。
 ――長巻の双刃が、アンナを襲う。しかし、アンナは冷静にその狙いを見据え、最低限の動きで回避を続ける。
「ええい、ならば!!」
 大きく跳躍する餅巾着侍、その餅の身体が伸びる。
 ――この時を、待っていた。
「断罪の時は来たれり――」
 クロス状に通過する長巻を、敢えて果敢に近づくことで回避した、アンナ。
 その手に持っているのは、鋸状の刃を持つ、断罪剣――ラストブラッド。
(体が餅みたいで伸縮性と弾力性が合っても――鋸の刃なら、かえって切断しやすい)
 その胴体に、刃が充てられる。
「――……心身共に――真に強者か!!」
 ――斬られる一瞬、餅巾着侍は叫んだ――餅の繊維が、絶たれる音が響く。
 アンナは、宣告する。
「――報復の時だ」
 絶ち、抜ける――力を失ったオブリビオンの身体は、最も適した武器による一撃を受けて、真っ二つに両断――。
 ――そして、その残った身体は、白い餅となって散らばり飛散した。アンナは冷静に着地し――祈りを捧げる。
「私が強いんじゃない……あなたが、私には勝てなかっただけ。ただ、それだけ……」
 アンナはその散らばった餅に向かって、それだけを言った。思う所あるようであるが、しかし努めて無表情で――。

 ――こうして、強大なオブリビオンは倒された。会場は、キマイラ達の熱気に包まれ――猟兵たちは、讃えられた。
 ――尚、散らばった餅は、キマイラのスタッフが美味しく頂きました。ごちそうさまでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『レッツ☆キマイラ流パーティー!』

POW   :    おいしいものを食べるぞー!!(壁から出てきた食べ物を食べる)

SPD   :    インスタント・ファッションショー(壁から出てきた衣服で遊ぶ)

WIZ   :    キマイラリゾートを満喫(リラックスしたり、キマイラと遊んだりする)

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「皆、まずはお疲れ様、なのじゃよ!」
 エルナちゃんが、ブドウ味の炭酸飲料片手に、猟兵達にねぎらいの言葉をかけた。
 事件より数日後――先程の戦闘を興行として見ていたキマイラたちによって開かれた祝勝会に、猟兵たちは招かれていた。
 場所は、やはり先程戦った公園であった。
 今はテーブルがたくさん並べられ、立食形式で色々と料理が用意されていた。
「今回もお前さん達のおかげで、怪人たちの侵攻を阻止できた!
 そして、まあこれはついでではあるが、キマイラたちも興行で楽しませることが出来た!
 そこで、この大規模なパーティーを開いてくれた、というわけじゃ!」
 エルナちゃんの説明に、猟兵たちは沸き立つ。
 このパーティーはここだけで開催されているではなかった。
 色々なリゾート施設も猟兵たちに開放されており、更に超科学技術を何でも堪能出来る、と選り取り見取りであった。
「後方支援をしてくれとった者たちも、是非羽を伸ばして欲しい!
 さあ、これからが正月休みじゃぞ! みな!」
 ――少々、日付的にはロスタイムとなってしまったが、遅い正月休みを堪能するのもいいだろう。
 さあ、どう楽しむ? 楽しみ方は、君次第だ。
アイル・コーウィン
びしょ濡れになった服を乾かしていたら、いつの間にか戦闘が終わっちゃってたわね。
まあ、いいわ。改めて目的の為に行動開始よ!

その目的とはずばり、トレジャーハント!
他には無い珍しいものが出てくるって噂があるこの公園でなら、きっと珍しい金目の物が出てくるはず。
早速あたり構わず、コンコンしまくるわよ!

コン、コン、コン………

そういえばこの公園、「マッサージ触手公園」なんて呼ばれてるけど、何故かしら?
もしかして触手が出てくるとか……?
いえ、まさかね。パーティーを開けるくらい平和な場所でそんな事ある訳……。

パカッ

……え?


竹城・落葉
 成程、パーティーが開かれるのですね。しかも、立食形式の料理が用意されているとは……。ここは、ご厚意に甘えて食事を堪能する事にしましょうか。という訳で、住人の方達と一緒に食事を楽しみますよ。(あっ、絡みもOKです)勿論、今は業務中では無いので、戦闘用人格から日常生活用人格に変化しています。握手やサインを求められたら、喜んで応じます。食事の内容や味は、マスターさんに一任しますね。
 束の間の平和を噛みしめながら、この一時を有意義に過ごします。




「成程、パーティーが開かれるのですね」
 ――しかも、立食形式の料理が用意されているとは……。
 感動しているのは、落葉である。今は戦闘用人格ではなく、日常生活用の人格が表に出ているようだ。
「ここは、ご厚意に甘えて食事を堪能する事にしましょうか」
 早速とばかりに、ビュッフェスタイルでたくさん用意された料理を、片っ端から皿に盛っては食べ、盛っては食べしていく。
 和中洋、全て揃った料理はどれも絶品。この味が、コンコンと指定の場所を叩くだけで手に入ってしまうというのだから、キマイラフューチャー世界は実に奥が深い。
「今はただ、この一時を有意義に……」
 普段あまり表情を動かさない落葉も、あまりの美味しさに僅かに顔が綻ぶ。料理はどれもこれも、とても美味しかった。
 ――その一方。
「びしょ濡れになった服を乾かしていたら、いつの間にか戦闘が終わっちゃってたわねー」
 と、独り言ちながら、パーティー会場のいたる所をコンコン、コンコンと叩いているのはアイルであった。
「さあ改めて、目的の為に行動開始よ!」
 そういえば、マグロ怪人との戦い以来、未だ明らかになっていなかった彼女の目的だったが、それがコレであった。
 ――その目的とはずばり、トレジャーハント!
「他には無い珍しいものが出てくるって噂があるこの公園でなら、きっと珍しい金目の物が出てくるはず!」
 ――早速あたり構わず、コンコンしまくるわよ! 
 立食している落葉が「この人は何をしているのだろう?」とでも言いたげに、あまり表情は動かないものの、少し不思議そうに見える顔で見ているが、彼女は気づいていない。
 気になった落葉は、とりあえず焼きそばをもしゃもしゃと頬張りながら、アイルの動きを目で追ってみることにした。
「そういえばこの公園、『マッサージ触手公園』なんて呼ばれてるけど、何故かしら?
 ――もしかして触手が出てくるとか……? アイルの心に一瞬過ぎる不安。
「――いえ、まさかね。パーティーを開けるくらい平和な場所でそんな事ある訳……――」
 コンコン……――パカッ。
 ――その不安は、見事的中する。
「……え?」
「……ふぃ?」
 アイルが口を開けて唖然とし、落葉が頬張りながら呆然と見つめた先。
 ――金属光沢を持つ、多関節のパイプをうねうねとうねらせる、その名も"マッサージ触手"――見参。
「あ、言い忘れとったが、公園の一部にはコンコンすると触手が出てくるとこがあるから、気をつけてなー」
「そういうことは先に言いなさいよぉー!?」
 今更に遅いエルナちゃんの注意に、アイルは絶叫する――そして、絡まれる。
 スピードに自信のある彼女ではあったが、流石に油断した状態で回避行動は不可能であった。その体はあっさりと
「ひぃー!?!」
「ふぁ!? ふぁんふぁふぉふぉふぉぅふふぁっ!?」
 ――はっ!? 何だこの触手は!? と言いたかったらしい。戦闘用人格に素早く遷移した落葉は、頬張った焼きそばをとりあえず飲み下し、腰の刀に手を置くののだった。
 しかし、それを間に入ったエルナちゃんが制す。
「あー。気にするな、落葉。あれは無害じゃ。オブリビオンではない」
「……そうなのか? なら――問題はないのですけれど」
 日常人格に戻る、落葉。改めて、出現した触手を見てみよう。
 その光沢はローションらしき粘性の液体で、被按摩者の肌を傷つけることはない――。
 多関節のパイプは、それはしなやかな動きで、身体の筋の傷んだ部分を、柔らかく、揉みほぐす――。
 動きは常に一定ではなく、被按摩者の動きすらAIが予測し、的確に揉み解し、身体の疲れを癒やしていく――
 ――それは、匠の技であった。
「あ、あっ、あぁあぁああぁぁぁ……――」
 ――パイプ触手に肩から二の腕に掛けて巻き付かれ――指の間まで、滑り込むほどに手を覆われ――そして、太ももから足先にかけて締め上げられ――。
 アイルは、その触手の的確すぎるマッサージに、腰砕けになっていた。発する甘い声は、マッサージされることへの快感と、脱力の声。
「ふにぃ!?」
 そして、触手――何やら繊毛の生えている、まるでタオルが巻き付いたかのような外見だ――はアイルの顔へ……いや、目を覆うように、ピタリと巻き付いた。
「――ああ、目が――冷たい――気持ちいい……――」
 普段、トレジャーハントをしているが故に、目はよく疲れてしまっている。その疲れが、吹き飛ぶようだった――。
 顔に巻き付いたタオル触手は冷たく、そして熱を交換するために内部に冷却液のようなものを流しているようだった。目が、的確に冷やされる。
 ――マッサージ触手は的確に正確に、悦んでもらうために自らの存在意義をアイルへとぶつけていた。
 他の猟兵たちは唖然として、そのアイルがマッサージされる光景を眺めていた。
「――酷い光景ですね」
 端的に、その光景の感想を述べつつ、しかし食事をやめることはしない落葉。
 そんな落葉の元へ、エルナちゃんが近づいてきて、彼女にコップを渡す。
「……これは?」
「うむ。あの触手の粘液じゃがな、滋養強壮にええし、飲んでも美味いらしいのじゃよ?」
 と、エルナちゃんが言うと、落葉の持っているコップにいつのまにか触手が一本伸びてきて、まるでドリンクサーバーのように透明な粘液を満たすのだった。
「――ふむ」
 オブリビオンすら食す落葉。先のエルナちゃんの言葉を聞いて、それが美味しいかどうか、とても興味が湧いてきていた。
 彼女はそれを、一口舐める。
 ――清涼感。そして、僅かな甘さ。水まんじゅうを液体にしたような、繊細な中にある一筋の甘さ。
 一気に飲み干した。美味しい。
「なるほど、美味しいですね。これは、とてもいい」
「じゃろー?」
「――……できれば、助けて??……ふぁ、あうぅ……――」
 粘液の美味しさについて語り合う落葉とエルナちゃんに、絶賛マッサージ中のアイルの言葉は届いていなかった。
 ――まぁ、一度捕えたらマッサージ完了するまで離さないので、頑張りましょう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

弥久・銀花
【SPD】

服を下さい……。



銀花の服は軍服ワンピースと言った感じの服装だったが、胸の直ぐ下で真っ二つ。

お腹丸出し、スカート部分はベッチャベチャで留め金とかがバッキンバッキンに壊れています。

しょうがなくヌチャヌチャのスカートを履いて、片手で押さえて、もう片方の手でお腹を隠してインスタント・ファッションショーに来ました。


すみません、ここで服を貰えると聞いたんですが……。 (涙目です)


ありがとう御座います……、って、これなんですか!

出された服は、バニーガールスーツ。



仕方ないです……、元の服をコインランドリーに入れたら裁縫道具を買ってきて直して帰ります。

(街中を歩き回るバニーガール女子が誕生しました)




 ――その一方。そのマッサージ触手の"第一被害者"は、というと。
「……どうして……これ着てるんでしょうね……」
 銀花は、触手に絡まれてしまう猟兵、あるいは自分から触手に絡まれに行く猟兵を、大変大変微妙な表情をして見ていた――何故か……何故か、バニーガールスーツ姿を着て。
「いいじゃないかのぅ、似合っとるんじゃし」
「そう言う問題じゃないです。恥ずかしいですから……」
 話しかけてきたエルナちゃんに、少し赤い顔で抗議する銀花。と言っても、彼女には他に着る服はない――ないのだ。
 何故なら、彼女が着ていた、軍服ワンピースとでも言うべき服装は、現在修繕に出しているからだ。
「まあ、とても素人が裁縫して直るようなヤブレじゃなかったんじゃしな?」
「――……うう」
 彼女の手元には裁縫道具セット。苦心したのが分かるように、彼女の手には数々の絆創膏。
 ――そりゃ、流石に服が真っ二つになるほどのヤブレを多少裁縫が出来る素人が直そうとしても、引き攣って服が着れなくなるのがオチであろう。
 実際、仕立て直すのとはこれまた訳が違う。仕立て直す方が、これだけ酷いヤブレを直すよりは幾分楽なくらいだ。
 そんなことをするくらいなら、イチから寸法を測って服を作り直すか、似たような服を探した方が安価というものだった。
 だが幸い、キマイラフューチャーは芸術の世界でもある。そういった超技法を持つ服職人は、実際存在していた。
 ――その代償が、犬耳バニー(?)誕生であったが。
「……どうしてこうなったんでしょう……」
 銀花は疲れたような様子で項垂れる――ここで、街中を歩き回る犬尻尾バニー(??)女子が誕生した経緯を話そう。


 ――時間は少し遡って、戦闘終了後。
 まだ準備中だった、公園に併設されたインスタント・ファッションショー会場に、銀花は現れていた。
 ――お腹部分で布地は真っ二つ、故にお腹丸出し。
 ――スカート部分は粘液でベッチャベチャ。
 ――あちこちに留め金はバッキンバッキンに壊れている。
 そんな、悲惨な有様に、準備中だったキマイラ達も、ひっ、という声を上げてビビっていた。
「服を、下さい……すみません、ここで服を貰えると聞いたんですが……」
 そんな風に涙目で頼まれては、いい人揃いのキマイラ達である。慌てて何処かへ駆けていった。
「あらぁん! これはこれは可愛らしいお客様が現れたわねえ!」
 なんだかナヨナヨとした動作でこちらにやってくるのは、細身の女性――……女性? いや、男性だと思う……オネエだ――キマイラ。何だか腰の後ろに、蜘蛛のような腹が生えていた。
「凄い有様ねぇん? さ、脱いで脱いで♪ 代わりの服を用意してあげるからぁん♪」
「あ、ありがとう御座います……」
 そして、更衣室へと案内される銀花。
 ――数分後。
「――って、これなんですか!」
 ――まるで漫画のように、服を着てからツッコむ銀花。
 出された服は、バニーガールスーツであった……。
 ただし、耳はうさ耳ではなく、銀花自前の犬耳と尻尾――いや、狼の白い耳と尻尾を伸縮性の生地に開けられた穴から通した、犬耳バニー(???)であったが。
「似合ってるわよぉ~♪」
「うー、仕方ないです……元の服をコインランドリーに入れたら裁縫道具を買ってきて直して、着て帰ります」
「あら、あれだけヤブレて金具も壊れてるのにぃ?」
 先も言ったと思うが、とても素人に直せるような服の損傷具合ではない。銀花にも心得はあるのであろうが、恐らくは剣の修業の合間にする程度の腕前では難しい。
 ――だが、そのオネエ蜘蛛キマイラはこう言った。
「私、その手の職人でもあるのよぉ♪ だから、直してあげるワ♪ そ・の・代・わ・り」
「そ、その代わり……??」
 嫌な予感がして、銀花は身を引かせる。オネエキマイラは、ただただニコニコと不気味な笑みを浮かべていた。
「帰るまで、そのカッコウで居て頂戴♪」
 ――これが、犬耳バニー(????)爆誕の経緯であった――。
 銀花よ、強く生きろ――地の文は、応援している。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リアーナ・シルヴァネール
◎丸投げ、させて頂戴
アナタになら任せられる、全部お願い。

◎私、エルナちゃんと一緒がいい
この世界初めてだからよく分からないの、案内してもらえないかしら?

◎私、こういう女だけど…
俗に言うツンデレだって、偶に言われるわ。
いつも眉根を寄せて睨んでるけど、本当は楽しい事や可愛い物、美味しいご飯も好き。
何を見ても、ふぅん…みたいに言うけど、恥ずかしいからクールを気取ってるのよ。
頬を染めてそっぽ向いちゃうけど、本当は嫌じゃないんだからね。

◎反応って…
べ、別にアナタの為に戦ってる訳じゃないんだからね…!

あ、アリガト…。

ふぅん…エルナちゃんて、結構凄いのね。

キマイラフューチャー…楽しいかも。

とか、言うかもね。




 時間は、現在へと戻る。
「――ここは、どこかしら?」
 リアーナはエルナちゃんに連れられて、公園をあとにしていた。
 今いるのは、高層ビル街から離れた、少し低めで敷地面積の大きな、コンクリートの壁で囲まれた建物――それはまるで、工場のようだ――が立ち並ぶ郊外。
 そう、キマイラフューチャー世界に不慣れなリアーナは、エルナちゃんに案内を頼んだ所――ここまで連れてこられたのだ。
「ま、本来は倉庫とかに使っとる地区なんじゃが、ここのコンコンポイントで面白いものがとれるのでな」
「面白いもの?」
「ああ、最初の頃からずいぶんと世話になっとるお前さんへの、礼としてな?」
「べ、別にアナタの為に戦ってる訳じゃないんだからね……!」
 ――おお、典型的ツンデレ台詞じゃな――とエルナちゃんは茶化す。頬を染めてそっぽを向く。でもそれは別に恥ずかしいだけで、嬉しくないわけじゃない。
「じゃが、そんなお前さんだからこそのプレゼントじゃな、ほれほれ、こっちじゃこっち」
「あ、ちょっと」
 手を引いて走るエルナちゃん。身長差もあり、ちょっと屈んでリアーナは走ることになってしまう。
 やがて、ちょっと入り組んだ場所を入った先。高いコンクリートの壁で細い路地が出来ている場所へと入り込む。
「……いかにも猥雑、って感じの路地ね……どういうつもりなの?」
「あー、まぁそうじゃな。でもそっちの意味じゃないから安心せい。そーゆーのも嫌いではないが」
「ふぅん……?」
「まあいいからいいから、こっちに来てみるとええ」
 リアーナは訝しんだように眉根を寄せて、少し首を傾げる。
 エルナちゃんは手を引っ張らずに先導し――やがて大量のドラム缶が脇に置いてある地点まで辿り着くと、足を止めた。
「……また、そういう感じの場所ね……」
「だから違うというに。さて、ここじゃな――」
 エルナちゃんは目当ての壁を――コンコン、と叩いた。
 ――パカリ、とコンクリート壁が、割と軽い音を立てて開いた。リアーナはその開いた壁の中にあるものが気になり、エルナちゃんの背後から覗き込む。
「……あら、これは――口紅?」
「そうじゃ。昔ここで見つけてな、面白いじゃろ?」
 そこから出てきた口紅を、エルナちゃんはリアーナの手を取り、その掌に置く。
 リアーナはキャップを外し、口紅を伸ばす――。
 ――それは、ほんの若干赤紫の入った、発色の良い赤。色名でいうなら、"カーマイン"というのだろうか――そういった色の、口紅であった。
「……あちきの外見は子供っぽすぎてな。大人の魅力に溢れたお前さんには、よく似合うと思っての」
「ふぅん……エルナちゃんて、結構凄いのね。化粧のことも詳しいんだ」
「ま、流石にドレスコードの必要なとこには、これでも確りとした服装で行くからの」
 ウィンクしてみせるエルナちゃん。感心したリアーナは、その口紅を眺める。
「銀に、この赤はよく映える――ふ、お前さんの想い人をコレでイチコロにしてしまえ。な? ぐふふ♪」
「なっ!? い、いきなり何言うのよ!?」
 激しく動揺するリアーナ。流石にそんなことを言われるとは思ってなかったらしい。
 対するエルナちゃんは、してやったり顔である。リアーナはやられた、とばかりにそっぽを向く。
 ――向いて……でも、その口紅を眺める。眺めながら、リアーナはふぅ、と短く溜息を吐いた。
「……か、考えておくわ。あ、アリガト……」
「ぐふふ♪ どういたしまして、じゃ♪」
 少しだけ恨みがましそうな目を向けるが、感謝の気持ちを言うのは忘れないリアーナ。
 そんな、彼女ににやにやと実に楽しそうな笑みを浮かべるエルナちゃん。
 ――願わくば、彼女の恋路に、幸あれ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
なんだと…どうなってるんだ…壁から御飯が出てくるぞ!?
(出てくるご飯は主に火を通した系列であればアドリブ大歓迎)

色々と味わい堪能してくぞ(グルメコメントもアドリブ歓迎

凄いな…まるっきり魔法みたいな所だ
でも…どうやって作ってるんだろう…材料はどうしているんだろうか…

(料理スキルと第六感で色々と分析してみる)
折角なのでえるなちゃんとやらとだべってみよう

ええとえるなだったか?
(そこで注意されて)え、えるなちゃんか
ずっと前から気になっていたんだが…正月休みってどういうものなんだ?
(ファンタジー世界のエルフっ子)
祭りってのは解るんだがそういうのは本来色々な意味がある筈だからな
故郷でもそうだったし




「なんだと……どうなってるんだ……――」
 テラは、驚愕の事実に立ち尽くしていた。
 ――コンコン、と叩いた壁から出てきたのは、フランクフルトや竜田揚げ、そして良く火の通った鳥の手羽先、など……。
「――壁から御飯が出てくるぞ!?」
 あまりに初体験すぎることに、テラは驚く。そして訝しみながらも、フランクフルトを一口齧りついてみる。
「美味い……全然、脂っ濃くないし……壁から出てきてるのに、熱が冷めている様子もないじゃないか……」
 その後も、竜田揚げや手羽先など、色々と味わい堪能していくテラ。
 ――どれもこれも、とても美味しい。揚げたて、焼きたての美味しさそのままに、料理は壁から出てきていた。
(凄いな……まるっきり魔法みたいな所だ)
 いや、魔法だけでここまでの料理を作るのは、それこそ労力に見合わない研鑽が必要だ。
 ――補助的に炎の魔法を使うのならまだしも、物質創造系の魔法で作るには、それこそ繊細な術式の微調整が必要だろう。
 ――斬撃や衝撃の魔法などを組み合わせて素材から作ったとしても、それも術式が暴走しないように工夫が必要だ。とても現実的じゃない。
 それだったら、普通に料理を極めた方がこの味にはすぐ近づけることだろう。そこをわざわざ全て魔法でやる必要など、ない。
(――でも……だとしたら、どうやって作ってるんだろう……材料はどうしているんだろうか……)
 テラは自分の持てる料理スキル、そして魔法知識と第六感で判断してはみたが、やはり分からない。不思議で仕方がなかった。
 ――と、この世界に詳しそうな人物が、今目の前を通ったのだった。
「ええと、えるなだったか?」
「ちゃんを付けろよデコ助野郎ッッ!!」
 呼び捨てで呼んだ瞬間に、凄い形相で睨み叫ばれ、テラは面食らう。
 在る種、地雷を踏んだかのように怖かった――と言っても顔だけで、エルナちゃん自身は実際それほど怒ってはいないのだが。
「え、えるなちゃん……か。この、こんこんぽいんと? だっけ? それについて聞きたいんだが……」
「ああ、それについてはあちきらも"不思議なもの"以上の理解はないんじゃよ。人類の失われた超技術の遺産、とのことじゃからな」
「そ、そっか……」
 と、まるで質問されることを予測していたかのように、用意していただろう答えを返してきたエルナちゃん。
 ――この機械について分からないのは不満だが、わからないのであれば仕方ない。
 だからテラはすっぱり諦めて、別のことを聞くことにした。
「……ずっと前から気になっていたんだが……正月休みってどういうものなんだ?」
 ――祭りってのは解る。だがそういうのは本来色々な意味がある筈だからな。
 故郷の祭りを思い返しながら、テラはそう質問した。
 しかし、それについてもエルナちゃんはあまりいい反応はしなかった。テラはその様子に、首をかしげる。
「……どうしたんだ、えるな――ちゃん?」
「いやの、お前さんには申し訳ないが、この世界の行事の由来っちゅうのは、実際失われているのが多くてのう――」
 少し、深刻そうに言うエルナちゃんに、テラは真剣に傾聴する体勢に入る。
「――そうじゃな、こう説明すれば、とりあえずは分かるじゃろう。要は、新年の祭りのようなものじゃ」
「ん! ああ、それなら分かる! 新年ってのは目出度いものだものな!」
「そう、その新年の暦上の最初の月を、サムライエンパイアのような和の文化のある世界では、"正月"と呼ぶのじゃ。そして、政や業を休み、家族と共に過ごす習慣のことを、"正月休み"と呼ぶのじゃよ」
「なるほどな……」
 テラにも、その説明で理解が出来た――が、出来て、その首を傾げる。
「……このキマイラフューチャーの世界にも、その和の文化があった……ってことか?」
「ふふ、聡いな。確証は得られんが、もしかしたらその通りかもな」
 エルナちゃんはそう言うとテラから目線を外して、空を仰ぎ見る。テラも倣って、空を見てみた。
「今でもあちきらが、同じ習慣を持って大切にしているということは……そういうことなのかもしれん。じゃから、あちきのようなヴァーチャルキャラクターや、餅巾着侍のような怪人が居るのかもしれんな」
「……うーん、奥が深いな……」
 同じ空を眺めながらテラは感心したように言う。それを見て、エルナちゃんはくすりと微笑んだ。
「ふふ、歴史というのはそういうことじゃ。あちきらは過去の遺物と戦うのじゃ、少しは学んでおいて損はないぞ?」
「そうかも……しれないなぁ……」
 エルナちゃんの言葉に、テラは意外だったように言って、頷くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンナ・フランツウェイ
(日常編はお任せでお願いします)

(アンナは忌子と嫌われ両親に売られる&実験体にされる等したため)あまり遊んだ事が無いから、最初は戸惑ってエルナちゃんに色々聞いたりする。

でもこうやって遊ぶのも悪くは無いかなと思う。連れてきてくれたエルナちゃんへ「…ありがと」と伝えよう。




「――……ふぅ」
 満ち足りたような、疲れたような。そんな溜め息を吐くのは、アンナであった。
 彼女の手にはぬいぐるみと、紙袋に入ったたくさんの服。そして、ビニール袋に入った大量のお菓子。
 着ている服は何故か可愛らしくアレンジのされた、少し際どいミニスカートのメイド服。
 時刻は既に夕刻。彼女は、高層ビルの屋上に居た。
「ふふ、楽しかったじゃろ?」
 ――そう隣に居て言うのは、エルナちゃん。彼女をこのような状態にした張本人だ。
「……キマイラフューチャー。奥が深い……とても、一日じゃ楽しみ切れない……」
 アンナは充実した疲れを感じさせる声色で、そう言った。エルナちゃんがそれに微笑む。
 ――ゲームセンター。コンコンポイント巡り。商店街でのショッピング……彼女が行ったのは、以上。その全てが初めてで、全てが驚きの連続だった。
 今まで遊ぶということを経験したことのなかったアンナにとっては、敵と戦うのでもなく、境遇に頭を悩ませるでもない、"心地の良い疲れ"とでも言うべき、とても清々しいコレは、頭では理解できなかったが、今体験として理解していた。
 ――このようなこともある。それだけが、ただただアンナの脳裏に良い思い出として焼き付く。
「……凄かった。エルナちゃん、ありがと」
「ふふ、まぁだ礼を言うのは早いのじゃよ?」
 悪戯っぽい笑みを浮かべるエルナちゃん。アンナはその様子に、首を傾げて彼女の方を見た。
「ほれ、あちきなんか見とると、見逃すぞ?」
 と、エルナちゃんは前を向くように促す。アンナはよく分からないまま、前を向いた。
 ――夕日が沈み切る瞬間、その光がビルの窓に反射して、まるで海原のように、光り輝いていた。
 ――そして、空の色は赤から不気味な紫を経て、青へと変わるグラデーション。そんな一瞬の奇跡の光景が、目の前に広がっていた。
「……怖いくらいに、キレイ……」
「ぐふふ、じゃろう? あちきのお気に入りの光景じゃよ」
 アンナはその景色に魅入られていた。エルナちゃんはしてやったり、とばかりにとびっきりの笑顔をアンナに向けていた。
「これが、お前さんの守った世界じゃ。世界にゃ、不気味でただただ恐ろしいものもあれば、怖いくらいに美しいものもある。
 何が言いたいかというと……お前さんは、悲嘆に暮れることはないと思う。あちきはそう思うのじゃよ」
「……――」
 ――言葉の意味は、アンナには解りかねた。
 解りかねたが――感情は、伝わった。
「――……ありがと」
 その感情を受けて、アンナはそう小さく呟いた――どんな感情に根ざしてのものかは、彼女自身にも解らなかった。
 ――その小さな感謝の言葉はエルナちゃんに、届いたのかどうか。
 彼女は応えなかったけれど、浮かべた苦笑いが、それを証明していた。

 ――美しい光景の前で、二人の少女の感情が交錯した。
 猟兵の歴史を守る戦いはこれからも続くのだろう。悩み、畏れ、傷付くことも、あるのだろう。
 だが、彼らは今日も戦い続ける。その隣に、同じ猟兵-なかま-が居る限り。きっと。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月22日


挿絵イラスト